ファナックニュース 2016-I

本館屋上からのダイヤモンド富士
2016年1月8日撮影
2016-Ⅰ 国際ロボット展
国際ロボット展が12月2日 ( 水 ) 〜5日(土)までの4日間に渡
り、東京ビッグサイトにおいて開催されました。
協働ロボット、大ロボット、機械学習といったファナックの最
新技術を実際の適用に適したシステムにて展示しました。
また FA、ロボット、ロボマシンの one FANUC、Service First
の取組みについて紹介しました。
このような結果、4日間の会期を通し、大勢の顧客がファナック
ブースに来場し、終始大盛況でした。
■協働ロボットコーナ
世界初35kg 可搬の協働ロボットに高い関心
初披露小型協働ロボットの
高感度な接触停止を実演
小型協働ロボットによる多様な
アプリケーションが好評
■ゲンコツロボットコーナ
■大ロボットコーナ
完成車体を揺らすことなく高々と持ち上げる
大ロボットの力強い動作が好評
電子、機械、医薬品分野の適用事例を通し、
高速、高精度、器用な動きを実演
■学習スポットロボットコーナ、アーク溶接ロボットコーナ
ハンドリング動作、スポット溶接動作に学習機能を
適用することにより、サイクルタイムを低減
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学習制振機能による大型スポット溶接ガンの
振動抑制を実演
接続可能な溶接電源を更に充実させた
アーク溶接ロボット
バラ積みロボットコーナ、機械学習コーナ、ZDT コーナ
3D モデルマッチングによる
バラ積みロボットを初披露
機械学習の適用で
バラ積み取出しの成功率をアップ
ZDT による全ロボットの遠隔監視
ロボショットとゲンコツロボットの融合展示
ロボドリルと協働ロボットの融合展示
One FANUC コーナ
ファナック技術の源泉を FA コーナで展示
FANUC GLOBAL PARTNER RECEPTION 2015
12月3日 ( 木 ) 夜には、
FANUC GLOBAL PARTNER RECEPTION
2015を開催致しました。国内外から、ファナックロボットを販
売頂いているグローバルパートナー100社にご参加頂きました。
日頃の販売活動に対し、感謝の意を込めて、23社にトロフィー
が授与され、アメリカの ACME 社に大賞が、株式会社 豊電子
工業、ダイドー 株式会社に 特別賞が授与されました。
グローバルパートナーとの一体感と、今後の販売に対する強い
意気込みが感じられた、素晴らしいレセプションとなりました。
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新商品・新機能紹介(FA)
■新商品 FANUC PANEL +
FANUC PANEL i は、FA 環境でも高い信頼性を有する、パソコン機能を内蔵した表示ユニッ
トです。CNC に PANEL
i を接続することで、Windows Embedded Standard に対応した高
機能なパソコン機能を実現できます。また Windows の豊富な市販アプリケーションを使用
することができます。
このたび PANEL
i の CPU が、Intel
®
第4世代 Core™ i プロセッサに対応しました。従来使用
していた Intel® Core™2 Duo プロセッサに比べて、更に高度な画面表示と処理が可能となり
ます。
•パソコン機能により、工作機械メーカ独自の機能を容易に実現することが可能であり、個々
のお客様のご要望にも柔軟に対応
•パソコンの持つグラフィカルユーザインタフェース、ネットワーク機能、データベース、周辺
機器への対応などにより、工作機械のインテリジェント化、IoT 対応が可能
• 表 示器のラインアップは、10.4インチ、15インチ、19インチを用意(タッチパネル付き、
iHMI 対応もあり)
FANUC PANEL *
(15.0”LCD タイプ)
■新機能・新商品 段取り・検査時間を大幅短縮 +HMI 計測機能
FANUC iHMI は、加工現場の作業を一貫して支援するユーザインタフェースです。このたび iHMI では、加工前の段取り、加工後
の検査時間を短縮する計測機能を用意しました。
芯出し、オフセット計測、機内計測を専用の画面で簡単に行うことができます。
また、プローブを簡単に後付けできるインタフェースユニットを開発しましたので、
*HMI
機械メーカ様の手を煩わせることなく、計測機能をご利用いただけます。
受信機
インタフェース
ユニット
ワーク計測用
無線プローブ
工具計測用プローブ
ワーク
FANUC
I/OLink *
■新商品 信頼性、コストパフォーマンスに優れた FANUC SERVO AMPLIFIER β+SVSP-B series
サーボ3軸/スピンドル1軸の一体型サーボアンプβiSVSP-B の小 ・ 中容量モデルで、従来比▲30%(幅260mm →180mm)の小
型化を図りました。
工作機械の強電盤の小型化に貢献します。
• 従来比▲30%の小型化(7.5kW モデル、11kW モデル)
•アンプ冷却用ファンモータの前面保守に対応
• 故障診断機能で、アラーム発生時の不具合箇所を容易に特定可能
•スマートリジッドタップやスマート主軸加減速に対応
• 安全遮断機能(STO)で、外付け電磁接触器が不要
•200V と400V の電源仕様に対応
• CNC 0i-F シリーズや30i-B シリーズとシームレスに接続可能
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新商品・新機能紹介(ロボット)
■新商品 FANUC Robot R-2000+C/270F, R-2000+C/210L
ファナックは、代表的なロボット商品である R-2000iC シリーズの新たなバリエーションとして、可搬能力を大幅にアップした
R-2000iC/270F と、高い可搬能力と広い動作領域を兼ね備えた R-2000iC/210L を開発し、販売を開始しました。高い信頼性と
生産効率を誇る万能知能ロボット R-2000iC シリーズの活躍の場面が一層広がります。
•R-2000iC/270F は、可搬質量270kg のロボットです。これまで、200kg 超の重量物を扱うためには、大型サイズのロボットが必
要でしたが、この作業をスリムでコンパクトな R-2000iC シリーズで実現できるようになりました。狭く密集した作業スペースに
おける、重量物の搬送や組立などの工程自動化をお手伝いします。
•R-2000iC/210L は、可搬質量210kg、最大リーチ3.1m の高い
可搬能力と広い動作領域を兼ね備えたロボットです。車体パネ
ルや大型ガラスなど、長尺物の搬送などにもお使いいただけま
す。
• 製 造業の自動化に伴い、航空機産業における高精度加工や、
自動車産業における新しい接合技術に、ロボットが使われる
ケースが増えています。ロボット自身に工具を持たせて直接加
工する場合には、加工の反力を受けても工具の位置がずれて
加工精度が低下しないよう、ロボットにも高い剛性が求められ
ます。R-2000iC/270F、R-2000iC/210L は、最新の機構要素
技術、サーボ技術を駆使し、ロボット剛性を30%向上させるこ
とに成功しました。リベット接合や、穴あけ加工、摩擦撹拌接
R-2000*C/210L による車体パネル搬送
(2015年 国際ロボット展)
合など、製造工程における自動化にも貢献いたします。
■新機能 +RVision 学習パターンマッチ
ファナックロボットの内蔵ビジョン iRVision において中核的な役割を担
うパターンマッチ機能に、新たに学習パターンマッチが追加されました。
パターンマッチでは検出対象ワークの形状をモデルとして教示しますが、
そのモデルを「学習」によって最適化することができます。
教示済みのモデルで多数回の検出を行った結果に基づいて学習処理を行
うことで、そのモデルに対して以下のようなチューニングが施されます。
• モデルを構成する特徴パターンの内、不要なものを削除する(右上写
学習により特徴パターンを必要なもの
(緑色)と不要なもの(赤色)に分別
真)
•右下写真の鋳物の例のように、対象ワークの形状にばらつきがある場
合は、特徴パターンを対象ワークの平均的な形状に変更する。
(下の説
明図)
このチューニングにより検出実行時のスコア値が上昇するため、検出がよ
り安定化します。 また学習処理自体は、ウィザード形式の画面指示に
従って簡単に行うことができます。このため、従来、熟練したオペレータ
が経験に基づいて行っていたようなモデルのチューニング作業が、より行
個体毎に形状がばらつく
ワークの一例(鋳物)
い易くなりました。
学習処理
ワーク毎(鋳物など)の検出時に形状個体差を記録
モデルを構成する特徴パターン
(緑点)
の形状を平均化
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新商品・新機能紹介(ロボマシン)
■新商品 使いやすさと稼働率を向上させたマシニング
系ロボナノ
ロボナノのマシニング系新機種である ROBONANO α -NMiA は、ファ
ナックの CNC、サーボ制御と油静圧軸受を駆使し、0.1nm 単位の指
令、制御を実現する、マシニング系ナノ加工機です。
加工性能のみでなく、使いやすさと信頼性、保守性を特に重視した設
計となっており、以下の量産市場に適しています。
•自動車市場:ヘッドランプ、ヘッドアップディスプレイ金型
• 時 計 市 場:高級時計金型、部品の磨きなし仕上げ、加飾加工
ROBONANO α -NM*A
①高信頼性、高剛性の油静圧軸受
•直 線軸と割り出し軸に独自の油静圧軸受を適用し、高信頼性かつ
高剛性の軸受を実現しています。
• 作 動油のダンピング効果が微細振動を抑制し、高応答サーボ制御
の能力を最大限に引き出しています。
• 予期せぬ電力喪失の際にも、作動油の潤滑作用により軸受の噛付
き防止が可能となる、高信頼性の油静圧軸受です。
油静圧軸受
②加工の更なる高精度化、高品位化
• 0.1nm のプログラム指令と超精密補間を実現する、ファナック最
新最高の CNC 技術を採用しています。
•サーボ HRV4+と超高分解能フィードバックにより、補間指令に忠
実に追従する超精密サーボ制御を行います。
ファナックサーボモータによる制御
• 0.1nm レベルの高精度、高品位の両立が必要な超精密金型の加工
に最適で、磨きなし仕上げ加工を実現します。
1nm 指令・制御
0.1nm 指令・制御
③使いやすい量産向けナノ加工機
• 煩 雑で手間と時間のかかる段取り工程を短縮し、使いやすさを大
幅に向上しています。
• 超精密加工に必須の周辺機器類をロボナノ専用画面で確認可能と
し、操作性を大幅に向上しています。
•ファナック知能ロボットとのシステムにより、ワーク交換などをロ
ボットで実現し、量産加工を実現します。
ロボットによるワーク交換
工具観察顕微鏡画面
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ファナックの工場紹介 CNC 工場
知能ロボットを活用した CNC 工場
CNC 工場は、毎月25,000台の CNC、及びロボットコントーラ
を製造する能力があります。自動化ラインでは、当社の知能
ロボットを多数活用し、従来人手でしか行えなかった組立作
業や試験作業をロボットで行っています。
知能ロボットによる CNC 組立ライン
組立工程では、FANUC 内蔵ビジョン iRVision や力センサを用いて、プリント板の挿入や FPC ケーブルコネクタの篏合を行ってい
ます。 iRVision でコネクタの位置を確認して位置を補正し、プリント板やコネクタを破損させないよう、力センサで力加減を制御
しながら、確実な接続を実現しています。
プリント板の挿入
FPC ケーブルコネクタの篏合
試験工程では、組立てられた CNC 本体を高温試験室にて連続通電試験を行い、その後、自動試験機で最終機能試験を行います。
走行ロボットで工程間を自動搬送することで、夜間だけでなく、休日も無人で試験が行われます。CNC 本体には識別用の2次元コー
ドが印字されていますが、これを iRVision で読取り、組立や試験履歴等の製造情報をリンクさせ、品質向上や出荷後のトレーサ
ビリティに活用しています。
高温試験室での連続通電試験
*RVision での2次元コード読取り
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緑の協働ロボット FANUC Robot CR-35*A
2015年(第58回)日刊工業新聞社十大新製品賞 増田賞 受賞
2015年日経優秀製品・サービス賞 最優秀賞 日本経済新聞賞 受賞
日本経済新聞社主催
2015年日経優秀商品・サービス賞
2015年(第58回)
日刊工業新聞社十大新製品賞
最優秀賞
日本経済新聞賞受賞
増田賞受賞
W受賞!!
■2015年(第58回)十大新製品賞
■2015年日経優秀製品・サービス賞
十大新製品賞は、その年に開発あるいは実用化した新製品の
日経優秀製品 ・ サービス賞は、年1回 特に優れた新製品・
役立つ製品を日刊工業新聞社が選定し、表彰する制度です。
贈賞式は2月3日(水) 帝国ホテル東京にて開催され、日本
増田賞
中から、モノづくり産業の発展や日本の国際競争力の強化に
贈賞式は1月27日(水)
ホテルグランドパレスにて開催され、
日刊工業新聞社 井水社長様から稲葉社長に表彰状と盾が
授与されました。
最優秀賞 日本経済新聞賞
新サービスを日本経済新聞社が選定し、表彰する制度です。
経済新聞社 岡田社長様から稲葉社長に表彰状とブロンズ
像が授与されました。
受賞商品 FANUC Robot CR-35*A について FANUC Robot CR-35*A は、世界初となる35kg 可搬の協働ロボットです。安全柵なしで人とロボットが協働して作業する事が
でき、重量物の搬送、部品組み付けなど様々な作業において作業効率、自動化率を上げることが可能です。協働ロボット
CR-35*A は、製造を革新する切り札として自動化の新時代を拓きます。
<特長>
1)独自開発の安全機能により、安全柵なしで人とロボットが協働して作業する事が可能となりこれまで人が中心の様々な製造
現場においても、安全柵の設置スペースを気にすることなくロボットを導入する事が可能です。
2)独自開発のセンサ ・ソフトウェアの安全機能により、人に触れると安全に停止します。安全機能は、安全カテゴリ3、PL=d
の高い安全性を実現し、国際規格 IS010218-1適合の安全認証を取得しています。
3)協働ロボットの特徴である、緑のジャケットの下には、従来の黄色いロボットが入っており、高信頼性を維持するとともに、
最新の知能化機能を使用できます。
8
ロボット生産台数 40 万台突破 2015年11月末、ファナックはロボットの累計生産台数40万台
ロボット累計生産台数
台数(万台)
40
を突破しました。1977年の量産出荷開始以降、ファナックの
ロボット
40万台突破
35
FA 事業で磨いた高性能、高信頼性のコントローラ、サーボ技
術を注ぎ込んだ黄色いロボットは、世界の製造現場の自動化・
ロボット化に貢献して参りました。
30
25
20
以来38年、お客様からの支持を得て着実にご採用を頂き、産
15
業用ロボットとして世界最速で累計生産台数40万台を達成し
10
ました。
5
ファナックロボットの中でも最多出荷実績を持つ「R-2000i
0
1980
1985
1990
1995
2000
2005
2010
2015.11
シリーズ」や一般産業向けに好評な「LR メイト200iD シリー
ズ」の他、最新機種である人との協働作業が可能な「緑のロ
ボット CR-35iA」など豊富なラインアップを揃え、ファナック
はこれからも製造現場の自動化に貢献して参ります。
< Robot
R-2000*C
< Robot
LR Mate 200*D
ファナックロボットラインアップ
ロボショット生産台数 5 万台突破
2016年2月末、ファナックはロボショットの累計生産台数5万
台 を 突 破 し ま し た。1985年 に 全 電 動 式 射 出 成 形 機
(AUTOSHOT)量産第1号機の出荷を開始して以降、CNC 制
御による精密安定性、クリーン性、静粛性、省エネルギー性な
どを発売当初からお客様に高くご評価頂き、まずレンズなど
の付加価値の高い製品を中心に生産現場に導入して頂きまし
た。
1993年には、それまでのアナログに代わる、デジタルサーボ・
システムを採用した ROBOSHOT シリーズを発表し、薄肉充
ロボショット累計生産台数
台数(万台)
5
ロボショット
5万台突破
4
3
2
1
0
1985
1990
1995
2000
2005
2010
2016.2
填性能やハイサイクル性能を高めました。この ROBOSHOT シ
リーズにより、コネクタなど高精度部品のハイサイクル成形へ
の対応を深めて、販売台数を大きく伸ばし、累計生産台数5
<ROBOSHOT @-S+Aシリーズ
万台を達成することができました。
今後は、one FANUC 〜すなわちファナックの総力を挙げた
取り組み〜 の推進、例えばロボショットとファナックロボッ
トを組み合わせた実用的な成形システムの提案、機械学習を
取り入れた知能化の推進、ネットワーク化をはじめとするさま
ざまな IoT への取り組みなど、これからも世界の製造業のさ
らなる発展に貢献して参ります。
9
ユーザ訪問
FANUC ROBOCUT
株式会社ワタナベ
ワイヤ放電加工機による加工サービスを、福島、神奈川、
愛知を拠点に展開する株式会社ワタナベ。
今回は愛知県豊川市の中部ワイヤー加工センターをお
訪ねし、渡辺社長、佐藤センター長、上野副センター長
にお話を伺ってきました。
中 部ワイヤ ー 加 工 センタ ー で は23台、他 の 拠 点 を
あ わ せ て 合 計51台 の ワイ ヤ 放 電 加 工 機 FANUC
左から、佐藤センター長、渡辺社長、上野副センター長
ROBOCUT をご利用いただいています。
のと、計画停電のない中部電力管轄内に新工場を立ち上げる
御社の事業内容についてお教えください
渡辺社長: 私の父が始めた会社で、元はプレス工具販売の
会社でした。私の入社後、金型業界の不況もあり、どう生き残
ろうかという試行錯誤の中で、ワイヤ放電加工にどんどん本
腰が入ってゆき、2008年のリーマンショックからの回復過程
で完全にワイヤ放電加工一本に変わりました。私共の会社は、
いただいたワイヤ放電加工の注文をすべて社内で処理してお
のと、どちらが良いか訊いたところ、新工場とのことでした。
そこで3月下旬から長野、愛知の両県で進出先を探し始め、
4月には、愛知県豊川市に仮工場を見つけ、7月1日に正式にス
タートしました。その時愛知県の大村知事とお会いしました
が、被災企業の愛知県進出第一号ということで、本当に震災
がなければ来ていない所です。
客様にお届けするという事業内容で、社歴は父の代から数え
新工場立ち上げまで早いですね
の会社です。
た。その時、愛知県で既存のお客様はゼロでした。当初1年間
れば40年以上ですが、いまの事業形態になってからは10年位
ここ中部には、2011年4月に進出しました。きっかけとなっ
たのは東日本大震災で、それまでは福島工場と神奈川工場の
2工場で操業していました。福島工場は、避難地域等にはなり
ませんでしたが、福島第一原発から直線で50km、当時国の
救援本部が置かれた二本松市にあります。震災後、工場周辺
は避難民で溢れ、高速道路は閉鎖されて交通がストップしま
した。福島第一原発の炉心が爆発すれば全県避難対象にな
る状況の下、自宅待機を余儀なくされました。
残る神奈川工場は計画停電。ワイヤ放電加工が事業の4分
の3を占めている中で、電気がないということで、早急に手を
打つ必要に迫られました。
当時、福島の工場長に、私が現地に入って陣頭指揮を執る
渡辺社長:驚異的早さです。加工機6台で急遽立ち上げまし
は、福島のバックアップだけでしたが、2012年7月からこちら
での営業活動を開始し、現在お客様の9割が自動車関係で、
いわゆる Tier2を中心に100社位の開拓に成功しました。
自動車関係に限らず、ワイヤで切る物であれば何でも受けま
す。モットーとして大事にしているのは、国内最短納期、国内
最低コスト。コストはリーマンショック前までは中国と同一価
格を謳っていました。現在は、中国と比べると、3〜4割低い
と思います。
価格、納期、品質の全部合わせて国内トップということでな
く、いずれの個々の項目でも負けるなと社員に言っています。
全ての項目で1位になれば、圧倒的1位になる。そうすれば、
お客様が私共と付き合っていて損したということには絶対に
中部加工センター内景
10
ならないはずで、お客様に損させないためにも、この3つで他
社に負けるわけには行きません。ワイヤ放電加工という1工程
を通じて、日本のモノづくりの下支え、競争力強化に微力なが
ら貢献したいと願っています。
ロボカットに対する忌憚ない評価をいただけますか
渡辺社長:一番はコストパフォーマンス。特にランニングコス
トの面で他社より優れています。故障時の対応も速いです。そ
れと私共が力を入れた時期というのは、金型業界が不景気な
時期で、メーカは開発コストを掛けたくないのでモデルチェン
中部加工センター外観
ジといっても変わり映えしないものを出すケースが多いのです
が、ファナックには、加工スピードを上げて欲しいという要望
に応えた機種を出していただきました。
て、当社がこの業界で急速にワイヤ放電加工機の台数を伸ば
将来の工場の進化形について?
おりまして、これまでのご支援を引き続きお願いしたいという
せたのは、ファナックさんのご支援による所も大きいと思って
渡辺社長: ここは中古工場を買ったのですが、2階はまだ
手つかずで、是が非でも40台まで持ってゆきたい。そうする
と単一のワイヤ放電加工の工場で、国内最大になります。
ファナックへのご要望がありましたら教えてくださ
い
のがまずございます。
次に、やはり自動車部品ということで、厚物加工の高速化を
狙っていただきたい。当社もデータ収集などで協力しますの
で一緒にやりましょう。ファナックには期待しております。
(インタビュア:広報部次長 行貞直樹)
渡辺社長:今まで納期など様々な面でご支援をいただきまし
株式会社ワタナベ(http://www.watanabe-wire.com/)
▶代表取締役社長:渡辺 徹 ▶資本金:6千万円 ▶売上高:9.6億円(2015年) ▶従業員数:61名
(本社)
▶住所:〒222-0033 神奈川県横浜市港北区新横浜1-29-5
▶ TEL:045-471-7300 ▶ FAX:045-471-7330
ファナックの四季
厳しい冬の到来です。今年は穏やかな天気が続いたり急に大雪が降ったりと、ファナックの森も例年とは少し様子が異
なっているようです。そんな森の様子を一部、ご紹介します。
■ツチグリ
(12月15日撮影 葦池横にて)
■アセビの蕾
(1月30日撮影 社宅周辺にて)
■ツグミ
(2月1日撮影 中央 TC 周辺にて)
こう見えて、きのこの一種です。外皮が星形に開き、 みぞれ雪の降った翌朝、木々が透明な氷で覆われてい
冬に日本に飛来する渡り鳥です。ファナックの森は
球状の袋先端の穴から、暗褐色の胞子を放出します。 ました。小さな蕾も厳しい寒さに耐え、春の訪れを
餌が豊富なのか、雪の日は冬鳥でも寒いのか、まん
待っています。
まるに膨らんでいました。
11
252 Locations in 46 Countries and Growing
ファナックは「サービスファースト」の精神のもと、
世界 46 ヶ国、252 以上のサービス拠点で、
お客様がお使いのファナック商品の生涯保守を行っています。
FANUCニュース 2016年 -Ⅰ 〒401-0597 山梨県南都留郡忍野村 http://www.fanuc.co.jp/
電 話 0555-84-5555
(代表) FAX 0555-84-5512
(代表)
発行責任者 広報広告課長 髙次 京子
©FANUC CORPORATION March 15, 2016 Printed in Japan