母娘deソウル! その1

母娘deソウル! その1
夏の暑さが大嫌いな私がソウルの魅力に引き寄せられて、またまた
出かけてしまいました。今回は親孝行を兼ねて母も一緒です。
ターゲットは旧き良きソウルの雰囲気が残る仁寺洞(インサドン)と
三清洞(サムチョンドン)です。もちろんB級グルメも楽しみますよ!
8月22日(土曜日)
夜逃げと間違えられそうな午前0時、そっと荷物を車に積み込んで北九州空港へ向かいます。
昨年9月にスターフライヤーの初ソウルチャーターで死ぬほど眠い思いをしたのに懲りずにまた
申し込んでしまいました。理由はいろいろあるけど、この際言い訳はしないことにします・・・
北九州空港に到着すると、すでに多くのツアー客はチェックイン
を済ませ入国カードなどを記入しています。今回は知り合いのあ
きさん母娘も参加しているので、お互いに母親を紹介し合いまし
た。
機内では飲み物サービスだけなのでお腹が空きます 。何か食
べ物を持って来れば良かった!と後悔しても後の祭り・・・
北九州空港出発フロアの時計
定刻に仁川空港のサテライトに到着した後はスターラインと呼
時計の針は午後1時ではありま
ばれる乗り物でメインターミナルへ移動です。夜中の入国審査は
せん・・念のため。
ガラガラだろうと思っていたのにニューヨークなどからの便も到着
していて行列ができていました。
バスでソウル市内に入った頃、ちょうど夜が明けました。漢江の向こう岸に見える高層ビル群
が朝焼けの空に美しいシルエットを見せています。
朝食は秋刀魚を煮たものとチャプチェ(春雨と野菜の炒め物)が
メインで他に8種類のおかずが付いていました。
食後、3台のバスはそれぞれのホテルへ向かいます。ホテルの
ロビーで荷物を預けた後、希望者は再びバスに乗ってミニ観光へ
出かけました。なにしろ7時過ぎという時間では観光施設はどこも
定食屋の朝食
左上の皿がチャプチェ。
入場できませんから・・・
私は団体行動が苦手なので母と2人で北村(プッチョン)へ歩いていきました。ホテルがある仁
寺洞(インサドン)から歩いてすぐの距離ですが日頃歩かない母にとって坂道だらけの北村は苦
行に近いものがあったようです。せっかく連れて行った刺繍博物館は10時開館と分かりタクシー
で景福宮(キョンボックン)にある古宮博物館へ向かうことにしました。
前回は時間がなくて、たった40分あまりしか見ら
れなかったので今回はリベンジです。隅から隅までじ
っくり見てから博物館に併設され
たカフェで一休みしました。
早朝の北村韓屋
古宮博物館の展示物
その後、昼食まで少し時間があるので景福宮を見学し
ようと博物館を出ました。すると、ちょうど入口にある興
礼門(フンレムン)で王宮守門将交代式が行われていま
す。観光客たちは入れ替わり立ち代わり写真を撮ってい
ました。私も相手が動けないのを幸いにちゃっかり横へ
立って記念写真を撮ってもらいました。
王宮守門将交代式
兵隊たちは微動だにしないけど、やはり目線は動くのですよね・・
ソウル市内にある五大王宮の中でいちばん規模が大きい景福宮なので全てを見るのは母に
は無理です。景福宮の正殿である勤政殿(クンジョンジョン)や池の中に造られた慶会楼(キョン
フェル)という建物まで見たところで帰ることにしました。
再び古宮博物館に戻りカフェを通り抜けショートカットして参鶏湯の店・土俗村へ向かいます。
以前韓国で食べた参鶏湯が不味かったらしく、嫌がる母を説き伏せて食べることにしたのです。
結果は・・・「美味しいっ!!」
母は白菜キムチとカクテギがとても気に入ったようでセッセ
とお替りして食べていました。
食後は買い物に行こうと思っていたけど暑いので、またま
た最寄の古宮博物館に戻りました。インフォメーションの女の
子に「鍾路(チョンノ)にタクシーで行くには、どこから乗ればい
いの?」と尋ねると、目的の店をネットで検索して住所を調べ
付箋に書き込んで地図に貼り付け「これをタクシーの運転手 土俗村の参鶏湯(サムゲタン)
へ見せてね」と言ってタクシー乗り場までの道順を教えてくれ ここのスープは本当に美味しい!
ました。
景福宮の前の道路は道幅が広いので反対側から乗るとグルッと遠回りされるので乗る場所が
肝心なのです。
女の子のメモのおかげで運転手さんも迷うことなく目的の店まで連れて行ってくれました。ずっ
と利用していた明洞(ミョンドン)にある同じ系列の店は前回あまりにも店員の態度が悪かったの
で「2度と行くか!」と思って鍾路の店を調べておいたのです。
この店の店員は気持ちのよい態度で接してくれました。何も言わなくてもおまけをたっぶりもら
い、大きなバッグいっぱいの荷物を持ってホテルへ戻りました。
チェックインは14時過ぎ!と言われていたので、この時間までホテルで休むことができなかっ
たのです。預けていた荷物を受け取って部屋へ入ると、歩き疲れた母はベッドに横になり眠って
しまいました。買い物した荷物をスーツケースに詰め込んだ私はしばらく、ぼ~っとしていました
が時間がもったいないので置手紙をして出かけることにしました。
仁寺洞(インサドン)は何度来ても楽しめる街です。歩いている人が美味しそうに食べている『く
るみ饅頭』が羨ましくて、匂いにつられ一袋買ってしまいました。外はカリッとした皮で中には
熱々の餡子と大きなくるみが入っています。あっさりした甘さでとても美味しかったです。12個で
W3,000(約240円)でした。
これまで一度も入ったことがなかったアートセンターに
入って最上階のテラスへ出ると仁寺洞の通りやソウルの
街がよく見え気持ちがよかったです。
前回のソウル旅行でお世話になったボランティアガイド
のイさんと夕食をすることになっていたのでタクシーで待
ち合わせの恵化(ヘファ)駅へ向かいました。夕方のラッ
シュ時だから時間がかかるかと思っていましたが意外と
近く料金もW3,700(約300円)でした。
アートセンター最上階テラスから
見たサムジギルと仁寺洞通り
恵化駅は大学路(テハンノ)という地域にあり、街は多くの若者で溢れていました。私たちは大
通りから一歩入った路地へ向かいます。表通りは流行の店が立ち並ぶ賑やかな街ですが、路地
へ入ると伝統家屋が多く残り趣のある雰囲気が漂っています。
トブロハムケはそんな路地にある家庭的な店です。注文したのはイさんお勧めの『釜飯定食』。
トブロハムケの釜飯定食
中央の海鮮チヂミの左側右の奥から2番目がカンジャン
ケジャン
石でできたお釜には黒米、もち米、ナツメ、
栗、ぎんなん、きのこ、松の実など美味しい
具がたっぶり入っています。このまま食べ
てもいいのですがイさんはご飯を別の容器
に移し、釜に残ったおこげ(ヌルンジ)にお
茶を入れてしばらく置いておくように教えて
くれました。こうすると、おこげが剥がれ最
後まで美味しく食べられるのです!
さて、この釜飯定食にはなんと24種類ものおかずが付いています。テーブルいっぱいにずら
~っと並んだおかずは韓国の家庭でふつうに食べられるものが多いそうです。
どんぐりゼリー、豆腐、韓国かぼちゃ、きゅうりの和え物などは辛くなかったけど、一見ふつう
に見えるぜんまいやもやしのナムルなどにも唐辛子が入っていました。韓国では正月に食べる
おめでたい『いしもち』という魚を焼いたものがありましたが、イさんによると本物のいしもちはと
ても高価なのでよく似た“クルビ”という魚で代用するそうです。この定食に出たのもこの“クルビ”
でした。日本でいう『ししゃも』と“カペリン”のようなものでしょうか。
24種類のおかずの中で私がいちばん気になったのがカンジャンケジャン(蟹の醤油漬け)で
す。以前から食べてみたいと思いつつ、生ものなので怖くてチャレンジできなかったのです。イさ
んに訊いてみると「夏場はあたり易いので生きたものを自宅で調理したものしか食べない」と言
います。やはり危ないので寒い時期まで待つことにしました。
イさんは前回、私が「梨が大好き!」と言ったことを覚えていてくれて、わざわざ持って来てくれ
ました。おまけにくるみ饅頭もお土産にもらいました。イさんと知り合えたことは幸運としか言いよ
うがありません。
夕食後はまっすぐホテルへ戻りました。きのうから徹夜で一日遊び回ったので、さすがに今日は
夜遊びができません。
『その2』へ続く・・・