制度の紹介等 地方道路交付金事業(地方道路整備臨時交付金) の運用改善について 国土交通省都市・地域整備局 市街地整備課 1.はじめに 2.平成18年度の運用改善 地方道路交付金事業(地方道路整備臨時交付金) 成果目標をより効果的・効率的に達成するため は、地域の課題に対応して、一定の地域で一体的 に、地方道路整備臨時交付金において計画策定や に行われるべき事業に対して交付金を交付するこ 評価などのソフト面の検討経費を計上可能とし、 とにより、地方の創意・工夫を活かした個性的な 地域の創意工夫による道路整備の支援を充実しま 地域づくりを推進することを目的として、昭和60 す。 年に創設された制度です。 これまでも、地域の課題に臨機に対応した使い やすい制度のもと、道路整備の一端を担い、多く ソフト面の検討経費の要件は以下のとおりです (街路交通調査で可能なものは除きます。 )。 1 の市街地再開発事業に活用されてきたところで ハード整備に伴い実施される計画策定、評価 す。 など 2 本誌2005年2月号では、交付金事業の平成17年 パッケージの成果目標の効果的・効率的な達 度までの改正内容及び活用イメージについて解説 成に寄与するものであること 3 ソフト面の検討経費は全体事業費の1割を上 しました(NO418「地方道路交付金事業の効果的 限とする な活用方法」参照) 。 なお、上記の運行改善に伴い、「地方道路交付 本稿では、平成18年度における運用改善の内容 について説明し、市街地再開発事業において活用 する際の参考としていただきたいと思います。 金事業(地方道路整備臨時交付金)について」 (昭和60年6月17日付け建設省都市局長、建設省 道路局長通達)を改正したのでお知らせします (次項参照) 。 <地方道路整備臨時交付金による支援のイメージ> 市街地再開発 2006年6月 第434号 <計画策定、評価などの事例> ―5― ○地方道路交付金事業(地方道路整備臨時交付金)について(昭和60年6月17日建設省都街発第17号、 道企発第25号建設省都市局長、道路局長通知) 「下線部分が改正箇所」 (新) 道路整備費の財源等の特例に関する法律(昭和33年法律第 (旧) 道路整備費の財源等の特例に関する法律(昭和33年法律第 34号。以下「法」という。)第5条の規定による地方道路整 34号。以下「法」という。)第5条の規定による地方道路整 備臨時交付金(以下「交付金」という。)の交付に関しては、 備臨時交付金(以下「交付金」という。)の交付に関しては、 補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(昭和30年 補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(昭和30年 法律第179号)、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する 法律第179号)、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する 法律施行令(昭和30年政令第255号)、地方道路整備臨時交付 法律施行令(昭和30年政令第255号)、地方道路整備臨時交付 金に関する省令(昭和60年建設省令第7号)、国土交通省所 金に関する省令(昭和60年建設省令第7号)、国土交通省所 管補助金等交付規則(昭和33年建設省令第16号)その他の法 管補助金等交付規則(昭和33年建設省令第16号)その他の法 令に定めるもののほか、下記によることとしたので通知す 令に定めるもののほか、下記によることとしたので通知す る。 る。 なお、貴管内市町村(指定市を除く。 )にも周知されたい。 なお、貴管内市町村(指定市を除く。 )にも周知されたい。 記 1 交付対象事業について 記 1 交付対象事業について 1)∼2)(略) 1)∼2)(略) 3)要素事業は次の各号に該当するものであること。 3)要素事業は次の各号に該当するものであること。 1 法第2条の政令で定める都道府県道その他の道路の 1 法第2条の政令で定める都道府県道その他の道路の 舗装その他の改築又は修繕であること。 舗装その他の改築又は修繕であること。 ただし、4)に掲げる目標達成型対象事業には、改 築又は修繕として実施する、成果目標をより効果的・ 効率的に達成するために必要な計画策定及び評価等 (以下「計画策定及び評価等」という。)を含めること ができる。 2 事業費の上限は25億円とする。 2 事業費の上限は25億円とする。 ただし、地形地質の状況、沿道の土地利用の状況そ ただし、地形地質の状況、沿道の土地利用の状況そ の他の特別の理由により、やむを得ないと認められる の他の特別の理由により、やむを得ないと認められる 場合は、5倍の額とする。 場合は、5倍の額とする。 また、4)に掲げる目標達成型対象事業における計 画策定及び評価等に係る経費の合計額については、当 該対象事業の全体概算事業費の1割を上限とする。 3 全体事業費の下限のうち、対象事業に含まれる要素 3 全体事業費の下限のうち、対象事業に含まれる要素 事業の全体事業費の平均の下限は5億円とし、要素事 事業の全体事業費の平均の下限は5億円とし、要素事 業の全体事業費の下限は1億円とする。 業の全体事業費の下限は1億円とする。 ただし、雪寒等災害対策に係る要素事業、及び、4) ただし、雪寒等災害対策に係る要素事業、及び、4) に掲げる目標達成型対象事業に含まれる要素事業を除 に掲げる目標達成型対象事業に含まれる要素事業を除 く。 く。 4)目標達成型対象事業は次の各号に該当するものである 4)目標達成型対象事業は次の各号に該当するものである こと。 こと。 1 事業の実施までに、概ね5箇年間で行う整備に関す 1 事業の実施までに、概ね5箇年間で行う整備に関す る成果の目標(以下「成果目標」という。)及び対象 る成果の目標(以下「成果目標」という。)及び対象 事業全体の費用便益比を公表するものであること。 事業全体の費用便益比を公表するものであること。 2 中間年度に、成果目標の達成状況を公表するもので 2 中間年度に、成果目標の達成状況を公表するもので あること。 あること。 3 事業完了後に、成果目標の達成状況を公表するもの 3 事業完了後に、成果目標の達成状況を公表するもの であること。 であること。 2∼3 (略) 2∼3 (略) 附則 附則 1 この要綱は平成18 年4月3日から施行する。 1 この要綱は平成17 年4月1日から施行する。 ―6― 市街地再開発 2006年6月 第434号 3.計画策定や評価などのソフト面の検討経費の事例(参考) 地域連携道路改良計画(再掲) 地域間の交流ルートの走行時間短縮を経済的かつ早期に実現するため、利用者、住民等の意見を聞きながら、2車 線改良、視距改良、突角剪除、待避所の適切な配置及びその整備の優先順位など、1.5車線的整備の計画を策定。 跨線橋・跨道橋の耐震補強計画 跨線橋・跨道橋の耐震対策を効果的に実施するため、個々の橋梁の耐震補強詳細設計を行う前に、各橋梁の耐震 性能を把握し、対策必要性の有無とその優先順位に関する計画を策定。 歩行者に安全な地区内道路改良計画(再掲) 地区内の生活道路における歩行者の安全性を確保するため、車両の速度を抑制する車道や歩道の幅員、線形等に ついて、住民、 ドライバーの参加を得て試行、評価を行いつつ、地区内の道路改良計画を策定。 観光振興支援道路整備計画 観光地の活性化を図る道路整備を効果的に実施するため、関係者の参画を得ながら、周辺環境に配慮した観光地 へのアクセス道路の整備(付属物の色彩、植栽の選定)、遊歩道・駐車場の整備、案内標識の適切な配置等の計 画を策定。 冬期のバリアフリー道路整備計画 積雪による歩道幅員の減少や路面凍結等のバリアを解消するため、関係行政機関、地元住民、学校関係者などの意 見を聴きながら、消雪施設や流雪溝の整備等による冬期バリアフリー対策に係る計画を策定。 津波対策としての避難路整備計画 逼迫する大規模地震による津波対策のため、想定津波浸水予測に基づく避難計画の一つとして、関係行政機関や 地元住民などと連携し、効果的な避難路の整備計画を策定。 パッケージ評価(再掲) 成果目標をより効率的・効果的に達成するため、パッケージの期間中及び期間後に中間評価及び事後評価を実施し、 その後のパッケージの展開を再検討。 4.おわりに 本稿で紹介した交付金事業は、通常費とともに 市街地再開発事業による道路整備において一般的 に活用されている補助制度であり、近年では予算 額の概ね9割を占めるまでになっています。今回 の制度改正により可能となった活用法を参考に、 市街地再開発事業において積極的に活用していた だきたいと思います。 制度に関するご相談や制度についてご不明な点 がございましたら、国土交通省都市・地域整備局 市街地整備課若しくは最寄りの地方整備局等の都 市整備担当課までお気軽にお問い合わせ下さい。 市街地再開発 2006年6月 第434号 ―7―
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