AOKIグループ(株式会社AOKI、株式会社オリヒカ) 取引先様との信頼

流通・小売(専門店(ファッション)) / 商社(専門商社(アパレル・ファッション)) / サービス(ブライダル)
最終更新日: 2008/10/27
(マークの説明)
AOKIグループ(株式会社AOKI、株式会社オリヒカ)
準備シート
活動履歴
取引先様との信頼関係を構築し、ワイシャツの売上を大幅アップさせた商品企画のプロ。
事務系−商品企画
商品 構成部/ 主任
戸松 正
(30歳) | Tadashi Tomatsu
入社 8 年目 / 京都産 業 大学 経済 学部 経済 学科 出身
愛知 県生まれ。京都 で過ごし た 学生時 代はいく つかの 店でバーテン ダ ーを経 験。入社後 は、
店 舗職を経て商 品構成 部へ。現在 はワイシャ ツ 部 門にて、商品 の企画・ 生産発 注・ 店 舗への
投入 ・ 在庫 コ ン トロ ールまですべて担っ ている 。現在 、結婚2 年目。休日 はショッピ ン グに 出か
ける こ と が多 い。
「どうしても商品構成部に行きたい!」
商品の企画から販売まで、すべて自社で手がけているAOKI。入社以来、愛知県の店舗で接客販売をしていた戸松だが、入社当初から商品
の仕入れや企画には強い興味があった。特に、AOKIはものづくりに強いこだわりを持っている。スーツ一つをとっても、糸からつくるほどのこ
だわりよう。最先端のトレンドは、本場ヨーロッパまでリサーチしに行くほど。店舗で販売をしながらAOKIのものづくりへの熱い想いを感じ取っ
ていた戸松が、商品の企画を手がける商品構成部に興味を持ったのは、自然な流れだと言えるだろう。「商品構成部に行きたいんです」と事
あるごとに周りに訴えつづけた。
戸松にチャンスがめぐってきたのは2005年のこと。「ワイシャツ部門でニーズがあるので、やってみないか?」と、声がかかったのだ。「ぜひや
らせてください!」迷わず、戸松は異動を決意。新天地・横浜本社にて、戸松の新しい生活がスタートした。
2007年9月――、“夏のワイシャツ拡販プロジェクト”がスタート。
商品構成部の仕事には際限がない。ヨーロッパに足を運び、一足先のトレンドを調査するところから始まり、商品の企画、国内外のメ
ーカー工場へ生産依頼や値段交渉も行なう。商品が完成すれば店舗状況を見極めながら商品を投入。その後も、在庫が足りなくなる
前に調整をかける。そうしているうちに、その次のシーズンの企画も始めなくてはならない。ファッションは天気からも大きな影響を受け
るため、日ごろの気象チェックだって欠かせない。それに国外のメーカー工場でも生産し、商品の輸出入を行なっているため、為替レー
トを調べることも重要な業務。トレンド、気候、経済…さまざまな要素を織り交ぜて、商品は完成する。ワイシャツの生産におけるすべて
の舵取りを行なうのが、戸松である。
2007年9月。戸松に大きなプロジェクトが任された。その名も、「夏のワイシャツ拡販プロジェクト」。政府がクールビズを提唱しはじめて
からちょうど4年、半袖ワイシャツの売上は年々伸びつつあった。2008年4月∼8月の夏シーズンにおけるさらなる売上アップが、戸松の
ミッションとなった――。
2008年4月――、思いがけない冷夏。商品が売れない!
「“売れる”ワイシャツって、なんだろう?」
考えた結果、戸松はひとつのテーマにたどりついた。そのテーマとは“ちょっとオシャレなワイシャツ”。それまでのワイシャツといえば白
無地が基本だった。しかし、それではつまらない。ワイシャツのメインユーザーは40代の男性。会社で女性社員が思わず「今日のワイシ
ャツかっこいいですね」といいたくなるようなポイントを、すべての商品に加えることにした。たとえば、無地でもボタンの色をアレンジして
みたり。襟の生地だけを変えてみたり。首周りの裏地を変えてみたり。200ほどのラインナップを考え、メーカー工場に生産発注をかけ
る。メーカー工場とは、AOKIが生産を委託している国内外の工場であり、いわばビジネスパートナー。AOKIは信頼のおける工場にしか
仕事を委託しない。工場の人たちの協力もあり、2008年4月、ワイシャツは完成。一斉に店舗に並んだ。
しかし、その売れ行きは散々なものだった。それもそのはず。異常気象のあおりもあって、気温が上がらないのである。気温が上がらな
ければ、半袖のワイシャツが売れるはずもない。過剰に抱えた在庫は、大きな借金と同じ。会社には大ダメージである。在庫を減らす
ために、戸松は動き出した。会議で販売スタッフに商品のセールスポイントをお伝えした。売場のレイアウトの方法も考えた。努力の甲
斐あって5月、狂っていた販売計画が少しずつもとに戻っていく。
2008年7月――、異常気象により気温が一気に上昇。在庫が足りない!
しかし7月、梅雨があけたとたん、販売計画は再び狂いだす。気温が予想以上に上がり、ワイシャツが逆に売れすぎたのである。「ワイ
シャツが足りません!在庫を補充してください!」と、全国にある約400の店舗から商品要望の電話がひっきりなしに響く。「このままだ
と、8月までに在庫がすべて切れてしまう!」戸松はあせった。
そこで戸松がとった行動は、メーカー工場に商品を分けてもらうことだった。メーカー工場は、生産を委託されている商品のほか、自社
でもオリジナルの商品をつくっている。オリジナル商品の在庫が余っていれば分けてもらえるかもしれない。小さな希望を胸に、戸松は
取引工場を片端から訪れ交渉する。しかし、どの百貨店や競合他社も商品不足に悩んでいるせいか、工場担当者たちは首を縦には
振ってくれない。
「もしかしたら…、あのメーカーなら大丈夫かもしれない!」
戸松のアタマに浮かんできたのは、A社。A社は、戸松が商品構成部に異動してきて以来、ずっとお世話になっているメーカーだった。A
社の担当者は40代の男性で、戸松に商品づくりに関するあらゆることを教えてくれた。今の戸松を育て上げた存在、といっても過言で
はない。「在庫を分けてもらえませんか!?」戸松は彼に交渉したが…、「もう、他社さんに在庫を譲る約束をしてしまったんですよ」とあ
っけなく断られてしまう。最後の希望であった頼みの綱は途切れた。
2008年8月――、プロジェクトの鍵を握っていたのは取引先様との信頼関係。
在庫商品の譲渡をことごとく断られた戸松。しかしここで諦めるわけにはいかない。戸松は再度、A社に交渉を続けた。「本当にお願い
します!どうしても、A社さんの協力が必要なんです!」すると、ようやく先方が応じてくれた。「そこまでおっしゃるなら、特別に倉庫の中
をお見せしましょう」戸松が案内された倉庫…そこには、A社オリジナルのワイシャツが眠っていた。戸松には宝の山に見えた。「他社さ
んと約束していたけど、お譲りしましょう。戸松さんになら、安心して任せられます」。喜びは、言葉にならなかった。「…本当にありがとう
ございます!」
早速、店舗に商品を投入する。ワイシャツは、飛ぶように売れていった。そして8月の終わり――、販売計画を大幅に上回る数字が戸
松の目に飛び込んできた。それは、プロジェクトの大成功を意味していた。
「あ、あの人もAOKIのワイシャツを着てくれている!」、街行く人を眺めながらつい感動
に浸ってしまう。400もの店舗で売られているAOKIのワイシャツの商品企画からすべて
を手がけている張本人が戸松。だから、つい足を止めてしまうのも無理はない。2008年
夏の苦労を思い返すと、よりいっそうの感動が胸にこみあげてくる。
「プロジェクトは、私に“信頼関係の大切さ”と“諦めないことの大切さ”を教えてくれまし
た」と、戸松は夏を振り返る。苦難のプロジェクトを越えて一回り成長した戸松。アタマの
中はすでに、来シーズンに向けて動き出している。
【 企 画ミーティン グでのひと コ マ】 秋 ・ 冬の シーズン
が始まる こ ろ、商品構 成部ではすでに翌年 の秋・
冬の企 画が動き出している 。
学生時代は4年間、京都にてバーテンダーのアルバイトを経験。人見知りだった性格を克服し、対面接客を面白いと感じられるまでになっ
た。ここで身に付けた“人と信頼関係を構築するスキル”は、お客様や取引先様とやりとりをする際に大いに活きている。
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準備シート
活動履歴
AOKIグループ(株式会社AOKI、株式会社オリヒカ)
【理系】 1位/甲有会グループ(医療法人社団甲有会・社会福
【文系】 1位/劇団四季(四季株式会社)
祉法人甲有会)
2位/株式会社虎の穴
2位/劇団四季(四季株式会社)
3位/株式会社ヤマシナ商事
4位/株式会社スクウェア
5位/株式会社シニアコミュニケーション
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