域内食料品貿易の構造とその変化 EU 15 - Tokyo University of

35
EU+/ 域内食料品貿易の構造とその変化
金
田
憲
和*
要約 : 本稿では῍ EU+/ 域内食料貿易の構造とその変化を῍ 貿易マトリックスのデ῎タおよびそれを
BEC 分類によって加工度ῌ用途別に . 分類したデ῎タを用いて分析したῌ 貿易結合度の計算結果か
ら῍ 地理的に近接した国同士の貿易結合度が高く῍ また貿易結合度が高い場合には῍ 双方向的に高い
ことが多いことが示されたῌ また῍ CMS 分析によれば῍ この地域の食料貿易の伸びは῍ 地域全体の均
一な貿易の伸びに依っており῍ 商品構成や市場構成の変化や国の競争力による部分は少ないῌ 既に成
熟した EU+/ 域内食料貿易におけるこれらの傾向は῍ 大きな構造変化の中にある東アジア食料貿易市
場の将来像としても示唆的であるῌ
キ῍ワ῍ド : ヨ῎ロッパ῍ 食料品貿易῍ 貿易マトリックス῍ 貿易結合度῍ CMS 分析
῍῍῍῍῍῍῍῍῍῍῍῍῍῍῍῍῍῍῍῍῍῍῍
ῌῌ は じ め に
市場が成熟化してくれば῍ 現在のヨ῎ロッパ市場
の構造に近づいてゆくことも予想されるῌ
筆者はすでに῍ 金田 ῏,**2ῐ において῍ 貿易結合
そこで本稿では῍ 金田 ῏,**2ῐ による東アジア域
度と CMS 分析を用いて近年の東アジア域内の食
内貿易の分析とほぼ同様の手続き ῏貿易結合度と
料品貿易の構造とその変化を分析したῌ これは῍
CMS 分析ῐ によってヨ῎ロッパ域内の食料貿易の
所得が向上した東アジア地域の消費者に῍ より高
構造と変化を分析したいῌ これによって῍ 成熟市
級な食品を求める嗜好が生まれつつあり῍ わが国
場であるヨ῎ロッパと変化のさなかにある東アジ
からの農産物輸出先として῍ この地域が重要と
アとの比較が可能になると考えられるῌ
なってくることを踏まえたものであるῌ つまり῍
東アジアでは域内各国の所得水準の接近により῍
食料貿易の構造が大きく変わってゆく可能性があ
῍ῌ ヨ῍ロッパの食料貿易構造に関する仮説
的考察
るῌ 金田 ῏,**2ῐ の分析結果では῍ わが国は台湾῍
数量的分析に先立って῍ ヨ῎ロッパ域内市場の
韓国῍ 中国と貿易結合度が高く῍ これらの市場が
特徴から῍ 予想される結果について考えたいῌ 特
日本産ῌ日本製の食料品の潜在的市場として考え
に῍ ヨ ῎ ロッパと東アジアとが異なる点῍ ヨ ῎
られるものの῍ わが国の農業ῌ食品産業には競争
ロッパの現状から東アジアの将来を占う意味で重
力の弱さという問題もあることが示されたῌ
要であると考えられる点に絞って考察するῌ な
ところで῍ 東アジア地域の長期的な将来像とし
お῍ 本稿で分析対象として扱うヨ῎ ロッパ諸国
てヨ ῎ ロッパ地域は一つのモデルを提供するῌ
は῍ +33/ 年までに EU に加盟していた +/ カ国 ῏以
ヨ῎ロッパ地域では῍ 地理的に近接した高所得国
下 EU+/ῐ῍ すなわち῍ フィンランド῍ スウェ῎デ
同士が῍ EU という完全に統合された市場で自由
ン῍ デンマ῎ク῍ ドイツ῍ オ῎ストリア῍ ギリ
貿易をおこなっているῌ 東アジア地域も長期的な
シャ῍ イタリア῍ オランダ῍ ベルギ῎῍ ルクセン
傾向として所得水準が接近するものと考えられ῍
ブルク῍ フランス῍ イギリス῍ アイルランド῍ ス
また EU や NAFTA などに並ぶ地域経済圏を形
ペイン῍ ポルトガルであるῌ EU は ,**. 年以降῍
成することも予想されているῌ 長期的に東アジア
これら以外の東欧諸国をメンバ῎に加えていき῍
* 東京農業大学国際食料情報学部
,**3 年 +* 月現在῍ ,1 カ国まで拡大しているῌ し
農村研究 第 ++* 号 ῐ,*+*ῑ
36
かし῍ 以下に示す本稿の分析期間とこれらの国の
加盟の時期が近いため῍ EU 加盟という特殊要因
表 + EU +/ と東アジア各国の一人当たり GNI,
GNI およびその成長率
GNI
GNI 成長率
一人当たり
一人当たり
GNI
GNI 成長率
ῐ,**1 年ῑ
ῐ+333῏
ῐ,**1 年ῑ ῐ+333῏,**1 年ῑ ῐ億米ドルῑ
,**1 年ῑ
ῐ米ドルῑ
ῐ῍ῑ
ῐ῍ῑ
がこれら新規加盟国の貿易に大きな影響を与えて
いると考えられるῌ したがって῍ ,**. 年以降の加
盟国は今回の分析から除外しているῌ
さて῍ EU+/ 域内市場の大きな特徴として῍ 以
下の , 点に注目するῌ 第 + に関税障壁の無い完全
に統合された自由貿易市場であるということであ
るῌ 第 , に EU +/ 諸国はいずれも高所得国であ
り῍ また所得水準の差が比較的小さいということ
であるῌ この第 , の点は῍ 表 + において EU+/ 諸
国の一人当たり GNI の水準が東アジアよりも高
く῍ また東アジアよりもばらつきが小さいことで
確認できるῌ
まず῍ 第 + の統合された市場に関してである
が῍ 国際貿易論では古典的なヴァイナ῎による議
論によれば῍ 市場統合は貿易創造効果と貿易転換
+ῑ
効果という , つの効果を引き起こす ῌ 貿易創造
EU+/
フィンランド
スウェ῎デン
デンマ῎ク
ドイツ
オ῎ストリア
ギリシャ
イタリア
オランダ
ベルギ῎
ルクセンブルク
フランス
イギリス
アイルランド
スペイン
ポルトガル
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22
22
33
/.
11
31
EU+/ 計
東アジア
日本
韓国
中国
香港
マカオ
フィリピン
インドネシア
マレ῎シア
タイ
シンガポ῎ル
東アジア計
ῐ出所ῑ World Bank “World Development Indicators”
ῐ注ῑ GNI の米ドル換算値は購買力平価によるῌ
効果とは῍ 域内加盟国間の貿易障壁が除去される
ことによって域内貿易が拡大する効果であり῍ 一
れているῌ もし῍ 食料品についてこのような傾向
方の貿易転換効果は῍ 域内加盟国間と域外国との
があれば῍ 域内の貿易構造にも特定の国の輸出が
貿易が減少する効果であるῌ 本稿で扱うヨ῎ロッ
特に増大するなどの影響が現れるものと考えられ
パ域内の食料貿易についても῍ 貿易創造効果に
るῌ
よって貿易が伸長していることが予想されるῌ
その一方で῍ 農業は土地ῌ気候などの地域の特
その一方で῍ エンゲルの法則にあるように῍ 農
徴と密接に結びついているために῍ このような集
産物ῌ食料品への需要には῍ 所得レベルが高い場
積ῌ集中は生じない可能性があるῌ 製造業である
合には飽和傾向に向かう特徴があると考えられ
食品産業も農業に原料を依存しているために῍ 集
るῌ ヨ῎ロッパにおいてこの影響が強い場合῍ 経
積 ῌ 集中傾向は生じないかもしれない,ῑῌ した
済統合によっても食料貿易はそれほど拡大しない
がって῍ 果たして EU において食料貿易の偏りが
可能性もあるῌ したがって῍ 果たして EU におい
拡大しているかどうかの検討が第 , のポイントで
て食料貿易は拡大しているかどうかが῍ 検討すべ
あるῌ
き第 + のポイントであるῌ
また῍ 市場統合によって域内の国境が貿易に与
また῍ +32* 年代以降に発展した新しい国際貿易
える影響が小さくなることは῍ 相対的に輸送コス
論では規模の経済の影響が重視されているῌ 特に
トが貿易に強く影響することを意味するῌ これに
ある種の製造業など規模の経済が強く働く産業で
よって輸送コストに直接影響する国同士の物理的
は῍ 市場が統合されることによって῍ 生産効率の
距離の貿易への影響が高まることが予想されるῌ
高い企業へと国境を越えて生産が集中する可能性
このような῍ 現象が見られるかどうかが第 - のポ
が考えられるῌ さらにこの新しい国際貿易論の延
イントであるῌ
長上にある空間経済学の理論によれば῍ 特定地域
次に EU+/ 諸国はいずれも高所得国であり῍ 所
への産業の集積が引き起こされる可能性が指摘さ
得ῌ賃金水準の差が小さいという点について考え
EU+/ 域内食料品貿易の構造とその変化
てみようῌ この事実は食料貿易にどの様に影響す
37
系列的な変化についても検討を行うことにするῌ
るであろうかῌ まず῍ 高所得になった消費者はよ
なお῍ 貿易マトリックスデ῎タの作成に当たっ
り差別化された財を嗜好すると考えられるが῍ こ
て῍ ῑ再輸入 ῏re-importῐῒ として同一の輸出国と
れは産業内貿易 ῏同一産業における双方向的な貿易ῐ
輸入国を持つデ῎タは省いたῌ
-ῐ
を促す ῌ また῍ 賃金水準の差が小さいことは῍ 各
国の人件費コストの差によって生じる産業間貿易
῍ῌ
EU+/ 域内食料貿易構造 ῎,**1 年῏
を発生しにくくするであろう.ῐῌ したがって῍ EU
ῌ 貿易マトリックス
+/ 諸国においては双方向的な産業内貿易の傾向
まずは ,**1 年の EU +/ の二国間貿易額デ῎タ
が強いものと予想されるῌ これが検討すべき第 .
をマトリックス表示した表 , によって食料ῌ飲料
のポイントであるῌ
の貿易構造を見てみよう0ῐῌ これは῍ すでに金田
以上῍ ヨ῎ロッパの食料貿易の構造について予
῏,**3ῐ で表 + として提示したものと基本的に同じ
想される特徴を . つ指摘したῌ これらの特徴が実
ものであるῌ ただし῍ 金田 ῏,**3ῐ とは国の配列を
際に見られるかどうかを以下では数量的に検証し
変えてあり῍ EU+/ の北東の端に位置するフィン
ていくῌ
ランドから南西の端に位置するポルトガルまで῍
ῌῌ デ ῍ タ/῏
おおよそ東から西へ地理的位置関係にしたがって
配列してあるῌ BEC 分類では ῑ食料および飲料
貿易デ῎タとしては῍ 国連の comtrade デ῎タ
῏BEC コ῎ド +ῐῒ は . つに細分できるので῍ この .
ベ῎スによる , 国間貿易額デ῎タを使用するῌ 同
分類それぞれの貿易マトリックスを作成し῍ 最上
デ ῎ タ ベ ῎ ス で は 商 品 分 類 と し て BEC 分 類
段には ῑ食料および飲料ῒ 全体のマトリックスを
῏Broad Economic Categoriesῐ を利用できるῌ BEC
ῑ. 分類計ῒ として掲げたῌ
分類では῍ すべての財が 1 つに大分類されており῍
このマトリックスの検討は既に῍ 金田 ῏,**3ῐ で
その一つに ῑ食料および飲料ῒ ῏コ῎ド番号 +ῐ があ
行っているので῍ 詳細はそちらに譲り῍ ここでは
るῌ この ῑ食料および飲料ῒ はさらに ῑ原料ῒ ῏コ῎
その検討結果を簡単に要約するῌ
ド番号 ++ῐ と ῑ加工品ῒ ῏コ῎ド番号 +,ῐ に分けら
れ῍ 前者はさらに ῑ産業用ῒ ῏コ῎ド番号 +++ῐ と ῑ家
+ῐ
ῑ. 分類計ῒ では῍ ドイツとフランスは輸出
入両方で大きな存在であることがわかるῌ
庭用ῒ ῏コ῎ド番号 ++,ῐ に῍ 後者もさらに ῑ産業用ῒ
,ῐ 財を . 分類に細分化した場合῍ 貿易総額は
῏コ῎ド番号 +,+ῐ と ῑ家庭用ῒ ῏コ῎ド番号 +,,ῐ に分
大きい順に ῑ加工品ῌ家庭用 ῏+,.*0 億ドルῐῒ ῑ原
けられるῌ このように῍ ῑ食料および飲料ῒ は都合
料ῌ家庭用 ῏./0 億ドルῐῒ ῑ加工品ῌ産業用 ῏,,* 億
. つのサブῌカテゴリ῎に分けることができるῌ
ドルῐῒ ῑ原料ῌ産業用 ῏+.* 億ドルῐῒ であり῍ それ
comtrade デ ῎ タベ ῎ スでは῍ この BEC 分類
ぞれ῍ ῑ. 分類計ῒ の 0-῍῍ ,+῍῍ +*῍῍ 0῍ を占
の数値を +332 年以降利用できるが῍ +332 年まで
めているῌ つまり῍ 家庭用 ῏つまり最終消費財ῐ の貿
は統計上῍ ベルギ῎とルクセンブルクは一体で扱
易が全体の 2.῍ を占めており῍ また῍ 加工品の貿
われており῍ 両者が分離されるのは +333 年から
易が 1-῍ を占めているῌ
であるῌ また῍ 本稿執筆時点 ῏,**3 年 +* 月ῐ で EU
-ῐ
. 分類のどの財についてもドイツやフラン
+/ 全てのデ ῎ タが揃う最新年は ,**1 年である
ス῍ オランダ῍ ベルギ῎などが輸出ῌ輸入ともに
῏,**2 年についてはスペインのデ῎タが未だ欠けてい
大きな存在であるῌ 小国であるオランダ῍ ベル
るῐῌ そこで本稿ではまず῍ 最新の ,**1 年のデ῎
ギ῎の存在が大きいことは特徴的であるῌ
タによって῍ EU+/ 域内食料貿易の構造を捉える
῍ 貿易結合度
ことにするῌ さらに῍ +333 年の食料貿易のデ῎タ
次に῍ この貿易マトリックスの構造をさらに詳
と ,**1 年のそれとの比較によって῍ その構造の時
しく見るために῍ 貿易結合度 ῏trade intensityῐ を
38
農村研究 第 ++* 号 ῎,*+*῏
表 , 食料ῌ飲料の EU+/ 域内貿易額 ῎,**1 年῏
単位 : 百万ドル
輸入国
輸出国
フィン スウェ῍ デン
オ῍ス
ルクセン
アイル
ポルト 小計
ランド
デン
マ῍ク ドイツ トリア ギリシャ イタリア オランダ ベルギ῍ ブルク フランス イギリス ランド スペイン ガル
. 分類計 ῎BEC コ῍ド +++ῐ++,ῐ+,+ῐ+,,῏
,20
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2,
/
.3.
11/
ポルトガル
.2.
+,/12
+,-21
2,3/0
31/
0/,
.,121
-,13,
-,231
-,1
/,2,.
0,.2.
2/2
-,2*,
+,10. ./,/02
小計
加工品ῌ産業用 ῎BEC コ῍ド +,+῏
,1
1
+2
+
+
/
-2
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*
3
/
/
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*
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フィンランド
-23
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0
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*
+3.
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-*
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-2
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+*
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3
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,
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/,
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イタリア
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.0.
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,1*
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スペイン
*
*
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+
+
+
1
1
.
*
2
+
*
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+./
ポルトガル
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.,,,+
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,,./,,2-3
,,3/2
/3
,,2/.
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.3+
+,+.2
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小計
加工品ῌ家庭用 ῎BEC コ῍ド +,,῏
+3*
--+
+2
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*
-1
-.
*
+*
*
.*,
フィンランド
-1+
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+00
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-0.
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+..
,,+*
3*
+3
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スウェ῍デン
,*2
+,-0,
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2-*
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.*,
0*
1,/0,
デンマ῍ク
-0+
12+,.*+
,,001
103
.,*2/
-,310
,,*,2
+32
-,3-1
-,,1-,+,.3-+* ,/,0*.
ドイツ
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/1
.+
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/3
2*.
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,2*
-,
+1,
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.2
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*
3,
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ギリシャ
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イタリア
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,32
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,,3/*
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オランダ
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-,/1*
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++1 +,,3.+
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,
0
,-2
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.
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.
1
/
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ルクセンブルク
+20
-.+
.0-,3-+
,02
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,,.30
+,-*/
.,//0
-20
.,0+1
-+,
,,+/0
-/+ ,+,3-3
フランス
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,1.
-*1
3*/
00
-0*
/3021
-0/
.
+,/3/
,,/*+
+,,/2
+-+
3,+.0
イギリス
-/
,/1
,*,
+,-*,1
/3
.*+
,12
,/+
+
/3*
-,2/2
21.
10
2,,++
アイルランド
1+
+.,
+1+
+,,/+
11
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,,-.2
-0.
-3/
0
,,30.
+,+23
0,,++- ++,--0
スペイン
1
,0
-+
+1+
+.
++
3/
++/
+*,/
-1,
,31
++
/00
+,2./
ポルトガル
+,1*,
.,0,0
.,-13 ,,,/,,
.,-,/
-,01/ +.,0-- +*,-,+ ++,11+
+,,23 +3,-33 ,.,01.
-,3+*
3,1-,
-,/3+ +.*,//*
小計
῎出所῏ 国連 comtrade デ῍タベ῍スより筆者が作成ῌ
῎注῏ デ῍タの扱いについては本文を参照ῌ
EU+/ 域内食料品貿易の構造とその変化
1ῐ
計算する ῌ
39
デ ンῒ の 数 値 +-.3, は῍ フ ィ ン ラ ン ド か ら ス
貿易結合度とは῍ , 国間の貿易関係の緊密度を
ウェ῎デンへの輸出について両国の貿易結合度を
測る指標であるῌ 本節では῍ 以下の算式で貿易結
見たものであるῌ この場合῍ 数値が + を超えてい
合度を計算するῌ
るので῍ フィンランドにとってスウェ῎デン市場
XijῌXi
Iijΐ
MjῌMEU
への輸出の割合が高いことを表しているῌ 一方῍
ῌ
ただし῍
ῑ行ΐスウェ῎デン῍ 列ΐフィンランドῒ の数値
+/.*0 は῍ スウェ῎デンからフィンランドへの輸
出について両国の貿易結合度を見たもので῍ この
Xijΐi 国から j 国への輸出額
場合も数値が + を超えているので῍ スウェ῎デン
Xiΐi 国の輸出総額
にとってフィンランド市場への輸出の割合が高い
Mjΐj 国の輸入総額
ことを表しているῌ
MEUΐEU+/ 域内全体の輸入総額
以上のケ῎スでは῍ ῑ行ΐフィンランド῍ 列ΐス
である ῌ
ウェ῎デンῒ でも ῑ行ΐスウェ῎デン῍ 列ΐフィ
ここでの貿易結合度 ῏Iijῐ の意味を考えてみる
ンランドῒ でも貿易結合度が + を超えていたῌ こ
と῍ まず ῌ 式の分母の MjῌMEU は῍ EU+/ 域内に
の意味する所は῍ フィンランドにとってもス
おける j 国市場の規模をシェアの形で表したもの
ウェ῎デンにとっても相手市場への輸出の割合が
であるῌ 一方῍ 分子の XijῌXi は῍ i 国の輸出におけ
高いということであったῌ このような相互的に相
る j 国市場のシェアを表しているῌ したがって῍
手市場との関係が緊密なケ῎ス῍ すなわち῍ マト
これらの比率である貿易結合度 ῏Iijῐ は῍ EU+/ 域
リックスの対角線に対称的に + を超える数字が表
内における j 国市場のシェアを基準としたとき῍ i
れるケ῎スでは῍ 数字を四角い枠で囲うことにす
国から j 国への輸出という貿易関係がその基準か
るῌ もちろん῍ 貿易結合度が + を超えていても枠
らどの程度離れているかを表しているῌ 数値が大
で囲われない場合も存在するῌ 例えば῍ ῑ行ΐフィ
きいほど῍ i 国から j 国への輸出という , 国間貿
ンランド῍ 列ΐギリシャῒ の数値は +.,/ で + を超
易関係が緊密ということであるῌ 特に῍ この貿易
えているので太字になっているが῍ 枠では囲まれ
結合度の数値が + を上回る場合には῍ その i 国と
ていないῌ これは ῑ行ΐギリシャ῍ 列ΐフィンラ
j 国の , 国間貿易の緊密度は῍ 他の国と j 国の平
ンドῒ の数値が *.2. であり῍ + よりも小さいから
均的な緊密度を超えていると考えられるので῍ +
であるῌ つまりこの場合は῍ フィンランドにとっ
を基準として緊密度を判定するのが通常であるῌ
てギリシャ市場への輸出の割合が高いものの῍ ギ
2ῐ
さて῍ 計算結果を見てみようῌ 表 - に計算結果
をマトリックス表示で示したῌ 貿易結合度が + を
リシャにとってはフィンランド市場への輸出の割
合は高くないということであるῌ
超えた数値は太字で表してあるῌ また῍ 一部の数
さて῍ ここでまず῍ . 分類計のマトリックスに
字は四角い枠で囲ってあるが῍ これについては後
ついて῍ 太字になっているもの ῏ΐ数値が + を超え
で説明するῌ
ているものῐ と四角い枠の付いているもの ῏ΐ, 国
最上段の ῑ. 分類計ῒ を例に῍ 表 - の見方を説明
間貿易関係で相互に数値が + を超えているものῐ につ
しようῌ この表はマトリックス表示されており῍
いて見てみようῌ マトリックスの数値 ,+* 個のう
例えばフィンランドとスウェ῎デンの貿易関係
ち῍ 太字になっているものは 0* 個 ῏比率は ,3ῌῐ῍
は῍ ῑ行ΐフィンランド῍ 列ΐスウェ῎デンῒ の部
枠がついているものは .0 個 ῏比率は ,,ῌῐ であるῌ
分 ῏数値は +-.3,ῐ と῍ ῑ行ΐスウェ῎デン῍ 列ΐ
ここで比較のために῍ 同様の方法でほぼ同じ時期
フィンランドῒ の部分 ῏数値は +/.*0ῐ に現れてい
῏,**0 年ῐ の東アジア域内貿易に関して貿易結合度
るῌ このうち ῑ行ΐフィンランド῍ 列ΐスウェ῎
を計算した金田 ῏,**2῍ p. /῍ 表 ,ῐ を参照すると῍
農村研究 第 ++* 号 ῎,*+*῏
40
表 - 食料ῌ飲料の EU+/ 域内貿易に関する貿易結合度 ῎,**1 年῏
フィン スウェ῍ デン
ランド
デン
マ῍ク ドイツ
. 分類計 ῎BEC コ῍ド +++ῐ++,ῐ+,+ῐ+,,῏
*.13
+-.3,
,.0.
フィンランド
*./*
3..スウェ῍デン +/.*0
,.,3
/./3
+./.
デンマ῍ク
+.,/
+.*,
+.3/
ドイツ
*..*
*..*.,2
,.11
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*.2.
*.13
*..2
+./0
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*.22
*.3.
+.2.
イタリア
*.12
+.*3
+.**
+./3
オランダ
*./.
*./0
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ベルギ῍
*
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*
+*
*
-,
,.32
.
.
.
ルクセンブルク
*./0
*.-1
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フランス
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*./0
イギリス
*.-.
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*.1,
*.2.
アイルランド
*.10
*./*./+
*.23
スペイン
*.,*.-+
*..+
*.-1
ポルトガル
原料ῌ産業用 ῎BEC コ῍ド +++῏
+,.0*
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+..3+
+.23
スウェ῍デン ,+.*0
*.2..,...0
デンマ῍ク
,.23
,.0*
,.2+
ドイツ
*.12
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*.,+
+./+
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*.*,
*.+*
*.**
*.,ギリシャ
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+.*0
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イタリア
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*..,
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オランダ
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*.12
*./+
ベルギ῍
*.**
*.**
+./0
ルクセンブルク *.**
*.*+
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*.*2
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フランス
*.3.
*.11
+.+,
+.,3
イギリス
*.**
*.**
*.*,
*.**
アイルランド
+.**
*.01
*.+*
*.+スペイン
*.**
*.**
*.**
*.*ポルトガル
原料ῌ家庭用 ῎BEC コ῍ド ++,῏
*.23
+2...
+.32
フィンランド
*.*3
0...
1.2+
スウェ῍デン
*.02
*.01
/.-3
デンマ῍ク
+./2
+.-+
,.+,
ドイツ
*
/,
*
+/
*
*.
,
.-*
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.
.
オ῍ストリア
*./3
*..,
*.0+
+..ギリシャ
*.01
*.31
*.3.
,.+.
イタリア
+.,0
+.11
+../
+.//
オランダ
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*.11
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*.0*
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スペイン
*
*1
*
*/
*
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*.*0
.
.
.
ポルトガル
加工品ῌ産業用 ῎BEC コ῍ド +,+῏
*.1*
++.32
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フィンランド
*.00
+-.-.
スウェ῍デン ,+..1
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デンマ῍ク
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+.*2
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ドイツ
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ルクセンブルク *.**
*.-/
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*.+3
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加工品ῌ家庭用 ῎BEC コ῍ド +,,῏
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+..-/
,.0.
フィンランド
*./2
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,.,1
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デンマ῍ク
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-.*/
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.
.
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フランス
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イギリス
*.-/
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*.13
*.33
アイルランド
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*.-2
*..2
*.03
スペイン
*.,3
*..,
*./*./2
ポルトガル
輸出国
῎出所῏ 表 , と同じῌ
輸入国
オ῍ス ギリシャ イタリア オランダ ベルギ῍ ルクセン フランス イギリス アイル スペイン ポルト
トリア
ブルク
ランド
ガル
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*.,*.,2
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*..+
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*.*1
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*.-+.*0
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..0+
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+.+2
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*.,.
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*.,3
*.,..2*.30
*.-3
*.-1
*.*+
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*.*2
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*.*1
*.**
*.**
*.*,
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*.-1
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3.2*.,*
*.,,
*./*
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+.*0
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+.1*
+.32
+...
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*.-/
*...
*.+*
*..2
*.-*
*..+
*.,2
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*.1/
*.//
*.-*
/.,-
太字の数
0* 個
῎,3῍῏
*.**
*.,3
*.+1
*.-3
*.**
*.*+
*...
*.++
*.**.**
*.2+
+..*.**
+*./0
太字の数
0, 個
῎-*῍῏
*.*/.-*.01
*./,
*.**.01
*.+0
*.-1
*.,.
*.*+
*.3*.,2
*.+*
,.,2
太字の数
00 個
῎-+῍῏
*.**
*.*,
*./2
*.,.
*.*0
*.,3
*.-2
*.-2
*.+/
*.**
*.0*.+1
*..,
+-.3*
太字の数
0+ 個
῎,3῍῏
*.*+
*..+
*.-+
*..1
*.+/
*.,1
*.-0
*..3
*.-/
*..*.0*./0
*.-0
1.,3
太字の数
/1 個
῎,1῍῏
四角付の数
.0 個
῎,,῍῏
0.,*
*..0
,.11
*.0/
*./,
*.++
*.3/
+./*
*.11
*.,/
*.**
+.*/
,.1,
+.,*
四角付の数
-0 個
῎+1῍῏
+*.+3
*.*2
+.+3
+./.
*.0*.2/
+.*3
+.,+
*.-3
*..3
*.*1
,.3*
,.-*
+.3/
四角付の数
-2 個
῎+2῍῏
1.0.
+.11
+.*,
+.-,
*.2*
*.-.
,.22
+.,+
*../
*./2
*.+,
,.+,
*./*
*./.
四角付の数
.* 個
῎+3῍῏
+/.*0
*.-/
*.1,
*.11
*.2.
*.01
*.,1
*.32
*.21
*./2
*.,*
+..,
+.33
+./.
...-
四角付の数
.. 個
῎,+῍῏
EU+/ 域内食料品貿易の構造とその変化
41
マトリックスの数値 ++* 個のうち῍ 太字になるも
貿易では東アジア域内のそれと比較して῍ より国
のは ., 個 ῐ比率は -2῍ῑ῍ 四角がつくものは ,, 個
同士の地理的距離の近さが密接で双方向的な貿易
ῐ比率は ,*῍ῑ であるῌ
関係を形成するという結果は῍ 第ῌ節における第
つまり῍ EU+/ においては῍ 太字になっている
- と第 . のポイントに示された予想を裏付けるも
数値の割合は東アジアの場合と比べて小さいῌ こ
のであるῌ つまり῍ 国境の重要性低下と高所得に
れは῍ EU+/ では῍ + を上回る貿易結合度をもつよ
よる製品差別化という二つの要因によって῍ この
うな強い貿易関係は῍ 数の上で比較的絞られてい
ような貿易構造が形成されたと考えられるῌ ま
ることを示していると考えられるῌ その一方で῍
た῍ より製品差別化が起こりやすいと考えられる
EU+/ で枠の付いている数値の割合 ῐ,,῍ῑ は῍ 東
ῒ加工品ῌ家庭用ΐ において双方向的な貿易関係
アジアのそれ ῐ,*῍ῑ よりも高いῌ 特に῍ 太字の数
の重要性が大きいという結果も῍ 第 . のポイント
値のうちで枠の付いているものの割合を考える
の製品差別化による産業内貿易の進展に符合するῌ
と῍ EU+/ では 11῍ ῐ῔.0ῌ0*ῑ であり῍ 東アジアで
の /,῍ ῐ῔,,ῌ.,ῑ よりもかなり高いῌ つまり EU
+/ では῍ ある国から別の国への輸出の結合度が高
῍ῌ
EU+/ 域内食料貿易構造の変化 ῎+333 年῍
,**1 年῏
い場合῍ 逆方向の結合度も同様に高い場合が多
ῌ 貿易成長率
いῌ 言い換えれば῍ , 国間の貿易関係が緊密であ
次に表 . によって῍ +333 年 ῏ ,**1 年の貿易額
る場合῍ その緊密さは双方向的な傾向があるῌ
また῍ 太字や枠付きの数値のマトリックス上の
位置を見ると῍ 左上から右下にかけての対角線近
の変化からこの期間の域内食料貿易構造の変化を
検討してみようῌ 表 . もまたマトリックス形式で
表示されているῌ
辺に多くが集まっているῌ したがって῍ , 国間の
まず῍ 最上段の ῒ. 分類計ΐ のマトリックスの右
地理的距離が近い場合に῍ より緊密な , 国間貿易
下隅の数値を見ると῍ この地域の貿易はこの期間
関係が形成されると考えられるῌ 金田 ῐ,**3ῑ にお
に 23῍ 成長しているῌ これを金田 ῐ,**2῍ p. 2῍ 表
いては῍ 本稿と同じ EU +/ の食料貿易デ ῎ タに
.ῑ に示された東アジアにおけるほぼ同時期 ῐ+332
よって῍ 地理的距離が近いほど貿易の双方向性が
年῏,**0 年ῑ の数値と比較すると῍ 東アジアでの
高まる ῐ産業内貿易の指標であるグル῎ベルῌロイド
成長率は /1῍ であることから῍ EU+/ においてよ
指数が高くなるῑ 傾向が示されていたῌ ここではさ
り貿易成長率が高いことが分かるῌ これは῍ 第ῌ
らに῍ 地理的距離の近さが単に双方向的な貿易関
節における第 + のポイントである貿易創造効果に
係を促すだけでなく῍ 当事国にとってより重要度
よるものと考えられ῍ EU+/ の食料市場は῍ 広域
の高い貿易関係の形成を促すことが示されてい
市場のポテンシャルを十分に生かして成長してい
るῌ
るものと考えられるῌ
また῍ ῒ. 分類計ΐ を加工度ῌ用途で細分化した
次に῍ ῒ. 分類計ΐ で輸出について見ると῍ 表 ,
. つのマトリックスを見てみると῍ どれも似たよ
で輸出金額の大きかった国のうちではドイツの伸
うな傾向を持っており῍ 太字や枠付きの数値の比
びが +-+῍῍ スウェ῎デンが +/+῍ と大きく῍ 地
率も大きな違いはないῌ ただし῍ 例えば ῒ加工
域全体の輸出の伸びを牽引しているῌ 輸入では῍
品ῌ家庭用ΐ の枠付きの数値の割合は῍ ῒ原料ῌ産
表 + で輸入額の大きかった国のうちではイギリス
業用ΐ のそれと比べて高く῍ ῒ加工品ῌ家庭用ΐ で
の伸びが +*,῍῍ オランダが +++῍ と大きいῌ
双方向的な貿易関係の重要性が大きいものと考え
られるῌ
さて῍ 以上の結果を第ῌ節で挙げた仮説と照ら
し合わせて検討してみようῌ EU+/ における食料
ただし῍ 国ごとの変化率の違いをみると῍ 輸出
の成長率では国による差が比較的大きいのに対し
て῍ 輸入の成長率では国による差が極めて小さい
のが特徴的であるῌ これと金田 ῐ,**2῍ p. 2῍ 表 .ῑ
42
農村研究 第 ++* 号 ῏,*+*ῐ
表 . 食料ῌ飲料の EU+/ 域内貿易額の変化率 ῏+333 年῎,**1 年ῐ
単位 : ῍
輸入国
輸出国
フィン スウェ῍ デン
オ῍ス
ルクセン
アイル
ポルト
ランド
デン
マ῍ク ドイツ トリア ギリシャ イタリア オランダ ベルギ῍ ブルク フランス イギリス ランド スペイン ガル
. 分類計 ῏BEC コ῍ド +++ῑ++,ῑ+,+ῑ+,,ῐ
+0-+3,
ῒ+,3,
-+
,./
3
ῒ/3
+,3
ῒ1
-+2
,10
ῒ1*
フィンランド
1*
+3+
+++
1+
.00
++/
+-1
22*
23
-03
-+1
-2*
+,.2スウェ῍デン
1,
+0*
/2
3/
-+
-2
20
-3
,1
++
32*
ῒ++
デンマ῍ク
,*/
+3*
+/.
+-0
+00
3+
+.+
+*2
++1
+*+
+13
03+
+02
+1ドイツ
/0*
,*2
,*,
,,/
++-03
,,0
+,-01
.0
+./
,,2/,
.1,
,*,
オ῍ストリア
+02
,*-,+
01
+-+
0
0+
01,30+
22,
0+,0/
ギリシャ
+,0
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+-.
0,
+*.
1.
+,*
+*2
+,0
3,
+*,
,+1
+-/
,1
イタリア
+.+**
20
/0
+*1
0*
/+*/
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03
++0
+1.
+*1
+21
オランダ
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+/*
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22+
+11
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222+
+1.
+.2
+/+
+.2
ベルギ῍
-,++.
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1*.
+2
1/,
+
*
+2
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-,++0
*
..0
.21
ルクセンブルク +,3,1
2.
+*.
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-*
01
1+
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0/
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+*0
0*
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3,
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.3
.,
0.
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3*
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イギリス
/3
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+01
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-/+
-0
02
02
.2
ῒ+
アイルランド
2+
33
+,*
/2+,1
+,1
+-.
+*3
0.
+,+
31
+-1
+.*
スペイン
.2
/0
1/
,,,3.
+23
0,
+2*
1/
+33,
++0
+1+
+2+
ポルトガル
+*+-/
+,+
0+
++.
22
03
+++
3*
++/
2*
+*,
++3
++,
+++
小計
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*
*
*
-., +-,3-*
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*
ῒ32
ῒ20 ῒ+**
フィンランド
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-*
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-11
..
2ῒ+2
ῒ/1
ῒ31
ῒ.2
スウェ῍デン
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-3,
3+3
0+
-+3
-2-*2
-*1
..1
+/2
ῒ3*
ῒ..
ῒ10
ῒ0
デンマ῍ク
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120
-*
23
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//
+..
20
3+
+*2
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ドイツ
*
+,.
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+,++3
3--1
+23
3.1
*
2*.
ῒ/2
ῒ.3
オ῍ストリア
,+
*
.,
+,.+/
*
3,,,0
+3*
*
ῒ00
ῒ-3
ῒ.3
ῒ//
ῒ3,
ῒ,2
ギリシャ
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,1/
+,,3/
+-,
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+,
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+,-1*
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2/1
./
.3
ῒ++
イタリア
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オランダ
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,+3
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3+
+,,+
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ῒ,.
ῒ.2
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ベルギ῍
* ῒ+**
*
,+* ῒ+**
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*
-,-*
*
*
*
ῒ23
ルクセンブルク
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0.
+0
-,
++
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+30
-1
+/0
,-*
*
12
2
ῒ0,
ῒ+*
ῒ1+
ῒ10
ῒ33
ῒ+*
イギリス
* ῒ+**
*
,0*
+3
+*/
ῒ31 ῒ+**
ῒ-0 ῒ+**
ῒ,3
ῒ.
ῒ/3 ῒ+**
アイルランド
+.
...3.
,,3
-,.
*
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ῒ-1
ῒ,*
スペイン
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* -1,+0,
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,./
ῒ33
ῒ1ῒ+0
ῒ01
ῒ3ῒ3.
ポルトガル
,3
+*0
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+*.
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+-3
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,3
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+.*
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ῒ/*
小計
原料ῌ家庭用 ῏BEC コ῍ド ++,ῐ
,+*
/1
/12
3*
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//0
-2
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* +/,.21
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フィンランド
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+2*
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1,*+
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2/
.*2
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,,0/,
ῒ/ῒ,+
スウェ῍デン
2.
+0+
3
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,/+
+.
-0
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-,
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ῒ1*
ῒ.2
デンマ῍ク
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-*,
+02
+,1
,1,
,*
+**
23
//2
+*1
,2+
+,00*
,*/
+3ドイツ
,-1
2*
+01
+31
1*
,,.
,.3
+,..*
-1
,,3
-,13/
-,+13
*
ῒ-/
オ῍ストリア
3.
+2+
33/
11
.1
.0
.+
+*1
*
+/,
10
++,.
123
ギリシャ
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+-+,2
.+
./
-*
//
03
+*
/3
+.,
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+++
++イタリア
,-,
3.
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0*
+,0
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オランダ
,-*
+2,
30+
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+1,
1+
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2.
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1/
*
*
*
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+,.
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,.*
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2/
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01
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+,+
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小計
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ῒ-*
デンマ῍ク
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+.*
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ῒ-.
ῒ,+
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,*2
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+02
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ῒ/* +-,1+/
ギリシャ
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-**
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.,3
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10
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+++//
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オランダ
,0
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*
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*
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ルクセンブルク
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32
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ルクセンブルク +,3,1
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++,
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0+
+,1
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0*
フランス
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+++
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0+
-.
0+
1.
//
.
0-1
+*1
0/
ῒ,3
イギリス
/1
+,.
+03
/.
*
.3/
03
+./
0-/
.3
1.
33
..
アイルランド
3-0
0.
2.
2+,,
,,*
+-1
+0,
1.
+12
+*1
+-3
+.0
スペイン
.,
/+
/,
,0+
,1*
,,*
.*
+10
0*
+11
3*
31
+/*
+01
ポルトガル
++*
+.,
++2
//
+,*
32
3,
+,+
2*
++1
3*
+*+-+
+,.
+*2
小計
῏出所ῐ 表 , と同じῌ
小計
+++
+/+
1*
+-+
+03
.23
2,
3/
+3+
01
//
0/
+*0
+-1
23
+,.1,
+**
,-2.
+*0
1
+-,
1+
.1
+,3
.3
-.
ῒ+,
.1
,-1
0,
,+,
+3*
-+*1
+-.
12
0,
+*,
01
+,2
00
-0
-1
2,
+01
2*
+0+
+-2
31
+++
+30
.3
+/*
22
32
+/1
+,1
/+
.2
+,,
,**
+*+
1*
+..
02
+.1
+2+
,2
3.
1.
+*2
,,3
0/
0,
1/
+./
++3
3.
43
EU+/ 域内食料品貿易の構造とその変化
の東アジアのデタとを比べると 東アジアの輸
めと解釈できる
出の成長率の国ごとのばらつきは EU+/ のそれと
ῌ
比べて大きくは違わないが 東アジアの輸入の成
次に この期間 +333,**1 年 の EU+/ 域内食
CMS 分析
長率についてはばらつきがはるかに大きい点で
料市場の変化の特徴をより深く探るために
EU+/ のそれと異なっている 例えば 東アジアに
CMS 分析 Constant Market Share Analysis を用
おいて中国 韓国の輸入成長率はそれぞれ ,1.῍
いる+* これは 一定期間における当該国の輸出
,0/῍ という極めて大きな伸びを示していた
額の増加を要因別の効果に分解し 各効果の相対
輸入成長率に関するこの対比から窺われること
は 東アジア域内は国ごとに輸入成長率が大きく
違うことからわかるように その貿易構造が大き
な変化の中にあるということである これには
的な大きさを評価するものである ここでは 以
下の数式を利用して . つの効果への分解を行う
X῎XgXῌ
gigXi
i
ῌῌ
gijgiXij
i j
高い経済成長率を示している国が 旺盛な需要の
ῌῌ
X῎ijXijgijXij
i j
伸びによって輸入を大きく伸ばしていることが強
く影響していると考えられる その一方で EU+/
は国ごとの経済成長率の差が比較的小さいため
に 輸入成長率がどの国も比較的均一な結果に
なったものと考えられる
逆に 輸出成長率の国ごとのばらつきが EU+/
と東アジアで大きく違わないことは何を意味する
であろうか 第῎節における第 , のポイントに関
連させて考えれば EU+/ の市場統合は 域内の
特定の国への食品産業の集中を促進させてはいな
3
いと見ることができる 次に . 分類計 を加工度ῌ用途別に . つに細
分化したものを見てみよう それぞれの貿易額の
変化率は 原料ῌ産業用 で 0,῍ 原料ῌ家庭
用 で 2*῍ 加工品ῌ産業用 で +*+῍ 加工
品ῌ家庭用 で 3.῍ である これは . 分類計
の 23῍ と比べて 大きくは違わない 金田 ,**2
では 東アジアでの貿易額の変化率は 原料ῌ産
῍
ただし
Xi 基準年における商品 i の当該国から EU +/
域内への食料品輸出総額
X῎i 比較年における商品 i の当該国から EU +/
域内への食料品輸出総額
Xj 基準年における当該国から市場 j への食料
品輸出総額
X῎j 比較年における当該国から市場 j への食料
品輸出総額
Xij 基準年における商品 i の当該国から市場 j
への食料品輸出総額
X῎ij 比較年における商品 i の当該国から市場 j
への食料品輸出総額
X 基準年における当該国から EU+/ 域内への
食料品輸出総額
X῎ 比較年における当該国から EU+/ 域内への
食料品輸出総額
業用 で ,,῍ 原料ῌ家庭用 で .*῍ 加工
g 基準年から比較年にかけての EU+/ 域内に
品ῌ産業用 で ++*῍ 加工品ῌ家庭用 で 0*῍
おける食料品輸出額の平均成長率 基準輸
と加工度 ῌ 用途によって変化率にかなりの差が
出成長率
あったので EU+/ では加工度ῌ用途別の貿易成
gi 基準年から比較年にかけての EU+/ 域内に
長率も均一化していることがわかる これは 東
おける商品 i の当該国からの食料品輸出額
アジアでは低い所得水準からの所得向上によって
の平均成長率 商品別基準輸出成長率
加工食品需要が大きく伸びてゆく段階にあり し
gij 基準年から比較年にかけての EU+/ 域内に
たがって加工食品の貿易も大きく伸びるという現
おける商品 i の当該国から市場 j への食料
象が起こっているのに対して すでに高所得段階
品輸出額の平均成長率 商品別市場別基準輸
にある EU+/ ではこのような現象が見られないた
出成長率
44
農村研究 第 ++* 号 ῏,*+*ῐ
である++ῐ+,ῐῌ
式 ῌ の左辺が当該国の輸出の増加であり῍ 右
辺がこれを . つの要因に分解したものであるῌ 以
下῍ この右辺について順に説明しようῌ
まず右辺の第 + 項は῍ ῑ全般的貿易効果ῒ を表し
段には合計を +** とした比率表示で示してあるῌ
また῍ 表の右側には金田 ῏,**2ῐ における東アジア
についてのほぼ同時期の数値を示したῌ
以下では専ら῍ 中段の成長率表示の数値を検討
していくことにするῌ
ているῌ これは῍ 当該国からの EU+/ 域内食料品
第 , 列の ῑ合計ῒ の数値は῍ 各国の食料輸出額
輸出額が῍ 仮に EU+/ 全体の食料品輸出総額の平
の成長率であるῌ 第 - 列の全般的貿易効果は῍ 仮
均成長率 g と同じ率で成長したならば実現した
に῍ この期間の EU+/ 域内全体の食料貿易拡大と
であろう当該国からの輸出の増加額を表してい
同じ成長率で各国の食料輸出が拡大した場合の成
るῌ
長率を表すῌ すべての国について 23.*῍ という同
次に右辺の第 , 項は῍ ῑ商品構成効果ῒ を表すῌ
一の数値となっているが῍ この 23.*῍ がすなわち
これは῍ 仮に当該国からの各商品の対 EU+/ 域内
EU+/ 域内全体の食料輸出増加率そのものであるῌ
輸出額が当該商品の EU+/ 域内全輸出額の平均成
第 . 列の商品構成効果は῍ 国ごとの輸出商品構
長率 gi ῏商品別基準成長率ῐ と同率で成長した場合
成の違いが各国の輸出変化にどのように影響した
に実現するであろう輸出増加額と῍ その輸出が
かを表しているῌ 例えば῍ もしある国における輸
EU+/ 全体の食料品輸出総額の平均成長率 g と同
出の商品構成が῍ 貿易の伸びの大きい商品に偏っ
じ率で成長した場合に実現するであろう輸出増加
ていれば῍ この項目は正値になるῌ 逆に῍ この国
額との差であるῌ
の輸出の商品構成が῍ 貿易の伸びの小さい商品に
第 - 項は῍ ῑ市場配分効果ῒ であるῌ これは῍ 当
偏っていれば῍ この項目は負値になるῌ
該国が各市場においてその市場占有率を維持しつ
ここでの商品構成効果は全ての国で絶対値が +
つ῍ 各商品の各市場への輸出が商品別市場別基準
ケタ以下の数値であり῍ 全般的貿易効果の 23.*῍
輸出成長率 gij と同じ率で成長した場合に実現す
と比べると圧倒的に小さいῌ また῍ その他の効果
るであろう輸出増加額と῍ その輸出が各商品の商
と比較しても大きくないことが分かるῌ これは῍
品別基準成長率 gi と同じ率で成長した場合に実
表 . での貿易額変化率の検討の際に῍ 加工度ῌ用
現するであろう輸出増加額との差であるῌ
途別で成長率にあまり差がなかったことと符合す
最後の第 . 項は῍ ῑ競争ῌ残余効果ῒ であるῌ こ
る結果であるῌ その際に既に述べたように῍ すで
れは῍ 当該国の現実の輸出増加額と上述の - つの
に高所得段階にある EU+/ では῍ 東アジアにおけ
効果による輸出増加額の差であるῌ この項には῍
るように加工食品の貿易が大きく伸びるというよ
当該国が他の輸出国との競争の結果῍ 市場占有率
うな現象がないことが原因と考えられるῌ
を変化させたことによる影響が含まれるため῍ 輸
続いて第 / 列の市場配分効果を見てみるῌ これ
出競争力の向上による輸出増と解釈できるῌ ただ
は各国の商品ごとの輸出先市場の構成の違いが各
し῍ この項は残差であって῍ その数値は輸出品の
国の輸出変化にどのように影響したかを表してい
名目価格の変化など様῎な影響を受けているため
るῌ 例えば῍ ある国において輸出先の市場構成が῍
に῍ 必ずしも単純に輸出競争力の指標とは見なせ
輸入の伸びの大きい市場に偏っていれば῍ この項
ない場合もある点に注意が必要であるῌ
目は正値になるῌ 逆に῍ この国の輸出先の市場構
さて῍ 分析結果を見てみようῌ
成が῍ 輸入の伸びの小さい市場に偏っていれば῍
これまで検討してきた +333 年から ,**1 年まで
この項目は負値になるῌ
の EU+/ の食料輸出額の変化について CMS 分析
市場配分効果の数値を見てみると῍ その値もそ
を適用したものが表 / であるῌ 計算結果は῍ 表の
れほど大きなものではない῍ 絶対値が最大のもの
上段には金額表示で῍ 中段には成長率表示で῍ 下
でもフィンランドの +1.0῍ であり῍ 他に絶対値が
45
EU+/ 域内食料品貿易の構造とその変化
表 / CMS 分析の結果
EU+/ ῐ+333 年῏,**1 年ῑ
第+項
第,項
第-項
第.項
合計
全般的
商品構成 市場配分 競争ῌ残余
貿易効果
効果
効果
効果
金額表示 ῐ百万ドルῑ
-/0
,20
+/1
*
フィンランド
+,1*+,**+
/
10
0,,
スウェ῎デン
.,++3
/,,.*
++2
0
ῒ+,,..
デンマ῎ク
,*,3,*
+.,+0+,/
+,,./
/,-21
ドイツ
-,+0/
+,01*
1
+,120
ῒ,33
オ῎ストリア
11/
+,0**
ῒ+/
ῒ+.,
ῒ001
ギリシャ
2,//2,/22
+*0
.2.
ῒ0,/
イタリア
+0,./+1,3*+
,.+
ῒ/2,
ῒ+,+*1
オランダ
3,2/0
3,,*+,3
++2
.*0
ベルギ῎
.2+
,,.
,2+
ῒῒ,+
ルクセンブルク
+/,+,0
+3,3/3
ῒ/*1
ῒ-.,
ῒ-,32.
フランス
.,023
1,0/*
.3
0*3
ῒ-,0,*
イギリス
-,210
/,,1+00.
ῒ+,0,/
アイルランド
+,,2-+*,1,2
,,2.,
ῒ..+
ῒ,30
スペイン
+,00/
+,*2.
3
+-.
.-2
ポルトガル
東アジア ῐ金田 ῐ,**2ῑ による : +332 年῏,**0 年ῑ
第+項
第,項
第-項
第.項
合計
全般的
商品構成 市場配分 競争ῌ残余
貿易効果
効果
効果
効果
金額表示 ῐ百万ドルῑ
1*1
00.
1
/**
ῒ.0/
日本
+,+,*
ῒ,0ῒ,,
ῒ,10
ῒ+,*2/
韓国
+3.
1,/
ῒ//
ῒ+-ῒ-.台湾
0,+/3
.,1++
,,2/+
ῒ.2+
ῒ3,中国
+20
+23
+-1
ῒ/
ῒ+-/
香港
2
ῒ+
ῒῒ,
マカオ
03*
0,*
+1ῒ12
ῒ,/
フィリピン
,,*0/
+,-10
/3+
,,+
ῒ+,インドネシア
+,1/+,-1.
/,,
-30
ῒ/-2
マレ῎シア
+,./*
,,-11
+.1
ῒ-2*
ῒ03.
タイ
0*+
-2*
22
,+/
ῒ2+
シンガポ῎ル
成長率表示 ῐ῍ῑ
フィンランド
スウェ῎デン
デンマ῎ク
ドイツ
オ῎ストリア
ギリシャ
イタリア
オランダ
ベルギ῎
ルクセンブルク
フランス
イギリス
アイルランド
スペイン
ポルトガル
成長率表示 ῐ῍ῑ
0+.*
日本
ῒ+-./
韓国
+/.台湾
1/.*
中国
/0.香港
+3.3
マカオ
0-.2
フィリピン
20.*
インドネシア
1-.,
マレ῎シア
-/.*
タイ
3*.1
シンガポ῎ル
/1./1./1./1./1./1./1./1./1./1./1.-
*.0
ῒ+.+
ῒ...
ῒ/.2
ῒ+./
ῒ/..
ῒ1.,
ῒ/.+
,+.2
-./
+-.,
.-.,
ῒ+..+
ῒ+*./
ῒ++.,
.+..
ῒ,*.2
+0.*
,..0
+0./
ῒ3.,
ῒ+,.,
ῒ.*.+
ῒ//.0
ῒ,1.+
-..1
ῒ.*.3
ῒ++.,
ῒ,.3.,
ῒ,,..
ῒ+0.1
-,..
合計に対する比率 ῐ῍ῑ
+**
日本
+**
韓国
+**
台湾
+**
中国
+**
香港
+**
マカオ
+**
フィリピン
+**
インドネシア
+**
マレ῎シア
+**
タイ
+**
シンガポ῎ル
3..*
ῒ.,/./
-1-.3
10./
+*+.3
,22.*
23.2
00.1
12..
+0..*
0-.,
+. *
2. ,
ῒ,2./
ῒ1.2
ῒ,.1
ῒ,1.+
ῒ++.ῒ/.3
,3.1
+*.+
+..0
1*.2
+*/.*
ῒ02.0
ῒ+/.*
1-./
ῒ+*..1
,/.+
,2.0
,,.0
ῒ,0.,
ῒ+-./
ῒ0/.1
.+,..
ῒ+10.3
.0.ῒ1,.2
ῒ/0.ῒ-.0
+*.1
ῒ-*.1
ῒ.1.3
-/.1
++*.1
+/+..
1*.*
+-+./
+02.1
.-.+
22.0
2+.2
3/.+3+.*
01./
/..0
0/..
+*0./
+-0.1
23.*
23.*
23.*
23.*
23.*
23.*
23.*
23.*
23.*
23.*
23.*
23.*
23.*
23.*
23.*
..+
*..
,.*
*.2
*..
ῒ*.2
+.+
+.,
+.,
ῒ+.+
ῒ,.*.0
,.2
ῒ-.1
*.1
+1.0
0.1
*.+
1.2
ῒ+/.3
ῒ1.3
ῒ0./
ῒ,.3
+.+
ῒ2..
ῒ+./
1.+
+.+
ῒ,./
++.*
ῒ*.+
//.ῒ,+.+
--.3
3/.,
ῒ-1.+
/.*
ῒ/./
-.3
+++./
ῒ+1.2
ῒ.,.+
ῒ,1..
,-.0
-0.*
合計に対する比率 ῐ῍ῑ
+**
フィンランド
+**
スウェ῎デン
+**
デンマ῎ク
+**
ドイツ
+**
オ῎ストリア
+**
ギリシャ
+**
イタリア
+**
オランダ
+**
ベルギ῎
+**
ルクセンブルク
+**
フランス
+**
イギリス
+**
アイルランド
+**
スペイン
+**
ポルトガル
ῐ出所ῑ 表 , と同じῌ
2*..
/2.2
+,1.,
01.1
/,.2
,*0.+**..
+*2.2
3-..
.0.0
+-,.*
+0-.,
+-0.+
2-.0
0/.+
-.1
*.,.3
*.0
*.,
ῒ+.3
+.,
+./
+.ῒ*.0
ῒ-..
+.*
..,
ῒ-..
*./
+/.3
...
*.+
/.3
ῒ3..
ῒ+2.ῒ1.ῒ-./
+.,
ῒ...
ῒ,.+-.*
+.1
ῒ,.2.*
ῒ*.+
-0./
ῒ-*.,
,/.1
/0..
ῒ20.+
/.1
ῒ0.1
..+
/2..
ῒ,0.ῒ11.,
ῒ.+.3
,,.+
,0.-
, 桁であるのはオ῎ストリアのῒ+/.0῍ とポルト
なかった残余の部分で῍ 輸出競争力の向上による
ガルの ++.*῍ だけで῍ これ以外の国では全て + 桁
輸出増と解釈できるῌ
以下であるῌ これらもまた全般的貿易効果の
この競争ῌ残余効果の数値には比較的大きなも
23.*῍ と比べると圧倒的に小さく῍ 貿易の成長を
のが存在するῌ 例えばルクセンブルク῍ オ῎スト
説明する重要な要因とは言えないῌ この事実もま
リアの数値は῍ それぞれ +++./῍῍ 3/.,῍ であっ
た῍ 表 . での変化率の検討の際に῍ 国別の輸入変
て῍ 全般的貿易効果の 23.*῍ よりも大きいῌ これ
化率に大きな差がなかったことと符合しているῌ
ら , 国が強い輸出競争力によって῍ 特に大きく輸
その原因もまたその際述べたように῍ EU+/ では
出を伸ばしたことが窺えるῌ ただし῍ この輸出競
国ごとの経済成長率の差が比較的小さいために῍
争力が何に由来するものかは῍ 残念ながらここで
輸入成長率はどの国も比較的均一になるからだと
は十分に解釈できないῌ また῍ これより数値は小
考えられるῌ
さいものの῍ スウェ῎デン῍ ポルトガル῍ ドイツ῍
最後に῍ 第 0 列目の競争 ῌ 残余効果を見てみ
スペインなどで ,*῏.*῍ の正値で῍ イギリス῍ ギ
るῌ この項は῍ 実際の輸出増加のうち῍ 全般的貿
リシャ῍ アイルランド῍ デンマ῎クなどで ,* ῏
易効果῍ 商品構成効果῍ 市場配分効果で説明でき
.*῍ 程度の負値であるῌ このように国によって競
46
農村研究 第 ++* 号 ῏,*+*ῐ
争ῌ残余効果の大きさに多少違いがあるが῍ ルク
次に῍ +333 年から ,**1 年の期間における EU
センブルク῍ オ῎ストリアを除けば῍ その大きさ
+/ 地域の貿易額の変化を観察したところ῍ この地
はせいぜい絶対値で .*῍ 程度までであり῍ 全般
域の食料貿易は 23῍ 拡大しており῍ 東アジア地
的貿易効果の 23.*῍ よりも明らかに小さいῌ
域のそれよりも高い成長を達成していたῌ これ
以上の CMS 分析結果の検討から言えること
は῍ 地域統合の貿易創造効果によるものと解釈で
は῍ EU+/ では多くの国で全般的貿易効果による
きるῌ また῍ 輸入額の変化率について国ごとのば
輸出の成長が支配的であるということであるῌ こ
らつきが小さかったῌ 東アジア地域はこのばらつ
の結果῍ 国ごとの輸出成長率の差が比較的小さ
きが大きい点で大きく異なっているが῍ この差の
く῍ すなわち均一な成長の傾向が生じているῌ こ
生じる原因としては῍ EU+/ では各国の経済成長
れを表の右側の東アジアの結果と比べると῍ 東ア
率のばらつきが小さいために食料需要成長率にも
ジアにおいては῍ 市場配分効果や競争ῌ残余効果
ばらつきが小さく῍ その逆に東アジアでは῍ 経済
の大きさが῍ 全般的貿易効果と比較しても大き
成長率のばらつきが大きいことが食料需要成長率
いῌ つまり῍ 東アジアでは῍ 国ごとの経済成長率
のばらつきを生んでいるためと考えられるῌ さら
の違いに起因する需要成長率の違いや ῏国ごとの
に῍ EU+/ では加工度ῌ用途別の貿易成長率も比
賃金水準が大きく影響していると考えられるῐ 国ごと
較的均一であったが῍ これは῍ すでに高所得段階
の輸出競争力の違いが῍ 各国の貿易の成長を不均
にある EU+/ は東アジアのように低い所得水準か
一なものにしているということであるῌ
らの所得向上によって加工食品需要が大きく伸び
ῌῌ ま と め
てゆく段階にないためと考えられるῌ
CMS 分析の結果からは῍ EU+/ では商品構成効
本稿では῍ EU+/ 域内食料貿易の構造を῍ 貿易
果や市場配分効果῍ 競争ῌ残余効果はそれほど大
額デ῎タおよび BEC 分類によって加工度ῌ用途
きくなく῍ 多くの国で全般的貿易効果による輸出
別に . 分類したデ῎タを用いて分析したῌ 結果は
の成長が支配的であるということがわかったῌ
以下の通りであるῌ
EU+/ で商品構成効果や市場配分効果が小さい理
まず῍ ,**1 年の貿易構造の検討では῍ ドイツや
由は῍ すでに高所得段階にある EU+/ では῍ 東ア
フランス῍ オランダ῍ ベルギ῎などが輸出ῌ輸入
ジアにおけるように加工食品の貿易が大きく伸び
ともに大きな存在であることや῍ 家庭用῍ 加工品
るというような現象がないこと῍ 各国の経済成長
の貿易の割合が高いことが明らかとなったῌ
率のばらつきが小さいために食料需要成長率にも
さらに貿易結合度を計算したところ῍ + を上回
ばらつきが小さいことが挙げられるῌ
る貿易結合度をもつような強い貿易関係は数の上
以上῍ EU+/ の食料品市場は῍ 統合市場のポテ
で比較的絞られていること῍ ある国から別の国へ
ンシャルを活かして高い成長を達成していたῌ こ
の輸出の結合度が強い場合には逆方向の結合度も
れらの分析結果から῍ わが国が食料貿易に関して
同様に強い場合が多いことがわかったῌ また῍ 国
得るインプリケ῎ションは῍ 台湾῍ 韓国῍ 中国な
同士の地理的距離が近い場合に῍ 当事国にとって
どの距離的に近い諸国との貿易が今後さらに伸び
重要度の高い緊密な , 国間の貿易関係が形成され
る可能性があること῍ その関係はより双方向的な
ることが分かったῌ これらは῍ 高所得による製品
方向に向かう可能性があること῍ そして῍ 仮に地
差別化と国境の重要性低下という二つの要因に
域経済共同体形成の方向に向かうならば῍ その動
よって形成された貿易構造と考えられるῌ
きはより加速する可能性があることであるῌ
注
+ῐ 原典は Viner ῏+3/*ῐῌ 木南 ῏,**3ῐ の pp. 3+῍3.
には῍ 動態的効果などのより新しい考え方も含めて
EU+/ 域内食料品貿易の構造とその変化
説明されている
, 例えば阿久根 ,**3 の既存研究のまとめ 同書 pp.
,.῍,2 によれば 食品産業にも産業集積の見られる
ものと見られないものとがある 阿久根自身の日本
47
EU+/ 域内に絞って考えるために MEU を EU+/ 域
内全体の輸入総額としている 金田 ,**2 でも
東アジア域内貿易について同様の方法で分析してい
る
の食品産業に関する分析でも 食品産業全体では産
3 ただし 産業の集中ῌ集積を厳密に検証するため
業集積は生じておらず より細かい分類で見たとき
には ここでの商品分類や国単位の地域区分はやや
に集積が生じているものもあるという結果を得てい
粗すぎるきらいがある 商品分類や地域区分をより
る 同書 p. .3
細かくすれば 結果が異なってくる可能性がある点
- 消費者が差別化された財を嗜好する結果 産業内
に注意が必要である
貿易の発生が促されることは ディキシット ス
+* わが国で食料貿易に関して CMS 分析を適用した
テ ィ グ リ ッ ツ 方 効 用 関 数 を 利 用 し た Krugman
分析としては 本間 +311 加賀爪 +33- 金田
+313 のモデルによって示されている
,**2 を挙げることができる 本間 +311 は 世
. 例えば 中国から日本への加工食料品の輸出が伸
界の穀物輸出について CMS 分析を行っている 加
びているのは 労働集約的な食品加工業において人
賀爪 +33- はオストラリアの農産物輸出につい
件費が安いことが重要であり 日本と比べて中国の
て CMS 分析を行っている ただし 同じ CMS 分
方がこのコストがはるかに低いからである
析ではあっても 本間の分析は ある品目の輸出に
/ 以下で説明する本稿の EU+/ 食料貿易デタは
関する輸出国ῌ輸入国別の分析であるのに対し 加
金田 ,**3 で用いられたものと同じものである
賀爪の分析は ある輸出国に関する品目別ῌ輸入国
0 表 + の貿易マトリックスに使用されているデタ
別の分析である点が異なる 本稿の分析は金田
は 第ῌ節で説明したように 輸入国のデタを使
,**2 と同様に 加賀爪と同じタイプのものであ
用しているので 輸入マトリックスである
る 農産物に限らずアジアの貿易に加賀爪と同タイ
1 わが国で食料貿易に関して貿易結合度を適用した
分析としては 加賀爪 +33- 張 ,**2 金田
プの CMS 分析を適用しているものに横田ῌ浦田ῌ
小浜 +33- がある CMS 分析の詳しい解説は
,**2 を挙げることができる 加賀爪 +33- は
Leamer and Stern +31* Richardson +31+ に
オストラリアの農産物輸出について貿易結合度に
ある
よる分析を行っている また張 ,**2 は 東アジ
++ 通例の CMS 分析では ここでの定義中の EU+/
アの農産物貿易について GTAP デタベスを用
域内 の代わりに 世界全体 とする場合が多い
いて貿易結合度による分析を行っている 貿易結合
本稿では EU+/ 域内に絞って考えるために EU+/
度は 農産物貿易以外についても広く用いられてい
域内 としている 金田 ,**2 でも 東アジア域
る 代表的な例として アジアの貿易関係の構造を
内貿易について同様の方法で分析している
分析した 通商白書
経済産業省 : ,**. が挙げら
れる
2 一般には 貿易結合度の計算では MEU の部分に世
+, ここでの数式表記や 全般的貿易効果 などの用
語法は 金田 ,**2 と同様に 加賀爪 +33- に
従っている
界全体の輸入総額を用いる場合が多いが 本稿では
引用ῌ参照文献
阿久根優子 ,**3 食品産業の産業集積と立地選択に関する実証分析
筑波書房
加賀爪優 +33- 食糧ῌ資源輸出と経済発展オストラリア ニュジランドの輸出多角化過程の計量経済分
析
太明堂
金田憲和 ,**2 東アジア域内食料貿易の構造とその変化加工度ῌ用途に注目して 農村研究
第 +*1 号
+῍+-
金田憲和 ,**3 ヨロッパ域内における食料品の産業内貿易EU+/ のデタによる分析 農村研究
第 +*3
号 +.῍,/
木南莉莉 ,**3 国際フドシステム論
農林統計出版
経済産業省 ,**. 通商白書
張 國益 ,**2 東アジア農産物貿易の構造貿易マトリクスによる分析 ,**2 年度日本農業経済学会論文
集
-,1῍---
48
農村研究 第 ++* 号 ῏,*+*ῐ
本間正義 ῏+311ῐ ῑ世界穀物輸出の変動῎CMS 分析῎ῒ ΐ農業経済研究῔ 第 .3 巻第 + 号῍ -2ῌ.-ῌ
横田一彦ῌ浦田秀次郎ῌ小浜裕久 ῏+33-ῐ ῑ環太平洋諸国の輸出拡大῎CMS 分析と輸出競争力の決定因῎ῒ ΐアジア
経済῔ ,ῌ,,ῌ
Krugman P.R. (+313) “Increasing Returns, Monopolistic Competition and International Trade,” Journal of
International Economics, vol. 3, No. ., pp. .03ῌ.13.
Leamer, E.E. and R.E. Stern (+31*), Quantitative International Economics, Allyn and Bacon.
Richardson, J.D. (+31+), “Constant-Market-Share Analysis of Export Growth,” Journal of International Economics, vol. +, No. ,, ,,1ῌ,-3.
Viner, J. (+3/*), The Customs Union Issue, Carnegie Endowment for International Peace.
῍受付 ,**3 年 ++ 月 ++ 日῏
῎受理 ,*+* 年 + 月 +- 日ῐ
The Structure of and Change in EU+/ Food Trade
Norikazu KANADA (Tokyo University of Agriculture)
In this paper, the structure of EU+/ food trade and its recent changes are analyzed with trade value
data based on BEC (Broad Economic Category) classification. The trade intensity indices tend to be high
when the paired countries are geographically close. The high trade intensities are quite often bilateral.
The CMS (constant market share) analysis demonstrates that the growth of trade in this area is quite
balanced among countries and the structure of trade is stable in that change in commodity share and
country market share are stable. These facts are considered to be the trait of a mature regional market.
Key words : Europe, food trade, trade matrix, trade intensity, CMS analysis