カルチャー教室から 楢崎 悠也 “障がい者の余暇を充実させる”、“障がい者と地域市民の交流の場になる”。カルチャー 教室には、そんな理念というか、目的というかが有ります。でも、今回もそんな意義深い内 容ではなく、“充実した余暇”って幾つか形あるよね、程度の話。 桑原勝くんは、木箱作りの絶対的なエース。1 日に 60 個作れたら上出来なネギの箱が、 調子次第で、150 個に達する驚異のスピード。力持ちで、文句も一切言わないから、荷物 を運ぶ時は真っ先に声がかかります。何を頼んでも「~するかぁ」「やります!」と、朝だ ろうが休日だろうが、二つ返事で受けてくれます。 長年葦の会を支えている、頼れる男です。 そんな桑原くんが最も頼りにならない場所は、 陶芸教室です。教室歴は長く、すっかり、愛息子 カルチャー教室コーディネーター ポジションを確立させています。気の向くままに、 毎度定番の話題を切り出しては、相手をしてもら います。 「~さん、地図は?」大の地図好きな桑原 くんのために、出かけたら、地図を探して来てく れる人が何人もいます。口ばかり動いて、向かい の山本圭太くんが 3 つ削る間に 1 つ終わらない、 ゆっくりペース。折角の陶芸の時間、技術は持っ ているし、制作を促します。塊の粘土を転がしな がら、中央に置いた指を両端へ動かします。これは、粘土を綺麗な紐状にするテクニック。 間もなく手は止まり、「砂糖の入ったコーヒーは、やめときます(缶コーヒーは無糖という 約束があります)。」「あれ、さっき自動販売機の所で、炭酸のジュース飲んでなかった?」 そうこう言っている間に、1 つ作り終えた隣の席の青木くん。最終的には「これやんないと、 外国行けない?」「いい加減作って、桑原くん!」となるのが、よくある風景。 陶芸そのものをどれだけ楽しんでいるかは、定かではありません。でも、この時間が、と ても楽しいことはよくわかります。日頃の作業所と違って、ここには場の主役(?)を競う 相手がいません。その上、相手をしてくれる人が大勢います。みんな長い付き合いです。応 対パターンを知っているし、昔のエピソードを交えて、軽くいじることもしばしば。不思議 な魅力が彼にはあって、色々偉そうに言ってきましたが、何故か相手をしてしまいます。初 孫だって、月 2 回会っていたら、あれ程構ってもらえないでしょう。なんて充実した余暇! そんな愛息子を持つ陶芸教室も、また、充実しているということなのでしょうね。 余談ですが、教室が 3 時過ぎに終わると、基本桑原くんは帰ります。でも、仕事がたて こんでいる時に、 「桑原くん、この後、木箱してくれるよね?」と頼むと、 「…木箱作るかぁ。」 全く、頼りになる男です。 習字 2 月 14 日、28 日 水彩画 2 月 10 日、24 日 テニス 2 月 12 日、26 日 今 後 の 予 定 音楽 2 月 2 日、16 日 3 月 1 日、15 日 陶芸 2 月 25 日 3 月 10 日、24 日、31 日 さをり 2 月 4 日、11 日 3 月 3 日、17 日 3
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