給与増加で法人税減税 - アマヤ・パートナーズ税理士法人

会社の「元氣」のために
AMAYA Partners Tax
Accountants Co.
アマヤ・パートナーズの「AP 通信」
12
2014
給与増加で法人税減税
アマヤ・パートナーズ税理士法人
担当 円舘
平成25年度税制改正において、個人の所得水準を底上げする観点から、会社が給与を増加させ
た場合に、増加額の10%を法人税から控除できる制度が創設されました。(所得拡大促進税制)
さらに平成26年度税制改正において、制度の拡充・延長が行われ、平成30年3月末までに開
始する事業年度まで継続する制度ですので、今年度の適用がなくても、来年度以降に適用できる可
能性があります。
1.制度の概要
(1)給与を増加させると増加額の10%の税額控除
青色申告書を提出している法人(または個人事業主)が、給与等を一定の割合以上増加させる等の
要件を満たした場合に、給与増加額の 10%を法人税額から控除できる制度です。
ただし、控除税額は当期の法人税額の20%(大企業は10%)が限度です。
(2)給与の増加割合は最低でも2%
給与等支給額の増加要件は、以下のように適用年度で違いがあります。
平成24年度
平成25年度
平成26年度
平成27年度
平成28年度
平成29年度
(基準事業年度)
(適用1年目)
(適用2年目)
(適用3年目)
(適用4年目)
(適用5年目)
H25年3月以前開始
H25年4月以後開始
H26年4月以後開始
H27年4月以後開始
H28年4月以後開始
H29年4月以後開始
2%以上増加 2%以上増加 3%以上増加 5%以上増加 5%以上増加
増加割合の要件は、適用年度が遅いほどハードルが上がります。
各決算期による最初の適用年度(適用1年目)は以下のとおりです。
3月決算:H25年4月∼26年3月
7月決算: H25年 8月∼26年 7月
11月決算: H25年12月∼26年11月
4月決算:H25年5月∼26年4月
8月決算: H25年 9月∼26年 8月
12月決算: H26年 1月∼26年12月
5月決算:H25年6月∼26年5月
9月決算: H25年10月∼26年 9月
1月決算: H26年 2月∼27年 1月
6月決算:H25年7月∼26年6月
10月決算: H25年11月∼26年10月
2月決算: H26年 3月∼27年 2月
2.適用要件
要件①:給与等の支給額が基準事業年度より一定割合以上増加しているか?
適用を受ける事業年度の損金の額に算入される「国内雇用者」に対する給与等(※1)の支
給額が、基準事業年度の雇用者給与等支給額と比較して一定割合以上増えているかを確認し
ます。
※1 役員及びその特殊関係者を除いた、その法人の国内の事業所に勤務する全ての雇用者に対する給与です。
要件②:給与等の支給額は前事業年度以上か?
「雇用者給与等支給額」が、前事業年度において損金の額に算入された「国内雇用者」に対する
「給与等」の支給額以上であるかを確認します。
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2014
要件③:支給した給与等の平均額が前事業年度を上回っているか?
適用年度の「継続雇用者」
(※2)に対する給与等の支給額を、その継続雇用者の月ごとの延べ
人数の合計で割った金額(「平均給与等支給額」といいます)が前事業年度の平均額を上回っているか
を確認します。
※2 継続雇用者とは適用年度及びその前事業年度において給与等の支給を受けた国内雇用者のことを指します。
例えば適用年度に新しく入社した方や前事業年度中に退職した方は原則として継続雇用者には含まれません。
所得得拡大促進税制のイメージ
要件①給与等支給額の総額:基準事業年度から、年度によって 2%∼5%の増加
要件②給与等支給額の総額:前の事業年度以上
要件③平均給与等支給額:前の事業年度を上回る
要件を全て
満たし適用可
要件②を満たしてい
ないので適用不可!
(前年度より総額減少)
要件を全て
満たし適用可
3.所得拡大促進税制と雇用促進税制は選択適用
(1)上記の「所得拡大促進税制」とは別に、雇用者数を増加させた場合には、
「雇用促進税制」を適用
できる場合があります。
(2)雇用促進税制とは、平成26年4月1日から平成28年3月31日までの期間内に始まる事業年度
において、雇用者数2人以上(大企業は5人以上)、かつ、雇用者数増加割合 10%以上等の要件を満た
した場合に、雇用者増加1人当たり40万円(大企業は大企業は20万円)の税額控除が受けられる制度
です。
この適用を受けるためには、適用年度開始後2か月以内に「雇用促進計画」をハローワークに提出
する必要があります。詳しくは「AP 通信 2013 年 11 月号」をご覧下さい。
(3)上記の「所得拡大促進税制」と「雇用促進税制」は同時に適用できません。どちらか一方を選択す
(いずれも当期の法人税額の20%が限度です。
)
ることとなります。
例えば雇用者数が2名増加の場合に、雇用促進税制では 2人×40万円=80万円 の税額控除が受け
られますが、同じ80万円の税額控除を所得拡大促進税制で受けるには雇用者給与等支給額を800万円
増額させる必要があります。
(参考文献:経済産業省所得拡大促進税制のご利用の手引)
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