2月28日 大きな山に登るとさらに登るべき山が見えてくる

大津市立北大路中学校
「自主力行」
「凡事徹底」
校長室だより
平成 26 年(2014 年) 2 月 28 日
校長
山中
一仁
大きな山に登るとさらに登るべき山が見えてくる
冬のスポーツの祭典である冬季オリンピックが、多くの感動とスポーツの枠を超えた
メッセージを残して閉幕しました。7 度目にして初めてメダルを手にし、レジェンドと
なった葛西選手、転んでもあきらめない演技で金メダルをつかんだ羽生選手、失敗から
一転、素晴らしい精神力、ギアチェンジにより圧巻の演技を披露した浅田選手等々、春
の光のように、メダルの有無にかかわらず多くの人々に勇気と力を与えてくれました。
弥生3月、春の光が明るさを増し、草木が活動を始め
る季節が目前に迫ってきました。学校では、卒業を迎
える人達の晴れやかな門出をお祝いするとともに、別
れを惜しみつつ、卒業していく人達が背負っていた責
任を、在校生がしっかりと引き継ぐ厳かな儀式があり
ます。ご家族をはじめ多くの方々から温かいはなむけ
の言葉をいただくことになろうと思いますが、私から
は卒業生だけでなくみなさんに次の言葉を贈ります。
「人は、大きな山に登ると、さらに登るべき高い山
がたくさん見えてくる。」という言葉です。この言葉は、
昨年12月に、94歳で亡くなった元南アフリカ共和国大統領ネルソン・マンデラ氏が
言われた言葉です。彼は、人生の多くを反アパルトヘイトの活動にささげ、ノーベル平
和賞をはじめ多くの賞を受賞し、現代の偉人とも言われています。
この1年、みなさんはそれぞれ自分の目標に挑み、まわりの友達と切磋琢磨しながら
苦難を乗り越え、ひとつの山の頂にたどり着こうとしています。そのとき周囲を見渡す
と、美しい景色とともに達成感がこみ上げてきます。さらに大きな自信も生まれます。
そして、もっと遠くを眺めると高い山がいくつも見えてきて、登るしんどさや不安感と
ともに、より美しい景色が眺められると考えられる山に登りたくなってくるはずです。
特に卒業生のみなさんは、義務教育完了という山の頂に立ち、これから目指す山は人
それぞれに異なった山になります。ある人は医学という山、ある人は法律に関する山、
また、ある人はスポーツ選手という山、はたまた、調理という山等々、山はいくつもあ
ります。みなさん一人ひとりが自分の登るべき山を見つけてほしいと願っています。
ネルソン・マンデラ氏も最初から大統領になろうとか、現代の偉人と呼ばれる人にな
ろうとは考えていなかったそうです。ご本人は、一つの山に登り、そこからさらに次の
山を見つけて登る、その繰り返しであったとおっしゃっています。みなさんもぜひ次の
山を見つけてください。