2016-Ⅲ 2016年10月4日撮影 IMTS2016 IMTS2016が9月12日 (月)~17日 (土)までの6日間 に渡り、米国シカゴ ・ マコーミックプレイス見本市 会場において開催されました。 総入場者数は前回2014年比1% 増の115,612人、出 展社数は同18% 増の2,407社と、引き続き活況な 米国市場を反映した結果となりました。 ファナックブースはファナックのロゴが書かれた飛 行船に加え、大ロボットが黄色いコルベットを持ち 上げるダイナミックな展示で遠くからもよく目立ち、 多くのユーザ様にご来訪いただきました。 ブース内の展示では、FA、ロボット、ロボマシンの各商品展示の他、 「one FANUC」 「Service First」のスローガンに沿った展示を行 いました。 「one FANUC」… IoT に対する新しい取り組みとして FIELD system を出展しました。ブース内の CNC、ロボット、ロボマシンに 加えて他社製品も繋げて状態監視するデモ、また、アプリケーションの一つとして、バラ積みロボットの分散深層学習を紹介しまし た。また、ロボドリル、ロボット、Power Motion i-A で制御するローダを組み合わせた加工セルを展示し、事業本部間の連携の具 体例を紹介しました。 「Service First」… サービスコーナにおいて、世界46か国、252か所のサービス拠点と具体的に行っている修理事例を紹介し、 ユーザ様にとって重要なグローバルサービスの取り組みを紹介しました。 IMTS2016における CNC 総出展台数は802台(ファナックシェア57.6%)、メーカ自社ブースを除くロボットの総出展台数は296台 (ファナックシェア82.8%)となりました。また、ロボットの総出展台数は過去最高となり、米国市場でロボット需要が増加している ことを反映した結果となりました。 CNCシェア ロボットシェア(メーカ自社ブースを除く) J社 2.0% I社 2.7% その他 14.4% D社 3.6% C社 9.4% B社 3.2% A社 11.8% H社 5.1% ファナック 462台 57.6% 総出展台数 802台 2 その他 7.4% ファナック 245台 82.8% 総出展台数 296台 展示会情報 ●2016東京国際包装展(TOKYO PACK 2016) 会 期:10月4日(火)~7日(金) 場 所:東京ビッグサイト 展示内容: 協働ロボットによる人との作業システム 小型協働ロボット体感コーナー お菓子の高速整列システム 食品の高速整列システム 容器の整列システム カゴ台車とコンベヤ間の箱移載システム 包装機械の高速・高精度化を実現する産業機械用 CNC FIELD system 適用相談コーナー ●第1回 FASE 関西2016 会 期:10月18日(火)~20日(木) 場 所:インテックス大阪 展示内容: 協働ロボットによる人との作業システム 小型協働ロボット体感コーナー お菓子の高速整列システム 食品の高速整列システム 野菜のハンドリングシステム カゴ台車とコンベヤ間の箱移載システム 包装機械の高速・高精度化を実現する産業機械用 CNC FIELD system 適用相談コーナー 第 44 回創立記念式典・パーティ 7月1日(金) 、ファナックは創立44周年を迎え、6月に完成したばかりのファナックホール(性能評価棟 3階)にて創立記念式典を開 催しました。 会長挨拶に続き、会社の業績に大いに寄与する功績を挙げた方への「功績表彰」、優れた発明をした方への「発明表彰」 、永年の勤 務への精励を賞する「永年勤続表彰」 、創立記念日ショートショートで優れた作品を執筆された方への「ショートショート表彰」授与 が執り行われました。 式典後、自然館にてファナック社員とその家族など約1200名が集って記念パーティが催されました。また、ファナックの定年退職 者で構成される赤富士会のメンバーも参加し、創立記念日を盛大に祝いました。 ファナックホールにて挨拶する稲葉会長 自然館にて盛り上がるパーティ風景 3 新研究所紹介 ●研究所の新しい建物 今年春、信頼性評価棟、 性 能評 価棟、ロボット 新棟、ロボマシン新棟 の4棟が完成しました。 中 で も信 頼 性 評 価 棟 は、実際の使用条件よ り厳しい条件での加速 寿 命試験を、広大なフ ロアを生かし同時多数 行い(N増し) 、短時間 で商品の信頼性を高め るための施設です。 性能評価棟は、ファナックの全研究所の力を一所に集め、商品 の性能の限界を把握し、それを高めるために作られました。 ロボット新棟、ロボマシン新棟は、急増するロボットとロボマシン の需要に応え、新規開発を促進するための、研究所の拡大が目 的です。 ロボット新棟 ロボマシン新棟 信頼性評価棟 性能評価棟 ■信頼性評価棟 ファナックは、 「壊れない。壊れる前に知らせる。壊れてもす ぐ直せる。」をテーマに、商品開発を進めてきました。今回、特 殊・過酷・長期・同時多数の評価試験を行うこの大規模な設 備を設け、より一層、信頼性の向上を図ります。 ■性能評価棟 ファナック商品の性能を評価し、更に社外の技術協力も加え て、性能・機能を向上させる場として建てられました。新技術 の開発を複数同時並行で行うため、いくつかの区画に分かれ、 厳重なセキュリティ管理を行っています。 4 ●信頼性評価棟 広大な汎用実験エリアと、電波暗室・電磁耐性試験室・加振室・ミスト試験室・温度可変室・湿度可変室・限界試験室・騒音測 定室・水没試験室・クリーンルーム、精密測定室などの専用実験室を備えた、研究所最大の建物です。 「いつでも行いたい試験が すぐにできる」が、この施設の目的です。 騒音試験室 限界試験室 クリーン ルーム 温度可変室 ミスト試験室 精密測定室 水没試験室 汎用実験エリア 電磁耐性試験室 電波暗室 汎用実験エリア 湿度可変室 加振室 ■汎用実験エリア 信頼性評価棟の大部分を占めるこのエリアでは、様々な条件 で、できるだけ多くの試験を行い、信頼性の徹底検証を行い ます。従来に比べ、実験に使える面積は3倍となりました。 ■電波暗室 周囲からの電磁波を完全に遮断し、商品から放出される電磁 波を精度よく測定します。欧州のCEマーク対応などに必要な EMC試験を社内で行うことができ、社外施設だけを使って きた従来より開発の期間が短縮されます。 5 新研究所紹介 ■加振室 商品をお客様に届けるまでの輸送時や設置後の振動の影響 を調べるための部屋です。2トン、200Hz、3G までの振動を 加えることができます。これは、被試験体の上での振動20G に相当し、例えば国内外のトラック輸送のほとんどの条件を 再現できます。 ■温度可変室 二つの部屋から成り、一つは急激に温度を変化させた場合の 商品機能の変化を調べる部屋、もう一つは精密に温度を変化 させ機械の熱変位を測定する部屋です。 ■ミスト試験室 商品の防水性能、又はミスト環境下の信頼性を評価する為の 部屋です。 ミスト試験室には、IPX3~ X6の IP 試験機を備えています。 又、切削液に関する評価試験にも活用できます。 高温高圧洗浄液専用の部屋についても追加予定です。 ■限界試験室 射出成形機(ロボショット)などで、商品を限界まで使用した 場合の現象を調べる部屋です。例えば、故意に溶解樹脂に過 大圧力を与えて、機械の弱点を見つけ出す試験を行います。 6 ●ファナックフォーラム 性能評価棟の3階には、 「ファナック ・フォーラム」と呼ぶ、複合会議施設があります。大中小極小19の会議室と、大ホールを備え ます。 ■ファナックホール 439席、二つの4K 300インチスクリーン、すべての席に電源や LAN 端子を備 えています。 ■会議室 大中小極小、150人、60人、10人、3人の会議室がそれぞれ、 2室、6室、6室、5室あります。大中の会議室には二つのスク リーン及び音響設備、小会議室には大きな LCD モニターを 備えています。参加人数と目的に合わせて会議室を選び社 内どこからでも予約できます。 7 新商品・新機能紹介(FA) ■スマートマシンコントロール スマートマシンコントロールとは、負荷、温度、 位置などの機械の状況の変化に応じて、制御装 置自身がリアルタイムに制御を最適化し、高速・ 高精度 ・ 高品位加工を実現する機能群の総称 です。 スマートマシンコントロールのコンセプト 送り軸のスマートマシンコントロールでは、モータ の動作状態、機械の特性に応じて最適に制御し、 高精度・高品位加工を実現します。 「スマートバッ (1) クラッシ補正」 では、モータトルク及び機械位置 に応じて、反転時のロストモーションを最適に補正 し加工形状精度を向上します。また、 「スマートマ (2) シニングポイントコントロール」 により、機械先端 の振動を抑制し、加工面品位を向上します。 スマートマシンコントロール(送り軸) 主軸のスマートマシンコントロールでは、スピンド ルモータの短時間出力を最大限に活用し、高速加 工を実現します。 (3) 「スマートロードメータ」 により、モータの負荷状 況の把握を容易にすると共に、 負荷の大きさに従っ て送り速度を最適化する「スマートアダプティブコ (4) ントロール」 を準備しています。本機能により、 モー タの能力の範囲内で最速の荒加工が可能です。 (5) 更に「スマートリジッドタップ」 により、モータの 最大出力でのタップ加工を実現しつつ、高デュー ティ加工におけるオーバヒートは、 「スマートサー (6) マルコントロール」 によって回避できます。 スマートマシンコントロール(主軸) ■ FANUC FIBER LASER series に4kW から6kW 出力モデルを追加 FANUC FIBER LASER series は、金 属 加 工や 樹 脂 加 工など 様々な分野に対応可能な高出力ファイバレーザ発振器です。薄 板の切断や溶接に対応した出力2kW、3kW モデルに加えて、 このたび、出力4kW から6kW 機までの FIBER LASER FF4000i/ FF5000i/FF6000i-A の3機種をラインアップに追加しました。 これにより薄板板金の切断だけではなく、溶接、焼き入れ、微細 加工、積層造形など、多彩なアプリケーションに対応可能です。 •Series 30i/31i-LB によるレーザ発振器の直接制御により、 軸制御と同期した高い制御性を実現し、サイクルタイムの短 縮および、レーザ加工の高速・高精度加工を実現できます。 •レーザ出力が最大6kW であるにも関わらず、微小出力制御機 能によりマーキング加工に有効な低い出力も安定的に出力が 可能です。 •高品質で長寿命の半導体レーザ(LD)モジュールにより高い 信頼性を確保します。 8 FIBER LASER FF3000i-A FIBER LASER FF6000i-A 新商品・新機能紹介(ロボット) ■ FANUC Robot CR-4+A, CR-7+A, CR-7+A/L ファナックは、安全柵なしで人と協働作業が可能な「緑のロボット」CR シリーズに、35kg 高可搬タイプの CR-35iA に続く新たな バリエーションとして、小型協働ロボット CR-4iA, CR-7iA, CR-7iA/L の3機種を追加し、販売を開始しました。 CR-4iA は4kg 可搬、CR-7iA と CR-7iA/L は7kg 可搬の小型協働ロボットです。安全柵を必要としないため、人とロボットが一緒 に作業することができ、作業者がいる製造工程にも小型サイズを活かして密集して配置させることが可能です。天吊りや壁掛け設 置にも対応しており、人の作業エリアを妨げることなく、より広い作業空間を確保することができます。また、ロボットの重量が軽い ため、台車に載せて移設することが容易で、iRVision(内蔵ビジョン)と組み合わせることで自由なレイアウトが可能となります。小 型協働ロボットは、電子部品などの小物部品の搬送・組立など、様々な製造工程に活用できます。 • CR-35iA と同様、ファナック独自の安全機能に より、人に触れるとロボットは安全に停止します。 •第三者安全認証機関より、 国際規格 ISO10218-1 適合の安全認証を取得しています。 •協 働ロボットの特長の緑のカラーは、弊社の黄 色ロボットと区別し、一目で安全なロボットと分 かります。 •ロボットは従来の黄色いロボットのままですの iRVision、力セ で、高信頼性を維持すると共に、 ンサなど最新の知能化機能もそのまま使用する ことができます。 人との協働を可能にする「緑のロボット」のライン アップ拡充により、製造業の新しい自動化に貢献 します。 新たに投入された3機種の「緑のロボット」 CR-4iA, CR-7iA, CR-7iA/L ■ +RVision 3D モデルマッチング機能 iRVision のバラ積みセンサに、3D モデルマッチング機能を新たに追加 ファナックは、 しました。3D モデルマッチング機能により、ロボットが、バラ積みされた各ワークの3 次元の位置や姿勢を正確に認識し、各ワークを正確かつ安定して把持できるようにな ります。 3D モデルマッチング機能の特長として、以下が挙げられます。 • 従来のバラ積みセンサでは平面や円柱状の特徴のみが認識可能でしたが、3D マッ チング機能により、写真にあるクランクシャフトのような複雑形状のワークでも認 識できます。 •ワークの3D モデルは、予め、現物のワークをバラ積みセンサで3D 計測し、教示し ます。CAD データは不要です。 •バラ積みではなくテーブル等に置かれたワークの3次元位置姿勢を計測する目的で も使えます。 •ビジョンのハードウェアはロボット制御装置に標準内蔵されており、高性能パソコ クランクシャフト取出しシステム ン等の画像処理装置の追加は不要です。 •3D 計測に使うバラ積みセンサは、最大計測範囲が W1340× D1000× H1000 (mm)と広く、IP65相当の密閉構造で耐環境性に優れています。 ファナックは、今後も、バラ積みセンサ等のセンシング技術に磨きを掛け、ロボットを より賢く使い易いものとし、工場の自動化に貢献していきます。 3D モデルマッチングの認識例 9 新商品・新機能紹介(ロボマシン) ■ FANUC ROBODRILL α-D+Bシリーズ 高信頼性、高性能の小型切削加工機 ロボドリルにおいて、 新機種 ROBODRILL α -DiB シリーズを開発しました。 α -DiB シリーズでは、その高信頼性、高剛性の機構部を維 持しながら、制御部を一新し、更に加工性能を向上しました。 ①一新した制御部 •インテリジェント化した新制御部では、搭載した各種セン サのデータを ROBODRILL-LINKi に転送して一元管理す る事で、異常の見える化を実現し、稼働率向上に寄与しま す。 ②新ユーザインタフェース +HMI •ホーム画面を中心としたシンプルな画面構成と、アイコンや グラフィカルな表現を用いた操作画面により、直感的で使 ROBODRILL α-D21MiB5 いやすい操作性を実現しました。 ③加工性能の向上 • 最 新の CNC の最小設定単位0.1μ m とサーボ HRV3+ 制 御の適用により、軸送りを更に高精度で滑らかなものとし、 更なる高品位加工を可能としました。 新ユーザインタフェース iHMI ■ FANUC ROBOCUT α-C+B シリーズ 高信頼性、高性能のワイヤカット放電加工機ロボカットにおい て、新機種 ROBOCUT α-CiB シリーズを開発しました。 α-CiB シリーズでは、α-C400iB、α-C600iB に新たに大型 機 α-C800iB をラインナップに加えて、従来の高精度金型、 PCD 工具、医療部品と共に、自動車や家電などの大型の金型 への対応が可能となりました。 ①放電制御のレベルアップ •放 電パルスを柔軟に制御する新開発の放電制御 FPC は、 加工精度の向上と加工時間の短縮を実現します。 ②新ユーザインタフェース +HMI •直 観的で使いやすい iHMI は、ROBOCUT-LINKi との連 携による稼働率向上にも寄与します。 ROBOCUT α-C800iB ③コア・ステッチ機能 •ワイヤを溶着させ中子を保持するコア ・ ステッチ機能は、 中子切り落とし時間を短縮し、長時間無人運転に効果的 です。 中子の固着状態 コア・ステッチ機能 10 ファナックの工場紹介 サーボモータ部品加工工場 サーボモータ部品加工工場は、ファナックが製造する各種モータの部品を加工する工場です。 モータの部品は、シャフトやフランジといった回転対称形状の部品が多いため、主に旋盤と円筒研削盤による加工 を行っています。工作機械1〜2台+ファナックロボット1〜2台のシンプルな加工セルが、自動倉庫に多数連結さ れ、素材供給~加工~洗浄~検査~出荷まで、一貫した自動化を実現しています。 各加工セルでは、ファナックロボットにサーボ駆動の 加工工場は、切削液のミストが加工機やロボットに付 様々な種類の部品のハンドリングと加工機への取付 製 CNC やロボットにより、長期間の安定した生産を ハンドと、ロボット用ビジョンの i RVision を装着し、 け・取外し、加工後の洗浄やエアブロー、バリ取りを 自動化しています。加工部品のインライン計測と、計 測結果による加工機への補正を自動で行うことで、 ミクロンオーダの安定した高精度加工が可能となり ます。 着する厳しい環境ですが、信頼性の高いファナック 実現しています。加工機から排出される切粉の自動 搬送、切削液の濃度と供給量の自動管理、切削液に 混入した切粉と機械油の自動分離など、治工具の交 換作業以外はメンテナンスフリーを実現し、少人数の オペレータで多数の加工セルを運用しています。ま た、最近では、品質やトレーサビリティの向上のため、 モータ部品への2次元バーコードの刻印も開始してい ます。 自動倉庫に接続された加工セル群 モータ部品に刻印する2次元バーコードには、加工日 時や加工セル番号、加工条件等の製造情報をリンク サーボハンドや iRVision をフル活用 させ、品質向上やトレーサビリティに活用しています。 レーザ刻印器で2次元バーコードの刻印を行うファナックロボット 2次元バーコードが刻印された モータ部品 11 ユーザ訪問 FANUC Robot ダイドー株式会社 「産業界のコンダクター」 、メカトロニクス専門商社として、 産業界のあらゆるニーズに対応するダイドー株式会社。 名古屋駅にほど近い「ダイドーロボット館」をお訪ねし、 山田社長、江上ロボット事業部長、齋藤ロボット館長に お話を伺ってきました。 左から、江上事業部長、山田社長、齋藤館長 御社の事業内容についてお教えください ファナックとの取引のきっかけは 社は産業用機械に使用されるあらゆる要素部品を、全国4ケ 備をシステム受注し、のべ30台近くのロボットを納入したの 山田社長:自動車は1台で3万点の部品があるそうですが、弊 所の在庫センターに揃えて即納する、お客様に廉価でお届け する問屋です。この機械部品の卸売りが全体の約75%ありま して、私どもの本業です。それから、ファナックのロボットも入 れて設備販売が約20%あります。今の事業内容から見れば、 ロボットはまだまだこれからですが、伸び率では、機械部品 の横ばいから3%くらいに対して、ファナックのロボットについ てはおかげさまで大きく伸びています。 江上事業部長:1984年に中部地区の大手電機メーカ様の設 が始まりです。 その後、2006年に中部地区の工業大学に教 材としてロボットとロボガイドを納入しまして、まさにロボット 時代の到来となりました。 2010年には、ロボット事業部を設置し、エンジニア含め60名 体制で拡販に尽力してまいりました。この結果、2015年12月 にはファナックグローバルレセプションにおいて「モースト セールス特別賞」を受賞しました。 1946年創業の長い歴史をお持ちです ダイドーロボット館はどのように活用されますか プーリーを並べて始めた商売です。当時、モータの動力を伝 ら徒歩7分の本社に隣接して、8階建て、延べ床面積1,000坪 山田社長: 終戦後の焼け跡で、私の父が一人で、バラックに 達するのにプーリーにベルトをかけていました。1956年に、 私が加わった時には、父をはじめ4人で、十畳の土間一つが、 お店兼商品置場、荷造り場でした。その後、プーリーから、伝 導効率のよいチェーンに移行し、さらに減速機やベアリング 等を販売し、現在は全国40拠点になりました。 我が国の製造業は経済成長とともに人手不足、環境・安全の 問題でロボットが必要不可欠な時代に入ると考え、1984年に ロボット教室(ショールーム)を開設しました。 江上事業部長: 創業70周年を迎えた今年6月に名古屋駅か の「ロボット館」を竣工しました。 ロボット館は、ロボット採用における様々な問題解決の場とし ての活用を目指しています。最新のロボットと周辺機器を取り 揃え、実機によるテストを通してロボットの最適選定をおこな い、お客様が安心して採用できる実験工場の機能を備えてい ます。またインストラクターによるロボット操作教育、技術セ ミナーを開催しています。開館後、来館者は既に3,000人を超 えています。 ダイドーロボット館内景 12 御社の強みは? 山田社長:エンジニアの社員を中心に、ユーザーへの密着提 案営業を基本としていることです。ここが右から左へ商品を 販売するだけの商社とは大きく異なります。 江上事業部長: 機械要素部品を含めてロボットの機能を活 かした提案力とエンジニアの存在が弊社の特徴です。また、 お客様、ロボット、機器、システムメーカ関係者が一同に会し て即決できるロボット館は強みです。 ファナックロボットに対する忌憚ない評価をいただ けますか 江上事業部長:ダイドーはロボット商社ですのでロボットの 他社比較を真剣にやっています。お客様に求められているの は知能ロボットであり、我々から見ても、大変僭越ですけれど ダイドーロボット館外観 も、ファナックの知能ロボットの優位性は群を抜いていると 思います。 ファナックへのご要望がありましたら教えてください 江上事業部長:一般産業で幅広く販売して行こうと思うと、 まだまだ使い慣れていないユーザさんが多数いらっしゃいま す。そういうユーザさんに対して使い易いパッケージを出して いただきたい。 また、ファナックのロボットの受注は大幅に増えており、生産 量の拡大に期待しております。 齋藤 館長: ロボット館に来館された多くのお客様に、ファ ナックのロボットを実際に動かして説明しています。ファナッ ク独自の差別化の部分をお話すると、皆さん「ああ、そうなん だ」とおっしゃいます。例えば、ゲンコツロボットで6軸という のはファナックだけです。でも案外お客様は知りません。ビ ジュアルトラッキングで、1分間に何個取れますよというのも、 どのメーカでも取れるには取れますが、1分間に何個というこ とではファナックは他を圧倒しています。また、ロボットのアー ム長の限界近くではスピードを落として、脱臼しないように自 分で考えて動くことも、ファナックの技術からは当然かも知れ ませんが、他のロボットメーカは出来ていません。 こういった御社の素晴らしい技術を前面に出して、営業面で も、他社ロボットとの違いを一般の人にも分かり易い内容にし てもらえると、助かります。 江上事業部長:最後になりますが、 「FIELD system」をはじ め工場の知能化に寄与する新商品の開発・販売に期待してい ます。弊社はトータルインテグレーション企業としてエンジニ アリング機能を更に強めると共にロボットをはじめロボマシン も含めた販売力を高めてゆきます。またファナック製品の販 売を通して各パーツメーカ、パートナー企業の方々と共に事業 拡大をしてまいりたいと存じます。今後とも御支援を宜しくお 「緑のロボット」とともに 願いします。 (インタビュア:広報部次長 行貞直樹) ダイドー株式会社 (http://www.daido-net.co.jp/) ▶代表取締役社長:山田 貞夫 ▶資本金:7億8千万円 ▶売上高:830億円(2015年11月期) 本 社▶住所:〒450-0003 名古屋市中村区名駅南4丁目12-19 ▶ TEL:052-533-6722(代) ロボット館▶住所:〒450-0003 名古屋市中村区名駅南4丁目12-5 ▶ TEL:052-533-6210(代) 13 FS 会議(ファナック グローバルサービス会議) 7月11日(月)から7月13日(水)の3日間にわたり、ファナック本社に6月完成したばかりのファナックフォーラムにおいて第3回 FS 会 議(ファナック グローバルサービス会議)を開催しました。海外32ヶ国からの出席者113名を含む270名以上が一堂に会し、世界 中どこでも最高レベルのサービスを提供するための活発な議論を行ないました。 稲葉会長による開会の挨拶に続き、事業本部別分科会、サービステーマ別分科会が開催されました。 各分科会では、保守に関連する新機能やツールの紹介、IT 技術を駆使した技術情報の提供、保守部品供給の改善方法などについ て活発で建設的な議論が行われました。最終日には会長、社長、関係役員を含む参加者全員出席の本会議が開催され、分科会に おける討議結果の報告が行われました。 ファナックは、FS 会議で決定したサービス改善策を迅速に実行し、 「Move On ! ・・・ 止まらず、前に進め!」を合言葉に世界中で 最高のサービスを提供できる体制の実現と強化を続けてまいります。 ファナックは “Service First” の精神で、世界46ヶ 国252サービス拠 点で、お 客 様 がお使 いのファ ナック商品の生涯サポートを行なっています。 ファナックの FA、ロボット、ロボマシンの3事業お よびサービスが ”one FANUC” として一体となり、 世界の製造現場に革新と安心をお届けします。 14 第12回 全日本学生室内飛行ロボットコンテスト 「第12回 全日本学生室内飛行ロボットコンテスト」が、8月27日、28日 の両日、大田区総合体育館で開催されました。今回は、福岡から青 森までの大学院・大学・高専・専門学校から38チーム・195名の学 生が参加し、熱戦を繰り広げました。 同コンテストは、学生の航空機設計・製作・ 飛行試験における教育 活動を支援するために企画・開催され、今回で第12回大会を迎えま す。 出場者は、厳格な規定に則って航空機を製作し、物資輸送、自動滑 空・着陸等のミッションを行い、飛行性能・操縦技術を競いました。 同コンテスト最大の見せ場は、ロボットにプログラムする飛行競技・ 自動操縦部門。ファナックは今大会から特別協賛を行い、同部門優 全日本学生室内飛行ロボットコンテスト風景 第12回 全日本学生室内飛行ロボット コンテスト 勝者の金沢工業大学に「ファナック賞」を授与しました。 主 催:一般社団法人 日本航空宇宙学会 共 催:東京都大田区、JAXA(宇宙航空研究開発機構)、特定非営利活動法人 大田ビジネス創造協議会 委員長:東京大学大学院教授 航空宇宙工学専攻 鈴木 真二 先生 AC 会 8月19日に、第59回 AC 会が開催されました。この「AC 会」は、1958年に発足した自動制御(Automatic Control)課の社内懇親会 が始まりで、今年で59回目となりました。 本年度の AC 会は今春完成した性能評価棟のファナックフォーラムを会場として、稲葉善治会長 ・ 山口賢治社長を始め、新入会員 143名を含む合計1,038名が参加しました。 開会にあたり稲葉会長より、この性能評価棟を含む新しい実験設備を最大限活用して、未来のファナック商品を生み出す研究開 発にまい進するよう挨拶がありました。 山口社長による乾杯の後、ファナックフォーラム一杯に広がった AC 会員は料理を手に懇親を深め、今後の更なる発展に向けて決 意を新たにしました。 ファナックの四季 うだる暑さの夏は足早に過ぎ、雨上りの 心地よく澄んだ空の下、 ファナックの秋の訪れを告げる使者が 今年も次々と姿を現しました。 そのミステリアスで愛らしい姿は、 見る者に非現実的な癒しを与えてくれます。 タマゴダケ タマゴダケの群生 15 F IELD system < Intelligent Edge Link & Drive system FIELD systemは「Edge Heavy」の思想のもとに、 最新のIoT技術と最先端の人工知能技術を結集した、 誰もが参加できるオープンプラットフォームです。 ファナックはこのシステムで、世界中の仲間たちと一緒に モノづくりの現場の革新を目指しています。 FANUCニュース 2016年 -Ⅲ 〒401-0597 山梨県南都留郡忍野村 http://www.fanuc.co.jp/ 電 話 0555-84-5555 (代表) FAX 0555-84-5512 (代表) 発行責任者 広報部次長 行貞 直樹 ©FANUC CORPORATION November 30, 2016 Printed in Japan
© Copyright 2024 Paperzz