今月の 特集は、 『蝉・セミ』 です。

やまびこ通信は・・・『子ども・自然・大人をつなぐ通信』です。飯盛山の中にある野活センターを
中心に、大東市の自然や動物・生きものなどを月に一回、楽しく紹介します。
いわ
今月の
特集は、
『蝉・セミ』
です。
い
こえ
≪ 『セミ』の声とココロ ≫
しず
いわ
いる
せみ
こえ
はいく
せみ
な
ごえ
おお
ひび
「閑けさや 岩にしみ入 蝉の声」 すごいね、この俳句って。蝉の鳴き声が大きく響い
しぜん
なか
ようす
つた
こころ
ていながらも、自然の中のしずかな様子が伝わってきます。 心 が、しずかなんですね。
たち
あつ
まちなか
き
ほう
ふか
わたし達にはネットリ暑い街中で聞く「ミ∼ン、ミンミン!!」の方がなじみ深くって、
こえ
あつ
ばいぞう
い
ひと
おお
あの『セミ』の声がけだるい暑さを倍増させてんじゃないのか!と言う人も多いようです。
ばしょう
こころ
なかなか芭蕉のように、 心 しずかでいられませんね∼。
だ っ ぴ
≪ 『セミ』の脱皮 ≫
だっぴ
み
なつ
よる
よくじつ
『セミ』の脱皮を見たことありますか?ある夏の夜、翌日にイベン
ひか
たち
やがい
トを控えて、リーダー達と野外でリハーサルをしていました。すると、
ひ よ
や ね
はしら
ようちゅう
う か
はじ
日除け屋根の 柱 にとまった『セミ』の 幼 虫 が羽化を始めていました。
みどり
にゅうはくしょく
うすい 緑 がかった 乳 白 色 。すっごくキレイ!!
て
と
いろ
み
あ
がたちか
みんな手を止めて、しばらくその色に見とれました。そして明け方近
お
み な
いろ
く、リハーサルが終わるころには『セミ』はいつもの見慣れた色にな
と
た
って、飛び立っていきました。
いっしょう
≪ はかなき(?)
『セミ』
の一生 ≫
し
ようちゅう
ねん
つち
よく知られているように、セミの 幼 虫 は5∼7年も土の
なか
く
せいちゅう
い
しゅうかん
中で暮 らして、 成 虫 として生 きるのはたった2 週 間 ほ
いっしょう
じんせい
たと
ひと
ど・・・。セミの 一 生 を「はかない人生」に例える人もい
じしん
き
ようちゅう
ますが、セミ自身は気にしてるのかな? 幼 虫 のあいだもた
いっしょうけんめい
い
たち
なにもの
だ一 生 懸 命に生きてるだけかも。わたし達も「何者かにな
しゅぎょう
おも
いま
るまでは、まだまだ 修 行 だ」なんて思わずに、ただ、今を
まっとうすればいいのかもね・・・。ミンミン。
な まえ
わ け
アブラゼミと名前がついた理由(ワケ)。
に ほ んぜんこく
し
ひと
な まえ
ほぼ日本全国にいるアブラゼミ。知らない人はたぶんいないでしょう。でも、この名前 がつ
り ゆう
し
ひと
おお
おも
な まえ
ゆ らい
せつ
いた理由は知らない人が多いと思います。名前の由来には2つの説があります。
な
こえせつ
な
ごえ
あぶら
あ
もの
とき
おと
に
① 鳴き声説・・・鳴き声が『ジージリジリ』と、 油 で揚げ物をする時の音に似ているから。
からだ
いろせつ
はね
いろ
あぶら
し
こ
かみ
あぶらがみ
に
② 体 の色説・・・羽の色が 油 の染み込んだ紙『油 紙』に似ているから。
せつ
あぶら
という2つの説がありますが、どちらにしろ『 油 』のイメージからきています。
せ か いて き
セミの成虫
世界的にもめずらしいそ∼です。
幼虫
にほ ん
なつ
日本ではなんのヘンテツもない、夏 になれ
せか い
ばやかましいだけのアブラゼミも、世界のセ
なか
み
めずら
きちょ う
しゅる い
い
ミの中から見ると 珍 しく貴重な種類だと言わ
れています。
めずら
い
は
ね
いろ
どこが 珍 しいかと言うと、
『羽根に色がつい
て い る と ころ 』 だ そう で す 。ア ブ ラ ゼ ミ
ほかすうしゅる い
じつ
いが い
は
ね
たしょ う
いろ
がいちゅう
アブラゼミ、実は害 虫 だそうです。
き
おも
ひと
し
がいちゅう
ほん
これを聞いて、ふ∼ん。えぇっ!と、思う人がいるかも知れませんが。なんと、害 虫 の本に
の
り っぱ
がいちゅう
ひ がい
およ
ようちゅう じ き
も載っている立派なナシの害 虫 なんです。どんな被害を及ぼすかといと、幼 虫 時期 にはナシ
き
ね
じゅえき
す
と
きん
はい
き
よわ
の木の根っこにつき樹液を吸い取ります。すると、そこから菌が入りナシの木が弱 ってしまい
せいちゅう
か じつ
みつ
す
たまご
う
ちょくせつ
ひ がい
ます。さらに成 虫 になると、ナシの果実にも蜜を吸ったり、卵 を産みつけたりと、直 接 の被害
あた
の うか
ひと
しんこく
もんだい
を与えます。ナシ農家の人にとっては深刻な問題なのです。
な
鳴くしくみ
な
にんげん
こえ
だ
い ちぶ
しんどう
おと
セミが鳴くといっても人間みたいに声を出すワケじゃなくて、からだの一部を振動 させて音
だ
しょうかい
を出しているです。そのしくみを紹 介 します。
わ ぎ
ず
※セミのからだを輪切りにした図
はつおんまく
はつおんきん
きんにく
すばや
の
発音膜
ちぢ
1>発音筋という筋肉を素早く伸び縮みさせます。
しんどう
と っ きぶ ぶ ん
はつおんまく
しげき
おと
きょうめいしつ
共鳴室
で
2>その振動で突起部分が発音膜を刺激し、音が出ます。
おと
きょうめいしつ
おお
こえ
3>その音が共 鳴 室でさらに大きくなりあのセミの声になります。
とっき
はつおんきん
発音筋
まく
突起
こ膜
行事報告コーナー 残念ながら ODS『ホタルを見よう!』は雨の為中止になりました。前日、下見に
行った時には辺りに飛びまわるゲンジボタルが見られたのに…こども達に見てほ
しかったです。来年は見れるといいなぁ∼!
な
<セミはなぜ!鳴くのだろう!?>
な
よ
おお
セミが鳴くのはオスだけで、メスを呼ぶためにあんな大 き
おと
な
しゅるい
な音で鳴きます!セミにはたくさんの種類 がいますが、セミ
な
じ き
ちが
がつ
がつ
によって鳴く時期が違うんですよ。ハルゼミは4月∼6月、ニ
がつげじゅん
な
はじ
イニイゼミやヒグラシは6月下旬 から鳴き始 めます。ツクツ
がつげじゅん
な
はじ
がつげじゅん
な
クボウシは8月下旬から鳴き始め、9月下旬まで鳴 いている
なつ
お
つ
ので夏の終わりを告げるセミといえますね。
なに
た
<何を食べているんだろう?>
せいちゅう
はり
くち
はり
き
針 のようにとがったスト
みき
セミの成 虫 は針のような口を木の幹 にさして
じゅえき
す
ようちゅう
き
ね
くち
しる
樹液を吸 います。 幼 虫 は木の根 っこから樹液 を
す
とく
す
き
さ
ローのような口 を木 に刺
じゅえき
す
して汁を吸います。
き
吸います。特に好きなのはケヤキの木だよ♪
<セミがおしっこをするのはなんでだろう?>
だ いす
き
しる
き
しる
えいようぶん
セミが大好きな木の汁。木の汁にはあまり栄養分 がな
すいぶん
か らだ
き
しる
はや
くて水分ばかり、だからセミの身体は木 の汁から早 く
えいようぶん
すいぶん
す
栄養分をとって水分を捨 ててしまおうとします。それが
と
きんにく
つか
おしっこ。おしっこはセミが飛ぼうとして筋肉を使 った
とき
お
だ
と
時に押し出されてしまいます。・・・だからセミが飛 び
とき
たつ時「セミにおしっこをかけられたよ∼!」ってこと
な
とき
き
しる
す
になるんだね。ミンミン鳴いている時は木の汁を吸 って
いないから、おしっこはしませんよ。
な かま
<セミはカメムシの仲間?>
こんちゅうぶんるい
い
もく
もく
か
ぶんるい
セミは昆 虫 分類で言えば、カメムシ目(はんし目)セミ科に分類さ
おお
くさ
しんせきど う し
い がい
れます。あんな大きなセミと、臭∼いカメムシが親戚同士だって意外
かん
し
な感じだね。みんな知っていた?
ほか
その他にも、マツモムシ・ミズカマキリ・アメンボなどなど。
編集長のたわごと
ここまでで140号。私が編集を引き継いでから40号、色々なネタをやってきました。その中でも昆
虫に関する記事を書くため文献を調べているうち、ある事に気がつきました。それは、ほとんどの昆虫を
一度は誰かが口にしている!と、いうことです。
『煎じて飲めば…』とか『○○が美味しい…』とか…。
人間の探究心ってすごいッス!ちなみに私は絶対できません。あなたはどうですか?