実践のまとめ(第3学年 英語) 上越市立名立中学校 1 教諭 石野 佑紀枝 研究テーマ 自分の思いや考えを生き生きと話すことができる生徒の育成 ~ペア活動・グループ活動での学び合いを通して~ 2 研究テーマについて (1)テーマ設定の意図 学習指導要領では、外国語科の目標を踏まえ、英語の目標を4領域に分けて示している。その中の一つ に「 (2)初歩的な英語を用いて自分の考えなどを話すことができるようにする。」という、「話すこと」 に関する目標がある。当該学級では、学力差はあるが、どの生徒も英語を分かりたい、話せるようになり たいという意欲が高い。また、ALTに積極的に話しかける生徒が多いが、語彙が少なく、既習の文法事 項も定着していないため、なかなかうまく表現できずに挫折することもある。これまでは「話すこと」の 領域については、学力を考慮し、教科書の対話文や自作のスキットを暗記して発表することを中心に行な ってきたが、覚えたことをそのまま話すだけでは、会話とは言えない。覚えたことを、自分自身を表現す るために変化させ、実際の会話の中で使うことができるようにし、 「ALTと会話ができるようになりた い」という生徒の思いを実現させたい。また、 「話すこと」は、目の前の人の表情を見ながら行なうため、 相手が自分の英語を理解してくれたかどうかをその場で知ることができる。クラスメートやALTとの対 話の中で、初歩的な英語を用いて自分の考えを話し、それが通じる喜びを味わわせ、より一層の意欲向上 を目指したいと思い、 「話すこと」に焦点をあてることにした。 語彙や文法がしっかり定着していることは、発展的な活動に不可欠であるが、英語に苦手意識をもつ生 徒は、なかなか自分自身で語彙や文法の復習に取り組もうとはしない。一方、スキットづくりなどのペア 活動やグループ活動では積極的に質問し、英文を考えようと熱心に取り組む姿が見られる。そこで、語彙 や既習事項の復習など、基礎・基本の定着においてもペアやグループ活動を用いて行えば、生徒が意欲的 に楽しく基礎・基本を習得し、発展的な活動につなぐことができるのではないかと考えた。 (2)研究テーマに迫るために ①帯活動で基礎・基本の定着 授業の帯活動として1年時の学習内容をスパイラルに復習していく。1年時の教科書の本文や Basic Dialog を用いて、文法事項の確認や基本文の和訳、ディクテーションなどを問題形式で行なう。また、 1年時の本文は短く、覚えやすい。対話形式が多いのでペアで繰り返し読んだり暗唱したりすることで、 英語の文のリズムも身に付けさせたい。 ②「自分辞書」の作成 今回の単元の最終目標は ALT とインタビュー活動をすることである。それまでに様々な疑問文やそれ に対する応答の練習を行なうが、その中で必要な語彙をすべて身に付けていくことは難しいと考える。そ こで、インタビューの練習の中で自分にとって必要な語彙を書き留め、蓄積していき、インタビューテス トの際に活用する。 -1- ③ペア活動・グループ活動など、学習形態の工夫 英語の学習に自信がなく、普段はあまり積極的に取り組めない生徒も、ペアやグループでの活動では、 「教えてもらえる」 「相手に迷惑をかけられない」などという思いから一生懸命に取り組んできた。基礎・ 基本の定着に向けた帯活動では、互いに問題を出し合う、一緒に音読をする、英作文では互いの英文を点 検し合う、インタビューし合うなど、様々な場面でペアやグループといった学習形態を工夫することで、 意欲的に取り組む姿を期待したい。 ④学習期間の確保 暗唱ではなく、その場で質疑応答するインタビューテストは初めての経験である。生徒それぞれが考え た問題を互いにインタビューし合うことで、様々な質問に触れ、その応答のパターンや語彙を増やすこと ができる。より自信をもってインタビューテストに臨めるよう、その練習の期間をしっかりと確保したい。 (3)研究テーマにかかわる評価 次の3つの観点から評価を行なう。 ①話す力についての評価 ALTとのインタビューテストで80%以上得点した生徒が75%以上となる。 (ALTによるインタビューテスト) ②学習形態の工夫についての評価 ALTやクラスメートとのインタビュー活動に意欲的に取り組めたと感じる生徒が80%以上となる。 (生徒のアンケート・授業の見取り) ③4つの手立ての効果についての評価 4つの手立てがそれぞれ、インタビューテストに自信をもって臨めるために効果があったと感じる生徒 が80%以上となる。 3 (生徒のアンケート) 単元と指導計画 (1)単元名 「ALT のジェシカ先生とインタビューをしよう」 (My Project 7 有名人にインタビューをしよう Sunshine English Course 3) (2)単元の目標 ・有名人へのインタビューを読み、その内容を理解することができる。 ・自分が質問したい内容を、適切な表現を用いて書いたり話したりすることができる。 ・相手の質問を理解し、適切な表現を用いて答えることができる。 ・間違いを恐れずに、積極的にインタビュー活動に取り組む。 -2- (3)単元の評価規準と判定基準 コミュニケーションへの関心・意欲・態度 表現の能力 理解の能力 ・間違いを恐れずに、積極 ・自分が聞きたい内容を適 評 価 規 準 言語や文化についての知識・理解 ・有名人へのインタビ 的にインタビュー活動に 切な表現を用いて書く ューについて、正しく 参加する。 ことができる。 読 み取るこ とができ ・質問に対し、適切に応答 る。 することができる。 ・インタビュー活動の際、 判 定 基 準 CAN-DO リスト参照 CAN-DO リスト参照 時間内に3問以上の質問 ができれば A、2問以下は B 「CAN-DO リスト」 技能 Speaking(Spoken Interaction) Writing Reading Descriptor 「自分辞書」を用いて、ALT に3 自分が質問したい内容を、既習事 有名人について、なじみのある構 文以上質問することができる。ま 項を用いて3文以上書くことが 成、内容、英語で書かれてあれば、 た、ALT の質問に適切に応答する できる。 その概要を理解することができ ことができる。 る。 評価 ALT とのインタビューテスト 場面 判定基準 A 質問文作成 教科書の読み取り Speaking(Spoken Interaction) Writing Reading ・ALT に正しく質問することがで 文法などの誤りもなく、質問を3 教科書の本文に関する問題に 文以上書くことができた。 80%以上正解することができ きた。 ・ALT からの質問に適切に答える た。 ことができた。 B ・文法などに間違いはあるが、 文法などの誤りはあるが、質問を ALT に質問の内容が伝わった。 3文以上書くことができた。 上記の60%以上の割合で正解 する。 ・ALT からの質問に、間違えはあ るが答えることができた。 (4)単元の指導計画と評価計画(全5時間、本時4/5時間) 時 学習内容 ・ガイダンス 学習活動 主な評価規準と方法 ・単元の目標や評価について知り、学習 に見通しをもつ。 1 次 2 時 間 ・アグネス・チャンさん へのインタビュー記事 ・インタビュー記事を読み、教科書にあ る設問に答える。 理インタビュー記事の内容を読み取 ることができる。 【観察・記述】 の内容理解 ・イチロー選手へのイン タビューの内容理解 ・インタビュー記事を読み、教科書にあ る設問に答える。 理インタビュー記事の内容を読み取 ることができる。 【観察・記述】 ・どのような内容を、どのような形で質 問しているかを確認する。 -3- ・質問の作成 ・ジェシカ先生とインタビューするため の質問を考える。 2 次 2 時 間 ( 本 時 2 / 2 ) 表自分が聞きたいことを適切な表現 を用いて書くことができる。 ・ペアで質問を共有し、英文の間違いを 【ワークシート】 直す。 ・自分ならばどう答えるかを考え、必要 な語彙を調べる。 ・インタビューの練習、 ・Listening1 のインタビューをふり返 修正 り、インタビューの形式を確認する。 ・グループ内でインタビューし合い、英 文のミスや聞き方について指摘し合 う。 関相手の質問を聞き取り、 理解しよう としている。【観察】 表相手の質問に適切に答えることが できる。 3 次 ・インタビュー活動 ・数名のクラスメートとインタビューを する。 している。 【観察】 ・答えられなかった質問について、答え 1 時 間 方や単語を調べる。 表相手の質問に対して、 正しい応答で 自分について表現できる。 【観察】 ・インタビューテスト 4 次 ・ALT のジェシカ先生と1対1でインタ ビューテストを行なう。 表相手の質問に対して、 正しい応答で 自分について表現できる。 【インタビューテスト】 関ミスを恐れることなく、 積極的にイ 1 時 間 4 関積極的にインタビュー活動に参加 ンタビューに参加している。 【インタビューテスト】 単元と生徒 (1)単元について この単元では、有名人へのインタビューを題材に、1学期に学習した文法事項「現在完了」「It is ~ (for 人)to do」 「ask ( 人 ) to do…」を復習することを目的としている。有名人の1人目は「アグネス・チャン」 と、生徒にはあまりなじみのない人ではあるが、世界中の人のためにボランティアやチャリティに勤しむ姿 などを紹介し、興味をもたせたい。2人目はイチロー選手である。男子生徒のほとんどが野球部に所属して おり、英語に苦手意識をもつ生徒たちも、意欲的に取り組むであろう。イチロー選手の野球への一生懸命さ を読み取ることを通じて、英語の疑問文とその応答の形にも注目させたい。 教科書では、有名人のインタビューを読み取った後、自分たちの興味がある有名人について調べ、インタ ビューのスキットをペアで作成することになっているが、話題を広げてしまうことで、用いるべき文の形や 表現が定まらず、混乱するのではないかと考えた。そこで、本文に用いられている疑問文を参考にしながら、 インタビューの相手を ALT にして、ALT の単純なプロフィールをたずねたり、自分たちの好きなものや部 活動について答えたりする内容を中心とした、生徒に身近な話題についてインタビューを行なうことにした。 クラス内で話題を絞ることで、質問の文や答える際に必要な語彙も想像でき、「自分辞書」の作成や応答の 練習もしやすい状態を作りたい。そうすることで自信をもってインタビューに臨めると同時に、答えること が出来た時の相手の反応を見ることで、自分の表現が通じる喜びも味わわせたい。 -4- (2)生徒の実態 男子9名、女子13名、計22名の少人数学級である。女子は学力差はあるが、どの生徒も意欲的に学習 に参加している。男子は学力低位の生徒が多く、学習内容によって参加意欲も異なる。また、全体的に英 語力に自信がなく、英語に対する苦手意識が強い。 2年時から、教科書の Speaking を題材とした単元では、まとめとしてペアでオリジナルのスキットを作 り、暗唱してクラスの前で演じる「パフォーマンステスト」を行なってきた。学力低位の生徒も、ペアに 頼り切りにならず、アイディアを出したり辞書を引いたりすることで協力してきた。また、相手に迷惑を かけられないという思いもあり、一生懸命に暗唱し、発表する。 「パフォーマンステスト」は、学力低位の 生徒たちが一番意欲的に参加する活動である。しかし、この活動も1年以上続けてきたので、次のステッ プに進みたいと考えた。先日取ったアンケートの「あなたは今、英語を使ってどんなことができるように なりたいか」という質問に、 「ALT と話せるようになりたい」と答えた生徒が数名いた。ALT との授業が 大好きで、学力低位の生徒も通じる、通じないに関係なく話しかけようとするが、通じた方がより嬉しい のは当然である。じっくりと準備をすることで自信をもって対話に臨み、 「通じる喜び」を感じることによ って、生徒の学習意欲をより高められことを期待する。 5 本時の展開 (1)本時のねらい ・インタビュー活動で、相手の質問を聞き取り、理解しようとしている。 (関心・意欲・態度) ・相手に聞きたいことや伝えたいことを、話したり書いたりすることができる。(表現) (2)展開の構想 これまでの授業の中で、質問や応答の仕方を学習したり、自分なりの質問を考えたり、インタビューに向 けた基礎・基本の定着や英作文を行なってきた。また、その中で「自分辞書」を作成し、必要な語彙が少し ずつ蓄積されてきている。本時では、それらを実際に活用しながら、インタビューの練習を行なう。実際の インタビューテストを想定し、1回のインタビューは2分にする。練習は3~4人のグループで行い、イン タビューする側・される側のほかに、客観的にインタビューを見ている役割を立て、インタビューの内容を メモすることで、分からないことが出てきてもインタビューは止めずに、先に進む。練習後にはそのメモを 見ながら、練習の中で困ったことや分からなかったことを、グループで教え合うことで、「自分辞書」に新 しい語彙が蓄積されたり、応答のレパートリーを増やしたりできるようにする。 (3)展開 時間 (分) 15 学習活動 教師のはたらきかけ 予想される生徒の反応 □評価 ○支援 ◇留意点 ○あいさつ ○前時の復習プリント ・全体練習後、ペアで練習する。 の音読練習 ○Q and A ◇パターンを変えてくり返し、生徒 を飽きさせない。 ・ペアを交代しながら、1分間で何 問答えられるかに挑戦する。 -5- ◇テンポよく進め、より多くの相手 と取り組めるようにする。 25 ○今日の目標の確認 実際にインタビューの練習をして、語彙や応答のレパートリーを増やそう ○インタビュー練習 ・グループになり、練習の順番を決 める。 ○インタビュー練習の仕方を黒板に 示す。 ◇インタビュー練習の仕方 ①・インタビューする人 ・インタビューされる人(ジェシカ先生役) ・メモをする人 に役割分担し、2分間でインタビューを行なう。 ②インタビュー中に困ったこと、分からなかったことをみ 関相手の質問を聞き取り、理解しよ んなで相談し、 「自分辞書」に書き足す。 うとしている。 【観察】 ・役割を変えて、全員が練習を行な う。 表 相手に聞きたいことや伝えたい ことを話すことができる。 【観察】 ○練習中に困っているグループの支 援をする。 表 相手に聞きたいことや伝えたい ・全員の練習が終わったら、グルー プ練習内で改善された質問や新し ことを書くことができる。 【ワーク シート】 く加わった表現をワークシートに まとめる。 5 ○自己評価 ・インタビュー練習への取組やそこ での成果を振り返る。 (4)評価 ・インタビュー活動で、相手の質問を聞き取り、理解しようとしていたか。 (関心・意欲・態度) ・相手に聞きたいことや伝えたいことを、話したり書いたりすることができたか。(表現) 判定基準 A B Speaking( Spoken Interaction ) Writing 相手に聞きたいことや伝えたいことを6問中5 相手に聞きたいことや伝えたいことを適切に書 問以上伝えることができた。 くことができた。 相手に聞きたいことや伝えたいことを6問中3 相手に聞きたいことや伝えたいことを、間違えは 問以上伝えることができた。 あるが、書くことができた。 -6- 6 実践を振り返って (1)単元を通した生徒の様子 ①ウォームアップ 1学期の終わり頃から、1年時の教科書の本文や Basic Dialog を用いて文法事項や単語の復習をスター トさせた。しかし、質問してそれに答えるというインタビューの力には足りないと感じ、2学期に入ってか らは、1年生の教科書の巻末にある Q&A リストを活用し、帯活動でペアを変えながら2分間で質問し合う という活動を追加した。リストにある答えをそのまま言ってよいこととしていたが、インタビューテストが あることが分かると、リストの答えを自分のことに言い換える練習をし始める生徒も出てきた。 ②単元の導入 単元のスタートにあたり、単元のゴールとして ALT とインタビューテストを行なうこととその内容、そ こまでの授業の計画を生徒に伝えた。これまでは覚えたことを発表するパフォーマンステストしか行なって こなかったため、その場で考えて会話を継続・発展することに不安を抱く生徒も少なくなかったが、じっく りと準備をする時間を取ることを知り、頑張ろうという意欲も見られた。 ③インタビューテストの準備 教科書の学習を終えた後、ALT のジェシカ先生がみんなについて知りたいことを質問するので、その質 問を予想し、答え方のレパートリーや、そのために必要な語彙を増やそうという活動を行なったが、なかな か予想を広げられずに苦戦する姿が見られた。その解消に向け、ジェシカ先生から生徒に向けたメッセージ (知りたいこと等)を示し、質問のテーマを絞った。それにより、上位の生徒はより多くの質問を考え、低 位の生徒も Q&A リストから質問を書き出したりして、それに対する自分なりの答えを自主的に考えたりす る姿が見られるようになった。また、どうしても自分で考えられない生徒には、グループ内で質問を共有し てもよいこととした。それにより、どの生徒も答え方の練習をしたり、「自分辞書」に単語を増やしたりす ることができていた。 ④準備期間中の学びの振り返り 日頃から授業に対して前向きな感想が多い生徒たちでは あるが、インタビューテストでは、初めてのことということ もあって、不安の声もたくさんあったが、その解消のために 頑張ろうとする、より前向きなコメントが多く見られた。 -7- ⑤インタビューテスト 実際のインタビューテストでは、ALT と別室で1対1でインタビューを行ったが、どの生徒も緊張した 表情ではあったが、一生懸命に ALT に自分の質問 を伝えていた。また、ALT の答えに対して相づち や聞き返しなどの反応をする生徒もいた。ALT か らの質問では、何とか聴き取ろうと ALT の目を見 て話を聞く姿勢や、文の形にならなくても、どうに か自分の答えを伝えようと頑張る姿が多く見られ た。力の差はあるが、決してあきらめずに頑張る姿 が多く見られ、インタビューテストの実施は生徒た ちに良い経験になったと感じられた。 【実際のインタビューテスト】 S…生徒、T…ALT S: Hello, Jessica sensei. How are you? T: I’m fine, thanks. S: I’m fine, too. Thank you. May I ask you some questions? T: Sure. S: What Japanese food did you have at first in Japan? T: I had soba at first. S: Oh! Was it delicious? T: No, it was not so delicious. S: What Japanese food do you like the best? T: I like “tonkotsu ramen. S: Really? Do you know how to make it? T: No, I think it’s very difficult. S: I want to eat the dishes made by you some day. T: What’s your favorite food? S: I love apples. T: Oh, you love apples. Why do you like apples? S: Umm….It’s delicious. T: I see. Who is your favorite singer? S: I like ARASHI. ARASHI is Japanese idol. T: OK. Thank you. That’s all. S: I’m happy to know about you. Thank you. Bye. How are you? 未習の文法であるが、 自ら伝えたいと思い調 べ、会話で使用した。 Have you ever made it? 会話の流れに沿って、 現在完了を使用した。 事前に想定していない ALT との 即興的なやりとり 事前の準備からとても一生懸命に取り組んでいた生徒のものである。前半の自分から質問する部分と最後 のあいさつは、あらかじめ準備していたものではあったが、伝えたいことを伝えることができていた。また、 相づちを打つなど、自然な会話のやりとりができていた。後半の ALT からの質問に答える部分でも、ALT の質問をきちんと聞き取り、質問にあった内容を答えることができていた。この生徒は、テスト後の感想で、 「自分の思いが相手に届くと本当に嬉しかったし、楽しかった。」と書いていた。このような会話ができる 生徒が増えるとよい。 ⑥インタビューテスト後の生徒の感想(○は肯定的な感想、●は課題を見出した感想) ○ペアやグループで練習したり、家で練習したりして、できるようになって、インタビューテストではしっ かり言えてよかった。 ○単語をたくさん調べて、自分辞書に書けたし、使えてよかった。 ○ジェシカ先生の話すことが聞き取れて、リスニングに自信が持てた。 -8- ○不安だったけど、しっかり答えられたからよかった。会話ができると嬉しいし、楽しい! ●自分がインタビューをしているときに、逆に質問されてあせってしまった。心構えが足りなかった。 ●自分からの質問はできたけど、ジェシカ先生の質問を聞き取って答えるところは、もっと練習が必要だと 思った。 ●なんとか終えることができたけど、日頃からジェシカ先生と話せるように、もっとしゃべらないとだめだ と思った。 それまでの努力が成果となったことで自信がついた生徒や、そこから課題を見出して次への意欲へとつな げる生徒など、前向きな感想がほとんどであった。 (2)研究テーマについて 研究テーマに関する評価結果は以下の通りである。 ①話す力についての評価 ALT とのインタビューテストで80%以上得点した生徒…68% ALT への質問が3問、ALT からの質問への応答が3問の計6問のインタビューテストであったが、ALT への質問はあらかじめ自分で考えてあり、自然な会話とは言えない。しかし、後半の ALT からの質問への 応答は、質問を予想し、語彙を用意してきてはいるものの、どれが質問されるかはその場に行かなければ分 からない。つまり、後半の部分こそが、自然な会話に近いのではないかと考える。その後半部分では、95% の生徒が4点以上を取ることができた。目標の75%には届かなかったが、詳しく対話の内容を見てみると、 今回の取組により話す力が少し向上したと考えることができる。 ②学習形態の工夫についての評価 ALT やクラスメートとのインタビュー活動に意欲的に取り組めたと感じる生徒…95% (はい…15人 まあまあ…6人 あんまり…0人 いいえ…1人) 〈アンケートの自由記述より〉 ・ペアの人に、分からないところを自分から積極的に質問できた。 ・教え合えたから、頑張れた。 ・ペアだけでなく、グループでしたから、何回もインタビューの 練習ができた。 ・ペアの人に相談もしたし、練習相手もたくさんしてもらった。 個人で準備や練習をするよりも、相談相手や練習相手がいることで 意欲的に取り組めたという意見がほとんどであった。 「いいえ」と答え た生徒も、自由記述には「せっかくペアで練習しても、全く答えられ なくて残念だった。 」とあった。授業中の様子などからも、ペアで行っ た結果、まだまだ学習が必要であることを自覚し、その後の練習に意 欲的に取り組む良いきっかけとなったことが伺えた生徒の一人である。 ③4つの手立ての効果についての評価 4つの手立てがそれぞれインタビューテストに自信をもって臨めるために効果があったと感じる生徒 A.帯活動で基礎・基本の定着…95% B.「自分辞書」の作成…77% C.ペア・グループなど、学習形態の工夫…95% -9- D.学習期間の確保…100% 帯活動については、Q&A の練習はそのままインタビューテストの練習となったし、ALT への質問や応答 を考えるにあたっても参考になった。一方、1年時の教科書の復習は、本文の内容がインタビューテストへ と直結しなかったこともあり、生徒たちにとっては、あまり効果がないように感じられたようだった。 「自分辞書」の作成は、それ自体 には一生懸命に取り組み、たくさん の語彙をリストに書いた生徒も多 く、インタビューテストに大変役立 ったという声が多かった。しかし、 中には「緊張して自分辞書を見るゆ とりがなかった」という生徒もいた。 学習期間の確保は、準備や練習に 時間をかけることで、少しずつ不安 が取り除かれたり、自信がついたり したという生徒が多かった。 (3)今後の課題 ①より自然な会話を目指すために インタビューのビデオを見て感じたのは、やはり全体的に力不足ということである。それぞれの生徒なり に精いっぱいの努力をしてインタビューテストに臨んだのだが、語彙が分からない、文で表現できない、ALT の質問が理解できないなど、ほんの数時間では解消することのできない大きな原因がたくさんあり、思うよ うに会話ができないようだった。生徒自身のアンケートにもあったように、日頃からたくさんの Input と Output が必要なのだと改めて感じた。 また、インタビューテストの際、無言で部屋に入っていき、椅子に座った途端に質問を始める生徒も少な くなかった。あらかじめ、インタビューの流れと評価項目を示し、基本的なインタビューのストラテジーの 確認も行なったが、これについても日頃から使う場を設け、繰り返し使いながら身に付けていけるよう、工 夫していきたい。 ②語彙力の育成 こういった発展的な活動に限らず、日常の授業の中でも知らない単語や忘れている単語に出会うことは多 いが、調べずに答えを待ったり、友だちに聞いて終わったりしている姿が多かった。しかし、「自分辞書」 を作成することで、分からない単語を放っておかず、自分で調べて書き留めることができるようになった。 インタビューテスト終了後も、シートを2枚目3枚目と増やしている生徒もいる。今後も生徒に「自分辞書」 への蓄積を指導し続けたい。 また、中学校の教科書で学習する単語の中には、一度しか目にしない単語もあり、その時は覚えたとして も、そのまま見ることがなくて忘れてしまうこともよくある。今回の活動中も、多くの生徒が既習語句を調 べ直していた。せっかく覚えた語句を忘れさせないための工夫を日々の授業の中に加えていきたい。 ③課題やゴールの提示 最初の授業で、この単元の目標と評価についてガイダンスを行なったが、「最初から覚えてあるものを発 表するのではなく、その場で対話ができるようになってほしい」ということと、 「最後には ALT の先生と1 - 10 - 対1でインタビューテストをする」ということについて、口頭で説明をするだけで終わらせてしまった。そ の後、ALT と相談したり、生徒の様子を見ている中で、インタビューテストの内容を変更したり、ストラテ ジーの確認を追加したりと、少しずつ最初の計画から変わっていく部分が出てきてしまい、生徒を混乱させ てしまうこともあった。先を見通したり、生徒の実態をじっくり考えたりして、変更する必要のない計画を 立てるべきであった。また、生徒のより確実な理解につなげるため、ガイダンスでは目標・評価・流れがす べて分かるようなプリントを用意していきたい。 ④教え合いへの支援 これまでの取組同様、今回の単元でも、ペアやグループでの活動ではお互いに積極的にかかわり合い、良 い雰囲気の中で学習が進められた。その生徒たちの教え合いの効果をさらに高めるために、2つの支援がで きるのではないかと考える。 グループでのインタビュー練習の際、4人のうちの2人が対話をし、残りの2人がその対話を見ながら、 アドバイスを考える活動を行った。しかし、英語に自信のある生徒はアドバイスをすることができていたが、 自信がない生徒はほとんどアドバイスができずに終わってしまっていた。また、何をアドバイスしたよいの か分からない生徒も見られた。英語の文法や語彙のミスなどに加え、インタビュー中の姿勢や話し方など、 英語に自信がない生徒でもアドバイスができるような内容も含めて、アドバイスの視点を与えることができ るとよかった。 同じく、グループでのインタビュー練習において、4人全員が対話を経験できるよう、インタビューを4 回続けて行なったが、同じグループ内での活動だったため、教え合いの視点も変わることがなかった。他の 班ではどんな視点で教え合っているのかを共有したり、教師の方で、良い視点を全体に紹介したりするなど の支援ができるともっと色々な視点を取り入れることができたと考える。 - 11 - Sunshine3 Step1 My Project7 Date: ( Interview with Jessica Sensei Name( ジェシカ先生にたずねる質問文を考えよう 1 2 3 4 5 Step2 ジェシカ先生からたずねられる質問文を考えよう Q 1 A Q 2 A Q 3 A Q 4 A Q 5 A Q 6 A Q 7 A Q 8 A - 12 - / ) ) Step3 ジェシカ先生からの質問に答える文を考えよう ☆さらに質問と応答文のレパートリーを増やしていこう Q 1 A Q 2 A Q 3 A Q 4 A Q 5 A Q 6 A Q 7 A Q 8 A Q 9 A Q 10 A - 13 - Sunshine 3 My Project 7 Interview with Jessica Sensei Name( J: Jessica sensei Greeting S: J: S: ) S: student Natural greeting ------2 few words --------------1 no words----------------0 ( Ask to Jessica sensei) the questions the question is correct------------2 S: the question is not correct but makes sense-----1 the question doesn’t make sense/ can’t say anything--------0 are linking ----- +2 J: the question is correct------------2 S: the question is not correct but makes sense-----1 the question doesn’t make sense/ can’t say anything--------0 the question is correct------------2 the question is not correct but makes sense-----1 the question doesn’t make sense/ can’t say anything--------0 Body J: ( Answer to Jessica Sensei ) the answer is correct-------------2 J: the answer is not correct but makes sense -----1 the answer doesn’t make sense/ can’t say anything--------0 S: the answer is correct-------------2 J: the answer is not correct but makes sense -----1 the answer doesn’t make sense/ can’t say anything--------0 S: the answer is correct-------------2 J: the answer is not correct but makes sense -----1 the answer doesn’t make sense/ can’t say anything--------0 S: Ending J: S: J’s answer -----+2 J: S: responses to Natural greeting ------2 few words --------------1 no words----------------0 J: - 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