国語科学習指導案

国語科学習指導案
期
日
平成22年5月24日(月)3校時
学年・学級
4年2組
場
4年2組教室
所
指導者
1
単元名
2
単元の目標
○
小学校教諭
斉藤
聡美
段落と段落の結び付きを考えながら読もう
段落相互の関係を考えて,書かれていることを正しく読み取る。
3
学習の構想
(1)単元(題材)及び系統性
本単元は,学習指導要領第3学年及び第4学年の目標「B書くこと」のア・イ、
「C読むこと」
のア・イ・オ・カ及び「伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項」のウ(イ)に基づいて設
定したものである。
この時期の児童は,自分の身近なものだけでなく,さまざまな事象に対して興味・関心をもつ
ようになる。また,目に見える事象だけでなく,その事象を生み出している原因や関連する事象
に対する探求心が芽生える時期でもある。本単元の教材「ヤドカリとイソギンチャク」は,海の
生物の生態を興味深く描いている説明文であり,このような発達段階にある児童にふさわしい文
章であると考える。また本単元では,段落相互の関係を考えて読むことをねらいとしている。本
教材は,話題提示の後,問いと答えが3度繰り返され,最後にまとめというはっきりとした構成
になっている。そのため,この教材によって,段落相互の関係を考えながら内容を正確に読み取
るという単元のねらいが十分実現されるものと考えられる。
3年6月「自然のかくし絵」
4年「ヤドカリとイソギンチャク」
5年6月「動物の体」
・段落ごとに,書かれていること
(本時)
・文章の仕組みを考えて,書かれた内
を正しく読み取る。
11 月「つな引きのお祭り」
・何がどのように書かれているか
に気を付けて読む
1月「もうどう犬の訓練」
・どのようなことが書かれている
か,段落の内容に気を付けて読
む。
・段落と段落の結び付きを考えて,
容を読み取る
書かれた内容を正しく読み取る
11 月「ウミガメのはまを守る」
・事柄のまとまりごとに,書かれた
内容を読み取る。
1月「くらしの中の和と洋」
・何をどう比べているかに気を付け
て,書かれた内容を読み取る。
(2)児童の実態(男子15名 女子13名
計28名)
意識調査の結果から,約8割の児童が読書をするのが好きと答え,朝の読書タイムでも,好き
な本を選び集中して読む姿が見られる。しかし,図鑑の写真や挿絵を眺めるだけで,文章を読む
ことに抵抗を感じている児童もいる。教科書をスムーズに音読できない児童も何名かいる。教科
書の中から大切だと思う言葉を探すことが「あまりできない」
「できない」と答えた児童は約4割
いる。段落相互の関係を意識して文章を読み取っている子どもは少ない。授業では,発言に意欲
を見せる児童がいる一方「思ったことや感じたことをみんなの前で発表すること」に苦手意識を
感じている児童も半数いる。
(3)指導の方向
この単元では,段落相互の関係を正しくとらえて内容を読み取ることを目標としている。段落
相互の関係を意識させていくために,話合いの際は,文中のキーワードを手がかりにして文意を
とらえさせていきたい。その際,自分の考えに根拠をもって発表できるようにする。また,ペア
やグループでの話合いの場を積極的に設け,文章の意味をとらえさせていきたい。これらのこと
から意味段落や文章構成が見え,内容を読み取る力が付いてくると考える。
4
学習計画(
10時間扱い
本時
4/10
)
次
時
学習活動及び題材
評価規準B・評価の観点
1
1
○全文を通読し,大まかな内容
○教材の内容に興味をもち,進
をとらえる。
○意味段落(まとまり)につい
登米っ子
関連学年・単元
学習課題
(含発展領域)
○段落を付け, 【3年1月】
んで読もうとしている。
意味調べを
「もうどう犬の訓
【関・意・態】
する。
練」
て知る。
○書いてあることを
○音読練習をする。
2
1
○文章全体を5つの意味段落
に分ける。
正しく読むことが
○5つの意味段落に分け,小見
出しを付けている。【読む】
○5つの意味段落の小見出し
○第1段落を
できる。
読み,不思議
だと思う言
を考える。
葉に線を引
いてくる。
1
○第1段落を読み,ヤドカリが
いくつものイソギンチャク
○筆者の疑問について読み取
っている。【読む】
○第2段落を
【3 年 1 月】
音読し,不思
「もうどう犬の訓
を貝がらにつけて歩き回っ
議だと思う
練」
ていることを読み取る。
言葉に線を
○どのようなことが
○要点をまとめて,筆者が感じ
引いてくる。
た問題を読み取る。
書かれているの
か,段落の内容に
気をつけて読む。
1
○問い1「なぜヤドカリは,い
○2 回の実験の方法と結果を比
○第3段落を
くつものイソギンチャクを
較して,イソギンチャクの役
音読し,不思
本
貝がらに付けているのか」に
割を考えている。【読む】
議だと思う
時
ついて読み取る。
言葉に引い
てくる。
○2回の実験とその結果から,
イソギンチャクの果たす役
割を考える。
1
○問い2「ヤドカリは,石につ
いたイソギンチャクをどう
○ヤドカリの行動を順序通り
に読み取っている。【読む】
○第4段落を
音読し,不思
やって自分の貝がらに移す
議だと思う
のか」について読み取る。
言葉に引い
○要点をまとめて,第3段落を
てくる。
正しく読み取る。
1
○問い3「イソギンチャクは, ○ヤドカリの貝がらに付いた
○第5段落を
ヤドカリの貝がらに付くこ
場合のイソギンチャクの利
音読し,不思
とで,何か利益があるのか」
益について読み取っている。
議だと思う
について考える。
【読む】
○要点をまとめて,第4段落を
言葉に線を
引いてくる。
正しく読み取る。
1
○第5段落を読み,要点をまと
める。
○ヤドカリとイソギンチャク
がともに助け合って生きて
○これまでの学習をもとにし
いることを読み取っている。
て,ヤドカリとイソギンチャク
【読む】
○全文を音読
する。
の関係を読み取る。
1
○5つの意味段落のつながり
について考える。
○感想を書き発表する。
○意味段落相互のつながりに
ついて理解している。
【読む】
○学習したことをもとに,自分
の感想を文章にまとめてい
○生き物や自
然について
書かれた本
を探す。
る。【書く】
第
2
○生き物や自然について書か
3
れた本を探して読む。
次
○生き物や自然について書か
れた本に興味をもち,積極的
○読んだ本の
感想を書く。
に読もうとしている。【関・
意・態】
5
本時の指導
(1)目標
第2段落から,ヤドカリがイソギンチャクを貝がらに付けている理由を読み取る。
(2)指導にあたって
【視点との関連】
視点1:言語活動の構成の工夫
①
文中のキーワードに着目させ,段落相互の関係をとらえさせる。
②
イソギンチャクを付けている理由が分かる言葉を見つけさせることで,ヤドカリが敵から
身を守る仕組みについて読み取る手がかりとする。
視点3:授業形態の工夫
①
話合いはペアやグループで行い,自分の考えに根拠をもって発表できるようにする。
(3)準備物
・教師
ヤドカリとイソギンチャクやタコの写真
・児童
教科書,ノート
(4)学習過程
段
学習活動と予想される反応
○指導及び教師のかかわり
階
視点
評価
1
本時の学習課題をつかむ。
(1)③段落を読み,
「このこと」をさす
○③段落「このこと」に着目させることで,前時
の学習内容を想起させ,課題を設定していく。
言葉を考える。
ここでは前時の課題(登米っ子学習)
「不思議に
導
・ヤドカリのこと。
思った言葉に線を引きましょう」を活用し,興
入
・イソギンチャクとヤドカリのこと。
味・関心を高めさせるとともに,「次のような」
5
・ヤドカリがいくつものイソギンチャク
の言葉を押さえることで,それを解決するため
分
を貝がらに付けていること。
の実験をしていることをおさえていく。
(2)学習課題をとらえる
なぜ,ヤドカリは,いくつものイソギンチャクを貝がらに付けているのだろうか。
2
本 時 の 学 習 部 分 を 音 読 す る 。 ○本時学習部分を音読させ,本時の課題について
(P37,L.4~P38,L.10)
③段落(P37 ,L.4)から⑤段落(P38,
3
L.3)までを読み取る。
考えさせたり聞いたりさせる。
○「次に」に着目させ,比較実験を行うなど,2
つの実験を行っていることをとらえさせる。
(1)実験内容を読み取る。
(視点1-①)
(2)イソギンチャクを付けていないヤ
ドカリの実験から,タコの性質を
○「大好物」
「かみくだいて」から,ヤドカリにと
ってタコは敵であることをとらえさせる。
読み取る。
展
(3)イソギンチャクを付けているヤド
○「ふれそうになると」「あわてて」「後ずさり」
カリに対するタコの行動を読み取
「逃げ回ったり」から,前述のイソギンチャク
る。
を付けていないヤドカリに対するタコの動きと
の違いを読み取る。
開
4
イソギンチャクを付けている理由を
読み取る。
分
35
(1)その理由が分かる言葉を探す。
(視点1-②)
子どもが選ぶと予想される言葉
・針が飛び出す
・えさにする
・敵から身を守る
(2)いくつものイソギンチャクを貝
がらに付けているのか考える。
5
本時学習部分を音読する。
○イソギンチャクを付けている理由が分かる言葉
を見付ける活動を取り入れ,ヤドカリが敵から
身を守る仕組みについて読み取る手がかりとす
る。なお,ここでは「書く活動」→「ペアやグ
ループでの話合い」を構成する。(視点3)
評価規準B
○ 2 回の実験の方法と結果を比較して,
イソギンチャクの役割を考え,答えを読
み取ることができる。【読む】
(評価方法:発言・ノート)
Cへの手立て
分からないときは友だちの考えを参考に
していいことを助言する。
○本時の学習を振り返りながら音読させる。
終
6今日の学習をまとめる。
○学習感想を書き,発表させる。
末
7登米っ子学習課題を出し,次時への学
○第3段落を音読し,不思議だと思う言葉に線を
5
分
習意欲を高める。
引いてくる。
〈本時
板書〉
〈授業の様子〉
〈児童のノート〉
〈児童のノート〉