2014年度 プール学院中学校・高等学校 学校関係者評価報告

学校法人
理事長
プール学院
杉山修一 様
2014年度
プール学院中学校・高等学校
学校関係者評価報告
2015年10月
3日
プール学院学校関係者評価委員
議長 山下なほみ(2015 年度 PTA 会長)
書記 奥井浩子(プール学院後援会会長)
委員 倉戸直実(プール学院評議員)
東條真寿美(プール学院後援会副会長)
藤田知克子(プール学院後援会副会長)
青木多喜子(2015 年度 PTA 副会長)
沢田 美穂(2015 年度 PTA 副会長)
Ⅰ
委員会の経緯
6 月 26 日
第 1 回委員会
学校より 2014 年度の学校関係者評価委員の委嘱を
受けた。内海校長、笠原中学校教頭、加藤事務部長
の同席のもと、2014 年度アンケート結果並びに自己
評価に関する資料①めざす学校像②中間目標
③本年度取組内容と自己目標が配付された。
その後、評価委員だけでスケジュールと分析方法
を話し合った。項目ごとに担当を決めて分析をし
て次回持ち寄ることとなった。
7 月 23 日
第 2 回委員会
担当ごとの宿題資料を読んでの意見交換を行った。
出た意見と分析結果を合わせて書記がまとめて次回
に仮報告書を作成し、それを元に意見交換をして完
成に近づけることとした。
8 月 27 日
第 3 回委員会
出来上がった 2014 年度学校関係者評価報告(案)
を見ながら、意見交換をした。
10 月
3日
第 4 回委員会
2014 年度学校関係者評価報告を内海校長に提出
Ⅱ
2014 年度の学校自己評価を受けて
2014 年度の学校評価は以下の通りである。
1
めざす学校像
プール学院のミッションは「キリスト教の精神を根底とする霊的人格教育」をもって、
社会に奉仕することである。ミッションステートメントに基づき、今年度の目指す人間像
を「グローバルな視野に立ち、他者を愛し、社会貢献できる女性」とする。
2
中間目標
1.グローバルな視野を持つために基礎学力の充実と進路指導を強化する
・生徒達に自主的な学習への取り組みを促す
・キャリア教育において各学年具体的な企画を考える
・進路指導における具体的な強化スケジュールを作成する
・新たな国際プログラムを企画し、グローバルな意識を持たせる
2.他者のために何ができるかを考える
・日々の礼拝を充実したものにする
・地域貢献とボランティア活動の参加を促す
・いじめ防止基本方針を策定し人権意識を高める
3.豊かな感性や行動力、協調性を養う
・日常生活でのマナー指導を重点的に行う
・生徒にとって感動できる行事を企画し経験させる
・行動力・協調性・自主性を養うためクラブ活動の支援
評価委員会として注目した点は以下である。
学校は、2013 年度に比べてすべての項目において取り組んできた成果がみえつつある。
受験生に選ばれる学校にならなければならないとしているが、アンケート結果より、成
果があらわれているかどうか検討すべきと考える。
Ⅲ
評価内容
1
はじめに
今回で学校評価は 6 回目となった。従来通り、生徒、保護者、教員に対して行われ
まず、2014 年度アンケート回収率は
中学生 97%、高校生 99%、
中学生保護者 46%(2013 年度 58%)、高校生保護者 44%(2013 年度 52%)
教員(専任) 94%
となった。保護者アンケートのみに「学校関係者評価は学校教育に生かされている
か」の設問があり、中・高共に約 7 割の保護者が生かされていると回答している。
これは 2013 年度とほぼ同じであるが、回収率の低下を改善する方法を考えて頂きた
い。
2
学校関係者評価結果
中間目標の項目に従い評価を行った。
・意欲のもてる授業
・英検の取り組み強化
・自主的な学習の取り組み
・各学年におけるキャリア教育の充実
・進路指導における具体的な強化スケジュールの作成
・新たな国際プログラムの企画
・日々の礼拝の充実
・地域貢献とボランティア活動
・いじめ防止基本方針と人権意識
・日常生活でのマナー指導
・感動できる行事の企画
・クラブ活動の充実
これらの項目それぞれにあてはまる設問を挙げて、中学と高校を分けて分析を行っ
た。
3
まとめ
今年度は、昨年度より、
「グローバル化」が学校像の前面に出てきた。
そのために、学力も人間像もそれに照準を合わせた教育内容になっている。
生徒、保護者、教職員共にベースであるプール学院を大切な場としてとらえ、地に足を
固めている姿が結果から伺える。教育の場であり、一日の大半を過ごす学校を自分たちの
生活の基本部分に置いていることは、学校の向かうべき方向に対して共感していることで
ある。その上で、課題としては以下の3点を挙げたい。
1.先生と生徒の信頼関係の構築に重きをおき、信頼度をあげる工夫の必要性。
2.教員研修の科目間格差の解消。
3.グローバル化教育の拡がりと定着。
1については、学校自己評価でも触れている。学校は楽しい。しかし、そこで行われる
最も大切な学習面で教員との信頼が築けていないことは問題である。昨年度の学力格差の
解消は、アンケート結果から下位層に対する教員の取り組みが功を奏しつつあると考えら
れる。しかし、生徒達のコース別意識の格差が教員との信頼度に影を落としているという
声もあり、学ぶ機会の均等と同時に自分は大切にされていて学ぶ機会を保障されている実
感が大切である。生徒一人ひとりを大切にする取り組みを期待したい。
2については、生徒の科目間理解度に差がある原因になっていると考えられる。来年度
の評価の際は、教員アンケートに担当科目ごとの結果を載せてほしい、というのが評価委
員会からの意見である。
3については、世界に自信をもって送り出せる生徒として育て上げて社会に送り出した
いという学校の姿勢が伺える。
評価考察の箇所にも述べているが、実際にグローバル化に伴うプログラムに参加できる
生徒は全体の一部に過ぎない。
それをどのように全体に浸透させて行くのか。また、定着させていくのかが、中間目標
で述べられていない。この点は早急に方向性と具体策を立てて頂きたい。
そして、グローバル化が、学習意欲の向上、進路先への意欲、自らが学ぶ姿勢へと繋が
っていくことを期待したい。
幼い頃から、不自由なく育ってきた指示待ち傾向にある生徒たちが、グローバル化プロ
グラムで世界を知り、自ら切り拓く力を備え、プール学院の目指す「グローバルな視野に
立ち、他者を愛し、社会貢献できる女性」に育つことを評価委員全員が望んでいる。
評価委員会では、
①学校評価アンケートの取り方について
②結果開示の方法
③来年度の設問に対しての要望
以上 3 点について話がでた。①のアンケートについては、生徒・保護者・教員それぞれ
が、アンケートを行う意味を理解しているかどうか、そしてアンケートの取り方が統一さ
れているかどうか、例えば、生徒の場合担任が立ち合いのもと、私語もなく真剣に答えて
いるのかどうか。来年度は、学校評価アンケートについてマニュアルを作成しそれに基づ
き行って頂きたい。我々評価委員は、結果数値のみを基に評価を行うので、正確な数値が
得られる環境を整えて頂きたい。
②の開示方法であるが、現在ホームページ上で閲覧できるが、それは、抜粋である。評
価報告を 1 部図書館に置くなど、誰もが閲覧できるようにして頂きたい。
③の来年度の設問については、科目別理解度を正確に知るために、コース別に問う設問
も必要である。また、学校の取り組みを直接問う設問がないと、正確な評価が出せないと
の意見があり、ぜひ、設けて頂きたい。
評価委員会では、それぞれの立場から読み解きを行い、意見交換、情報交換を行いなが
ら真剣に熱心に評価をしている。毎年、評価報告を提出した後は、来年度の評価まで動き
がないのだが、評価報告を提出する際に活字として表せなかった意見、思いなどを学校側
と共有することは大事である。その機会を設けて頂きたい。また、教員にもこの結果は報
告頂き、生かして頂きたいと思っている。
最後にプール学院の最大のミッションであるキリスト教の精神を根底とする霊的人格教
育の推進の為、もう一度スクールミニマムの徹底と具体的なミッションステートメントを
明らかにし、日々の教育を行って頂きたい。
評価委員会委員一同、新たなプログラムを取り入れて動き出したプール学院を温かく、
時には厳しく見守っていくことをお伝えして評価を締めくくりたい。
委員一同