ブリッジレポート(2426) 2009 年 11 月 9 日 Bridge Report 山室 雅之 社長 http://www.bridge-salon.jp/ ピーアンドピー(2426) 会社名 株式会社 ピーアンドピー 証券コード 2426 市場 JASDAQ 業種 サービス業 社長 山室 雅之 所在地 東京都新宿区新宿 3-27-4 事業内容 携帯電話やデジタル家電等の販売支援を中心に、ストア支援、人材サービ ス、棚卸サービスを全国展開。 決算月 3月 HP http://www.pandp.net/ - 株式情報 - 株価 発行済株式数 19,000 円 DPS(予) 時価総額 103,379 株 配当利回り(予) 900.00 円 4.7% EPS(予) ROE(実) 1,964 百万円 13.7% PER(予) 1,934.63 円 売買単位 BPS(実) 9.8 倍 1株 PBR(実) 27,079.71 円 0.7 倍 *株価は 11/6 終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。 - 連結業績推移 - 項目決算期 (単位:百万円、円) 売上高 営業利益 経常利益 当期利益 EPS 配当 2006 年 3 月(実) 6,075 269 255 133 4,427.49 0.00 2007 年 3 月(実) 14,056 678 684 340 3,268.01 記 750 2008 年 3 月(実) 15,808 822 827 404 3,854.52 750.00 2009 年 3 月(実) 18,853 635 642 372 3,588.60 850.00 2010 年 3 月(予) 22,800 480 480 200 1,934.63 900.00 *予想は会社予想。 ピーアンドピーの 2010 年 3 月期上期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。 ―目次― 1.会社概要 2.2010 年 3 月期上期決算 3.2010 年 3 月期業績予想 4.取材を終えて 1 ブリッジレポート(2426) 2009 年 11 月 9 日 http://www.bridge-salon.jp/ 今回のポイント ・10/3 期上期は前年同期比 13.8%の増収、同 52.4%の経常減益。M&A 効果やモバイル分野の好調で売 上が伸びたものの、子会社の不採算事業の影響やデジタル分野でのキャンペーン案件の苦戦で営業利 益は同 52.5%減少した。 ・下期は前年同期比 27.6%の増収、同 1.9%の経常減益予想。年末年始のキャンペーン受注に不透明感 があるため、売上・利益共に 1Q 時の予想を下方修正した。ただ、M&A や子会社の吸収合併に伴う不採 算事業の整理等が 9 月でほぼ一巡。前年同期並の営業・経常利益を確保できる見込み。 ・業績予想が下方修正されたものの、グループをあげての販管費削減や子会社の事業再編の進展に加 え、医薬分野での派遣や店舗・接客調査分野での SPO サービスの開始といった新規分野での展開等、 来期以降の業績を考える上で注目材料は多い。また、民主党への政権交代で請負(アウトソーシング)事 業に追い風が吹き始めた事も興味深い。 1.会社概要 携帯電話、デジカメや薄型 TV 等のデジタル家電、或いは食品等、様々な商品の販売促進活動を受託するセール ス・プロセス・アウトソーシング(SPO)を中心に、小売店向け棚卸サービス等も手掛けている。全国に広がるサービス ネットワークと、接客マナー研修、販売技術研修、商品知識研修などスタッフのスキルアップを支援する充実した教 育・研修システムを強みとする。また、取引先も幅広く、最大手の KDDI(株)でも売上高全体の 8.9%を占めるに過ぎ ない(上位 10 社で 38.5%にとどまる)。 グループは、同社の他、棚卸サービスの(株)ピーアンドピー・インベックス(以下、PPI)、携帯ショップへの人材派遣 を手掛ける(株)ジャパンプロスタッフ(同、JPS)、一般事務及びコールセンター事業に強みを持つ(株)ピーアンドピ ー・キャリア(同、PPC)、及び PPI の 100%子会社である迎倍客 股份有限公司(台北市)。 1987 年1月、メーカーの商品販売促進活動の支援を目的に設立。2000 年 8 月に一般労働者派遣事業の許可を、03 年 10 月に事業分野拡大を目的に有料職業紹介事業の許可を、それぞれ取得。04 年 12 月、JASDAQ に株式を上場 した。現在、全国 31 の主要都市に展開しており、北海道から沖縄まで国内一斉のセールスプロモーションがワンスト ップで実現できる。 <サービス内容> (1)モバイル・デジタル関連サービス ・セールススタッフ :日時、キャンペーン形態等に応じて販売員を派遣・業務請負 ・キャンペーンスタッフ :年末年始、シーズン毎にキャンペーンスタッフを派遣・業務請負 ・ラウンダー :店舗に出向き、販売状況やスタッフ等を管理する管理者の派遣・業務請負 (2)ストア支援サービス ・レジスタッフ :レジスタッフ、レジトレーナーの派遣・業務請負、マニュアル作成等 ・生鮮技術スタッフ :生鮮加工技術と現場管理能力を備えたプロフェッショナルを派遣・業務請負 ・デモ・スタッフ :店頭での試食販売、キャンペーン等の販促活動支援スタッフの派遣・業務請負 (3)人材サービス 銀行・クレジットカード会社等のカード加入促進、コールセンター業務、事務・IT人材派遣、流通・小売業を中心とす る人材紹介等。 (4)棚卸サービス 棚卸業務を代行し、業務の効率化と営業時間の有効活用を実現。365 日、24 時間体制で多様なニーズに対応。 2 ブリッジレポート(2426) 2009 年 11 月 9 日 http://www.bridge-salon.jp/ 2.2010 年 3 月期上期決算 (1)上期連結業績 (単位:百万円) 09/3 期 上期 売上高 構成比 9,124 10/3 期 上期 100.0% 構成比 10,381 前年同期比 100.0% +13.8% 1Q 時予想 予想比 11,000 -5.6% 売上総利益 1,951 21.4% 1,952 18.8% +0.1% - - 販管費 1,660 18.2% 1,814 17.5% +9.3% - - 営業利益 290 3.2% 137 1.3% -52.5% 310 -55.8% 経常利益 296 3.3% 141 1.4% -52.4% 310 -54.5% 四半期純利益 151 1.7% 57 0.6% -62.3% 161 -64.5% ※数値には(株)インベストメントブリッジが参考値として算出した数値が含まれており、実際の数値と誤差が生じている場合があります(以下同じ)。 ※百万円未満は決算短信に準じて切捨て。 M&A 効果やモバイル分野の好調で二桁の増収ながら、子会社の事業再編等で営業減益 売上高は前年同期比 13.8%増の 10,381 百万円。デジタル分野でキャンペーン案件が縮小する等、厳しい事業環境 が続いたものの、7 月 1 日に子会社化した PPC(ピーアンドピー・キャリア)が寄与した他、モバイル分野も伸びた。 営業利益は同 52.5%減少の 137 百万円。採用環境の改善による求人採用費の減少や事務所統合等による固定費 削減で販管費の伸びを抑えたものの、利益率の高いキャンペーン案件の減少や PPC 及び 10 月に吸収合併した子 会社(株)ピーアンドピー・コンシューマーズの事業再編等による売上総利益率の悪化が響いた。尚、四半期純利益 の減少幅が大きいのは、M&A や合併に伴い発生した固定資産及びシステム等の除却損や事業構造改善費用など 43 百万円を特別損失に計上したため。 (2)取扱商材分野別売上高 (単位:百万円) 09/3 期 上期 構成比 10/3 期 上期 構成比 前年同期比 モバイル・デジタル 5,138 56.3% 5,145 49.6% +0.1% ストアサービス 2,091 22.9% 1,638 15.8% -21.7% 872 9.6% 2,533 24.4% +190.5% 人材サービス 棚卸サービス 1,024 11.2% 1,066 10.3% +4.1% 合計 9,125 100.0% 10,382 100.0% +13.8% ※ 百万円未満四捨五入。 モバイル・デジタル(事業主体:同社及び JPS) 料金体系やサービス内容の複雑化や顧客獲得競争の激化によりモバイル分野が前年同期比14.7%増加したもの の、一部クライアントのキャンペーン案件縮小等によるデジタル分野の苦戦が響いた。 ストアサービス(事業主体:同社) 大手 GMS・スーパー等の業績悪化や生鮮技術者の抵触日の影響等で、生鮮技術者派遣の雇い止めや直接雇用 の動きが広がり、レジ請負・派遣及び技術者派遣のニーズが減少した。 人材サービス(事業主体:同社及び PPC) 事務派遣を中心とする PPC の子会社化により大幅な増収となった。 棚卸サービス(事業主体:PPI) 業績が悪化した大型店の一部で需要が減少したものの、コンビニ分野での他社枠獲得により売上高が増加した。 (3)セグメント別売上高 (単位:百万円) 09/3 期 上期 構成比 10/3 期 上期 構成比 前年同期比 アウトソーシング 3,522 38.6% 3,412 32.9% -3.1% 人材派遣 5,603 61.4% 6,969 67.1% +24.4% 合計 9,125 100.0% 10,382 100.0% +13.8% ※ 百万円未満四捨五入。 3 ブリッジレポート(2426) 2009 年 11 月 9 日 http://www.bridge-salon.jp/ アウトソーシング アウトソーシングで実施していたキャンペーン案件の縮小が響いた。ただ、店頭調査・接客調査等の新たなアウト ソーシングサービスが始まった他、アウトソーシングフローの積極提案の成果で、下期以降、派遣からの切替えニ ーズが顕在化しつつある。 人材派遣 一般事務派遣は引き続き縮小傾向にあるものの、事務派遣を中心とした PPC の寄与で大幅な増収となった。また、 地方拠点での官公庁案件向けの営業が軌道に乗りつつあり、今後の受注増が期待できる。 (4)地域別売上高 (単位:百万円) 09/3 期 上期 構成比 東日本地区 6,437 西日本地区 2,688 29.5% 合計 9,125 100.0% 10/3 期 上期 70.5% 構成比 7,238 前年同期比 69.7% +12.4% 3,144 30.3% +17.0% 10,382 100.0% +13.8% ※ 東日本地区とは、中部(愛知県、三重県、岐阜県)、甲信越(長野県、新潟県)以東、西日本地区はその他の地域。 百万円未満四捨五入。 東日本地区 PPC の子会社化による拠点拡大(札幌・盛岡・仙台・新宿・栄・豊田の追加)やサテライトオフィスを活用した営業エ リアの拡大により売上高が増加した。 西日本地区 東日本地区同様、PPC の子会社化による拠点の拡大(梅田・広島・高松・山口・福岡の追加)に加え、入札参加に より官公庁案件を獲得できた事も増収要因。 (5)財政状態及びキャッシュ・フロー(CF) PPC を子会社化した事で、上期末の総資産は 5,412 百万円と前期末比 483 百万円増加した。借方では、PPC の子会 社化で売上債権や固定資産が増加(PPC の「のれん」は 120 百万円)した他、有価証券の現金化等により現預金も 増加した。一方、貸方では、未払費用や未払金等が増加する一方、純資産が減少したものの、有利子負債に依存し ない健全な財政状態が続いており、自己資本比率は 51.7%。 CF については、PPCの株式取得と利益の減少及び運転資金の増加で一時的に悪化した。 財政状態 (単位:百万円) 09 年 3 月 09 年 9 月 09 年 3 月 現預金 1,599 1,771 売上債権 1,810 2,351 有価証券 499 - 4,025 4,304 有形固定資産 134 161 無形固定資産 320 412 投資その他 438 525 893 1,100 流動資産 固定資産 仕入債務 09 年 9 月 1,090 1,436 未払費用 101 157 未払金 185 313 未払法人税等 202 85 負債 2,026 2,545 純資産 2,901 2,866 負債・純資産合計 4,928 5,412 - - 有利子負債合計 キャッシュ・フロー (単位:百万円) 09/3 期 上期 10/3 期 上期 営業キャッシュ・フロー 132 -145 投資キャッシュ・フロー -252 -94 フリー・キャッシュ・フロー -120 -240 財務キャッシュ・フロー -133 -86 現金及び現金同等物期末残高 1,783 1,771 4 ブリッジレポート(2426) 2009 年 11 月 9 日 http://www.bridge-salon.jp/ (6)上期のトピックス ①PPC の子会社化 人材サービスのバリエーション強化を目的に、7 月 1 日、事務派遣・コールセンター業に強みを持つ、旧プレミア・スタ ッフ(現 PPC:ピーアンドピー・キャリア)の株式を取得した。PPC の子会社化により、これまで手薄であったオフィス、 事務業務やコールセンター等へのサービス提供を強化できる。また、今後は企画や調査等のオフィス系の周辺サー ビスも強化し、業種を問わず多角的なサービスの提供ができる体制を整える。 (同社資料より) 営業・販売支援人材ビジネスでの事業者シェア(2008 年度) PPC の子会社化により、営業・販売支援人材ビジネスでは、 今期の売り上げ予想ベースで、1 位の事業規模となる見込 み。(今期売上見込み 228 億円) また、重複する取引先クライアントは 10%程度のため、取引 先クライアント数も大幅に拡大する(800 社弱⇒2,100 社 強)。 (データ出所:矢野経済研究所調査/一部推定) PPC の会社概要 資本金 従業員数 事業内容 株式取得価格 :100 百万円 :121 人(9 月末現在) :事務・営業派遣/人材紹介 :195 百万円 ②新たな顧客ニーズの開拓 新たな顧客ニーズの開拓を目的に、薬事法改正に合わせて医薬分野の派遣を開始した他、SPO サービスの川上・ 川下の業務請負ニーズを開拓するべく店舗・接客調査分野でのサービスを開始した。 ・6 月 1 日薬事法改正に合わせ、医薬分野の派遣を実施した 薬剤師・登録販売者の派遣を開始し、既に売上規模が月額 100 万円を超えている。同社が強みを持つ小売・流通 業界における医薬分野のニーズの掘り起こしに取り組むと共に、人材紹介・紹介予定派遣への展開をも視野に事 業を進める。 ・SPO サービスの川上・川下の業務請負ニーズの開拓 店舗・接客調査分野でのニーズの開拓 小売・流通業の既存クライアントに対して、衛生管理や接客マナー等の店舗調査・接客調査といった新たなサービ スを提供する事で、1 クライアントに対する提供サービスの多角化を図る。 (同社資料より) 5 ブリッジレポート(2426) 2009 年 11 月 9 日 http://www.bridge-salon.jp/ 3.2010 年 3 月期業績予想 (1)下期連結業績 (単位:百万円) 09/3 期 下期 実績 売上高 9,728 構成比 10/3 期 下期 予想 100.0% 構成比 前年同期比 1Q 時予想 100.0% +27.6% 14,000 12,418 予想比 -11.3% 売上総利益 2,003 20.6% 2,259 18.2% +12.8% - - 販管費 1,658 17.0% 1,917 15.4% +15.6% - - 344 3.5% 342 2.8% -0.8% 370 -7.6% 営業利益 ※百万円未満は決算短信に準じて切捨て。 前年同期比 27.6%の増収、同 1.9%の経常減益予想。 年末年始のキャンペーン受注に不透明感があるため、売上・利益共に予想を下方修正した。ただ、M&A や子会社の 吸収合併に伴う不採算事業の整理がほぼ 9 月で一巡(第 3 四半期まで影響が残るものが一部ある)、下期の営業・ 経常利益は前年同期並みの水準を確保できる見込み。 (2)通期連結業績 (単位:百万円) 09/3 期 実績 売上高 構成比 10/3 期 予想 構成比 前期比 1Q 時予想 予想比 18,853 100.0% 22,800 100.0% +20.9% 25,000 -8.8% 営業利益 635 3.4% 480 2.1% -24.4% 680 -29.4% 経常利益 642 3.4% 480 2.1% -25.2% 680 -29.4% 当期純利益 372 2.0% 200 0.9% -46.2% 353 -43.3% ※百万円未満は決算短信に準じて切捨て。 前期比 20.9%の増収、同 25.2%の経常減益予想。 上期の苦戦が響き営業利益が同 24.4%減少する見込み。子会社の事業再編に伴う特別損失の計上で当期純利益 は同 46.2%減少する見込みだが、配当は期初発表の通り、1 株当たり 50 円増配の 900 円を実施する予定。 尚、今期のスローガンとして、「品格と高付加価値の創造」を掲げている。 2009 年 3 月期 品格と高付加価値の創造という理念を浸透させる。 2010 年 3 月期 品格と高付加価値の創造を行動に移す。 2011 年 3 月期 品格と高付加価値を定着させる。 (3)通期業績達成のための施策 通期業績予想を達成するための下期の重点目標として、グループ関係強化による企業力の強化(営業力強化・販管 費率削減)と高付加価値創造による利益率の向上を挙げている。この目標達成に向け、次の 4 つの施策を進める。 ①グループ体制の強化 グループ全体での営業力の底上げを図ると共に、グループでワンストップの人材サービスを提供できる体制を整え る。 グループ間営業協力体制の強化策 ・ グループ間情報交換会の実施(11 月~随時開催) ・ クライアント情報の共有化 ・ グループ全体での営業実施(11 月~) グループ案内を活用し、新規・既存クライアントにグループ会社を紹介 ・ グループ間人事交流の実施(7 月~随時実施) P&P→PPC 間:事務系人材派遣部門・人材紹介部門の PPC への統合 PPC→P&P 間:流通事業部門・各地方拠点の P&P への統合 6 ブリッジレポート(2426) 2009 年 11 月 9 日 http://www.bridge-salon.jp/ シナジー効果発揮のための PPC の体制作り ・経営陣の交代と社名の変更 旧体制の取締役 4 名、監査役 1 名の退任、P&P より取締役 7 名、監査役 2 名の就任(いずれも 7 月 1 日付) プレミア・スタッフからピーアンドピー・キャリアへの社名変更を実施(10 月 1 日付) ・グループネットワークの統合と新システムの導入 旧グループのネットワークから P&P グループネットワークへの切替え実施(9 月末完了) 旧グループよりリースしているシステムの切替え、新基幹システムの導入(10 月末完了) ・各拠点の移転及び統廃合の実施(M&A 前:12 拠点→ M&A 後:4 拠点) 各拠点の統廃合の実施(1 拠点閉鎖、7 拠点 P&P への統合、9 月末完了) ・不採算事業部門の体制整理 特定技術者派遣事業・再就職支援事業の体制整理の実施(~12 月末完了予定) 尚、PPC は 4 ヶ月で上記施策を完了する予定で、10 月は単月黒字が見込まれている。 ②請負サービス提案の継続実施 国内景気悪化に伴い企業のコスト削減の動きが強まりを見せる中、2009 年問題に象徴される抵触日の問題や民主 政権確立による派遣法改正の問題(規制強化、登録型派遣の原則禁止等)等の影響もあり、派遣事業を取り巻く環 境は厳しさを増している。一方、こうした動きは請負サービスにとって追い風であり、コンプライアンスの問題から市 場が縮小した請負サービスが改めて見直されつつある。このため、同社では大手クライアントを中心に SPO サービ スのアウトソーシングフローの提案を強化しており、既に 10 月以降にサービスが始まる案件を多数獲得している。下 期も引き続きクライアントの業務効率化とコスト削減に対するアウトソーシング・業務代行の提案に注力すると共に、 コールセンター請負、事務代行、棚卸サービス、ショップ請負等の分野での営業を強化する考え。当面の目標を「ア ウトソーシングの売上構成比 45%(上期実績:32.9%)」としている。 (同社資料より) ③新たな顧客ニーズの創造と開拓 高付加価値化を図るべく、10 月 1 日付で営業開発部を設立した。業務分掌を、新商材・新サービスの創造、人材サ ービス以外のワンストップソリューションサービスの提案及び営業開拓、未取引業種のニーズ開拓としている。また、 複数クライアントの依頼を受けて、PPI が台湾に子会社 迎倍客股份有限公司を設立した。台湾の棚卸サービス市 場は 30 億円程度の規模で、現在、コンビニ系 2 社と独立系 1 社がサービスを提供している。ただ、3 社のサービスは コンビニ向けが中心で、スーパーやアパレル等の大型店は自社で対応している状態。子会社はコンビニ向けで事業 基盤を確立した後、コンビニ以外の業種へ展開していく考え(初年度は売上高 1 億円、利益 3,000 万円が目標)。 ④販管費削減の取組実施 実施内容 下期インパクト 年間インパクト 求人費用の削減 約 6,300 万円 約 10,000 万円 PPC の拠点統廃合 約 2,700 万円 約 5,400 万円 不動産等の契約条件の見直し 約 360 万円 約 1,200 万円 経理部門のシステム化・統合 - 約 1,200 万円 事務業務のシステム化・統合 - 約 900 万円 ネットワークの統合 グループ間人事交流 合計 約 850 万円 約 1,700 万円 約 1,000 万円 約 2,000 万円 約 11,210 万円 約 22,400 万円 7 ブリッジレポート(2426) 2009 年 11 月 9 日 http://www.bridge-salon.jp/ (4)今後の成長ビジョン 通期ベースで 10%以上の売上成長率を維持すると共に、6%の営業利益率の確保を目指している。 4.取材を終えて 年末年始のキャンペーン受注に不透明感があるとして会社側は慎重な姿勢を崩していないが、グループをあげての 販管費削減や PPC の事業再編の進展に加え、医薬分野の派遣や店舗・接客調査分野での SPO サービスといった 新規分野での展開等、来期以降の業績を考える上で注目材料は多い。また、コンプライアンス問題で市場が縮小し た請負(アウトソーシング)事業に、抵触日の問題や民主党への政権交代で追い風が吹き始めた事も興味深い。コン プライアンスの問題にしても、請負そのものに問題があったわけではなく、「李下に冠を正さず」と言った意識が強か ったに過ぎないのだから。派遣に比べて利益率の高い請負が拡大すれば、収益性の改善が加速する。 本レポートは情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。また、本レポートに記載されている情報及び 見解は当社が公表されたデータに基づいて作成したものです。本レポートに掲載された情報は、当社が信頼できると判断した情報源か ら入手したものですが、その正確性・完全性を全面的に保証するものではありません。当該情報や見解の正確性、完全性もしくは妥当 性についても保証するものではなく、また責任を負うものではありません。本レポートに関する一切の権利は(株)インベストメントブリッ ジにあり、本レポートの内容等につきましては今後予告無く変更される場合があります。投資にあたっての決定は、ご自身の判断でなさ れますようお願い申しあげます。 Copyright(C) 2009 Investment Bridge Co.,Ltd. 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