箱崎地区熱供給センターにおける再生可能エネルギー“熱”利用の取組み

箱崎地区熱供給センターにおける再生可能エネルギー“熱”利用の取組み
隅田川花火大会で親しまれる隅田川のほとりで進む再生可能エネルギー利用
今年も 7 月 25 日に開催される隅田川花火大会。約 95 万人が花火に興じる隅田川の堤防
の下に取水口や水中ポンプを設け、隅田川の水を利用しています。
日本初 河川の再生可能エネルギー“熱”を活用し約3割の省エネルギーを実現
オフィスや高層住宅などへ地域冷暖房を行う箱崎地区熱供給センター。ここではヒートポン
プの熱源として、日本で初めて河川水を利用するシステムを実現。再生可能エネルギー“熱”
である河川水の温度差エネルギーを活用し、従来システム(個別熱源)に比べ約 3 割の省エネ
ルギーを実現しています。
再生可能エネルギーには、太陽光発電などの再生可能エネルギー電気と並び、河川熱や
太陽熱、地中熱などの再生可能エネルギー“熱”などがあります。
環境政策で先行するEUで進む再生可能エネルギー“熱”利用
2020 年までに再生可能エネルギー20%導入を義務化しているEU。EUの計画では、2020
年における再生可能エネルギー利用量のうち、“熱”分野が全体の 46%を占めて最も大きく、
次いで電力が 42%、運輸燃料 13%となっています。
一方、日本では、2012 年 7 月に「再生可能エネルギー固定価格買取制度」がスタートしまし
たが、その対象は電力のみとなっています。
リニューアルにより、さらなる高効率化を実現
2012~2014 年 12 月にセンタープラントのリニューアル工事を実施。最新鋭の高効率ヒート
ポンプの導入などにより、2015 年 1~3 月のセンタープラントの一次エネルギー換算COPは
1.17 となり、リニューアル前と比べ 15%向上しました。
セミナー当日は隅田川堤防のハッチを開けて取水設備の一部をご見学
普段は人々が散歩やジョギング等を楽しむ隅田川テラス。本セミナーでは、メンテナンスや
工事以外では開けることのない隅田川テラスに設けたハッチ(マンホール)を特別に開けて、
取水設備の配管等を上部からご覧いただきます(雨天の場合は、ハッチの開閉は中止します)。
その他、リニューアルしました河川水利用ヒートポンプ等、機械室内をご見学いただきます。
【施設概要】
○ 所在地:東京都中央区日本橋箱崎町 19-21
○ 供給延床面積:284,000 ㎡
○ 供給開始:1989 年
設備更新:2014 年
【設備概要】
○ ターボ冷凍機
1,600USRT×1 基、330USRT×1 基
○ ヒートポンプ(熱回収型) 1,106USRT×2 台、400USRT×1 台、300USRT×1 台、
230USRT×1 台、84USRT×2 台
○ 給湯用ヒートポンプ
230MJ/h×2 台、180MJ/h×2 台
○ 蓄熱槽 冷温水槽: 1,770 ㎥、1,700 ㎥、1,400 ㎥、285 ㎥
冷 水 槽: 1,500 ㎥、950 ㎥
温 水 槽: 1,300 ㎥、560 ㎥
貯 湯 槽: 4 ㎥×3、5.7 ㎥×2
※下線表記:センタープラント設備
以 上