こども園シリーズ(4 ) 「協定」を結ばないで『法人』を「指定する」のは、 法律違反です。 『リズム園』の『法人指定」の「前」に、 『協定書の締結』が「必要」です。 法律違反状態のもと「民営化」が勝手に動き出しています。 ポイント1:最初に『協定書の締結』が必要です。そのあとに『指定』です。 「協定を結ぶのはこれからだから、違反ではない」と主張する人へ。 「いいえ。やっぱり違反なんです。」と、答えなければなりません。 そう答える根拠は、『国の法律』(注1)によります。 (注1)「就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に 関する法律」 国の法律(注1)では、次のように書かれています。 「1,市町村長は、・・・・認定こども園の運営を継続的且つ安定的に行うことがで きる能力を有するものであると認められるものを申請により・・・(公私連携) 法人として指定することができる。 ..... 2,市町村長は、前項の規定による指定をしようとするときは、あらかじめ、当該 指定をしようとする法人と次に掲げる事項(注2)を定めた協定を締結しなけ ればならない。」 リズム園は、学校法人でした。そのリズム園が、『認定こども園」事業者となる 為には、「公私連携法人」としての町からの指定が必要です。 その指定に当たって、まず、必要なことは「市町村長は公私連携法人に指定し ようとする学校法人と、あらかじめ、協定を締結しなければならない。」のです。 法律ではそう定められているのに実際はそうなっていません。 (注2)「次に掲げる事項」の中には『設備の貸し付け・譲渡』に関する事項が、 含まれています。 安平町は、この手続きを全くやっておりません。 -1- ポイント2:「法律違反」状態の中での「民営化」が進行! 『指定』の選考通知はしたけれど、協定書は結んでいない! これ自体が法律違反。 安平町とリズム学園の間では、いまだに、正式な協定書は結ばれていません。 『予備協定』(平成27年2月12日)を、結んでいるだけです。 それも、「指定」(H26/10/20)の後のことであり順序が逆です。 しかも、リズム園が事業者として『選定(指定)』されてから、約4か月経って の『予備協定』です。正式な協定は「(リズム園が)運営を開始する日の6か月 前(今年の9月末)までに締結する。」となっています。 (予備協定 第4条) これは明らかに法律を無視するものです。 しかも、これは、正式な協定ではありませんし、重要な要件(①設備の貸し付け、 譲渡 ②教育及び保育に関する基本事項 ③協定に違反した場合の措置等々)は 含まれておりません。極めて一時的なもので、事前準備の為だけの『協定』であ り、目に付くものと言えば、安平町側の負担金等のことです。 まず、最初に指摘することは、『民営化』が法律違反の中で行われていることで す。法律違反が起こった理由は、おそらく、町や教育委員会が、法律(注1)を 熟知していなかったからということではないでしょうか。 (以下、「協定書なし」の「民営化の進行」) 1,応募者(リズム園)の応募者選定(指定)。2回目の選考委員会にて。(H26/10/20) 2,選考(指定)通知(リズム園宛て) (H26/11/5) 3,恵庭幼稚園へ現地視察(議会総務常任委員会・教育委員会・関係職員) (H26/1/16) 4,町長、行政報告で『リズム園を選定(指定)した』と報告。 (H26/12/17) 5,町とリズム園が、『予備協定』締結 (H27/2/12) 6,「はやきたこども園」の運営事業者に係る説明会(保護者・町民)(H27/2/23) (事業者リズム園から園長が参加) 7,認定こども園「 民営化 」 の業務委託料予算化 。631万円。(H27 3月議会) 8,事前準備の為、リズム園の事務職員が、すでに、1名配置済み。 (予備協定書によれば) 9,「次年度入園説明会」(8月予定) 10、『園児募集』(9月予定) -2- ポイント3:協定書の締結は、 『契約案件』ですから議会の議決が必要です。 しかし、協定書の締結もなく、議決もありません。 『民営化』に向けてた「事業」だけが、確実に進んでいます。 『協定書』は、安平町がリズム園という法人と契約を結ぶわけですから、条件を 含め議会で検討され議決される必要があります。『契約事項』は議決事項だから です。しかし、『協定書』自体が、まだ交わされていません。 従って、「議決以前の状態」が続いています。 しかし、それなのに、『民営化』に向けた事業は、確実に進んでいます。 すでに述べました「恵庭幼稚園への現地視察(議会総務常任委員会・教育委員会 ・関係職員)」や「民営化の為の業務委託料 631 万円が予算化。リズム園から の事務職員の1名配置。」その上、「次年度入園説明会(8月予定)や『園児募 集』(9月予定)の準備」等々、『協定書の未締結」「議会の議決なし」の中で 「民営化の動き」だけが加速しています。 この事は、私には異常に見えます。 ポイント4 :『認定こども園」の「設備貸し付け・譲渡」について 「正式契約」がされていない。「議会議決」もしていない。 内閣府の通知(注3)には、以下のように書かれていました。 ※これはシリーズ(1)の復習です。 公有設備の無償又は廉価での貸し付け・譲渡 「この設備の無償又は廉価の貸し付け・譲渡については、・・・これらの 規定が適応され(るので)、議会の議決を省略すること等は出来ない ことに留意が必要。」とあります。 (注3)「公私連携幼保連携型認定こども園、公私連携保育型認定 子ども園及び公私連携型保育所の取り扱いについて」 (内閣府 H27・3・10) 繰り返しになりますが、安平町は、この問題に対する議決はおろか、協定書も結んで いないのです。まさに『処置なし』という状態です。 ポイント5 : 土地、備品の『貸し付け・譲渡』についても、「協定」が 結ばれていない。「議会議決」もしていない。 前回(シリーズ1)の指摘は、内閣府の指導は、あくまで『設備』に限られ ていますので、「土地、備品の場合は、町条例の規定に従って町議会の議決 が必要」だと指摘したのです。 -3- その根拠は、地方自治法第237条第2項(注4)にあります。 (注4)「2 ・・・、普通地方公共団体の財産は、条例又は議会の 議決による場合でなければ、これを交換し、出資の目的と し、若しくは支払手段として使用し、又は適正な対価なく してこれを譲渡し、若しくは貸し付けてはならない。」 因みに、『こども園の備品とは、ピアノや遊具だけではありません。通園バスも 入るのです。それも、「タダでやる」事になります。(募集要項では。) ポイント6 :5億円もの町民の財産を、法律違反のまま 、「タダ」で 渡してはなりません。 なぜ、ウソ(町長の議会答弁)をついてまでの『民営化』を しようとしているのでしょうか?、 『設備の貸し付け・譲渡』は、『協定書』に含まれるものです。 そして、議会で議決されなければなりません。 しかし、安平町(教育委員会)は、こうした内容(設備と土地の無償貸与・ 備品の無償譲渡)を議会での議決がないのに、すでに決定しているがごとく 周囲に周知し、既成事実を積み上げています。 説明会での私の質問に対しては、担当者は、『募集要項と同じ。変わらない』 と答弁しています。(この件に関する『感想文』の「ていあんくん」掲載が拒 否されました。) 『土地・建物の5年間の無償貸与(タダで貸す)」「備品の無償譲渡(タダで くれてやる)」事をすでに決まったこととして説明されています。 これは、明らかな、違法行為ではないでしょうか。 「無償貸与」「無償譲渡」を公募の条件にした上に、協定書を結ばず、議会の 承認を経ずに「リズム園」職員や町民の前で、決定事項のごとく説明をした ことは、明らかに法律違反です。 安平町は、建設に約5億円要した「認定こども園」を学校法人「リズム園」に 事実上、タダで手渡す様な行為をしようとし、、 『特区は民営化が条件だ」とか、 「特 区の条件が、民営化か、臨時雇用を全員採用しなければならなくなる」『総務省の 強い指導がある』などと町長は「うそ」をついて『民営化』を推し進めてきました。 「ウソ」と「法律違反」をしてまで推し進めている『民営化」は、誰の為の、 何の為の『民営化』なのでしょうか? 正直、私には、見当が付きません。 -4-
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