東北サークルの仲間から… その2

2012年2月
臨時号
全国養護教諭サークル協議会事務局
〒156-0061
全養サだより
東京都世田谷区北鳥山 3-13-22-504
舟見 久子
℡ 03-3308-6018
東日本大震災からまもなく1年になります。先日、被災地の若者が「あの日は思い出になるものでは
ない。できれば思い出したくない。しかしそれでは前に進まない。でも、あの日から私たちは時が止ま
っているんです……」と話していました。その言葉に胸が痛みました。
少しでも被災されたサークルの仲間の思いを共有したい、現在の状況から我々にできることは何か考
えますが、本当は被災された方々は現在の思いを言葉にすることはまだまだつらいことかもしれません。
そのようななか、今回、近況を報告してくださった東北サークルの仲間に感謝をし全国に発信させてい
ただくことにしました。
東北サークルの仲間から…
その2
サークルのメンバーは仙台市18名、仙台市外3名ですが、津波の被害を受けた学校はありませんで
した。自宅が流されてしまった人や学校が地震の被害で使えなくなり隣の学校で生活している人、隣の
学校の児童を受け入れている人など今までの生活と違っているところはたくさんあります。
サークルの活動としては5月になんとか例会を開き、それぞれに震災のときのことを語り合いました。
共感できる仲間、所属感が持てるサークルがあったことが弱っていた自分たちを勇気づけてくれました。
6月からは宮城の被害の大きかった地域のサークル員へ支援していこうと考え「いちごの会支援計画」
がスタートしました。まずは気仙沼のサークル員を訪問、支援基金を集めたり、タオル、ぬいぐるみな
どを持ち寄り、被災した県内のサークル員6名へ届けました。10月には元サークル員の石巻市北上の
被災地を訪問、そして11月には石巻のサークル“とっとこくらぶ”約10名へ支援の気持ちを送りま
した。
まもなく1年になろうとしています。寒い季節になると3月11日のことが思い出されます。3月の
例会では、また震災のことを振り返ってみようと思っています。
仙台はやはり今までとは違う1年だったと感じています。津波の被害があった学校は1年間、近くの
学校での狭い空間での不自由な生活が続き、来年度もこのまま学校再建がないという結論が出されて力
を落としています。校舎が破損して使えなくなっていた学校には、とても不便な生活をどうにか乗り越
え、11月頃にようやくプレハブ校舎が完成しました。とりあえず自分の学校に戻ってきたといったと
ころです。
また被災地からの転入生がかなりの数であらゆる学校へ来ています。震災で体験したことが違いすぎ
て温度差が大きく、なじめなかったり苦しんでいる子どもたちも多く、ケアが必要だと考えています。
被害が大きくなく、まったく変わりない生活をしているようにみえる子どもたちのなかでも、いまだに
「ひとりでトイレに行けない」「ひとりで眠れない」「なかなか寝つけない」などという不安を抱えてい
る場合もあります。
放射能による食品も心配で、給食の食材、牛乳、飲料水などへの不安が大きい人とまったく気にしな
い人と分かれています。私たちは答えが見えない不安がいろいろなところにあって、どこからどのよう
に対応していったらよいのか、なかなかわからず悩みながら日々を過ごしています。
宮城
いちごの会
高橋芳子さん
今回、全国からたくさんの義援金をいただきましてありがとうございます。何だか申し訳ない気持ち
でいっぱいです。サークルで出版している本や機関誌「保健室」の購入に充てようかとサークルで話し
あっていたところです。とにかく全養サの皆さんの善意が伝わってきて本当にありがたかったです。
サークルの様子ですが、若い先生方に声をかけて集まる機会を増やしています。昨年は震災後2ヶ月
に一回くらい集まって、それぞれの不安や悩み、抱えている状況等を話し合いました。最近は、平日の
夜の方が集まりやすいとのことで、夕食会を兼ねて集まっています。今のところ、メンバーは8人くら
いですが、だいたい6人ほどは参加しています。昨年秋に、原発の20キロ圏内に住んでいたため、相
馬市に避難された養護教諭の方に声をかけ、サークルに参加していただきました。経験豊富で、しかも
心理面で様々な自主研修を受けておられる方なので、若い先生方にとっても力強い学びの場になってい
ます。南相馬市の学校も少しずつ元の校舎に戻って学習できるようになってきています。
組合の活動ですが、2月4日(土)
、5日(日)には藤田和也先生が相馬にいらして、震災後のこの地
域の養護教諭の状況を話し合うという会が催されますので、私も参加していろいろ伺ってこようと思っ
ています。
忙しい毎日ではありますが、福島の子どもたちのためにできることを模索し過ごしています。
福島 浜っ子
菊池幸枝さん
「浜っ子」菊池幸枝さんと「語らいの会」猪俣二美枝さんは3月24・25日(土・日)に東北福祉
大学(仙台市)で開催されます「第9回日本教育保健学会」の「福島における原発問題と子どもたちの
心身の問題を考える」で現状を報告されることになっています。
本の紹介
「3.11
あの日のこと、あの日からのこと
震災体験から宮城の子ども・学校を語る」
みやぎ教育文化研究センター
日本臨床教育学会震災調査準備チーム 編
かもがわ出版
「子どもの命は守られたのか
東日本大震災と学校防災の教訓」
数見隆生 編著
かもがわ出版
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