布施だよりNo4(106号)

発行日 平成23年9月7日
平成23年度「篠ノ井西中学校 学校通信」
第 4 号(106号)
長野市立篠ノ井西中学校
電話(026)292-0244
FAX(026)292-7880
発行者 教頭 高池 一昭
2学期始業式 校長講話
8月24日
『夢は、かなえられる』
~情熱と、たゆまぬ努力~
比較的涼しい2学期がスタートしました。まず、
みんな元気でこの始業式を迎えられたことを感謝
したいと思います。
今、1年生の山田くん、2年生の西澤くん、3年
生の鈴木くんが、2学期に向けての決意を語ってくれま
した。目標を持って取り組むことは大切なことです。この
目標に向け継続して取り組むことによって、夢が叶うこと
があります。今日は、私が注目している2人の音楽家につ
いてお話ししたいと思います。
1人は、盲目のピアニストで有名な「辻井伸行さん」
です。もう一人は、指揮者で有名な「佐渡裕さん」で
す。この2人が「題名のない音楽会」で共演していたことは、皆さんも知っているかと思います。
また、この2人は、最近、小さい頃からの「夢」を叶えることができました。
この2人の足跡について話したいと思います。
まず、辻井さんですが、産婦人科医の父と元アナウンサーの母を両親に持ち、視覚障害者として生まれ
ます。生まれてから何日も経っても目が開かない状態が続き、眼科医に診てもらうと「小眼球」という障害であ
ることがわかります。辻井さんは、一生眼の見えない障害を持って生まれてきたのです。絶望の底に落とされた
母親のいつ子さんは、一時は死を考えることもあったそうです。
しかし、2歳のクリスマスの日です。料理をしながら歌を口ずさんでいる母親のいつ子さんは、自分の口ずさむメロ
ディーに合わせてピアノの音が響いてくることに気づきます。それは、辻井さんがお母さんの歌に合わせておもちゃのピ
アノを弾いてる音でした。この時に、母のいつ子さんは、辻井さんのピアノの才能に気づきます。
その後は、母のいつ子さんと辻井さんの二人三脚でピアノのレッスンが始まります。筑波大学附属盲
学校、東京音楽大学附属高等学校で学習しながらピアノの力を高めます。その中で、各種のコンク
ールで賞を取ります。そして、多くの有名な音楽家とも出会
います。ショパンコンクールで入賞し、現在も世界各地で演
奏しているピアニストの横山幸雄さん、さらに、指揮者の佐
渡裕さんとの出会いもありました。
そして、ついに国際的に高い評価のある「ヴァン・クライ
バーン国際ピアノコンクール」で優勝したのです。
全盲という生まれながらのハンディキャップを抱えなが
ら、それを乗り越え、現在も日本をはじめ、世界各地で演奏
するプロのピアニストとして活躍しています。辻井さんの弾
くピアノは、その音色の素晴らしさと盲目ながらもそのハン
ディを感じさせない技術で、世界中の人々に感動を与えてい
ます。まだ23歳の若さです。これからも、多くの人々を感
動させるピアニストとして成長していくことと思います。
次に、佐渡裕さんです。現在50歳ですが、素晴らしい感性をもち、指揮をしたいという強い願
いに立って、現在も多くの活動を続けています。
佐渡さんは、子供の頃に習わせられていたピアノが嫌いでしょうがなかったそうです。縦笛は大好きだったよ
うです。「学校ではリコーダーを上手く吹けるとヒーローになれた」ため、皆が競ってその腕を磨く中、「タイ
ガーマスクの歌」を完全にマスターして一躍人気者になったというエピソードも残っています。
また、小学校の卒業文集に「20年後の自分」として「オペラ歌手になって世界の歌劇場で歌うか、
ベルリン・フィルの指揮者になる」と書いたそうです。佐渡さんはいろいろな興味を持ち、多くのこと
に挑戦する活動的な人でした。
高校や大学ではフルートの演奏者として研鑽を積んで、指揮者になりたいと思い行動を始めたの
は大学3年の頃です。学内でオーケストラを組織したほか、オペラの裏方も始めました。
佐渡さんに転機が訪れたのは、昭和62年です。海外のオーディションへの参加許可を受けてア
メリカへ渡ります。ここで小澤征爾さんに見いだされて、レナード・バーンスタインのレッスンを
受けるようになります。そして、「ブザンソン国際指揮者コンクール」「エルサレム国際指揮者コ
ンクール」など、数々の国際指揮者コンクールで優勝します。また、ヨーロッパを中心に様々な楽
団の指揮者として活躍します。現在は、一年の3分の1から半分はヨーロッパで演奏活動を展開し
ているそうです。
さらに、日本では、新日本フィルハーモニー管弦楽団等の指揮者をし、平成20年からは、毎週日曜
日の午前9時から放映されている「題名のない音楽会」で司会者を務め、テレビを通して音楽の魅力を
広く伝えています。その佐渡さんは、ついに小学校からの夢である「ベルリンフィルハーモニー」
の指揮者を務めることになりました。感動の涙で顔をくしゃくしゃにしながら指揮をしている佐渡
さんの姿は、私の心に残っています。
今まで、夢を叶えた2人の音楽家の話をしました。障害を乗り越えてピアニストとして活躍して
いる辻井伸行さん、国際的な指揮者として活躍している佐渡裕さん、2人に共通することは、小さ
い頃からの夢をずっと持ち続けていることと、それに向けて、情熱的に計り知れない努力で挑戦し
続けているということです。
話はかわりますが、本校の剣道部の皆さんは、全国大会出場という夢を果たしました。今日は、
いよいよ団体戦の当日です。兵庫県で行われます。応援には行けませんが、剣道部の皆さんの活躍
を一緒に祈りたいと思います。
今日は2学期のスタートの日です。皆さんの夢は何ですか。自分を見つめてみてください。そし
て、その夢につながるいいスタートをしましょう。
□9/2(金)に行われました第3回授業参観・PTA 講演会には大勢の保護者の皆様にご来校をいただき、
ありがとうございました。9月に入り、生徒たちは 9/30(金)・10/1(土)に行われる第46回銀河祭に
向けて一生懸命準備を進めています。是非、ご都合をつけて参観いただければ幸いです。
[9/2 授業参観・PTA 事業:講演会]
[8/25 剣道部全国大会ベスト 16 達成]