研修テーマ :「実践で学ぶ、交渉学基礎」~知財知識の活用力を鍛える~

[交 渉 学 ] フォローアップ研 修 (2010 年 10 月 30 日 実 施 ) 【140110】
【研 修 概 要 】
研修テーマ :「実践で学ぶ、交渉学基礎」~知財知識の活用力を鍛える~
研修内容
講義「交渉学の基礎」 ~成功率を上げるための、交渉学基礎講座~
この講座では、まず冒頭で交渉学の基本的なアプローチについて紹介し、「交渉学」と
いう交渉の成功確率を上げるための科学的で実践的な方法論の解説を行います。
実例を基に設計された、2 つの模擬交渉
◆ ケーススタディー(1) 「コンテンツの戦略的活用」
~コンテンツのマルチユースに関するビジネス交渉~
この交渉では、交渉相手との対立構造の中から共通の利益を見つけ出し、事業機会
に繋げられるかどうかにチャレンジしていただきます。
本交渉で扱うケースの「コンテンツ」に相当する部分を、商品・技術に置き換えること
で、他業界の方にとっては「知的財産の事業展開の拡大交渉」に近い状況を疑似体験
でき、受講される方の業種を問わず、身近に感じられる内容です。
◆ ケーススタディー(2) 「秘密保持と事業提携」
~機密情報保持契約(NDA)を巡る交渉~
この交渉では、日常行われるやり取りの裏に潜んでいる心理的な壁を乗り越え、自社
のチャンスを拡げられるかという事にチャレンジしていただきます。
NDAはもともと製造業から使われ始めましたが、近年ではどの業界でも「NDAを結ばな
いと商談ができない」という程、一般的に使われるようになりました。まだNDAが盛んで
ない業界の方にも、他の業界の事例から今後のトレンドを掴む上でお勧めです。
ねらい・目的
本研修では、模擬交渉を通して各受講者が交渉の成功確率を上げるための方
法論を持ち帰り、今後の実務に生かして、結果に繋げていただくことを目的
としています。
知的財産に関わる業務においては、専門知識をいかに実務で活用できるかが
パフォーマンスのカギとなります。特に、高度なコミュニケーション能力が
要求される交渉の場面では、ある体系化された方法論に沿って行動できるか
が、成功確率に大きな影響を与えることが分かっています。
本研修で取り上げる「交渉学」とは、米国ハーバード大学で始まった研究で、
米国のロー・スクールやビジネススクールでは、多くの学生や社会人が押し
かける非常に人気の高い授業です。
本研修では、実際の事例を基に作ったケースの実践交渉(模擬交渉)とその
振り返りを通して、Win-Win な関係を構築するハーバード流の交渉学を学び
ます。
模擬交渉では、受講者に 2 つのビジネスケースにチャレンジしていただきま
す。
どちらのケースも、交渉相手とのコンフリクトを解消しながら、双方の利益
を実現する方法を見つけ出せるかどうかで結果が分岐するように作られてい
ます。
また、交渉の題材としてコンテンツや機密保持契約を扱いますが、題材を置
き換えることで様々なビジネスケースを想定できますので、メーカーやメデ
ィアなど受講者の業界を問わずに実務で活かせる内容です。
講
師
■ 一色
正彦
氏
金沢工業大学大学院 知的創造システム専攻 客員教授
パナソニックラーニングシステムズ 顧問
■ 田中
康之
氏
金沢工業大学大学院
株式会社
知的創造システム専攻
客員教授
TBS テレビ 編成制作局メディアライツ推進部
担当部長
【対 象 者 】
本研修は、次のような方に受講をおすすめいたします。
3 級合格者(これから実務に就く方)で、将来的に知財の実務者を目指している方
o
将来的に、自分一人で契約条件の交渉や係争対応を行うことを目指している方
o
知財の基礎知識がコンテンツのプロデュース等にどう活きるのか、具体的なケースで実感をつかみ
たい方
2 級合格者(実務経験の浅い方)で、将来的に知財のプロを目指している方
o
知財のライセンスやトラブルに関する交渉を任されているものの、苦手意識がある方
o
他社との係争対応や、社内の要望を調整して知財を権利化/活用する際に、相手に要求を言いっぱ
なし/言われっぱなしで納得感のある合意点が見つからない方
o
提携交渉等で相手と話は盛り上がっても、具体的な条件まで詰め切れず、チャンスを実現しきって
いないと感じている方
1 級合格者(実務者の方)で、知財のプロとしての交渉力を磨きたい方
o
プロとして交渉をしているが、さらに、能力を磨くため、基礎から学習したい方
o
相手が必ずしもプロレベルでない場合の交渉のマネジメントの方法論を学習したい方
o
部門全体の交渉能力を引き上げるために、体系的な交渉の基礎を学習しておきたい方
【プログラム】
2010年 10月 30日 (土 )
9:30~
開場、受付
9:50~10:00
開会挨拶、オリエンテーション等
10:00~13:00
午前の部
※9:30 より前は入館できませんので、ご注意ください。
・講義「交渉学の基礎」
・ケーススタディー(1)「コンテンツの戦略的活用」
(模擬交渉)
・交渉相手との感想戦/全体フィードバック
13:00~14:00
昼休憩
14:00~17:00
午後の部
・ケーススタディー(2)「秘密保持と事業提携」
(模擬交渉)
・交渉相手との感想戦/全体フィードバック
・事後アンケート
17:00~17:10
【講
閉講、修了証交付
師】
■ 一色
正彦
氏
現
職 :
金沢工業大学大学院 知的創造システム専攻
客員教授
パナソニックラーニングシステムズ 顧問
略
歴 :
大阪外国語大学(現大阪大学)卒。東京大学「先端知財人材次世代指導者育成プロ
グラム」修了。パナソニック入社後、ネットワーク事業の海外担当として各国企業
との交渉を経験。その後デバイス事業の法務課長として事業提携交渉等の戦略シナ
リオ立案、海外弁護士との交渉を経験。03 年よりパナソニックIT教育研究所総括
参事として、パナソニックグループのコンプライアンス教育、交渉力育成プログラ
ムを設計し、講師を育成。また、東京大学大学院、金沢工業大学大学院において、
法務リスクマネジメント、知財活用、交渉学の人材育成・教育を行い現在に至る。
東京大学大学院非常勤講師、慶応義塾大学大学院非常勤講師、日本知財学会正会員、
日本説得交渉学会正会員
著書に 『ビジュアル解説 交渉学入門』(共著、日本経済新聞出版社)、『新・特
許戦略ハンドブック』
(共著、商事法務)など。
■ 田中
康之
氏
現
職 :
金沢工業大学大学院
株式会社
略
知的創造システム専攻
客員教授
TBS テレビ 編成制作局メディアライツ推進部
担当部長
歴 :
同志社大学商学部卒業後、石油会社勤務を経て株式会社東京放送(TBS)に入社。
テレビ営業局、事業局でコンテンツのマルチユース事業に携わり、現在に至る。現
職では、主にコンテンツのライツマネジメント業務に従事。TBS在職中に金沢工
業大学大学院工学研究科知的創造システム専攻を修了。その際に法務リスクマネジ
メント講座を受講し、交渉学に触れる。以後ティーチングアシスタントや講師とし
て交渉学の普及活動を推進中。
著作権法学会正会員、日本工業所有権法学会正会員、日本知財学会正会員。青山学
院大学法学研究科附置ビジネスロー・センター特別研究員。
【参 考 文 献 】
本研修は、知的財産管理技能検定3級レベル以上の知財(特に、著作権)と法律(特に、契約)の知識があること
を前提としています。以下の書籍を用いて行う研修ではありませんが、ご興味のある方は、以下の文献を読まれる
ことをお勧め致します。
● “交渉学の基礎”
「ビジュアル解説 交渉学入門」
- 一色 正彦 (著)、田村 次朗 (著)、隅田 浩司 (著)
● “契約等の法律の基礎”
「基礎から学ぶSEの法律知識」
- 大澤 恒夫 (著)、市毛 由美子 (著)、鮫島 正洋 (著)
● “コンテンツビジネスのための著作権の基礎”
「クリエーターのための著作権入門講座」
- コンピュータソフトウェア著作権協会 (編集)、ACCS (編集)