米国研究入門 IID 第 6 回: 年 担当教員:黒﨑 真 月 日 トピック:アメリカン・インディアンと映画表象 I 「人種」という眼差しはどこから来ているのか II アメリカにおける「人種」の創出( 「包摂/排除」) 1 「白人」共和国の創出 ・1600 年代 各植民地は異人種混交禁止法(anti-miscegenation laws)を定める ・1790 年 帰化法(帰化できるのは「自由白人」のみ) ・1868 年 合衆国憲法修正第 14 条(黒人に市民権) →その後、南部は法的人種隔離制度、北部は実質的人種差別。黒人の完全な市民権獲得は、1964 年公民権法 ・1882 年 中国人排斥法(Chinese Exclusion Act) ・1924 年 移民法(別名「排日移民法」。日本人は「帰化不能外国人」とされた) インディアン市民権法(先住民に市民権付与) ・1952 年 マッカラン=ウォルター法(帰化条件から「白人種のみ」が削除) ・1965 年 移民法(国別の移民割当て制度を廃止、移民流入の大幅な自由化) ・1967 年 連邦最高裁が異人種間結婚の禁止は違憲であると判決 2 「白人」というアイデンティティ構築プロセス (1)“not …”として構築されていく=othering (2)othering とは ・process by which one culture defines itself against another, often by ascribing undesirable traits (shared by all humans) to a specific cultural group. (3)アメリカ先住民に対するステレオタイプ ・bloodthirsty savage:stereotype of an aggressive, violent Native American always ready to attack white settlers. ・noble savage:stereotype of Native Americans as childlike and primitive, but imbued with purer and more “natural” instincts. III Culture and Cultural Studies 1 cultural studies とは ・culture と ideology とは密接に結びついているとの前提から、両者の結びつきを様々な方法で分 析していく The bulk of this book will examine historically how one branch of this mass media, the American cinema, has worked to exemplify and reinforce (and more rarely challenge) the hegemonic domination of white patriarchal capitalism (Benshoff,13.) As we shall see throughout this book, the overtly racist and sexist images that were found in many films from previous decades are - in many cases – no longer considered acceptable in the twenty-first century. Nonetheless, white patriarchal capitalism maintains its hegemonic dominance, in both American film and culture-at-large.(Benshoff, 17.) 2 encoding と decoding[Benshoff, 16.] 3 text に対する decoding の三様態 (1) dominant readings (2)oppositional readings (3)negotiated readings IV 先住民関連の映画と映画分析のポイント 1 先住民関連の映画 ・ 『駅馬車』 (Stagecoach, 1939) ・ 『折れた矢』 (Broken Arrow, 1950) ・ 『許されざる者』 (The Unforgiven, 1959) ・ 『小さな巨人』 (Little Big Man, 1970) ・ 『ダンス・ウィズ・ウルブズ』 (Dance With Wolves, 1990) ・ 『ラスト・オブ・モヒカン』 (The Last of Mohicans, 1992) ・ 『サンダーハート』 (Thunderheart, 1992) ・ 『ジェロニモ』 (Geronimo, 1993) ・ 『ポカホンタス』 (Pocahontas, 1995) ・ 『ブレイブ』 (The Brave, 1997) ・ 『スモーク・シグナルズ』 (Smoke Signals, 1998) ・ 『ウィンドトーカーズ』 (Windtalkers, 2002) ・ 『ニュー・ワールド』 (The New World, 2005) 2 映画分析のポイント (1) 1960 年代の「インディアン復権運動」以前と以後とでは、先住民の表象にどんな変化がみら れるか (2) 現在においても、白人(特に白人男性)の優位性は、どのような形(微妙な形)で維持され ているか (3) 現在の先住民を扱う映画の欠如は、アメリカ社会における先住民の地位について、何を物語 っているか V 参考文献 川島浩平ほか編『地図でよむアメリカ―歴史と現在』雄山閣出版、1999 年。 フィリップ・ジャカン、富田虎男[監修]『アメリカ・インディアン―奪われた大地』創元社、 1992 年。 Harry M. Benshoff and Sean Griffin, American on Film: Representing Race, Class, Gender, and Sexuality at the Movies. Blackwell Publishing, 2004.
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