2010 年 7 月イギリス・フランス出張報告

2010 年 7 月イギリス・フランス出張報告
C-ASTEC 後藤
7 月 16 日より 27 日までイギリスとフランスに出張しました。下記の項目にて出張報告をい
たします。
1.日程
2.業務内容概要
3.ファンボローエアーショービにおけるジネスマッチングミーティング
3-1
アメリカ Heico 社/Seal Dynamics 社
3-2
フランス Daher 社
7/19/2010
7/20・2010
4.ドイツニーダーザクセンクラスターとのミーティング
5.ファンボローに於ける中小企業動向ヒアリング
6.ブルストル大学訪問
7/21/2010
6-1 ACCIS(先進複合材センター)の概要
6-2
訪問者および受け入れ側
6-3
ブリストル大学によるパワーポイントプレゼン
-
材センター)
7.フランス訪問
1.日程
16 日
日本発
17 日
ファンボロー会場展示準備
18 日
休日
19 日および 20 日、ファンボローエアショー
21 日
ブリストル大学訪問、パリへ移動
22 日
フランス住友商事訪問、在フランス日本国大使館訪問
23 日
スネクマ社訪問、2 工場見学
24 日
ロンドンへ移動、午後ファンボローエアショー
25 日
ファンボローエアショー
26 日
フランクフルト経由帰国
27 日
成田経由にてセントレアへ
ACCIS と NCC(国立複合
2.業務内容概要
・ファンボローエアショー
-パンフレットによる名古屋地域の航空宇宙産業の紹介。JAIF(ジャパン・エアロス
ペース・インダストリー・フォーラム)のシャレーでの配布および訪問先ブースに
て配布時に説明。
-ビジネスマッチングに参加
・アメリカの PMA メーカーHEICO 社
・フランスの Daher 社
-展示ブース訪問による業界の情報収集。中小企業動向調査。
・ブリストル大学
-複合材関連のプレゼンおよび施設見学。
-2011 年 8 月スタート予定の NCC(国立複合材センター)のプレゼンを受け、質疑応
答。
・フランス住友商事
-欧州活動のプレゼンあり。
・在フランス日本国大使館
-ファンボローエアショー関連の報告・説明をした。一方フランス企業の動きについ
てヒアリング。
・スネクマ訪問
-スネクマおよびサフラングループのプレゼンを受けた。
-スネクマのエンジン部品および組立工場見学した。
(フランスでの同行者は、中部経済産業局の木山専門官、三光製作所
スト会長)、磯村製作所
磯村社長、住友商事
奥村社長(マ
増田氏)
3.ファンボローエアショーにおけるビジネスマッチングミーティング
3-1
アメリカ Heico 社/Seal Dynamics 社
7/19/2010
Heico社会社概要
-Heico はアメリカの PMA 部品の会社で、4 つの下記の4つの部門を持つ。
Repair(修理部門)
PMA(PMA 部品の設計および製造。50%は自社生産、残り 50%は外注で、今回
の様に日本企業がここに入る余地がある。)
Distribution(OEM products を扱う。ここを買収した子会社の Seal Dynamics
が扱う。)
Speciality(OEM 用の特注品対応)
-PMA 部品の 60%はエンジン部品。
-ウエブサイトは
Heico http://www.heico.com
Seal Dynamics http://www.sealdynamics.com
-担当は、
Heico:
Mr. Jim O’Sullivan, Vice President – Business Development,
Europe,
Middle East & Africa
ビジネスミーティングに関しては、社内の PMA 部品調達部門に収集
した各企業の情報を回し検討する。彼らより、興味のある会社には
メールなどで後日コンタクトする。見積り依頼へとつながっていく。
Seal Dynamics:
Mr. David J. Susser, Chief Executive Officer
Heicoによるプレゼン概要
・ NY 証券市場上場、1957 年創業、20 人のメンバー、で 53 年の歴史
・ 2,009 年の売上 537million ドル
・ 2,300 人、29 箇所。
・ ルフトハンザテクニクが 50 ミリオンドルを投資し 1997 年に Heico の 20%を獲得して
いる。
・
扱い部品は下記の部品と、多岐に渡る。
Cockpit/avionics
Landing gear
Engines
(CFM56, CF6, CF34, PW2000, V2500 …)
Fuselage/interiors
Wiring
Components
etc.
・
PMA 部品は 1964 年よりスタートし、現在世界最大の FAA 認定の PMA サライヤー。
60 人の engineers、9 人の DER (designated engineering representatives -メーカー
に所属しながら FAA の代行として,検査業務を行う人 )がいる。この部門は 500 人
のメンバーがいる。自社で部品の FAA 認定ができる。世界中に 7 ヶ所の拠点。PMA
を取りたい会社のサポートも行っている。リバースエンジニアリングにより様々な
部品を図面展開できる。
(どんな金属も、コーティングの材料、処理のやり方も含め
解析できる)拠点の一つはインドのバンガロール。6,000 の FAA 認定部品。毎年 500
以上の部品が増えている。年に 400 万点の部品を出荷している。
・
Repair グループは 30 人のエンジニアと 5 人の DER がいる。25,000 の部を扱う。修
理平均 16 日間。対応は 24 時間、週 7 日対応。
・ Distribution グループは OEM 部品。また PMA 能力も高めている。パートナー会社は
たくさんある。・
・ Speciality グループの扱い例としては、foil wrapped insulation and
composite panels,
fan exit guide の製造とオーバーホール。400 人。
・
生産部品のテストはスキャナーで3D 分析。60 人のエンジニアと 20 人の上級技術者
がいる。
・
20 のうち 19 のエアラインが Heico の部品を買う。世界に 200 の顧客。
・
オリジナルパーツメーカーとネゴが出来、コストアップにならないようにしている。
・
現在 50%を PMA 部品では外注であるが、開発力、技術力を更に高めていきたい。コ
ストは重要なポイントとなる。純正に劣らない部品を良い価格にて提供する。(ウエ
ブのページには PMA 部品は 20%から 60%安い価格との記述がある。
)外注先を増
やす場合には、価格もさることながら、Hecio の持っていない技術を持っている会社
を選択したい。今までのプロダクトに対し新しい技術があれば、それを欲しい。一
方 FAA に関しては、常に規制関連の人とのコンタクトを持ちその関係を維持してい
るので部品の認定についてはうまくやっている。
・ 顧客に対しては、納期遅れがあった場合、純正 OEM 部品の価格との差がペナルティー
になる場合がある。
・
日本との下請取引は、やり方において基本的に全てにオープンである。 FAA 認定は
Heico がやるが、その前の図面は下請けが書いても良いし、リバースエンジニアリン
グなどをして Heico がやるケースもある。ANA や JAL に部品をだしている所は、
Heico の下請けになる可能性はある。
・ 既に 5,000 を超える PMA 部品が有るが、お客の特別要求が増えていて、それに合わせ
て作っている。5,000 のうち 4,000 はメタル部品。プラスチックは少ない。Interior,
Seat, Galley などに興味ある。
・
JAL の社員で Heico のパートナーの人がいる。この人を今後、可能性のある日本の会
社とコンタクトさせる事ができる。コミュニケーション上良い。
・ Heico は日本の会社がこれまで何処に納入したのかに興味がある。また、それを直接行
ったのか、あるいは誰かが中に入っているのかを知りたがっていた。
・ PMA 部品はどちらかというと、価格より量が重要視される。一方品質はもちろん重要。
ビジネスマッチング
・ Seal Dynamics のブースにて Heico 社のビジネスミーティングをおこなった。下記の
日本企業が参加し、通訳を行った。
加治金属工業
エステック
マスト(幹事会社:三光製作所)
飯田航空宇宙プロジェクト(幹事会社:乾光精機製作所)
JASPA(まんてんプロジェクトの運営会社)
ハードロック工業
大和合金
3-2
フランス Daher 社
7/20/2010
Daher社概要
・
担当者
Mr. Philippe Villard, Vice President Marketing, http://www.daher.com
Mr. Julien Pascal, Sales Manager – Industry & Services
・ 売上 2009 年 744 ミリオンユーロ、12 カ国に 117 箇所の拠点、7,000 人の Equipment
and services supplier で Aerospace, Nuclear, Defence と Industry の事業。航空宇
宙関連 2/3 の人が従事。その 70%の売上は EADS グループとのビジネスによる。資
本構成は 2 年前より 20%がフランス政府のファミリー企業。売上の 31%はフランス
以外。3 つの会社がある。Daher Socata は航空機生産(機体構造と小型機)に携わ
り、統合生産とサービスの Tier1 サプライヤー。Boeing より Airbus の仕事の方が
多い。製造は、Fuselage, landing gear, doors & boxes, belly fairing, pylons, nacelle
components,等
・
ローテク製造はローコストカントリーにて、例としてはモロッコのタンジール。メキ
シコにも国境近くに工場を作る計画がある。ビジネスのオフィスはロスにある。
・ この会社は FHI に似ているところがある。Daher は FHI との関係を持つことにもオー
プンである。よって SJAC はこの会社を FHI に紹介する。細かい点は NDA を結ば
ないと開示できない。彼らがこの秋に日本に来る時、更に詳しい話ができる。
・
MRJ に 3 名参加。全てのブリードエアパイプ。
ビジネスマッチング
・
SJAC ブースにてフランス Daher 社とのミーティング
SJAC 側は宮部長が対応。Daher 社は日本の重工会社への売り込みも目的。SJAC は
富士重工業に意向を伝える事にした。
・
JAIF シャレーにて Daher 社と川崎重工業とのミーティング。情報交換。
・Daher 社とのミーティング。下記の日本企業が参加。
加治金属工業
今井航空機器
ベストテック
東洋航空電子
4.ドイツのニーダーザクセンクラスターとのミーティング、7/20/2010
場所:イギリスファンボローエアショーの JAF シャレー内
来訪者:Mr. Norbert Steinkemper, Representative Niedersachsen Aviation
ウエブ:http://www.niedersachsen-aviation.de
ドイツ航空宇宙工業会 BDL よりの情報に基づき、ニーダーザクセンのクラスターについて
の説明を行いたいとの事で JAF シャレーを訪問し、パワーポイント資料(別途あり)によ
るプレゼンを行い、意見交換をした。
・ ハノーバー、ハンブルグなどの地域に約3万人がおよそ 250 社に従事している。大きな
会社は機体構造の Premium Aerotech, Airbus 工場や MTU。研究機関では DLR
(German Aerospace Centers)。また、複合材の研究が、リサイクルも含め多面的に
進んでいる。
・ ドイツの他のクラスターも下記の様に紹介。
Hamburg & SH; interiors, final assembly line, 36,000 人従事、300 の会社
Bremen; robotics, aerodynamics, military, 10,600.人従事、80 の会社
Berlin & Bdg.; drive engineering, 15,000 人従事、70 の会社
Bavaria; satellite-navigation, military, 30,000 人従事、300 の会社
・
中小企業のグループ化については、日本側の説明に同調する部分があり、難しいと指
摘。
・ 今後も日本との情報交換をしたいとの希望。
5.ファンボローエアショーに於ける中小企業関連ヒアリング
ブース訪問時の聞取りより、中小企業に関しては下記の感想を持った。
・ 各国の航空関係の中小企業は、ボーイングやエアバスのサプライヤーの縮小方向のもと
今までのやり方ではその生存が難しくなってきている。競争は世界的で、各国において
は、工業会やクラスター単位での産学官による競争力強化が行われている。
・ 日本の中小企業はこれまで重工の下でやってきたが、今後は上記の世界的な流れの中で
の生き残り策を図らなくてはならない。今後民航の需要増は予想されるも、その中でど
れだけ日本の中小企業が参加できるかについては、定かでなくなってきている。世界を
相手に商売を広げていく事は一つの解決策であり、今回の様な国際ショーに参加する事
により、海外のパートナー探しに拍車が掛かるであろう。海外においては、この面では
既に先行しているのと、東欧やアジアなど既に参加プレイヤーが多くなっている。
・ 世界を相手のビジネス体制を構築となると、必要なグループ化や一貫生産を行うには課
題も多い。また注文する側からは通常一社が受け手となる事を要望されるので、その面
でも現実的に解決していかなくてはならない。また、実際の部品、コンポーネントの商
売可能取引価格レベルについては、未だ見えていない状況なので、この面での把握はあ
る意味最初の段階で必要と思われる。技術面は良いとしても、先行している各国と比較
した場合の価格面での競争力については、そのレベルを把握する必要があると思われる。
もし海外展開の体制を整えたとしても、価格面で乖離が大きいとなると、それをどうや
って乗り越えていくかが緊急な課題となっていくだろう。重工あたりでは、その辺りの
情報はある程度持っていると思われるが、依然先進国でも部品やコンポーネントを製造
している現状は有り、全てが価格の安い中国、アジアへ移るという展開は直ぐには無い
と思われるが、これらの国を下請けとして使う割合は増えるであろう。ともあれ、海外
展開に時間的な余裕はあまり無いように思われる。
・全体での業界の底上げは現時点で色々な施策が行われているが、海外では既にこの辺り
を総合的に取り組んでいる。その意味で効率の良い取組みを進める為には、先進して
いる諸外国の取り組みが参考になろう。
6.ファンボローエアショー諸情報、展示品
ADS
(イギリス航空宇宙工業会、AeroSpace, Defense, Security)
・ SC21(サプライヤー、サプライチェーンの向上を目指すプログラム、航空宇宙、防衛、
セキュリティー関連)には 600 の会社が参加。ビジネス、品質、納期、他社との関係改
善に役立っている。
NAG オランダ航空宇宙工業会
・ 新パンフレットあり。http://www.nag.aero/
・ 以 前 訪 問 し た コ ン サ ル テ ィ ン グ 会 社 ADSE の Bart Korft 氏 の プ レ ゼ ン あ り 。
http://www.adse.nl
ファンボローエアロスペースコンソーシアム
・ カタログあり
・ 中小企業年会費
395 ポンド
・ コンタクト先
[email protected]
Tel: 01252 375600
http://www.fac.org.uk
ノースウエストエアロスペースアライアンス
・ http://www.aerospace.co.uk
・ Mr. Martin Wright, Chief Executive Officer
マン島エアロスペースクラスター
・ http://www.aerospace.co.im
サウスハンプシャーエアロスペースネットワーク
・ http://www.invest-in-portsmouth.co.uk/aerospace
スコティッシュデベロップメントインターナショナル
・ http://www.scottish-enterprise.com/sector-aerospace
・ スコットランドには複合材サプライチェーンで 45 社が活動している。
エアロスペースミーティングChina2010
・ 2010 年 11 月 15 日より 20 日まで。珠海。ビジネスミーティングの企画あり。
・ http://www.bciaerospace.com
Asian Business Aviation 2011
・ 2011 年 3 月 8 日より 10 日、香港
・ http://www.asianaerospace.com
Asian Aerospace 2011 international expo and congress
・ 2010 年 3 月 8 日より 10 日、香港
・ http://www.AsianAerospace.com
Seoul International Aerospace & Defense Exhibition 2011、ソウル
・ 2011 年 10 月 18 日から 23 日
・ http://www.seoulairshow.com
http://www.seouladex.com
メキシコ情報
・ http://www.mexico-now.com
・ エアロスペースミーティング
グアダラハラ、メキシコ
-
2010 年 10 月 4 日より 8
日、http://bciaerospace.com/mexico
ルーマニア情報
・ http://www.dce.gov.ro
・ http://www.opiar.ro Association of Romanian Aeronautical Companies
Aircraft EXPO ハンブルグ
・ 2011 年 4 月 5 日から 7 日
・ http://www.aircraftinteriorsexpo.com
Cfm
・ CFM56-5B、-7B エンジン
(A318, 320, ….)
・ LEAP-X FAN 次期エンジン、3D RTM fan blade technology next generation single-isle.
ロールスロイス
・ F136
F35 のエンジン
・ トレントファミリーの一つ Trent900 (A380 のエンジン)を展示。
P&W
・ PurePower PW1000G、 MRJ のエンジン(ボンバルディア C シリーズにも採用)
F10 ジェット戦闘機用、PT6C-67
ヘリコプター用、PW300、PW800
サフラン
・ Silvercrest
2014 年?出荷、
・ チュルボメカ
・ SaM146
RTM322
70-120 人乗り用
・ B787 の landing gear
700 出荷、1,500 注文
14 ヶ月
(イタリア Avio も一部参加)
・ A350XWB の landing gear、carbon brake
・ 航空関連以外のカタログでは、次の物。
Automated border control solution
Morpho Detection explosives detection in a desktop system
MorphoWay facial recognition technology
JIM LR long-range multifunction infrated binoculars
Biometric passport solution
MorphoCheck
fast, mobile, secure ID checks
GE
・ GE-nXエンジンはアメリカのGEの他、イタリアのAvio(http://www.aviogroup.com )、
日本のIHI、ドイツのMTU、フランスのSnecma、韓国のSamsung、ベルギーの
TechspaceとスエーデンのVolvoが参加。B787 用
・ GP7200 (P&W とのエンジンアライアンス)
International Aero Engines
・ V2500 エンジン展示。
IRKUT Corporation イルクート
・ MC-21 short/mid range airliner family – MC-21-200/300/400。
・ MC-21-200 の座席の可能性は、130 席、150 席および 168 席
・ MC-21-300 は、159 席、181 席および 203 席
・ MC-21-400 は 192 席、212 席および 230 席。
・ 初飛行 2014 年計画。初出荷 2016 年。
・ 参加企業
-エンジン、P&W の PW 100G かロシア Aviadvigatel の PD-14
-機体製造はロシア中心であるが、その主要システムサプライヤーには Hamilton
Sundstrand、Zodiac Aerospace group、Rockwell Collins、Pratt&Whitney、Goodrich
など西側企業が多い。
SUKHOI
スホイ
・ Sukhoi Superjet 100 は Superjet International 社(49%Sukhoi 社、51%イタリアの
Alenia Aeronautica との合弁)製で、今年末よりロシアのエアロフローとそれ以外に
出
荷予定(several contracts がある)で 98 人乗り。ビジネスクラスを入れると 87
席。
・ ファンボローエアショーにて、アメリカのリース会社 Pearl Aircraft Corporation より
の 30 機の注文発表あり。初機納入 2011 年中頃。定価で総額 9 億ドル、15 機はオプ
ション。
7/21/2010
7.ブリストル大学訪問
同行者:C-ASTEC 川口会長、村瀬秘書、伊藤主査、近藤専務、中部経済産業局宮川局長、
彦坂参事官、住友商事若杉理事、イギリス貿易投資総省フェイ博士、清水上級担当官が同
行
ブリストル側:
Dr. Paul M Weaver, Professor in Lightweight structures, University of Bristol
Director, ACCIS DTC
Dr. Hua-Xin Peng, Reader in Aerospace Materials, University of Bristol
Mr. Peter Chivers, Executive Director, National Composites Centre
Ms Ellen Stallins, Head of Inward Investment, South West RDA
・ 事前に 送ら れたブ リス トル大 学に よる ACCIS (Advanced Composites Centre for
Innovation & Science);革新と科学のための先進複合材センター)の説明
ACCISの概要
・ イギリス政府は今後の民間航空機の成長を認め、それに対応するため 2007 年に設立。
活動としては、
航空宇宙業界、海洋技術およびその他の産業用の複合材をより軽く、強く、耐腐
食性を高めたものを作り出す。先進的複合材への活動を ACCI は、工学部と理学
部にリンクして、その活動を束ねる。
・ 学界と産業界の連携に焦点を定めて活動。
-エアバス
この研究開発の産業界の有力なスポンサーの一つで、エアバスと ACCI の 6
千平米の施設は地域連携のハブとなっている。
-ロールスロイス
新しくブリストル大学に University Technology Centre (UTC)を開設し航空
宇宙、海洋およびエネルギー市場にまたがる将来の製品の為に複合材の研究
を更に進める。
-GE Aviation
GE Aviation のシステム部門は SMARTCOMP を設立した。これはブリスト
ル大学とオックスフォード大学との大学技術戦略パートナーシップのひとつ
で、プロペラ、航空宇宙構造の低コストで3次元の複合材及びと自己作動型
複合材に焦点を当てている。
―Vestas Wind Systems
ベスタスは ACCI とパートナーシップを結び将来の複合材技術の開発を行う
と発表。これは、航空宇宙を越えて、再生可能エネルギーへと繋がり、ブレ
ード、スマートマテリアルおよび軽量構造の製造に焦点を当てています。
研究テーマ
幅広い研究が力の源泉です。
・ 航空宇宙の複合材(ACCIS)
多機能性複合材と革新的微細構造
- デザイン、分析と複合材
- インテリジェント構造
- 複合材の加工と特性
・ 計算流体力学(CFD)
- 並列化の為の一般的方法(非特定コード)、メッシュ生成とメッシュ動作
- 固定翼及び回転翼の航空力学と空力弾性の接続構造および最適化
・ 力学とシステム
内部応力の構造体の動的挙動への影響
分岐解析のローターシステムへの応用
クラッタ、動的、不安定な環境における無人機用の堅固な、分散型のガイドア
ルゴリズム
空中での無人の自動給油の進歩
日本企業にとっての興味のある点は?
・ イギリスの大学の中で ACCIS における特に民間航空機用の先進複合材の専門家が多い。
・ ACCIS は航空宇宙第二のクラスターである南西イングランドに拠点を置く企業と密接
に結びついていて、産業界の要望に合致する研究開発を行います。
・ ACCIS は外部団体の支持を得て、複合材の研究用の素晴しい設備を持っています。
・ ACCIS はイギリス複合材ネットワークにおいて重要な役割をはたしています。これは
イギリスの複合材用のバーチャルな知識伝達ネットワークです。
NCCの活動とニュース
・ 産業界スケールの製造設備を提供し、設計思想の正当性をプロトタイプを製作し検証す
る迅速生産のプロセスを提供する。
・ イギリスの複合材迅速生産技術とシステムを開発するハブとなる。
・ 複合材の卓越を持つ地域のセンターの強化されたネットワークの共同をリードする。
・ 複合材の基礎研究に方向性を与え注力し、イギリスの大学と共同するリンクを作る
・ 先進、専門性の複合材技術を応用するに必要なスキルベースを開発し、共同トレーニン
グで向上させる手助けをする。
・ GKN 社に率いる 23 社による NCC のコンソーシアムは、TSB (工学・物理科学研究協
議会)の”Composite Grand Challenge”賞を 2010 年 4 月に受賞した。
卓越の源泉
・ 航空宇宙、エネルギー、自動車、建設などの分野で複合材製品による市場参入のニーズ
に対応。
・ 企業の投資を助けるためにイギリス及び欧州よりの研究資金を獲得する連携を奨励。
・ 大企業の参加
– エアバス、アグスタ・ウエストランド、GE エビエーション、GKN エ
アロスペース、ロールスロイス、ベスタス等
産業界よりの声
・ エアバス;イギリスのエアバスは過去 10 年翼構造の複合材技術を研究してきて、A400M
や A350XWB の複合材翼の製造をもたらした。研究は更に続けられ速い速度での設計
開発、また材料の強度を更に最適化する事が求められています。NCC はその研究を推
進し、イギリスにおける複合材エンジニアリング能力を更に高め、南西地方とイギリス
を複合材分野においてリーダー的な役割を持ち続けます。
・ GKN;は国の複合材戦略に参加しこの新しい NCC は南西部に位置しています。複合材
センターはイギリスの製造業が多分野に応用できる複合材を開発するための重要な施
設となるでしょう。そして、イギリスの製造業の将来に重要なスキルである分野の専門
性を高めます。GKN は我々が将来の世界的な航空宇宙プログラムに参加する重要な要
素と看做し、我々の専門性を他の分野に広げる事を希望します。
・ ロールスロイス;は NCC のパートナーとなる事をうれしく思います。これは南西部の
航空宇宙クラスターへの多大な支持であり、将来の技術要求を支援する事を助けます。
我々の投資は我々の現在進めている産業界と学会をまたぎ、重要な研究開発を行う活動
の一部です。
・ ベスタ;はブリストル大学との研究パートナーシップを確立し、NCC はこれらの活動
を進展させる支援を行います。複合材は将来の風力発電に重要なもので、このイニシア
ティブは、主要な機関がこの分野の技術において世界的な能力をつけることになるでし
ょう。
ブリストル大学によるACCIおよびNCC(国立複合材センター)についてのパワーポイント
プレゼン(データ別途あり)
・ 2007 年に設立。大学間の複合材研究を一つにする役目をACCIが果たす。産学協同を行
い、複合材の最先端の研究を行い、産業界に技術を移転する。大学は階層的には底辺の
1から3の基礎研究部門を行い、2011 年 8 月オープン予定のNCC(国立複合材センタ
ー、http://www.nationalcompositescentre.co.uk )はそれを実際の商品へとつなげて
いく。
ACCISの研究テーマは下記の様に多岐に渡る。
・
多機能複合材と新しい微細構造
-自己治癒機能。破壊部分の検出可能構造
-磁気機能付き複合材
-階層的微細構造
-Auxetic 固体の特性を生かした複合材
-革新的なナノ構造のモデル化
・ デザイン・分析・不具合
-不具合のメカニズムとモデル化
-最適化と弾性テーラリング
-振動と疲労
-衝撃および高歪み影響
・ インテリジェント構造
-モーフィング飛行機
-多重安定複合材
-構造体の健全性管理と音響減衰
-損傷検知と予知
・ 複合材加工と特性
-ファイバードレープとシミュレーション
-レジントランスファーモールディングと不良
-残留応力と歪み
-リサイクル
その他
・ 産業界と地域とのパートナーシップ
-風力発電のベスタス、エアバスブリストル・バース複合材技術アライアンス、GE
エビエーション、グレートウエスタンリサーチ、ロールスロイス複合材 UTC、南
西イングランド開発公社/エアバスとのコレルリーフ施設、アグスタウエストラン
ド、EADS,
BAE システムなど
・ チーム MAST
-国防省の材料構造技術コンソーシアムのメンバーとの協働。自己治癒複合材、モ
ーフィングなど。
・ ACCIS の博士課程学生トレーニングセンター
-EPSRC(英国工学・物理科学研究会議)による 700 万ポンドの援助。
・ 施設の拡張
-540 万ポンドで研究およびオフィス施設の充実をはかる。
・ 新プロジェクト、諸々
・ BRITE 計画、環境技術
・ ナノ科学センター
・ 国際協力
等
・ 新しい NCC(国立複合材センター)はブリストル大学から 8km ぐらいの場所に設置さ
れる。メンバーは Tier1 企業で 15 社、Tier2 企業で 30~40 社を考えている。メンバー
費は年間各々30 万ポンドと 3 万ポンド。Tier3 中小企業は、どうするのかはこれから検
討していく。
・ NCC のメンバーになると、メリットとしては下記がある。
NCC へのアクセス
サプライチェーンとの機会
資金援助
大学間のリンク(サプライチェーンを通じ)
技術サポート
スタッフによるヘルプ
など。
今後
・
日本側としては、ブリストル大学・NCC との交流は今後も続けて生きたい。
8.フランス訪問
・
訪問目的は前述の通り。
・ スネクマ関連はエンジン工場を視察した。CFM56 エンジンの部品の製造と組立ライン
の見学。完成エンジンの一部はアメリカに出荷し最終組立。
・
広大な敷地に合理化された工場。
**************************