研究テーマ「 自ら考え 、表現する児童の育成」 ~算数的活動の工夫を通して~ 日光移動教室を終えて 研究主任 南 知子 6年学年主任 今年の日光移動教室のスローガンは、 “協力し 今年度の校内研究の教科は「算数」です。七小の児童の実態から、今年度は「基礎的・基本的な知識・技能を確 仲間と絆 笑顔と共に”です。子供たちがずっと楽しみにしていた移動教室。 5月に入ると総合的な学習の時間で、日光に関する調べ学習を行いました。また、 きる子」を目指す児童像とし、研究テーマを「 自ら考え 、表現する児童の育成」にしました。「自ら考えるために 行動班や生活班を決めたり、室長、レクレーション、式、整頓、入浴、保健、食事な は、どのような手立てをとればよいのか。」、「表現する力はどのようにつけていくか。」など、これからの研究授 どの各係を決めて休み時間に練習をしたりと運動会で忙しい中準備を進めていきまし 業を通して探っていき、確かな算数の学力の定着を目指します。 た。移動教室の直前には、キャンドルナイトのリハーサルを行い、レクレーション係 があります。 貴子 深めよう楽しい思い出 実を身に付けている子」、「既習の学習内容を生かし、自ら考えようとする子」、「自分の考えを表現することがで そこで、算数の学力の定着のために、御家庭で協力していただきたいこと 伊丹 がみんなにダンスなどを教えてくれました。 いよいよ6月11日当日!心配されたお天気ですが、出発の時には何とか傘をささ 例えば、「音読」の宿題です。文章を正確に読めないと算数の文章問題も 正確に読み取れません。毎日、宿題として出されている学年が多いと思い ずに6年生65名全員そろって出発式を行うことができました。 1日目は、群馬県立博物館、日光東照宮、華厳の滝を見学。群馬県立博物館では、4月から学んできた歴史の学習を深めることができまし ますが、音読にはたくさんのメリットがあるのでていねいに見て頂きたい た。お昼ご飯を食べて日光東照宮へ。グループで見学しました。あいにくの雨でしたが子供たちは建築物の美しさに感嘆し、三猿や眠り猫、 と思います。 鳴き竜などの実物に見入っていました。その後、華厳の滝へ。雨が降っていたので、霧がかかり、見えないかもしれないと心配しましたが、 また、算数の宿題をみて下さりながら、時には「ちゃんと式を立てられて 壮大な滝の姿を見ることができました。宿に到着。夕食では始めて食べるカマヤさんのおいしい食事に舌鼓を打ちました。雨のため、予定し いるね。どうやって考えたの?教えてくれる?」などの声かけをしてくださるとありがたいです。お子さんが先生 ていた源泉見学、キャンドルナイトは中止に。とても残念でしたが、その分、部屋のレクレーションで楽しみ、お風呂にもゆっくり入ること になって、おうちの方に説明することで、自信がつくだけでなく、考え方が明確になり、理解が深まると思います。 ができました。 また、漢字のテストが 100 点でも作文などに漢字を使えないのでは意味がないように、算数でも学習したこと 2日目は、戦場ヶ原のハイキングです。天気予報では、8時には雨がやむとのこと。出発を遅らせ、行程を少し変えて湯滝まで行き、予定 を日常の生活の中で使えないと意味がありません。「2時まであと何分?」、「1リットルの牛乳パックは、500ミリリ 通りグループごとにハイキングに出発しました。しかし、雨は止むどころかますます強く降 ットルのペットボトル2本分なんだね。」「いちごを家族で分けると一人何個になるかな。」など、毎日の会話の中に ってきます。大変な思いをしましたが全グループが歩きぬくことができました。子供たちは、 少し算数で学習したことを入れて頂くことも算数の力を定着させるのに有効だと思います。 お互いに歌を歌ったり、話をしたりしながら励まし合って歩きました。靴までびっしょりに 七小は、26年度、27 年度は福生市の教育研究奨励校に指定を受けており、来年度は研究発表があります。御家 なってしまったので、一度宿に帰って入浴し、お昼ご飯を食べに光徳牧場に行きました。雨 庭にも協力をいただきながら、研究を進めていけばきっと良い成果が出ると思いますので、よろしくお願いしま の中のハイキングの後のカレーライスはどんな食事よりもおいしかったらしくほぼ全員の子 す。 供がおかわりをしました。その後食べたアイスクリームも忘れられない味となったようです。 宿に戻り、益子焼の絵付け体験をし、思い出の詰まった自分だけのオリジナルの湯のみ茶 碗を作りました。その後、源泉見学へ。硫黄のにおいに驚きながらも10円玉を夢中になっ て湯につけて変化を確認しました。夕食後は、待ちに待ったキャンドルナイトです。最初少し雨が降っていましたが、すっかりとやみ、大い 今年度のセーフティ教室も、福生警察署の方をお招きし、1~3年生は「いか のおすし」について学習しました。みなさんは「いかのおすし」はご存知ですか。 「いか」…「ついていかない」 に盛り上がったキャンドルナイトでした。 3日目は、すっきりと晴れ、なかなか見えなかった男体山も見ることができました。木彫り体験では、係の方の説明を真剣に聞き、集中し 「の」…「のらない」 て彫っていました。午後は、お昼御飯の後、富弘美術館へ。最後の見学場所です。誰もおしゃべりをせずに、真剣に作品に向かいあい詩をた 「お」…「おおごえをだす」 くさん写す姿が大変立派でした。 「す」…「すぐにげる」 「し」…「しらせる」 あいにくの天気のために、行程を変更したり、ナイトハイクや足湯ができなかったりと です。これは毎年行っています。でも何度も何度も繰り返すことに意味がありま いうことはありましたが、それもまた思い出です。宿の方から す。繰り返し学習することで、頭で覚えるのではなく体に覚えさせるのです。い 「こんなに食器をきれいに片づけてくれた学校は始めてです。 」 ざという時に「いかのおすし」の意味を考えている暇はありません。すぐに行動することができるかどうかに命を守れるか どうかが決まってくるといっても過言ではありません。 今回の身を守るためのポイントとして次の 2 点が確認されました。 ・知らない人に挨拶などをされたら無視するのではなく、挨拶をして返したほうがよい。ただし、一定の間をいつもあ ける。 (約 2 メートル…さっと手をとろうとしても取られない距離) ・車に乗って不審者が近づき、つれかまれそうになったら、車の後方に逃げるとよい。 (車はバックの方がスピードが極 端に遅くなるからとのことです。 ) 最後に意見交換会を行いました。保護者の方もご参加いただき、大変に内容のある話し合いができました。ご参加いただ いた保護者の皆様、ありがとうございました。 と言っていただきました。挨拶もよくできていました。様々な施設での態度も七小を代表 するにふさわしい立派な態度でした。全てのグループが5分前行動を心がけ、きちんとで きていたことも素晴らしかったです。 “協力し 仲間と絆 深めよう 楽しい思い出 笑 顔と共に”のスローガン通りの移動教室になりました。子供たちにとって親元を離れ、 友達と寝泊まりしたことをはじめとして様々な経験をした3日間でした。この3日間で 責任感や友達と協力する大切さを学び大きく成長した子供たちです。この経験をこれからの生活に生かしてほしいと思います。子供たちが素 晴らしい経験ができたのも保護者の方をはじめとした多くの方々のご協力があってのことと感謝しております。ありがとうございました。
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