社会・環境報告書 2005 社 2005 ご存知でしたか? ベアリング ベアリングは、私たちの暮らし ベアリング (軸受) はなかなか私たちの目に触れることがない機械部品です。しかし、もしこの世にベアリングがなかったら… 私たちが普段の生活で使うあらゆる機械が滑らかに動かなくなってしまいます。 例えば、自動車、鉄道、洗濯機など、回転する部分には必ずベアリングが使われています。 実は、私たちにとても身近な存在であり、暮らしに役立つ重要な働きを担っています。 自動車のエンジンやトランスミッション、電車の車軸やモータ、洗濯 機の回転部分など、あらゆる機械にベアリングが使われており、見え ないところで私たちの暮らしを支えています。 に役立っています。 ■ ベアリングと摩擦の関係 ∼摩擦をコントロールし滑らかな動きを支えるベアリング∼ 摩擦はモノとモノが接した時に、ミクロの凸凹同士がかみ合うことや分子と分子が引き合う力などによって生じます。 例えば普段歩く時に靴底が滑らないのも、モノを掴む時に手が滑らないのも、摩擦の力が働いているからです。 一方で、摩擦はモノを動かす上で、邪魔者となることがあります。皆さんは、巨大な石像を建てるために、石像を乗せ たソリのような台の下に丸太で作った 「ころ」 を置き、大勢の人が綱を引いて動かす古代のレリーフ (浮き彫り) をご覧に なったことがありませんか? 重たい物の下に 「ころ」 を置き、それを転がすことで摩擦を減らす、人類は古くから摩擦を 克服するために色々な工夫をこらしてきました。 以来、人間はより優れた機械を開発する中で、いかに摩擦を減らし、より小さな力で、より速く、より遠くに、そして 持続的にモノを動かすことができるか? に知恵を絞ってきました。例えば、今から約500年前に、機械や装置について 色々な発明をしたことで知られるレオナルド・ダ・ヴィンチ。彼が残したデッサンの中にも、既にベアリングに関するた くさんのアイデアが示されています。 このように、紀元前のむかしから産業革命を経て現代にいたるまで、人類にとって 「いかに摩擦を減らすか」 「いかに摩 擦を上手に利用するか」 ということが、大きな技術的テーマになっています。そして現在、様ざまな機械の発明や用途の 開発に携わる研究者たちは、機械と摩擦との関係を科学的に解明する 「トライボロジー」 に注力しています。 スペイン国立図書館蔵 「マドリッド手稿 」 より 古代アッシリアの首都ニネベ出土のレリーフより ■ ベアリングの仕組み 機械を滑らかに動かすために、 「 (軸を) 支える」 「 (回転を) 滑らかにする」 「位置を決める」 。この三つがベアリングの大きな 役目です。 写真は最も代表的なベアリングです。外側のリング (外輪) と内側のリング (内輪) の間で転がる 「転動体」 が球状のものを ボールベアリング (玉軸受) 、円筒状のものをローラベアリング (ころ軸受) と呼び、ダ・ヴィンチのデッサンと基本は同じ です。より滑らかに、より静かに、より小さく・軽く、より長寿命でメインテナンスフリーに、より過酷な場所で、様ざ まな技術開発の成果がこの中にぎっしりと詰まっています。 ボールベアリングの玉は、摩擦をより小さくし滑らかに回転させるために驚くほど高い精度で加工され、人間の作った 最も凸凹の少ない球体です。 外輪 転動体(玉) 外輪 内輪 保持器 内輪 玉軸受 ベアリングのことをやさしく説明した絵 本「 ベ ア リ ン グ の お は な し 」、 入 門 書 「ベアリング博士の “おもしろ” 誌上講義 ベアリング入門」 を作成しました。 ご希望の方は下記までご連絡ください。 転動体(ころ) 保持器 ころ軸受 絵本 「ベアリングの おはなし」 「ベアリング博士の “おもしろ” 誌上講義 ベアリング入門」 日本精工株式会社 広報部 SER係 〒141-8560 東京都品川区大崎1-6-3日精ビル TEL :03−3779−7050 FAX:03−3779−7431 NSK Social and Environmental Report 2005 01 ご存知でしたか? NSK NSKは、技術で暮らしを支え NSKは1916年の創業以来、私たちの豊かな暮らしを支えるために、新技術や新商品の開発・改良を続けてきました。 NSKは長年にわたり培ってきた技術を駆使して、 「安全で快適な社会」 「地球環境の保全」 に貢献する商品を提供し、 皆さまからのご期待に応えていきたいと考えています。 航空機、CTスキャン (医療用断層撮影装置)、人工衛星など、進化を 続ける機械のニーズに最先端の技術で応えるのがNSKの役割と考え ています。 02 NSK Social and Environmental Report 2005 ています。 ■ 機械を支える先進技術 伸びゆくNSK技術の軌跡 NSKのベアリングやボールねじ、リニアガイドなどは機械の 要 (カナメ) とも言われ、これらの働きがあってこそ、組み込ま ■ ベアリング ■ 自動車部品 ■ 精機製品 2005 れた機械がしっかりと動くことができます。時には、優れた性 能を持つベアリングの開発成果が、機械の進化や新しい機械の HPS自動調心ころ軸受シリーズ ■ 開発・実用化のきっかけとなることさえあります。 携帯音楽プレーヤ ■ 高出力ブラシレスモータ電動パワーステアリング DVDレコーダ ■ 高速静音ボールねじBSSシリーズ 鉄鋼設備用耐摩耗SWR軸受 ■ ■ 地球環境の保全とベアリング 地球環境への負荷を軽くし、社会全体が持続的な成長をめざす ことは、私たちの大切な使命です。当社にかかわりの深い技術 であるトライボロジーは、21世紀に欠かせない技術領域のひ とつとなっています。摩擦を減らす働きをするベアリングは、 組み込まれた機械のエネルギー消費量を減らし、使用後にはリ サイクルされるなど、生まれながらに環境にやさしい製品です。 そして、ベアリングは省エネルギーばかりでなく、小型化や耐 久性をアップさせることで、省資源に大きく貢献しています。 ■ 私たちの暮らしを技術で支える より安全、快適になる自動車、一度に多くの人々を運ぶ飛行機、 テレビ番組をカンタンに記録できるDVDレコーダなど、新 しい時代を告げる機械は、NSKの先進技術から生まれたベ アリングが支えていることをご存知でしたでしょうか? 直径 6メートルほどの超大型から、2ミリメートルの超小型まで、 ベアリングの種類の多さに加えて性能そのものが高度化してい ます。これからもベアリングをはじめとして、機械を支える様 ざまなニーズに応えるために、NSKは時代の流れ、技術への ■ NSK独自制御の電動パワーステアリング 生分解性グリース「エクセラグリーン™」■ エコマーク認定 エキストラキャパシティー密封ロールネック軸受 ■ ABSセンサ内蔵ハブ 軸受 ■ 特殊環境用軸受(スペーシアシリーズ) 工作機械用超高速軸受(ロバストシリーズ)■ ■ ハーフトロイダルCVT 2000 ■ 潤滑ユニット「NSK K1 」付ボールねじ NSKリニアガイドを開発商品化 R CDラジカセ ■ 大型プロキシミティステッパRZシリーズ開発商品化 ビデオムービー パソコン エアコン用静音玉軸受 ■ 軸受系解析プログラム”BRAIN” プリンタ 長寿命スーパータフ、ハイタフ軸受 ■ 超高清浄度EP鋼 ■ 世界初複合商品としてモノキャリアを開発商品化 三重リップシール付水ポンプ軸受 ■ dmn300万スピンドル・新寿命計算式確立 ■ 世界初ピニオンタイプ電動パワーステアリング 1990 第 世代ハブユニット軸受 ■ V2500ジェットエンジン軸受 ■ 掃除機専用玉軸受 エアコン 電気カミソリ ■ メガトルクモータ開発(ダイレクトモータとして日本初) ■ エアバッグ対応エネルギー吸収コラム VTR 工作機械用ハイブリッドセラミック玉軸受 ■ HDDスピンドルモータ用軸受 ■ メモリー付き首振りチルトコラム 自動車用密封クリーン軸受 ■ 残存寿命予測技術(疲労解析) 1980 世界初鉄鋼用密封ロールネック軸受 ■ ラジカセ カークーラー電磁クラッチ専用軸受 ■ 掃除機 VTR用高精度玉軸受 ■ モータ用低騒音グリースNS7 ■ ジェットエンジン軸受 ■ シミュレーションテスト技術 1970 東海道新幹線用軸受 ■ 自動車 歯科用高速スピンドル軸受 ■ 冷蔵庫 テープレコーダ ニーズをいち早く取り入れ、私たちの暮らしを先進技術で支え ていきます。 自動車用デフピニオン用円すいころ軸受 ■ 非接触シール付玉軸受 1960 ■ 国産初のボールねじ(原子炉制御装置用) 扇風機 洗濯機 1950 国産初ジェットエンジン軸受 ■ 1940 1930 国産初の自動車用ベアリング ■ 国産初のベアリング生産 ■ 1920 1910 1900 4つのコアテクノロジー トライ ボロジー 材料技術 解析技術 メカトロ技術 NSK Social and Environmental Report 2005 03 編集方針 当報告書は環境保全活動に関するご報告に加えて、NSKが社会とのかか わりをどのように考え活動を行っているかを、皆さまにより深くご理解い ただくことを念頭に編集をしました。 2005年版では、日頃皆さまの目に触れにくいところで社会の進歩を支 えてきた 「ベアリング」 のことをまず知っていただきたいと考え、巻頭に特 集ページを用意しました。 また、NSKで働く人々の活動とその目線を通しての社会とのかかわり を、トピックス記事として随所に紹介し、活きたNSKの姿をお伝えする ように努めました。 今後も良き企業市民として社会に貢献し共生していくには、多くの方々 にNSKを知っていただき、様ざまなご意見やご支援を頂くことが大切な 糧となります。 「日本精工 社会・環境報告書2005」 は、そのための情報 開示の重要な手段の一つとして考えています。今後とも、皆さまからお寄 せいただいた貴重なご意見を参考にさせていただきながら、私たちの取り INDEX 組みの質を向上させるとともに、報告書をより読みやすく、分りやすいも のにするよう工夫をしてまいります。ぜひ添付するアンケート用紙にて、 社長ごあいさつ 5 皆さまとともに歩み続けます 6 NSKのCSRを支えるもの 8 MOTION & CONTROLを通じて 社会に貢献する 10 グローバルな活動によって、国を 越えた人と人の結びつきを強める 12 ご意見をお聞かせください。 環境マネジメントならびにパフォーマンスに関する記述は 「環境報告」 「各 事業所における取り組み」 にまとめ、NSKグループの活動の全容を下記の 点に留意しながら、分りやすくご説明しました。 1. 客観性の確保 当社の取り組みを客観的にご理解いただくため、環境省が作成した 13 社会性報告 「 環 境 報 告 書 ガ イ ド ラ イ ン (2003年 度 版 )」を 参 考 に 編 集 を 行 い ました。 2. 透明性の確保 環境報告 19 当社の活動情報を誠実にお伝えすることが重要と考え、環境に関して 各事業所における取り組み 41 寄せられた苦情などの情報も開示しています。 データ集 52 編集後記 56 経済性報告(業績サマリー) 57 対象範囲 社会面の情報は、NSKグループの国内事業所を中心とした取り組み および海外の事例を紹介しています。 環境面の情報は、自社・分社会社および出資比率50%程度以上の製造 関連会社、物流関連会社の取り組みを対象にしています。また、国内の 実績に加え海外の事例も紹介しています。→詳細はP56をご覧ください。 表紙について 「人を支えるNSK、人に支えられるNSK」 NSKは事業や商品を通じて人々の 豊かな生活を支え、社会に貢献 するとともに、お客様、お取引 先、従業員とその家族など、関 係する皆さまと良好な関係を築 き、ともに歩んでいきたいと考 えています。NSKの事業や商品 は人々のためにあり、また皆さ まに支えられています。そんな 当社の思いを表紙に込めました。 対象期間 2004年度 (2004年4月∼2005年3月/海外での取り組みは2004年 Social and Environmental Report 日本精工 社会・環境報告書 2005 1月∼12月) 一部に2005年4月以降に実施した取り組みの情報も含みます。その部 分については、記事に年月を記載し分るように配慮しています。 発 行 2005年8月 (毎年発行:前回2004年7月、次回2006年7月予定) 04 NSK Social and Environmental Report 2005 社長ごあいさつ 社会から信頼される企業として 取締役 代表執行役社長 NSKをはじめ、いまや多くの企業はグローバルに事業を展開し、社会や経済システムの運営において もますますその影響力を強めています。私たち企業には、世界中の人々から、より豊かで、持続可能な社 会に向けて、一層の期待が寄せられるとともに、その実現に大きな役割を担っています。企業は社会的存 在であるという基本を改めて認識させられます。次世代に健やかで豊かな地球環境を残すことを私たちは しっかりと配慮しなければなりません。NSKはこのことを常に意識して、皆さまとともにさらなる社会 価値の創造をめざして、企業の社会的責任 (CSR) を果たしてまいります。 当社は 「産業のコメ」 と呼ばれるベアリングをはじめ、自動車関連製品、精密機器関連製品などを一貫し て供給し続け、円滑な 「回転」、高精度の 「位置決め」 や 「制御」 など様ざまな機械の 「要 (カナメ) 」となる機能 を担い、皆さまの生活や産業を支えてきました。環境面から見ると、これらNSKの製品は 「エネルギーの ロスを小さくする」 環境に貢献する製品です。機械の使用過程で生じる環境負荷をより少なくするための 技術開発を進めるとともに、製造過程や廃棄の段階でも資源効率を高めるなど、本業を通じて 「循環型社 会の構築に貢献する」 ことはNSKの使命です。 今後ともNSKは、人々が地球と共生し豊かで安全に暮らしていくために、 「MOTION & CONTROL」 を 通じて、次の時代への扉を開く先端技術の開発やグローバルな供給体制の充実に積極的に取り組み、それ ぞれの地域や用途にかなった高品質の製品・技術やサービスを確実にお届けすることに力を注ぎます。 NSKが皆さまとともに歩み、事業の根幹であるモノつくりの力を育みながら持続的な成長 (挑戦) を続 ける、この健やかな営みを担うのは 「人 (ひと) 」 です。NSKには人を大切にする、人を育てるという企業 風土があり、社員が生きがい、働きがいを持って、いきいきと仕事に取り組む環境を整備すること、そし て次世代のNSKを担う人材を育成することを経営の大切な基盤と考えています。 企業理念体系に照らしながらNSKらしいCSRへの取り組みを進める中で、当社はここ数年にわたり、 「コーポレートガバナンス」 (企業統治の仕組み) や 「コンプライアンス」 (倫理、法令遵守の規律) 、 「リスク マネジメント」 (危機管理の仕組み) を強化するとともに、よりNSKらしい取り組みを実現するために、昨 年12月にCSR推進チームを発足させました。NSKグループ全員がそれぞれの立場で 「私たちと社会との かかわり」 「社会に対して何ができるのか? 何をしなければならないのか?」を考え、様ざまな課題に取 り組んでいくことをお約束いたします。 2005年8月 NSK Social and Environmental Report 2005 05 皆さまとともに歩み続けます NSKは、企業理念を 「MOTION & CONTROLを通じ、円滑で安全な社会に貢献し、地球環境の保全をめざすととも に、グローバルな活動によって、国を越えた人と人の結びつきを強めます」 と定め、あらゆる活動の根幹としています。 この企業理念は、NSKが地球・社会とバランスのとれた良い関係を築き、ともに発展し続けていくことをめざす、NSK のCSRの礎となるものです。 企業理念体系 NSKの企業理念体系 企業理念体系は、当社がどのような企業をめざすのか、あるべ き企業像を明示し、その実現に向かってNSKの一人ひとりが社 企業理念 会とのかかわりをどのように考え、行動していけば良いのかを NSKは、MOTION & CONTROLを通じ、円滑で安全な社会 示したものです。企業理念体系は、企業理念、経営姿勢、対外 に貢献し、地球環境の保全をめざすとともに、グローバルな活 メッセージ、社内スローガンの4つで構成されています。 動によって国を越えた人と人の結びつきを強めます。 「企業理念」は、当社が何をめざして、どのような企業活動 を通じて、どのように社会に貢献していくかを宣言しています。 「経営姿勢」は、この企業理念を具現化していくために、経 経営姿勢 1. 世界をリードする技術力によって、顧客に積極的提案を行う 営面において、どのように取り組み、道筋をつけるかを表して 2. 社員一人ひとりの個性と可能性を尊重する います。 3. 柔軟で活力のある企業風土で時代を先取りする 「対外メッセージ」は、顧客や一般の方々など広く社会に対 して当社のあり方を示し、当社の理念や活動領域、めざす企業 4. 社員は地域に対する使命感をもとに行動する 5. グローバル経営をめざす 像に共感していただくものです。 「社内スローガン」は、企業理念を実現するため、日常にお ける行動の方向性を示すものです。社員がそれぞれに自己実現 対外メッセージ しなやかに、限りなく MOTION & CONTROL をはかっていける組織風土づくりにも生かしています。 社内スローガン 行動指針 個を越えて、今を超えて(Beyond Limits, Beyond Today) 当社は、役員および社員が日々の事業活動においてどう行動す グローバルな目を持とう(Beyond Frontiers) べきかを明確化することを目的に、 「NSK行動指針」を制定し きょうの自分を乗り越えよう(Beyond Individuals) ています。 常識という殻を破ろう(Beyond Imagination) この当社グループ共通の行動指針に基づいて、営業・生産物 流・環境・調達・情報など、各部門がそれぞれに行動指針を細 進んで変化を求めよう(Beyond Perceptions) 果敢に未知へ挑戦しよう(Challenging the Future) かく定めています。 NSKでは、役員および社員が日々の事業活動においてどのよ うに行動すべきかを明確にするため、 「NSK行動指針」 を定めて います。 NSK行動指針 ・NSKは、企業価値を高め、世界最高のブランドをめざします。 ・NSKの社員は、顧客第一に行動します。 ・NSKの社員は、NSKブランドの誇りを持って行動します。 ・NSKの社員は、株主に対する意識を持って行動します。 ・NSKの社員は、グローバルNSKを担う一員として、自覚を 持って行動します。 ・NSKの社員は、企業市民として、高い倫理観のもとに行動し ます。 06 NSK Social and Environmental Report 2005 社会価値の創造に向けてステークホルダーとともに NSKは 「MOTION & CONTROL」 を通じてグローバルに事業 さまとの円滑なコミュニケーションを築きあげることに、一層 を展開し、先進技術の開発と魅力ある商品・サービスを安定的に の力を注ぎます。 また、NSKが健全な事業活動を営み、企業としての社会的役 供給することで、人々の暮らしや産業を支え、地球環境の保全 割と責任を果たすためのコーポレートガバナンス体制の強化や に貢献していきたいと考えています。 そして、皆さまから信頼される企業として、持続的な成長 企業倫理の遵守をグループ全体で推進しています。 を遂げるために、NSKと関わるすべてのステークホルダーの皆 環境 地球環境の保全に貢献する 社会 円滑で安全な社会を支える お客様 & CON TR ON TI お取引先 L O M O 株主・投資家 従業員 地域社会 次代を担う 子供・学生 NSK Social and Environmental Report 2005 07 NSKのCSRを支えるもの 「企業理念」 を軸として社会的責任を全うする基本精神と、それを支えるしっかりとした「コーポレートガバナンス」 (企 業統治の仕組み)、「コンプライアンス」 (倫理、法令遵守の規律)、「リスクマネジメント」 (危機管理の仕組み) が、日々 の業務の中で役員・従業員一人ひとりが果たすCSRの基盤です。 コーポレートガバナンス 体制強化・充実に向けて ∼企業統治の仕組み∼ 2004年6月、当社は経営の機動性をさらに高め、経営監督機 コーポレートガバナンスは、企業が健全に活動を営み持続して 能をより実効あるものにするために委員会等設置会社へ移行し、 成長するために、ステークホルダー(株主、従業員、お取引先、 監査、指名、報酬の3委員会を商法上の組織にするとともに、執 お客様、地域社会など)が監視・チェックし合いながら会社運営 行役員制度の廃止と商法上の執行役への移行を行いました。 を行う仕組みです。 また、内部監査機能とリスクマネジメント強化のため、経営 NSKは経営の透明性・健全性を高めるために、1999年には モニタリング室、コンプライアンス本部、コーポレート経営本 執行役員制度の導入や社外取締役の招聘など、商法改正を先取 部を新たに設置・改組しました。各事業分野の運営に関しても りして一連の経営体制改革を行い、2004年には委員会等設置 2004年2月にお客様別の事業本部制を導入し、経営責任の明 会社へ移行しました。 確化を図りました。 ●内部統制機能の充実 株主総会 《経営モニタリング室》 執行組織 監督組織 代表執行役(社長) 取締役会 1. 監査委員会と連携し、業務執行の適法性、妥当性、効率性の 監査 2. 内部統制システムの監査 3. 監査結果に対する改善提案、指導 意思決定補助機能 モニタリング機能 経営会議 経 営 モニタリング室 執行役会 コンプライアンス 本 部 危機管理委員会 指名委員会 コーポレート 経営本部 報酬委員会 4. 監査委員会事務局 監査委員会 《コンプライアンス本部》 1. 法令、規則、企業倫理の遵守のための企画、立案、実行、 監視 2. 輸出管理審査室、国際通商部、法務部、環境管理部を統括 《コーポレート経営本部》 1. 経営リスクの管理 指示・報告 連携 ※取締役会: 経営基本方針など重要な経営事項を意思決定するとともに執行役を監督する ※監査委員会・指名委員会・報酬委員会: 取締役会の委員会として設置され、それぞれ社外取締役が過半数を占める ※執行役: 取締役会により選任され、権限委譲を受けて実際の業務執行を機動的に行う 08 NSK Social and Environmental Report 2005 2. 経営方針に対する企画、立案、実行、監視 ●お客様別の事業本部体制 製品別からお客様の事業分野別の体制へと移行し、産業機械軸 受、自動車、精機事業本部が、明確な責任のもと、生産・販売・ 技術一体で各事業を統括しています。 コンプライアンス NSK企業倫理規定 ∼倫理、法令遵守の規律∼ 当社は、倫理や法に外れた事故や不祥事を未然に防ぐことを目 的に、コンプライアンスに関する社内規定 「NSK企業倫理規定」 【1】 NSK企業倫理方針 1) 国際社会や地域社会において、誠実で公正、かつ尊敬され に 「NSK企業倫理方針」 、 「法令遵守のための行動指針」 、 「罰則 信頼される企業として、発展し続けることをめざします。 規定および相談窓口の設置」 を定め、その遵守をグループ全体で 2) あらゆる企業活動において、関係法令を守ります。また 推進しています。 「NSK企業倫理方針」 では、当社の企業理念体系に則り、様ざ 企業市民の一員として、高い倫理観を持って行動します。 【2】 法令遵守のための行動指針 まな企業活動を行っていく上で取締役、役員および従業員が遵 1) 独占禁止法の遵守 守すべき普遍的な考え方を、 「法令遵守のための行動指針」 では、 2) 輸出関連法規の遵守 独占禁止法の遵守、インサイダー取引の禁止、知的財産の取り 3) 贈収賄行為の禁止 (接待、贈答などの取り扱い) 扱いなど、遵守すべき基本的法令を定めています。また、具体 4) 公的機関との取引および政治献金の取り扱い 的な罰則規定の制定と相談窓口 (ヘルプライン) の設置も行って 5) 正確な記録および処理 います。 6) インサイダー取引の禁止 7) 知的財産の取り扱い リスクマネジメント 8) 違法行為・反社会的行為の禁止 ∼危機管理の仕組み∼ 9) 会社財産の保護 当社には、お客様に対して高品質の製品を安定的に供給する責 10) 企業秘密の取り扱い 任があります。また工場やオフィスが事業を営む地域社会に対 11) お客様とのかかわり方 して災害をもたらすことを未然に防ぎ、万一の場合にはその損 12) 購買取引業者とのかかわり方 害を極小化する責任があります。 13) 競合他社に対する誹謗・中傷の禁止 NSKは事業を営む上で遭遇する可能性のある各種のリスクを 広く統括・管理する 「危機管理委員会」 を設置し取締役会が直轄 14) 健全な職場の育成 【3】 罰則規定および相談窓口の設置 しています。本委員会は、大地震や火災、環境汚染事故など 罰則規定 NSKグループに及ぼす重大なリスクを経営レベルで統括し、予 相談窓口の設置 防保全策の検討・実施とともに、危機発生時には管下に 「危機対 策本部」 を設置し、情報収集と的確な対応の指揮をとります。 CSR推進チームを設置 企業と社会とのかかわりが幅広く論じられる中で、当社は 2004年12月にコンプライアンス本部内にCSR推進チームを 設置しました。 CSR推進チームでは、コンプライアンスを基軸に、NSKの 活動をより強化、充実し、長期的な視点からNSKの社会的な 価値を向上させることをめざして、環境対策や地域貢献さら に情報発信など、必要な取り組みを立案し社内外への展開を 進めます。 NSK Social and Environmental Report 2005 09 MOTION & CONTROLを通じて社会に貢献する NSKの主要製品であるベアリング (軸受) は、機械を円滑かつ正確に動かすために必要な最も基本的な部品のひとつで す。当社は1916年に創業、国産第1号のボールベアリングを世に送り出して以来、ベアリングをはじめ、自動車関連 製品、精密機器関連製品などを、自動車、電機をはじめとする各種機械産業のお客様とともに開発してきました。総合 ベアリングメーカとしてそれぞれのニーズにあった製品を一貫して世に供給し続け、わが国の機械の進歩を通じて産業 の発展、そして皆さまの暮らしをしっかりと支えています。 企業情報 事業内容 産業機械軸受 社 名( 英 文 社 名 ) 日本精工株式会社(NSK Ltd.) 国産第1号のボールベアリングを世に送り出したNSKは現在、 ベアリングの分野における売上で国内第1位、世界でも有数の 本 社 所 在 地 〒141- 8560 地位を占めるまでになっています。多種多様な大きさ・形態の 東京都品川区大崎1丁目6番3号 ベアリングの供給とともに、 一般的な環境で利用するベア 設 立 1916年 (大正5年)11月8日 資 本 金 671億円(2005年3月末現在) リングだけでなく、真空、高 温など特殊な環境で利用可能 なベアリングも積極的に開 発・供給しています。 売 上 高 連結:5,810億円(2005年3月期) 単体:3,918億円(2005年3月期) 自動車関連製品 従 業 員 数 連結:20,737人(2005年3月末現在) NSKの主要製品であるベアリングの売上の約半分は自動車産業 単体:3,664人(2005年3月末現在) 向けです。各種ベアリングはもちろんのこと、オートマチック・ トランスミッション部品、ステアリングコラム・ジョイント、 連結グループ会社 国内:21社、海外:54社 さらにはEPS (電動パワーステ アリング) などの様ざまな製品 株 主 数 33,598人(2005年3月末現在) をラインナップし、自動車の 「環境・省燃費、安全、快適性 向上」 を支える高性能・高品質 な製品を提供し続けています。 精密機器関連製品 半導体・液晶などの製造装置や産業用ロボット、工作機械とい った機械の基幹部品として使用され、高精度の位置決めを実現 するボールねじや、リニアガイド、アクチュエータ、XYテーブ ルなど多数の最先端製品を供 給しています。最近では、当社 のコアテクノロジーを結集した 「大型液晶カラーフィルタ製 造用露光装置」を開発するな ど、お客様から高い評価を頂い ています。 10 NSK Social and Environmental Report 2005 安全・快適・環境を支えるNSKの先進技術 NSKの先進技術は、 「人つくり」 を大切にする企業風土を基盤に、 開発を進めるために、お客様との連携を強めながら、的確な技 4つのコアテクノロジーで 「モノつくり」 を支えています。 術開発や提案を行い、タイムリーに製品を供給することができ 「安全」 「快適」 「環境」 にしっかりと応え、スピーディに製品の るお客様の 「ベストパートナー」 になることをめざしています。 「環境」の保全 「安全」 「快適」な社会 お客様 自動車関連製品 産業機械軸受 精密精器関連製品 モノつくり 4つのコアテクノロジー トライボロジー 材料技術 解析技術 メカトロ技術 人つくり 4つのコアテクノロジー NSKの 「MOTION & CONTROL」 の進化は、摩擦をコントロールする 「トライ ボロジー」 「材料技術」 「解析技術」 「メカトロ技術」 の4つのコアテクノロジーに 支えられています。 「材料技術」 、さらにコンピュータを駆使して行う様ざまなシミュレーション や解析・評価により迅速・的確な最適設計やメインテナンスの要件を探る 「解析技術」 により製品の高性能化、信頼性の向上を支えています。 ● 「トライボロジー」 ● 「メカトロ技術」 一般には耳慣れない言葉ですが、摩擦、摩耗、潤滑、材料などに関する科学 NSKは様ざまなユニットやシステム製品を開発し、事業の幅を広げてきま 技術の分野です。NSKはこの技術を深め、駆使することによって主要製品 した。そこには、ベアリングに関する技術に加えて、特殊モータの技術、正 であるベアリングをはじめとする当社の製品の一層の用途拡大や高性能化、 確な位置決めを司るセンシング技術と制御技術、これらをシステム化する技 信頼性向上を追求しています。 術などからなる 「メカトロ技術」 が欠かせません。 ● 「材料技術」 と 「解析技術」 金属材料の組成や熱処理技術、セラミックや高分子などの新素材を研究する NSK Social and Environmental Report 2005 11 グローバルな活動によって、国を越えた人と人の結びつきを強める NSKでは、 「MOTION & CONTROL」 をコアとする事業をグローバルに展開し、日・米・欧・亜のそれぞれの拠点とそ れらを結ぶグローバルネットワークによって世界のすみずみまで製品を供給し、人々の生活を支え、産業の発展に貢献 しています。 地域に根ざした海外展開 1960年代から 「地域に根ざしたグローバル展開」 をモットーに ています。 活動の場を広げてきたNSKの事業拠点は今や世界100カ所以上 にのぼります。 海外に生産・営業拠点を展開するにあたり、NSKが基本とす ることは、お客様やお取引先をはじめ、地域の方々、従業員を大 お客様である機械・機器メーカの皆さまとともに、その国、そ 切にしつつ、その国や文化を尊重し、ともに発展することです。 の地域の人々や産業が求める、様ざまなニーズにかなう製品や NSKグループ社員の約57%は海外の人たちです。世界中の従 技術をタイムリーに開発し、適正な価格で安定的に供給するた 業員一人ひとりの個性と可能性を尊重し、力をあわせて人々の暮 めに、NSKはグローバルネットワークを強化し、その総力を挙 らしや産業の発展を支え、地球との共生、持続可能な発展をめざ げてQCDS (Quality, Cost, Delivery, Service) の向上に努め すこと、これが私たちの描くグローバル企業NSKの姿です。 ● 統括拠点 ● 生産拠点 ●●● 安順 ● Montreal ● 販売拠点 ● 技術拠点 ● 駐在員事務所 ● 広州 ● Mississauga ● 成都 ●●● Bennington ● Paris ●●●● Peterlee ●● 東莞 ●●●●● Ann Arbor ● Coventry ● 香港 ●●●● Franklin ● Maidenhead ●深 ● Plainfield ●●●●● Newark ● 蘇州 ●●● Clarinda ●● Ratingen ● 張家港 ● Liberty ●● Stuttgart ● 北京 ● Troy ● Munderkingen ●● 常熟 ● Miami ● Wolfsburg ●●● 上海 ● Santa Fe Springs ● Sandefjord ●●● 昆山 ● San Jose ●● Zarow ● 長春 ● Vancouver ● Warsaw ● Seoul ●●●● Kielce ● Kumi ●● Walbrzych ●●●●● Changwon ● Istanbul ●×1 ●×19 ●×53 ●×4 日本 ● Barcelona ● Hanoi ●● Turin ●●● Chennai ● 台北 ● Milan ●● Bangkok ● 台中 ● Johannesburg ●● Chachoengsao ● Manila ●●● Chonburi ● Perth ● Mexico City ●● Balakong ● Adelaide ● Recife ● Prai ● Brisbane ● Belo Horizonte ● Kuala Lumpur ● Sydney ● Sao Paulo ● Johor Bahru ● Melbourne ●● Suzano ●● Singapore ● Auckland ● Joinville ● Kota Kinabalu ● Porto Alegre ●●●●● Jakarta ● Buenos Aires トピックス NSKは成長著しい中国における生産・販売・技術の一貫体制を 張家港恩斯克精密機械有限公司 (中国・張家港市) 確立し、巨大な中国マーケットへの供給基地、そしてグ 中国におけるベアリング部品 (前工程リング) の生産拠点として ローバルな供給基地としての体制を作りました。2004年度に 設立。NSKにとっては中国で6番目の拠点となります。 は新たに蘇州、張家港の2つの新工場に加え、昆山の工場増強 と技術センターの開設を行い、合計6つの生産拠点と技術セン ターが稼働しています。 TIMKEN-NSK Bearings (Suzhou) Co., Ltd. (中国・蘇州) NSKおよびThe Timken Company (本社:米国オハイオ州) の合弁事業として、中国・蘇州 (江蘇省) に建設。自動車向けの 円すいころベアリングを生産します。 12 NSK Social and Environmental Report 2005 (中国・蘇州) (中国・張家港市) 写真:普段は知られることのないNSKの活動を、もっと多くの方々に、もっと良く知っていただき、より良い関係を築いていく きっかけ作りとして、広告の展開を行っています。 (P16) NSKはお客様・お取引先をはじめ、従業員、株主・投資家の皆さま、さらに地域社会の皆さまなど、多く の人々に支えられています。NSKは今後も皆さまとともに歩み、ベストパートナーとしてあり続けるために、 モノつくりにこだわり続けるとともに円滑なコミュニケーションを展開していきます。 社会性報告 お客様・お取引先とともに 14 従業員とともに 15 関係者の皆さまとのコミュニケーション 16 グローバルな良き企業市民として 17 株主・投資家の皆さまとともに 18 NSK NSK Social Social and and Environmental Environmental Report Report 2005 2005 13 お客様・お取引先とともに 顧客満足度No.1をめざすNSKは、お客様の視点に立った高度なソリューションを提供できる提案力の向上に力を注い でいます。そして、高品質の製品をグローバルにジャスト・イン・タイムで納品することのできる調達・生産・物流シ ステムと行き届いたアフターサービス体制を持つ強力なサプライチェーンの整備を進めています。そのためには、お客 様と一体となってのコラボレーション、お取引先との良好な協力関係と綿密な連携が欠かせません。 お客様の期待に応えるベストパートナーとして 開発型サプライヤーとして より高い性能や新しい機能をもつベアリングやユニットの開発 が機械の進歩のカギを握ることさえあります。最近では、お客 様である機器・機械メーカの商品開発や設計段階から積極的に 検討作業に加わり、お客様とのコラボレーションを進めること により、お客様が直面する様ざまな課題に対し当社の総合的な 技術力を活かし解決策をご提案する機会が増えています。 APS活動をサプライチェーンに拡大 VWサプライヤーアワード ワルシャワ 2004年10月3日 右:VW社ピシェッツリーダー会長 左:NSKヨーロッパ社 シュナイダーCEO 社 会 性 報 告 自動車本部 自動車軸受グループ 主務 久住 恭弘 APS (Advanced Production System) 活動とは、全員参加 でモノつくり(受注から納品まで)のムダ、ムラ、ムリを徹底的 になくすことを通して、品質管理技術の向上、経営体質の強化 NSKの欧州における自動車関連製品の事業は、日系自動車メーカの を行い、その結果として、お客様に良い製品を、早く、安くお 推進とともに成長し、また欧州の自動車関連メーカへの納入実績も 届けすることで、企業価値を高めていく活動です。 着実に増やしてきました。その中でも、フォルクスワーゲン (VW) 社向けの第3世代ハブユニット軸受(HUB )のプロジェクトは、NSK の事業をさらに大きく飛躍させるきっかけとなりました。 2001年度からは、社内に加えてその活動範囲をサプライ チェーンにまで広げ、改善支援チーム “IST” (Improvement Support Team)を毎年10社に派遣して、お取引先とNSKが 久住 2000年に欧州ビジネスとして初めて提案型のプロジェクト 一体となった実践研修を行っています。このことにより品質の チームを立ち上げて、VW社の戦略的なプラットフォームPQ35 (車 向上、リードタイムの短縮、仕掛品の削減などで成果を上げて の骨格になる「車台」) 開発の基本構想の段階から一貫して、NSKの HUB の優位性を提案しました。当初はVW社におけるNSKの認 います。 知度は低く、ホイールを支える重要な部位を、新技術であるHUB としてNSKに任せることへの戸惑いがあったようです。そこで私た お取引先とともにAPS活動を実践 ちはNSKの市場での実績、我々の技術の優位性をアピールするとと ベアリングの部品を製造するお取引先から、APS思想を盛り込 もに、多くの要請にすばやく解決策を提示し対応してきました。 んだレイアウトの考え方を知るとともに、社内小集団活動を巻 その結果、最終的にトップの判断によってHUB の採用が決まり、 き込んで、生産管理の仕組みづくりや生産性向上に取り組みた またVW社と共同で開発・生産の立ち上げを行う「開発サプライ ヤー」 にNSKが選ばれ、一同で大喜びをしました。 しかし、その後1年半という極めて短い期間に量産品の生産を立 ち上げる仕事は、苦労の連続でした。材料・前工程の段取りや生産 い、との要望が寄せられ、お取引先の工場メンバーと納入先 NSK工場およびISTのメンバーとが力を合わせ、2004年 4月から8月まで4カ月間の活動を行い 設備の準備、製品の試作や試験など、生産・販売・技術の各部門が ました。ボトルネック工程への仕掛けや 一致協力し、総力を結集して、お客様からの数々の要請に、すばや 「かんばん」 の導入、さらに 「1個流し化」 く、的確に対応し、無事に成し遂げることができました。 これらの取り組みが高く評価され、「Volkswagen Group Awards をDevelopment部門で受賞するという形で、最高の栄誉を 2004」 授かったことはチーム全員の誇りです。 また、このプロジェクトの成功により、欧州におけるNSKの知名 度と評価が向上し、ビジネス環境が大きく変わりました。今後もお 客様の期待に応え、ベストパートナーとして貢献できる仕事をして などにより、目標通りの成果を上げまし た。その後もAPSの思想が定着し、取 り組みレベルはさらに向上しています。 手作りのかんばんポスト 活動の成果 実リードタイムの短縮 (日) いきたいと考えています。 10 20 32%UP 14%UP 1.0 15 ▲69% 10 4 0.5 5 2 0 0 0 04/4 NSK Social and Environmental Report 2005 (指数) 1.5 ▲40% 6 14 生産性の向上 (千個) ▲39% ▲56% 8 在庫数の削減 25 12 04/8 04/11 04/4 04/8 04/11 04/4 04/8 04/11 従業員とともに NSKが社会とともに歩み、さらに成長・発展するための最も大きな資産は人材です。NSKは、従業員が生きがい、働 きがいを持っていきいきと仕事に取り組む環境を整備すること、そして次世代のNSKを担う人材を育成することを経 営上の大切なテーマと考えています。NSKのさらなる成長に向けて、社内に蓄積された技術・ノウハウをきちんと受 け継ぎ、磨いていくことも欠かせません。当社の 「モノつくり」 は 「人つくり」 で支えられています。 一人ひとりの個性と可能性を尊重する モノつくりは人つくり NSKの人事制度は、社員の成果とその成果を生み出すプロセス を正当に評価し、前向きにチャレンジしていこうとする人材を 多角的にバックアップすることを基本としています。 そして、「自らの意志で考え行動し、自らを高めようとする社 員に対し機会と場を提供する」ことを人材育成の基本方針として います。 個々の業務課題遂行に向けて上司と定期的に行う 「相互確認制 度」 や 「自己申告制度」 「社内公募制度」、新入社員育成プランや 「キャリア研修」 、さらに次世代リーダー育成を行う 「NSK経営 大学」 のように、体系的に整備された 「教育・研修プログラム」 な ど、様ざまな制度が設けられ広く活用されています。 経営モニタリング室 主幹 NSK人事サービス株式会社 コンサルティング事業部 エクゼクティブコンサルタント 大久保 均 松本 勝廣 「NSKモノつくりセンター」 は、メーカの基盤である現場力強化を目 社 会 性 報 告 的に、技能の伝承や体系的な人材育成の仕組みを具現化するために 安全で働きやすい職場作り 社員が心身ともに健やかで、存分に力を発揮してもらうための 環境づくりとして、時代に適した福利厚生の充実、社員の積極 設立され、2005年5月に開講しました。ここまでには、NSK経営 大学での答申から始まり、現場力を支える 「人つくり」 への思いを形 にしていく喜びや苦労がありました。 的な健康増進を促しています。加えて、企業風土の改善に向け た 「いきいき職場作り委員会」 のように、社員の自主的な活動も 大久保 2003年度にNSK経営大学を受講した私たちのチームは、 職場の活性化に大きな成果を上げています。 品質やコスト、さらに納期など競争力の基盤である日本の製造現場 そして、モノつくりの現場にとって管理の原点である 「職場の 安全」 を確保するために、NSKでは 「NSK中央安全衛生協議会」 を取り上げました。そこでは、グローバル化が急速に進展する中で、 将来にわたってNSKがもっと強くなるためには何が必要なのか? に ついて議論をしました。議論を重ねていくうちに、改めて 「人」 が果 が中心となり、全員参加で安全尊重の社風づくりに取り組むと たす役割の大切さを痛感し、技能の維持・伝承とそのレベル ともに、各事業所のトップによる安全診断などを実施し、ソフ アップに全社をあげて取り組むこと、また、そのための具体的な仕 ト、ハード両面から災害の防止に力を注いでいます。 組みをつくることが必要であるという結論に達し、経営陣に答申を しました。 労働災害発生頻度(休業度数率) 全産業平均 2.0 軸受製造業平均 NSK 松本 APS活動を強力に推し進め、工場の体質改善を指導する立場 にあった私も、現場の力を左右する人の力、技能のレベルがたいへ 1.5 ん重要であると認識していました。 「NSKモノつくりセンター」 の設 1.0 立を任された時、多忙を極める各工場にお願いをし、明日のNSK を担う事業ということを理解してもらい、各工場のベテラン技能者 0.5 0 を講師として派遣してもらいました。生徒には現場の核となるリー 99 00 01 02 休業度数率:100万時間当たりの休業災害発生件数 03 04(年度) ダークラスの人材が集まっているだけあって、熱のこもった授業が この5月から始まってい ます。卒業生が戻った工 APS活動推進ポスターを 作りました 場から、「モノつくりセ ンターに行かせて良かっ た」 と評価されるよう、充 APS活動に積極的に取り組み、2003年 実したプログラムを提供 度に大きな成果をあげた優秀事業所を していきたいと考えてい 代表して、活躍した方がたが登場する ます。 ポスターを作成し各事業所に掲示しま した。 用語解説 NSK経営大学:ビジネスリーダーの早期育成を目的として、 2003年4月に設立した社内教育カリキュラム。 NSK Social and Environmental Report 2005 15 関係者の皆さまとのコミュニケーション NSKは様ざまなニーズや価値観を持ったステークホルダーの方々とかかわりながら、グローバルに事業活動を展開し ています。それぞれのステークホルダーに向けて適切な情報をタイムリーにお伝えし、NSKの考えや営みを正しく知 っていただくことや、当社に対する忌憚のないご意見やご要望をお聞きして経営に反映するためには、皆さまとの日頃 からの円滑なコミュニケーションがきわめて重要なことだと考えています。 皆さまとNSKを結ぶ新たな窓口へ NSKをもっと知っていただくために NSKの事業活動や製品について一層ご理解いただくために、次 のような媒体を通じてコミュニケーションを図っています。 Facing up to New Challenges Social and Environmental Report Annual Report 2005 日本精工 社会・環境報告書 2005 Year ended March 31,2005 アニュアルレポート 会社案内 社 会 性 報 告 社会・環境報告書 広報部 The World of NSK2004 (CD-ROM) 坂下 真木子 NSKはステークホルダーの方々とのコミュニケーションをさらに 絵本 「ベアリングのおはなし」 高めていくために、NSKを正しく知っていただくきっかけ作りとな る広告展開を行っています。広告ができるまでに、どのようなメッ セージを、どのようにお伝えしていけば良いかの検討が重ねられ ました。 「ベアリング博士の “おもしろ” 誌上講義 ベアリング入門」 ホームページのご紹介 坂下 NSKが関係する皆さまと良好なかかわりを築くためには、ま NSKでは1998年から、ホーム ず、NSKを正しく知っていただくことが大切だと思います。残念な ページで環境保全への取り組みにつ がら、弊社の製品は、普段の生活では直接皆さまの目に触れること いての情報公開を行っています。 が少なく、NSKの名前や、何をしている会社かといった情報を発信 していかねばなりません。 そこで、より多くの方々にNSKを知っていただくきっかけ作りに なればと、広告を展開しています。2004年は当社の社員が語る 「ク URL: http://www.jp.nsk.com/jp/environment/index.html E-mail: [email protected] ルクル、ワクワク。 」 シリーズを、そして2005年5月には 「5月5日 のベアリング。 」 と題して、皆さまの身近な生活シーンを通じて、見 えないところで世の中に貢献するNSKを紹介しています。いずれも 広告をご覧になった方が、NSKを身近に感じ、NSKの思いや企業 活動に共感していただくことを狙いとしています。 「社会・環境報告書2004」 アンケートで 寄せられたご意見・ご感想 ●「MOTION 良い。下欄に用語解説があり分りやすい。しかし、文字量が多 実は、これらの広告作りにはかなりの時間を費やしました。皆さ く少し固い感じがする。もう少し絵や写真、グラフを入れたほ まにどうやったら分りやすくNSKを伝えられるか、私たちが伝えた うが良い。(59歳 男性) い 「NSKの顔」とは何か、どうしたら 「業界トップリーダーとしての 責任を果たしていくNSK」 をお伝えできるかを、社内外の声も参考 ● にしながら検討を重ねました。 企業理念に沿って安全性や環境に配慮した経営をしていること が伝わってきた。ベアリングが小さな製品から大きな製品まで広 「5月5日のベアリング。 」 を新聞でご覧になった主婦の方から 「久々 く使われ、支えていることを知ることができた。(22歳 女性) に、人に温かい広告を見ました」 というお葉書をいただくなど、皆さ まにNSKを伝えることができた喜びを感じました。今後は皆さまが & CONTROL」 をキーワードに一貫性のある書き方が ● 従業員・株主への情報を充実させる必要があると思う。また、グ 知りたいことに常に耳を傾け、広告を通じてコミュニケーションを リーン調達について、顧客からNSKへのグリーン調達と、NSK 高めていきたいと思っています。 のお取引先を含めた全体としてのサプライチェーンを見やすく 示すことができれば、NSKの環境保全の位置付けが分りやすく なると思う。(44歳 男性) 16 NSK Social and Environmental Report 2005 グローバルな良き企業市民として NSKは良き企業市民として 「地域に根ざした企業活動」 を心がけ、国内外を問わず当社を取り巻く地域社会の発展に向 けて様ざまな活動を行ってきました。これからも、自らの事業活動の中で培ってきた力を活かし、NSKを取り巻く多 様な社会活動に一層積極的に関わっていきたいと考えています。 NSKで働く従業員が社外のこうした活動に積極的に参加できる環境作りにも力を注いでいます。 中日友好NSK機械工学優秀論文賞 関谷相談役クラリンダ市名誉市民に 2004年4月13日、第二回中日友好NSK機械工学優秀論文賞 クラリンダ市は米国中部アイオワ州の南西の端に位置し、ジャ 授賞式が中国清華大学で行われました。 ズ界の巨匠グレン・ミラーの生誕の地でもあり、毎年行われる 中日友好NSK機械工学優秀論文賞は、清華大学機械専攻分野 グレン・ミラーフェスティバルは大変な賑わいを見せます。NSK での基礎研究に対して、成 のクラリンダ工場は1975年に設立以来、市の発展とともにそ 果を上げた学生の功績を内 の歴史を刻んできました。 外に顕彰し、今後の研究活 2004年の6月に開催され 動を奨励するために設けら たグレン・ミラー生誕100 れたものです。今回は第一 年を祝うフェスティバルで 回と同様に10名の学生が受 は、米州総支配人時代から 賞しました。 の市の発展への貢献を顕彰 し、当社の関谷相談役に名 財団法人メカトロニクス技術高度化財団 誉市民の称号が授与されま 本財団は日本精工グループが、創立70周年記念の一環として、 した。 社 会 性 報 告 1988年に設立しました。NSKが本来業務において培ってきた 知識を活かした社会貢献活動として、今年で17年目を迎え、 大規模災害による被災地へ支援物資や義援金を贈る これまでに、研究開発へ332件、技術交流へ98件、講演会、研 2004年、アジアではスマトラ沖大地震およびインド洋津波、 究会へ44件、合計474件 国内においては新潟中越地震が発生し、被災地では多くの人命 の助成活動を行い、これら が失われ、生活の基盤が壊滅的な打撃を受けるなどの大きな被 の研究成果はメカトロニ 害を受けました。 クス技術の高度化を通じ、 NSKならびにグループ各社と日本精工福祉基金は、被災地の 社会の発展に大きく貢献し 復興を願い、それぞれの国・機関を通じて、合計で4,000万円 ています。 を超える義援金をお贈りしました。 中国技術センター (昆山) NSKは、活動するそれぞれの地域にしっかりと根をおろし、そ の地域の発展に寄与することが、グローバルに事業を展開する 者の責務であると考えています。それぞれの開発・生産拠点が モノつくりの文化を継承し、力を蓄えていくには、計画的な技 術移転が必須となります。 中国技術センター(昆山) は米州、欧州、日本ととも にNSKの4極技術体制を構 成するとともに、中国にお けるトライボロジー技術発 展のリーダー役を担うもの です。 NSK Social and Environmental Report 2005 17 株主・投資家の皆さまとともに NSKは 「MOTION & CONTROL」 をコアとする事業をグローバルに展開し、経営の健全性、透明性、効率性を高めな がら事業の拡大・発展に取り組むとともに、株主・投資家の皆さまへの安定的な利益還元に努めています。また、株主 や投資家の皆さまにNSKの現状や将来展望をより深く理解していただくために、IR専任部署の設置やツールの整備、 イベントなどを行い積極的かつ迅速な情報開示を実践しています。 NSKのIR活動 SRI:社会的責任投資 投資家の皆さまは、単に会社の業績だけでなく、会社が何を目 社会的責任を果たしている企業こそが、中長期的に高収益が見 標とし、課題にどのように取り組んでいくのか、その進捗はど 込める企業であり、持続可能な発展が見込める企業であるとい うか、といった様ざまな経営情報を基に投資判断をされます。 う考えから、企業の経済的パフォーマンスだけを見るのではな NSKは経営方針と中長期的な経営戦略・計画を明瞭に提示し着 く、 「社会」 や 「環境」 に前向きに取り組み、その責任を果たして 実に実行するとともに、その進捗過程を透明性を持ってタイム い る 企 業 に 投 資 を す る と い う 、 Socially Responsible リーに開示することに努めています。2004年度も 「決算説明 Investment (SRI:社会的責任投資) の考え方が重視されるよう 会」 「中間決算説明会」 「中期経営計画説明会」などのIRイベントを になっています。 開催しました。またホームページ (http://www.jp.nsk.com) か らも、最新の情報をご案内しています。 NSKは、 「環境への取り組み」 「社会貢献活動」 「コーポレート ガバナンスへの取り組み」 などの点で高く評価され、世界の代表 的なSRIインデックス 「Dow Jones Sustainability World 株式所有者別分布状況(2005年3月31日現在) Index」 「 FTSE4Good Global Benchmark Index」 「 Ethibel Sustainability Index」 の全てと、国内初のSRIインデックス 株主数 33,598名 社 会 性 報 告 32,602名 97.0% ■ 個人・その他 ■ その他国内法人 488名 1.5% ■ 外国人 302名 0.9% ■ 金融機関 142名 0.4% ■ 証券会社 64名 0.2% である 「モーニングスター社会的責任投資株価指数」 の基準を満 たし、2004年度の組み入れ銘柄に選定されました。 株式数 551,268,104株 http://www.sustainability-indexes.com ■ 金融機関 296,924,636株 53.9% ■ 外国人 106,030,199株 19.2% ■ 個人・その他 102,527,308株 18.6% ■ その他国内法人 38,050,836株 6.9% 7,735,125株 1.4% ■ 証券会社 http://www.ftse.com/ftse4good/index.jsp アニュアルレポート2005 株主・投資家の皆さまにNSKの現状や今後の方向性をより深く ご理解していただくために、アニュアルレポート (和・英) を毎 年発行しています。2005年版はメッセージを 「Facing up to New Challenges」 とし、新たな成長ス http://www.ethibel.org テージに向けて進み続けるNSKの戦略を 解説しています。特集では、読者の皆さ Facing up to New Challenges Annual Report 2005 Year ended March 31,2005 まに注目いただきたい当社の事業戦略を、 「製品」 ・ 「市場」 ・ 「地域」 の3つのポイン http://www.morningstar.co.jp/sri/index.htm トから焦点をあて、分りやすく解説しま した。 AR2005表紙 18 NSK Social and Environmental Report 2005 写真:風の力を利用し二酸化炭素の排出を抑える風力発電システム。NSKでは、長年培った技術と経験を活かし、このシステムを 支える軸受の開発を進めています。 (P34) NSKは循環型社会への貢献をめざして、グループ全体で環境負荷軽減に向けた取り組みを行っています。 さらに、お客様やお取引先との連携を強化し、製品の開発・設計段階からお客様での使用、廃棄までのラ イフサイクルを通じて、環境に与える影響を減らす取り組みを強化しています。 環境報告 担当役員ごあいさつ 20 NSKと環境マネジメント 21 ■ NSKと環境とのかかわり ■ 調達段階での取り組み グリーン調達 35 ■ 製造段階での取り組み 循環型社会への貢献をめざして 22 地球温暖化対策 36 環境管理組織 24 廃棄物・リサイクル対策 37 自主行動計画 25 環境負荷物質対策 38 監査システムとISO14001 26 法遵守・環境リスク対策 39 環境教育 28 環境会計 29 ■ 物流分野における取り組み 物流対策 40 ■ 開発・設計段階での取り組み ライフサイクルを視野に入れた 環境貢献型商品の開発 30 NSK NSK Social Social and and Environmental Environmental Report Report 2005 2005 19 担当役員ごあいさつ 社内外の皆さまとともに、環境負荷の低減に向けた取り組みを推進します 取締役 代表執行役専務 (地球環境保全委員会委員長) 我が国をはじめ世界各国の環境保全への取り組みは、多くの課題を抱えながらも着実に前進し、地球温 暖化防止をめざした京都議定書も本年の2月16日に発効しました。 こうした取り組みを待つまでもなく、企業にとって地球環境との共生は、社会的な責任であり、自らの 持続的な成長を支える大切な課題です。 NSKは、摩擦低減に貢献する機械要素であるベアリングや、その技術が活かされたボールねじ、自動 車の燃費の改善に役立つ電動パワーステアリングなどのトップメーカとして、自らの事業活動に伴う環境 環 境 報 告 負荷の低減はもちろんのこと、お客様とともにエネルギーのロスを少なくするための様ざまな技術開発を 進め、エネルギー資源の節約を通じて、二酸化炭素 (CO2) の排出抑制に力を注いできました。これから も、今まで培ってきた力を存分に発揮するとともに、取り組みのレベルを高め、循環型社会の構築に貢献 することがNSKの使命と考えています。 NSKは、環境保全のため1993年度からNSKの自社工場を中心に第1次の自主行動計画を展開し、 2001年度からは全部門、関連会社を含む取り組みとして、開発・調達・物流・梱包など、サプライ チェーンの端から端までを含めた第2次自主行動計画を展開しています。さらに、2004年7月には、地 球環境保全委員会の諮問機関である 「エコ推進チーム」 の答申を受けて、 「化学物質対策」 と 「梱包・包装改革」 に関する全社的な取り組みを担う二つのプロジェクトチームを発足させました。いずれの活動も、社内で は営業から設計、生産、調達、サービスそして管理部門まで、部門を超えた全社横断的な取り組みと、 グリーン調達の仕組みを介して、お客様やお取引先とNSKが一体となった活動を進めております。 そして環境負荷物質の対策では、ベアリング、ボールねじ、リニアガイドについて、EUが定めるRoHS 指令に一年早く対応できる体制を整えました。また、製造部門では2004年度までに、地球温暖化対策と してコージェネレーションシステムの導入などを進め、CO2排出原単位を1990年度に比べて21.2% 削減し、目標を上回る改善を行い、リサイクル活動に関しても関連会社を含む全事業所でゼロエミッショ ンを達成することができました。環境マネジメントシステムの国際規格、ISO14001認証取得について は、2004年7月に関連会社の1拠点を拡大登録し全事業所で取得を完了しました。さらに、海外におい てもタイ、ポーランド、インドの3事業所で認証を取得し、対象20事業所のうち17事業所まで取得でき ました。 今後とも、グローバルな環境管理システムの整備に力を注ぎ、社内外の皆さまのご理解とご協力を得な がら、製品のライフサイクルを通じた環境貢献をキーワードに、環境負荷の低減に向けた取り組みを積極 的に進めます。 2005年8月 20 NSK Social and Environmental Report 2005 NSKと環境マネジメント NSKでは、「企業理念」 に定める地球環境の保全をすべての事業活動に反映させていくため、NSKグループとしての環 境保全活動の取り組み方針を明確にしています。「NSK環境方針」 は、環境と調和する製品とその技術、さらに環境に やさしい生産の追求を掲げ、グローバル企業として、地球環境を考え貢献していくことを明確にしています。 NSK環境方針 我々は、環境問題への取り組みが我々の存在と活動に必須の要件と認識し、自主的、積極的に 行動します。 1. 総合的な取り組み トライボロジー (摩擦制御技術) など、環境と調和する技術と環境にやさしい生産の追求のた め、社内の各部門の力を合わせて、人と地球の共生をはかります。 2. 環境負荷の低減 環境マネジメントシステムを構築し、またその継続的改善を行い、法規制の遵守、環境汚染 の未然防止と環境負荷の低減に努めます。 3. 社会への貢献 環 境 報 告 グローバルな良き企業市民として、進出国、進出地域社会の発展に寄与し、環境と調和した 豊かな社会の実現に貢献します。 環境行動指針 1. 環境管理の組織・運営制度を整備し、責任所在の明確化をはかります。 2. 環境負荷低減型の商品づくりと技術開発を行います。 3. 環境関連の法律、条例、協定などを遵守し、さらに自主基準を定めて一層の環境保全に取り 組みます。 4. 省資源、省エネルギー、廃棄物の削減・リサイクルに企業活動の全ての領域で取り組みます。 5. オゾン層破壊物質、有害化学物質など環境に負荷を与える物質は、可能な限り代替技術・代 替物質への転換をはかります。 6. 環境所轄当局および地域社会と建設的な意志の疎通をはかるべく努めます。 7. 環境に関する社会活動により、社会に貢献します。 8. 環境教育、社内広報活動などを実施し、全社員の環境方針の理解と、環境に関する意識の向 上をはかります。 9. 環境管理の実施状況は必要に応じて公開します。 制定 1997年12月12日 改定 2002年 6月27日 NSK Social and Environmental Report 2005 21 NSKと環境とのかかわり 循環型社会への貢献をめざして NSKの製品は、身近な家電製品から自動車・鉄道・航空機やロケット、さらにはロボットや工作機械まで、様ざまな 機械に組み込まれ使用されています。NSKでは、製造などの事業活動が直接的に環境に与える影響を低減することは もちろん、出荷した製品がお客様の機械に組み込まれ、さらに社会の様ざまな局面で使用される段階で、省資源や省エ ネルギーに役立ち、さらに寿命が尽きて廃棄される際のリサイクル性への配慮など、そのライフサイクルの全ての段階 で、環境保全効果を最大限に発揮し、環境に与える影響を減らすことをめざしています。 I NP U T 開発・設計段階 エネルギー・資源 開発・設計の段階では、製品がお客様の機械に組み込まれ、省資源、省 エネルギーなど、最大限の効果を発揮させるため、お客様とのコミュ ニケーションを密にはかり、お客様と一体となって環境に貢献する商 品を開発することに注力しています。さらに、その製造段階において も、加工の容易化や材料の歩留まり改善など、環境にやさしい生産を 実現するための技術、環境保全型技術の開発を進めています。2004 年度は、当社の自主基準を満たす環境貢献型商品および環境保全型技 術の登録件数を前年度に比べ17件増加させ、108件にすることができ ■ 電力 470,995千kWh(7.0%) ■ 燃料 1,928千GJ (14.2%) ■水 (5.7%) 2,471千m3 物流 ※1 ■ 軽油 3,642kl (27.1%) ました。 製造の段階 製造の段階では、多くのエネルギーや資源を消費し産業廃棄物など 環 境 報 告 を排出するため、NSKの中で、特に環境に与える影響が著しい段階と 位置付け、省エネルギー対策、廃棄物・リサイクル対策、環境負荷物 副資材 ■ 油脂類 7,922t(14.2%) ■ PRTR法対象物質 394t (6.5%) 環境負荷物質排除 高機能材料開発 質対策などを全グループを挙げて取り組んでいます。2004年度は、新 たにNSKマイクロプレシジョン (株) とNSKニードルベアリング (株) 高崎工場がゼロエミッションを達成し、全グループ工場でゼロエミッ ションを達成しました。 資材 ■ 鋼材 289,900t(20.0%) 使用の段階 掃除機、洗たく機などの家電製品のモータに使われるベアリングや、自 動車の電動パワーステアリングなど、NSKの製品はお客様の機械に組 み込まれ、使用される段階で省資源、省エネルギーなど、環境負荷の 低減に役立ちます。NSKでは、商品の企画の段階から、軽量、低トル ク、長寿命、さらに低騒音・低振動などに配慮し、その効果を最大限 に発揮するよう努めています。 廃棄の段階 ベアリングに代表されるNSKの製品は、大部分が鉄鋼材料であること リサイクル 70,656t(7.9%) ・金属・研削くず 83.6% ・廃油 8.4% ・廃プラスチック類 2.9% ・紙くず 1.9% ・その他 3.2% から、組み込まれた機械が寿命に達したあとはスクラップとして新た な鉄鋼製品にリサイクルされる、資源循環性に優れた製品です。さら にリサイクル性の向上を図り、一層環境負荷を低減させるため、 メッキ部品などに微量に含有される重金属の排除や、生分解性グリー スの開発や使用などを進めています。 NSKは、工場の環境対策のみならず、製品を通じて社会全体の環境負 荷低減を進め 「循環型社会の構築」 に貢献するため、今後もグループを挙 げて取り組みのレベルを向上させるとともに、関連会社や海外工場な ど、活動の範囲の拡大にも努めます。 リサイクルの段階 (注) ・ ( )内前年度比 ・ パフォーマンスは自社および分社会社、出資比率50%以上の製造関連会社、 物流関連会社を対象としています。 22 NSK Social and Environmental Report 2005 N SK O UT P UT 開発・設計 排出 LCAによるCO2排出割合 ・素材: 7.8% 素材:7.8% ・製造:19.0% ・輸送: 0.2% ・使用:73.0% 製造:19.0% 物流 ※1 大気 ■ CO2 ■ CO2 9,579t (26.7%) 1 電力の排出係数:火力発電 ※2 ■ NOX 463,229t(8.8%) 2 電力の排出係数:全電源平均※2 118t (34.1%) ■ PM 299,071t(9.9%) 11.2t (23.1%) ■ NOX 化学物質排出量 ■ PRTR法対象物質 89.3t (7.7%) ■ SOX 排出・移動量 100t (11.1%) 6.0t (3.4%) 水質 ■ 排水量 1,178千m3(▲7.7%) ■ BOD 3.7t (0.0%) 輸送:0.2% 使用:73.0% 環境貢献型商品・技術 ・登録件数:108件(+17件) 技術力の流れ 加工容易化 歩留まり向上など 環 境 報 告 物流 物質の流れ 工 場 環境貢献型 商品 廃棄物など ■ 総排出量 75,385t(7.2%) 廃棄 ・スクラップ ・廃油 ・埋め立て 174t(▲56.3%) ・焼 却 959t(▲9.0%) ・減量化 3,596t(6.9%) 廃棄の段階 ※1 物流に関するデータは網羅性を高めるため、対象とする委託輸送業者を 6社から11社に拡大しました。 ・省資源 ・省エネルギー ・環境負荷物質排除 ・安全性・快適性の向上 使用の段階 ※2 使用した電力の発電によるCO2排出量を 1 火力発電 2 水力や原子力などを含む 平均値を前提として算出しています。 NSK Social and Environmental Report 2005 23 環境管理組織 NSKグループは、1993年4月にフロン等規制総合対策委員会を前身とする地球環境保全委員会を設置し、製造工程 を中心とした環境保全活動を展開してきました。2001年からは、循環型社会への貢献という視点から全社的な取り組 み体制に転換を図り、さらに、2004年7月に社会的なニーズに積極的に対応するため、部門横断の化学物質対策と梱 包・包装改革の2つのプロジェクトチームを発足し、取り組みを一層強化しました。 地球環境保全委員会と推進体制 地球環境保全委員会では、環境に関するグループ方針、目標や施 活動を推進しています。また、 策の審議・決定および達成状況のフォローを行います。その下 NSK方針の展開、情報交換の場 部組織には環境保全を全社横断的に推進するため各専門部会を として、関連会社を含めたグルー 設置し、運営にあたっています。各事業所では工場長を委員長 プ全体での環境連絡会を開催し、 とする環境管理委員会を設置し、グループ方針に基づき事業所 環境保全活動を推進しています。 ▼ 別の環境方針を掲げ、環境管理責任者が実務の中心となって NSKグループ 社 長 地球環境保全委員会 委員会所掌事項 環 境 報 告 *グループ環境連絡会 *エネルギー部会 *廃棄物部会 *製造化学物質部会 *方針・目標の策定 *行動計画の策定と 実行・フォロー 国内工場 ▼ 開発部門 管理部門 *製品化学物質部会 *環境商品部会 *グリーン調達 *物流部会 *グリーンオフィス部会 生産部門 専門部会所掌事項 関連会社 工場 ・経営企画部 ・IR室 ・環境管理部 ・基盤技術研究所 ・広報部 ・NSK販売 事 務 局 *環境方針 *行動計画審議 *達成状況フォロー *環境情報管理 *環境施策審議 技術開発部門 化学物質対策プロジェクトチーム 梱包・包装改革プロジェクトチーム 海外工場 地域別コーディネータ 調達・物流・ 事務部門 営業販売部門 米州、欧州、アジア 工場長 環境管理委員会 内部環境監査員 環境管理責任者 環境関連法定資格者 省エネルギー部会 廃棄物部会 化学物質部会 実行部署 推進員 地球環境保全委員会の活動経過 項 目 1993 (年度) 1994 1995 自主行動計画 1997 1998 1999 2000 第1次自主行動計画 地球温暖化対策 第1次計画 廃棄物・リサイクル対策 第1次計画 環 境 負 荷 物 質 対 策 1996 化学物質管理 洗浄用全廃 塩素系有機溶剤対策 トリクロロエチレン全廃 関連会社ジクロロメタン全廃 PRTR法対応および削減対策 パイロット事業参加 遵法対策 物流対策 塩ビ・発泡スチロール全廃 完了 油剤の塩素フリー化 焼却炉全廃 削減計画 梱包・包装改革プロジェクト 環境リスク対策・環境負荷低減 通い箱化推進 自動車管理委員会 物流部会 商品対策 商品部会・LCA導入 調達対策 グリーン調達・購入運用 オフィス対策 制定 自社工場 改定 関連会社・海外工場 環境会計導入 遵法監査 パフォーマンス監査 システム監査(支援) 関連会社取り組み NSK Social and Environmental Report 2005 グリーン調達基準書改訂(3版) グリーン調達基準書改訂(2版) グリーンオフィス部会 NSK環境方針 24 化学物質対策プロジェクト 第4次計画 冷媒用特定フロンなどの削減 法遵守、環境リスク対策 環境情報開示 2004 製造工程管理体制構築 自社ジクロロメタン全廃 ダイオキシン対策 E M ISO14001認証取得 S 環境会計 構 築 環境監査 2003 第3次計画 第3次計画 製品含有環境負荷物質管理体制構築 オゾン層破壊物質対策 2002 第2次自主行動計画 第2次計画 第2次計画 2001 関連会社監査 環境連絡会 ホームページ開設 アニュアルレポートに掲載 行動計画 環境報告書発行 社会・環境報告書発行 自主行動計画 NSKは、環境保全のため1993年から製造部門を中心に自主行動計画を展開し、現在は全社的な取り組みとして開発・ 調達・物流などの分野も加えた第2次自主行動計画の達成に向けて活動を推進しています。また、関連会社も2001年 から共通の目標を設定し、全グループを挙げて取り組みを進めています。 グループ全体で着実に行動計画を推進 2004年度までに、製造部門では地球温暖化対策としてコージ 大登録し、国内の全生産拠点で取得完了となりました。また全 ェネレーションシステムの導入などを進め、CO2排出原単位を 関連会社がゼロエミッションを達成し、グループ全体でゼロエ 1990年度比21.2%削減し目標を上回る改善ができました。 ミッションに到達しました。 海外の事業所においても温暖化、廃棄物、化学物質などの対 調達部門では厳しくなる環境負荷物質規制に対応するため、グ リーン調達基準書を改訂し全国6カ所で説明会を行いました。 策について共通指針を掲げ取り組んでいます。 ISO14001認証取得は2004年7月に関連会社1拠点が拡 自社・分社 行動計画 項 目 中長期目標 2004年度実績 評価 環境貢献型商品の創出 環境貢献型商品・技術登録件数:17件増(計108件) ○ 環境負荷物質の削減 RoHS指令対応の軸受供給体制確立 ○ 地球温暖化対策 生産高当たりのCO 2排出およびエネルギー消費原単位を 2010年度までに23%削減(1990年度比) CO2排出原単位を21.2%削減(1990年度比) ○ 廃棄物・ リサイクル対策 2010年度までにリサイクル率を98%以上達成 リサイクル率94.2%達成 ゼロエミッション維持(埋立処分率0.03%) ○ オゾン層破壊物質(冷媒用特定フロン、ハロン消火器)を 2005年度までに全廃 冷媒用特定フロンを80%、 ハロン消火器を58%削減(2000年度比) ○ PRTR法対象物質および塩素を含む加工油剤の製品数を 2005年度までに2000年度比50%削減 PRTR法対象物質を含む製品数を35%削減、 塩素を含む加工油剤の製品数を62%削減 ○ 輸配送時の環境負荷低減(CO2、 NOX、 PM排出量低減) CO2排出量を26.7%増加、NOX排出量を34.1%増加、 PM排出量を23.1%増加(前年度比) △ 環境包装の推進(梱包・包装資材使用量削減) ポリ箱再生 製品輸送用:51.6トン、工程内使用:2.8トン ○ グリーン調達基準書の運用 環境負荷物質管理方法などを見直し改訂した基準書を基に、 説明会を実施 ○ グリーン購入ガイドラインの運用 運用を継続 ○ 環境保全意識の高揚 NSKグループニュースに特集記事掲載、新入社員教育実施 ○ 用紙使用量削減、廃棄物分別、省エネルギーの推進 電力消費量を42%削減、用紙使用量を5.6%増加(前年度比) △ 2004年度実績 評価 開 発 製 造 環 境 報 告 環境負荷物質対策 物流対策 グリーン調達 グリーンオフィス活動 ※物流に関するデータは、網羅性を高めるため、対象とする委託輸送業者を6社から11社に拡大しました。 関連会社 行動計画 項 目 中長期目標 環境マネジメント 2003年度までにISO14001の認証を取得 全生産拠点で取得が完了 ○ 地球温暖化対策 生産高当たりのCO2排出原単位を年率1%低減 CO2排出原単位を7.9%削減(前年度比) ○ 2010年度までにリサイクル率98%以上達成 リサイクル率93.4%達成 ○ 2004年度までにゼロエミッション達成 全社ゼロエミッション達成 ○ オゾン層破壊物質(冷媒用特定フロン、ハロン消火器)を 2005年度までに全廃 冷媒用特定フロンを62%、ハロン消火器を98% 削減(2000年度比) ○ 塩素を含む加工油剤の製品数を2005年度までに2000年 度比50%削減 塩素を含む加工油剤の製品数を48%削減(2000年度比) ○ 廃棄物・リサイクル対策 環境負荷物質対策 ○:目標達成 △:約8割目標達成 ×:未達成 用語解説 RoHS指令:電気電子機器に含まれる特定有害物質の使用制限に関する欧 州議会および理事会指令。 PRTR法:特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進 に関する法律。 NSK Social and Environmental Report 2005 25 監査システムとISO14001 NSKグループでは、環境保全活動は企業の社会的責任の一つであり、企業の維持、発展に欠かせないものと認識し、 環境マネジメントシステムの国際規格であるISO14001の認証取得を進めています。2004年度は新たに国内では 関連会社の1事業所を拡大登録し、全ての生産拠点で完了し、さらに海外では3事業所が取得し17事業所となり ました。 PDCAサイクルとパフォーマンス改善 内部監査員の養成 各事業所では、NSKの企業理念・環境方針に基づき、その立 内部監査のレベルを向上させ、環境マネジメントシステムに関 地条件、製造製品などの事業活動を する従業員の理解を深めるため、毎年教育プログラムに基づい P 加味した事業所独自の環境方針を掲 げ、PDCA (計画→実施→点検→見直 計画 C た外部セミナーなどにより増員、育成を行っています。NSKグ 点検 および 是正処理 ループとして2004年度は50人育成し、総数400人となって 改善 し) サイクルを展開し環境保全に取り 組んでいます。そしてシステムの実 D 実施 および 運用 います。 A 改善 経営層 による 見直し ISO14001の認証取得 効性と環境パフォーマンスの実績を 事業所の 方針 定期的な監査で確認し、組織的・継 ●国内事業所 自社・分社は既にISO14001の認証を取得済みで、関連会 続的に改善を図っています。 社についても認証取得を進めてきました。昨年度はNSKニード 環 境 報 告 ●システム監査 ルベアリング(株)が2004年7月に高崎工場を拡大登録し、 内部監査は、環境マネジメントシステムの中でも重要な位置付 これにより国内の対象全生産拠点と物流関連会社が認証を完了 けにあり、PDCAサイクルが確実に実行されているかの検証と しました。 システムの改善を目的に、年1回定期的に実施されます。また、 外部の審査登録機関による年1回の定期審査と、3年に1回の ●海外事業所 更新審査によって、客観的にシステムの運用状況の評価を行 当社はグローバル企業として海外の生産拠点においても共通の います。 指針を掲げ、環境保全活動を積極的に推進しています。 ISO14001の認証取得もその一環として進めており、2004年 ●パフォーマンス監査 度はタイのNSKベアリング・マニュファクチュアリング (タイ) 地球環境保全委員会の各専門部会 (エネルギー、廃棄物、化学物 社、ポーランドのNSKイスクラ社、そしてインドのラニーNSK 質) では、パフォーマンス実績、法規制の遵守などを定期的に確 ステアリングシステムズ社が認証取得をしました。これによっ 認しています。 て対象20事業所のうち、17事業所が取得を完了しています。 ISO14001 外部審査 指摘事項件数 事業所名 自社・分社 関連会社 軽微 0 4 18 1 大津工場 0 1 6 0 石部工場 0 2 16 0 藤沢工場/技術部 0 0 13 0 埼玉工場/NSKプレシジョン (株) 埼玉精機プラント 0 4 19 1 精機本部 桐原事業所 (旧 NSKプレシジョン (株) 桐原精機プラント) 0 0 6 2 NSKプレシジョン (株) 前橋精機プラント/技術部 0 0 4 0 NSKステアリングシステムズ (株) /技術部 0 0 13 1 NSKニードルベアリング (株) 高崎工場 (拡大審査) 0 0 15 0 NSKニードルベアリング (株) 高崎工場 (定期審査) 0 0 16 1 NSKニードルベアリング (株) 榛名工場 0 0 2 0 NSKワーナー (株) 0 0 8 0 日本精工九州 (株) 0 0 13 1 NSKマイクロプレシジョン (株) 藤沢工場 0 1 12 0 NSKマイクロプレシジョン (株) 松川工場 0 2 6 0 井上軸受工業 (株) 0 0 12 0 旭精機 (株) 0 1 11 0 千歳産業 (株) 0 1 5 0 信和精工 (株) (朽木、 新旭工場) 0 1 12 2 NSKマシナリー (株) 0 3 6 2 NSKロジスティックス (株) (本社、 関東・中部・関西各LC) 0 1 6 0 重大:重大な不適合(システム要求事項に関する手順が完全に欠落している場合など) 軽微:軽微な不適合(重要事項の部分的な欠落) 26 NSK Social and Environmental Report 2005 観察 SP 重大 NSK福島 (株) 観察:観察事項(不適合ではないが、システムとして効果的な改善が望ましい事項) SP:ストロングポイント(活動の中で見受けられた特筆すべき良い点) 海外におけるISO14001認証取得状況(取得年月) NSKコーポレーション社 クラリンダ工場 2002年7月 取得済事業所 昨年度取得事業所 取得予定事業所 NSKステアリングシステムズ・ヨーロッパ社 ピータリー工場 2001年9月 NSKベアリング・ヨーロッパ社 ピータリー工場 1999年2月 NSKベアリング・ヨーロッパ社 ニューアーク工場 2006年取得予定 NSKプレシジョンUK社 2000年5月 ノイベック社 2001年1月 NSKコーポレーション社 アナーバー工場 2001年11月 NSKステアリングシステムズ・ アメリカ社 2002年12月 NSK韓国社 昌原工場 1997年12月 NSKコーポレーション社 フランクリン工場 2002年11月 昆山恩斯克有限公司 2003年12月 NSKコーポレーション社 リバティ工場 2006年取得予定 NSKベアリング・ マニュファクチュアリング(タイ)社 2004年6月 NSKイスクラ社 2004年8月 ラニーNSKステアリングシステムズ社 2004年11月 NSKベアリング・インドネシア社 ジャカルタ工場 2000年3月 NSKプレシジョン・アメリカ社 NSKマイクロプレシジョン社 フランクリン工場 マレーシア工場 2006年取得予定 2002年1月 サイアム・NSKステアリングシステムズ社 2000年11月 国内におけるISO14001認証取得状況(取得年月) 環 境 報 告 NSKブラジル社 スザノ工場 2000年1月 NSKプレシジョン(株) 前橋精機プラント/技術部 1999年12月 取得済事業所 昨年度取得事業所 NSKニードルベアリング(株) 高崎工場 2004年7月 NSKニードルベアリング(株) 榛名工場 2001年1月 NSKマイクロプレシジョン(株) 松川工場 2004年4月 NSK福島(株) 1998年7月 信和精工(株)朽木、新旭工場 2002年12月 NSKステアリングシステムズ(株)/技術部 1999年12月 石部工場 1998年10月 大津工場 1999年11月 埼玉工場/NSKプレシジョン(株) 埼玉精機プラント 1998年9月 NSKマシナリー(株) 2003年3月 NSKロジスティックス(株)本社 2003年10月 NSKロジスティックス(株)関西LC 2003年10月 桐原事業所/技術部 1999年11月 日本精工九州(株) 2000年10月 NSKロジスティックス(株)関東LC 2003年10月 井上軸受工業(株) 2001年2月 NSKロジスティックス(株) 中部LC 2003年10月 NSKマイクロプレシジョン(株)藤沢工場 2001年6月 旭精機(株) 2003年12月 藤沢工場/技術部 1999年9月 NSKワーナー(株) 2001年3月 千歳産業(株) 2003年11月 ※社名がない事業所はNSKの自社工場です。 NSK Social and Environmental Report 2005 27 環境教育 環境保全の取り組みをより深め、より実効性をあげていくには、従業員一人ひとりが意識を高めながら、正しい知識に 基づいて取り組みを実践することがなにより重要です。NSKでは、従業員の意識を高める啓発活動と知識を深める階 層別教育を継続して実施しています。 階層別に実施する従業員教育 グループ全体の意識を高める啓発活動 新入社員から経営層まで、それぞれの立場・役割に対応した環 ●NSKグループ企業に広く配布する 「NSKグループニュース」 境関連の情報を周知し、知識や技術の習得を図るため、階層別 に、∼環境への取り組み∼とのタイトルで記事を連載し、NSK に従業員の教育を実施しています。 を取り巻く様ざまな環境問題や各分野での取り組み事例を紹介 しています。2004年度は 「有害な化学物質排除への取り組み」 ●本社で行う新入社員の集合研修では、環境講座をカリキュラ 「物流分野の環境保全への取り組み」 「社会・環境報告書2004が ムに組み入れています。講座では 「なぜ環境への取り組みが必要 完成」 についての記事を掲載し、活動への理解と取り組みの実践 なのか」 、 「NSKの環境への取り組み」 、 「自分たちができる取り を促しました。また海外の従業員向けの社内報 「NSK NEWS 組みへのアドバイス」 などを分りやすく説明し、これから各職場 LETTER」 では、各国の事業所紹介などのほかに、展示会での環 で活躍する上で、基本となる知識習得を狙った教育を実施して 境貢献型商品のアピールなど、環境への取り組み情報を随時掲 います。 載しています。 ●各工場では、社員のほか、派遣従業員や常駐する業者に対し 環 境 報 告 ても、定期的に環境教育を実施しています。教育では、環境問 題への理解を深め、法規制等の遵守の 徹底を図るとともに、各員それぞれの 業務が環境に与える影響を理解して活 動することにより、取り組みのレベル アップを図ることを狙っています。 ●環境負荷物質に関するお客様からの要求が高度化する中、そ の要望に的確に応え、社内に必要な取り組みを確実に展開する ため、営業部門や代理店および製造部門を対象とした教育を実 ●各工場では 『環境月報』 を発行して各部署に配布しています。 施しました。教育では、新たに発足した化学物質対策プロジェ 月報では、エネルギー消費量や廃棄物リサイクル率などの環境 クトチームの担当者が講師を務め、規制の動向やお客様の要求 パフォーマンスの推移を示すとともに、各専門部会の活動や工 の内容、さらにNSKの対応などを詳しく説明しました。 場独自の特色を生かしたトピックスを適時掲載し、従業員に積 極的な取り組みを促しています。NSKプレシジョン (株) 前橋精 2004年度の環境教育に関する受講人数と回数 教育の種類 1 環境分野の法規制の遵守徹底を図る ための教育 2 環境意識の向上を図るための教育 3 環境内部監査員など環境に関する資格取得を 目的とした教育 4 環境配慮設計、 グリーン購入・調達に関する教育 28 NSK Social and Environmental Report 2005 機プラントでは、廃棄物のリサイクルに関する記事を連載し、 受講人数 回 数 808 35 6,073 57 51 31 343 9 各部署に取り組みを要請しました。記事では 「廃棄物置場でのレ イアウト」 、 「廃棄物の分別の方法」 などを分りやすく紹介し取り 組みレベルの向上を図りました。 環境会計 NSKでは、環境保全活動にかかわるコストとその効果を定量的に把握・評価するための重要な経営ツールとして、また 皆さまに当社の活動をご理解していただくためのコミュニケーションのツールとして1999年度より環境会計を導入し 公開しています。 集計結果 2004年度の環境保全コストは投資合計額約20.1億円、費用合 地球環境保全コストやリサイクルを推進する資源循環コストの 計額約68.5億円でした。また、経済効果は約2.5億円となって 投資額を2003年度より増やし、CO2排出原単位改善とゼロエ います。環境保全コストの約7割が環境貢献型商品および環境 ミッションのレベルアップに大きく寄与しています。環境会計 保全型技術などの研究開発にかかわるもので、特に商品による は今後、関連会社にも集計を拡大していく予定で、NSKワー 環境貢献に力を注いでいます。また、省エネルギー対策などの ナー (株) では導入を開始しています。 環境保全コスト 分 類 2003年度 百万円 公害防止コスト 事 業 エ リ ア 内 コ ス ト 地球環境保全コスト 資源循環コスト 小 計 71.3 262.6 53.9 387.8 投資額 2004年度 百万円(%) 2003年度 百万円 費用額 2004年度 百万円(%) 主な内容 (9.3) 431.8 442.5 (6.5) ・集塵機、ばい煙除去装置などの保守・点検・維持管理 ・脱臭装置など悪臭対策 ・地下タンク・埋設配管などの改修・地上化 ・環境影響設備の保守・点検・維持管理 ・排水処理設備、廃液処理設備の保守・点検・維持管理 379.9 (18.9) 174.5 242.2 (3.5) ・インバータ化などの省エネルギー対策 ・天然ガス化などのクリーンエネルギー化 ・オゾン層破壊物質削減対策 (6.4) 397.4 477.5 (7.0) ・研削くずブリケット化設備の導入 ・廃棄物リサイクル・減量化対策 ・一般・産業廃棄物の処理・処分 696.9 (34.7) 1,003.7 187.7 129.3 環 境 報 告 1,162.2 (17.0) 0.0 17.1 (0.9) 124.1 173.5 (2.5) ・グリーン購入(低公害車、OA機器、紙、文房具、作業服等) ・ポリ箱リサイクル 管理活動コスト 12.1 16.7 (0.8) 396.2 430.8 (6.3) ・緑化工事 ・ISO14001の維持・運用 ・環境負荷の測定・分析 研究開発コスト 541.6 1,278.0 (63.6) 2,637.4 社会活動コスト 0.0 0.0 (0.0) 36.9 37.0 (0.5) ・WWFジャパン、日本経団連自然保護基金、 メカトロニクス技術高度化財団などへの寄付、会費 環境損傷コスト 0.0 0.0 (0.0) 39.5 15.8 (0.2) ・浄化設備の維持管理 2,008.7(100.0) 4,237.7 上・下流コスト 941.5 合 計 5,026.3 (73.4) 6,845.5(100.0) 環境保全の経済効果 項 目 ・新規開発製品に関する環境保全を主目的とした研究開発 環境保全の物量効果 金額(百万円) 省エネルギー対策による効果※1※3 2003年度 117.2 2004年度 118.1 廃棄物の減量化対策による効果※1 33.0 40.8 廃棄物再資源化による有価物売却益※2 84.0 94.0 234.2 252.9 合 計 ※1 5年間(2000∼2004年度)分の投資による効果を含む ※2 関連会社などへの有価物売却による収入 ※3 2003年度の数値に一部誤りがあり訂正しました 項 目 工場部門 物流部門 対前年度比較 2003年度 2004年度 CO2排出原単位 7.4%改善 0.2%改善 水使用量原単位 1.2%改善 3.8%改善 廃棄物埋立処分率 0.1%改善 0.1%改善 廃棄物リサイクル率 0.4%改善 0.6%低下 CO2排出原単位 4.4%改善 3.5%増加 【集計方法】 ● ● ● 対象期間:2004年4月∼2005年3月 組織の範囲:自社・分社工場、技術部、物流および本社部門 環境保全コストの集計基準 ● ● ● ● ● 環境保全効果の集計基準 確実な根拠に基づいて算出される経済効果(貨幣単位)と環境対策により得た物量効果を計上 ● みなし効果(リスク回避効果、利益寄与推定効果など)は対象外 ● 環境省「環境会計ガイドライン2002年度版」に準拠し、投資・費用それぞれの金額を集計 減価償却費は、5年定額法により費用として計上(過去5年間の減価償却費を当期費用として計上) 複合コストは、環境目的の割合に応じて按分計上 グリーン購入の費用は、差額集計ではなく全額集計 用語解説 研削くずブリケット化:廃棄物対策として工程から排出される研削くずを製鋼 原料としてリサイクルするため加圧によりこぶし大程度の大きさの固形物 (ブ リケット) に加工すること。 NSK Social and Environmental Report 2005 29 開発・設計段階での取り組み ライフサイクルを視野に入れた環境貢献型商品の開発 NSKの製品は、自動車、電機をはじめとするあらゆる分野の機械装置に組み込まれ、回転運動や直線運動を滑らかに 支える機械要素として環境保全に役立っています。NSKでは、製造工程から生じる環境負荷の一層の低減をめざすと ともに、お客様の機械に組み込まれて使用される段階で省エネルギー、省資源、クリーン・アメニティの効果を提供す る環境配慮型製品の設計・開発を志向しています。2004年度も地球温暖化対策や環境負荷物質排除など地球環境への 負荷を低減する環境貢献型商品の開発を積極的に推進しました。 環境配慮型の設計・開発をめざす 製品技術と製造技術の両面から取り組む NSKグループでは環境方針の中で、「環境負荷低減型の商品づ ●環境貢献型商品、環境保全型技術の創出 くりと技術開発を行う」ことを標榜しています。これを、設計・開 転がり軸受、ボールねじ、リニアガイドをはじめとするNSK 発部門の日常業務の中で着実に実施していくために、2001年 の商品は、その機能、性能、特性から、それ自体が省エネルギー 度から、全技術部門共通の基本方針と各部門独自の行動指針を や省資源に寄与する環境配慮型製品としての性格があります。 策定しました。商品企画の段階から、製品のライフサイクルを また、使用する鉄鋼材料の多くは、スクラップから再生され 考慮した環境配慮型の設計・開発をめざしています。 た鋼材を利用し、役目を終えた製品は、新たな鋼材としてリサ イクルされており、原材料から生産、廃棄に至るライフサイク 環境配慮型製品開発の基本方針 環 境 報 告 ルを通して環境に負荷をかけない製品づくりを行っています。 我々は、環境にやさしい製品を提供するために、研究開 環境対応への技術による当社の大きな使命は、製品が使用さ 発、設計、生産、使用、廃棄までのライフサイクルを通 れる段階において省エネルギー、省資源、クリーン (環境負荷物 して、環境負荷の最小化をめざした製品開発に努めます。 質排除) などの効果を提供する環境貢献型商品を創出するととも 1. お客様での使用時に、省エネルギー・省資源に寄与す に、材料・部品選択∼製造出荷∼廃棄に至るまでを考慮した、 環境への負荷を低減する環境保全型技術 (加工方法、製造技術) る製品づくり 2. 製造時のエネルギー・資源使用量を極力低減した製 り組み、自主基準を満たす環境貢献型商品および環境保全型技 品づくり 3. 環境負荷物質の使用ゼロをめざした製品づくり 術の2004年度登録件数を、前年度比17件増加させ108件と 4. 低振動、低騒音、低発塵など人にやさしい製品づくり しました。 技術から見た環境対応マトリックス プロセス 環境効果 省エネルギー (電力、燃費削減) 省資源 (できるだけ長持ち、 資源少なく、再利用) クリーン、 アメニティ (環境負荷物質排除、 メインテナンスフリー、 環境汚染防止、 音・振動低下) 用語解説 30 を構築することです。当社では生産・販売・技術が連携して取 環境貢献型商品 環境保全型技術 商品企画 付与する特長・機能 (お客様での効果) 材料選択配慮 部品選択配慮 潤滑剤選択配慮 廃棄面配慮 軽量・小型化、 低トルク化、高速化 環境負荷エネルギーの 少ない材料・部品選択 加工容易化、加工しろ削減、 熱処理時間短縮 CVT、EPS、ハブユニット軸受、 低トルク玉軸受、 樹脂ケージ付ローラクラッチ 迅速浸炭中炭素鋼 熱処理変形矯正技術 マイクロマシン加工技術拡大 長寿命化、 ユニット化、小型化、 高耐食化、高耐熱化 易リサイクル、軽量材料 歩留まり向上、 内外輪親子取り技術、 ニアネットシェイプ化 新材料長寿命軸受、 潤滑ユニット付リニアガイド、 ロバストシリーズ軸受 中空シャフト利用 高強度樹脂部品利用 冷間ローリング加工、 精密転造加工、 セグメントフェーシング技術 再生プラスチック利用 クリーン化、高密封化、 低騒音・低振動化、 無発塵化、無給脂化 環境負荷物質排除の材料・部品、 新代替材料使用、 生分解性潤滑油 工場内環境負荷物質不使用、 洗浄液無害化、 ドライ加工推進 廃棄後(埋め立て、焼却) にも環境負荷物質を 排出しない R ルブガード ベアリング きしり音防止軸受、 静音ボールねじ 生分解性グリース、 クロム・鉛フリー部材へ代替、 チタン合金利用 PRTR法対象物質削減、 オゾン層破壊物質全廃 塩化ビニルフリー、 臭素系難燃剤フリー CVT:無段変速の自動車用トランスミッション機構。変速ショックが無いことが特長。 EPS:電動パワーステアリング。運転者のハンドル操作力をモータで補助する装置。 ハブユニット軸受:内輪、外輪、玉、保持器がユニット化されて自動車に直接取り付け NSK Social and Environmental Report 2005 製造・出荷工程配慮 リサイクル リサイクル 易分解性 られるホイール用軸受。 中空シャフト:軽量化のために、丸棒状の部材の中心部を中空にした管状の軸。 メインテナンスフリー:機械設備の維持、管理、保守頻度を少なくしたり、無くすこと。 環境負荷物質の使用ゼロをめざして ●化学物質対策プロジェクトチームを発足し取り組みを強化 ●環境負荷物質削減の進捗状況 NSKでは製品開発の基本方針の一つとして「環境負荷物質の使 NSKでは、製品に含まれる環境負荷物質の削減計画を立案し、 用ゼロをめざした製品づくり」を掲げています。電気電子機器を 着実に取り組んでいます。削減の進捗状況を下記に示します。 対象とした欧州RoHS指令 (鉛、六価クロム、カドミウム、水 今後も環境負荷物質の使用ゼロをめざして、自主的な管理、取 銀、臭素系難燃剤2種の使用禁止。2006年7月実施) や自動車 り組みを進めるとともに法規制の遵守 (コンプライアンス) を維 を対象とした欧州ELV指令 (鉛、六価クロム、カドミウム、水銀 持します。 の使用禁止。2007年7月完全実施) を直前にして、お客様から 環境負荷物質削減の進捗状況 の様ざまな要求に迅速に対応する必要性が高まってきました。 製品群 対象物質 そこで、2004年7月に地球環境保全委員会の中に、部門横 対象部位 代替完了期日 六価クロム (表面処理) ・シールド板 ・シール芯金 ・プーリユニット ・ハブユニット軸受用ボルト 2003/03 2004/03 2005/03(客先指定除く) 2004/12 鉛 ・グリース添加剤 ・プーリユニット塗装 2003/03 2004/12 六価クロム ・ステアリング部品表面処理 ・電動パワステ電子部品 代替実施中 2004/12 鉛 ・ステアリング部品カチオン塗装 ・ローラクラッチ用ブロックベアリング 2004/06 2004/03 六価クロム (表面処理) ・ボールねじ、直動案内用ボルト ・直動案内用シール芯金 ・直動案内用シールカラー 2005/06 2005/06 2004/03 やむを得ず削減対象となる物質を使用する場合には、設計者が 鉛 ・直動案内用シール接着剤 2005/05 廃止までの削減計画を立案して実行すること、また申告対象と 鉛 ・はんだ※ 代替実施中 なる物質を使用する場合には、代替物質の選定を行うことを義 六価クロム ・板金・締結部品表面処理 代替実施中 断的な 「化学物質対策プロジェクトチーム」 を設立し、環境負荷 軸受 物質の削減をさらに積極的に推進しています。 1997年3月に制定した社内規定「製品含有環境負荷物質の管 理規定」については、最新の法規制のみならず、国内外のお客様 の化学物質規則を反映させた第4版として2005年5月に改訂し 自動車部品 ました。この規定は製品設計、グリーン調達での化学物質管理 における最上位の標準規定となっています。具体的には、禁止 58、削減19、申告45の化学物質群を管理対象としています。 精機製品 メカトロ製品 務付けています。 RoHS指令の対象となる転がり軸受、ボールねじ、リニアガ イドに対しては、2005年6月末までに、規制される6種の化学 環 境 報 告 臭素系難燃剤 ・配線被覆材 (PBB,PBDE) カドミウム 2004/03 ・ニッケルカドミウム電池 2006/01予定 ※鉛成分85%以上の高融点はんだは除く 物質の使用を禁止し、指令の実施期限よりも1年早く対応でき る体制を整えました。 ●環境負荷物質代替技術の紹介 対策チームでは、NSK製品に含まれる環境負荷物質の削減を ローラクラッチは回転の一方向に対してのみトルクを伝え、逆 推進するだけでなく、お取引先や素材メーカから部品・素材の 方向には空転するワンウェイクラッチの一種で、主に自動車の 化学組成データを入手し、社内で共有化を図り、さらにお客様 自動変速機に使用されています。 である自動車メーカが中心となり運用する化学組成データベー このローラクラッチに組み込まれているブロックベアリング スIMDS (International Material Data System) を通じての と呼ばれる部品には、剛性を向上させるため鉛を数パーセント 情報開示など、NSKに寄せられる多様な要求に迅速に対応で 添加した鉛青銅を使用していました。そこでNSKでは、環境負 きる体制を整備しています。また環境負荷物質の排除を素材・ 荷物質を使用しない銅系の焼結成型材を開発し代替しました。 部品調達の段階から推進するため、お取引先にNSKの環境負 荷物質管理基準のご説明やご協力の要請を行うなど、お客様、 お取引先、NSKが一体となった環境負荷物質削減を進めており、 ともに法規制の遵守 (コンプライアンス) を達成できるようにし ています。 用語解説 欧州ELV指令:使用済自動車からの廃棄物の低減、適正処理を目的とした欧州廃車指令。 RoHS指令:電気電子機器に含まれる特定有害物質の使用制限に関する欧州議会お よび理事会指令。 六価クロム:黄色から赤色を呈する六価クロム化合物は、激しい刺激性を持ち、接触によ る皮膚や吸入による鼻粘膜などに障害をもたらし、発ガン性が指摘される物質。 NSK Social and Environmental Report 2005 31 商品紹介 グリース封入、軸受洗浄を省く環境対応新包装 工作機械用の精密軸受は、より高い回転精度を得るために微細 その一方で、1995年から「水、鉄粉混入下での材料・熱処理 なチリやほこりの付着も嫌われます。そのため、従来はお客様 面からの長寿命化」という課題への取り組みを開始し、新しい長 が機械に組み込む直前に、改めて洗浄を行い、潤滑グリースを 寿命材料の開発成果を取り入れた、 『ウォータータフ 封入していました。そこでNSKでは、グリース封入や洗浄の手 開発しました。 『エクストラキャパシティ密封軸受』 の特長も引 間を省ける新包装 『グローバルパッケージ』 を設定しました。新 き継ぎながら、従来軸受と比較して約3倍の長寿命化を達成し、 しい包装はあらかじめグリースを封入した軸受を、気化性防錆 鉄鋼用設備のメインテナンスコスト削減と省エネルギー・省資 仕様のフィルムで密封し、組み込み時に溶剤などによる洗浄が 源化に貢献しています。 R 軸受』 を 必要となる防錆油の使用を避けるとともに、搬送時のグリース の飛散やチリやほこりなどの異物付着を防止し、高い清浄度を 維持したままお客様にお届けすることができます。 これにより、お客様で行っていた軸受の組み付けまでの工程 が省略されるとともに大幅な作業時間の短縮を可能にします。 環 境 報 告 また、洗浄が不要になることから作業環境の改善や省資源にも 貢献します。 NSKは製品の機能を向上するとともに、それをお客様に届け る包装にも配慮した細やかな取り組みを進めています。 ロールネック用 『ウォータータフ 軸受』 R 特長 1. 新材料と独自熱処理技術により水・鉄粉混入下で長寿命 2. 材料の超高清浄度化で初期クラックの発生を抑制 3. 独自の特殊熱処理技術で発生クラックの進展を抑制 過酷な異物環境下でも大幅な耐久性を向上させたリニアガイド 『V1シリーズ』 リニアガイドは直線運動を支える機械要素として、金属加工機 械や木工機械などの工作機械や、その他搬送装置などに多く使 用されています。 鉄鋼用圧延設備のメインテナンスコスト削減に貢献する ロールネック用軸受 『ウォータータフ R 軸受』 周辺に大量に付着するような過酷な環境下で使用されることが 鉄鋼用設備のなかで板材を生産する圧延機にはロールネック あります。異物粉の例として加工機械から発生する金属、セラ 用軸受として四列円すいころ軸受が使用されています。ロール ミックス、ゴム、木くず、溶接スパッタなどが挙げられます。 ネック軸受は、圧延時の振動・衝撃・重荷重が加わるだけでは このような環境では、異物がリニアガイド内部に侵入し異常摩 なく、冷却水や鉄粉にさらされる、非常に過酷な環境で使用され 耗を引き起こし破損に至るケースがあり、異物にさらされても るため、定期的なメインテナンスが不可欠で、ユーザーからは、 寿命の長い製品が求められていました。 長寿命化と信頼性向上の要望が強く寄せられています。 このような要求にお応えし、従来品よりも飛躍的に防塵性を NSKでは、軸受内への水・鉄粉の侵入対策として1999年に 高め、異物がリニアガイド内部に侵入することを防ぎ、長寿命 シール性能を向上させ、かつ高負荷容量の設計構造にした 『エク を実現したリニアガイド 『V1シリーズ』 を開発しました。各種 ストラキャパシティ密封ロールネック軸受』 を開発、市場投入 機械のコンパクト化・省資源化に貢献しています。 し、高い評価を得てきました。 用語解説 32 用途の多様化に伴い、大小様ざまな異物粉がリニアガイドの 溶接スパッタ:溶接加工時に飛び散る金属粉。 NSK Social and Environmental Report 2005 風力発電用風車用軸受 風力発電は、太陽光発電と並ぶクリーンエネルギーの代表格です。 世界の風力発電の設備容量は2004年末では47,317MWで、 前年度より20%も増加し、風車の巨大化、大規模ウインド ファームや海上への建設など本格的な風力エネルギー利用の時 代を迎えています。なかでも、欧州では強力な環境政策の 後押しもあって、風力発電の技術と発電量において世界をリー NSKリニアガイド 『V1シリーズ』 特長 1. 世界に先駆けて多段リップの高防塵シールを採用し、異物通過量を従 来品の1/10以下に低減 2. 潤滑ユニット 『NSK K1 R 』 を装着し、ボール走行部とシールリップ部 の潤滑性・耐久性が向上し、異物環境下で寿命が大幅に向上 (微細木く ず環境下で2倍以上、ゴム粉環境下で5倍以上) ドしており、世界全体の風力発電量の72.4%を占めています。 風車は高効率化を求めて、より大きな羽根でより強く風を 受けるために年々大型化が進んでおり、最近では回転する羽 根の直径および支柱の高さが60m以上 (20階建てのビルに相 当)、発電量1,000kW (日本の一般家庭およそ600世帯分の 電力をまかなえる発電能力) を超える巨大な風車が普及し、さ 環 境 報 告 らに実用化に向けて試作されているものでは5,000kWの風 米粒より小さい、世界最小の玉軸受の製造に成功 車も運転されています。 NSKマイクロプレシジョン (株) では、外径2mm、内径0.6mm 大型化に伴って軸受にかかる荷重も増大する一方、高所へ の世界最小径深みぞ玉軸受の製造に成功し、量産技術を確立し の設置を容易にするため軽量化が求められています。また海 ました。全ての軌道面は精密研磨、超仕上げ加工が施され、超 上や山上、高温や極寒地など様ざまな過酷な環境に設置され、 精密・静音型の深みぞ玉軸受として国際規格の要求精度をクリ メインテナンスフリーで長時間故障することなく稼働する高 アしています。 い信頼性も強く求められます。 従来、量産レベルでは外径4mmが一番小さい軸受でしたが、 NSKでは、今まで培った豊富な経験と様ざまな使用条件を IT製品のダウンサイジングにより、要求される軸受の精度や性 想定した解析技術を駆使して、新しい分野である風車独特の 能を現状と同等以上にしつつ、外径・幅寸法を小さくしたいと 使用条件を踏まえた専用の軸受を開発し供給しています。 いうニーズを先取りして開発したものです。この開発は通常の (発電量データは2004年末時点、出典:世界風力エネルギー協会) 軸受製造技術に比ベ、ワンランク高い超極小軸受加工技術によ り可能になったものです。超小型・超薄型の加工機械や精密計 測機器などの分野で、省エネルギー・省資源化に貢献するとと もに、今後の新しい用途開発への期待が高まっています。 米粒の上にのせた世界最小の玉軸受 特長 1. 世界最小で超精密、高精度な静音型深みぞ玉軸受 2. 内輪・外輪・玉は全てステンレスで耐食性に優れる 用語解説 ウインドファーム:海上などに複数の風力発電用風車を設置した風力発 電所。 NSK Social and Environmental Report 2005 33 ヨーロッパの風をとらえて ―風車用軸受開発の現場から― 未来をカタチにする 神田 私は入社2年目から風車プロジェクトにかかわりました。客 先からの仕様書を最初に読んだ時は、私自身が経験不足だったこ ともあって、かなり戸惑いを感じたことを覚えています。風車は、 15∼20年回り続けることによって初めてその巨額な建設費が回 収できる機械です。また万一不具合が発生した場合には、多額の 補修費用が発生します。従って、軸受にも非常に高い信頼性が求 められます。一方で、風車用軸受は大型製品にもかかわらず、納 期が短く、設計と製造が同時進行しなければならないこともしば しばありました。運転データやお客様との打ち合わせを踏まえて、 総合研究開発センター 新技術開発第一部 エクゼクティブ・チーフエンジニア 工学博士 環 境 報 告 総合研究開発センター 新技術開発第一部 力を注ぎました。 今では自分の設計した軸受が、ヨーロッパは勿論、世界中で使 なつめだ 棗田 伸一 設計変更や開発実験を繰り返しながら、耐久性、信頼性の向上に 神田 裕 われていることを思うと、達成感でいっぱいです。NSKは若手・ ベテランを問わず、世界を相手にチャレンジングな仕事をさせて NSKは、1980年代後半から風車用軸受の納入をしてきました くれる会社であることを実感しましたし、その成果が新たな時代 が、1990年代後半からそれまで以上に力をいれて開発に取り に対応したクリーンなエネルギーの普及に役立つこと、地球環境 組むようになりました。自然エネルギーを利用するシステムの要 に貢献できることにつながっています。新技術の開発は日々の地 (カナメ) として、軸受が直接使用されるこのテーマへの挑戦は、 道な努力の積み重ねが必要ですが、とてもやりがいのある仕事だ 地球環境保全に力を注ぐNSKに与えられた使命とも言えるプロ ジェクトとなりました。 風車用軸受への挑戦 棗田 風車を特別に意識するようになったきっかけは、風力発電 の普及が進む欧州からの情報でした。当社のドイツ現地法人 (NSK ドイツ社) が風車の可能性、成長性を肌で感じ、その重要性を伝え てきたのです。 1台の風車には様ざまな種類の軸受が100個以上も使われてい ます。もともと風という自然を相手にしているため、軸受設計に おいては様ざまな条件を想定する必要があります。現在、風車 1台当たりの発電量を大きくするための大型化は、技術の発達や、 経験の蓄積を上回る速さで急速に進んでいますので、今後ますま す難しい設計が求められるようになるでしょう。 限られた開発期間の中で、これまでの軸受との仕様の違いや、 日本とヨーロッパのモノつくり文化の違いに戸惑ったこともあり ますが、私はこれをチャンスと捉えました。お互いの違いを受け 入れ、コミュニケーションを密にとり続けたことで、最終的に お客様に満足いただける製品を納めることができ、光栄に感じて います。 34 NSK Social and Environmental Report 2005 と思っています。 調達段階での取り組み グリーン調達 NSKではサプライチェーン全体を視野に入れて、より環境負荷の少ない製品をユーザーにお届けするために、お取引 先と連携して、調達する部品の製造や原材料の段階から環境負荷の低減に取り組んでいます。2004年度は全国6カ所 でグリーン調達説明会を開催し、連携を一層強固にし新たな段階の取り組みをスタートさせました。 活動方針 ●グリーン調達 (原材料・部品・資材など) 詳しくご説明し、確実な取り組みを要請しました。 ・ 原材料・部品、資材、包装材料などの環境負荷低減 ●お取引先の評価にグリーン調達の視点を追加 ・ 環境負荷物質の管理と排除の促進 NSKでは、新たにお取引を開始する際に、従来の品質・価格・ ・ お取引先への働きかけ 納期に加え、2001年からは、環境への取り組み状況や調達 ●グリーン購入 (一般購入品) 品への環境配慮についての自己評価をお取引先にお願いし、 ・ 購入品の環境負荷低減 グリーン調達の視点から、より環境保全活動に積極的なお取 ・ 従業員の意識向上 引先から、より環境負荷の少ない調達品を購入する様に努め ています。 サプライチェーンを通して環境負荷低減をめざす ●全国6カ所でグリーン調達説明会を開催 お取引先の評価(2004年度) NSKでは、お客様に環境貢献型の商品をお届けし、省エネル 0% ギーや省資源などに貢献するため、製品の開発から製造出荷、 さらにお客様での使用までの各段階で環境負荷低減に努めてい 27% 88社 ます。特に、最近ますます厳しくなる環境負荷物質管理とその 要改善 326社 情報開示へのお客様の要求に対応するため、お取引先と連携し 環 境 報 告 優先取引 新規取引中止 て、サプライチェーンを通じた管理体制の強化を進め、部品や 73% 238社 原材料およびその製造段階からキッチリと管理し環境負荷物質 の含有などの情報を把握することが不可欠です。そのためNSK では、「NSKグリーン調達 今後の取り組み 基準書」 「NSK環境負荷物質 NSKはこれからも、お取引先との連携を強化するとともに、取 リスト」 を改定するととも り組みのレベルを向上し、一層の環境負荷の低減に努めます。 に、全国6カ所で説明会を また、海外事業所についてもグリーン調達の取り組みを順次展 開催し、約350社のお取引 開し、さらなる充実を図ります。 先に、趣旨や必要な管理を ■グリーン調達の仕組み お取引先 グリーン調達 基準書 ●環境マネジメント システム運用 ・環境に配慮した ●環境配慮型設計 部品や油剤など ●環境負荷物質の ・環境情報 管理と削減 ●環境情報の開示 用語解説 お客様 NSK 調達 開発・設計 営業 環境配慮の ニーズ 製造 ●環境マネジメントシステム運用 ●環境配慮型設計 ●環境に負荷をかけないモノつくり ●環境負荷物質の管理と削減 ●環境情報の開示 グリーン調達:環境に配慮された製品を、環境保全に積極的に取り組む企業 から優先して購入する取り組み。これにより、社外に活動が波及することが期 待される。 商品を通じた 環境貢献 ・環境貢献型商品 ・環境情報 ●省エネルギー ●省資源 ●環境負荷物質排除 ●安全性・快適性の向上 サプライチェーン:原材料の供給者(お取引先) から消費者(お客様) までを 結ぶ、開発・配送・購入、販売など一連の業務のつながり。 NSK Social and Environmental Report 2005 35 製造段階での取り組み 地球温暖化対策 NSKの生産活動で排出される温室効果ガスは、ほとんどが二酸化炭素 (CO2) です。地球温暖化防止に大きな意味を 持つ京都議定書が発効され、より活発な温室効果ガス削減活動が求められていますが、NSKでは早くから省エネルギ ーを通じてCO2排出量の削減に取り組んできました。2004年度は自社・分社と関連会社で、目標を上回って達成する ことができました。 ●コージェネレーションシステムの導入 2004年度の結果 NSKは製造工程で排出されるCO2について、生産高当たりの排 日本精工九州 (株) やNSKプレシジョン (株) 前橋精機プラントな 出原単位を2010年度までに1990年度比で23%削減する目標 どで稼働しており、発電した電力で工場内の設備を稼働させる を掲げ取り組んでいます。2004年度は、CO2排出原単位を前 ほか、発電機の排熱を利用して作った温水や蒸気を恒温室の空 年度比0.2%削減、1990年度比21.2%削減し、目標を上回っ 調などに活用しています。 て達成することができました。関連会社についても前年度比 ●省エネルギー活動 7.9%削減と改善しています。 以前よりNSKではAPS (Advanced Production System) と 呼んでいる生産革新活動を展開し、工程内のムダを徹底的に排 環 境 報 告 対策活動の狙い 除することで生産効率の改善を図っています。また、非稼働時 NSKは下記の内容で地球温暖化防止に取り組んでいます。 のエネルギー削減、照明器具やポンプのインバータ化による部 ・クリーンエネルギー化 分負荷運転、設備保全による安定稼働などを実施しています。 ・排熱利用の推進 ●高効率設備への転換 ・省エネルギー活動の推進 高効率ターボ冷凍機への更新は、特定フロン全廃を目的に省エ ・高効率エネルギー設備への転換 ネルギーも考慮し、CO2削減に効果があります。藤沢工場では 計画的に更新しています。 具体的な活動内容 ●天然ガスへの燃料転換の推進 2010年度目標に向けて CO2排出係数の小さい天然ガスへの転換を図り、NSKニードル NSKグループとして今後も継続的に固定エネルギー削減のため ベアリング (株) 榛名工場では熱処理設備・空調設備の全てを完 の改善を推進するとともに、天然ガス化、省エネルギー生産ラ 了し、NSKステアリングシステムズ (株) 総社工場では空調設備 インの導入を重点課題として温暖化対策に取り組んでいきます。 を灯油から天然ガス化しました。その他の工場でも展開推進ま たは検討を実施しています。 CO2排出量およびCO2排出原単位の推移 2004年度エネルギー消費量(熱量) 水使用量推移 排出量実績 自社・分社(右軸) 排出量実績 関連会社(右軸) 排出原単位目標 自社・分社(左軸) 排出原単位目標 関連会社(左軸) 排出原単位実績 自社・分社(左軸) 排出原単位実績 関連会社(左軸) (t-CO2/百万円) 3.5 3.0 自社・分社 4,589 千GJ 2.5 (千m3/年) 電力 73.4% LPG 7.9% 灯油 7.4% A重油 6.4% 自社・分社(井水・工業用水) 自社・分社(上水) 関連会社(井水・工業用水) 関連会社(上水) (m3/百万円) 関連会社(原単位)(右軸) 20 自社・分社(原単位)(右軸) 3,000 15 2,000 10 都市ガス 4.6% その他 2.0 (千t-CO2/年) 1.5 300 関連会社 200 100 0.4% 2,172 千GJ 電力 67.4% LPG 11.3% 灯油 10.2% A重油 1,000 5.6% 都市ガス 5.4% その他 90 99 00 01 02 03 04 05 10(年度) 0.2% 0 97 98 99 00 01 02 03 04 05(年度) ・電力の発熱量は需要端の数値を採用。 注)・電力会社からの購入電力のCO2排出量は、対策評価として火力発電の換算値により算出。 100万円当たりのCO2排出量 ・LPG、灯油、A重油、都市ガス、軽油、ガソリンのCO2換算値は環境省資料に基づく。 ・CO2排出原単位とは、付加価値生産高(=生産高−外部流出費) 用語解説 36 コージェネレーションシステム:エンジンやタービンなどで発電し、同時に発 生する排熱を空調や給湯、生産設備などに利用するエネルギー効率の非常 に高いシステム。 NSK Social and Environmental Report 2005 製造段階での取り組み 廃棄物・リサイクル対策 NSKは循環型社会の構築に貢献していくために、2002年度に自社・分社工場で達成したゼロエミッションの取り 組みを、関連会社を含むグループ全体へ拡大してきました。その結果、既に2003年度までに達成した6社に加え、 2004年度に新たに2社がゼロエミッションに到達し、全グループでゼロエミッションを達成しました。 対策方針 3R (Reduce:発生抑制、Reuse:再使用、Recycle:リサイ とに起因しています。現在、廃液の発生量そのものを減らすこ クル) の徹底を通じて、不要になり埋立処分される廃棄物を限り とをめざし取り組みを進めています。 なくゼロに近づけるゼロエミッションへの取り組みと、さらに 廃棄物等の処理フロー 循環型社会への貢献をめざし、リサイクル率を向上させる取り 減量化(水処理等) 75,385トン リサイクル内訳 廃砥石、 不燃ごみ等 金属くず、 83.6% 研削くず等 廃油 8.4% 廃プラスチック類 2.9% 紙くず 1.9% 木くず 0.9% 汚泥 0.8% その他 1.5% ・リユース (Reuse:再使用) 副資材などの再使用 ・リサイクル (Recycle) 排出物のリサイクル性改善、リサイクル用途の開拓 国内全グループ工場がゼロエミッションを達成 リサイクル 埋め立て 70,656トン(93.7%) 174トン (0.2%) 内訳)再 使 用 量: 25トン 再生利用量 :68,151トン 熱 回 収 量: 2,480トン 環 境 報 告 自社・分社 最終処分量・リサイクル率推移 (t/年) 35,000 ロエミッションと定義しています。2000年からその達成に向 総排出量 埋立処分量 (%) リサイクル率 100 30,000 けた取り組みを推進し、2002年度までに全ての自社・分社工 90 25,000 場が達成しました。その後、自社・分社工場のゼロエミッショ 80 20,000 ン維持に加え、関連会社を含んだ全グループでの達成をめざし、 70 15,000 取り組みを展開した結果、2003年度までに達成した6社に加 60 10,000 え、2005年3月までに新たに2社が達成し、国内全グループで 50 5,000 ゼロエミッションを達成しました。 0 ●埋立処分量の削減 きめ細かい分別や、リサイクル用途の開拓、NSK自社工場の取 り組みを関連会社に展開するなどにより、埋立処分量を2003 紙くず、 雑芥等 総排出量 ・リデュース (Reduce:発生抑制) NSKでは、埋立処分量が廃棄物などの総排出量の1%以下をゼ 959トン(1.3%) 廃液等 組みを進めています。 製品の加工条件の見直しや生産工程の改善による歩留まり向上 焼却 3,596トン(4.8%) 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 40 04(年度) 関連会社 最終処分量・リサイクル率推移 (t/年) 50,000 総排出量 埋立処分量 (%) 100 リサイクル率 年度に比較して224トン (56.3%) 削減し、廃棄物などの総排 出量の0.2%を達成しました。 リサイクル率の向上をめざして NSKグループ全体では、関連会社を中心に取り組みが進展した ことにより、リサイクル率を2003年度の93.2%から2004年 40,000 80 30,000 60 20,000 40 10,000 20 度には93.7%に改善することができました。しかし、自社・分 0 社工場については94.8%から94.2%に若干低下する結果とな 02 03 0 04(年度) りました。 紙くずや廃プラスチック類の分別強化など、きめ細かい対策 2010年度までにリサイクル率を98%以上へ を実施しリサイクル率の改善に努めましたが、一部の工場で、 ゼロエミッションを維持するとともに、分別排出のレベル向上 急激な生産の増加により工場内で再生可能な量を超える廃液が や排出量の削減により、2010年度までにリサイクル率を98% 発生し、やむを得ず社外で水処理などの中間処理を実施したこ 以上にすることを目標に一層の取り組みを進めます。 用語解説 ゼロエミッション:直接埋立処分量が総排出量の1%以下と定義。ただ し、廃棄物処理法に定められる埋立基準を満たすために行われる中間処 理 (脱水、破砕、圧縮など) 後の埋立は、直接埋立に含めるものとします。 対象には、金属などの副産物、廃油・汚泥などの産業廃棄物、紙くず・ 木くずなどの事業系一般廃棄物を含めます。 NSK Social and Environmental Report 2005 37 製造段階での取り組み 環境負荷物質対策 NSKグループの環境負荷物質使用量低減のため、様ざまな施策を実施しています。2004年度のPRTR法対象物質を 含む製品数を、2000年度比で35%削減しました。また、通常環境には放出されることのない冷媒用特定フロンやハ ロン消火器の削減にも努め、それぞれ80%、57%削減し、2004年度の目標を達成しました。 対策目標 (2-アミノエタノール含有) や洗浄剤 (ポリ (オキシエチレン) = 工場の生産、運営に使用される環境負荷物質はNSK管理規定に 基づき管理し、削減および代替化を計画的に進めています。 ノニルフェニルエーテル含有) などの30製品を代替し、35%削 (冷媒用特定フロン・ ・オゾン層破壊物質を2005年度までに全廃 減しました。 NSKが取り扱うPRTR法対象物質は、灯油およびガソリンに ハロン消火器)。 含まれているキシレンとトルエンで約70%を占め、主に空調や ・PRTR法対象物質を含む製品数を2005年度までに2000年度比 フォークリフトの燃料に使用しています。 50%削減。 「排出・移動量の内訳」 では、公共への排出として大気への排出 ・塩素を含む加工油剤の製品数(工場で使用する副資材)を2005年 量は19%で、これは洗浄用溶剤、塗料および希釈溶剤によるも 度までに2000年度比50%削減。 のです。なお、消費量の73%は、大半が燃焼されたものです。 環 境 報 告 環境負荷物質の削減・代替化の推進 ●塩素を含む加工油剤の製品数削減 ●オゾン層破壊物質の削減 一部に使用されている塩素系添加剤を含有する加工油剤につい 洗浄工程で使用するオゾン層破壊物質は1994年に全廃してい て品質や加工性のテストを繰り返し、8種類の研削液を非塩素 ます。現在は冷媒用特定フロンとハロン消火器の削減を進めて 化し2000年度比で62%削減できました。 います。2004年度はターボ冷凍機と機械のオイルクーラを更 ●禁止物質の源流管理 新し、全保有量は2000年度比で80%削減しました。また、ハ 製造工程で使用する資材・副資材および梱包・包装資材に、社 ロン消火器も代替により57%削減しました。 内規定で禁止する物質を絶対に使用しないよう厳密に管理する ●PRTR法対象物質を含む製品数の削減 ため、受入れや資材購買の段階で源流管理を実施しています。 2004年度に各工場ではPRTR法対象物質を含有する研削液 PRTR法対象物質調査結果(2004年度) 物質番号 物質名 16 40 63 67 108 224 227 266 309 (kg/年) 大気への排出量 取扱量 2-アミノエタノール エチルベンゼン キシレン クレゾール 無機シアン化合物 1.3.5-トリメチルベンゼン トルエン フェノール ポリ(オキシエチレン)=ノニルフェニルエーテル 14,611 4,123 186,323 2,233 1,339 2,539 88,127 93,437 1,350 水質への排出量 0 562 26,813 2,038 0 1,332 42,143 1,828 0 下水道への移動量 627 0 0 0 0 0 0 0 0 4,032 0 0 0 0 0 0 0 73 移動量 (廃棄物) 消費量 リサイクル量 6,339 297 2,945 141 1,339 90 3,258 5,905 615 2,670 3,264 149,240 54 0 1,117 42,726 85,704 662 943 0 7,325 0 0 0 0 0 0 *取扱量が第一種指定物質で年間1t以上、特定第一種指定物質0.5t以上を記載。 PRTR法対象物質含有製品の推移 冷媒用特定フロンの保有量推移 目標 実績 (kg) 3,500 3,000 600 500 2,500 80%削減 2,000 取扱量 394t 35%削減 400 300 1,500 200 1,000 100 500 0 PRTR法対象物質排出・移動量の内訳 目標 実績 (個) 00 01 02 03 04 05 (年度) 0 消費量 00 01 02 03 04 05 (年度) リサイクル量 2% 大気への排出量 19% 73% 水質への排出量 1% 移動量(廃棄物) 5% 下水道への移動量 0% ※2004年度のPRTR法対象物質含有製品数は2005年7月時点のデータ 用語解説 38 PRTR法:特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促 進に関する法律。 NSK Social and Environmental Report 2005 消費量:PRTR法対象物質が反応により他物質に変化(燃焼など)したり、 製品に含有もしくは同伴されて場外に持ち出される量。 製造段階での取り組み 法遵守・環境リスク対策 NSKグループでは、環境関連の法律、条例および地域の環境保全協定の遵守はもとより、重要な項目は自主基準を定 め環境リスクの低減に努めています。また大気、水質、土壌への環境負荷を最小限に抑える様ざまな対策を実施してい ます。さらに環境汚染事故の未然防止策を強化するとともに、万が一に事故が発生した場合も被害を最小にとどめるた め、教育や訓練を行っています。周辺地域の皆さまのご意見もいただきながら、より環境リスクの少ない工場運営をめ ざしています。 大気の保全 大気に影響を与える主な設備は、空調設備および熱処理設備 その結果、潜在的な環境リスクを防止するための仕組みや、予 などです。これらの設備の燃料には、天然ガス、LPG、灯油 防保全を加味した環境設備の保守点検方法などを指導しました。 および硫黄分の少ないA重油を使用し、環境負荷の低減に努め ●緊急時の訓練 た結果、2004年度の窒素酸化物の排出量は89.3トン、硫黄酸 事故が発生した場合の環境への影響を最小限に抑えるため、土 化物の排出量は6.0トンでした。また、ばい煙測定の結果、ば のうや油吸着マットなどの緊急用具を設置し、さらに緊急連絡 いじん濃度、窒素酸化物および硫黄酸化物の排出量は、すべて 体制の整備を図るとともに、定期的に訓練を実施しています。 の工場で排出基準を満たしていました。今後も大気への環境負 2004年度は、各工場で合計135回の訓練を実施しました。 大津工場では、 「廃液タ 荷の低減を進めていきます。 ンクから漏洩した廃油が、 水質の保全 構内排水溝に流れ込み、 水質に影響を与える主な工程排水は、研削および熱処理工程か 油水分離槽を通過して工 らの水系乳化廃液やバレル工程の排水です。これらの廃液の処 場に隣接する河川に漏洩 理のため、処理効率の高い蒸発濃縮装置を導入しています。生 した」 との想定で夜間訓練 活系の排水は、下水道への接続や合併処理装置で処理を行って を実施し、廃油の拡散を います。2004年度は、埼玉工場および信和精工 (株) 新旭工場 防止するための手順と連 で下水道接続を行い、河川へのBOD排出量は3.7トンでした。 絡体制を確認しました。 環境リスク対策 地域住民からの苦情、法規制遵守など 当社では、様ざまなリスクに対し適切に対応するため、危機 当社の工場は主に工業地域に立地していますが、近年、工場周 管理委員会を設置しています。また、危機管理についてNSK 辺の都市化が進んだため、時にアメニティに関する苦情があり グループ全従業員に周知徹底するため、「NSK危機管理マニュ ます。2004年度は、付帯設備からの異音、工場のBGMおよび アル」に、環境汚染などの事故の未然防止および緊急時の対応 臭いなどに対して地域住民からの苦情が8件あり、設備の改善 方法など、適切に対応するためのマニュアルを定め、日頃より や環境マネジメントシステムの見直しなどを実施するとともに、 教育、訓練に努めています。 他工場への横展開も図りました。今後も継続的な改善を実施し ●油漏洩事故防止対策 ます。また、公害事故の発生、環境保全活動に関する罰金、科 油漏洩事故を未然に防止するため、 「危険物などの地下埋設貯槽 料はありませんでした。 環 境 報 告 および埋設配管に関する自主基準」 を定め、地下タンクや埋設配 管の気密試験などを定期的に行っています。2004年度は、地 下タンクなど64施設について気密試験を実施しましたが、異常 は見つかりませんでした。また各工場では、手順書を整備し、 設備を日常点検するとともに防油堤を設置し流出事故の未然防 止に努めています。さらに、排出口には放流池や油水分離槽を 設置し、汚染拡散防止に備えています。 ●環境リスク監査 2004年度は、4工場で環境事故までに至らない 「ヒヤリ・ハッ ト」 事例の有無、環境設備の保守点検の回数と予防措置、さらに 環境教育などの実施状況を確認するため、監査を実施しました。 用語解説 BOD排出量:有機物による水質汚濁の程度を示すもので、有機物などが微 生物によって酸化、分解される時に消費する酸素の量を負荷量で示した値 (BOD濃度×排水量) 。 アメニティ:環境の快適性や住み心地の良さなどの生活環境の快適さ。 NSK Social and Environmental Report 2005 39 物流分野における取り組み 物流対策 NSKでは、グループ企業が一体となって物流の効率化や梱包・包装の環境対策を推進し、総合的な環境配慮型の物流 システムの構築に取り組んでいます。2004年度は、新たに部門横断の 「梱包・包装改革プロジェクトチーム」 を発足 し、梱包・包装の環境保全への取り組みを一層強化しました。 総合的な環境配慮型物流をめざして ●輸送にかかる環境負荷低減 (CO2、NOX、PM排出量の低減) 段ボールを使用した頑丈な複合梱包を用いていました。しかし、 ・製品物流と調達品物流の融合による積載効率向上 頑丈な梱包は使用後の解体も難しく、お客様から対策してほし ・共同配送、ミルクラン導入による走行距離・車両台数の削減 いとの要請が寄せられていました。そこで、頑丈さは従来のま ・エコドライブの推進と低公害車への転換 まで、リサイクルが容易な総段ボール梱包を新たに開発し転換 ●梱包・包装にかかる環境負荷低減 を進めました。 ・梱包・包装資材の3R (リデュース、リユース、リサイクル) 推進 ●NSKロジスティックス(株)における環境活動 梱包・包装改革プロジェクトチームを発足 ・環境と品質を統合した総合マネジメントシステムの運用 輸送にかかる環境負荷低減への取り組み ●NSKグループ全体で共同輸送を推進 NSKロジスティックス (株) は2003年度のISO14001認証取 環 境 報 告 得に加え、2004年度にはISO9001との統合認証を取得し、 環境対策と品質保証をセットにした効果的なマネジメントを展 開しています。 これまで、NSKの関連会社の物流は関連会社が独自に運 総段ボール仕様に変更した ボールねじ梱包箱 営していましたが、グループ全体で効果的に環境負荷低減 梱包・包装改革 プロジェクトチーム マネジャー 内田 光一 を図るため、2003年度のNSKニードルベアリング (株) に続き、 NSKグループでは環境の観点からもお客様からのニーズに積極的に 2004年度はNSKワーナー (株) の製品物流をNSKロジスティッ 応え、製品の競争力を強化するため、地球環境保全委員会の下に 『梱 クス (株) の物流網に統合し、お客様へお届けするようにしまし 包・包装改革プロジェクトチーム』 を発足し、全社横断的な取り組み た。今後もNSKロジスティックス (株) を中核として、調達物流 を開始しました。 への取り組みなど、NSKグループのサプライチェーン全体の効 「廃棄物削減のために包装仕様を変更してほしい」「梱包をリターナ 率化を図っていきます。 ブル化してほしい」。2000年頃から、各営業担当者にこのような依 ●輸送業者と一体となっての取り組み推進 NSKグループの製品をお客様へお届けするための環境負荷を定 頼がたびたび寄せられるようになりました。NSKがISO14001の認 証を取得し、グリーン調達の実施など、環境経営に舵を切ったのが ちょうどこの頃です。NSKでは、ポリ箱によるリターナブル化を進 量的に把握・評価し低減していくために、輸送業者と協力して め、お客様のニーズに応えてきましたが、精密機器関連製品など、様 対策を進めています。NSKでは、トラック輸送業者にNOX・ ざまなサイズを少量ずつ出荷する製品には適用が難しく、また変更 PM法や首都圏ディーゼル条例などの法令遵守やアイドリン のために設計、品質保証、環境管理、工場、物流さらに営業など、関 グストップなどのエコドライブの徹底などを呼びかけ、一体と 係部署が大混乱となっていました。この問題が協議された2004年 なって取り組んでいます。 5月の地球環境保全委員会の席で、 『環境問題はまさに経営の課題。 受身の対応ではなく積極的に取り組む』 との委員長の一言で 『梱包・ 包装改革プロジェクトチーム』 が発足しました。メンバーは各部門 梱包・包装にかかる環境負荷低減への取り組み から招集され、一致協力して前述の精密機器関連製品や大型の軸受 ●包装仕様を変更し3Rを推進 などの複合梱包から総段ボール仕様に切り替えること、さらにお客 NSKグループの製品の梱包は、量産品の大部分をポリ箱での 様の立場で包装改善を提案できる仕組みを作り、満足度の向上に繋 リターナブル使用としています。しかし、精密機器関連製品な げることを目的に、チームマネジャーである包装管理士の内田を中 どは、その多様な製品バリエーションのため、サイズが限られ るポリ箱では適用が難しく、また品質保証の観点から、木材と 用語解説 40 PM:ディーゼル車などから排出される粒子状物質(Particulate Matter) 。 ミルクラン:複数の積荷発送元や輸送先の間を、輸送便を循環運転する牛乳 集荷のような輸送方法。発送元と輸送先を往復する輸送に対し、走行距離や NSK Social and Environmental Report 2005 心に活動を進めています。来年の本誌でNSKグループの梱包・包 装資材の3Rが大きく前進していることをレポートできるよう活動 してまいります。 便数を削減でき、環境負荷を低減することができる。 エコドライブ:不要な急発進、急停止の回避や停車時のエンジン停止(アイ ドリングストップ)等により、燃料消費などを削減する環境に配慮した運転。 写真:ドイツのノイベック社では、万が一の緊急事態の時も地域への影響を最小限にくい止めるため、地区の消防隊員150名の協力 を得て本番さながらの消防訓練を実施しました。 (P48) NSKの各事業所だけではなく、グループ企業や海外事業所においても、地域社会の一員として皆さまとの コミュニケーションを図りながら、地域に根ざした環境保全活動や社会貢献活動を進めています。 各事業所における取り組み ■ 自社・分社工場における取り組み ・石部工場 ■ 海外における取り組み 42 ・埼玉工場/NSKプレシジョン株式会社 埼玉精機プラント ・NSKステアリングシステムズ株式会社/技術部 43 ・桐原事業所 欧州での取り組み ・イギリス NSKヨーロッパ社 ニューアーク事業所 46 ・イギリス NSKベアリング・ヨーロッパ社 ピータリー工場 47 ・ドイツ ノイベック社 48 ・ポーランド NSKイスクラ社 49 米州での取り組み ・アメリカ NSKコーポレーション社 ■ グループ企業における取り組み ・NSKマイクロプレシジョン株式会社 44 ・アメリカ NSK-AKSプレシジョンボール社 ・NSKワーナー株式会社 高崎工場 ・NSKマシナリー株式会社 ・アメリカ NSKプレシジョン・アメリカ社 ・アメリカ NSKステアリングシステムズ・アメリカ社 藤沢工場 ・NSKニードルベアリング株式会社 50 45 アジアでの取り組み ・インドネシア NSKベアリング・インドネシア社 ジャカルタ工場 51 ・中国 昆山恩斯克有限公司 ■ データ集 52 NSK NSK Social Social and and Environmental Environmental Report Report 2005 2005 41 石部工場 所在地 滋賀県湖南市石部が丘1-1-1 敷地面積 185,330m2 従業員数 756名 (2005年3月31日) 事業概要 自動車用軸受、玉軸受の製造 ISO14001認証取得 1998年10月 取り組み状況 石部工場では、そばを流れる野洲川の下流に広さ日本一の琵琶湖があることを ながら、石部工場をよりよく知っていただき、身近に感じてもらうことをめざ 常に念頭におき 『琵琶湖を愛し、地球を思いやり、未来を考える』 をキャッチ しています。2004年度の来場者数は約1,200人でした。 フレーズに環境保全活動を推進しています。水と緑に恵まれた自然環 境の中で、自然との調和、地域との共生を図りながら自動車用玉軸受の生産を 廃棄物リサイクル活動とゼロエミッション 行っています。 当工場のリサイクル率は97.0%で、残り2.6%が焼却、0.4%が埋め立て処 ここ数年、周囲にアパートや民家が立ち並びました。当工場では省エネル ギーなどの環境負荷低減はもちろん、騒音・臭気などの地域環境対策にも 分となっています。 きめ細かい分別により、使用済み砥石、軟質、硬質プラスチック、紙くず、 積極的に取り組むとともに、地域社会とのコミュニケーションを充実させて 木くず、安全靴、作業服、ビニール手袋、蛍光灯、飲料ビン、研削くず、金 います。 属、廃液、スラッジなどほとんどのものをリサイクルすることができました が、唯一可燃ごみだけがリサイクルできず残っています。さらに分別のレベル を向上させ、可燃ごみの発生量を減らすことが今後の課題です。 オープンハウス (工場見学会) 地域に開かれた工場をスローガンに、2002年よりオープンハウスを毎年実 地域との共生と環境対策 施しています。 工場の夏祭りとあわせて開催し、従 騒音、臭気については、地域環境保全の最重要課題として位置づけ、取り 業員の家族、近隣住民、お取引先、行 組みを進めています。騒音を低減するため、設備への防音カバーの取り付 政関係の方など、普段は石部工場の中 けや工場建屋への防音板の設置などを実施してきました。臭気については、 を見る機会のない方々を招待し、ベア 熱処理工程の改善を行い、原因のひとつとなっていたばい煙発生量を削減し リングの製造工程の見学、工場の歴史 ました。 紹介、環境への取り組みPRのほか、趣 環境管理責任者 山口 登志樹 向を凝らしたゲームやクイズを楽しみ 自 社 ・ 分 社 工 場 に お け る 取 り 組 み 埼玉工場/NSKプレシジョン株式会社 埼玉精機プラント 所在地 埼玉県羽生市大沼1-1 敷地面積 280,627m2 従業員数 517名 (2005年3月31日) 事業概要 自動車用軸受、CVT、精機製品の製造 ISO14001認証取得 1998年9月 取り組み状況 地域との共生 当工場は、自動車用軸受や精機製品の製造を行っています。製造工程には熱 処理や研削があり、エネルギーや水溶性加工油剤を多く使用しています。 NSKグループの中でも、いち早くISO14001の認証を取得し、積極的に環 ●福祉車両の寄贈 羽生市社会福祉協議会に福祉車両を寄贈しました。今回は3年前に寄贈し たワゴンタイプではなく、市内の狭い道路にも対応できるように軽自動車 タイプの車両を電動車椅子とともに寄贈しました。市民の皆さまに喜ばれ ております。 ●市内スポーツ大会への協賛 婦人バレー大会、マラソン大会、さらに埼玉県では唯一の熱気球大会など、 地元の各イベントに参加・協賛して市民と当工場との交流を様ざまな場で 実施しています。 境保全に取り組んでいます。 研削くず固形化装置を導入し廃棄物発生量を削減 研削くずは当工場で発生する廃棄物の中で最も多く、以前からセメント原料 などに全量リサイクルしていましたが、研削くずを圧縮し固形化する装置を 3カ所に合計6台導入し固形化 (ブリケット化) する取り組みを進めた結果、研 削液の回収・再使用ができ、発生量を約35%削減するとともに鉄鋼原料と してのリサイクル性の向上を図りました。 食堂への生ごみ処理機の導入 食堂から発生する生ごみは、リサイクルされずに焼却されCO 2の発生源と なっていました。そのため、微生物の力を借りて有機肥料にする処理機を導 入しました。これにより焼却処分量が 年間14トン削減されると見込んでい ます。 42 NSK Social and Environmental Report 2005 環境管理責任者 森 充 NSKステアリングシステムズ株式会社/ 技術部 所在地 〈総社工場〉 従業員数 群馬県前橋市総社町1-8-1 敷地面積 所在地 73,381m 2 〈赤城分工場〉 1,186名 (2005年3月31日) 事業概要 自動車部品の製造 ISO14001認証取得 1999年12月 群馬県前橋市飯土井町1240-1 敷地面積 86,517m 2 総社工場 赤城分工場 取り組み状況 NSKステアリングシステムズ (株) は、電動パワーステアリング (EPS) などの 自動車部品の開発・製造を行っています。製造工程でのエネルギー消費量は、 他のNSK工場と比較すると少ない方ですが、油性・水溶性の様ざまな加工油 環境保全とマナーの大切さをあらためて実感する時間です。 この教育終了後には、実践テーマに取り組みます。3カ月という短い期間で 各員がテーマ完結に向けてがんばっています。 剤を多く使用しています。総社工場では、空調設備を省エネルギータイプに変 更するとともに、燃料も灯油から天然ガスにし、継続的に環境負荷の低減に取 利根川水系クリーン大作戦! 群馬県内の自動車部品関連企業による 「利根川水系クリーン大作戦」 が利根川河 り組んでいます。 川敷三カ所で行われ、合計で約1,500名が参加してごみの回収を行いました。 新教育制度スタート! 今回、初めて自動車部品関連企業が連携し社会に貢献できる活動を模索した結 当社では、新しい教育制度をスタートさせました。この教育は、 「社員のやり 果、利根川水系の3地区 (前橋、伊勢崎、館林) で清掃活動を実施することにな がい (意欲) 向上に寄与すること」 を狙いとしており、技能の育成と評価のしく りました。 みを関連づける工夫をしています。教育カリキュラムには、環境・防災・安全 なども盛り込み内容を充実させています。 当社はA地区 「前橋会場」 で従業員とその家族の125名が参加 (総勢約250名) し、 ごみ袋を片手に河川敷の清掃を行い、空き缶 受講者は、1週間の講習を終え生き生 や空き瓶拾いなどに汗を流しました。その結 きとして現場に戻り活躍しています。こ 果、約1時間の作業で前橋会場だけで2トン の教育の特長は、机上の教育だけでは トラック3台分のごみを回収することができ なく、ワーキング教育として社外清掃 ました。心ない人のちょっとしたマナーの乱 を行い、拾ったごみを分別するといっ れが、こういった状況を生み出して環境保全 たボランティア活動も取り入れている の大切さを実感させられた一日でした。 ことです。毎日通勤している道路には 様ざまなごみが散乱・放置されており、 環境管理責任者 武部 正臣 自 社 ・ 分 社 工 場 に お け る 取 り 組 み 桐原事業所 (旧 NSKプレシジョン (株)桐原精機プラント) 所在地 神奈川県藤沢市桐原町12 敷地面積 44,044m2 従業員数 195名 (2005年3月31日) 事業概要 電子応用部品、精密機器関連製品の製造 ISO14001認証取得 1999年11月 取り組み状況 当事業所は、湘南の北部に位置し、恵まれた自然環境の中で省エネルギーお よび省資源化を実現したメガトルクモータをはじめ、環境貢献型商品を製造 しており、今後、新たな環境対応型商品の開発に積極的に取り組んでいます。 2005年5月に行われた第29回のクリーンキャンペーンには、従業員の環 境に対する意識の向上から、参加者数も年々増え、60名が参加しました。 本年度は、さらに工場周辺地域の美化活動への積極的な取り組みを行ってい きます。 天然ガスへの燃料転換と断熱塗装によりCO2削減 地球温暖化対策として、工場内の電力負荷の高い設備の省エネルギー対策な どに積極的に取り組んでいます。 空調設備の燃料を灯油からCO 2排出係数の小さい天然ガスに切り替えた 他、工場の屋根への断熱塗装の施工によりCO2排出量を84トン削減するこ とができました。また、空調機のインバータ化など、高効率の機器の使用や コンプレッサの個別化で、需要に応じた部分負荷運転を推進しています。 ゼロエミッション維持とリサイクル率96.2%達成 環境管理責任者 金子 秀明 廃棄物減量化対策として、分別を徹底し古紙および段ボールの再資源化をさ らに進めた結果、リサイクル率が96.2%に向上しました。 今後、自治体で焼却処分される一般廃棄物の減量化や梱包箱のリサイクル に取り組み、早急に98%レベルに引き上げることを目標に、省資源化活動 に取り組んでいきます。 地域社会への貢献活動 毎年5月に、藤沢市主催のビーチクリーンキャンペーンに参加し、江ノ島海 岸清掃活動を行っています。 NSK Social and Environmental Report 2005 43 NSKマイクロプレシジョン株式会社 藤沢工場 所在地 神奈川県藤沢市宮前645 敷地面積 5,619m2 従業員数 194名 (2005年3月31日) 事業概要 ミニアチュアベアリング・ユニット製品の製造 ISO14001認証取得 2001年6月 取り組み状況 NSKマイクロプレシジョン (株) 藤沢工場は、自然環境に恵まれた湘南の地で サイクルが難しかった研削工程などから発生する廃フィルタ、廃砥石や廃蛍光 世界に誇る超高品質のミニアチュアボールベアリングをはじめ、その技術を活 管などは、共同輸送によりリサイクルを可能にしました。 かしたユニット製品を通じて、ハイテク分野に貢献しています。また、自然環 境を後世に伝えるため 「自然環境との調和」 を主眼に事業活動を行い、環境保全 今後は、ゼロエミッションの維持とリサイクル率98%の目標達成に向け活 動を推進します。 に努めています。 ISO14001:2004年版への移行審査受審 塩素フリー化を達成 2004年11月にISO14001の規格改訂が行われ、当工場では2005年6月に 2004年度の活動において、ビニールテープの全廃および塩素系加工油剤の 2004年版への移行審査を終わらせることができました。今後も新たな考え 代替製品への切り替えに取り組み、全ての製品で塩素フリー化を達成すること で環境活動に取り組んでいきます。 ができました。 地域社会への貢献 ゼロエミッションを達成 当工場では、2002年度から湘南海岸の清掃活動に参加しています。毎年 この一年、ゼロエミッション (埋立処分量が廃棄物などの総排出量の1%以下) 5月の最終日曜日に行われているこの行事にはこれからも継続して参加 達成に向け活動を推進した結果、2005年3月までに達成することができまし します。 環境管理責任者 斎藤 信美津 た。 当工場は、ミニアチュア製品を生産しており、多種多様な廃棄物が少量ずつ 発生するため、分別や輸送の面で大変苦労しました。そのため、当工場の近く にあるNSK藤沢工場の協力を得て問題解決を図りました。なかでも、従来リ グ ル ー プ 企 業 に お け る 取 り 組 み NSKワーナー株式会社 所在地 静岡県袋井市愛野2345 敷地面積 136,430m2 従業員数 847名 (2005年3月31日) 事業概要 ワンウェイクラッチ、摩擦材関連製品の製造 ISO14001認証取得 2001年3月 取り組み状況 NSKワーナー (株) は、東京と京都の真ん中に位置する静岡県袋井市にあり、 小笠山丘陵を背景とした緑豊かな自然環境の中で、自動車の自動変速機に使 用するワンウェイクラッチや、摩擦材関連製品の開発および生産を行ってい ます。この環境に調和した企業となるべく、高い目標を掲げて環境保全活動 に取り組んでいます。 施することによってCO2排出原単位を前年度比6%削減し、大きな改善がで きました。 また、排水処理によって排出される脱水汚泥のリサイクルを行うための 輸送をトラック輸送から鉄道輸送に変更 (モーダルシフト) し、CO2排出量を 27トン削減しました。 地域社会への貢献活動 ゼロエミッションの維持とリサイクル率の向上 ●従業員とその家族への感謝と、地域住民との交流を深めるために、1992年 より毎年、工場の敷地で各種のイベントを盛り込んだ 「愛野祭」 を開催して います。 ●遠州の花火大会や近隣のエコパスタジアムなどで大きな地域行事が開催さ れた後、係長会の協力を得て地域 住民による清掃活動に参加してい ます。 (約20名/1回) ●2002年にサッカーのワールドカッ プ会場として建てられたエコパス タジアムとJR愛野駅を繋ぐメモリ アルロード沿いの花壇に季節の花 を植栽しています。 ワンウェイクラッチ製品に使用する保持器の加工を改善し、バレル処理を省 略することによる脱水汚泥の削減、製品荷姿の見直しによる梱包資材の削減 などで廃棄物の発生を抑制するとともに、紙くず類および廃プラスチック類 の固形燃料 (RPF: Refuse Paper & Plastic Fuel) 化処理、安全靴、作業着、 ゴム・ビニール手袋のリサイクルなど、きめ細かな対策を実施することに よって、リサイクル率を96%に向上させました。 CO2排出量の削減 生産効率の向上を積極的に進めるとともに、ムダな水銀灯の廃止、蛍光灯の インバータ化、工場パッケージエアコンの週末停止、エア漏れ対策などを実 44 NSK Social and Environmental Report 2005 消火器用ハロンの全廃とPRTR法対象物質の削減 乾燥炉の固定消火設備に使用していたオゾン層破壊物質のハロンをCO2に切 り替えることによって全廃しました。また、PRTR法対象物質を含有する材 料および洗浄剤・防錆剤などの副資材の代替化を進め、PRTR法対象物質を 含む製品を2000年度比で40%削減しました。 環境管理責任者 大村 茂満 NSKニードルベアリング株式会社 高崎工場 所在地 群馬県高崎市八幡町358 敷地面積 56,833m2 従業員数 721名 (2005年3月31日) 事業概要 ニードルベアリングの製造 ISO14001認証取得 2004年7月 取り組み状況 当社は1963年にアメリカ大手ベアリングメーカのトリントン社とNSKとの 電力集中管理システムを導入し、電力の使用状況を24時間監視し、きめ細か 合弁会社として誕生し、2003年にこの合弁関係を解消して、NSKの連結子 い省エネルギー対策に取り組んでいます。 会社として生まれ変わりました。赤城、榛名、妙義の上毛三山に囲まれ緑豊か で美しい景観をもつ環境の中で、品質と技術で世界の先端を行くニードルベア 今後は、熱処理設備や空調設備、蒸気ボイラに使用するブタンガスを、より クリーンな天然ガスに変更することを検討します。 リングを主として製造しています。この豊かな自然と地球環境のため、事業活 動の最優先課題の一つとして環境保全活動に取り組んでいます。 ここでは高崎工場の取り組みを報告します。 ゼロエミッションを達成 工程から発生する研削くずを、鉄鋼原料などにリサイクルしています。ゼロ エミッションの達成に向け、廃プラスチックなどの分別排出の徹底を図り、 ISO14001の認証取得 リサイクル用途の開拓を進め、既に達成済みの榛名工場に続き、高崎工場も NSKニードルベアリング (株) では、2001年1月に榛名工場でISO14001の 2004年12月にゼロエミッションを達成しました。今後もさらに環境に配慮 認証を取得しました。さらに、2004年7月に高崎工場を認証の範囲に含め拡 し、積極的に取り組みを進めていきます。 大登録することにより、環境マネジメントシステムの展開を図り、高崎、榛名 環境管理責任者 平林 武文 の両工場での認証取得を完了しました。 CO2排出量の削減 電力の消費量を削減するため、圧縮エアの圧力変動に応じてコンプレッ サの稼働台数制御やインバータ制御を行っています。また、2004年度に グ ル ー プ 企 業 に お け る 取 り 組 み NSKマシナリー株式会社 所在地 埼玉県南埼玉郡菖蒲町昭和沼5 敷地面積 18,974m2 従業員数 108名 (2005年3月31日) 事業概要 精密機械製造 (軸受用研削盤など) 、精密機械部品製造 (スピンドル) ISO14001認証取得 2003年3月 取り組み状況 廃棄物、リサイクル対策 NSKマシナリーは、2003年3月に ISO14001の認証を取得し、環境保全 活動を進めてきました。現在は、これを確実に実行・継続的改善していくた め、環境マネジメントシステムを会社方針に組み込んで運営しています。 リサイクルの基本は分別の徹底と考え、各部署において環境教育を行ってい ます。また、廃棄物置場も日常点検を行い、分別状況の管理もあわせて行っ ています。そして、2003年度にゼロエミッションを達成しています。 排出した廃棄物が適正に処理されるように、マニフェストの管理はもと より、処分場の視察を行い、不法投棄がないように管理を徹底して います。 環境リスク 久喜菖蒲公園に隣接する当社にとって、最も懸念される環境リスクは油脂類 の漏洩です。その中でも、地下タンクの管理は、環境保全活動を推進するう えでの課題となっていましたが、2004年、2基あった地下タンクを廃止す ることができました。また、ボイラ3台もあわせて廃止し、環境リスクを低 減するとともに、重油の使用をやめ、SOx (硫黄酸化物) の低減にも寄与する ことができました。 緊急時対応訓練 絶対に起こしてはならない環境汚染事故ですが、万が一発生してしまった時 にもその被害を最小限にくい止めるために、油脂類の漏洩が起きる可能性の ある施設を特定し、それぞれの緊急時の訓練を、会社で働くすべての人を対 象に実施しています。2004年度は、地震が発生したとの想定で、訓練を実 施しました。 環境管理責任者 佐藤 吉和 ボランティア活動 地域社会貢献活動として、会社周辺道路の清掃を毎月1回行っており、部署 ごとに当番となる月を決め、全員参加を目標に実施しています。今年からは その範囲を広げ、隣接している公園内の清掃も行うようにしました。 NSK Social and Environmental Report 2005 45 欧州での取り組み イギリス NSKヨーロッパ社 ニューアーク事業所 (サービス部門と管理部門) Northern Road, Newark, Nottinghamshire, NG24 2JF, U.K. 所在地 敷地面積 3,712m2 従業員数 183名(2004年12月31日) 事業概要 設計、試験、販売、支援サービス ISO14001認証取得 2000年11月 取り組み状況 欧州ELV指令 (欧州廃車指令) への対応 NSKヨーロッパ社は、イギリスのノッティンガム州ニューアークの、NSKベ 環境負荷物質の管理を進め、ELV指令や自動車メーカの要求事項を満たすと アリング・ヨーロッパ社の工場敷地内にあります。最初にISO14001の認証 ともに、IMDS (国際材料データシステム) への登録を実施しています。IMDS を取得した2000年11月にはラディントンにあり、その後2002年に現在の への登録は、ほとんどの自動車メーカが部品などを承認する前提条件となって 場所に移転しました。ニューアーク工場はまだISOの認証を取得しておらず、 おり、このことにより、自動車メーカが全ての部品やコンポーネントに含まれ また当社の活動が生産とは異なることから、工場と分離してISOの認証登録を る環境負荷物質の正確な値を、容易に収集することが可能になっています。報 しています。 告された化学物質や原材料の重量は、欧州の法律や仕様書に公開され注目を集 活動の範囲には、欧州技 めます。 術センター (ETC) の設計お 2005年度は、改訂された環境負荷物質の管理を定めるNSK技術規定 (NES) よび実験・研究部門、販売 をAPQPに組み入れ、グローバルNSKで統一された管理を実現することを目 部門 (欧州自動車営業部、欧 標に取り組みます。 州軸受営業部)、サポート 省エネルギー活動 部門 (グループ品質保証、情 報システム、施設管理、人 事) を含んでいます。 ガスや電力の消費量は工場に比べ非常に限られていますが、NSKヨーロッパ 欧州技術センターの試験設備 社では、天然資源の使用を著しい環境側面と捉えています。昨年度も、効率を 向上させるため以下の省エネルギー対策を実施しました。 海 外 に お け る 取 り 組 み ニューアークで環境マネジメントシステムを再構築 ● エネルギー消費量の測定範囲を細分化し、きめ細かく把握 ニューアークへの移転後、グループ品質保証、ETCおよび施設管理部門の各 ● 天然ガスの消費量を削減するため、事務所のエリアごとの暖房管理を実施 管理代表者からなるチームを編成し、新たに環境マネジメントシステムを展開 ● 赤外線探知機を取り付け、人がいるときだけ廊下の照明を点灯 し以下の活動を開始しました。 ● 試験装置のモータをインバータ化し効率を向上 ● 工場の廃棄物処理ルートへの統合 ● コンプレッサの吸気を冷却し効率を向上 ● 紙くず、乾電池、プリンタ消耗品、廃電気電子機器の処理ルート開拓 ● 試験装置の冷却用の圧縮空気ブロアを低圧ファンに変更 ● BSI (英国規格協会) の基準に基づき、内部環境監査員を養成し定期的な監査 ● 試験装置使用時の省エネルギーと製造の容易化を主目的に、環境面も含み 設計と製造のレビューを実施 を実施 ● IEMA (環境管理会計研究所) の基準に基づき、環境管理責任者の研修を ● エネルギー消費量を削減するため、試験室の温度の上下限管理限界をより 広く設定 実施 ● 緊急事態に備え、特に危険度の高いETCの試験室や油貯蔵所へ流出防止 キットを設置し、従業員の訓練実施 ● ETCに、防油堤のある新しいオイルタンクを設置 これら活動によりISO14001の認証の再取得に成功し、以降2回のBSIに よる外部審査でも不適合はありません。 これらの対策により、来年度のエネルギー消費量が10%低減できると予想し ています。 モータをインバータ制御にして 騒音低減の囲いをしたオルタネータ用 軸受の試験装置 環境に配慮した設計 ETCでは、お客様である欧州の自動車メーカ各社の要求事項や、TS16949 の要求事項に合致する手順により設計、試験、承認を実施しています。この手 順は、先行製品品質計画 (APQP) として知られており、新しく設計するもの は、全て詳細手順書に従わなければなりません。この手順には環境配慮も含ま れ、設計者は以下の側面について配慮した設計をしなければなりません。 ・ 原材料の選択 ・ 製造時のエネルギー消費 ・ 製造工程の経済性 ・ 使用用途に対する適合性と性能 ・ リサイクル性 ・ 廃棄の容易性 これらの確認によって環境適合性の点数付けを行い、設計者に設計の継続また は変更を促します。 用語解説 46 欧州ELV指令:使用済自動車からの廃棄物の低減、適正処理を目的とした 欧州廃車指令。 NSK Social and Environmental Report 2005 環境コーディネータ Jeff Parkes イギリス NSKベアリング・ヨーロッパ社 ピータリー工場 所在地 3 Brindley Road, South West Industrial Estate, Peterlee, Co. Durham, SR8 2JD, U.K. 敷地面積 124,200m2 従業員数 601名 (2004年12月31日) 事業概要 ハブユニット軸受、自動車用軸受の製造 ISO14001認証取得 1999年2月 取り組み状況 ピータリー工場は、イギリス北部のダーラム市の近郊にあり、約30年前から により有害廃棄物と一般の廃棄物の分別が強化され、同一の処分場に廃棄す 単列玉軸受と自動車用軸受を生産しています。しかし現在、欧州NSKの生産 ることができなくなりました。また、有害廃棄物を埋め立てる前に、減量化 体制変革の流れを受け、自動車部品に特化した最新鋭の設備を有する工場に移 と無害化のための前処理が義務付けられました。さらに、有害廃棄物の処分 り変わろうとしています。 が許される埋立処分場の数も約250から15に減り、処分費用が急激に高騰 しています。 環境マネジメント ピータリー工場は、NSKの欧州事業所の中で最も早くIS014001の認証を取 得し、先陣を切って、環境に与える影響を最小限にし、地域社会に積極的に貢 献する取り組みを進めています。 ピータリー工場では、研削くずの全量リサイクルやクーラントの回収・再使 用、軸受部品の不良率の低減による資源の有効活用など、省エネルギーや廃棄 ピータリー工場では、このような背景と環境への影響を低減するため、段 ボール、廃プラスチック類、汚泥のリサイクル率の向上に取り組んでいます。 汚泥は、既にリサイクルを開始しており、環境面のみでなくコストの面から も、年間35,000ポンド (約690万円) の効果がありました。今後、他の工程 に拡大展開することを検討します。また、効率良く段ボールや廃プラスチック 類のリサイクルを推進するため、減容圧縮機の導入を検討しています。 物削減のための様ざまな取り組みを進めてきました。 環境管理責任者 Kevin Nicholson 廃棄物・リサイクル対策 廃棄物の削減とリサイクルの推進は、NSKの環境方針やイギリスの国内法に 準じて取り組むピータリー工場の重要な課題です。最近イギリスでは、法律 海 外 に お け る 取 り 組 み NSK Social and Environmental Report 2005 47 ドイツ ノイベック社 所在地 Ehinger Strasse 5, D-89597 Munderkingen, Germany 敷地面積 25,000m2 従業員数 156名 (2004年12月31日) 事業概要 玉軸受の製造 ISO14001認証取得 2001年1月 省エネルギー対策 廃棄物分別により環境配慮とコストを両立 研削工程に研削液を送る一括供給設備では、常に最大出力でポンプを稼働さ オフィスなどのごみ箱に捨てられる一般廃棄物は、コスト発生の要因にもなっ せ、流量を需要に応じて絞り弁で制御していました。しかし、研削液の需要変 ていました。そこで環境衛生の担当者は、全ての一般廃棄物について 「デュア 動に応じて流量を急速に増加させた場合、異常圧力波を発生し配管を破損させ ルシステム」 (ドイツの包装材リサイクルシステム) を導入しました。このシス ることもありました。 テムは、非営利法人のDSD (Duales System Deutschland ) によって運営 そこでポンプのモータをインバー され、包装材メーカなどの製造事業者が費用を負担して回収・リサイクルされ タで制御し、流量を調節できるよう ます。対象となる包装材にはグリューネ・プンクト (Grune Punkt) と呼ばれ に改善し電力消費量を40%削減する るマークが表示されています。 ・ ・ とともに、配管の破損により研削液 ノイベック社では、これら廃棄物を専用の黄色い袋に分別して排出し、年間 が漏れ出すリスクも低減しました。 約2トンをリサイクルするとともに1,250ユーロ (約17万円) のコストを削減 しました。 150人の消防士が支えた消防訓練 工場の防火管理責任者のHans-Peter Schleicherは、導入した火災報知・安全 システムの機能と、火災発生時の安全確保と対応の手順を確かめるため、地区 の9つの消防分隊に協力を要請し、150人の消防士と18台の消防車が参加す る消防訓練を実施しました。訓練は、電気系統のトラブルにより包装資材と部 品を保管する倉庫から出火。プラスチック製部品から有害な煙が発生し、従業 員10人が取り残され行方不明になった。実際の火災現場さながらの状況を想 海 外 に お け る 取 り 組 み 定し行いました。 訓練が開始するとすぐに、煙感知機が作動し警報システムが始動、同時に消 防団本部に通報され、本部の出動ゲートが自動的に開きました。4分後に最初 の消防車が到着し、火災の状況を把握するとともに、重たい空気呼吸器を身に 付けた消防士が、逃げ遅れた10人のケガ人を救出しました。その間、他の消 防士が手早くホースをつなぎ、2カ所の消火栓と300m離れたドナウ川より給 水し消火にあたりました。 この訓練により、システムが確実に機能していること。さらに救出訓練や消 火活動の参加者の連携が非常にスムーズに行われたことを確認することができ ました。 訓練は無事に終了しましたが、工場では、このような緊急事態を決して起こ さぬことを肝に銘じ、従業員一同一層の取り組みを進めています。 疾病予防は従業員と会社の双方の利益 地域の健康保険の施策に基づいて、従業員の病気原因の分析を行った結果、筋 肉と骨格系統に起因する疾病が大部分であることが分り、産業医が推奨するト レーニングと体操を導入しました。工場では、全ての従業員が自主的に参加で きる6回のレッスンを開催し、身体の各部位に有効なトレーニングについて学 びました。体操はレッスンの終了後も日常的に行え、効果が長期間持続す るよう、簡単な矯正体操としました。このレッスンに従業員の30%にあたる 48人が参加しました。 48 NSK Social and Environmental Report 2005 環境管理責任者 Hans-Peter Schleicher 環境管理責任者 (英語担当) Dieter Ostheimer ポーランド NSKイスクラ社 所在地 Ul. Jagiellonska 109, 25-734 Kielce, Poland 敷地面積 332,994m2 従業員数 1,634名 (2004年12月31日) 事業概要 転がり軸受の製造 ISO14001認証取得 2004年8月 取り組み状況 汚染リスクの低減 NSKイスクラ社では、ベアリングの製造工程を対象として2004年にISO ・ 汚染が発生する可能性がある場所を特定し保護タンクとトレイを設置 14001の認証を取得し、その要求事項に準じて活動を推進しました。環境保 ・ 油供給用のポンプを設置 全への取り組みとして、以下を達成目標とするプログラムを策定し活動を展開 ・ 化学物質の保管場所を特定・確保し、表示板を設置 しました。 ・ 化学物質の識別カードを作成 ● 廃棄物の分別徹底 ・ 汚染の拡散を防ぐためのキットを特定の現場に設置 ● 汚染リスクの低減 ・ 緊急時に排水口を塞ぐためのゴム栓を設置 ・ 汚染拡散のリスクを低減するための浄化 全社員と環境に著しい影響を与える可能性がある業務に従事する外部業者を対 象に、特別な訓練を実施しました。また、環境マネジメントシステムの周知徹 底を図るため、専用の掲示板を各生産現場に設置し、環境方針やISO14001 の認証、非常事態への対応や廃棄物の分別手順を定める指示書、環境保全活動 の目的や目標を掲示しています。 廃棄物の分別徹底 ・ 分別排出のため容器を設置 ・ 分別手順を定める指示書を作成 ・ 廃棄物の分別保管場所を決め表示板を設置 ・ 廃油および廃液の保管容器を色分けして設置 ・ 廃棄物の発生量を削減するため、部署ごとに排出量を記録 海 外 に お け る 取 り 組 み 取り組みの結果、2004年度は以下を達成することができました。 ・ 市の処理場で処分する廃棄物を26%削減 ・ 包装廃棄物の全量をリサイクル ・ 廃棄物のリサイクル率を91.2%に改善 従業員の環境保護への意識が高まり、工場稼働にともなう環境負荷を低減する ための活動に従業員が積極的に参加するようになりました。 環境管理責任者 Rudolf Martin NSK Social and Environmental Report 2005 49 米州での取り組み アメリカ NSKコーポレーション社 クラリンダ工場 /NSK-AKSプレシジョンボール社 所在地 1100 North 1st Street, Clarinda, IA 所在地 1100A North 1st Street, Clarinda, IA 51632-1981, U.S.A. 51632-1983, U.S.A. 敷地面積 72,843m2 敷地面積 56,655m2 従業員数 290名(2004年12月31日) 従業員数 77名(2004年12月31日) 事業概要 玉軸受の製造 事業概要 鋼球の製造 ISO14001認証取得 2002年7月 ISO14001認証取得 2006年取得予定 NSKコーポレーション社 フランクリン工場 / NSKプレシジョン・アメリカ社 フランクリン工場 所在地 3400 Bearing Drive, Franklin, IN 所在地 3400 Bearing Drive, Franklin, IN 46131-9660, U.S.A. 46131-9660, U.S.A. 敷地面積 242,900m2 敷地面積 8,730m2 従業員数 245名(2004年12月31日) 従業員数 90名(2004年12月31日) 事業概要 ハブユニット軸受と変速機用の軸受の製造 事業概要 精機製品の製造 ISO14001認証取得 2002年11月 ISO14001認証取得 2006年取得予定 NSKコーポレーション社 アナーバー工場 NSKコーポレーション社 リバティ工場 所在地 所在地 5400 South State Road, Ann Arbor, MI 48108-9754, U.S.A. 1112 East Kitchel Road, Liberty, IN 47353-8985, U.S.A. 敷地面積 142,000m2 敷地面積 89,030m2 従業員数 288名(2004年12月31日) 従業員数 210名(2004年12月31日) 事業概要 自動車用軸受の製造 事業概要 玉軸受、自動車用軸受の内外輪旋削加工 ISO14001認証取得 2001年11月 ISO14001認証取得 2006年取得予定 NSKステアリングシステムズ・アメリカ社 所在地 110 Shields Drive, Bennington, VT 05201-8309, U.S.A. 海 外 に お け る 取 り 組 み 敷地面積 18,395m2 従業員数 600名(2004年12月31日) 事業概要 自動車部品の製造 ISO14001認証取得 2002年12月 取り組み状況 北米各地の工場 (NSKコーポレーション社のフランクリン工場、クラリンダ NSKコーポレーション社では、廃棄物処理業者と研削くずおよび金属スク 工場、アナーバー工場、NSKプレシジョン・アメリカ社、NSK-AKSプレシ ラップのリサイクルの合意を取り決め、2004年度にはそれまで埋め立て処 ジョンボール社、およびNSKステアリングシステムズ・アメリカ社) では、環 分されていた廃棄物を1,000トン以上削減することができました。 境負荷を低減する活動に継続して取り組んでいます。水やエネルギーの消費量 さらに、段ボールのリサイクルも推進しました。フランクリン工場、リバ の削減、箱やパレットなどの資材の再使用、大量の廃棄物のリサイクル、ハロ ティ工場、およびNSSAの工場では、リサイクルを容易にするための減容圧 ンおよび酸、腐食性の薬品や水溶性バリウムなどの環境負荷物質の使用廃止な 縮機を導入しました。その他の全ての工場についても、段ボールのリサイクル どを進めています。これらの活動により、工場内の様ざまなムダをなくすこと 対策を工場の取り組み目標に掲げています。この活動により、2004年度に ができました。 は埋め立て処分されていた段ボール500トン以上がリサイクルされ、成果は 着実に表れています。段ボールのリサイクルに加え、その使用量自体の削減の ため、お客様にリターナブル容器の使用を推奨しています。 全ての事業所でリサイクルを推進 最も成果を挙げた活動の一つがリサイクル活動です。工場では、環境管理責任 者のたゆまぬ努力と廃棄物処理業者との連携により、それまでは工場によって 20%程度と低かったリサイクル率を、ほとんどの工場で90%以上に向上さ せることができました。 圧縮された段ボール NSKコーポレーション社 フランクリン工場 リサイクル率 (t/年) 3,500 3,000 2,500 2,000 1,500 1,000 500 0 発生量 リサイクル量 リサイクル率 3500 (%) 100 80 減容圧縮機 60 40 20 2002 2003 2004(年度) 0 たゆみない環境活動 3000 圧縮されたプラスチック 2500 2000 1500 1000 研削くずと段ボールのリサイクルは、米州NSKで大きな成果を挙げましたが、 500 私たちが取り組むリサイクル活動のほんの一部にすぎません。さらに米州各地 0 の工場では、事務用紙、プラスチック、廃油、加工時の冷却液、木材、電子部 品、プリンタカートリッジ、電池、電球など多くの廃棄物のリサイクルを進 リサイクルへの取り組みには、多くのきめ細かな活動が含まれます。その一 つが研削くずのリサイクルです。NSKコーポレーション社は、NSKステアリ また、リサイクルのみならず、水、電気や、ガス使用量の削減と同様に、 ングシステムズ・アメリカ社 (NSSA) とNSKプレシジョン・アメリカ社 (NPA) 、 VOC (揮発性有機化合物) 排出の削減もプログラムに組み入れています。これ およびNSK-AKSプレシジョンボール社と共同で研削くずを金属スクラップと らの活動により、環境への影響の低減を積極的に推進しています。 一緒にリサイクルする取り組みを開始しました。 50 め、あらゆるムダを省き、一層の改善活動を行っています。 NSK Social and Environmental Report 2005 環境コーディネータ David Jones アジアでの取り組み インドネシア NSKベアリング・インドネシア社 ジャカルタ工場 所在地 Blok M-4, Kawasan Berikat, MM2100 Industrial Town, Cikarang Barat, Bekasi 17520, Jawa Barat, Indonesia 敷地面積 64,955m2 従業員数 1,458名 (2004年12月31日) 事業概要 玉軸受および自動車用軸受の製造 ISO14001認証取得 2000年3月 取り組み状況 NSKベアリング・インドネシア社 ジャカルタ工場では、社会の一員として地 くの人々が信仰するイスラム教のイドゥルアダ (犠牲祭) に際して、山羊を寄贈 域とともに発展することをめざし、地域に密着した独自の活動を行っています。 しました。 次代を担う人材の育成を支援 当社は、コミュニケーション活動の一環として、2004年6月22日にジャワ のスレマン中心部にあるSMKムハマディア高等学校から50人の工場見学を受 け入れました。当日は、NSKの製品や技術の説明、工場紹介に続き製造ライ ンの見学を行い、当社の環境保全活動への理解を一層深めていただきました。 見学者からは、 「きちんと整理されたとても良い工場」 という評価をいただきま 緊急事態に備え訓練を実施 した。 またインドネシアの将来を担う人材の育成を支援するため、工場がある工業 さらに社会面の活動だけでなく、環境保全への取り組みとして、火災や油漏れ 団地の周辺地域や西チカラン地域の小・中学校および高等学校20校余りを対 などの緊急事態を想定した訓練を毎年実施しています。訓練では、緊急事態に 象に、奨学金制度を設けています。 対する従業員の意識を向上させ、もしもの際にも迅速かつ組織的に対応し、被 害を最小限に食い止めるため、消火器による初期消火や各部署の消火班による 津波被災地の復興を支援 放水などを実際に行い、その手順を改めて確認しました。 2004年の12月26日、アチェ州やスマトラ北部を大津波が襲い大きな被害 が発生しました。当社は従業員と共同で被災地の救済と復興を支援するため、 2005年1月にチャリティーを行い、集められた義援金700万ルピア (約8万 円) と、衣服・薬・食料を被災者の方々に送りました。 海 外 に お け る 取 り 組 み 地域に根ざした社会貢献活動 工場では人種や言語、宗教など、地域の多様性を尊重し、良好な関係を築くた 環境管理責任者 Muflih Noor めの取り組みを実施しています。2005年1月19日には、インドネシアで多 中国 昆山恩斯克有限公司 所在地 中国江蘇省昆山経済技術開発区黄浦江南路258号 敷地面積 106,700m2 従業員数 839名 (2004年12月31日) 事業概要 家電用軸受、自動車用軸受の製造 ISO14001認証取得 2003年12月 取り組み状況 昆山恩斯克有限公司 (昆山NSK) は1997年5月に操業を開始した、中国で最 その結果、2003年度に58%だったリサイクル率が、2004年度には91% 初のNSKの工場です。 に向上しました。 万一の火災に備え 社員全員で訓練 スポーツ活動を通して企業間の交流増進 生産活動の中で考えられる一番のリスクは火災です。昆山NSKは昆山市より 昆山NSKのバスケットボールチームは昆山開発区内の外資系企業と友好試合 指定された消防重点企業であり、責任ある地域社会の一員として万一の火災 を行うなど、他社とのスポーツ交流を通してNSKの活動をアピールしていま に対応するために、毎年一回、従業員全員参加で消防訓練を実施しています。 す。また、水泳大会など様ざまなスポーツ活動にも積極的に参加し、好成績を 訓練には昆山市の政府消防部署も出席し、総指揮を筆頭に小分隊が組まれ、消 収めています。 火、救護、防護、連絡を担当する各員が連携して本番さながらの消防訓練を 特に毎年開催されるスポーツ大会には昆山NSKの全従業員が参加し、ス 行います。この訓練を通して従業員は、火災発生時にいかに臨機応変に対処 ポーツを通して楽しみながら健康増進を図るとともに、他の部署とのコミュニ するか、日頃の防災対策がいかに大切か、認識を新たにしました。また、救 ケーションも図っています。 助訓練の過程で人と人、部署と部署との協力関係も一層強化され、交流が深 まりました。 当社はこうした活動を通じて、福利厚生にも力を入れ、生産力向上に努めて います。 環境に配慮し廃棄物のリサイクルを推進 研削くずは現地の煉瓦工場で建築用煉瓦としてリサイクルされ、梱包用の段 ボールや木板は専門業者が回収します。また、軸受製造工程から出るスクラッ プや、設備課が廃棄した鉄くずなども業者が回収してリサイクルされています。 環境管理責任者 殷 月方 NSK Social and Environmental Report 2005 51 データ集 ●大気 自社・分社工場 関連会社 ば い 煙 発生施設 規制値 自主基準 実 績 ボ イ ラ 150 135 83 金属加熱炉 200 180 94 ばいじん ボ イ ラ (g/m3N) 金属加熱炉 0.3 0.27 0.0017 0.25 0.225 0.0057 ボ イ ラ SOx (m3N/hr) 金属加熱炉 3.11 2.80 0.02未満 1.02 0.92 0.01未満 ボ イ ラ 150 120 90 工場名 項 目 NOx (ppm) 藤沢工場 NOx (ppm) ばいじん ボ イ ラ (g/m3N) 金属加熱炉 大津工場 SOx (K値) ボ イ ラ NOx (ppm) ボ イ ラ 該当設備なし 0.3 8.76 0.1 NSKステアリング システムズ(株) 総社工場 NSKステアリング システムズ(株) 赤城分工場 NOx (ppm) NSKマイクロ プレシジョン(株) 松川工場 0.01未満 該当設備なし NOx (ppm) ボ イ ラ 150 金属加熱炉 8.76 900 NSKニードル ベアリング(株) 高崎工場 816 ばいじん ボ イ ラ (g/m3N) ディーゼル機関 0.1 0.09 0.002未満 0.1 0.09 0.042 17.5 5 0.1未満 ディーゼル機関 17.5 5 0.1未満 ボ イ ラ 150 140 115 ディーゼル機関 950 900 892 ばいじん ボ イ ラ (g/m3N) ディーゼル機関 0.1 0.09 0.002未満 91 ボ イ ラ 0.3 0.2 0.017 金属加熱炉 0.25 0.15 0.013 ボ イ ラ 1.42 0.6 0.002未満 金属加熱炉 1.53 0.75 0.005未満 NSKニードル ベアリング(株) 榛名工場 日本精工九州(株) NOx (ppm) ボ イ ラ 180 0.3 ボ イ ラ NOx (ppm) ボ イ ラ ボ イ ラ NOx (ppm) ボ イ ラ 0.1未満 ディーゼル機関 17.5 7 1.22 ボ イ ラ 180 160 84.2 ディーゼル機関 950 ー 894 ばいじん ボ イ ラ (g/m3N) ディーゼル機関 0.3 ー 0.02 0.005 NOx (ppm) 0.005未満 1.5 NSKワーナー(株) 0.38 該当設備なし 180 150 100 0.3 0.2 0.006未満 該当設備なし 8 7 井上軸受工業(株) 150 0.2 13 1.5 ディーゼル機関 17.5 ー 0.15 ボ イ ラ 180 135 67 金属加熱炉 該当設備なし 0.3 ボ イ ラ SOx (m3N/hr) 金属加熱炉 1.26 0.05 0.01未満 該当設備なし 0.11 0.003未満 該当設備なし ボ イ ラ 金属加熱炉 ばいじん ボ イ ラ (g/m3N) 金属加熱炉 該当設備なし 81 該当設備なし 0.3 ー 17.5 ボ イ ラ SOx (m3N/hr) 金属加熱炉 0.2未満 該当設備なし 180 0.1 ボ イ ラ ばいじん ボ イ ラ (g/m3N) 金属加熱炉 NOx (ppm) 該当設備なし 金属加熱炉 SOx (K値) 0.05 17.5 金属加熱炉 ばいじん ボ イ ラ (g/m3N) 金属加熱炉 91 該当設備なし 金属加熱炉 SOx (K値) 135 該当設備なし 金属加熱炉 ばいじん ボ イ ラ (g/m3N) 金属加熱炉 0.004 7 SOx (K値) 金属加熱炉 ボ イ ラ 0.09 17.5 NOx (ppm) 金属加熱炉 SOx (K値) 0.1 ボ イ ラ SOx (K値) ボ イ ラ 135 ボ イ ラ 150 金属加熱炉 該当設備なし 140 180 ボ イ ラ 金属加熱炉 950 NOx (ppm) NOx (ppm) ボ イ ラ 150 110 ボ イ ラ 該当設備なし ボ イ ラ 135 SOx (K値) 金属加熱炉 ディーゼル機関 NOx (ppm) 該当設備なし 該当設備なし 実 績 ボ イ ラ ばいじん ボ イ ラ (g/m3N) 金属加熱炉 SOx (K値) 金属加熱炉 5 自主基準 ボ イ ラ SOx (m3N/hr) 金属加熱炉 84 0.05 規制値 ばいじん ボ イ ラ (g/m3N) 金属加熱炉 0.1未満 ばいじん ボ イ ラ (g/m3N) 金属加熱炉 NSK福島(株) 120 ば い 煙 発生施設 ボ イ ラ SOx (m3N/hr) 金属加熱炉 0.01未満 該当設備なし ばいじん ボ イ ラ (g/m3N) 金属加熱炉 桐原事業所 5 150 金属加熱炉 ボ イ ラ NOx (ppm) 0.002 項 目 NOx (ppm) NSKマイクロ プレシジョン(株) 藤沢工場 該当設備なし SOx (K値) 埼玉工場、 ばいじん NSKプレシジョン(株) (g/m3N) 埼玉精機プラント SOx (m3N/hr) 0.05 該当設備なし 金属加熱炉 ばいじん ボ イ ラ (g/m3N) 金属加熱炉 石部工場 デ ー タ 集 金属加熱炉 工場名 NOx、 ばいじん、 SOxの実績は複数の対象施設の最大値を示します。 0.006未満 該当設備なし 8 金属加熱炉 7 用語解説 ・NOx:窒素酸化物 一酸化窒素や二酸化窒素が主なもので、 ボイラなどで燃料を燃焼すると発 生する。 ・ばいじん 燃料などの燃焼に伴って発生するススなど。 ・SOx:硫黄酸化物 二酸化硫黄や三酸化硫黄などが主なもので、 ボイラなどで硫黄を含んだ燃料 を燃焼すると発生する。 0.19未満 該当設備なし 180 金属加熱炉 150 110 該当設備なし NSKプレシジョン(株) ばいじん ボ イ ラ (g/m3N) 金属加熱炉 前橋精機プラント 0.3 ボ イ ラ SOx (m3N/hr) 金属加熱炉 0.9 0.2 0.01 該当設備なし 0.7 0.02未満 該当設備なし ●PRTR法対象物質排出量・移動量等 自社・分社工場 工場名 藤沢工場 大津工場 石部工場 埼玉工場/NSKプレシジョン(株) 埼玉精機プラント 取扱量 1,120 大気への排出量 水質への排出量 下水道への移動量 移動量(廃棄物) 249 0 0 0 消費量 871 リサイクル量 0 1,270 63 キシレン 45,858 3,684 0 0 0 40,904 227 トルエン 6,655 269 0 0 0 6,386 0 63 キシレン 12,968 2,594 0 0 0 9,282 1,092 483 63 キシレン 7,550 2,922 0 0 0 4,145 227 トルエン 3,856 21 0 0 0 3,835 0 63 キシレン 12,306 3,845 0 0 1 8,090 370 227 トルエン 2,348 5 0 0 0 2,343 0 NSK福島(株) 63 キシレン 4,137 2,634 0 0 0 375 1,128 40 エチルベンゼン NSKステアリングシステムズ(株) 63 キシレン 総社工場 NSKステアリングシステムズ(株) 3,003 313 0 0 297 2,393 0 21,617 1,939 0 0 2,257 17,421 0 1,388 181 0 0 90 1,117 0 0 224 1.3.5-トリメチルベンゼン 227 トルエン 23,780 7,057 0 0 1,126 15,597 63 キシレン 5,214 22 0 0 207 4,985 0 赤城分工場 227 トルエン 3,295 10 0 0 0 3,285 0 63 キシレン 9,275 131 0 0 0 8,874 270 NSKプレシジョン(株)前橋精機プラント 224 1.3.5-トリメチルベンゼン 1,151 1,151 0 0 0 0 0 227 トルエン 3,383 1,209 0 0 0 2,174 0 桐原事業所 非該当 52 (kg/年) 物質番号 物質名 40 エチルベンゼン NSK Social and Environmental Report 2005 ●水質 自社・分社工場 工場名 関連会社 項 目 藤沢工場 大津工場 石部工場 埼玉工場、 NSKプレシジョン(株) 埼玉精機プラント 桐原事業所 NSK福島(株) NSKステアリング システムズ(株) 総社工場 NSKステアリング システムズ(株) 赤城分工場 NSKプレシジョン(株) 前橋精機プラント pH BOD(mg/l) 放流先 pH BOD(mg/l) COD(mg/l) 浮遊物質(mg/l) 油分(mg/l) 窒素(mg/l) リン(mg/l) 放流先 pH BOD(mg/l) COD(mg/l) 浮遊物質(mg/l) 油分(mg/l) 窒素(mg/l) リン(mg/l) 放流先 pH BOD(mg/l) COD(mg/l) 浮遊物質(mg/l) 油分(mg/l) 窒素(mg/l) リン(mg/l) 放流先 pH BOD(mg/l) COD(mg/l) 浮遊物質(mg/l) 油分(mg/l) 放流先 pH BOD(mg/l) 浮遊物質(mg/l) 油分(mg/l) 窒素(mg/l) リン(mg/l) 放流先 pH BOD(mg/l) COD(mg/l) 浮遊物質(mg/l) 油分(mg/l) 窒素(mg/l) リン(mg/l) 放流先 pH BOD(mg/l) COD(mg/l) 浮遊物質(mg/l) 油分(mg/l) 窒素(mg/l) リン(mg/l) 放流先 pH BOD(mg/l) COD(mg/l) 浮遊物質(mg/l) 油分(mg/l) 窒素(mg/l) リン(mg/l) 放流先 工場名 規制値 自主基準 実 績 5.0∼9.0 5.3∼8.8 7.4 600 540 39.7 下水道(河川への放流はありません。 ) 6.0∼8.5 6.3∼8.0 6.9 70 25 8.4 70 25 5.0 90 30 0.7 5 4 0.5 40 20 5.3 2 1.6 0.1 河川(盛越川) 6.0∼8.5 6.3∼8.3 6.9 70 50 5.0 70 50 5.3 90 70 1.4 5 4 1.1 40 30 1.2 2 1.6 0.1 河川(野洲川) 5.8∼8.6 6.0∼8.4 7.4 25 25 4.6 160 70 11.0 50 40 4.9 5 4 0.5 120 100 5.9 16 10 0.8 河川(中川) 5.8∼8.6 6.2∼8.2 7.9 60 55 4.7 60 55 5.0 90 85 2.3 5 4 1.0 河川(引地川) 5.8∼8.6 6.0∼8.4 7.3 20 18 5.7 50 25 3.9 5 4.0 0.5 60 30 1.2 8 4 0.1 河川(社川) 5.8∼8.6 5.9∼8.5 7.9 25 24 3.0 25 24 3.7 50 45 3.2 5 4 1.0 120 100 4.4 16 14 0.1 河川(滝川) 5.8∼8.6 5.9∼8.5 7.2 25 24 4.5 25 24 5.0 50 45 2.0 5 4 1.0 120 100 6.2 16 14 0.1 河川(神沢川) 5.8∼8.6 5.9∼8.5 7.7 25 24 0.9 25 24 1.2 50 45 2.4 5 4 1.0 120 100 0.4 16 14 0.2 河川(染谷川) NSKマイクロ プレシジョン(株) 藤沢工場 NSKマイクロ プレシジョン(株) 松川工場 NSKニードル ベアリング(株) 高崎工場 NSKニードル ベアリング(株) 榛名工場 日本精工九州(株) NSKワーナー(株) 井上軸受工業(株) 項 目 pH BOD(mg/l) COD(mg/l) 浮遊物質(mg/l) 油分(mg/l) 放流先 pH BOD(mg/l) COD(mg/l) 浮遊物質(mg/l) 油分(mg/l) 放流先 pH BOD(mg/l) シアン(mg/l) 放流先 pH BOD(mg/l) COD(mg/l) 浮遊物質(mg/l) 油分(mg/l) 窒素(mg/l) リン(mg/l) 放流先 pH BOD(mg/l) COD(mg/l) 浮遊物質(mg/l) 油分(mg/l) 窒素(mg/l) リン(mg/l) 放流先 pH BOD(mg/l) COD(mg/l) 浮遊物質(mg/l) 油分(mg/l) 窒素(mg/l) リン(mg/l) 放流先 pH BOD(mg/l) COD(mg/l) 浮遊物質(mg/l) 油分(mg/l) 窒素(mg/l) リン(mg/l) 放流先 規制値 5.8∼8.6 60 60 90 5 自主基準 実 績 5.8∼8.5 7.5 58 14.6 58 18.2 88 9.3 4.5 1.1 河川(柏尾川) 5.8∼8.6 5.9∼8.5 6.8 160 152 8.1 160 152 7.7 200 190 4.2 5 4.9 1.4 河川(片桐松川) 5∼9 5.9∼8.5 7.6 600 500 12.3 1 1 0.1 下水道(河川放流は、 雨水のみ) 5.8∼8.6 5.9∼8.5 7.6 25 24 8.2 25 24 4.0 50 45 5.3 5 4 1.0 120 100 43.5 16 14 0.3 河川(向井川) 5.8∼8.6 5.9∼8.5 7.6 45 20 5.6 45 20 15.0 100 60 1.0 5 4 0.5 120 100 29.0 16 14 3.3 河川(新田川) 5.8∼8.6 5.8∼8.6 7.3 25 20 3.5 160 20 10.4 50 30 2.0 5 4 0.5 120 30 5.3 16 4 0.1 河川(逆川) 5.8∼8.6 6.0∼8.3 7.1 150 100 24.8 150 100 23.8 200 120 5.0 4 3 1.5 60 ー 43.7 8 ー 0.6 河川(宇奈田川) デ ー タ 集 用語解説 ・pH:水素イオン濃度 酸性やアルカリ性の度合いを示す指標で7付近が中性。 ・COD:化学的酸素要求量 有機物による水の汚濁の程度を示す指標で、 水中の汚濁物質を酸化剤で酸化す るのに消費される酸化剤の酸素量。 ・BOD:生物化学的酸素要求量 有機物による水の汚濁の程度を示す指標で、 水中の汚濁物質が微生物で酸化分 解されるのに必要な酸素量。 関連会社 (kg/年) 工場名 NSKニードルベアリング (株)高崎工場 NSKニードルベアリング (株)榛名工場 日本精工九州(株) 物質番号 井上軸受工業(株) 取扱量 大気への排出量 水質への排出量 下水道への移動量 移動量(廃棄物) 消費量 リサイクル量 16 2−アミノエタノール 1,570 0 0 627 0 0 943 63 キシレン 9,435 4,680 0 0 0 2,749 2,006 108 無機シアン化合物 1,339 0 0 0 1,339 0 0 227 トルエン 4,032 0 0 0 0 4,032 0 2−アミノエタノール 9,332 0 3,735 0 5,597 0 0 63 キシレン 2,794 1,536 0 0 0 601 657 227 トルエン 1,233 1,233 0 0 0 0 0 2−アミノエタノール 3,709 0 297 0 742 2,670 0 16 16 NSKワーナー(株) 物質名 63 キシレン 67 クレゾール 46,550 1,903 0 0 480 44,167 0 2,233 2,038 0 0 141 54 0 0 227 トルエン 33,985 31,469 0 0 2,132 384 266 フェノール 93,437 1,828 0 0 5,905 85,704 0 309 ポリ(オキシエチレン)=ノニルフェニルエーテル 1,350 0 73 0 615 662 0 キシレン 1,568 907 0 0 0 612 49 63 NSKマイクロプレシジョン(株)藤沢工場 非該当 NSKマイクロプレシジョン(株)松川工場 非該当 用語解説 ・PRTR法:特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律。 ・消費量:PRTR法対象物質が反応により他物質に変化(燃焼など)したり、製品に含有もしくは同伴されて場外に持ち出される量。 NSK Social and Environmental Report 2005 53 ●CO2排出原単位推移 自社・分社工場 藤沢工場 NSKマイクロプレシジョン(株)藤沢工場 (t-CO2/百万円) (t-CO2/百万円) 3.0 2.5 2.5 2.0 2.0 1.5 1.5 1.0 1.0 90 99 00 01 02 03 04 05 10 (年度) 0.5 90 99 00 01 02 03 04 05 10 (年度) 02 03 04 05 10 (年度) 02 03 04 05 10 (年度) 大津工場 NSKマイクロプレシジョン(株)松川工場 (t-CO2/百万円) (t-CO2/百万円) 3.0 4.0 2.5 3.0 2.0 2.0 1.5 1.0 1.0 90 99 00 01 02 03 04 05 10 (年度) 0 90 99 00 01 石部工場 NSKニードルベアリング(株)高崎工場 (t-CO2/百万円) (t-CO2/百万円) 3.0 3.5 2.5 3.0 2.0 2.5 1.5 2.0 1.0 デ ー タ 集 関連会社 90 99 00 01 02 03 04 05 10 (年度) 1.5 90 99 00 01 埼玉工場/NSKプレシジョン(株)埼玉精機プラント NSKニードルベアリング(株)榛名工場 (t-CO2/百万円) (t-CO2/百万円) 5.0 3.0 4.0 2.5 3.0 2.0 2.0 1.5 1.0 90 99 00 01 02 03 04 05 10 (年度) 1.0 90 桐原事業所 日本精工九州(株) (t-CO2/百万円) (t-CO2/百万円) 2.0 4.0 1.5 3.0 1.0 2.0 0.5 1.0 0 90 99 00 01 02 03 04 05 10 (年度) 0 90 NSK福島(株) NSKワーナー(株) (t-CO2/百万円) (t-CO2/百万円) 3.5 3.0 3.0 2.5 2.5 2.0 2.0 1.5 1.5 90 99 00 01 02 03 04 05 10 (年度) 1.0 90 NSKステアリングシステムズ(株) 井上軸受工業(株) (t-CO2/百万円) (t-CO2/百万円) 2.0 3.5 1.5 3.0 1.0 2.5 0.5 2.0 0 90 99 00 01 02 03 04 05 10 (年度) 1.5 90 99 00 01 02 03 04 05 10 (年度) 99 00 01 02 03 04 05 10 (年度) 99 00 01 02 03 04 05 10 (年度) 99 00 01 02 03 04 05 10 (年度) NSKプレシジョン(株)前橋精機プラント (t-CO2/百万円) 2.5 電力の使用にともなうCO2の排出量は、火力発電を前提として算出しています。 2.0 1.5 目標 1.0 0.5 54 90 99 00 01 NSK Social and Environmental Report 2005 02 03 04 05 10 (年度) 実績 ●最終処分量・リサイクル率推移 自社・分社工場 関連会社 NSKマイクロプレシジョン(株)藤沢工場 藤沢工場 (%) 100 (t/年) 2005年3月にゼロエミッション達成 (%) 100 (t/年) 200 8,000 80 6,000 60 100 4,000 40 2,000 0 80 150 60 20 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 0 04(年度) 40 50 0 20 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 0 04(年度) NSKマイクロプレシジョン(株)松川工場 大津工場 (%) 100 (t/年) 3,000 2,500 2,000 (%) 100 (t/年) 500 80 400 80 60 300 60 40 200 40 20 100 20 1,500 1,000 500 0 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 0 04(年度) (%) 100 5,000 80 4,000 60 3,000 20 1,000 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 0 04(年度) 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 0 04(年度) 2004年12月にゼロエミッション達成 (%) 100 (t/年) 6,000 5,000 80 4,000 60 (%) 100 2,000 1,000 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 20 1,000 0 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 0 04(年度) (%) 100 (t/年) 5,000 80 4,000 80 60 3,000 60 40 2,000 40 20 1,000 0 04(年度) 桐原事業所 0 デ ー タ 集 20 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 0 04(年度) 日本精工九州(株) (%) 100 (t/年) 0 (t/年) 800 700 600 500 400 300 200 100 0 (%) 100 (t/年) 25,000 800 80 600 60 400 40 200 20 90 40 2,000 NSKニードルベアリング(株)榛名工場 埼玉工場/NSKプレシジョン(株)埼玉精機プラント (t/年) 8,000 7,000 6,000 5,000 4,000 3,000 0 91 3,000 40 2,000 0 90 NSKニードルベアリング(株)高崎工場 石部工場 (t/年) 6,000 0 0 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04(年度) (%) 100 80 60 40 20 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 0 04(年度) NSKワーナー(株) NSK福島(株) (t/年) 3,000 2,500 2,000 (%) 100 80 20,000 80 60 15,000 60 40 10,000 40 20 5,000 20 1,500 1,000 500 0 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 0 04(年度) 0 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 0 04(年度) 井上軸受工業(株) NSKステアリングシステムズ(株) (%) 100 (t/年) 10,000 8,000 80 6,000 60 4,000 40 2,000 20 (%) 100 (t/年) 2,000 80 1,500 60 1,000 0 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 0 04(年度) 40 500 0 20 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 0 04(年度) NSKプレシジョン(株)前橋精機プラント (%) 100 (t/年) 3,000 2,500 80 2,000 総排出量(t/年) 埋立処分量(t/年) リサイクル率(%) 60 1,500 40 1,000 20 500 0 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 0 04(年度) NSK Social and Environmental Report 2005 55 ■関連情報 <関連会社> 環境への取り組みは、NSKホームページからもご覧いただけます。 NSKマイクロプレシジョン株式会社 ・URL:http://www.nsk.com NSKマイクロプレシジョン株式会社[長野県] 関連する情報を以下の冊子で提供しています。ご入用の方は右下のお問い合 NSKニードルベアリング株式会社 わせ先にお申し付けください。 ・ 高崎工場 ・会社案内 (日本語版、英語版、中国語版) ・ 榛名工場 ・アニュアルレポート2005 (日本語版、英語版) 日本精工九州株式会社 ・社会・環境報告書2004 (日本語版、英語版) NSKワーナー株式会社 ・環境報告書2001、2002、2003(日本語版、英語版) 井上軸受工業株式会社 ・ベアリング博士の “おもしろ” 誌上講義 ベアリング入門(日本語版) 千歳産業株式会社 ・絵本 ベアリングのおはなし(日本語版) 旭精機株式会社 信和精工株式会社 ■対象範囲詳細 ・ 朽木工場 自社・分社会社及び出資比率50%以上の製造、物流関連会社を環境マネジメ ・ 新旭工場 ントの対象としています。NSKブランド製品を製造する関連会社の他、比較 NSKマシナリー株式会社 的規模が小さく、環境負荷も大きくありませんが、軸受の旋削加工などを担 当する前工程加工関連会社や、設備製造関連会社を含めています。また、物 流関連会社も加え、グループの全ての活動領域で総合的に環境負荷低減に取り 組むことが重要と考えています。 ※1 2005年5月から、NSKプレシジョン (株) 桐原精機プラントは組織変更により桐原事業所 となりました。 ※2 埼玉精機プラントは埼玉工場と同一敷地内にあるため、集計データは埼玉工場に含めてい ます。 1. 環境マネジメントの対象範囲 ・日本精工株式会社 〈分社会社〉 ・NSK福島株式会社 ・NSKステアリングシステムズ株式会社 ・NSKプレシジョン株式会社 〈NSKブランド製品製造関連会社〉 アンケートにご協力ください ・NSKマイクロプレシジョン株式会社 一方的な情報発信にとどまらず、 ・NSKマイクロプレシジョン株式会社[長野県] ・NSKニードルベアリング株式会社 ・日本精工九州株式会社 双方向のコミュニケーションにより、 活動の内容や当報告書の質を高めたいと ・NSKワーナー株式会社 考えております。 ・井上軸受工業株式会社 添付するアンケート用紙にて、 〈前工程加工関連会社〉 ご意見・ご提言をお聞かせください。 ・千歳産業株式会社 ・旭精機株式会社 編 集 後 記 ・信和精工株式会社 〈設備製造関連会社〉 ・NSKマシナリー株式会社 〈製品物流関連会社〉 ・NSKロジスティックス株式会社 〈海外製造関連会社〉 ・出資比率50%以上の製造関連会社について共通指針を掲げ取り組んでいます。 2. 自主行動計画におけるパフォーマンス集計範囲 本年度版より、データの網羅性を高めるため、自社・分社会社に加え製造に 関わる関連会社を集計範囲に含めました。ただし、1993年からの自社・分 社を対象にした自主行動計画スタート時からの推移を示すため、関連会社の 集計と分けて報告する項目については、各ページにその旨を標記しています。 <自社・分社会社> 日本精工株式会社 ・ 藤沢工場 昨年度から、従来の環境報告書を「社会・環境報告書」にタイトルを 改め、本年度で2回目の発行となります。本年度版では「人を支える NSK、人に支えられるNSK」をテーマに、活きたNSKの姿を皆さまに お伝えするため、 インタビュー記事を交えながらNSKの人々が、関係す る皆さまとともに歩んでいる姿を紹介し、楽しみながらお読みいただけ る様に努めました。また、企業の社会的責任(CSR)への関心が高まる 中、 コーポレートガバナンスやコンプライアンス体制の強化など、NSK がこれまで取り組んできた内容や、 これからの持続的な発展に向けてめ ざしている姿など、分りやすくお伝えするよう配慮しました。さらに環境 への取り組みについても、製品のライフサイクルを通じた取り組みを キーワードに、情報の網羅性を高めるように努めました。 NSKでは、多くの方々にこの報告書をご覧頂き、 ご意見やご提言を 頂くことが、我々の取り組みや報告書の質を高める近道であると考えて おります。忌憚のないご意見・ご提言を頂ければ幸いです。 ・ 大津工場 ・ 石部工場 ・ 埼玉工場 ・ 桐原事業所※1 NSK福島株式会社 NSKステアリングシステムズ株式会社 日本精工株式会社 コンプライアンス本部 環境管理部 〒141- 8560 東京都品川区大崎1-6-3日精ビル ・ 前橋精機プラント T E L : 03 - 3779 -7170 F A X : 03 - 3779 -7445 ・ 埼玉精機プラント※2 e-mail: [email protected] NSKプレシジョン株式会社※1 56 お問い合わせ先 NSK Social and Environmental Report 2005 地域別売上高構成(顧客所在地ベース) 売上高 セグメント別売上高 (十億円) 600 581.0 533.1 522.8 522.2 480.9 4 % 14% 400 11% 16% 54% 54% 31% 16% 200 ■ 日本 ■ 欧州 ■ アジア ■ 米州 0 01/3 02/3 ■ 自動車関連製品 ■ 産業機械軸受 ■ 精機製品 03/3 04/3 05/3 当期純利益(損失)、売上高当期純利益率 営業利益、売上高営業利益率 (十億円) (%) 40 38.3 8 (十億円) (%) 30 (%) 6 15 4 10 2 5 ■ その他 総資産当期純利益率(ROA) 株主資本当期純利益率(ROE) 11.9 22.3 30 26.0 25.8 4.8 20 6.6 6 10 5.0 10 2 3.9 0.8 01/3 02/3 03/3 -2.7 04/3 05/3 0 ■ 営業利益(左軸) ━ 売上高営業利益率(右軸) 0 -2 -17.7 -5 -20 -3.7 01/3 02/3 03/3 04/3 05/3 -4 -10 ■ 当期純利益(損失) (左軸) ━ 売上高当期純利益率(右軸) 設備投資額、減価償却費 (十億円) 3.6 - 0.4 - 2.7 -1.4 - 8.1 01/3 02/3 03/3 04/3 05/3 ━ 総資産当期純利益率(ROA) ━ 株主資本当期純利益率(ROE) 地域別人員構成 従業員数 (人) 40 33.9 30 0 2.4 1.7 -0.5 -10 8.0 5.5 2.7 0 3.4 3.8 14.3 11.4 2.1 4 17.8 0 20 36.2 36.9 27.5 28.8 26.9 27.4 26.2 25.5 23.0 25,000 23,283 22,337 20,351 20,000 19,772 20,737 15,000 15% 43% 21% 20 10,000 7,038 10 0 5,000 21% 5,970 3,619 3,680 3,664 0 01/3 02/3 03/3 04/3 05/3 ■ 設備投資額 ■ 減価償却費 01/3 ■ 単体 02/3 03/3 04/3 05/3 ■ 日本 ■ 欧州 ■ アジア ■ 米州 ■ 連結 NSK Social and Environmental Report 2005 57 社会・環境報告書 2005 CAT.No.8005 2005 G-8 Printed in Japan c 日本精工株式会社 2005
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