ダブリン日本子女補習校 平成18年度(2

平 成 25年 5月 4日
補
習
校
だ
よ
り
5月 号 文 責 江 口 俊 昭
学級委員の選出を機に補習校の原点を思う
各 校 舎 で は 、学 級 委 員 の 選 出 が 行 わ れ ま
した。これから1年間、安全活動、図書活
動 、日本 文 化紹 介、学 級 サ ポー ト など 子ど
もたちのためにいろいろな活動をしてい
た だ く こ と に な り ま す が 、よ ろ し く お 願 い
いたします。
と こ ろ で 補 習 校 の あ り 方 を 称 し て「 補 習
校 は 、 保 護 者 の 学 校 で あ る 。」 と か 「 保 護
者は第2の担任、家庭は第2の教室であ
る 。」 と か が よ く 言 わ れ 、 家 庭 と 補 習 校 の
協力が強調されます。
その訳は多分に補習校そのものの成立
過程に由来するからだと思われます。
現在世界各地にある200校あまりの
補 習 校 は 、親 の 都 合 で 世 界 各 地 で 生 活 し て
いくことになった子どもたちの勉強をサ
ポ ー ト す る た め 、保 護 者 や そ の 関 係 者 に よ
って作られました。
そ れ 以 前 の 子 ど も た ち は 、現 地 の 学 校 や
インターナショナルスクールに通って勉
強 す る か 、家 庭 で 勉 強 す る よ り ほ か あ り ま
せ ん で し た 。日 本 語 の 環 境 に 恵 ま れ な い 分 、
子どもたちの国語(日本語)力がだんだん
怪 し く な っ て い っ た り 、学 年 齢 相 応 の 学 力
が つ か な い こ と 、日 本 語 を 支 え る 日 本 文 化
の良さを知らないまま育っていったりす
る子どもたちの様子を目の当たりにして、
心配した親が互いに子どもを連れて集ま
って勉強する教室を始めたのが補習校の
原点だと言われます。
勉 強 す る 場 所 は 、授 業
が終わった現地校の教
室 を 借 りた り 、インタ ー
ナショナルスクールや
アメリカンスクールの
一 部 を 間 借 り し た り 、比 較 的 大 き な 家 屋 を
借りたり(私の知っている生徒の場合は、
ホ テ ル の 会 議 室 で し た )、 日 本 文 化 関 係 の
建物が入っている一角だったりしたよう
で す 。治 安 等 の 問 題 が あ る と こ ろ は 大 使 館
の付属施設を使わせて頂いたりしたとい
う話も聞いています。
教える人も、保護者自身だったり、留学
生や日本人で国語や数学
などが得意な人などに頼
む な ど して 、みん な子 ど も
た ち の 勉強 の ため に、細 々
ながら懸命な教室運営が
行われました。
毎 回 の 授 業 を 成 立 さ せ る た め に 、現 地 校
な ど 貸 す側 と の交 渉、親 同士 の 連絡 、教え
る 講 師 な ど の 手 配 と 確 保 、登 下 校 や 授 業 時
の 安 全 管 理 、か か る 費 用 の 捻 出 や 会 計 事 務
など運営にかかること全てを自分たちで
決めたり、当番制にしたり 、やがて代理人
や 運 営 の 長 を 決 め た り し て 、だ ん だ ん 組 織
と し て の 体 制 を 整 え て い っ た よ う で す 。ロ
ンドン補習授業校でいえば保護者の皆さ
ん 全 員 が そ の 仕 事 を し て い た の で す 。今 で
も世界各地の比較的小規模の補習校など
は 、同 様 の 形 態 を と っ て 保 護 者 の 方 々 が 中
心になって一生懸命運営をしているとこ
ろが多いのではないかと思われます。
ロンドン補習授業校のスタートも同じ
ような背景を持った保護者の方々が日本
クラブの応援を得て始められたと聞いて
お り ま す。今 で は、経 営 形 態は 有 限会 社と
な り 、日 本 政 府 か ら 財 政 支 援 や 派 遣 教 員 の
配 置 も 受 け 、講 師 の 先 生 も 一 応 確 保 さ れ て
い ま す 。借 用 校 舎 と は い え 毎 回 授 業 日 に 使
える校舎もあります。
そ し て 何 よ り も 各 校 舎 、保 護 者 の 皆 さ ん
の学級委員の会がきちんと組織化され活
動 が な さ れ て い ま す 。選 ば れ た 学 級 委 員 さ
んと特に各役員さんの貢献度も多大なも
の が あ り ま す 。多 分 ロ ン ド ン 補 習 授 業 校 は 、
世界の数ある補習校の中で保護者の皆さ
ん や 子 ど も た ち 、講 師 の 先 生 方 に と っ て 最
も恵まれた環境をもつ補習校の部類に入
るだろうと私は考えております。
そ れ 故 、私 た ち は あ く ま で 先 に 紹 介 し た
補 習 校 の 成 立 の 原 点 、精 神 的 背 景 を 忘 れ る
こ と な く 、家 庭 学 習 や 子 ど も た ち の 学 び を
支えるための活動をみんなで協力し合い、
補習校を大事にしていくことが大切だと
考 え ま す 。1 年 間 よ ろ し く お 願 い 致 し ま す 。
◎ 5 月 の 補 習 校 事 務 所 は 、 毎 週 の 日 ・月 曜 日 の 他 に 振 り 替 え 休 業 の た め 5 月 7 日 ( 火 )、
5月28日(火)に閉所します。