1 身近な名詞を中心にした遊び方 〈人体図ゲーム〉 その名の通り、人間の

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子どもはみな神童
Ⅱ 漢字で遊ぼう ―漢字に親しむための実例集
1 身近な名詞を中心にした遊び方
第 2 章 楽しく遊ぶための「実例」あれこれ
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は 足 」とカードを読みあげて、足におさわり、というわけです。頭、顔、
手……とこれを繰り返します。慣れてきたら、ジャンケンをして、勝った
〈人体図ゲーム〉
方がカードを見せて、負けた方がタッチ、と変化をつけて楽しく遊んで
その名の通り、人間の体の部位をそれに該当する漢字で示します。 みましょう。
さしあたり「顔」の部分から始めてみましょう。
〈食べものゲーム〉
※用意するカード 耳、口、目、鼻、頭
子どもの大好きな食べものは、何といってもカレーライス。一体、何
画用紙や模造紙に顔を大きめに書きます。該当する部位にカード
が材料になっているのか、どうやってつくるのか、子どもにとってきっと
を置さながら読みあげていきます。これを何回か繰り返した後、今度
関心のあるところでしょう。そこでカレーライスをつくりながら、材料に
は子どもにさせてみましょう。自分でカードを置くようになったら、記憶
する食べものを漢字で示してみます。といっても、本当につくりながら
は一段と深められたといえます。
ではありませんが。
この遊びは、人間の顔だけに限定する必要は全くありません。猿で
も象でも、絵を示してその部位を漢字で当てさせることができます。
さらに変化をつけ、動きを持たせた遊び方もあります。
〈タッチゲーム〉
※用意するカード 人参、玉葱、じゃが芋、豚肉、鍋
これらの漢字カードと、カレールーの空箱、それにちょっと大きめの
鍋があればなお緒構でしょう。
カレーライスをつくる手順にそって、鍋にカードを入れていきます。
※用意するカード 頭、顔、手、足、指、首、肩など
もし、わかりにくそうならば、本物の人参や玉葱を用意するなり、ある
最初にお母さんがお手本を示してみましょう。カードを見せながら、
いは簡単に絵をかいて、それと一緒にして鍋に入れて遊んでもいい
子どもの体の、漢字に該当するその部位をタッチします。「ハイッこれ
でしょう。子どもの大好きなカレーライスのつくり方に、きっと興味をそ
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そられること間違いなし。
第 2 章 楽しく遊ぶための「実例」あれこれ
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という具合で、順番に試してみる方法です。
もちろん、カレーライスだけにこだわる必要は全くありません。スキ
ヤキ、寄せ鍋、あるいはお弁当などで応用しても、楽しさは変わらな
いでしょう。
(2)乗り物の仲間
電車、汽車、自動車、自転車、三輪車などを使います。自転車や三
輪車は、もし家にあったら、漢字カードをつくって貼っておいてもいい
〈仲間あつめ〉
でしょう。電車や汽車などは、絵とともに、漢字を示しても結構です。
動物、乗り物、植物など、同じ種類のカードで遊ぶもの。ここで注意
これらはいずれも陸上を走る乗り物ですが、「では空を飛ぶもの
したいのは、「仲間」という言葉が子どもにとって少々理解しにくいかも
知れないことです。ですから、「仲間」の説明に余り深入りしないで、動
は? 海や川を渡るものは?」と
いうふうに、飛行機、船と、広げていくこともできますし、自動車のな
物なら、足が四本あって自分で歩くものとか、乗り物でしたら、人が乗
かにも色々と種類がありますから、消防自動車、救急車と、用途別の
って遠くへ行くもの、動くものが、それぞれの仲間という意味ですよと、
自動車を漢字で表わす工夫も可能になります。いずれにしても、同じ
サラッと説明する方がよいでしょう。
ジャンルに属する漢字を示すことで、一そうわかりやすく覚えるのが、
(1)動物の仲間
犬、猫、馬、牛、豚、羊などのカードを使ってみましょう。単調になり
そうでしたら、動物の泣き声で当てさせるのも楽しいでしょう。
「泣いた、泣いた、なあにが泣いた、ニャオー」
「猫!」
「ハイ″これが 猫 」
この遊びのねらいといえます。
桃、柿、栗、梨、苺などのくだものを集めたり、梅、桜、菊、椿などの
花を仲間として示す方法、あるいは、雨、雲、雪、風などの自然現象を
用いたり……と様々に選択して遊んでみてください。
〈仲間はずれ〉
〈仲間集め〉の遊びに慣れてきたら、その反対の〈仲間はずれ〉遊び
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もやってみましょう。
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類、計五枚ずつのカードが山になったら正解というわけです。
※用意するカード 犬、猫、馬、牛、豚、電車、桃など
これらのカードを読みながら、順不同に並べていきます。そのあと、
子どもに読ませてみます。
そこで、
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〈仲良しさん〉
これは〈仲間集め〉の 変形 の遊びです。子どもの興味に応じてテ
ーマを選び、それぞれの漢字と 仲良し の漢字を見つけさせるもの
です。ここでは、最初に出した身体に関係する漢字を使ってみます。
「動物の仲間でないのはどれ?」
※用意するカード 頭、目、手、足、帽子、眼鏡、手袋、靴
と尋ねてみましょう。
まず、帽子、眼鏡、手袋、靴の漢字を読みます。そのさい、 頭にか
段々と種類を多くし、カードを増やしていきます。いきなりたくさんの
カードを並べずに、やってみることです。もしわからなければ、もう一
度〈仲間集め〉遊びにもどってください。あせりは禁物。何回でも繰り
返すのがコツです。
こうして、三種類ほどの〈仲間集め〉ができるようになり、〈仲間はず
れ〉にも慣れてきたら、少し 複雑 な遊び方に移ってみましょう。
「動物」「乗り物」「くだもの」カードを各五枚ずつそろえ、トランプのよ
ぶる 帽子、 手にはめる 手袋……と少し説明しながら読みます。実
物があれば、それを見せて漢字を示してもいいでしょう。
つぎは、子どもに、自分で仲良しさんの漢字を当てさせます。頭−
――帽子、目――眼鏡、手――手袋、足――靴、というようにカード
を拾って読ませるわけです。
花――花瓶、雨――傘、指――爪、箸――茶碗、馬――人参、鍋
――釜……とたくさんできるでしょう。
うにきってまぜてしまいます。それを一枚ずつ上から取らせて、それ
〈なぞなぞ遊び〉
を読ませ「これは何の仲間かな?」と聞きます。答えたら、下に置かせ
これは一種のカルタ取りです。カードを並べておいて、お母さんが
ます。これを順番に一枚ずつ分類しながら漢字を読むのです。三種
なぞなぞをいい、答えを考えさせて、わかったらカルタ取りの要領で、
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カードを拾わせる方法です。
これまでに提示した漢字と、いくつかの新しい漢字でつくったなぞ
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〔鶏〕
リーンと鳴ったらモシモシっていうのは何?
なぞを、順不同であげてみます。もちろん、なぞなぞの「内容」はこれ
〔電話〕
に限るわけではありませんから、よりおもしろいものを考えてみてくだ
雨の日にチャップチャップって歩く時にはくのは何?
さい。
〔長靴〕
(例)
花から花ヘヒラヒラ飛んでいくのは何?
赤い顔をして、ひっかくこともある動物は何?
〔蝶〕
〔猿〕
ここ掘れワンワンといった動物は何?
いくらでもできそうですが、子どもの読める漢字が一定数になったら、
〔犬〕
カルタ遊びのつもりで、なぞなぞをつくって試してみてください。また、
お空にフワフワ浮んでる白いものは何?
お母さんから子どもへと 一方通行 にやるだけでなく、子どもに、ごく
〔雲〕
簡単ななぞなぞをつくってもらうのも楽しく遊べる方法でしょう。
ピカッと光って、ゴロゴロ、ゴロゴロっておこりんぼうなのは何?
〔雷〕
お馬さんの大好きな食べものは何?
〈買いものゲーム〉
子どもに身近なお店屋さんを選んで、お母さんと一緒に買いものを
する遊びです。八百屋さんを例にとってみましょう。
〔人参〕
※用意するカード 大根、人参、玉葱、じゃが芋、梨、苺
いつも早起きコケコッコーって鳴くのは何?
子どもが八百屋さんになり、お母さんが買いものに行きます。
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「もしもし八百屋さん、大根ひとつくださいな」
きます。漢字カードでその品物を示し、それを当てさせればいいわけ
などとお母さんがいって、並んだカードの中から大根のカードを子
です。
どもに探させてみます。これを順番に繰り返します。
立場を変えて、お母さんが八百屋さんになったりして変化をつけて
みましょう。そのさい、わざと間違えて、「大根」と子どもがいったら「人
冷蔵庫、花瓶、洗濯機、机、椅子、布団、畳、戸棚などのカードを見
せて、「ハイ、どこにありますか」と問いかけてみます。その品物のある
ところへ行って、実際に指をさすようにするといいでしょう。
参」を選んでみたりしてみるのもおもしろいでしょう。あるいは前に出て
このような、身近にありながら、いつでもサッと取り出すわけにはい
きた〈仲間はずれ〉遊びを応用して、野菜のカードの中に、自動車とか
かないものの場合、あらかじめ漢字カードをつくって、それに貼って
時計のカードをまぜておき、「八百屋さんに売ってないものはなあ
おいてもいいのです。柱、壁、障子、廊下、階段、便所、風呂……と、
に?」と問いかけてみるのも、遊びに、より変化が出てきて楽しくなりま
いくらでもあります。折りにふれ、「これなあに?」と問いかけてみまし
す。
ょう。きっと、自慢げに「柱!」「壁!」と答えるでしょう。
〈品物あてゲーム〉
〈家族探しゲーム〉
お部屋の中で、手軽に持ち運びのできる品物の漢字カードを見せ
お父さん、お母さん、お兄さん、お姉さん、弟、妹といった家族に関
て、その品物を実際に持ってこさせる遊びです。別巻の漢字カードの
中からいくつか選んでみましょう。もちろん、事前にその品物に該当
する漢字を何回か読みあげてからやってみます。
※用意するカード 新聞、鉛筆、鋏、絵本、帽子、手袋、箸など
これとは反対に、持ち運びのできない品物を当てさせるゲームもで
する漢字を提示するゲーム。
前に出したなぞなぞ遊びに近いもので、若干、ストーリー風に遊ん
でみましょう。お話をしながら、そのつど漢字カードを示してください。
「○○ちゃん(子どもの名前)のお父さんとお母さんはとっても仲良
しです。お父さんは朝、会社へ行きます。お母さんは洗濯をしたりご
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はんをつくったりします。お兄さん(お姉さん)は毎日学校へ行きます。 て幼稚園に行きました。先生と漢字で遊びました。昼にみんなでごは
学校から帰ると、お兄さん(お姉さん)は○○ちゃんと遊んでくれます」
んを食べました。幼稚園には男の子も女の子も大ぜいいます。おうち
……
に帰ってきてから友達の○○くん、○○ちゃんとも遊びました。夜に
これに慣れたら、お話に出てくるカードをならべておいて、子どもに
「お父さんと仲の良い人はだれ?」とか「毎日、学校へ行くのはだ
れ?」となぞなぞ風に尋ねて、該当するカードを拾わせてみてくださ
い。
こんなふうに家族構成に合わせて、お爺さん、お婆さん、弟、妹を
なるとお父さんも帰ってきました。お父さん
お姉さん
弟
お母さん(お兄さん
妹……)と一緒にごはんを食べました。
これだけで十いくつの漢字が出てきます。もちろん、これらの漢字
を一度に全部提出する必要はありません。家族や友達に力点をおい
たり、一日の時の流れに重点をおいて「朝」「昼」「夜」を理解させたりと、
登場させ、一日の生活のストーリーに織りまぜて漢字を読みます。よく
変化を持たせましょう。要は、子どもの興味、関心がどこに向いている
わかるようになったら、逆に子どもに家族の漢字カードを使って、ごく
かを察知して、話を進めることが大事なのです。
簡単なお話をつくらせてみましょう。
もし、日曜日に公園や遊園地で遊んだことが印象に残っているよう
これを発展させると、子ども自身の一日の生活を追っていくことで、
でしたら、「公園」「遊園地」「滑り台」「砂場」「噴水」「鉄棒」といった漢
家族だけでなく、もっと広がりを持ったお話の中に、様々な漢字を織り
字カードで遊べるお話をしてあげればいいし、病気になって病院へ
込ませることができます。一方的にお母さんが語りかげろだけでなく、
行ったことが、強く印象付けられているならば、「病気」「病院」「藁」「包
子どもとの話し合いを通じて、漢字を示すようにしてみましょう。
帯」「注射」「医者」「歯医者」などのカードを使ってみてください。子ど
(例)
もたちにとって、生活に密着した身近で興味深い内容であるほど、驚
朝起きてから顔を洗って歯をみがきました。それから、バスに乗っ
くような記憶、理解力を示すことでしょう。