平成28年度福岡大学市民カレッジ 映像にみるヨーロッパ文化 ■講座内容 映画鑑賞を通して、ドイツ・フランスの言葉や文化に触れ、映像 からヨーロッパ文化(ドイツ文化・フランス文化)を理解していき ます。毎回、福岡大学人文学部の教員が歴史的・文化的背景を解説 しますので、個人的な鑑賞では得難い知の向上が期待できます。 ■ドイツ語圏 ■進め方は各回とも以下のとおりです。 ①本学教員による鑑賞作品の解説 ②映像作品の鑑賞 ③感想レポート作成(映画についての感想、意見など) ■フランス語圏 5/12(木)・6/9(木) 18:00~21:00 開講日 5/10・6/14・7/12 7/2(土) 14:00~17:00 曜日・時間 火曜日 18:00~21:00 対象・定員 一般・学生 100人 対象・定員 一般・学生 100人 会場 福岡大学 会場 福岡大学 受講料 無料 受講料 無料 受付・申込 方法 先着順(3ページの申込方法参照)、受講 希望の日程ごとにお申込みください。 受付・申込 方法 先着順(3ページの申込方法参照)、受講 希望の日程ごとにお申込みください。 開講日時 ■講師 福岡大学人文学部 5/12 :准教授 マーレン・ゴツィック 6/9 :教授 星乃 治彦 7/2 :講師 伊藤 亜希子 鑑賞映像作品(ドイツ語音声、日本語字幕付き) 『M』 1931年監督:フリッツ・ラング 99分 1920年代、ドイツを震撼させた“デュッセルドルフの吸血鬼”と呼ばれた連 続殺人鬼を題材にした、ラング初のトーキー映画。幼い少女が残忍な手口 で相次いで殺害される。警察当局の必死の捜査にも拘わらず犯人の見当 はつかず、市民や暗黒街の犯罪者たちは彼ら自身の手で犯人を捕まえる ことを思い立つ。手がかりはないかのように思えたが、あるとき一人の男に 目星が付けられた。 映画中にBGMは存在しないものの、エドヴァルド・グリーグ作曲の劇音楽 『ペール・ギュント』第一組曲の一節が効果的に使用されている。 5/12 6/9 『ハンナ・アーレント』 2012年監督:マルガレーテ・フォン・トロッタ 114分 1960年、何百万ものユダヤ人を収容所に移送したナチス戦犯アドルフ・ アイヒマンが逃亡先で逮捕される。ドイツ系ユダヤ人で著名な哲学者ハン ナ・アーレントはその裁判を傍聴し、ザ・ニューヨーカー誌に傍聴記事を発 表。その衝撃的な内容が大きな波紋をよぶことになる。アーレントが本当 に伝えたかった「真実」とは何か?アメリカ、イスラエル、ドイツを往来しな がら彼女が到達した、ナチスとは何だったのかの問いに対する回答は、現 代にも通用する警鐘である。 7/2 『白バラの祈り-ゾフィー・ショル、最期の日々-』 2005年監督:マルク・ローテムント 121分 1943年、反ナチス運動を展開した反政府組織「白バラ」のメンバー、ゾ フィーは、兄とともに大学構内で反戦ビラをまいた罪でゲシュタポに捉えら れる。厳しい尋問にも屈せず無実を主張するゾフィー。僅か5日間という尋 問の末処刑されたゾフィーの「最期の5日間」をドキュメンタリータッチで描く。 ナチス支配下の物言えぬ社会において、自身の良心に従って行動した ショル兄妹。映画を鑑賞し、彼らの行動の持つ意味、過去にそして現在に おいても鍵となる「市民の勇気」について参加者と共に考えていきたい。 ※作品概要はそれぞれの映像作品のメディアから引用しています。 ■講師 福岡大学人文学部 5/10:准教授 山本 大地 6/14:教授 辻部 大介 7/12:教授 遠藤 文彦 鑑賞映像作品(フランス語音声、日本語字幕付き) 5/10 『ブレイキング・コップス』 2006年監督:エリック・カニュエル 120分 カナダのオンタリオ州とケベック州の州境で他殺死体が発見される。英 語を話すトロント州警の刑事とフランス語を話すケベック州警の刑事が合 同捜査チームを組むことに。凸凹コンビの活躍をユーモアたっぷりに描く。 カナダ映画史上トップの興行収入を更新したアクション映画だが、随所に オンタリオ州とケベック州の文化的・言語的違い、そして両州のライバル 的な対立関係が描かれている。講師の現地での体験も交えながら、英語 とフランス語を公用語に持つカナダの事情を紹介する。 6/14『シェルブールの雨傘』1964年監督:ジャック・ドゥミ 91分 フランスの港町シェルブールで、傘屋の娘と自動車修理工の青年が恋 に落ち、結婚を誓い合うが、やがて青年はアルジェリア出征に徴兵され、 戦地で消息を絶つ…。戦争によって引き裂かれた男女の切ない運命をつ づる。 制作後半世紀を経てなお観る者に新鮮な驚きを与えるこの名作を、ヌー ヴェル・ヴァーグが台頭した当時のフランス映画界の状況、および、ドゥミ 監督のキャリア全体の中に位置づけながら、1964年という制作年がヨー ロッパそして世界にとって持つ意味を現在の地点から振り返ってみる。 7/12 『遥かな町へ』 2012年監督:サム・ガルバルスキ 97分 ヨーロッパで高い評価を得ている谷口ジローの漫画を映画化したヒュー マンドラマ。パリ在住の漫画家、トマ・ヴェルニアは48歳の中年男性。ある 時彼はふとしたことから郷里である60年代フランスの田舎町にタイムス リップしてしまう。 疲れた中年男が日本で言えば昭和30年代にタイムスリップして中学時 代の自分をもう一度生きる、謎と笑いと郷愁に満ちた傑作漫画が、フラン スを舞台にどのような映画となって再現されているか、解説をまじえてじっ くり鑑賞する。
© Copyright 2024 Paperzz