●平成 26 年度推薦入学試験についての講評 1 小論文 (1)方法 「ネット依存」についての社説を示し、「ネット依存とはどのような問題か、別添の社説を参考にしながら、あなた の考えを書きなさい」として、受験生の考えを問うた。 課題文(社説)の趣旨は「ネット社会は便利であるが、それに依存することは大きなリスクをはらんでいる。その 典型的な事例がネット上のゲーム(オンライン・ゲーム)である。ネット依存という『次世代のリスク』への対策を急ぐ べきである」というものである。「オンラインゲーム」や「深刻なネット依存症の症状」などの具体例だけにとらわれ ずに、課題の本質を読み取り、それを踏まえた上で、自分の考えを述べることができるかどうかを見るものであ る。 アドミッション・ポリシーに沿って「社会の問題の探求と解決に主体的に取り組む姿勢を持っている」ことを確認 することを目的とした出題である。 (2)結果に関する評価 評価のポイントは、①課題文(社説)の趣旨を適切に読み取っているか、その上で、②受験生自身の考えが述 べられているか、の2点である。 したがって、課題文の趣旨が読み取れていない論文や、受験生自身の考えが述べられていない論文、極端 に字数が足りない、またはオーバーしている論文は低い評価となった。たとえば、自分の経験、友人の例だけな ど、課題文(社説)を踏まえた展開になっていない論文や、考えに関する根拠が示されていない論文、単に感想 だけを書いたものなどである。 それに対し、「ネット依存がどのような問題か」を明確にした上で、解決策を指摘するような論文も見られた。ま た、独自の視点から解決策を展開するなど、主体的に課題文に取り組んでいる回答も見られた。これらの論文に は高い評価が与えられた。 2 グループ面接 (1)方法 事前(受験票送付の際)に、課題に関する「キーワード」を提示し、キーワードについて十分勉強してきたという 前提で、自分の意見を理解しやすい形で発表できるか、グループ討議に建設的に参加しようとしているか、対立 軸を設定して双方の立場から適切な状況把握ができるか、などの観点で評価した。 今回は本学受験生にとっては関心の高い話題であると考えられる「英語が使える日本人」に関するテーマとし、 「英語の授業を英語で行うことは英語が使える日本人の育成に効果的であるか否か」を問うた。 事前に送付したキーワードは「グローバル人材」「英語教育」「オール・イングリッシュ」「コミュニケーション能力 の重視」「文法・訳読能力の重視」である。 (2)結果に関する講評 先のべたように、評価基準は、①表現する力(キーワードの的確な理解を前提に自分の意見を論理的かつ的 確に伝える力)、②面接の態度(他人の発言を十分に理解できるよう真摯に聴き、積極的にかつ意欲的に討論 に参加する態度)、③適性(議論展開を発展させる発想、対立軸となる考え方を踏まえた多元的検討力など)で ある。 グループ面接の結果、キーワードの学習が十分ではないと指摘された受験生が見られた。キーワードを学習 してきても、それをその場の議論に応じて適切に表現しなければ、十分に学習したとは言えないだろう。予習し 1 てきたキーワードをはき出すだけのような発言をする受験生が見られた。キーワードを十分に学習した上で、議 論の流れを意識し、それにあわせて発言することが必要である。 また、討論に積極的に参加しているにも関わらず、必ずしも建設的な意見を述べていない受験生や、本来の 対立軸とは異なる対立軸で議論を誘導してしまった受験生もいた。課題や他者の意見を踏まえない発言は評価 できない。 これに対して、事前にキーワードについて十分に学習した上で、自分の意見を的確に述べ、他者と建設的に 意見を交換しようとする態度の見られた受験生や、他者の意見を十分に聞いた上で、対立軸を踏まえた発言を している受験生は高く評価された。 3 個人面接 (1)方法 1人約 20 分面接を行った。質問は主に次の 3 点についてであった。 ① 表現する力 自己推薦書やアピール・ポイントの内容をわかりやすく表現しているか。 自分の考えを面接員の質問に応じて理解しやすい形で表現しているか。 ② 面接の態度 相手の発言を真摯にきく態度であるか。 対話に参加しようとする姿勢であるか。 ③ 適正や意欲 入学への真の意欲があるか 「大学案内」などによってカリキュラムの内容を理解しているか。 (2) 結果に関する講評 ① 低評価理由 緊張しすぎ、自分の意見をうまく言えない、声が小さい、想定問答通りの回答、想定問答通りにならない 場合に難あり、本学への志望動機が曖昧(他大学への進学も可なのでは)、高校の調査書や推薦書と 本人の発言に乖離あり、服装に問題(男子生徒が詰襟のホックをつけてない)、英語に固執しすぎた志 望動機、理想主義すぎる、感情の高ぶりで回答が不十分、自信や元気がない、視野や発想が狭い、ス テレオタイプの回答、本学の理念とのミスマッチ ② 高評価理由 自分の考えを持っている、本学を熟知している、真面目、志望動機が明白、本学のカリキュラムを理解し ている、受け答えが誠実、声が大きく明るい、ボランティア精神旺盛、粘り強い、リーダーの資質あり、国 際感覚豊か、本学の理念とマッチ、目的意識旺盛、論理的説明ができる、落ち着いている、プチオープ ンキャンパス参加、経験に基づく志望動機、面接官の眼を見て話す 2
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