「新しい環境への適応力づくり」プログラム（中 1 ９月～） 31 文化祭で仲間意識を育てる～感謝の気持ちを伝えて友情を深める～１目的と指導のポイント (1)本プログラムの目的行事を通して個々の生徒が感じた気持ちを、クラスメートに伝えることを通して仲間意識を育て、学級集団において安心して過ごせるようにする。 (2)指導のポイント普段はクラスメートに対して、なかなか感謝の気持ちを伝えることはできないものである。感謝の気持ちを伝える場を設定し、抵抗なく感謝の気持ちを伝えるようにしたい。また、クラスメートからの手紙をもらえない生徒がいないように、グループには全員手紙を書かせる等の配慮が必要である。２実践プラン (1)事前に準備するもの学校行事の写真や映像、作品 (2)流れ（２時間扱い例）「友だちへの感謝の気持ちを書こう」～文化祭を例に～過学習活動と内容程導１文化祭の準備から当日までを思い出す。入・７月初めから４ヶ月間かけて取り組んできた文化祭の自主制作映画上映。準備から当日までを思い出してみましょう。２それぞれの場面での、気付きや感情を思い出す。・それどれの場面でどんなことを感じましたか。目をつむって思い出してみよう。３発表する４本時の活動とねらいを簡単に説明する。・私は、この学級のみんなが自分の良さや友だちの良さを認め合えるようになって欲しいと思っています。今日はこの文化祭で見つけた友だちの良いところ、友だちにしてもらってうれしかったことを、自分らしい言葉で手紙に書きましょう。指導上の留意点 ○ビデオや写真などを利用し、視覚的に個々の場面を振り返ることができると一層よい。 ○それぞれの場面での気付きや感情については、目をつむらせるなどして、自分自身の内面をしっかりと振り返らせる。 ○教師はネガティブな感情も否定しないで受け止める。 ○この授業のねらいをここでしっかりと把握させないと、冷やかしやからかいの内容の手紙が多くなる。展５ワークシートを配布し、静かに記入する。 ○しっとりとしたＢＧＭがあると開・では、このワークシートに記入しましょう。よい。 ※学級の実態が、まだ面と向かって感謝の気持ちを書いたり伝えたりすることに抵抗のある場合は、手紙の匿名での記 ○同じ仕事分担やグループなどのメンバーには必ず手紙を書くな入を認め、教師がワークシートを一旦集め、コピーしたりど、手紙が全員の生徒に届くよう活字に打ったりして、相手に感謝の言葉と伝える方法をと配慮する。っても良い。ま６手紙を書いてみての感想を発表する。 ○手紙を書いてみての気づきは、次と・友達への感謝の手紙を書いてみて、どのようなことを感じ時のシェアリングでも触れるこめましたか。とであるから、本時では、あまり７次時の連絡をする。深く扱わない。・次の時間は、今日書いた感謝の手紙の交換会を行います。「感謝の手紙交換会」過学習活動と内容指導上の留意点程導１本時の活動とねらいを簡単に説明する。 ○形は大切ではないが感謝の気持入・今日は、前回書いた友達への感謝の手紙を手渡し、感謝のちを表現するために最低限必要気持ちを伝えましょう。手紙を渡したりもらったりするこなことは、デモンストレーションとで、自分の良いところや友達の良さに気づいてほしいとする。思っています。２デモンストレーションを行い、手紙を渡すときの大まかな形を示す。展３自分の書いた手紙を読みあげて、相手に渡す。 ○手紙をもらったときの気持ちを開・では、室内を自由に歩き回って、手紙を渡しましょう。素直に表現し、相手に伝えるよう４学級で１つの輪になって、手紙を書いたとき、手紙を渡助言する。したとき、手紙をもらったとき、感じたことや気付いたこ ○手紙をもらったときの自尊感情とを発表しあう。の高まりとともに、自分の感謝の５さらに、発表を聞いて感じたことや気付いたことを発表気持ちを伝えたときの相手の反しあう。応についても、気づいたことを発表させる。 ○感じたことや気付いたことをすぐに言葉に表現できなければ、振り返り用紙などに記入させ、その後発表させる。ま６生徒の発言を振り返り、教師が授業全体の感想を話す。 ○心を伝え合うことは、日常でもでと・今日は、心を伝え合うことで、一層豊かな心になれるといきるということを、しっかり伝えめうことを経験しました。お互いがお互いを支えあっているる。ということを学びました。これは、授業の中だけでなく、普段の生活でもできることですね。３期待される子どもの声 ○自分のがんばりを見ていてくれる人がたくさんいて、うれしかった。 ○普段あまり話したことのないＦさんから、あなたの頑張りが文化祭を成功させたって言われて、涙が出るくらいうれしかった。 ○自分の言葉が、こんなに友達を勇気付けたり喜ばせたりするとは、考えたことがなかった。 ○Ｇくんと力をあわせて撮影をやったが、Ｇくんからこんなに感謝されているなんて思っても見なかった。友情が深まったような気がする。