いじめ防止基本方針 - 青森県立百石高等学校

「学校いじめ防止基本方針」
2014. 3.20
青森県立百石高等学校
1 いじめ防止基本方針策定にあたって
(1) 学校の基本的考え方
人権尊重の精神を貫いた教育活動を展開する。「いじめは人間として絶対に許されない」とい
う意識を一人一人の生徒に徹底させるとともに、教職員自らそのことを自覚し未然防止に全力
を傾け保護者や地域に伝えていく。いじめが生じた場合には、組織的対応により、いじめを
やめさせ、その再発を防止するためいじめを受けた生徒・保護者に対する支援と、いじ
めを行った生徒への指導及びその保護者への助言を継続的に行う。
(2) 学校基本方針
① 全校にいじめを許さない雰囲気をつくり、いじめの未然防止に全力で取り組む。
② 生徒、教職員の人権尊重の意識を高める。
③ 生徒と生徒、生徒と教職員の相互信頼を基調とした温かい人間関係を築く。
④ いじめを早期に発見し、適切な指導を行い、いじめ問題を早期に解決する。
⑤ いじめ問題について、保護者や地域そして関係機関との連携を深める。
2 いじめとは
(1) いじめの定義
「いじめ」とは、生徒等に対して、当該生徒等と一定の人間関係にある他の生徒等が行う心理
的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)であって、当
該行為の対象となった生徒等が心身の苦痛を感じているものをいう。
(2) いじめに対する基本的な考え方
「いじめは、どの学校でも、どのホームルームにも、どの生徒にも起こりうる」という基本認識に
立ち、いじめの未然防止と早期発見に努める。
また、仮に事案が発生した場合は「いじめは絶対に許されない。いじめはいじめる側が悪い」
とする毅然とした態度で速やかな解決を図る。
(3) いじめの構造やその背景
① いじめは力の優位-劣位の関係に基づく力の乱用であり、攻撃が一過性でなく反復継
続して行われる。
② いじめは意識的かつ集団的に行われるものであり、個人を意図的に孤立させようとする
集団の構造の問題が潜んでいる。
③ いじめは、いじめる側といじめられる側という二者関係だけで成立しているのではなく、
「観衆」としてはやし立てたり面白がったりする存在や、周辺で暗黙の了解を与えている「傍観
者」の存在によって成り立つという、階層的な構造をなしていることを認識する。
いじめの背景にあるいじめる側の心理には、
① 心理的ストレス(過度のストレスを集団内の弱いものへの攻撃によって解消しようとする)
② 集団内の異質な者への嫌悪感情(集団性が過度に高まった学級集団などにおいて、基
準から外れた者に対して嫌悪感や排除意識が向けられる)
③ 妬みや嫉妬感情
④ 遊び感覚やふざけ意識
⑤ いじめの被害者になることへの回避感情
などが挙げられる。
(4) いじめの一般的態様
悪口、陰口、嘲り、落書き、物壊し、仲間はずれ、集団での無視、避ける、ぶつかる、小突く、
命令、脅し、暴力、たかり、使い走り、性的辱め、メール等での誹謗中傷、からかい、等々
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校内体制について
「いじめ対策委員会」を校務分掌に位置づける。
別紙「いじめ対策委員会」を参照。
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いじめの未然防止について
すべての生徒が安心・安全に学校生活を送ることができ、規律正しい態度で授業や行事に主
体的に参加・活躍できる学校づくりを進める。居場所づくりや絆づくりをキーワードに学校づくり
を進めていくことで、互いに認め合える人間関係・学校風土を生徒自らがつくりだすことができ
るようにする。いじめの未然防止は日々の学校生活の改善から始まることを念頭に、学校の取
組を次のように整理した。
<生徒に求められること>
① 基本的生活習慣の確立
② 規範意識の醸成
③ 分かる授業の展開による基礎基本の定着
④ 特別活動の充実による自尊感情(自己肯定感、自己有用感)の涵養
<教員に求められること>
① 生徒一人一人が、自分の居場所を感じられるようなホームルーム経営に努め、生徒との
信頼関係を深める。
② 生徒の思いやりの心や命の大切さを育む道徳教育やホームルーム指導の充実を図る。
③ 「いじめは決して許されない」という姿勢を教員がもっていることをさまざまな活動をとおし
て生徒に示す。
④ 生徒が自己実現を図れるように分かる授業づくりを進める。
⑤ 生徒理解に努め、生徒一人一人の変化に気づく鋭敏な感性を養う。
⑥ 生徒・保護者からの話を親身になって聞く姿勢をもつ。
⑦ 「いじめの構造」や「いじめ問題の対処」等についての理解を深める。人権感覚を磨き、
自己の言動を振り返る。
⑧ 個人で問題を抱え込まず、管理職への報告や学年・同僚への協力を求める意識をも
つ。
<学校全体として取り組むこと>
① 全教育活動を通して、「いじめは絶対に許されない」という土壌をつくる。
② いじめの牽制、未然防止を目的に、いじめに関するアンケート調査を年3回以上実施す
るとともに個人面談も実施する。
③ 「いじめ問題」に関する研修を行い、教員の資質・能力を高める。
④ 生徒会に「いじめ問題」に関する取組を促し、その活動を支援する。
5 いじめの早期発見に向けて
重大事案に至ったいじめの多くは、誰一人何も気づかなかったというよりも、ささいな情報を放
置したり、問題ではないと判断した結果、深刻化していることに鑑み、「早期認知」「早期対応」
に徹する。
① 生徒のささいな変化に「気づく」
② 気づいた情報を確実に「共有する」
③ 情報に基づき速やかに「対応する」
いじめのサインについては、別紙「いじめのサイン」を参照。
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解決に向けた対応について
いじめを把握したら、「いじめ対策委員会」において事実確認を行い、指導方針を共通理解し
た上で役割分担し迅速な対応を進める。
① 被害者には「絶対に守る」という学校の意思を伝え、心のケアと併せて登下校時を含む
学校生活全般において安全確保を図る。
② 保護者には学校側の対応策について十分に説明し、理解を得るとともに、家庭における
対応等について協力してもらうなど連携を図る。
③ 加害者が特定できたら、いじめの非に気づかせ被害者への謝罪の気持ちを醸成させ
る。丁寧に個別指導を行った上で当事者を交えて話し合い、再発の防止に努める。
④ 被害者と保護者の了承が得られた後、ホームルームや学年全体への指導を行う。
⑤ いじめが解決したと思われた後も、学校が知らないところで陰湿ないじめが継続していた
という事例もあることから、卒業まで定期的に面談を行う。
7 重大事態への対応について
(1) 重大事態として取り扱う際の判断基準
① 自殺を企図した場合
② 精神性疾患を発症した場合
③ 暴行等を受けた場合
④ 金品を奪い取られた場合
⑤ 相当の期間欠席を余儀なくされている場合
⑥ その他、重大事案として取り扱うことが適当と考えられる場合
(2) 重大事態の報告
重大事態が発生した際は、直ちに県教育委員会に報告する。
(3) 重大事態の調査
① 県教育委員会が、重大事態の調査の主体を学校と判断した場合
ア 学校の下に、重大事態の調査組織(以下、「いじめ問題対策委員会」という。)を設
置する。組織の構成として、「いじめ問題対策委員会」には利害関係を有しない第三者(専門知
識を有する人材)の参加を図る。
イ いじめ問題対策委員会において、事実関係を明確にするための調査を実施する。
客観的な事実関係を速やかに調査する。学校に不都合なことがあっても、事実にし
っかりと向き合う。
ウ いじめを受けた生徒及びその保護者に対して情報を適切に提供する。関係者の個
人情報には十分配慮をしつつ、必要に応じて調査対象の生徒や保護者に説明する。
エ 調査結果を県教育委員会に報告する。
オ 調査結果を踏まえた必要な措置をとる。
② 県教育委員会が調査主体となる場合
ア 県教育委員会の指示のもと、資料の提出など調査に協力する。
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評価
「取組評価アンケート」を実施し、学校評価会議において、各取組が年間計画どおり実施され
ているか、また効果的に機能しているか等を検証し、いじめ対策委員会に改善を促す。いじめ
対策委員会はその改善策を協議・決定して次年度の取組に反映させる。
別紙「いじめ防止年間計画」を参照。
「いじめ対策委員会」
◇構成員
校長、教頭、生徒指導主事、学年主任、保健主事、養護教諭、関係教員、その他必要
に応じて関係機関から専門家を加える。
◇いじめ認知報告
◇調査方針・方法等の決定
☆目的、優先順位、期日、担当者等
◇指導方針の決定、指導体制の確立
☆指導、支援の対象と具体的な手立て
・特定(被害生徒・保護者、加害生徒・保護者)
・一部(観衆、傍観者)
・全体(全校、学年、クラス)
◇事態収束の判断
「いじめ防止年間計画」
4月 「いじめ問題」に関する研修
5月 いじめに関するアンケート調査①
6月 個人面談①
7月
8月
9月 いじめに関するアンケート調査②
10月
個人面談②
11月
12月
1月 いじめに関するアンケート調査③
2月
3月
個人面談③
「取組評価アンケート」
1 いじめられている生徒のサイン
場面
サイン
登校時
朝のSHR
遅刻・欠席が増える。その理由が明確でない。
教員と視線が合わず、うつむいている。
体調不良を訴える。
提出物を忘れたり、期限に遅れる。
担任が教室に入出後、遅れて入室してくる。
授業中
保健室・トイレに行くようになる。
教材等の忘れ物が目立つ。
机周りが散乱している。
決められた座席と異なる席に着いている。
教科書・ノートに汚れがある。
突然個人名が出される。
発言に対する失笑、冷やかしがある。
妙に陽気に振る舞ったり、ふざけた言動をする。
休み時間等 弁当にいたずらされる。
昼食を教室の自分の席で食べない。
用のない場所に居ることが多い。
ふざけあっているが表情がさえない。
衣服が汚れたりしている。
一人で清掃している。
放課後等
慌てて下校する。または、用もないのに学校に残っている。
持ち物がなくなったり、持ち物にいたずらされる。
一人で部活動の準備、片付けをしている。
2 いじめている生徒のサイン
サイン
教室等で仲間同士で集まり、ひそひそ話をしている。
ある生徒にだけ、周囲が異常に気を遣っている。
自己中心的な行動が目立ち、ボス的存在の生徒がいる。教員が近づくと、不自然
に分散したりする。
3 教室でのサイン
サイン
嫌なあだ名が聞こえる。
席替えなどで近くの席になることを嫌がる。
何か起こると、特定の生徒の名前がでる。
筆記用具等の貸し借りが多い。
壁・黒板等にいたずら、落書きがある。
机や椅子、教材等が乱雑になっている。
4 家庭でのサイン
サイン
学校や友人のことを話さなくなる。
友人やクラスの不平・不満を口にすることが多くなる。
朝、起きてこなかったり、学校に行きたくないと言ったりする。
電話に出たがらなかったり、友人からの誘いを断ったりする。
受信したメールをこそこそ見たり、電話におびえたりする。
不審な電話やメールがあったりする。
遊ぶ友達が急に変わる。
部屋に閉じこもったり、家から出なかったりする。
理由のはっきりしない衣服の汚れがある。
理由のはっきりしない打撲や擦り傷がある。
登校時刻になると体調不良を訴える。
食欲不振・不眠を訴える。
学習時間が減る。成績が下がる。
持ち物がなくなったり、壊されたり、落書きされたりする。
自転車がよくパンクする。
家庭の品物、金銭がなくなる。
大きな額の金銭を欲しがる。
*平成 26 年 9 月 9 日
改訂