教授の愛読書<経済学部編>

教授の愛読書<経済学部編>
推薦教員
書名
『銃・病原菌・鉄:一万三000年にわたる人類史の謎』
『ドラゴン・タトゥーの女』
大前 眞 先生
『火と戯れる女』
『眠れる女と狂卓の騎士』
『ブリキの太鼓』
クラフチック・マリウシュ・K 先生 『薔薇の名前』
小峯 敦 先生
佐々木 淳 先生
本学所蔵番号
10000080567他
31000026236他
31000026258他
31000026271他
19540192307
19610015994他
コメント
新本格派ブームの先駆け(1987年)。驚愕のトリック。物語の肝は「ある動機」に集約される
が、この1980年代後半の大学生気質は、現代にも通じる部分がある。
ベストセラー作家のデビュー作(1985年)。シニカルな教師と躍動的な高校生。物語の肝は
『放課後』
東野圭吾
講談社
本学所蔵無し
「ある動機」に集約されるが、この殺人動機は現代にいたるまで色褪せない。
2010年代の新感覚ミステリ。京都大学ミステリ研究会の伝統を継ぐ「名探偵の存在理由」を
『キャットフード:名探偵三途川理と注文の多い館の殺人』
森川智喜
講談社
本学所蔵無し
考えさせる作品。ライトな文体で高校生にもお勧め。文庫ではなく、講談社BOX版で。
今回は、戦後間もない頃の日本社会を舞台にした、思い出深い作品を並べてみました。いずれも、長編小説ですが、若い頃に一度は手に取ってみてほしい作品です。「重たい」、「暗い」と思うかもしれませんが、
日本の戦後は、今からは想像もできないほど重たく暗いものを引きずり、背負ったものだったので す。それを実感してもれえればと思います。
綾辻行人
講談社
『死の島』
『宣告』
『飢餓海峡』
福永武彦
加賀乙彦
水上勉
新潮社
新潮社
新潮社
『利己的な遺伝子』
『坂の上の雲』
『エンジェルフライト:国際霊柩送還士』
『青年に訴う』
『二つの「競争」:競争観をめぐる現代経済思想』
原田 太津男 先生
『街場の戦争論』
島 義博 先生
(非常勤)
発行者
草思社
早川書店
早川書店
早川書店
集英社
東京創元社
『十角館の殺人』
竹中 正治 先生
田尻 英三 先生
著者
ジャレド・ダイアモンド
スティーグ・ラーソン
スティーグ・ラーソン
スティーグ・ラーソン
ギュンター・グラス
ウンベルト・エーコ
本学所蔵無し
18860023388他 戦後間もない頃の「青春」を実感できる小説です。
10400045814他 死刑囚の話です。高2の頃に読みましたが、慟哭したことを覚えています。
10605084976他 「飢餓海峡」とは何か、考えてほしい一冊です。
誰でも名称だけは知っている進化論、でも進化の仕組みに潜む本当の謎を考えた諸君は少
リチャード・ドーキンス 紀伊國屋書店 30800021523
ない。この分野ではもはや古典ですが、初めて読む人には目からうろこが落ちる世界観的衝撃
の書。難易度高。
もはや国民的歴史小説、NHKでドラマ化もされた。列強各国が侵略戦争を繰り返す帝国主
司馬遼太郎
文藝春秋
19842280098他
義の時代を幕末から明治の日本人がどうやって生き延びたか。難易度低。
映画「おくりびと」とは違った、死と向き合う人たちを描いたノンフィクションです。海外での事
件や事故で亡くなった方々のご遺体を修復する壮絶な仕事です。できるだけ亡くなる前に近づ
佐々涼子
集英社
31305031628
けてお返ししたいという思いで、過酷な仕事を続けています。彼らは、東日本大震災の現場に
も立ち会っています。霊柩送還士という、死者の尊厳を守る 素晴らしい生き方をぜひ読んでほ
しいと思います。
「あなたが社会正義に燃える医師志望の青年だと仮定しよう」というセリフからたたみかける
ように始まる冒頭数頁は、アナキストの名文家、大杉栄のモダンな翻訳もあって、本書の世界
大杉栄
現代思潮社
18740480492他 観に多くの有為な青年を一気に引き込まれるだろう。大杉はこの翻訳で逮捕されるが、クロポト
キン自身はその知らせを聞いて「なんでこの程度の微温的な本で・・・」と嘆いたと言われる。政
治弾圧の厳しかった時代状況と一緒に味わってほしい一冊。
経済学のドグマの一つは、競争であるが、本書では、興味深い発見が次々に披露される。曰
く、競争観がいつの間にか変化していること、曰く、自らの努力で能力を高めることに経済学の
井上義朗
講談社
11200043022
父スミスが否定的だったこと、曰く、スミスの利己心は自分の欲求を最大化する態度とは異な
ることなど。経済学のイメージを刷新する魅力に富む。専門入門書としては希有の一冊。経済
学嫌い、経済学への偏見が強い人にはとくに強く奨めたい。
内田本に外れはないが、本書は、憲法改正と忍び寄る戦争という喫緊の課題に正面から発
言した一冊。日本は、第二次世界大戦の敗戦を正面から受け止めることができず、独立国でな
いにもかかわらずそうであるかのように振る舞う国民や政治家の異常さ、奴隷根性について、
内田樹
ミシマ社
本学所属なし
淡々と、だが正面から歴史をひもといていく。私たちは、リアリストのいう「強い現実」と、決断の
仕方によってはありえたもう一つの「弱い現実」のどちらに欠けることができるか。問いかけは
重いが、将来ある人びとには、すぐにでも読んで欲しい本。姉妹編『憲法の「箜語」を充たすた
めに』(かもがわ出版)もお勧め。
塩野七生
新潮社
10000123433他 ローマという文明の盛衰を著者の観点から観測した本で,読後は自分の視野が広がります。
『ローマ人の物語』
『西洋哲学史:古代より現代に至る政治的・社会的条件との
バートランド・ラッセル みすず書房
関連における哲学史』
『神学大全』
トマス・アクィナス
中央公論社
20905023173
19551341208
著者の思いが前面に出た哲学史の本で,教科書的ではありませんが非常に面白いです。