雨水 - So-net

Kohnan Wind Orchestra
港南吹奏楽団通信 しおかぜ
発行者
第30号
港南吹奏楽団理事長・常任指揮者
玉 谷 敏 弘
2009年2月25日(水)発行
雨水
「あまみず」ではなく「うすい」と読みます。
雨水(あまみず)は雨の水のこと。「雨水(うすい)」は二十四節気のひとつです。二十四節気とは一年を24等
分した気候の指標で,その昔,中国から日本に伝わってきました。夏至(げし)や冬至(とうじ),立春といった今
もなおポピュラーなモノから,啓蟄(けいちつ),清明(せいめい),芒種(ぼうしゅ)といったマイナーなモノまで全
部で24種類あります。この「雨水(うすい)」は,その二十四節気のひとつで毎年2月19日ごろ。また,この日か
ら啓蟄(3月6日ごろ)までの期間のことを指します。「空から降るものが雪から雨に変わり,雪が溶け始める」時
期という意味で,寒さも峠を越えてだんだんゆるみ始め,昔から農耕の準備を始める目安とされてきました。いま
はまさにこの「雨水」の真っ最中で,天気予報では今週はずっと雨が続く様子です。今日もそんな雨空を見てい
ると,頭の中で「雨の音楽」が漠然と鳴り始めます。
クラシックでは,ショパンの「雨だれ」が有名だけど,「雨」ではなく「嵐」を描いた作品が多く,しとしと降る雨を
描いたものは意外と少ない。(「しとしと雨」をイメージさせるような感じの音楽はたくさんあるけど,ダイレクトに雨
を題材にしたものはあまり聞いたことがない。不勉強なだけかも?)それに比べて,ポップスの世界にはタイトル
に「雨の∼」や「∼の雨」のような雨の情景を歌う曲は結構数多くあります。
古いところだと,内山田洋とクール・ファイブの「長崎は今日も雨だった」(日本レコード大賞新人賞),八代亜
紀の「雨の慕情」(日本レコード大賞。「雨∼雨∼,降れ∼降れ∼,もっと降れ∼」というサビは若い人も聴いたこ
とぐらいあるかな?)あたりは有名な歌謡曲。とんねるずの「雨の西麻布」なんてのも流行ったな。最近のところ
だと,関ジャニ∞の「大阪レイニーブルース」,スキマスイッチの「雨待ち風」,ゆずの「雨と泪」,GLAYの「RAI
N」,ORANGE RANGEの「雨」,X Japanの「Endless Rain」などがある。(ちょっと調べたよ。みんなは知っ
てるか?俺はあまり知らんが・・・)
第1回定演で取り上げる「雨にぬれても」という曲は,原曲のタイトルは「Raindrops Keep Falling On M
y Head(直訳すると,「雨の滴(しずく)が私の頭の上に落ち続けます」となる。)で,1969年の映画『明日に向
かって撃て』の主題歌でもあります。この曲の原詩の日本語訳を紹介します。
雨が頭の上に落ちてくる
ちょうどベッドに収まるには脚(あし)が長すぎる男みたいに
すべてしっくりいかないみたいだ
雨が頭の上に落ちてくる 落ちつづける
だから太陽に向かってちょっと一言
どうもお前のやりかたは気に入らないと言ってやった
照りもしないで寝てるんじゃないよって
雨が頭の上に落ちてくる 落ちつづける
でも一つだけわかっていることがある
向き合ってみろばかりに雨がよこした鬱な気分に俺は負けない
そのうち幸せの方が俺に挨拶しにやって来るだろう
雨が降りつづける
でもだからといって俺の目が赤くなってしまうわけでもないし
泣くなんて自分の好みじゃない なぜって
文句を言ったところで俺は雨を止めることはできない
なぜって俺は自由
何も心配ごとなんてない
そのうち幸せの方が俺に挨拶にやって来るだろう
渋いねえ。格好いい男の姿が思い浮かびます。そういえば,俺が小学生いや幼稚園の頃に「ママと遊ぼう!
ピンポンパン」という幼児向けのテレビ番組の中で,歌のお姉さんが歌っていた曲の中に「レインドロップス」とい
う歌があって,この「雨にぬれても」のメロディーに子ども向けの歌詞に替えられたものがあったんだ。原曲とは
ちょっとイメージが違うけど,雨にも負けずというか雨なのにとても陽気な歌で,雨が降るとこの歌を口ずさみな
がら長靴で水たまりを歩いた古い記憶があります。(お気に入りの長靴で水たまりを歩くのが大好きだった。5∼
6歳の頃かな?俺にもそういうときがある。)ちなみに,こんな歌詞です。
雨だれ小僧ちゃん
一つ 二つ 三つ
ポツンと 空から落ちて来た
四つ ほら
君のほっぺたが
濡れてます
ごらん 雨だれ小僧ちゃん
ポツンと 手のひら濡らします
一つ 二つ 三つ 四つ ほら
君にあげます 贈り物
指切りします 雨だれの首飾り
もし嘘をついたら 針千本飲みます
雨だれ小僧ちゃん
ポツンと
ピン ポポパポン ピン ほら
おでこに落ちて来た
ぼくたち濡れても平気です
約束します
雨だれの首飾り
可愛いでしょ。
「雨の音楽」もとてもいいもんです。
雨水(うすい)を過ぎると,冬眠をしていた虫たちが穴から出てくる。
そして,柳の若芽が芽吹き,ふきのとうの花が咲く。もうすぐだ。