平成28年度 一般会計当初予算の概要について

平成28年度 一般会計当初予算の概要について
<状況>
経済産業省中部経済産業局が2月10日に公表した平成27年12月の最近の管内総合経済動向によると、
管内の経済活動は、9か月連続で「緩やかに改善している」とされています。
また、愛知県内の平成27年12月の有効求人倍率は1.59倍、前年度同月比で0.06ポイント上昇して
おり、雇用環境の改善が着実に続いているものと考えられます。
本市では、6年連続の市税収入の増収を見込むものの、法人住民税の一部国税化等の影響により、大
幅な増収は見込めない状況にあります。
一方、歳出については、廃棄物処理施設長寿命化などの大型継続事業が終了したものの、老朽化する
インフラや公共施設の更新費、社会保障関係経費などの増加は避けがたい状況にあります。
このような厳しい財政状況ですが、第5次総合計画の将来都市像であります「自然の恵みと心の豊かさ
人が輝く 文化創造都市」の実現に向け、子育て支援の充実、災害に強いまちづくり、地球温暖化防止など
必要な施策の積極的な実施に努めているところです。
<編成方針>
平成28年度当初予算は、「第5次稲沢市総合計画の後期推進計画」に掲げた事業の着実な遂行を基本
に、「安心して暮らせるまち」、「環境にやさしく安全なまち」、「活力ある未来をひらくまち」、「郷土を愛し豊
かな心を育むまち」の実現のため、事業の必要性、有効性、妥当性及び費用対効果を十分検討のうえ、限
られた財源を集中的に投入することにより予算を編成しました。
<一般会計の特徴>
一般会計につきましては、総額 453億円、対前年度当初予算比(以下、対前年度比) 96.2%、過去
最高額だった平成27年度予算額より18億円の減額となっています。
歳入では、
市税は全体で、210億5,200万円、対前年度比 101.2%、2億4,300万円の増額となっています。
法人市民税は法人税割の一部国税化の影響等により、対前年度比 88.5%、1億7,800万円の減額とな
っていますが、個人市民税は市民所得が回復基調にあることから、対前年度比 102.2%、1億6,600万
円の増額となっています。また、固定資産税は、一般住宅の新築家屋及び企業の設備投資が増加傾向に
あることから、対前年度比 102.3%、2億2,100万円の増額を見込んでいます。
各種交付金は、地方消費税交付金の増加などにより、対前年度比 110.3%、2億6,700万円の増額
を見込むとともに、諸収入についても、病院事業貸付金元利収入などの増加により、対前年度比 195.
8%、7億2,000万円の増額を見込んでいます。
また、市債は、大型継続事業の終了などにより、対前年度比 65.6%、21億7,400万円の減額、繰入
金についても、旧市民病院の解体完了による市民病院施設等整備基金繰入金の減などにより、対前年度
比 56.0%、10億5,600万円の減額となっています。
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歳出では、
性質別でみると、投資的経費は、廃棄物処理施設長寿命化事業、稲沢東小学校給食棟改築事業などが
平成27年度に終了するため、対前年度比 72.0%、26億500万円の減少となっていますが、継続中の稲
沢西小学校校舎棟改築事業、平和中学校給食棟整備事業などにより、合併後、3番目に多い予算計上とな
っています。また、補助費等は、旧市民病院解体経費に対する補助の皆減などにより、対前年度比 78.
1%、10億3,600万円の減となっています。
一方、義務的経費は、前年度比 105.4%、11億2,300万円の増となっています。人件費は、職員数
の減などにより、前年度比 99.6%、2,800万円の微減となっていますが、扶助費は、年金生活者等支援
臨時福祉給付金、障害者自立支援給付費の増により、対前年度比 110.1%、9億4,300万円の増額と
なっています。また、公債費は、市民病院の医療機器購入に係る病院事業出資債(合併特例債)の償還金
などの増加により、対前年度比 105.4%、2億700万円の増額となっています。
平成28年度主な事業は…
総務費は、47億5,300万円(対前年度比 100.5%)で、新たなまちづくりの指針となる第6次総合計
画策定経費を計上するとともに、人口減少等により利用需要の変化が予想されることを踏まえ、公共施設の
現状及び将来見通し、類型別の管理方針を定めた公共施設等総合管理計画策定経費を計上しています。
また、大規模な災害に備え、非常時に必要なエネルギーを確保するため、市役所敷地内に太陽光発電
システム及び蓄電池システムを整備する経費を計上するとともに、防犯灯のLED化に対する補助金、本庁
舎等の照明器具LED化経費を計上し、地球温暖化の防止に努めています。
また、リオデジャネイロオリンピックの聖火リレーに中学生を派遣する経費を計上するとともに、姉妹都市
であるギリシャのオリンピア市の訪問団受入事業費を計上し、国際交流の推進に努めています。
民生費は、172億6,200万円(対前年度比 104.4%)で、国・県基準に上乗せ、中学3年生以下の子
どもを3人以上扶養している世帯を対象に、第3子以降の保育料を無料化するとともに、第3子以降の幼稚
園授業料の無料化経費を計上するほか、子育て相談や情報提供、交流の場となる子育て支援センターの
整備費、祖父江保育園はじめ5保育園の耐震改修事業費、駅前保育園のリニューアル工事費などを計上し、
子育て支援の充実に努めています。
また、障害者の方が行政手続等を円滑に行えるように、福祉課の窓口に手話通訳者を設置する経費を
計上するとともに、生活困窮者の自立を支援するため、家計相談支援事業費及び学習支援事業費を計上
しています。その他に、国の施策に対応し、年金生活者等支援臨時福祉給付金給付事業費、臨時福祉給
付金給付事業費を計上しています。
衛生費は、40億6,200万円(対前年度比 67.1%)で、妊娠期から子育て期にわたるまで妊産婦等に
包括的な支援を行うため、子育て世代包括支援センター母子保健型の経費を計上するとともに、パパノー
ト配付事業費、節目歯科健診の対象者を拡充する経費などを計上しています。
また、生活排水処理基本計画及び汚水適正処理構想の見直しに伴い、新築・増改築に係る浄化槽設置
費に対する補助を行うとともに、温室効果ガスの削減を推進するため、住宅用リチウムイオン蓄電システム
の設置費に対する補助を行います。
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労働費は、2億6,700万円 (対前年度比 156.7%)で、 武道館の耐震補強事業費などを計上して
います。
農林業費は、7億1,900万円 (対前年度比 99.9%)で、6次産業化等を推進するため、事業化方策
検討調査委託費を計上するとともに、下津排水機場・千代田第2排水機場の運転管理を迅速に行うため、
遠方監視整備費を計上しています。また、地域農業の活性化を図るため、地域資源を活用する事業に対
する補助を行うとともに、新規就農者に対する支援事業費補助、農地集積・集約化を進める農地中間管理
機構集積協力補助などを行い、農業振興に努めています。
商工費は、8億6,700万円(対前年度比 116.5%)で、プレミアム商品券発行事業に対する補助を行
い、商業の振興を図るとともに、企業誘致を図るため、第2期平和工業団地開発事業費を計上するほか、市
内企業再投資促進補助、立地促進奨励補助などを行い、市内企業の流出防止と雇用の維持拡大に努めて
います。また、「青色LED生産の街」である稲沢市を広くPRするため、市内の施設にLEDを活用したイル
ミネーションを飾りつける事業費を計上するとともに、新たな観光施策の指針となる第2次観光基本計画策
定事業費を計上し、観光振興に努めています。
土木費は、54億9,300万円(対前年度比 109.3%)で、国府宮駅再整備に向けた検討調査費を計上
するとともに、市道00-225号線(農免道路)、市道木曽川堤防線等の道路整備事業費、木全池部線、木全
桜木線等の街路整備事業費、稲沢西地区4号公園整備費などを計上し、都市基盤整備の充実に努めてい
ます。また、環境負荷の軽減を図るため、市が管理する道路照明灯のLED化事業費を計上するとともに、
浸水被害軽減を目的として、防水板設置に対する補助を行います。
消防費は、18億6,500万円(対前年度比 84.2%)で、一宮市と消防通信指令施設を共同運用する経
費を計上するとともに、第9分団詰所移転事業費、消防団強化事業費、消防団詰所耐震診断委託経費、わ
くわく・ドキドキ消防競技会費を計上し、消防団の強化等に努めています。また、防災行政無線の音声放送
内容を電話で確認することができる音声自動応答サービスを提供するため、防災無線連動設備設置事業
費を計上するとともに、同報系無線整備費、防災倉庫整備費、避難所給水栓設置工事負担金などを計上し、
防災・減災対策に努めています。
教育費は、55億1,300万円(対前年度比 84.0%)で、郷土の魅力を理解・認識し、愛着と誇りを感じ
ることのできる教育を推進するため、ふるさと新発見学習推進事業費を計上するとともに、実施校を9校から
11校へ拡大する多様な学習活動支援事業費を計上しています。また、校舎改修計画を進めるため、大里
東小学校及び千代田小学校に係る耐力度調査委託費を計上するとともに、継続中の稲沢西小学校校舎棟
改築事業費、平和中学校給食棟整備費などを計上し、子どもたちの教育環境の改善に努めています。
その他に「国民文化祭・あいち2016 稲沢市民文化祭」の経費、 荻須記念美術館特別展「パリに生きる
パリを描く ―M氏秘蔵コレクションによる―」 の経費などを計上し、社会教育の振興に努めています。
※ 表示金額は、分かりやすくするために億円または百万円として端数整理してあります。
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