事例報告(国際交流) ネイチャーゲームを活用した通訳育成の試み ネ イチ ャ ー ゲ ー ムリ ー ダ ー 岡部 世良 はじめに こ の事 例 は 、2004 年 8 月 に 愛知 県 豊 田 市 の総 括 で 実 施さ れ た「 ボ ラ ン ティ ア 通 訳 交 流キ ャ ン プ 」に つ い て の 報告 で す 。15 歳 23 歳 の ボ ラン テ ィア 通 訳 志 願 者に 向 け て 通 訳体 験 談 を し 、 同 時に ネ イ チ ャ ーゲ ー ム を 活 用し た ち ょ っ とし た 練 習( 自 称 : 通 訳入 門 ) を 実 施し ま し た 。 通 訳育 成 を 達 成 した も の で は あり ま せ ん 。 事業の背景 「 ボラ ン テ ィ ア 通訳 交 流 キ ャ ンプ 」は 以 下 の 3 つ の 事業 が 織 り 合 わさ っ て 実 施 され ま し た 。 1. こ ど も 環 境サ ミ ッ ト 2005 年 3 月 か ら 9 月 ま で 開幕 さ れ る 「 愛・ 地 球 博 」 と連 携 し て 、7 月 に 「こ ど も 環 境 サミ ッ ト 」が 英語 圏 以 外 で 初め て 、日 本 で 開 催さ れ る こ とに な っ て い ます 。こ の 会 議 は 1972 年 に 設 立 され た 国 連 機 関、 国 連 環 境 計画 (United Nations Environmental Programme UNEP 本部 は ケニ ア ・ ナ イ ロビ ) が 1992 年 6 月 ブ ラ ジル リ オ・デ ジ ャ ネ イ ロで 開 催 さ れた 「 国 連 環 境 開 発会 議 ( 地 球 サミ ッ ト )」 の 決議 を 受 け て 、「 持 続 可能 な 開 発 」 の実 現 に 向 け 、青 少 年 の 参 加・協 力を 推 進 す る ため に 開 始 した 事 業 で す 。1995 年 に イ ギリ ス で 第 1 回が 開 催 さ れ 、2004 年 に 第 5 回 が アメ リ カ で 開 催さ れ ま し た。UNEP は この 事 業 の 他 、オ ゾ ン 層 保 護、 気 候 変 動 、 廃 棄物 、 海 洋 環 境保 護 を は じ め広 範 な 環 境 分野 を 対 象に 活 動 を 行 なっ て い る 機 関で す 。 第 6 回 と な る 今 回は 愛 知 県 豊橋 市 と 豊 田 市が 開 催 地と な り 、「 こ ども 環 境 サ ミッ ト 2005 実 行 委員 会 」 が 主 体と な っ て 準 備を 進 め て い ます 。 実 行委 員 会 は 愛 知県 、 環 境 省 、豊 田 市 、 豊 橋 市 、( 財 )2005 年 日 本 国 博 覧会 協 会 、 中 部電 力 ㈱ 、サ ン ト リ ー ㈱、 ト ヨ タ 自 動車 ㈱ 、 イ オ ン ㈱ で 構 成 さ れ 、全体 会 や 分 科 会の 他 、博 覧 会参 加 や地 元 の 小 中 学校 訪 問 、室 内で 行 な う ワ ー クシ ョ ッ プ や 野外 で 行 う フ ィー ル ド ト リ ップ な ど の企 画 、 準 備 が進 め ら れ て いま す 。 [ 概要 ] (1)会議 の 目 的 ・ 環境 に 関 す る 様々 な 経 験 や 意見 を 共 有 し 、理 解 を 深め る こ と 。 ・ 友情 を 築 く た めの 機 会 を 提 供す る こ と 。 ・一 堂 に 会 し て発 言 で き る 機会 を 提 供 す るこ と 。 ・環 境 を 良 く する 活 動 を 応 援す る こ と 。 ・地 球 全 体 の 環境 を 考 え 、 地域 レ ベ ル で 行動 す る 力を は ぐ く む こと 。 (2)第 6 回 会 議 内 容 全 体テ ー マ : 持 続可 能 な 社 会 に向 け て 行 動 を起 こ そ う 主 なプ ロ グ ラ ム : ・ 全体 会 ・ 分 科 会 ⋯ ⋯ ⋯ 各 国 代表 者 が 取 り 組ん で きた こ と を 発 表 ・ ワー ク シ ョ ッ プ ⋯ ⋯ ⋯ 各 国 の地 域 社 会 で 進め て いる 活 動 事 例 の発 表 や 意 見 交換 ・ フィ ー ル ド ト リッ プ ⋯ 愛 知 の自 然 を 活 用 した 体 験を 通 し て 環 境へ の 理 解 を 深め る ・ 愛・ 地 球 博 参 加 ⋯ ⋯ ⋯ 博 覧 会の テ ー マ 「 自然 の 叡智 」 を 体 感 する ・ 学校 訪 問 ⋯ ⋯ ⋯ ⋯ ⋯ ⋯ 地 元 の小 中 学 校 を 訪れ 、 様々 な 交 流 を する 主 な流 れ : ・20 名 程 度の 活 動 グ ル ープ に 分 か れ 、毎 日 そ の 日 体 験し た こ と や 自分 の 国 や 地 域で の 経験 を 話 し 合 い、 共 有 す る ・ 各グ ル ー プ で 出さ れ た 意 見 を、 選 ば れ た 子ど も た ちが 取 り ま と め、 最 終 日 に 「宣 言 文 」 とし て 発 表 す る (3) 実 施内 容 開催 日 程 :2005 年 7 月 26 日(火)∼29 日(金) 会 場 : 豊 田市 、 豊 橋 市 (集 合 ・ 解 散 は豊 橋 市 ) 対 象 者 : 環 境 活動 を 行 な っ てい る 10 歳 か ら 14 歳 の 子 ども ( お よ び 引率 者 ) 子 ども 650 名 ( 海 外 400 名 、 日 本 250 名 ) 引 率者 350 名 ( 海 外 200 名 、 日 本 150 名 ) 計 1000 名 2. と よ た エ コ キ ッ ズ キ ャ ン プ 「 とよ た エ コ キ ッズ キ ャ ン プ 実行 委 員 会 」 は 、( 社 )豊 田 青 年 会 議所 、 矢 作 川 「川 会 議 」、 そ して と よ た ネ イチ ャ ー ゲ ー ムの 会 と 豊 田 市役 所(監 査 役 )の 4 団 体 に よ って 運 営 さ れ、2002 年 以来 、 毎 年 夏に 3 日 間 の エ コキ ャ ン プ を 開催 し て きま し た 。2002 年 は 「里 山 」、2003 年 は 「 川 」、2004 年 は「 エ コ ラ イフ 」をテ ー マ に 様 々な 自 然体 験 や 交 流 の場 を 提 供 し てき ま し た 。 [ 概要 ] (1) 目的 ・ 環境 に 関 す る 体験 、 交 流 、 情報 交 換 な ど を通 し て 次代 を 担 う 子 ども た ち の 健 全な 育 成 と 環 境学 習 の 推 進 を計 る こ と 。 (2) 2004 年度 の 内 容 全体 テ ー マ : エコ ラ イ フ 共通 プ ロ グ ラ ム: 1 日目 / な か よ くな ろ う ( ネ イ チャ ー ゲ ー ム によ る ア イ ス ブレ ー ク ) 2 日 目の 晩 / コ ン サー ト ( 音 楽 とイ マ ジ ネ ー ショ ン の 夕 べ ) 3 日 目/ ふ り か え り、 わ か ち あ い( 発 表 )、 宣 言文 の 作 成 と採 択 テ− マ 別 プ ロ グラ ム :( ワ ーク シ ョ ッ プ 形式 は 2004 年 初 め ての 試 み ) ・ 集ま れ ! キ ッ ズイ ン デ ィ ア ン ⋯ テ ィ ピ ー づく り 、ハ イ キ ン グ 、野 宿 、 自 炊 など を 体 験 し 、自 然 の 掟 を 守っ て 生 きる イ ン デ ィ アン の 知 恵 を 学ぶ 。 ・ 集ま れ ! 川 ガ キ ⋯ い か だ づ くり 、 釣 り 具 づく り 、川 下 り 、 釣 り、 そ し て 釣 った 魚 の 料 理 な どを 体 験 し 、 川の 生 態 など に つ い て 学ぶ 。 とりびと ・ 集ま れ ! 鳥 人 ⋯ ⋯ 鳥の 観 察 や カ ービ ン グ 、 巣 作り な どを 体 験 し 、 鳥の 暮 ら し や 森の 未 来 を 考え る 。 (3) 実 施 内 容 開催 日 程 :2004 年 7 月 17 日 ( 土 )オ リ エ ン テ ー ショ ン ( プ レ ショ ー ) 8 月 6 日( 金 ) ∼8 日 ( 日 ) 2 泊 3 日 の キャ ン プ ( メイ ン シ ョ ー ) 8 月 28 日( 土 ) 29 日 ( 日 ) ふた た び 集 ま れエ コ キ ッ ズ み ん な の 展 示会 ( ポ ス ト ショ ー ) ( 作文 、 絵 、 写 真な ど 、 参加 し た 子 ど もた ち の 作 品 など を 展 示 ) ※プ レ 、 メ イ ン、 ポ ス ト シ ョー と い う 流れ を 持 た せ たの は 2004 年が 初 め て キャ ン プ の 会 場: 豊 田 市 総 合野 外 セ ン タ ー、 矢 作 川、 他 対 象 者 : 豊 田 市周 辺 在 住 の 小 学 4 年 生 か ら 6 年 生 募 集人 数 :120 名 3. ボ ラ ン テ ィ ア 通 訳 交 流 キ ャ ン プ 「 愛・ 地 球 博 」 や「 こ ど も 環 境サ ミ ッ ト 」 開催 に 向 けて 、 そ れ ぞ れの 実 行 委 員 会を 筆 頭 に 愛 知県 や 豊 橋 市 、豊 田 市 な ど で大 勢 の 通 訳 が募 集 さ れ、 研 修 会 な どを 重 ね て い ます 。 こ こ で 紹 介す る 「 交 流 キャ ン プ 」 は 、豊 田 市 環 境 部環 境 政 策課 が 募 集 し たボ ラ ン テ ィ ア通 訳 を 対 象 に 上記 「 と よ た エコ キ ッ ズ キ ャン プ 」 と 合 同で 実 施 され た も の で す。 [ 概要 ] (1)目的 ・「 こど も 環 境 サ ミッ ト 2005」に 先 立 ち 、 同会 議 に 参加 す る 子 ど もた ち の 身 の 回り の サ ポ ー トを す る ボ ラ ンテ ィ ア 通 訳 を志 願 す る 青 年を 対 象 に、 フ ィ ー ル ドト リ ッ プ を 実際 に 体 験 しな が ら 通 訳 する 仲 間 と 楽 しく 交 流 す る 機会 を 提 供す る こ と 。 (2)内容 ・ 通訳 者 の 体 験 談や 心 得 に つ いて 話 を 聞 く こと 。 ・ 通訳 す る 仲 間 同志 で 楽 し く 交流 す る こ と 。 ・「 とよ た エ コ キ ッズ キ ャ ン プ」 に 参 加 し 、子 ど も たち と 交 流 す る機 会 を 持 つ こと 。 (3) 実施 内 容 開催 日 程 :2004 年 7 月 17 日 ( 土 )オ リ エ ン テ ー ショ ン 8 月 6 日 ( 金 ) ∼8 日 (日 ) キ ャン プ ( 2 泊 3 日 ) 会 場 : 豊 田市 総 合 野 外 セン タ ー 、 他 参加 資 格 :1) 豊田 市 在 住 でサ ミ ッ ト 出 席者 に 近 い年 齢 で あ る こと (2005 年 4 月 1 日 時点 で 15 歳 ∼22 歳 程 度) 2) 英語 と 日 本 語の 通 訳 が で きる こ と 3) 環境 問 題 に 関心 が あ る こ と 募集 人 数 :15 名 選考 方 法 : 簡 単な 面 接 ( 英 語を 含 む ) を 実施 。 総 括 : 豊 田市 役 所 環 境 部環 境 政 策 課 協 力 : 豊 田 市教 育 委 員 会 、愛 知 県 教 育 委員 会 、 エコ キ ッ ズ キ ャン プ 実 行 委 員会 通訳講師依頼を受けた背景 上 記の よ う な「 ボ ラン テ ィ ア 通 訳交 流 キ ャ ン プ 」の 講 師と し て 私 に 依頼 が あ っ た 背景 に は 、 2003 年 度 の ア ナ ン ダ 研 修 ツ ア ー に と よ た ネ イ チ ャ ー ゲ ー ム の 会 運 営 委 員 長 の 浅 岡 厚 志 さ ん が 参加 さ れ 、 通 訳を 勤 め た 私 のこ と を 覚 え てい て く ださ っ た こ と 、浅 岡 さ ん が 「と よ た エ コ キ ッズ キ ャ ン プ 」の 副 運 営 委 員長 を さ れ て いる た め 豊田 市 役 所 と かか わ り を も って お ら れ 、 私 を推 薦 し て く ださ っ た 経 緯 があ り ま し た 。 ネイチャーゲームを活用した通訳育成の試み 前置 き が 大 変 長く な り ま し たが 、 以 下 に 実施 し た 内容 を 紹 介 し 、簡 単 に 考 察 を加 え ま す 。 1. ス ケ ジ ュ ー ル 通 訳チ ー ム は エ コキ ッ ズ キ ャ ンプ の プ ロ グ ラム の う ち、 と よ た ネ イチ ャ ー ゲ ー ムの 会 が 指 とりびと 導 した「 集 ま れ ! 鳥 人 」チ ーム の ス ケ ジ ュー ル に 沿 っ て 活動 し 、子 ど も た ちと 交 流 す る 機会 を 持ち な が ら 、通 訳 の 体 験 談、心 構 えや コ ツ に つ い て話 を 聞 い た り、ち ょ っ とし た 練 習 をし 、 ま たフ ィ ー ル ド 散策 な ど を し まし た 。 下 記 、[ ]は ア イ ス ブレ イ ク プ ログ ラ ム 、< > は ネ イチ ャ ー ゲ ー ム 、PW は プロ ジ ェ ク ト ワ イ ルド の プ ロ グ ラム 、*印 は 通訳 入 門 用 に アレ ン ジ した ア ク テ ィ ビテ ィ で す 。 1 日目 6:00 6:30 7:30 9:00 9:30 10:30 12:00 13:00 15:00 15:30 17:00 18:30 19:30 21:30 22:00 開会式 オリエンテーション アイスブレイクと通訳体験 [並 び 変 え ] [名 前 の キ ャ ッ チ ボ ー ル ] [フ ォ ー ス ト チ ョ イ ス ] *< 動 物 ヒ ン ト リ レ ー > *< ノ ー ズ > 昼食 <フクロウとカラス> フィールド散策 <サウンドマップ> *< 木 こ り の 親 方 > 山の資料館見学 2 日目 起床 朝のつどい <わたしのサイト> 朝食 子どもたちとカービング体験 課題: 子どもたちと交流しながら、 子どもの特性に注目してみる 3 日目 起床 朝のつどい <好奇心をもってみる> 朝食 清掃 ふりかえり フィールド散策 PW「 渡 り は つ ら い よ 」 <森の設計図> 昼食 考察、ロールプレイなど 通訳体験談 ビデオ上映 通訳体験 *< は じ め ま し て > 昼食 まとめ わかちあい 各グループの発表 宣言文採択、英訳 閉会式 解散 夕食(準備と片付け) 入浴 鳥のお話、幻灯会 夕食(準備と片付け) 入浴 キッズナイト(コンサート) 就 寝準 備 就寝 就 寝準 備 就寝 2. ネ イ チ ャ ー ゲ ー ム を 活 用 し た 通 訳 入 門 ネ イチ ャ ー ゲ ー ムを ど の よ う に活 用 し て 通 訳の 練 習 を実 施 し た か 、簡 単 に 説 明 しま す 。 通訳入門版 <動物ヒントリレー> 日 本語 と 英 語 両 方が 書 い て あ る動 物 カ ー ド を使 い ま す。 [従 来の ル ー ル を 変更 し た 点] ・3 人 1 組 にな り 、 カ ード を 拾 っ て きた 人 は まず 英 語 を 読 む。 ・ 次に 取 り に い く人 に カ ー ド を渡 し 、 渡 さ れた 人 は 日本 語 を 読 む 。 ・3 人 で 謎 の動 物 は 何 か考 え な が ら メモ を 取 る 。 メモ は 英 語 で も日 本 語 で も よい 。 [ね らい] こ の活 動 を 通 し て、 協 力 し あ いな が ら 皆 で 英語 と 日 本語 の 両 方 を 聞い た り 声 に 出し て 読 む こ とに よ り 、 人 前 で 2 つ の 言 語を 話 し た り 聞い た り す る こと に 慣 れ、 ま た 2 つ の 言 語 の間 で 頭 を 瞬 時に 切 り 替 え なが ら 理 解 す る練 習 を し て もら い ま し た 。 [参 加者 の 様 子] 想定 し た 通 り 、ワ イ ワ イ ガ ヤガ ヤ と 英 語 と日 本 語 を織 り 交 ぜ な がら 交 流 し 、3 人 1 組 だ っ た ため 無 理 な く グル ー プ 意 識 が生 ま れ た よ うで 、 団 結し て 謎 の 動 物を 解 明 す べ く頭 を ひ ね っ て いま し た 。 英 語も 日 本 語 も 読む だ け で あ り、 語 学 力は あ ま り 問 われ な い 活 動 と言 え ま す 。 通訳入門版 <ノーズ> [従 来の ル ー ル を 変更 し た 点] ・リーダーは動物ごとに英語または日本語でヒントを読み上げる。 ・ 参加 者 は ヒ ン トを 日 本 語 で 聞い た ら 英 語 、英 語 で 聞い た ら 日 本 語に 訳 し て 書 きと め る 。 ・ 書き と め た 文 を数 人 に 読 み あげ て も ら い 、表 現 の 違い に 焦 点 を あて る 。 ( ・最 後 に 動 物 は何 だ っ た か 推察 を 述 べ て もら い 、 答え を 発 表 す る 。) [ね らい] 同じ 1 文で も 翻 訳 する と 人 に よ って 千 差 万 別 の表 現 にな る こ と 、 それ で よ い こ とを 理 解 し て 自信 を つ け る こと を 目 的 と しま し た 。 [参 加者 の 様 子] 複数 の 人 が 訳 した 文 が 違 う 表現 に な っ た こと に 感 心し 、 表 現 は 違っ て も 意 味 は伝 わ る こ と を 理解 し て い ま した 。 最 初 は 「難 し い ! 」「 自信 が ない ⋯ 」 な ど とい う 声 が 聞 かれ ま し た が 、 読 みあ げ る 時 に 、正 確 に 単 語 を訳 せ な か っ た時 に ど んな 工 夫 を し て言 い 換 え た かな ど 、 努 力 し た点 を 素 直 に 告白 し あ っ て 勇気 や 自 信 を つけ た よ うで し た 。 通訳入門版 <木こりの親方> [従 来の ル ー ル を 変更 し た 点] ・ 親方 は 日 本 語 だけ 、 弟 子 は 英語 だ け で 話 す。 [ね らい] お 互い に 違 う 言 語を 使 っ て コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン をと る と い う こと は 、 英 語 を話 す 人 は 日 本語 を 聞い て 理 解 し 、自 分 の 言 い たい こ と を 英 語に し て話 し 、 日 本 語を 話 す 人 は 英語 を 聞 い て 理解 す ると い う 、 そ れぞ れ の 頭 の 中で 翻 訳 が 行 われ る 活動 に な り ま す 。「 聞 い て いる 言 語 と 自 分が 話 す 言語 が 別 」 と いう 体 験 を し ても ら い ま し た。 [参 加者 の 様 子] 弟子 は 嬉 々 と して 走 り ま わ りな が ら 、 観 察し た こと を 報 告 し てい ま し た 。 時々 英 語 を 聞 いて 英 語で 返 事 を し てし ま っ た り 、反 対 に 日 本 語を 聞 いて 日 本 語 で 答え て し ま う ので 、 あ ち こ ちで 笑 いが 起 こ り ま した 。 ど う や っ て 木を 推 測 で き たか 説 明 す る 親方 → ↑ 親 方 に 英 語で 報 告 す る 弟子 通訳入門版 <はじめまして> [従 来の ル ー ル を 変更 し た 点] ・3 人 組 に し、 カ ー ド を 2 枚 配 る 。 ・ カー ド を 持 っ た 2 人 は 間 隔 をお い て 背 会 わせ に置 か れ た 椅 子に 座 る 。 ・ 座っ た 2 人 は 日本 語 を 話 し 、残 っ た 1 人 は通 訳と し て 英 語 に訳 し て 伝 え る。 ・座 っ て い る 2 人 は 英 語 を 聞い て 、 日 本 語で メ モし 、 日 本 語 で質 問 を す る 。( く り か え し) ・あ る 程 度 質 問し た ら 、 役 割を 交 代 し て 続け る 。 [ね らい] 通訳 の シ ュ ミ レー シ ョ ン で すが 、 全 員 が 英語 も 日 本語 も 理 解 で きる メ ン バ ー なの で 、「 日 →英 」 は 通 訳役 の 人 が 実 際に 訳 し 、「 英→ 日 」 は そ れぞ れ の 頭 の中 で 訳 す こ とと し て み ま した 。「 日 本 語の み 話 す 人」 と 「 英 語 のみ 話 す 人 」 の間 で 「 通 訳 する 人 」 と いう 本 来 の 形 にあ わ せ る と 、質 問 す る 人 は 1 つ の 言語 し か 使 わ ない の で 練 習 にな ら ず 、 お もし ろ 味 に欠 け る た め 上記 の よ う な 形を と っ て み まし た 。 [参 加者 の 様 子] この 活 動 が 1 番 楽し か っ た よ うで 、 通 訳 の 役に な った 人 は 水 を 得た 魚 の よ う に走 り 回 っ て い まし た 。「 楽 し い! 」「も う 終 わ り?」「 他 に 質 問 カ ード は な い の ? 」と いう 声 が 聞 かれ ま し た 。質 問 相 手 の 日本 語 が 聞 こ えな い よ う に 背中 合 わ せに 座 る と し てみ ま し た が 、少 し や り に く かっ た よ う で した 。 考察 以上 、 た った 4 つの ア ク テ ィ ビテ ィ で す が 、ネ イ チャ ー ゲ ー ム を通 訳 の 練 習 に活 用 し て み た 結果 、従 来 の よ うな 語 学 の 勉 強と は ま っ た く違 っ た 、非 常 に ア ク ティ ブ な 活 動 が展 開 で き 、 参 加者 に 通 訳 の 技術 を 体 験 ・ 習得 さ せ る と 同時 に 、 自信 を 養 う こ とが で き た こ とを 報 告 し ま す 。参 加 者の 書 い た ア ンケ ー ト を みる と 、事 前 に は「 楽 し く学 び た い 」「通 訳 の 技 術 を学 び た い 」「実 践 し て み たい 」 と 期 待 して い た こ と がわ か り、 事 後 に は 「と て も 楽 し く学 べ た 」「 自 分 の英 語 力 の レ ベル が だ い た いつ か め た 」「 通訳 の 練習 が で き て 満足 し て い る 」「ま た や り た い 」と い っ た 感 想が 聞 か れ た ため 、 期 待 に 充分 応 え られ た こ と が 伺え ま し た 。 正確 に 訳 し た り語 彙 を 増 や すと い っ た 練 習は し て いま せ ん が 、 ネイ チ ャ ー ゲ ーム な ら で は の 楽し い コ ミ ュ ニケ ー シ ョ ン を通 し て 、 様 々な 交 流 の仕 方 が 想 定 でき 、 通 訳 に 必要 と さ れ る 様 々な 技 術 の 1 つ 1 つに 的 を し ぼ って 言 語 を 使い 分 ける 練 習 に 活 かせ る こ と が わか り ま し た 。 ア クテ ィ ビ テ ィ で使 う カ ー ド は、 本 来 環 境 教育 の 教 材で す が そ の まま 通 訳 や 翻 訳の 練 習 に も 活 かせ ま し た 。 もち ろ ん 、 通 訳の 練 習 用 に 特化 し た 教材 と し て 英 語だ け の カ ー ド、 日 本 語 だ け のカ ー ド 、 両 方書 い て あ る カー ド 、 裏 表 にそ れ ぞ れ書 い て あ る カー ド な ど を 作り 、 使 い 方 を 工夫 す れ ば か なり 練 習 方 法 や題 材 も 幅 が 広が り 、 語彙 を 増 や し たり 正 確 に 訳 す練 習 に も つ な がる と 思 わ れ ます 。 今回 は カ ワ ウ ソの ア ク テ ィ ビテ ィ を 活 用 しま し た 。「熱 意 を 呼 び 起こ す 」効 果 が コミ ュ ニ ケ ー ショ ン の 練 習 にも 大 変 適 し てい た と 言 え ます 。< 音い く つ > 、< 裸 足 で 歩 こう > な ど の「 感 覚 を研 ぎ 澄 ま す 活動 」( カ ラ ス )や < 目 か く しト レ イ ル> な ど「 自 然 を直 接 体 験 す る活 動 」( ク マ )は コ ミ ュ ニ ケー シ ョ ン を 主題 と し て い ない た め 通訳 の 練 習 に は不 向 き で す が、 わ か ち あ い の場 面 で は 何 らか の 練 習 を 盛り 込 む こ と はで き る と思 わ れ ま す 。比 較 的 活 用 しや す い ア ク テ ィビ テ ィ は < めざ せ 名 探 偵 >や < 動 物 紳 士録 >( カ ラ ス )、< バー テ ィ カ ル ポエ ム > 、< 自 然 への イ ン タ ビ ュー >( ク マ )、< フ ォ ー ルド ポ エ ム >( イ ルカ )な ど 、言 葉 を 使 っ て進 め る ア クテ ィ ビ テ ィ かと 思 い ま す 。 実施 し た 結 果 、ネ イ チ ャ ー ゲー ム で 展 開 され る コ ミュ ニ ケ ー シ ョン の あ り 方 は語 学 に 応 用 で き、 ま た 人 や 環境 を 思 い や る心 を 育 む 活 動を 通 し て、 人 の 心 や その 場 の 状 況 を敏 感 に 感 じ 取 る、 通 訳 に は 非常 に 大 切 な セン ス が 培 わ れる と 言 えま す 。 おわりに こ の件 に つ い て 依頼 を 受 け た 当初 「 通 訳 の 育成 は 専 門家 で な い と でき な い と 思 う」 と 後 ず さ りし て い た 私 を 、「 通 訳 は 心を 伝 え る 仕 事で あ る とい う こ と を 、自 分の 言 葉 で 表 現し て ほ し い 」と 説 得 し て 引っ 張 り 出 し てく れ た 浅 岡 さん に 、 心か ら 感 謝 し てい ま す 。 と よた ネ イ チ ャ ー ゲー ム の 会 の 皆様 を は じ め 、豊 田 市 環 境 部環 境 政 策課 成 田 課 長 、小 澤 さ ん 、 倉知 さ ん に は 大 変お 世 話 に な りま し た 。 こ の場 を か り て 心よ り お 礼申 し 上 げ ま す。 ま た 、 日 本ネ イ チ ャ ー ゲ ーム 協 会 に 勤 め、 国 際 交 流 事業 を 手 伝 っ てい な か った ら 、 こ の よう な プ ロ グ ラム を 提 供 す る こと は で き ま せん で し た 。 改め て 協 会 に 感謝 し ま す。 この 事 例 が 今 後の ネ イ チ ャ ーゲ ー ム 研 究 に何 ら か の役 に 立 て ば 幸い で す 。 【参考】 http://www.children-summit.jp こ ども 環 境 サ ミ ッ ト 2005 国 連環 境 計 画 (UNEP) 愛 ・地 球 博 http://www.unep.or.jp/japanese http://www.pref.aichi.jp/expo/ 愛 知ネ イ チ ャ ー ゲー ム 協 会 今 後 ど ん な に 活 躍 さ れ る か 計り知れない才能を持った参 加者の皆さん→ ご参加あり がとうございました! 間近に 迫った「こども環境サミット」 ではどうぞ存分に力を 発揮してください! http://www.geocities.jp/aichi_nature_game/
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