Vol.7 No.3(通巻25号)2004年9月10日

むしかご通信
Vol
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7 No.
3(通巻25号)
2004年9月10日
石川県ふれあい昆虫館
企画展
「こわいけど、スゴイ!
大家族のハチたち」開催!
開催期間:平成16年9月15日∼12月13日
近寄りがたいハチだけど、よ
いっしょうけんめい
く見ると一生懸命みんなで助け
あって生きているんだね。
ハチのことを、もっと知りた
くなってきちゃった。
きかくてん
この企画展では、家族生活を
するスズメバチやアシナガバチ、
しょうかい
ミツバチをくわしく紹介するよ。
(2∼3ページに関連記事)
むしかご通信 Vol
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7 No.
3 企画展
「こわいけど、スゴイ! 大家族のハチたち」
さ
ハチと聞いてみなさんはどう思うでしょうか? 「刺すからイヤだ」
「こわい」という人が多いのではないでしょうか? たし
するど
どくばり
しんにゅうしゃ
はげ
こうげき
せいたい
ちしき
かに多くのハチは鋭い毒針を持っていて、巣に近づく侵入者を激しく攻撃します。しかし、ハチの生態について正しい知識を
きけん
きび
けいめい
ふ
し
ぎ
かぞく
持っていれば、ハチの危険から身を守ることができるばかりでなく、厳しい自然の中で懸命に生きるハチたちの不思議と家族
あい
愛を感じることでしょう。
きかくてん
今回の企画展では、スズメバチやアシナガバチ、ミツバチといった社会性のハチにスポットを当てました。悪者にされがち
す ば
おもしろ
のハチですが、人の役に立つ一面も持っています。この展示を見れば、ハチの素晴らしさ、面白さを知ることができ、ハチが
こわくなくなるかも・・・。
【刺すハチと刺さないハチ】
ハチは刺すものだと思っていま
こし
せんか? ハチの仲間は、腰がず
こうようあもく
んどうの「広腰亜目」と、細くく
さいようあもく
びれている「細腰亜目」に分ける
ことができます。広腰亜目には、
ようちゅう
げんしてき
幼虫が植物の葉を食べる原始的な
なかま
ざい
「ハバチ」の仲間や、木の材を食
べる「キバチ」の仲間がいます。こ
さんらんかん
れらの仲間は太い産卵管は持って
いますが、毒針は持っていません。
しんか
ぶんるい
するど
広腰亜目より進化した「スズメバチ」や「ミツバチ」などは細腰亜目に分類され、鋭い毒針を持っています。これらの仲間は、
と
くびれた腰をもっていて、他の虫を捕らえたときに、どの角度からでも針を刺すのに適した体のつくりになっています。
きかん
しゆう
この毒針は、産卵管が変化したもので、メスにしか見られない器官です。スズメバチの雌雄を見分けることができれば、オ
スなら手づかみもできますよ(でも、大あごにはかまれないように・・・)。
【集団生活をする】
家族生活をするスズメバチやミツバチなどは、ハチの仲間で最も
す
と
進化したグループです。集団生活をし、巣作りやエサ採りなどの作
ぶんたん
しゃかいせいこんちゅう
とくちょう
業を分担する昆虫を「社会性昆虫」とよんでおり、その最大の特徴は
「子育て」をすることにあります。
にくだんご
アシナガバチの場合、ガの幼虫を食べやすいように肉団子にした
くちうつ
みずびた
ものを1匹1匹、口移しして幼虫に与えます。また、雨で巣が水浸し
す
えんてんか
になれば、口で吸い取ってはき出し、炎天下で巣内が高温になれば
あお
だいじ
巣に口で水をかけたり、ハネで扇いだりして、大事に幼虫を育てます。
たまご
う
このような方法をとることで、卵を産みっぱなしにするハチより幼
せいぞんりつ
こうりつ
虫の生存率が高くなり、集団生活をすることで、巣作りなどを効率
よく行うことができるのです。
−2−
むしかご通信 Vol
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7 No.
3
か
ぼうえい
こうした社会性ハチ類の持つ「毒針」は、ベッコウバチのように狩りのために使うのではなく、巣の防衛のために使うように
たんどく
きがい
なりました。単独でいるときは、自分に直接危害がおよばないかぎり、刺すことはほとんどありませんが、集団でいる時は攻
撃的になります。もしかしたら、スズメバチなどの集団生活をするハチは、個々の命より、巣という1つの大きな集団(コロニ
じゅうよう
ー)を守ることの方が重要なのかもしれません。
【針のつくり】
つい
ハチの毒針は1本に見えますが、実は3本の針が合わさってできています。1対のノコギリ状の針
おさ
こうぞう
が、中央の針のさやに収まっている構造になっており、このノコギリ状の針が上下にスライドする
ひ ふ
ことで、皮膚を切り、奥に刺さっていくのです。
は
ミツバチの針の場合、このノコギリの歯がえぐれており、「返し」
はり
ぬ
ていこう
がついています。これにより、刺しても針を抜くときに抵抗がかか
り、皮膚に針が残ってしまうことがあります。その針を支えている
きんにく
筋肉もミツバチの体からとれて、ハチは死んでしまいます。これに
いっしょ
どく
は理由があります。実は針を刺した時に一緒に「毒のう(毒の入った
はな
袋)」もとれて、毒を送り込むという離れワザをするのです。体の小
がいてき
さなミツバチは、命をかけた一刺しで外敵から巣を守っているんで
すね。
【刺されたときには】
さ
ぎさん
むかしは「ハチに刺されたらオシッコをかけろ」なんていわれていました。ハチはアリと同じ仲間だから、その毒は「蟻酸」で
さん
ちゅうわ
ふく
はっ
はないかと思われていて、「酸はアンモニアで中和すればいい」という考えから、アンモニアを含むオシッコをかけるという発
そう
想になったのです。
まちが
こうせい
しつ
しかし、これはまったくの間違いで、ハチの毒は酸ではなく、様々な成分で構成されている「タンパク質」の一種です。つま
こうか
きん
きずぐち
しょうじょう
り、「オシッコ」は効果がないどころか、バイ菌などが傷口に入り症状が悪化しかねません。もし、ハチに刺されたら、毒の効
やわ
なんこう
かんぶ
ぬ
こ
と
果を和らげる「抗ヒスタミン」や「ステロイド」の入った軟膏を患部に塗り込むのがベストです。また、ハチの毒は水に溶けやす
あら
えんしょう
く、水で洗い流すとともに、炎症した患部を冷やすのも効果的です。
ハチに刺されて最もこわいのが、アレルギーによる「アナフィラキシーショック」でしょう。アレルギー体質の人が2度以上
かじょう
まね
きけんせい
はつねつ
おかん
刺されたときに、体が毒に過剰に反応することで、ショック死を招く危険性があるのです。2度目に刺されて、発熱や悪寒、
どうき
いきぎ
しょうじょう
いっこく
はきけ、動悸、息切れなどの症状が出たら要注意です。一刻も早く病院へ行きましょう。こうした症状で死亡するケースが、
年間30人以上いるといわれており、毒ヘビにかまれて死亡する人よりずっと多いのです。
しょうかい
ここで紹介したのは展示の一部ですが、このほかに、ハチの進化や生活史、ハ
す
チの巣のいろいろなど、さまざまな角度から紹介しています。
たっ
これからの時期、ハチの巣の大きさ、数ともにピークに達します。それにとも
けんめい
ない、ハチに刺されるといったトラブルも続出しますが、懸命に子育てにはげむ
どうよう
きがい
彼女らもカブトムシやホタル、チョウと同様、自然の一員です。危害がおよぶよ
うな場所に巣がなければ、そっとあたたかく見守ってあげたいものです。この展
示を見て、ハチをもっと身近に感じてもらえればうれしく思います。
(石川)
−3−
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7 No.
3 石川県の
ネブトクワガタ
めずらしい昆虫
こうたく
ネブトクワガタは、体長が20mm前後で他のクワガタ類と比べてかなり小さく、平たい体をしています。前バネに強い光沢
せんさい
じょうひん
と9本のスジがあり、大アゴがきゃしゃなことから、とても繊細で上品な感じがし、クワガタの中でも人気のある種類です。
よ
ないし
とっ
ネブトと呼ばれるのは、オスの大アゴの根元に内歯という突
き
起があって太く見えるからなのですが、22mm以上の大き
な個体には、大アゴの中間のやや下方にも内歯があり、2つ
の突起に見えます(写真左)。
石川県ではこれまでに14種のクワガタ類が見つかってい
めずら
ますが、そのなかで、ネブトクワガタは、珍しさがトップク
ラスの種類です。本種は北海道や東北北部以外の日本全土に
広く分布しています。しかし、どこでも採れるという種類で
うちなだまち
たつのくちまち
はなく、石川県では金沢市、内灘町、辰口町、小松市の2カ
所の計5カ所でしか見つかっていません。採集場所は、いず
ひょうこう
ぞうきばやし
かんきょう
い じ
れも平地あるいは標高の低い里山の雑木林ですが、特に良好な里山環境が維持されている所というわけではありません。
さんらん
ようちゅう
こ
本種の生活史はまだ十分にわかっていませんが、一般的には、夏に産卵された卵は、ふ化後、幼虫のまま2回冬を越し、3年
く
ようか
う か
ようしつ
えっとう
ふ
目の夏に朽ち木の中で蛹化、羽化するようです。そして、そのまま蛹室内で越冬し、4年目の夏に成虫が野外に現れるのが普
つう
通のようです。しかし、個体によっては、3年目に成虫が野外に出てくることもあります。
こうようじゅ
この
こと
か
あかが
どろじょう
ネブトクワガタの幼虫は、他のクワガタ類が広葉樹を好むのと異なり、おもにマツの枯れ木が赤腐れし、泥状になった部分
あまみおおしま
とうぼく
ざい
から見つかります。奄美大島で見たアマミネブトクワガタの場合は、半分だけが地表に出た倒木の中で、材が赤く土状になっ
けいけん
はっせいち
た水分の高い部分から幼虫や新成虫が出てきました。その経験をもとに、数年前から県内の発生地近くで幼虫さがしをしてい
ますが、いまだに見つかりません。県外ではコナラの倒木でも見つかっているので、あまり、マツにこだわらないほうがいい
のかも知れません。
これまでに県内で採集された成虫は、コナラ、ナラガ
じゅえき
シワ、モミの樹液に集まっていた個体がほとんどですが、
じゅく
良く熟したパイナップルトラップで採集した人もいます。
しかし、本種は樹液に集まるといっても、小型のことも
そんざいかん
あって他のクワガタのような存在感がなく、ドロドロの
う
じゅひ
樹液の中に埋もれていたり、根ぎわの樹皮の細いすき間
ひそ
ひか
に潜んでいたりと、控えめで目立たないクワガタです。
野外で成虫が採れる時期は7∼8月に集中していて、秋
じゅみょう
にほとんど採れないことから、成虫の寿命は比較的短い
と思われます。
以上のような性格のクワガタですから、私は「いない
けっこう
ようで、よく探せば結構いるのではないか」と思っています。特に本種のメスや小さなオスでは、コクワガタやスジクワガタだ
かのうせい
と思いこみ、見のがしている可能性が多いのではないでしょうか。
来年の樹液採集では、クワガタの小型個体とバカにしないで、ネブトクワガタでないかどうか気をつけてみてくださいね。
(富沢)
−4−
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7 No.
3
昆虫の体と機能
アリに守られるシジミチョウの幼虫
たが
ちがった生き物どうしが、お互いに協力して生活する例は、自然界にたくさ
んあります。イソギンチャクとクマノミ(魚)の関係などは、とくに有名ですね。
れい
ほうかせい
けつじつ
また、昆虫がかかわる協力関係の例では、ハチなどの訪花性昆虫と植物の結実
や、アリとアブラムシの関係などが代表的です。
ようちゅう
ところで、シジミチョウの幼虫の多くが、アリと協力関係にあることを、み
ぞん
てんてき
なさんはご存じでしょうか? 今回は、シジミチョウの幼虫が天敵から身を守
かくとく
きのう
しょうかい
るために獲得した、特別な機能についてご紹介しましょう。
かく
ば
に
一般的にチョウの幼虫は、「隠れる」
「化ける」
「逃げる」
「おどろかす」といっ
た方法で身を守ります。しかしシジミチョウの幼虫は、身を守るために、さら
に「利用する」という方法を取り入れました。そして、この利用される相手が、アリというわけです。
ふし
本誌20号で紹介したように、チョウの幼虫の体は、多くの節がつながってできています。シジミチョウの幼虫には、これら
なか
あま
みつじょう
みつせん
つい
えきたい
の節のうち、お腹の後方にある7番目の節に、甘い蜜状の液体を出す「蜜腺」と呼ばれる1対の穴があり、ここから出る液体で
さそ
きせいせい
アリを誘い、そのアリたちに、ハチやハエといった寄生性昆虫から身を守ってもらうのです。シジミチョウ以外のチョウの幼
こうげき
虫にはこの蜜腺がなく、アリが近寄ってきませんから、寄生性昆虫や肉食性昆虫の攻撃を受けることが多くなるようです。
この蜜腺を利用して、特定のアリと結びつき、より高度な関係をきづいたシジミチョウもいます。キマダラルリツバメとシ
なかま
リアゲアリの仲間、クロシジミとクロオオアリ、ゴマシジミ・オオゴマシジミとクシケアリの仲間がそれにあたります。これ
はんのう
おどろ
らの幼虫が蜜腺から出す液体に反応するのは、特定のアリだけで、その他のアリは関心を示しません。そして何より驚くのは、
す
えさ
たんに身を守ってもらうばかりではなく、アリの巣の中に運ばれて、口うつしでアリから餌をもらって生活していることです。
そればかりか、ゴマシジミやオオゴマシジミにいたっては、巣の中のクシケアリの幼虫をも餌にしますから、蜜腺から出す液
ぎせい
ちそう
体は、アリたちにとって自分の幼虫を犠牲にしてもよいほどのご馳走なのでしょう。
また、アリの巣の中で生活することで、より天敵からの攻撃を受けずに生活できる
りてん
のも、大きな利点です。
蜜腺から出る甘い液体が、幼虫の体内でどのように作られるのかについては、ま
くわ
とくしゅ
きかん
だ詳しくわかっていません。しかし、蜜腺という特殊な器官は、一部のシジミチョ
しょくせい
さい
ま
ウがアリとの協力関係を通して、食性を肉食へと変化させていった際に利用した魔
ほう
法の器官といえるのかもしれません。 (三上)
平成16年6月以降に行われた昆虫館の催し物
昆虫教室・昆虫観察会
企画展示・イベント
−5−
むしかご通信 Vol
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7 No.
3 シロオビアゲハに寄生するハチ
てんてき
ようちゅう
きせい
ないぞう
なかま
チョウの天敵のひとつに、幼虫やサナギに寄生して内臓などを食べる寄生バチがいます。この仲間にアオムシコバチという
3 ほどの小さな寄生バチがいて、アゲハチョウやモンシロチョウに寄生し、サナギの中身を食べて大きくなり、成虫はチョ
あ
ウのサナギに穴を開けて中から出てきます(写真1)。
昨年の9月、このアオムシコバチがシロオビアゲハのサナギから大量に発生しました。寄生されたサナギは写真2のようにお
はら
ふし
むね
とくちょう
腹の節がのびていることが多く、胸のあたりがオレンジ色になることもあります。このような特徴のあるサナギを切り開いて
みて、サナギの中がどうなっているのか、調べてみました。
寄生されたチョウのサナギを開くと、中には写真2のようにアオムシコバチの幼虫やサナギがぎっしりつまっていました。
平均で30ぐらいのハチの幼虫とサナギが入っています。ひとつのサナギが寄生されると多くのハチが新たに出てきて、他の寄
生されていないサナギにどんどん卵をうんで、増えていくことになります。
とうめい
ようき
昆虫館ではチョウの幼虫を透明な容器に入れて飼育しているので、幼虫の時にハチに寄生されることはありません。しかし、
いどう
前よう(サナギになる直前の状態、写真3)になり、カップからケージ(写真4)に移動させると、ケージのすき間からハチが入
り込み、それに卵を産みつけます。
かた
じっさい
ところで、アオムシコバチは、完全に固まったかたいサナギには卵をうむことができないといわれています。実際にケージ
むら
で観察していると、コバチはやわらかいサナギと前ようだけに群がっています。そのままにしておくと、どんどんアオムシコ
バチが増えていくので、幼虫が前ようになってもすぐにケージに移さず、一週間ほど飼育カップの中に入れておき、サナギが
固まってからケージに移すようにしました。するとハチは卵を産めないらしく、寄生されるサナギはなくなりました。
おさ
このようにして、アオムシコバチの発生を抑えたのですが、「コバチはチョウがサナギになってから何日目まで卵を産めるの
ぎもん
ぴき
か?」
「1匹のメスがどれくらい卵を産むのか?」など、いくつかの疑問がのこりました。今度アオムシコバチが発生したら、も
くわ
う少し詳しく調べてみようと思います。 (林)
「第7回昆虫図画作品展」作品募集のお知らせ
こうれい
恒例となった「図画作品展」。今年のテーマは「トンボ」です。作品の中に必ずトンボの絵を入れてください。
は
作品は、八つ切り画用紙をご使用ください。また、切り絵や貼り絵などは、画用紙をはみ出さないようにお願
いいたします。
募 集 期 間 平成16年9月1日(水)∼10月31日(日)(当日消印有効)
対 象 幼児および小学生(1人1点)
応 募 方 法 ㈰応募用紙に、郵便番号、住所、氏名、学校(保育所)名、学年(年長など)、電話番号を記入し、作品の中央下に
貼ってください。また、学校等、団体での応募については、応募者一覧を添付してください。
㈪作品は、直接持参されるか、郵送してください。
㈫応募作品は、原則として返却いたしません。
作 品 展 示 平成16年12月19日(日)∼平成17年2月28日(月)
応募多数の場合は、審査により展示作品を選考します。
各 賞 幼児および、各学年ごとに、最優秀賞1点、優秀賞3点、入選6点を選考します。
また、応募者全員に参加賞としてオリジナルカンバッヂを進呈します。
応 募 先 〒920−2113 石川県石川郡鶴来町八幡町戌3番地
石川県ふれあい昆虫館「第7回昆虫図画作品展係」あて Tel0761−92−3417 Fax0761−93−9970
てんぷ
しんさ
−6−
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7 No.
3
昆虫館ニュース
一 日 館
うでした。
長
ぼん
きせい
わずか2日間という短い期間でしたが、お盆で帰省された
じっし
今年の「小学生による一日館長」は7月18日(日)に実施しま
よろこ
方に喜んでいただけたと思います。 (藤)
おうぼしめきり
した。6月30日の応募締切までに23通の応募があり、7月
こうかいちゅうせんかい
4日の公開抽選会では、来館中の小学生たちにハガキを引い
昆 虫 一 泊 観 察 会
てもらいました。その結果、津幡町立条南小学校6年生の吉
じっ
田賢太さん、松任市立松南小学校6年生の小倉梨奈さんが選
昆虫館の人気行事「昆虫一泊観察会」を、8月7,8日に実
ばれました。
施しました。参加したのは12家族24名で、吉野谷村瀬波周
せなみ
あか
とがし
当日の二人は、昆虫館のロゴ入りTシャツを着て、富樫館
いしょくじょう
し
ぼう
辺で川にすむ水生昆虫、灯りに集まる昆虫、森にすむ昆虫の
長が「一日館長」の委嘱状、タスキ、ベレー帽を渡しました。
3つのプログラムで観察や採集を楽しみました。
最初の仕事として、羽化したばかりのオオゴマダラなど約
2日間とも良い天候にめぐまれたのですが、子どもたちが
50匹のチョウをチョウの園に放し、オオゴマダラといっし
一番楽しみにしていた灯りに集まる昆虫採集では、お目当て
ょに記念撮影をしました。
のクワガタムシがほとんど飛んでこなかったかわりに、おび
う か
その
きねんさつえい
いどう
てんこう
ほうもん
その後、エントランスホールに移動し、入館者を「いらっ
ただしい数のオロロ(イヨシロオビアブ)の訪問に全員びっ
しゃいませ」と出迎え、子どもたちに昆虫を形取った携帯ク
くりしました。どのプログラムでも昆虫を必死で追いかけた
リーナーを渡し、昆虫館をPRしました。
り、職員の説明にうなづく親子の姿が見られました。(吉村)
でむか
けいたい
ようちゅう
ひっし
しょくいん
飼育体験では、オオゴマダラの幼虫が入っている容器のフ
しょり
こうかん
さぎょう
ンの処理、幼虫のエサの交換の作業を行い、タイワンクツワ
“こん虫夏まつり2004”をふりかえって
せいそう
ムシの飼育ではケージ内の清掃、エサの交換の作業を行いま
今年の“こん虫夏まつり”は、7月19日から8月22日まで
した。
かいさい
最後に、館長室で
開催しました。
書類の一日館長欄に
恒例の『クイズラリー』では、「ここに問題あったぞ」
「答え
しょるい
らん
こうれい
「ハンコ」を押しま
は㈫番だ」
「次いくよー」という子どもたちの元気のいい声が
した。
朝から館内に響きわたりました。そして最後に「全問正解です。
二人には、一日館
カンバッヂをどうぞ!」の声に、うれしそうにバッヂを選ん
長の大役を果たした
でいる姿を見ると、私もついうれしくなりました。
記念として、富樫館
今回初めての『オドロキ昆虫食』では、土、日とお盆(14
ひび
えら
すがた
たいやく
ずかん
ししょく
ほ
長から昆虫図鑑、捕
ちゅう
もけい
ぼん
もう
∼16日)に試食コーナーを設けました。昔からおなじみの“イ
しいく
つくだに
虫アミ、昆虫模型、カブトムシの飼育セットがプレゼントさ
ナゴの佃煮”がもっとも人気があり、おそるおそる食べてい
れ、二人からは、「昆虫館は数回来館しており、いろいろな
た人からも「意外とおいしい」という声が聞かれました。
いがい
昆虫がいて、楽しかった」と言葉がありました。
特集『ゲンゴロウの世界』では、「最近見なくなったねえ」
また、NHK金沢放送局の取材に緊張しながらも元気に応
「こんなにたくさんの種類があるんだね」といいながら、懐
じ、その様子がニュースで放映されました。 (元山)
かしそうに眺めていかれるお父さんやおじいちゃんが印象的
しゅざい
きんちょう
ほうえい
なつ
なが
いんしょうてき
でした。
その他、ゲームコ
金 沢 駅 で 行 わ れ た「 移 動 展 示 」
ーナーや外国産カブ
8月12∼13日に金沢駅コンコースで行われた「自然との
しゅってん
トのコーナーも、連
ふれあい展」に、昆虫館も生きた虫を出展しました。これは、
日にぎわっていまし
生き物に親しんでもらおうと、金沢駅が企画したものです。
た。
きかく
展示したのはカブトムシ、ノコギリクワガタ、ゲンゴロウ
恒例の『カブトじ
のほか、日本一大きなチョウの一つであるオオゴマダラの4
まん』の今年のベス
種です。
ト3は次の通りです。
展示の中で人気の高かったのは、カブトムシとオオゴマダ
第1位は高柳秀史さんの57.
2 、第2位は長沼新之介さんの
ラで、ケースの周囲には、多くの人が近寄り、熱心に見入っ
56.
9 、第3位は長沼京之介さんの56.
7 でした。今年は、
ていました。その他の生き物では、スズムシ、アメリカザリ
第6位までが昨年の最大記録(56.
0 )を上回るというたい
ガニなどが展示されていました。金沢駅職員が集めたスズム
へんハイレベルな戦いでした。来年もまた、新たな挑戦を待
シをプレゼントするコーナーもあり、もらった人はうれしそ
っています。 (小浦)
ねっしん
しょくいん
ちょうせん
−7−
むしかご通信 Vol
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7 No.
3 第32回 昆虫教室
企画展
「カマキリを調べよう」
「こわいけど、スゴイ! 大家族のハチたち」
日 時
平成16年10月16日(土)
開催期間
平成16年9月15日(水)∼12月13日(月)
受 付
平成16年10月2日(土)午前9時∼(電話のみ)
開催場所
昆虫館2階 特別展示コーナー
参加対象
小学3年生以上(小学生は保護者同伴)
内 容
ミツバチやスズメバチなど、社会性ハチ類の秘密
定 員
30名
を紹介。
企画展
「 第 7回 昆 虫 図 画 作 品 展 」
第32回 昆虫観察会
「冬の虫をさがそう」
開催期間
平成16年12月19日(日)∼平成17年2月28日(月)
日 時
平成16年12月4日(土)
開催場所
昆虫館2階 特別展示コーナー
受 付
平成16年11月20日(土)午前9時∼(電話のみ)
内 容
幼児∼小学生による昆虫図画約600点を展示
場 所
鶴来町石川県林業試験場
参加対象
小学3年生以上(小学生は保護者同伴)
定 員
30名
(7ページにお知らせがあります)
イベント
「冬なのに…虫むしフェスタ」
第33回 昆虫教室
「昆虫の名前を調べよう」
開催期間
平成16年12月19日(日)∼平成17年2月20日(日)
開催場所
昆虫館内各所
内 容
クイズラリー、オオゴマダラとツーショットをは
日 時
平成17年2月5日(土)
じめ、手作りゲームコーナーなど、楽しい企画が
受 付
平成17年1月22日(土)午前9時∼(電話のみ)
いっぱい!
参加対象
小学3年生以上(小学生は保護者同伴)
定 員
30名
編 集 後 記
れいか
もうしょ
ぎ み
去年は冷夏で今年は猛暑。夏バテ気味の私には、セミ
あつくる
の声が暑苦しく聞こえました。
すず
*教室・観察会への参加は無料ですが、小学2年生以下は、
9月になって涼しくなりましたが、今度は夜になると
だいがっしょう
ねぐる
アオマツムシの大合唱。まだまだ寝苦しい日々が続きそ
参加できません。
(吉村)
うです。
*教室・観察会への応募方法は、約1ヶ月前の「広報いしかわ」
(各新聞毎週水曜日)
、
「きてみて情報」
(北國新聞第4木曜日)
などでお知らせしていますが、掲載されないこともありま
すので、詳しくは昆虫館までお問い合わせください。
*観察会は、天候により中止する場合があります。
−8−
むしかご通信 Vol
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7 No.
3(通巻25号)
2004年 9月 10日