排尿障害の治療薬 こやま薬局大供店 下部尿路の働き 膀胱の弛緩と尿道括約筋の収縮により、 尿を溜める。 膀胱が収縮すると同時に尿道括約筋 が弛緩し、尿を排出する。 山口脩ほか：図説下部尿路機能障害,メディカルレビュー社,2004. 夜間トイレの回数が多い方に使う薬 • 過活動膀胱や神経因性膀胱による頻尿 抗コリン薬 バップフォー、デトルシトール、 ベシケア 等 • 前立腺肥大症による頻尿 α１遮断薬 ユリーフ、ハルナール、 フリバス／アビショット 等 抗コリン薬 • 通常膀胱はアセチルコリンという物質の働きで筋肉 が収縮し、尿を出そうとします。 抗コリン薬はその物質の働きを妨げて膀胱の収縮 を抑え、尿をためるように働きます 過活動膀胱の薬による治療 抗コリン薬 神経 アセチルコリン 抗コリン薬 膀胱の筋肉 膀胱の神経の過敏な 働きを抑えます 過活動膀胱の時 抗コリン薬を 飲んだ時 アセチルコリンの作用 アセチルコリンの作用をブロック 唾液腺 唾液分泌 口内乾燥 胃および食道 運動亢進 消化不良 大腸 運動亢進 膀胱（排尿筋） 収縮 弛緩（ゆるめる） 便秘 その他：めまい、目のかすみ、眠気 過活動膀胱や神経因性膀胱による頻尿に 使われる薬 通常用量 バップフォー 錠剤 1日1回２０ｍｇ 副作用 飲み忘れたときの対処 口渇、便秘、排尿困難 思い出したときにすぐ服 用。次の服用まで8 時間以上はあける こと。次の服用が近 いときは1回とばす こと デトルシトール 長期投与 H19.7～ カプセル 1日1回４ｍｇ 口内乾燥、便秘、腹痛、 頭痛 思い出したときにすぐ 服用。次の服用ま で8時間以上はあけ ること ベシケア 長期投与 H19.7～ 錠剤 1日1回５ｍｇ 口内乾燥、便秘、霧視 次の服用時間に1回 分を服用すること 口内乾燥に対して：アメ玉、梅干、レモン、シュガーレスガム、うがい α１遮断薬 • 前立腺や尿道の筋肉はアドレナリンという物 質の作用により収縮します。α１遮断薬はこ のアドレナリンの作用をブロックして前立腺や 尿道の筋肉の過剰な収縮をやわらげます 排尿困難、尿線の細さ、頻尿、残尿を軽減 α1遮断薬の作用機序 山口脩ほか：図説下部尿路機能障害,メディカルレビュー社,2004. 勝岡洋治訳：前立腺肥大症日常診療マニュアル,医学図書出版,29,2001. カギ穴にもいろいろタイプがあります 発現する受容体の割合 部位 α１A α１B α１D 前立腺 多い 少ない 少ない 血管（高齢者） 少ない 多い ﾉﾙｱﾄﾞﾚﾅﾘﾝ ﾉﾙｱﾄﾞﾚﾅﾘﾝ α１B受容体 α 受容体 を遮断すると α１B １B受容体を遮断すると α 受容体を遮断すると α１A受容体 α１A １A受容体を遮断すると α１遮断薬 前立腺肥大症 治療薬 尿道収縮 尿道弛緩 末梢血管収縮 末梢血管拡張 排尿症状改善 排尿障害 血圧低下 血圧上昇 （めまい・たちくらみ） 副作用 α 選択的阻害薬 が求められる ◎ α１A １A選択的阻害薬が求められる 高齢者では圧受容体反射が障害されてお り、めまい・たちくらみを起こしやすい 前立腺肥大症による頻尿に使われる薬 通常用量 ユリーフ 長期投与： H19.5～ ハルナール フリバス カプセル 射精障害（逆行性 1日2回朝夕食後、 射精等）、口渇、 1回４ｍｇ 立ちくらみ 口腔内崩壊錠 1日1回０．２ｍｇ 錠剤 副作用 1日1回２５ｍｇ 飲み忘れたときの対処 その回の服用は避け て、次の服用時間 に1回分を飲むよう に めまい、ふらふら 感 1回とばして、翌日の服 用時間に1回分飲 むように めまい、立ちくらみ 1回とばして、翌日の服 用時間に1回分飲 むように 過活動膀胱と前立腺肥大症 過活動膀胱 抗コリン剤は膀胱のムスカリン 受容体に結合して、膀胱を弛緩 させる。 前立腺肥大症 前立腺肥大症患者に抗コリン剤を投与す ると、尿道が閉塞している状態で膀胱が 弛緩してしまうため残尿量が増加し、尿閉 を誘発するおそれがある。 前立腺肥大症の方に注意が必要な薬 分類 精神・神 経用 剤 循環器官 用薬 薬品名 抗うつ薬（三環系） トリプタノール、アナフラニール 抗うつ薬（四環系） ルジオミール 抗うつ薬（SNRI） トレドミン 抗パーキンソン薬 パーキン、コリンホール 抗不整脈薬 リスモダン、シベﾉｰﾙ、ノルペース 低血圧治療薬 リズミック 感冒薬 PL顆粒 鎮咳薬 フスコデ、アストフィリン アレルギー用剤 ポララミン、ぺリアクチン、ゼスラン、セレスタミン 鎮暈薬 トラベルミン 鎮けい薬 ブトロパン、ブスコパン、トランコロン、ロートエキス他 排尿障害治療薬 バップフォー、デトルシトール、ベシケア 備考 交感神経刺激 交感神経刺激 市販のかぜ薬や乗り物酔いの薬、胃薬にも含まれているものがあるので注意を 日常生活での注意点 • 夜間頻尿がある場合は夕方からの水分は控えま しょう。ただし、日中は適度な水分補給を心がけま しょう。 • アルコールは利尿作用があるうえに、前立腺を膨張 させる作用があるので、できるだけ控えめにしましょ う。 • 薬は勝手に調節したりせず、指示通り続けるように しましょう
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