リスクマネジメント

リスクマネジメント
基本的な考え方
従業員への周知徹底
アイシンは、企業経営に重大な影響をおよ
企業としての基本姿勢や従業員としての行動
ぼすさまざまなリスクに対し、その顕在化の
指針に加え、いざという時の実践要領をまとめ
未然防止に努めるとともに、万一顕在化した
た
「危機管理ガイド」
を制定し、年間の実務活動
場合の被害最小化や迅速な復旧対応を図る
や階層別研修を通じて、従業員への周知徹底を
ことを経営の重要課題のひとつと考え、危機に
図っています。
強い企業づくりを目指しています。
また、グループ連携体制のもと、リスクマネジ
メント体制の強化やリスク対応力の向上に努め
ています。
事業継続計画
(BCP=Business Continuity Plan)
自然災害や事故などの緊急時においても、
重要な事業の継続を図ることは、企業経営に
体制
とって不可欠です。
リスク管理・推進体制としては、アイシン精機
アイシンは、
「東海地震」
などの大規模地震
副社長を委員長に
「危機管理委員会」
を設置し、
を想定した震災対応BCPの作成を急務の課題
全社重要リスクの対策進捗状況のモニタリング
とし、従業員の安全確保、建屋・設備の資産
や、次年度に対応を強化すべきリスクの検討、
保全、さらに早期生産復旧に向けた行動計画
各リスク担当部門の実行状況の継続的なフォ
の策定に取り組んでいます。
ローなど、活動の推進や強化を図っています。
また、新型インフルエンザの大流行など、
また、これらの実務活動を全社的に効率よく
事業を中断する危険性の高い他のリスクに対
推進するために、専任部署として
「コーポレート・
しても、人命尊重を第一に、社会的責任や地域
リスクマネジメント室」
を設置し、平時・有時の
への影響に十分配慮し、対策やBCPづくりを
対応力強化に努めています。
進めています。
新任社外監査役メッセージ
「法令順守」
「公正性・透明性の確保」
「説明責任の全う」
を重視して監査にあたります。
私は名古屋大学において商法の研究者として会社法を中心
いる、という問題が従来からよく指摘されています。そこで
に研究しておりますが、このたびアイシン精機の社外監査役
私は、監査にあたって、当然ではありますが商法研究者と
に就任いたしました。株式会社を規律しているさまざまな
して法令順守を重視するとともに、社外の目から
「取締役会に
ル ー ル の な か で 基 本となるも の は、2005年 に成 立し、
おいて議論が尽くされているか」
「手続きの公正性・透明性
2006年に施行された会社法です。この法律は、立案担当
が保たれているか」
「説明責任が果たされているか」
などの点
者が標榜する通り、
「柔軟・中立」
であることをその特徴とし、
にも着目して取り組んでいきたいと思っています。
同法のもとでは、従来に比して会社が自由になしうる行為の
領域が格段に増大しています。ただ、当然ながらそのような
自由を享受するにあたっては、行為の際の手続きの公正性・
透明性を確保するとともに、行為の理由について株主および
小林 量
また、これらの問題とも関連しますが、本来経営の重要問題
名古屋大学法学研究科教授
2009年度、新たに
社外監査役に就任
について議論を尽くすべき取締役会の形骸化が一般化して
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監査役
社会に説明責任を果たすことが求められます。