若草内外通信 1987年 5月号

若草内外通信
1987 年 5 月に発行された若
若 草 内 外 通 信
草内外通信を復刻したもの
です。
そとのことを我々のなかへ
当時の原文をそのまま入力
しています。
そして勇気をもって
なかのことを
そとへ
1987年 5月
若草まつり特集号
発行
若草内外通信編集委員会
印刷
ひかり出版
住所
宮崎市宮田町7-37
電話
0985-28-2801
=もくじ=
1. 若草まつりによせて ・・・・・・・総婦長
吉村 照代
2. 週間スケジュールと現状報告・・・・思春期病棟
福田 和子
3. デイケアとは・・・・・・・・・・・デイケア婦長 松藤 きみこ
4. 内科訪問看護について・・・・・・・外 来
江川 妙子
5. Ⅰ病棟紹介・・・・・・・・・・・・Ⅰ病棟
九鬼 和子
6. 精神科訪問看護・・・・・・・・・・デイケア
甲斐 恵子
7. 新人紹介・・・・・・・・・・・・・Ⅱ病棟
広瀬 佳代
Ⅰ病棟
宮田 公賀
★★★ 編集者のひとりごと・・・・・★★★
世の中メーデーだのやれゴールデンウイークだのと、やけに洒落た言葉が飛び掛かってるざあます
ねえ。
おかげさまで私くし達もその~日まで、って言って仕事に終りを告げられるんですけどね。
編集作業を嫌がってんじゃありませんよ。ただね、私くしだって一生に一度ぐらいは海外に
行きたいって言いたいんですよ。うちのババアぬきでねっ。さあて、もうすぐ夏休みだぞ―!
その前までに銭ためよーっと。
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若草内外通信
若草まつりによせて
総婦長 吉村 照代
第7回若草まつりが今年も有意義に終わった。第1回の若草まつりは3月の(ひな祭り)として始
まったように記憶している。手作りの雛人形に、手作りの橋と桜。患者さんの特技をケースワーカ
ーや看護者がうまく盛り上げ素晴らしいひな段が出来上がったことを思い出す。
第2回より、病院の設立が2月1日ということで1周年、2周年と記念行事のようなことも加わり 、
年々盛り上がりをみせてきている。昨年ごろより本格的な病院行事としてはどうか?という意見も
出ていた。
今年はそういう意味からも病院側代表として私も企画のメンバーに加えてもらうことになった。
どういう方向で行けばいいのかいろいろなことが考えられていたようだが、OT の先生より、それ
ぞれの場で何を行っているのか、同じ病院に居ながら知らないことが多い。今年はそれぞれの活動
内容の紹介をしてはどうだろう。という提案があり、そうすることに決定。おおいに自分達の病
棟や活動をアピールし評価してもらおうとそれぞれの担当者は、時間のないなかに、良くまとめて
あったと思う。
職員が一同に会することの少ない中一年に一度、こうして集まり、他に耳貸すことは実に良いこと
だと思う。
これから老人医療、精神医療、共に、同じ方向に発展しなければならない問題を多く抱えている 。
そういう中でそれぞれ活動している者がお互いに理解しあい助け合ってこそいい方向付けも出来
るものと思われる。これからも病院全体をあげて同じ方向に向かうことを自覚してほしいと思う。
来年の若草まつりの一こまは、職員の研究発表の場へと発展することを期待して結びとしたい。
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若草内外通信
週間スケジュールと現状報告
思春期病棟
職員
福田 和子
11名
患者数 22名
内科疾患 2名
入院21名
青年期
8名
(森田療法1名)
思春期 11名
(活動費について)
思春期 青年期病棟では、Dr.カウンセリングと同時にC.P による心理療法が行われます。
入院費以外に特殊治療費として月1・5万円が加算されこのうちより活動費が算出されます。
青年期活動
(火)
会食、グループワークを行い1週間のスケジュールを立てます。
(月・火・水)
集団活動 全体レク
(木・金)
pm:思春期 青年期 合同レク (スポーツ、高岡園芸作業)
am:Day 活動
青年期全員、風呂掃除
(土)
思春期活動
◎ 毎日 10:30~11:30(低学年勉強)
月曜日~金曜日 CP1名 Ns1名 指導
土曜日
Ns2名 指導
思春期患者は何時でも復学できる態勢と、40分の勉強時間帯での集中力を身に付けるため
の訓練
◎(高学年) 独学で勉強の姿勢
部分的に CP,吉田先生に教えていただきます。
◎ 火曜日を除く毎日
会食とグループワーク
◎ 行軍(火)
Dr、CP、Ns 思春期全員参加が義務付けられている。
閉鎖患者も参加「行きたくない」と駄々をこねる患者は抱きかかえてでも参加さ
せる。
(場所)加江田渓谷 山神山 標高 225mの頂上に挑みます
この行軍は子供達の心身の鍛練のため
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若草内外通信
1.お互いに助け合って登る友情
2.頂上まで登れたという快感と
3.やり遂げた満足感
本人の自信につながる治療の一つです
◎(木) 青年期との合同レク(体育館 屋外でのスポーツ)
思春期全員風呂掃除(レク帰院後)
◎(金) 合同高岡園芸作業
土に親しみ、汗を流しての労働 収穫の喜びを得るための畑作業
思春期病棟開設より半年
神経障害者の接触の難しさ、子供達の生活指導への根気にはめこむことのできない子供の心を
(病棟規則の中で)グループワーク・個人カウンセリング・行軍・会食を行い、子供達が自主的に考
え行動するのを見守っていくのが私達の仕事です。
最初の3か月はCPと子供達 治療者と看護者 立ち入ることの出来ない壁を感じ、計画、目標
も立てることが出来ずスタッフ全員イライラした毎日でしたが、途中で方針を変え、詰所にこられ
るCPとの接触を図ることにより「解らない部分は質問し、CPからは助言を受け」綿密な連携を保
ち、一貫した方針で看護に当たっています。
新学期を前に次々復学のため退院して行きますが
いと祈りたい毎日です。
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学校という集団の中に無事溶け込んでほし
若草内外通信
デイケアとは
デイケア婦長 松藤 きみこ
まず、はじめに、デイケアとは、の説明を簡単に申します。入院治療に対し昼間だけの5~6時
間を病院で過ごし、後は、在宅、地域で生活する形の治療です。デイケアの歩みを少し説明いたし
ますと、デイケアを始めたのは、カナダ、イギリスで1946年(昭和21年)に研究的に始まり、
その後薬物療法の開発などによって1950~60年代(昭和30~40年代)に実用化されまし
た。
わが国では1958年(昭和33年)国立精神衛生研究所で試験的週1回のデイケアより始められ、
1963年(昭和38年)週4回が開始、各地の精神衛生センターに普及しました。
当院ではデイケアを、58年6月末より無報酬で始め、但し、料理、陶芸の材料費だけは実費でも
らい、59年9月1日より、県保険課の認可がおりて、健康保険による診察報酬が受けられるよう
になりました。
次に、スタッフ構成は、医師、CP、ケースワーカー、OT、Nsです。主に、私と小屋Nsで
担当しています。
デイケアを半年、1年と区切って参加させるところもありますが、当デイケアでは必要また適当
と思われたら随時参加可能です。まず、医師、CPから通知がありメンバーとその家族とインテー
ク(初回面接)をおこないます。
家族からの情報を、できるだけ集め協力を依頼しデイケアの施設を案内しプログラムの説明をし
ます。費用の面の相談はケースワーカーが受け持ちます。
当デイケアの説明を次の表にまとめてみました。
メンバー
18名
男 性
7名
女 性
11名
(主に Sc)
年齢
20 代
30 代
40 代
50 代
男性
2名
4名
-
1名
女性
5名
4名
2名
-
交通機関
バ
ス
汽
車
自 転 車
徒
歩
マイカー
バ イ ク
男性
-
2名
4名
1名
-
-
女性
4名
1名
1名
3名
1名
1名
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若草内外通信
参加期間
半年以内
1年以内
2年以内
3年以内
3年以上
男性
1名
3名
1名
1名
1名
女性
5名
2名
3名
1名
-
月別参加数
過去半年間を申しますと
61年
9月
62年
10月
11月
12月
1月
2月
平 均
11人
10人
9人
11人
10人
11人
延 べ
181人
169人
141人
175人
155人
175人
長期欠席者 2名
時々休む 3~4名
週 4 日を原則としていますが、メンバーによっては週居1日~3日の参加もあります。
デイケアのメンバーにとって社会復帰を目標に、又、入院するほどでないとき、社会で生活する
のに基本的に必要なものを身に付けなければなりません。プログラムもそうした面を組み込んでい
ます。
① 体力の養成
② 生活技術の獲得
③ 対人関係の円滑化
① 体力の養成
体力については、長期入院(ホスピタリズム)又は、在宅での自閉的な暮らしにより当然体力
の低下をもたらしています。 それに動作の緩慢さ、歩行姿勢の特異さ、倦怠感疲労感を訴え
作業意欲、持続性も低下しています。社会生活を支える体力を養うことが大切です。
② 生活技術の獲得
最小限必要なものを身に付ける必要があります。極常識的に考えて人としての生活が維持さ
れる基本行為ができるかどうかと言うことです。
イ.摂食、排洩、睡眠が著しく困難でないこと
ロ.洗面,入浴、身だしなみなど、身体的外観が整えられること。
ハ.適所に必要な金銭感覚と交通機関の利用が単独でできること
二.作業、運動に参加できる機能を持っていること
③ 対人関係では
表現力、礼儀、節度と言った人との付き合い方を身に付けるなどです。そのためには、まず
自分の方の付き合い方の特徴を知ることです。いつも不利な結果を招いてしまうのはどうして
か、その改善の仕方を教え、試みた後の自己評価、そして集団の場で利用して学習します。
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若草内外通信
以上の3点は、誰でも生活して行く上で必要であり、極めて実際的、常識的な事柄です。スタッ
フも同じ社会で暮らす生活者として、共に話し合い実行して行く中で教えたり、教えられたりする 、
まさに生活援助、学習訓練の場として、デイケアを位置付けています。(スタッフは、補助的にプ
ログラムをこなす方が良いです。)
プログラムの説明を簡単に致しますと
音楽
…
リズムにあわせて声を出し唄うのは気分転換になり理屈抜きで楽しくなります。
レク
…
体を動かし汗を流すことは自閉的な生活をしていた人を開放的な気分にさせる
し、一人一人バラバラな存在であった者同志がプレイすることで仲間ができ自信を
回復する場面が生じます。
料理
…
生活技術の獲得、対人関係の改善、社会性の促進に役立つと考えられます。食べ
るという具体的な目標があり、男女を問わずに人気があります。献立決めは月末に
来月分を話し合いで決めます。買い物、調理、盛り付け、会食後片付けと言う一連
の作業は、多様な場面を提供し様々な相互関係を作り出しています。食べることは
最大の生活課題であり材料の購入や調理の技術、栄養の知識などこの種目を利用し
て生活技術を身に付けることができます。又、メンバーが多いので別の作業種目を
果たすなどの工夫をしています。
GW
…
話す訓練、自己表現、社会性の促進などが目当てです。テーマを決めて話し合い
ますが、スタッフが仲介することで自分を語ることができ仲間関係に発展するとい
う筋道ですが、今一つといった感じで現在のところなかなかうまくいっていません。
陶芸
…
創作活動の一つです。創作意欲の増進、集中力、持続力、器用さの回復増進など
が考えられます。
2月は、共同で傘立てを作りました。個々の課題のとき、手をだそうとしない人
が協同作業することで一定時間集中し励まされて参加できました。
現在一人一人の興味に基ずいて、灰皿、コーヒーカップ、湯飲み、花瓶など作成
しています。スタッフの方が常識的な枠から出られないのに対し、メンバーの中に
は、非常にユニークな形、思いがけなく精密な作品を造り上げたりして、彼の精神
内界を伺い知るチャンスにもなります。このように一定時間、同じように粘土を握
り自由に造形する状況は行動観察をし易くすると共に、相互関係を促進する場でも
あります。
その他、行事は年間を通じて入院患者さんと同じ参加をさせてもらっています。
デイケアだけの所外活動として、去年は5月妖眉城見学、7月は海水浴の予定が台風で中止にな
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若草内外通信
り、10 月は梨狩りに野尻に行き、加江田渓谷ハイキングもしました。所外に出ることで開放的な
気分になり、メンバー同志、あるいは、スタッフとの関係もより親密になりメンバーのちがった側
面を発見することが多いです。この6月で満4年になりまだまだ前途多難です。やらなければなら
ないことも多いのですが、その一つに家族指導を手掛けたいということが今年の課題としてあげら
れます。
ざっとデイケアを開始してからの報告みたいなことをおしゃべりしましたが、まだまだ未熟なス
タッフです。今後ともよろしくお願い申しあげます。
内科訪問看護について
外来
江川 妙子
訪問看護とは、私たち対象者が生活をしている場に出向いて、その中で行う看護活動のことで
しかも実際的な看護そのものは、多くの場合家族に依存することになります。この様な状況の中で
看護の在り方は、病院における看護とは異なって、在宅医療とそのケアの主体者はあくまで本人と
家族ですので私達が主動的に関わる在り方では訪問看護はうまく行きません。訪問する看護婦は、
在宅患者の 24 時間の看護の責任を持つわけではなくて、したがっていろいろの問題解決の主体者
は、あくまで患者本人と家族であって私達はそれを援助する立場にあるだけですので訪問看護が押
し掛け看護になるとそれが本人や家族にとってトレスになり効果は上がりません。訪問看護婦は臨
床場面における看護職とは全く異なる立場ですので訪問者としてのエチケットは守らなければな
りません。
当院におきましても、老人訪問看護サービスを昭和59年4月より実施しており、当時該当者1
名より発足し順次増加して現在、男性6名、女性4名計10名、延べ22名。内訳は入院中が5名 、
打ち切り1名、死亡6名となっています。つい先日も1年余り、全くの寝たきりの生活ではありま
したが、時には訪問時全身清拭や洗髪の後、機嫌よく得意な歌を口ずさまれることもあり、家族の
介護も大変手厚かった Y 氏が88 才の誕生日を迎えたばかりの先日夜間急変し当院内科病棟におい
て「心不全」にて永眠され悲しみを新たにしました。少なからず皆こうした経過を辿るのかと思う
と、それだけにやり切れない思いが大きく致します。
発足当初は総婦長、ケースワーカーの先生によって基盤造りで始まり、継いで長沼婦長の尽力に
より軌道に乗ました。後継として日も浅く力不足の私が、現在外来診療所の午後2~3件の訪問を
週1回の割合で行っています。しかし、患者の体調や家族の場合、要望等により週2回まわること
もあります。対象者としましては、内科病棟退院の方や外来通院が困難な方のためとし、要するに
ホームケアをうけたい人とやってあげたい人がいれば成立することです。
週1回は、多忙なケースワーカーの先生と訪問を同行します。訪問の内容としましては、家族の
コミュニケーションと介護者に役立つホームケアが大きな目的ですので、できるだけその方々を交
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若草内外通信
えてのひとときでありたいと思い、血圧測定や看護職からのアドバイスをはじめ、何か困ったこと
はないか、気掛かりに思っていることや不安に思ったことはないかなど体調を察しながら話を聞
き、表情や状況を観察し、その中でいろいろな情報を得たリ把握したり、又他愛の無い昔話や世間
話で本人達の背景を知り、介護者の労をねぎらう内5~60分がすぐたちます。受けた相談や問題
は持ち帰り、病状においてはただちに主治医に報告上申し指示を仰ぎ又往診の依頼など。背景の情
報や悩みごとについては総婦長やケースワーカーの先生方の協力を得て月1回持ちます。対象者
は、現在当院において加療中で以前訪問サービスをうけていた患者さんも一緒に参加を願いシーズ
ンに合わせて遠くない郊外へレクレーションを兼ねて車で出掛けます。又寒い季節や雨天の折は、
診察や検査を兼ねてデイケア室をお借りしての昼食会です。月1回の顔合わせでお話も弾み家には
ない楽しさや日頃家族に対しての遠慮もあり日常引き篭もりがちの老人の毎日の暮らしの中で味
わうことのない少ない解放間も満喫し、いつも大変好評で私達スタッフの方が老人パワーに押され
ぎみで毎月、場所を選び実施しております。いつも寝巻き姿の患者さんも、戸外へでるとなると、
それなりに現代人より身嗜みの行き届く方々でこの1日は「病気も休み」といったところでしょう
か、この日に備えて体調を整え見違えるほど晴れやかな気持ちで参加され慶んでいただいておりま
す。
訪問看護を始めてわずかですが家族の方々が暖かく受け入れて下さることに感激し経験・経験の
浅い私にとって何よりも良い勉強になります。老人と共に生活する家族の関わり方は今後の社会問
題でもあり、ここで獲た情報を活かし必要に応じた良い関係づくりに勤めたいと思っております。
以上
三月十一日記
Ⅰ病棟紹介
Ⅰ病棟 九鬼和子
Ⅰ病棟は定床、現在内科患者23名 精神科患者(老人性痴呆)26名が入院しています。女性患
者37名 男性患者11名で圧倒的に女性が半数以上を占めています。年齢的には最高年齢93 才 、
最低年齢55才と幅もあり平均年齢は80才といつも高齢化社会であるということを目の当りに
感じている病棟です。
入院患者は脳血管障害による片麻痺、高血圧、心疾患、糖尿病などの内科的なものと、老人性痴
呆の精神科疾患であるが、いろいろな合併症をもっている患者が多いようです。特に皮膚科疾患は
老人とは切り離されず、毎週1回皮膚科の先生の往診を受けています。
病棟は2Fと3Fにわかれており、2Fは閉鎖内(柵内)に24床、老人性痴呆が主で保護室が1
部屋設けて有ります。2F柵外には鼻腔カテーテル挿入患者、随時観察の必要な患者15~16名
が入院しています。3Fは現在 9 室で詰所が2Fに在るため、ある程度詰所から離れていても看護
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若草内外通信
ができる患者が入院しており主に心疾患、高血圧患者が入院しています。
寝たきり老人の多い病棟であるが働いている職員は当病院では若いスタッフの多い病棟である
と思います。職員28名のうち看護婦21名、ヘルパー5名、学生3名でスタッフ間も体力がない
と今後の老人看護も大変であることを実感として受け止めています。
勤務体制は、夜勤は準夜・深夜各3人ずつで、日勤はチームナーシングで柵内をAチーム、柵外
と 3FをBチームとして分け、チームリーダーを各 1 人づつ置いて他スタッフは患者ケアーにあた
っています。
老人に対するベッドケアーとして、「排泄」 「清潔」に留意して処置・看護を行っていますが、寝
たきり老人が多いため、処置だけで毎日が終わっているのが実情であまり看護を深く追求して行く
ことができないので残念な気がします。
月・火・水・金曜日を入浴日として 50 名の患者を 1 週間に 1 回入浴させていますが、皮膚科疾患と
褥瘡の悪化している患者 2 名は週 3 回入浴させるようにし悪化予防に少しでもと思ってスタッフ一
同努力しています。
清潔の保持をして行くのはなかなか難しく毎日の入浴、陰部清拭は実施していても患者自身にも
行き届かないことも多く、不快な感じをいだかせているのでは・・・と反省させられることもあり
ます。夜間は、看護婦3名の為オムツ交換 3 週間ごとにしています。重症患者が 1~2 名いると本
当に夜勤者は大変な様子です。襦痕患者 10 名、そのうちガーゼ交換 1 日 2 回している患者 2 名 、
栄養カテーテル挿入患者 15 名、バルンカテーデル留置患者 22 名で2週間に 1 回交換しています
が、バルンカテーデル留置者でも5~7日で詰まってしまって交換しなければならない患者も 2~
3 名います。長期的に留置しているため尿洩れも多く、今後シリコンカテーテルバルーンを使用し
てみるつもりです。褥瘡予防のためにエアーマット5台、体位交換3時間毎を実施していますが、
全身栄養状態の悪い患者が多いため治療が遷延しがちのようです。
今後の我病棟の目標及び問題点は、もう少し時間的余裕があったら痴呆老人を青空の下に開放し
てレクリェシーョンをさせてあげられたら、と感じます。褥瘡患者を少しでも少なくして処置だけ
で毎日が終わるのではなくもう少し充実した看護を各自実施できたらと感じます。又、家族からの
協力を得て少しでも軽快した患者を家族の輪の中に老人を帰してあげられたらと、強く希望してお
ります。子供が親を遠ざけるのではなく、老人看護は介護者も一体となり、親に育てられたのだか
ら今度は親を育ててゆこうという心構えで努力してあげられたらと毎日看護してゆく側としては
希望を持ち続けて看護して行きたい気持ちです。
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若草内外通信
精神科訪問看護
デイケア 甲斐恵子
今回は、精神科訪問看護の概略について現在行っていることを簡単に説明してみたいと思いま
す。詳しい概略については内外通信第 5 号に記載しました通りです。
精神科訪問看護(以下精訪看)が保険点数化去れるようになったのを受けて、昨年 9 月 25 日より
精訪看を指導することになりました。
対象になるのは、
1.短期間で入退院を繰り返している人
2.退院しても状態観察が必要な人
3.通院が跡絶ている人
4.家庭環境調査の必要な人
です
以上のような患者さんに精訪看を勧めるにあたっては、必要と思われる患者さんを医師が判断さ
れ、私の方へリストをまわされます。リストにあげられたケースに対しては、医師から必要な情報
提供がなされ、その上で私が対象家庭で精訪看案内状を送付し 1 週間後に再度電話にて説明し了解
の有無を尋ねています。了解された家族に対しては、ケースbyケースにて月 2~4 回の精訪看を
組んでいます。精訪看の指導内容は、病棟の指導を継続していくことです。 又、2 週間に 1 回土
曜日に精訪看の検討会をDr.CW担当Nsで行っています。
以上が精訪看の概略です。
初めは、24 名のリストが回されたのですが、大部分の家族が電話説明時に「どうして病院の人が
退院した後までこなければならないのですか?」「近所の目・世間体が気になる。」「仕事が忙しい。」
「今は患者も調子良いから・・・」 etc.の理由で断られました。
現在定期的に5名の家庭訪問をしていますが、まだまだ指導するまでにならず家族、患者さんと
のラポールをつくることで日々が過ぎています。どの家族でも障害を抱えての精神的、経済的な負
担があり、家族と患者さんとの人間関係も侭ならず、病気への理解不足などを訪問することで痛切
に感じました。又、訪問看護の必要性を知らされたケースとして、今は他界されていますが、退院
後も生活が乱れコーヒーとタバコの生活、対人交流も殆どなく自閉的、厳格妄想の状態で服薬もせ
ず全身衰弱状態の生活看護を受け独り暮らしの女性を3回目の訪看で生への危機を察知し入院に
もっていったのですが、1ヶ月後に看護の見取りをしました。
病棟との連携も少しずつ出来つつ在ると思いますが、まだ私自身未熟で手探りの状況です。これ
からも皆様の助言を仰ぎ患者さんの治療者の一員として頑張りたいと思いますのでよろしくお願
い致します。
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若草内外通信
おことわり
Ⅲ病棟紹介は、当通信誌第4号の同内容の掲載がありますので割愛させていただきました。
尚、連載の「思春期の子供達とその家族」ならびに「作業療法」は、お休みです。
新人紹介
Ⅱ病棟
広瀬 佳代
はじめましてこんにちは。私は、四月から看護学校に通いながら通勤させてもらいます広瀬佳代
です。
まずは、自己紹介をします。昭和四十四年八月十五日生れ、獅子座の A 型です。付属小、中学校
を経て今春、宮崎商業高校を卒業し、今に至っています。現在十八才です。趣味は、日記、手紙、
ポエムなどを書くこと、長電話、歌を唄うこと、音楽を聴くこと、ショッピング、お菓子作り、部
屋の模様替えなどです。特技は、エレクトーンとクラリネット、書道を少々、好きな言葉は、あり
がとう、やさしさ、初恋、さよならなどで、花は、かすみ草やスミレなどひかえめなのが好きです 。
好きなタイプは、さりげなく優しくて、明るく、夢を持っていて、”少年”という言葉がよく似合う
人。自分の性格は明るいほうだと思います。でも、一人でいる時などは、友達に電話をかけまくる
寂しがり屋でもあります。夢は、やはり看護婦になることが一番で、その次がかわいいお嫁さんに
なることです。そのためにも、もう少しやせなければ、とは思っているのですが詰所でお菓子を勧
められるとつい手が伸びてしまいます。まあ、女の人は二十才ぐらいになると自然にやせるといわ
れるので今はただ、その言葉を信じるのみです。
こんな私が看護婦になりたいと思い出したのは、中学の頃からでした。一生働ける仕事がしたか
ったからです。でも、実際に業務に携わってみると、思っていたよりもずっと大変な仕事なのでこ
れから続けていけるか不安でいっぱいでした。しかし、Ⅱ(精神科女子)病棟の優しく明るい先輩方
に恵まれ、大変光栄でした。これから先、たくさんの辛いこと、苦しいことなどにぶつかり、前が
見えなくなることもあるかと思いますが、その時は、温かく見守ってほんの一言でもアドバイスを
頂ければ幸いです。
まだまだ未熟な私です。婦長さんはじめ、諸先輩方の厳しくも優しいご指導をよろしくお願い
します。
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若草内外通信
新しい職場での決意
Ⅰ病棟 宮田公賀
今年の2月より勤務している宮田公賀です。私が、当院で勤務する以前は、愛知県で機械組み立
ての仕事を3年余りしていました。出身校が工業高校のため、当然のように工業系の会社に入社し
ましたが、自分の性格にあわず退社し、自己からやりたかった医療系の仕事に転職したわけです。
実際、仕事をやってみて、自分の考えていた以上に大変な仕事だと思いました。特に、相手が人
間であるため、患者さんの気持ちになって接することがとても難しく思えます。2 階では寝たきり
の患者さんが多いため、言葉を通して患者さんと少しでも会話するように心掛けたいと思っていま
す。
今までの男性ばかりの職場から大半を女性で占める職場へ変わり、初めは少しの抵抗と緊張があ
りましたが、最近では職場の雰囲気にもなれ、楽しく、また仕事に取り組んでいきたいと思ってい
ますので皆さんよろしくお願いします。
残念ながら今年は学校へ行けませんが今年こそ頑張って看護士の仕事が自分の一生の仕事とし
てやれるように頑張りたいと思います。
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