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愛媛県
南予地域
基本計画
1 産業集積の形成及び産業集積の活性化に関する目標
(1)地域の特色と目指す産業集積の概要について
(地理的条件、既存の産業集積の状況、インフラの整備状況等地域の特色につ
いて)
【地理的条件について】
本地域の行政区画は、宇和島市、八幡浜市、大洲市、西予市、内子町、伊
方町、松野町、鬼北町及び愛南町の 4 市 5 町である。総面積は 252,348ha で
愛媛県の約 44%を占めており、その大半を山林が占める典型的な中山間地域
である。また、本地域の総人口は 280,815 人で、県全体の 19.6%を占め、労
働力人口は 136,333 人で 19.4%を占める(平成 22 年国勢調査)
。
本地域の地勢は、愛媛県の南西部に位置し、西は佐田岬半島が瀬戸内海と
宇和海を分かち、その先は豊予海峡を隔てて九州となる。東は四国カルスト
のある四国山地につながっている。沿岸部は美しい景観を誇る佐田岬半島や
宇和海のリアス式海岸、内陸部は清流肱川をはじめ、森林、渓谷など多彩な
自然に恵まれており、近年では、これらの自然を生かしたシーウォーカーや
キャニオニングが観光スポットとして人気を集めている。
また、内陸部は県内最大の河川である肱川水系の流域や四万十川源流の広
見川流域に盆地が点在しているものの、地形は大部分が山地で、まとまった
平地が少なく、市街地や集落は、河口や入江、盆地、河川流域に形成されて
いる。
なお、八幡浜港、三崎港からは九州の臼杵港、別府港などにフェリー定期
航路が運行しており、九州への玄関口となっている。
【インフラの整備状況等について】
①道路・鉄道・航空・港湾 等
○道 路
地域内の主な道路交通は、平成 24 年 3 月に宇和島北 IC まで延伸開通し
た松山自動車道とその先の津島高田 IC まで続く宇和島道路
(高規格道路)、
国道 56 号、国道 197 号及び国道 378 号である。地域内の主要拠点である宇
和島市まで高速道路が延伸されたことで、県庁所在地の松山市からの所要
時間が 1 時間に短縮され、さらに関西圏からの自動車利用での日帰りも容
易になった。また、地域内の市街地を通る国道 56 号、三崎港まで延びる国
道 197 号(佐田岬メロディライン)、瀬戸内海及び宇和海に沿って走る国道
378 号はいずれも広域輸送、地域経済を支える産業道路であるとともに、通
-1(愛媛県南予地域基本計画)
勤・日常生活を支える生活道路として大きな役割を果たしている。
○鉄 道
本地域を通る JR 予讃線(高松駅~宇和島駅)は単線であり、電化はされ
ておらず、JR 松山駅からは特急利用で JR 伊予大洲駅まで約 40 分、JR 八幡
浜駅まで約 50 分、JR 宇和島駅まで約 80 分の時間距離にある。
○航 空
県庁所在地である松山市に存する松山空港は、自動車で大洲市から 1 時
間、宇和島市から 1 時間 30 分程度の距離に位置している。
松山空港は、東京(東京国際空港(羽田):75 分)
、名古屋(中部国際空
港:65 分)
、大阪(大阪国際空港(伊丹)
:50 分)等への連絡に利便性を有
するほか、ソウル、上海(それぞれ 100 分)への国際定期便も就航してい
る。
なお、平成 23 年度の松山空港の輸送人員実績は 2,169,607 人(国内線)、
航空貨物輸送量実績は 8,483 トン(国内線)となっている。
○港 湾
本地域には四国の西南部に位置する重要港湾宇和島港及び佐田岬半島の
基部に位置する特定地域振興重要港湾八幡浜港の 2 つの重要港湾が整備さ
れている。
宇和島港は宇和島市の主要産業である食料品製造業、飼料製造業に関連
する企業が港の直背後に立地しており、水産品や動植物性製造飼肥料の貨
物が多くを占めている。平成 22 年の取扱貨物量は 297,928 トンとなってお
り、本地域における物流拠点として重要な役割を果たしている。
八幡浜港は宇和海に面した天然の良港であり、古くから漁業基地、農水
産品の集荷港として発展してきた港である。現在も八幡浜港振興ビジョン
に基づき施設整備が進められており、魅力ある「みなとまちづくり」を目
指している。
○通 信
本地域の高速ブロードバンド環境(FTTH、DSL 等)の整備状況については、
平成 23 年 9 月末時点で、利用可能世帯率が宇和島市で 99.9%、八幡浜市で
100%、大洲市 99.4%、西予市 100%、内子町 99.6%、伊方町 100%、松野
町 100%、鬼北町 100%、愛南町で 100%となっており、ほぼすべての世帯
がカバーされている。
-2(愛媛県南予地域基本計画)
②教育機関、産業支援機関 等
○教育機関
愛媛県内には工業系学科を有する愛媛大学、新居浜工業高等専門学校をは
じめとした高等教育機関が大学 5 校、短期大学 5 校、高等専門学校 2 校あり、
高等学校を含めた新卒者は毎年度約 1 万 7 千人となっている。
平成 23 年度には高等学校卒業者の大学等進学率は 50.8%と全国平均を 2.7
ポイント下回ったものの、
就職率は 21.1%と全国平均を 4.3 ポイント上回り、
そのうち県内就職率は 81.5%と地元志向の高さを伺わせている。さらに就職
先を産業別に見ると、高い順に製造業 37.3%、卸売業・小売業 11.4%、医療・
福祉 9.7%となっており、本県地域産業を支える人材を多数輩出している。
〔集積区域に存する主な教育機関〕
・ 県立宇和島高等技術専門校
木製家具・建具、工芸品等の製作技術を修得する木工クラフト科やアパ
レルに関する一連の作業に必要な知識と技能を修得するアパレルビジネ
ス科等の訓練科がある。
・ 八幡浜工業高等学校 等
機械・メカトロニクス・コンピュータ等に関する基礎的な知識・技術を
学ぶ機械科では、鉄鋼、造船、自動車、各種機械、電気機器等の企業で、
設計、製図、生産、保守・整備、管理等を担う人材を輩出している。
その他、水産食品科を有する宇和島水産高等学校など、地域内に県立高
等学校 19 校、私立高等学校 2 校の高等学校がある。
・ その他
環太平洋大学短期大学部
○産業支援、学術研究機関
愛媛県内では、全県的に地域産業の高度化及び新事業創出の支援、県内
中小企業者等の情報化、経営基盤の強化、経営革新及び設備の導入等を促
進している公益財団法人えひめ産業振興財団が産業支援機関として中心的
な役割を果たしているほか、試験研究機関としては、愛媛県産業技術研究
所が県内中小企業の技術高度化や新商品開発、地域資源を活用した新たな
産業創出の促進を図るため、「試験研究」、「技術相談」、「依頼分析・
機器開放」、「技術研修」等を実施している。
-3(愛媛県南予地域基本計画)
また、愛媛大学では、平成 16 年に設置された社会連携推進機構の下、産
学官連携を推進しており、産学連携推進センターでは民間企業等との共同
研究(平成 23 年度で約 90 件)や受託研究(平成 23 年度で約 150 件)に取
り組んでいる。
また、愛媛大学では平成 24 年 4 月に炭素繊維高度利用研究会を立ち上げ、
県内企業が無料で利用できる「Car-bon 工房」を開設するなど、新規用途の
炭素繊維加工に取り組む企業の支援を行っている。
〔集積区域に存する主な産業支援機関等〕
・ 愛媛大学南予水産研究センター
水産に関する先端研究の推進と地域との連携を念頭に置いた活動拠点
として、本地域の水産振興の発展に寄与している。
(目指す産業集積の概要について)
本地域は第一次産業が主要産業であり、米、野菜、みかんなどの農業や海
面養殖などの水産業が盛んであり、みかんは全国 1 位、2 位の生産量と高品質
を誇るほか、タイやブリ類の生産量は全国一、二で、また全国的な養殖真珠
の産地としても有名である。
八幡浜地区では、西日本有数の水揚高を誇る公設水産物地方卸売市場を有
し、水揚された魚を使用した水産練製品製造業が盛んで、1 つ 1 つの事業所の
規模は小さいものの、現在でも数多くの業者が集積しており、魚市場の近代
化と併せて水産練製品製造業の高度化や未利用魚の有効活用が図られている。
また、市内には、西日本一円に販路を持つ和洋菓子製造企業(㈱あわしま堂)
や日本で初めて魚肉ソーセージを製造した食品加工会社(西南開発㈱)など
があるほか、近年ではハンバーガー向けの冷凍ハンバーガーパティの供給を
担う企業(オレンジベイフーズ㈱)の立地があった。
八幡浜、大洲、宇和島、西予、愛南地区では、コールセンターの進出があ
り、大都市との距離が遠いという地理的条件でも立地が可能な情報通信業の
立地が進みつつある。また、大洲地区では、高速道路の延伸に併せて地方拠
点都市地域指定等を背景とした商業施設の集積が進んでいるほか、市内には
アメニティグッズなどのプラスチック製品、衛生材料製造業、食品製造業な
どが立地している。
内子地区では、古くは木蝋、和紙等の生産で栄え、当時の伝統的な町並み
の保存が進められているほか、近年では、地域の恵まれた自然資源を生かし
てグリーンツーリズムに取り組むとともに、豊富な農産物を背景にして、道
の駅を中心に農産物の販売、加工なども行われている。さらに、超精密溶接
-4(愛媛県南予地域基本計画)
技術を持つ金属製品製造企業の四国工場(入江工研㈱)が立地している。
西予地区では、平成 16 年 4 月に西予宇和 IC が開設されたことに伴い、清
涼飲料メーカー(四国コカ・コーラボトリング㈱)の物流拠点が進出するな
ど、県南部での広域流通拠点としての立地が進んでいる。また、一級河川肱
川上流域には「宇和ヒノキ」で代表されるヒノキ等の人工林があり、隣接す
る八幡浜地区を併せて大中規模の国産材製材工場が集中しており、本県の林
業・林産業において主要な地位を占めている。
宇和島地区では、八幡浜地区と同様に水産練製品などの伝統的な食品加工
業者が集積しているほか、海面養殖魚のタイ・ハマチ等を使用した食品製造
を行う大手食品加工企業が集積している。また、松野町及び鬼北町を含めた
地域では花火、パーティ用クラッカー等の玩具メーカーが立地している。
愛南地区では、漁船漁業が盛んであったが、近年はタイ、ハマチ、真珠・
真珠母貝などの養殖業を中心とする水産業や、あいなんゴールドなどの柑橘
農業が盛んである。近年では平成 20 年に開所した愛媛大学南予水産研究セン
ターを核として、産学官連携の推進、養殖魚の生産、加工、流通の新しい方
策の研究に取り組んでいるほか、特産品ブランド化のため、水産加工品等の
商品開発に取組んでいる。
①食品加工関連産業
本地域で水揚げされた水産物を使用した伝統的な水産練製品や本地域で生
産された農産物を原料とする農産物加工品、さらに和洋菓子、天然調味料な
どを製造する地域内の食品関連産業は多様性に富み、層も厚い。こうした食
品関連産業の集積や農商工連携をさらに進めることにより、第一次産業を主
要産業とする地域内への経済波及効果を高める。
また、リアス式海岸や清流、森林、渓谷などの多彩な自然資源を生かした
グリーンツーリズムなど観光関連産業と食品関連産業の連携を深め、地域の
活性化を図っていく必要がある。
②機械器具関連産業
本地域には自動車や産業機械部品をはじめ、電子機器の基板製造などのも
のづくりの基盤を担う企業が古くから立地している。これまで地域の産業を
牽引してきた大手電気機械企業が、グループ企業の業務や事業所の再編・再
配置などにより、工場の撤退や縮小を余儀なくされてきた状況があるが、本
地域内の中小企業が持つ技術力を生かして、成長分野への展開や商品開発な
どを支援する取組みを愛媛大学や愛媛県産業技術研究所等と一体となって進
める。また、撤退した大手電気機械企業の跡地への新規立地を図る。
-5(愛媛県南予地域基本計画)
③生活関連産業
本地域には、ホテル・旅館に納入されるアメニティグッズの国内トップシ
ェアを誇る企業(㈱アイテック)や医療用脱脂綿等の衛生材料を製造する企
業(丸三産業㈱)などの「医薬品、医薬部外品及び化粧品」に関連する企業
の集積が見られるほか、国内シェアの 80%を占めるパーティクラッカーや多
数のパテントを保有するパーティグッズなどの娯楽用品製造業(㈱カネコ、
㈱フジカ)が地場に根付いている。また、本地域には大中規模の国産材製材
工場が集積しており、高い製材・乾燥加工技術により愛媛県産ブランド材の
地位向上に努めている。
これらの人の生活維持に欠かせないものから娯楽用品まで人々の生活に密
着した製品を製造する企業が古くから根付いており、地域の雇用確保を通じ
て地域経済の発展に寄与してきたものである。今後、これらの企業が持つ技
術力と独創性を活かして拡大を図るとともに、関連産業の集積を促進してい
く。
④情報サービス関連産業
本地域には、コールセンター等情報通信関連企業の進出があり、これまで
に 5 事業所を誘致しており、進出企業の計画では 530 名程度の新規雇用が見
込まれている。
地域内の若年労働者が減少する中で、大都市との距離に左右されない、情
報サービス関連産業の立地を促進していく。
(2)具体的な成果目標
集積区域における
集積業種全体の付
加価値額目標
現状
計画終了後
伸び率
458 億円
488 億円
6.6%
※付加価値額は平成 22 年工業統計調査による。
(3)目標達成に向けたスケジュール
取組事項
25
26
27
28
29
(取組を行う者)
年度
年度
年度
年度
年度
産業用共用施設の整備等に関する事項
①企業ニーズの把握
(県・市町・その他)
-6(愛媛県南予地域基本計画)
②工業用地等の確保・整備
(県・市町・その他)
人材の育成・確保に関する事項
③人材育成の支援
(県・市町・その他)
④人材確保の支援
(県・市町・その他)
技術支援等に関する事項
⑤産学官の連携
(県・市町・その他)
⑥試験研究機関等の技術支援
(県・市町・その他)
その他の円滑な企業立地及び事業高度化のための事業環境整備に関する事項
⑦物流基盤及びインフラの整備
(県・市町・その他)
⑧迅速な企業立地のための支援体制の整備
(県・市町・その他)
広域連携に関する事項
高機能素材活用型産業活性化の支援
(協議会会員)
2 集積区域として設定する区域
①集積区域として設定する区域
宇和島市、八幡浜市、大洲市、西予市、内子町、伊方町、松野町、鬼北町及
び愛南町の全域とする。
-7(愛媛県南予地域基本計画)
なお、この区域内に含まれる自然公園法等に規定する自然公園地域、自然
環境保全法に規定する自然環境保全地域、鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関
する法律に規定する鳥獣保護区、環境省選定の特定植物群落及び日本の重要
湿地 500 等の環境保全上重要な地域その他国内野生動植物の生息・生育地等
の野生生物にとって重要かつ比較的影響が大きいと考えられる地域について
は除くものとする。
②集積地域の可住地面積
本地域 4 市 5 町の可住地面積は 66,988ha である。
(参考)
総面積(ha)
可住地面積(ha)
愛 媛 県
567,818
167,174
宇和島市
46,958
13,861
八幡浜市
13,303
6,167
大洲市
43,220
11,899
西予市
51,479
12,712
-8(愛媛県南予地域基本計画)
内子町
29,950
6,900
伊方町
9,439
4,587
松野町
9,850
1,591
鬼北町
24,187
3,670
愛南町
23,962
5,601
(出所)総務省「統計で見る市区町村のすがた 2012」
③集積区域に指定されている理由
以下のとおり、本地域は地理的、社会的及び経済的条件からみて一体であり、
産業集積の形成等を効果的かつ効率的に促進することが可能な区域となってい
る。
(地理的条件)
本地域は、国道 56 号、JR 線の沿線の大洲市、八幡浜市、宇和島市を中心に、
行政地域としても「南予」として一つの地域として発達してきた地域である。
平成 24 年 3 月には高速道路(松山自動車道)が宇和島市へ延伸したことに
より、地域内の移動時間が短縮され地理的一体性が増している。さらに、宇
和島道路(高規格幹線道路)の延伸や内海(愛南町)までの津島道路(仮称)
の調査・整備が進められているほか、大洲・八幡浜自動車道(地域高規格道
路)の整備が進められており今後さらに地理的一体性が増すものと思われる。
(社会的経済的条件)
平成 22 年の国勢調査の通勤・通学状況を見ると、ほとんどの市町間で相互
に 500~1,500 人の人の移動があり、生活圏、経済圏域は一体である。
-9(愛媛県南予地域基本計画)
(産業集積との関連)
食品加工関連産業のように、江戸時代からの伝統をもつ水産練製品や戦後
始まったみかん生産に関連した缶詰、果汁生産など、地域の歴史や特性に根
付いた産業がある。また、愛媛大学や愛媛県産業技術研究所などの研究機関
との共同研究により、高い技術力を持つ和洋菓子や天然調味料製造の企業も
あるなど、食品加工関連産業は、多様性に富むとともに 4 市 5 町に幅広く分
布している。
機械器具関連産業も同様に、本地域内に存在感のあるメーカーが幅広く立
地している。
生活関連産業は、大洲、八幡浜、宇和島及び鬼北地区を中心に立地してお
り、競争力で高い優位性を維持している。
情報関連産業は、大洲、八幡浜、西予、宇和島、愛南地区にコールセンタ
ーが立地しており、他の地区を含めてさらに進出が期待される。
表1
指定集積業種に属する主な企業の分布状況
産業中分類名称
食料品製造業
宇和島市
八幡浜市
食 品 加 工
大洲市
西予市
内子町
伊方町
松野町
鬼北町
愛南町
主な企業名
㈱ダイニチ、㈱オンスイ、愛媛県漁連宇和島支部、愛工房
㈱、㈱マエダ、㈱田中蒲鉾、㈱島原本舗、㈲中村かまぼこ
店、㈲安岡蒲鉾
八水蒲鉾㈱、㈱谷本蒲鉾店、㈲若松蒲鉾店、萩森水産㈱、
㈱あわしま堂、西南開発㈱、マルハフーズ㈱、㈱オーシャ
ンドリーム、八幡浜海産物㈱、中村水産加工所、㈲坂本製
麺、小川食品製めん、㈲石崎豆腐店、村上こんにゃく店、
㈲イワチク、オレンジベイフーズ㈱
伊予正食品㈱、㈱シロモト食品、㈲玉井民友商店、矢野味
噌㈲、仙味エキス㈱、JAえひめアイパックス㈱、JA全農え
ひめ、㈱サンフーズ、㈱誠実村、くみあい食品工業㈱、㈴
梶田商店、㈱中野食品
㈲浜田水産、㈲マルヨシ水産、伊予蒲鉾㈱、㈱愛媛ちぬや、
㈱アール・シー・フードパック、伯方塩業㈱、㈱グリーン
ヒル、㈱ナチュラリズム、㈱おがた蒲鉾
キドフーズ㈱、大森産業㈱、寿冷凍食品㈱
㈲マルイ海産、㈱ヒサシ水産、㈱クリエイト伊方、㈲松下
水産、㈱中田水産、重岡水産、田中水産㈲、㈲木嶋水産、
朝日共販㈱、うにまんじゅうの田村菓子舗
キョクヨーフーズ㈱
㈱いのすや、㈲地蔵味噌、高田商店
マルヤス味噌㈱、マルマサ醤油㈱、山﨑水産工場、菊池水
産、伊予鈴水産、武久海産、㈲本多海産、㈱愛なん屋、㈲
宝水産、㈲ハマスイ、さかもとかまぼこ店、㈱みかん職人
武田屋
- 10 (愛媛県南予地域基本計画)
産業中分類名称
飲料・たばこ・飼料製造
業(酒類、たばこは除く)
宇和島市
八幡浜市
大洲市
西予市
内子町
伊方町
松野町
鬼北町
愛南町
木材・木製品製造業(家
具を除く)
宇和島市
八幡浜市
大洲市
西予市
内子町
伊方町
松野町
鬼北町
愛南町
プラスチック製品製造
業
宇和島市
八幡浜市
大洲市
西予市
内子町
伊方町
松野町
鬼北町
愛南町
飲食料品卸売業
宇和島市
八幡浜市
大洲市
西予市
内子町
伊方町
松野町
鬼北町
愛南町
窯業・土石製品製造業
宇和島市
八幡浜市
主な企業名
㈱ヨンキュウ、㈱南予ビージョイ、JA西日本くみあい飼料
㈱、東海シープロ㈱
㈱えひめフーズ
㈱クリエイト伊方
山下蒲板、谷水産業㈲
稲田木工㈱
㈱西部包装
新井産業㈱、中津屋産業㈲
㈱積水化成品四国、新井産業㈱
高知スチロール㈱
㈱ヨンキュウ、秀長水産㈱
㈱いづみ屋商店、大西屋商店、㈲西本商事、㈱国安青果
日伽コーヒー、山菊商店、吉鹿
愛媛南部ヤクルト販売㈱、四国コカ・コーラボトリング㈱
- 11 (愛媛県南予地域基本計画)
産業中分類名称
大洲市
西予市
内子町
伊方町
松野町
鬼北町
愛南町
金属製品製造業
宇和島市
八幡浜市
大洲市
西予市
内子町
伊方町
松野町
鬼北町
愛南町
はん用機械製造業
宇和島市
八幡浜市
大洲市
西予市
内子町
伊方町
松野町
鬼北町
愛南町
生産用機械製造業
宇和島市
八幡浜市
大洲市
西予市
内子町
伊方町
松野町
鬼北町
愛南町
電子部品・デバイス・電
子回路製造業
宇和島市
八幡浜市
大洲市
西予市
内子町
伊方町
松野町
鬼北町
主な企業名
メカニカルカーボン工業㈱
メカニカルカーボン工業㈱、広島研磨工業㈱
㈱レクザム
葵機工㈱
入江工研㈱
㈱堺歯車工作所
メカニカルカーボン工業㈱
メカニカルカーボン工業㈱
長浜化成㈱
入江工研㈱
㈱堺歯車工作所
㈱レクザム電子四国
東予産業㈱
- 12 (愛媛県南予地域基本計画)
生 活
産業中分類名称
愛南町
電気機械器具製造業
宇和島市
八幡浜市
大洲市
西予市
内子町
伊方町
松野町
鬼北町
愛南町
輸送用機械製造業(鉄道
及び船舶は除く)
宇和島市
八幡浜市
大洲市
西予市
内子町
伊方町
松野町
鬼北町
愛南町
繊維工業
宇和島市
八幡浜市
大洲市
西予市
内子町
伊方町
松野町
鬼北町
愛南町
木材・木製品製造業(家
具を除く)
宇和島市
八幡浜市
大洲市
西予市
内子町
伊方町
松野町
鬼北町
愛南町
主な企業名
㈱レクザム、㈱レクザム電子四国
イナン電気㈱
共立電器計器㈱
双葉産業㈱
愛媛河合㈱
愛媛木蝋工業㈱、㈱大棟商事、㈱スズラン
丸三産業㈱
丸三産業㈱
広見ガーメント㈱
山下木工㈱、八興産業㈲、㈲官材単板工業、森木工所、脇
水木工、㈲マルヨシ
八幡浜官材協同組合、㈲長浜木履工場
㈱宇和原木市場、伊予木材㈱、㈱エフシー、明光産業㈱、
宇和国産材加工協同組合、村上林業㈲、菊地木材㈱、丸万
製材㈲、㈲下田興産、井上製作所、三好製作所、㈲丸幸製
材
㈲玉井木工、㈲堀本製材所
㈱程内製材所、葛川製材所
- 13 (愛媛県南予地域基本計画)
産業中分類名称
パルプ・紙・紙加工品製
造業
宇和島市
八幡浜市
大洲市
西予市
内子町
伊方町
松野町
鬼北町
愛南町
化学工業(塩、動物用医
薬品及び化学肥料は除
く)
宇和島市
八幡浜市
大洲市
西予市
内子町
伊方町
松野町
鬼北町
愛南町
プラスチック製品製造
業
宇和島市
八幡浜市
大洲市
西予市
内子町
伊方町
松野町
鬼北町
愛南町
その他の製造業
宇和島市
八幡浜市
大洲市
西予市
内子町
伊方町
松野町
鬼北町
愛南町
建築材料、鉱物・建築材
料等卸売業
宇和島市
主な企業名
八幡浜紙業㈱
宇和特紙㈱
㈱五十崎社中
㈱四国刷子工業、富士シリシア化学㈱
㈱アイテック、㈱ブルームクラシック
㈱アイテック、昭和刷子㈱
㈱四国刷子工業
㈱アイテック、㈱アイカ、ダイドー化成㈲
㈱アイテック、昭和刷子㈱
㈱カネコ
㈱四国刷子工業、㈱UFCプロダクツ、愛媛蚕種㈱
㈱富士炭化興業
昭和刷子㈱
㈱カネコ
㈱フジカ
- 14 (愛媛県南予地域基本計画)
産業中分類名称
八幡浜市
大洲市
西予市
内子町
伊方町
松野町
鬼北町
愛南町
情報通信技術利用業
情 報 サ ー ビ ス
宇和島市
八幡浜市
大洲市
西予市
内子町
伊方町
松野町
鬼北町
愛南町
主な企業名
豊洋産業㈱
㈱直方建材
㈱SPORTS LABORATORY、㈱WONS、㈱シーティーアイ情報セン
ター
㈱アルファライズ
㈱グロップ
㈱スリーベル
㈱シーティーアイ情報センター
3 集積区域の区域内において特に重点的に企業立地を図るべき区域
(区域)
次の地域の指定を基本とし、必要に応じて随時追加する。
①工場を集積させる地域として造成された工業団地
②工業団地以外でも、新規立地又は既存工場の規模拡大が見込まれる地域
※具体的な地域については、別表一覧のとおり
4 工場立地法の特例措置を実施しようとする場合にあっては、その旨及び当
該特例措置の実施により期待される産業集積の形成または産業集積の活性化の
効果
(工場立地法の特例措置を実施しようとする区域)
別表一覧のとおり
ただし、宇和島市以外の市町においては、特例措置を実施しようとする
区域は当面の間指定せず、既存企業の工場拡張や新規立地において、緑地
規制並びに他の関係規制法令及び周辺地域の状況等の事情により新たな土
地取得が困難であり、かつ、当該特例措置を実施することにより生産の増
強、付加価値の増大又は雇用創出がある程度見込まれる場合には、機動的
に特例措置を講ずるものとする。
- 15 (愛媛県南予地域基本計画)
なお、特例措置を講ずる場合にあっては、地域の実情、住民の意思を踏
まえ、特定工場周辺の生活環境の保持を適切に図るとともに、県・市町の
環境保全部局や関係機関と調整するものとする。
(特例措置の実施により期待される効果)
指定集積業種に属する企業は高い成長を期待できる企業が多く、新たな設
備投資や生産能力拡充、生産人員拡充が必要な場合が増えており、効率的な
用地活用が求められている。
一方、工場立地法に定める「特定工場」
(一定の敷地面積または建築面積を
有する製造業等を行う工場)については、同法に基づき、敷地面積に対して
一定の比率以上の緑地、環境施設面積を確保することが求められている。
しかしながら、当該区域には既に相当数の企業が立地し、集積が進んでい
るうえ、平野部分が少ない同地域の特性もあり、緑地を含む新たな土地の確
保が困難であることから、工場立地法の特例を措置することが不可欠な状況
である。
特例措置の適用により、工場用地の効率的活用が進み、既存企業の拡張、
増設促進、新規立地企業の工場用地への配分増加等が期待され、本計画にお
ける目標の約 4 割に相当する、7 件程度の企業立地、160 人程度の新規雇用人
数の効果が見込まれると考える。(既存工場については、敷地内での生産・
研究施設の新・増設、増加従業員の駐車場の確保などが可能となる。また、
新規立地工場については、工場の取得用地が縮小するなど用地の効率的な活
用が可能となる。)
なお、特例措置の適用に当たっては、地域の実情、住民の意思を踏まえ、
特定工場周辺の生活環境の保持を適切に図るとともに、県・市町の環境保全
の部局や関係機関との調整を行うものとする。
5 集積業種として指定する業種(本計画において「指定集積業種」という)
(1)業種名
(業種名または産業名)
①食品加工関連産業
②機械器具関連産業
③生活関連産業
④情報サービス関連産業
(日本標準産業分類上の業種名)
- 16 (愛媛県南予地域基本計画)
①食品加工関連産業
産業中分類名称
食料品製造業
飲料・たばこ・飼料製造業
(酒類、たばこは除く)
木材・木製品製造業(家具
を除く)
プラスチック製品製造業
飲食料品卸売業
分類
符号
製品内容例
09
水産缶詰・缶詰、海藻加工、水産練製品、塩干・塩蔵
品、冷凍水産物、野菜缶詰・果実缶詰・農産保存食料
品、野菜漬物製造業、味噌製造、しょう油・食用アミ
ノ酸、うま味調味料、ソース、食酢、和菓子、豆腐・
こんにゃく・総菜、チリメン、かまぼこ・天ぷら・ち
くわ、冷凍食品、食品缶詰・レトルト食品、塩、青汁、
食肉加工、養殖魚加工品、農作物加工品、あんこ、麺
類
10
青汁、養魚用飼料
12
かまぼこ板、折箱
18
52
かまぼこ包装フィルム、食品容器、発砲スチロール
生鮮魚介卸売、乳酸菌飲料卸売、清涼飲料卸売
②機械器具関連産業
産業中分類名称
繊維工業
プラスチック製品製造業
窯業・土石製品製造業
金属製品製造業
はん用機械製造業
生産用機械製造業
電子部品・デバイス・電子
回路製造業
電気機械器具製造業
輸送用機械製造業(鉄道及
び船舶は除く)
分類
符号
11
18
21
24
25
26
28
29
31
製品内容例
高機能不織布
強化プラスチック
研削砥石、特殊炭素製品
バルブ、精密加工部品
回転機械部品
真空機器、真空チャンバー、建設機械用クローラー
電子回路基板、電子機器ユニット、センサ
電気計測器
自動車用シート
③生活関連産業
産業中分類名称
分類
符号
繊維工業
木材・木製品製造業(家具
を除く)
パルプ・紙・紙加工品製造
業
化学工業(塩、動物用医薬
品及び化学肥料は除く)
11
プラスチック製品製造業
18
その他の製造業
32
12
14
16
製品内容例
脱脂綿、化粧パフ、制服、衣類、寝具
スギ、ヒノキ材、下駄
ティッシュペーパー、トイレットロール、ウェットテ
ィッシュ、クリーナー、和紙
(薬用)歯磨き、(薬用)化粧品、乾燥剤・除湿剤
カミソリ、包装フィルム、チューブ、コーム、プラン
ター、浄化槽
歯ブラシ、歯間ブラシ、ヘアブラシ、火煙クラッカー、
パーティ用品、蚕種製造、オガライト・オガタン
- 17 (愛媛県南予地域基本計画)
建築材料、鉱物・金属材料
等卸売業
53
建築材料卸(スギ、ヒノキ)
④情報サービス関連産業
産業中分類名称
情報通信技術利用業
分類
符号
製品内容例
コールセンター、情報サ-ビスセンター
(2)(1)の業種を指定業種とした理由
①食品加工関連産業
本地域では、水産練製品などの伝統的な食品加工に加え、和洋菓子、天然
調味料など新たな分野で製品開発を進める食品関連産業もあり、多様な事業
が展開されている。
豊かな農水産物の生産地である本地域の安全・安心な原料を使用した食品
関連産業の集積や農商工連携を更に進めることで、第一次産業を主要産業と
する地域に密着したビジネスを創出し、経済波及効果を高める取組みを進め
る。
さらに、地域の恵まれた自然資源を活用したグリーンツーリズム等の観光
関連産業との連携により、地域資源を活用した食品等の高付加価値化につな
げていく。
本計画では、上記のような産業集積、地域的特色を背景として、当地で形
成されている産業クラスターをより強固なものとし、地域の中核産業として
の基盤を磐石なものとするため、本地域にあるバラエティに富んだ食品関連
企業の更なる拡大と関連企業の集積を図る。
②機械器具関連産業
本地域には自動車や産業機械部品をはじめ、電子機器の基板製造などのも
のづくりの基盤を担う企業が古くから立地しており、柑橘栽培や水産養殖等
の第一次産業を主要産業とする本地域において、本地域の第二次産業就業者
は県全体の約 15%を占めている。
大手企業の業務再編等による業容の縮小などの厳しい現状もあるが、地域
に分布する関連企業の技術力の向上や成長分野への展開を支援し、既存企業
の高度化を図るとともに、撤退した大手電気機械企業の跡地等への関連産業
の誘致を図る。
③生活関連産業
本地域の生活関連産業は、製造品出荷額等 239 億円、付加価値額 118 億円
と本地域の製造業全体に占める割合はそれぞれ 16.9%、20.9%となっており、
- 18 (愛媛県南予地域基本計画)
地域を牽引する産業の一つとなっている。本地域には、ホテル・旅館に納入
されるアメニティグッズや医療用脱脂綿等の衛生材料を製造する企業などの
「医薬品、医薬部外品及び化粧品」に関連する企業の集積が見られるほか、
クラッカー等のパーティグッズなど娯楽用品製造業(カネコ、フジカ)が地
場に根付いている。さらに、ヒノキの素材生産量日本一である本県において、
本地域を流れる肱川流域での生産がその大部分を占めており、本地域におけ
る「木材・木製品製造業」は事業所数 30、付加価値額 28 億円と本地域の製造
業全体に占める割合はそれぞれ 6.1%、5.0%となっている。
今後、これらの企業が持つ技術力と独創性を活かして事業拡大を図るとと
もに、関連産業の集積を促進していく。
④情報サービス関連産業
情報サービス関連産業は、現在、大洲、八幡浜、西予、宇和島、愛南地区
にコールセンターが 5 事業所立地しており、立地企業の計画では 530 名程度
の新規雇用が見込まれている。
コールセンター等は、大都市との距離のハンディに影響されないため本地
域でも立地が可能で、地域内の若年労働者の雇用の場として期待されており、
今後、地域内への立地を推進するとともに、既存企業の事業拡大を図る。
6
指定集積業種に属する事業者の企業立地及び事業高度化の目標
目標値
指定集積業種の企業立地件数(新規立地・増設)
18 件
指定集積業種の製造品出荷額等の増加額
75 億円
指定集積業種の新規雇用創出件数
400 人
7 工場または事業場、工場用地または業務用地、研究開発のための施設又は
研修施設その他の事業のための施設の整備(既存の施設の活用を含む)、高度な
知識又は技術を有する人材の育成その他の円滑な企業立地及び事業高度化のた
めの事業環境の整備の事業を実施する者及び当該事業の内容
(産業用共用施設の整備等に関する事項)
① 企業ニーズの把握
・ 生産計画(工場増設・新設)、雇用計画(従業員増加)
、付属施設整備(物
流倉庫、駐車場、福祉施設)や、土地利用(取得やリース制)等について
- 19 (愛媛県南予地域基本計画)
聞取調査を行うなど、企業ニーズの把握に努める。
・ 県外における指定集積業種への企業誘致活動を展開する中で、生産能力
増強計画(工場増設・新設)、具体的ニーズ(工場規模、必要とする条件)
の把握に努めるほか、工場適地や空工場等の情報を収集し、パンフレット、
広報誌、ホームページ等を活用し、立地希望企業へ幅広く情報提供をする。
② 工場用地等の確保・整備
・ 集積業種の迅速・円滑な立地に向けて、必要に応じて工業団地、農工団
地等の整備を行うほか、民有地や空工場等の活用を促進する。
・ 農地について、農業との調和に十分配慮するほか、都市計画と農林漁業
との調整を行った上で、工業用地として有効な土地利用を図る。
・ 県と愛媛大学が連携・役割分担を行い、炭素繊維加工事業に参入する企
業が利用できる機器の整備・充実を図る。
(人材の育成及び確保に関する事項)
③ 人材育成の支援
・ 集積業種の誘致、ニーズ調査に当たっては、当該事業者がどのような人
材を必要としているか事前把握に努め、県立宇和島高等技術専門学校、県
内の大学(愛媛大学、松山大学など)等と連携した企業ニーズに応じた人
材の育成を図る。
・ 炭素繊維生産の世界トップメーカーである東レ㈱などの協力を得ながら、
県と愛媛大学が共同で県内の機械・金属加工企業等の従業員を対称にした
炭素繊維加工技術研修を「Car-bon 工房」等で実施していく。
・ 公益財団法人えひめ産業振興財団に造成された「えひめ中小企業応援フ
ァンド」を活用して、次代を担う新産業の創出と既存産業の高付加価値化・
高度化を図るため、中小企業者における技術開発、商品開発等への重点的
な支援を行う。
・ 県、市町及び産業支援機関等は技術・技能者等の人材養成事業を行う企
業・団体に対して、事業経費の助成を通して人材養成の支援を図ることに
努める。
・ 愛媛大学は、県及び宇和海水産構想推進協議会等と連携しながら農林水
産業の 6 次産業化等の新事業創出のための人材育成に努める。
④ 人材確保の支援
・ 将来の本県のものづくりを支える人材育成のため、中学生による職場体
験や、高校、大学、短期大学、高等専門学校等の学生によるインターンシ
- 20 (愛媛県南予地域基本計画)
ップを積極的に推進する。
・ 企業従事者の地元定着を図るためには、高い持ち家志向を考慮して、良
好な自然環境を保ちつつ十分な宅地規模を有するなど、質の高い生活環境
を提供することが重要である。今後も、アメニティに富んだ環境の整備を
進めるとともに、民間による開発整備を適切に誘導整備することを通じて、
質の高い生活環境を形成するよう努める。
(技術支援等に関する事項)
⑤ 産学官の連携
・ 県が主導する研究開発に関する産学官連携ネットワークである「産学官
連携戦略会議」において、戦略の策定から連携推進に係る具体的方策を検
討していく。また、産学官関係機関が、技術シーズ・ニーズの情報交換で
きる機会を継続的に創出するほか、大学との連携協力協定を締結するなど、
産学官連携の強化、技術力の向上、新技術の開発を目指した取組みを進め
る。特に、全県的な取組みとして、炭素繊維加工事業に取り組む企業に対
し、東レ㈱などの技術者 OB を活用した技術支援体制を構築していく。
・
企業と学術機関との共同研究事業の事業経費については、県及び市町に
おいて必要な助成を行うことを通じて新技術、新商品開発の促進に努める。
⑥ 試験研究機関等の技術支援
・ 地域企業の事業内容・技術を熟知している愛媛県産業技術研究所及び愛
媛大学南予水産研究センターが中心となり、地域企業と大学等の共同研
究・技術指導、立地企業との事業連携の橋渡しを推進し、企業・業界ニー
ズ等に対応して実施する試験研究の成果については積極的に PR や技術移転
を行い、研究開発力、技術力向上を支援する。特に、食品加工業者の地域
農林水産物の機能性成分を生かした付加価値の高い商品開発に対する支援
に取り組むなど、本地域の農林水産物の加工による食品製造のニッチ部門
でのトップ企業育成に努める。
(その他の円滑な企業立地及び事業高度化のための事業環境整備に関する事
項)
⑦ 物流基盤及びインフラの整備
・ 九州圏(大分県、福岡県など)や、四国内の他の圏域との経済交流、魅
力ある企業立地環境づくりに資する多様な広域・高速の交通・物流基盤の
整備と活用を促進する。総合的な物流対策としては、荷主企業、物流事業
者、行政機関が連携し、企業の物流コスト削減と並行し、環境調和型の物
- 21 (愛媛県南予地域基本計画)
流効率化を促進する。
・ 四国 8 字ネットワークのミッシングリンク部分である宇和島道路(高規
格幹線道路)の未整備区間(L=3.5km)等のほか、大洲・八幡浜自動車道(地
域高規格道路)全線(L=約 13km)の整備を図ることにより、効率的な交通
体系を形成し、物流機能の向上を図る。
・ 宇和島港大浦地区では国内物流ターミナル・小型船だまりをはじめ、ふ
頭用地、道路、橋梁等の整備を進めることにより、船舶の大型化等による
海上輸送コストの削減や小型船の適正な係留その他港湾物流機能の強化を
促進する。
さらに、八幡浜港振興ビジョンに基づき、港湾、漁港の整備を進めてい
く。また、四国と九州とを結ぶフェリー桟橋の耐震化を図る。
⑧ 迅速な企業立地のための支援体制の整備)
・ 企業の意思決定から操業開始が迅速かつ円滑に進むよう、企業立地に係
る県(経済労働部立地推進課)及び市町(企業立地担当課)における窓口
を明確にして、情報提供、許認可等の手続き、人材確保及び地元との調整
など様々な面で、企業ニーズに応じたきめ細かな、かつ迅速なサービスを
ワンストップで提供する。
支援体制として、県庁内に副知事を班長とし、関係部長を班員とする「企
業誘致推進班」を組織し、県、関係市町、商工団体、金融機関等からなる
「企業誘致連絡会議」と連絡を密にし、かつ協調して、企業立地の案件に
応じて、情報提供、許認可等申請手続きの支援など、企業ニーズに的確に
応えられる支援等を実施する。
また、企業訪問活動の主体となっている県東京事務所には、大洲市、西
予市の担当職員を配置しており、今後とも県、市一体となった活動を推進
する。
- 22 (愛媛県南予地域基本計画)
県・市町
県出先機関
(東京、大阪事務所)
相談・意見
立
用地整備、港湾、農地転用、
都市計画、雇用対 策など
地
連携(定期的な連絡・調整)
(企業誘致連絡会議)
企
業
県担当部局
調整
県
(立地推進課)
提案・訪問
調整
市町
(企業立地担当課)
市町担当部局
農業委 員会、地元調整、
工業用 水など
協議・調整
連携
電力会社、通信会社、
金融機関等
連携
公益財団法人
えひめ産業振興財団
連携
高等教育機関
情報交換
経済団体
(広域連携に関する事項)
「企業立地の促進等による地域における産業集積の形成及び活性化のため
の連携に関する基本合意」に基づき、域内に立地する大手素材メーカーが製
造する炭素繊維等の高機能素材を利用した、地域企業による成長産業分野へ
の展開を支援するため、公益財団法人えひめ産業振興財団や愛媛県中小企業
団体中央会、公益財団法人東予産業創造センター等が中心となり、愛媛大学
の「Car-bon 工房」等を利用して行う研究会や研修会等を、県外企業も対象に
加えて実施するなどにより、高度な人材育成や技術開発等に取り組む。
8 環境の保全その他産業集積の形成または産業集積の活性化に際して配慮す
べき事項
(地域の環境との調和)
企業は、事業活動を行ううえで、安全・安心な住民生活や環境の保全など、
地域社会の持つ様々な価値観と調和をとりながら、地域とともに発展してい
くことが重要である。
そのため、企業が工場立地、増設、拡充等を行う際には、自然・緑地・景
- 23 (愛媛県南予地域基本計画)
観・生活環境の保全、農林漁業との調和、文化財の保護等に充分配慮しなが
ら、地域の実情・課題に即した適切な土地利用になるよう指導していく。
(環境の保全)
企業の事業活動は地域の環境に大きな影響を与えることから、立地に当た
っては環境影響評価(環境アセスメント)の適切な実施や、瀬戸内海環境保
全特別措置法、大気汚染防止法、水質汚濁防止法等の環境関連法令の遵守は
もちろんのこと、事業活動における資源やエネルギーの効率的な利用の促進
や産業廃棄物の削減、地域の環境保全活動への参画など企業の社会的責任
(CSR)に基づいた取組みを促すため、県と市町は連携して指導・助言及び普
及啓発を行うとともに、必要な支援に努める。特に、立地企業による汚染が
判明した場合には、周辺地域に汚染が拡散しないよう必要な対策を速やかに
講ずるよう指導する。
具体的には、愛媛県地球温暖化防止実行計画に定める温室効果ガスの削減
目標達成に向けた立地企業の自主的な地球温暖化防止の取組みを促すため、
必要な情報を提供するとともに、効率的なエネルギー利用及び新エネルギー
の導入促進によるクリーンで温室効果ガスの排出が少ない事業活動の定着を
推進するほか、瀬戸内海の環境の保全に関する愛媛県計画に基づき、化学的
酸素要求量(COD)等の含有量に係る総量削減を積極的に実施し、立地企業か
らの産業排水に係る汚濁負荷量の削減のため、処理施設等の改善整備及び維
持管理の適正化を指導する。
また、本地域の事業者から排出される産業廃棄物は、平成 21 年度で 741 千
トンと県内では比較的少ない地域であるが、環境への負荷が少ない循環型社
会の構築に向けて、3R(発生抑制・再使用・再生利用)の推進、廃棄物の適
正処理の確保及び循環型社会ビジネスの振興に必要な取組みを行う。
特に、本地域においては、その自然的・経済的地域特性に鑑み、国立公園
や県立自然公園などの優れた自然環境を保全するとともに、これらの地域に
生息する希少野生動植物の保護に努めるほか、野生鳥獣の適正な管理を推進
する。
(安全な住民生活の保全)
本県では、
「ともに築こう 安心・安全 明るい愛媛」のスローガンの下、県
民・事業者・ボランティア団体・県・市町・警察等が安全・安心に関するネ
ットワークを構築し、協力・連携して犯罪防止のための自主活動や安全・安
心に配慮した環境づくり等を通じて「犯罪の起きにくい社会づくり」を推進
しているところである。
- 24 (愛媛県南予地域基本計画)
企業立地の取組みにおいては、これまで立地企業と地域が一体となった防
犯体制の構築や防犯環境の整備等について、警察と十分な協議を行うことに
より、犯罪の未然防止対策を踏まえた円滑な事業推進に努めてきており、今
後とも、警察との良好な関係を維持・増進し、防犯環境の整備や暴力団等の
反社会的勢力の排除、交通安全対策、不法就労活動の防止などについて、地
域の一員として住民やボランティア団体と一体となって取り組み、犯罪の起
きにくい安心で安全なまちづくりに努めるよう要請する。
9 法律第5条第2項第3号に規定する区域における同項第7号の施設の整備
が農用地等として利用されている土地において行われる場合において、当該土
地を農用地等以外の用途に供するために行う土地の利用の調整に関する事項
記載事項なし
10
計画期間
本計画の計画期間は、計画同意の日から平成 29 年度末日までとする。
- 25 (愛媛県南予地域基本計画)