平成 26 年度予算編成大綱 平成 25 年 12 月 13 日 自 由 民 主 党 公 明 党 目次 □ 基本的な考え方 …………02 1 .復興を加速します。 …………04 2 .経済再生を実現します。 … … … … 05 3 .活力ある地域・農山漁村をつくります。 … … … … 08 4 .安心で安全な暮らしをつくります。 … … … … 12 5 .教育再生を実現します。 … … … … 16 6 .確かな外交・防衛で国益を守ります。 … … … … 17 1 基本的な考え方 昨 年 末の 安 倍内 閣の 登 場は 、 長 く 続い たわ が 国 の 閉 塞的 なム ー ドを 一変 さ せた。これは、「大胆な金融政策」、「機動的な財政政策」、「民間投資を喚起す る 成 長戦 略 」の 「三 本の 矢 」を 次々 と 、こ れ まで と 次元 の異 なる レ ベル で 強 力 に 推 進 してきたことによる。 今 年 に入 っ て、 実質 G DP が4 四 半期 連続 で プラ ス 成長 とな り 、企 業収 益 に 大 幅な 改 善が 見ら れる な ど、 日本 経 済は 着 実に 回 復し てい る。 ま た、 昨 年 末 0.83 倍だった有効求人倍率が、本年 10 月には 0.98 倍まで改善するなど 、 雇 用 環 境 にも明るい兆しが見えてきた。 た だ し、 こ うし た景 気 回復 の実 感 は、 中小 企 業・ 小 規模 事業 者 や地 域経 済 に は 未だ 十 分浸 透し てお ら ず、 また 、 業種 ご との 業 況に はば らつ き が見 ら れ る 。 物 価 動向についてもデフレ脱却は道半ばである。 「 ア ベノ ミ クス 」を 成 功さ せ、 そ の果 実を 全 国津 々 浦々 まで 、 大企 業か ら 中 小 企業 ・ 小規 模事 業者 の 様々 な業 種 の方 々 にま で あま ねく 届け る こと が 必 要であり、 「日本再生」に向けた歩みをさらに力強く進めていかなければなら ない。 「 日 本再 生 」に 向け た 取組 みを 確 実に 進め て いく た めに は、 財 政の 機動 力 が 極 めて 重 要で ある 。し か し、 わが 国 の財 政 状況 は 、少 子高 齢化 の 進展 に よ る 社 会保 障 費の 増大 、リ ー マン ショ ッ ク後 の 経済 危 機 へ の対 応、 東 日本 大 震 災 へ の 対 応等が重なり、近年著しく悪化が進み極めて厳しい。 財 政 健全 化 に関 して は 、国 ・地 方 を合 わせ た 基礎 的 財政 収支 に つい て、 ① 2015 年 度 までに 2010 年度に比べ 赤字の対 GDP 比を半減、② 2020 年度までに 黒 字 化 、 ③その後の債務残高対 GDP 比の安定的な引下げの実現を目指すこと と し て お り、本年 8 月 8 日決定の「中期財政計画」においても確認されてい る と こ ろ である。財政再建は待ったなしである。 し か しな が ら、 自由 民 主党 ・公 明 党の 連立 政 権に よ る財 政 再 建 は、 単に 歳 出 を 切り 詰 める だけ の安 易 な「 縮小 均 衡型 」 の手 法 を採 るこ とは し ない 。 経 済 成 長に つ なが る施 策を 果 断に 実行 し てい く こと で 強い 経済 を取 り 戻し 、 同 時 に 消費 税 率引 上げ によ る 社会 保障 費 の安 定 的な 財 源を 確保 する 。 これ ら を 通じて、将来の安心を確かなものとし、経済再生と財政健全化の両立を図る。 平 成 26 年度予算は、政権に復帰した自公両党が概算要求基準から策定する 初 め ての 本 格的 なも のと な る。 先に 決 定し た 消費 税 率引 上げ の影 響 緩和 と 経 済 の 好 循 環等による成長を目的とする平成 25 年度補正予算( 12 月 12 日決定) 2 と 連 動し て 編成 する こと に より 、経 済 の成 長 力を 底 上げ し、 持続 的 な成 長 軌 道 に つ な げていくものとする。 そ の 際、 徹 底し た無 駄 の排 除、 歳 出見 直し を 果断 に 実行 する と とも に、 本 大 綱 に示 す 民間 需要 や民 間 のイ ノベ ー ショ ン の誘 発 効 果 が高 いも の 、緊 急 性 の 高 いも の を重 視す る“ 選 択と 集中 ” を徹 底 する 。 また 、女 性を は じめ 国 民 の 1 人 ひ とりが光り輝く社会の 実現 を目指す。 こ う し た取組みを通じて、平成 26 年度予算編成は、経済 再生と財政健全化 の 両 立 を 目指すものとする。 3 1 . 復興を加速します。 東日本 大震災 からの復興の加 速化 被 災 地 の復興なくして、日本の再生はない。われわれは、平成 24 年度補 正 予 算 や 累 次にわたる提言をはじめ、以来、 “震災 3 年目の冬を希望持って迎え る た めに ” 全力 を尽 くし て きて いる 。 地震 ・ 津波 の 被災 地域 では 、 地域 差 は あ る もの の 、イ ンフ ラ復 旧 、住 宅再 建 と産 業 ・雇 用 の復 興は 着実 に 進み つ つ あ る 。 一 方、原子力事故災害からの復旧・復興は遅れている。 このため、「集中復興期間」における 25 兆円程度の復興財源を確実に確保 す る とと も に、 津波 ・地 震 災害 から の 復興 を 一層 推 進し つつ 、原 子 力事 故 災 害 か らの 復興 ・ 再生 を加 速す る 。ま た 、「 新 しい 希望 の 東北 」の 創造 に 向け 、 先 導 モ デ ル事業の活用等に取り組む。 ま ず 、被 災 者支 援に つ いて 、被 災 者の 方々 の 住宅 再 建、 復興 ま ちづ くり 、 復 興 道路 ・ 復興 支援 道路 の 整備 等を 推 進す る 。被 災 した 学生 の修 学 等を 引 き 続 き 支援 す ると とも に、 被 災者 の避 難 の長 期 化が 見 込ま れる 中、 心 のケ ア 等 の 被 災 者 の健康・生活面での支援を着実に進める。 ま ちの 復旧 ・復興 につ いて は、 津波被 災地 域に おい て、防 災集 団移 転促進 事 業 等の 事 業着 手が 着実 に 進展 して お り、 ま ちづ く り の 動き が本 格 化し つ つ あ る 状況 を 踏ま え、 東日 本 大震 災復 興 交付 金 等に よ り、 地域 住民 の 声に 耳 を 傾 け つつ 、 引き 続き 復興 ま ちづ くり の 加速 化 を図 る 。 計 画変 更等 に 対応 で き る よ う な 柔軟な予算執行に努める。 産 業の 振興 につい ては 、着 実に 進んで いる 産業 の復 興 の動 きを 確実 なもの と す るた め 、被 災し た中 小 企業 や農 林 漁業 者 等の 復 旧・ 復興 を支 援 する 。 併 せ て 三陸 復 興国 立公 園を 核 とし たグ リ ーン 復 興の 推 進等 によ り地 域 経済 に 貢 献する。 一 方、 原子 力事故 災害 から の復 興・再 生に つい ては 、除染 ・中 間貯 蔵施設 の 整 備 を 加速するとともに、本年 8 月の避難指示区域の見直し完了を受け、 早 期 帰還 支 援策 、長 期避 難 者の ため の 支援 策 等を 強 力に 推進 する 。 また 、 個 人 被 ばく 線 量の 正確 な把 握 を含 めた 健 康管 理 対策 を 着実 に実 施 す る 。更 に 避 難 指 示が 解 除さ れた 被災 地 域の 商業 機 能の 回 復な ど 生活 再建 ・企 業 立地 促 進 等 を 推進 す ると とも に、 再 生可 能エ ネ ルギ ー 、医 療 機器 、情 報セ キ ュ リ テ ィ 等 を は じ め産業復興に取り組む。 な お、 東京 電力 福 島第 一原 子力 発電所 の廃 炉・ 汚染 水対策 につ いて 、東京 電 力 の み に任せるのでは なく、国 も前面に立ち、全力を挙げて取り組む。 4 2 . 経済再生を実現します。 新たな 成長分野の開 拓 「 世 界で 最 もイ ノベ ーシ ョ ンに 適し 、 技術 で もビ ジ ネス でも 勝ち 続 ける 国」 を創るため、有望な研究開発を加速する。例えば 、次世代 3D プリンタによる も の づく り 革新 、高 性能 医 療機 器開 発 、ロ ボ ット 技 術を 活用 した 公 共イ ン フ ラ の 維持 管 理シ ステ ムの 開 発等 を進 め ると と もに 、 研究 開発 成果 の 事業 化 を 支 援 する 。 これ らに より 、 健康 長寿 ・ 次世 代 イン フ ラ・ 地域 資源 ・ クリ ー ン エ ネ ル ギ ー等の戦略分野の新市場創出を支援する。 また、世界最速・最高の特許審査の実現や、国際標準の獲得に積極的に取り 組む。 グロー バル化を活か した成長 新 興 国等 拡 大す る 国 際 市場 を獲 得 する ため に 国際 展 開戦 略を 推 進す る。 具 体 的 には 、 地域 毎の きめ 細 かな 戦略 に 基づ き 、現 場 で核 とな って 活 動す る 専 門 家 の確 保 、イ ンフ ラシ ス テム 輸出 、 クー ル ・ジ ャ パン 戦略 の推 進 、国 際 標 準 獲 得、 知 財保 護の 強化 等 に取 り組 む とと も に、 グ ロー バル 企業 に よる 対 内 直 接 投 資 を呼び込むための体制を整備する。 資源・ エネルギーの 経済安全保障 の確立 わ が 国が 直 面す るエ ネ ルギ ー制 約 を克 服す る ため 、 資源 ・エ ネ ルギ ー政 策 を 着 実に 実 行す る。 まず 、 エネ ルギ ー の生 産 段階 に おい ては 、再 生 可能 エ ネ ル ギ ー導 入 の 強 化 、 石炭 火 力発 電の 高 効率 化 等を 通 じた エネ ルギ ー 源の 多 様 化 を 図る 。 具体 的に は、 再 生可 能エ ネ ルギ ー の導 入 基盤 の強 化、 風 力・ 地 熱 等 の 再 生 可能エネルギー、高効率石炭火力の技術開発等を支援する。 ま た 、資 源 供給 源を 多 角化 し、 安 定的 かつ 低 廉な 調 達を 実現 す るた め、 海 外 に おけ る 資源 権益 の確 保 、メ タン ハ イド レ ート 等 の国 内資 源開 発 等を 推 進 する。 流 通 段 階においては、製油所や SS 等の設備最適化・石油供給網の強靱化等 を 推 進 す る。 消 費 段 階においては、エネルギー需要管理を含む省エネルギー対策の推進 、 燃 料 電池 の 利用 拡大 等を 図 る。 具体 的 に は 、 産業 部 門に おけ る最 先 端省 エ ネ 機 器 の導 入 支援 や、 燃料 電 池車 の市 場 投入 に 必要 な 水素 供給 設備 の 整備 、 省 エ ネ 性 能 の高い部素材等の研究開発等を進める。 5 原 子 力の 安 全基 盤を 構 築す るた め 、原 子力 発 電所 の 安全 対策 の 強化 、人 材 育 成 ・ 研 究開発等を推進する。 科学技 術イノベーシ ョンの推進 科 学 技術 イ ノベ ーシ ョ ンは 、安 倍 内閣 が掲 げ る 「 三 本の 矢 」 の うち の一 つ で あ る 成 長戦略の重要な柱である。 こ の ため 、 基礎 研究 ・ 革新 的な 研 究開 発の 推 進等 に よる 科学 技 術イ ノベ ー ション・システムの構築、橋渡し研究 など医療分野の研究開発 体制の強化(「日 本 版 NI H 」 の 創設 等 ) 、 IT ER 計 画の 実 施 な ど クリ ーン で経 済 的な エ ネ ル ギ ーシ ス テム の実 現、 地 震等 の自 然 災害 に 対す る 防災 ・減 災研 究 の推 進 や 地 球 環境 問 題へ の対 応等 に よる 「世 界 に先 駆 けた 次 世代 イン フラ の 整備 」 を 図 る 。ま た 、 若 手研 究人 材 や研 究支 援 人材 の キャ リ アア ップ を図 る 仕組 み の 構 築 等 、 世 界で 勝て る人 材 力の 強化 と 研究 開 発イ ン フラ の整 備・ 活 用、 新 型 基 幹 ロケ ッ ト及 び 小 惑星 探 査機 「は や ぶさ 2 」の 開 発、 海洋 資源 調 査研 究 の 戦 略 的 推 進など、「国家安全保障・基幹技術の強化 」を推進する。 経済再生に資する社会資本整備の推進 今 後 の社 会 資本 整備 に つい ては 、 わ が 国の 国 土・ 地 域の 将来 を 見据 え、 計 画 的 に推 進 して いく 必要 が ある 。こ の 視点 を 踏ま え つつ 、地 域間 格 差を 是 正 し 、 アベ ノ ミク スの 効果 を 全国 津々 浦 々に 及 ぼし て 、経 済再 生を 実 現す る た め、即効性の高い公共事業を展開し、活力ある国土・地域づくりを推進する。 具 体 的に は 、大 都市 圏 環状 道路 や 拠点 空港 ・ 港湾 等 との アク セ ス道 路等 の 国 の 基幹 ネ ット ワー クを 含 む道 路網 の 整備 、 地域 公 共交 通の 確保 ・ 維持 や 整 備 新 幹線 の 整備 ・フ リー ゲ ージ トレ イ ンの 早 期実 用 化等 の総 合的 な 交通 体 系 を構築する。首都圏空港や国際コンテナ戦略港湾など世界と競争できる航 空 ・ 空港 環 境及 び港 湾機 能 の整 備、 都 市開 発 への 民 間投 資の 促進 ・ 外国 人 の 生 活 機能 サ ポー ト・ シテ ィ セー ルス 等 によ る 大都 市 の国 際競 争力 の 強化 、 海 洋 産 業の 戦 略的 育成 や遠 隔 離島 にお け る活 動 拠点 整 備な ど海 洋資 源 開発 、 わ が 国 の優 れ たイ ンフ ラシ ス テム の輸 出 や建 設 業・ 不 動産 業の 海外 展 開の 推 進 等 に よ り 国 際競争力の強化を推進する。 あ わ せて 、 社会 資本 整 備を 担う 人 材の 確保 ・ 育成 ・ 活用 、事 業 執行 体制 の 強 化 ・ 立 て直し、入札制度の抜本的改革を図る 。 事 業 の実 施 に当 たっ て は、 重点 化 を図 ると と もに 、 PP P/ P FI 手法 の 活 用 等 に 取り組み、効率的な施策展開を図る。 6 ま た 、ビ ジ ット ・ジ ャ パン ・キ ャ ンペ ーン の 高度 化 や国 際会 議 等の 誘致 ・ 開 催 、税 関 ・出 入国 管理 ・ 検疫 (C I Q) 体 制の 抜 本的 強化 等 に よ り 「 観 光 立 国 」 を 推進する 。 ICT 成長戦略の推 進 I C Tが 経 済再 生、 国 際競 争力 の 強化 、国 土 強靱 化 、様 々な 社 会的 課題 の 解 決 の切 り 札と なる もの で ある こと に 鑑み 、 ビッ グ デー タ・ オー プ ンデ ー タ 及 び G空 間 情報 (地 理空 間 情報 )の 利 活用 の 推進 や IC T分 野に お ける イ ノ ベ ー ショ ン の創 出、 電波 の 有効 利用 の 促進 、 IC T ・地 デジ の海 外 展開 の 推 進 等 の施 策 を展 開す ると と もに 、超 高 齢社 会 、情 報 リテ ラシ ー、 社 会イ ン フ ラ の 防災 ・ 減災 、維 持管 理 など わが 国 が抱 え る課 題 の解 決に 資す る IC T 利 活 用 の 方 策を推進する。 ま た 、I C T基 盤の 整 備等 を進 め 、復 興街 づ くり な ど東 日本 大 震災 から の 復 興 を着 実 に推 進 す ると と もに 、サ イ バー セ キュ リ ティ 強化 に向 け た体 制 整 備 や セキ ュ リテ ィ関 連技 術 研究 開発 等 を通 じ て、 国 民の 安心 ・安 全 の確 保 を 図る。 電 子 政府 に つい ては 、 国民 ・利 用 者を 中 心 と した 電 子行 政サ ー ビス を推 進 す る ため 、 政府 情報 シス テ ムを クラ ウ ド化 し 、拠 点 分散 を図 りつ つ 、災 害 や 情 報 セ キ ュリティに強い行政基盤を構築する。 さ ら に、 社 会保 障・ 税 番号 制度 の 円滑 な導 入 に向 け て、 国、 地 方公 共団 体 及 び 医 療 保険者で必要なシステム整備を進める。 「G空 間社会」の実 現 国土強靭化、防災・復興、成長戦略、外交・安全保障に資すよう、「G空 間 社 会 」の 早 期実 現を 目指 し て、 G空 間 情報 セ ンタ ー 構築 、 G 空間 情 報の 活 用 に よ る防 災 シス テム 構築 、 IT 農林 水 産業 、 地域 活 性化 、海 外展 開 等の 具 体 化 を 図 る。 「女性 が輝く社会」 の実現 経 済成 長 を実 現さ せる 大 きな 鍵は 女 性の 力 であ る 。 女 性の 力が 社 会の 様 々 な 分 野 で 最大限発揮される「女性が輝く社会」の実現に努める。 こ のた め 、仕 事と 子育 て の両 立、 再 就職 、 能力 開 発等 を支 援す る など 女 性 の 活 躍 を 促進する取組みを強化する。また、「待機児童解消加速化プラン」の 推 進 や 育 児 休業 中の 経済 支 援の 強化 な ど女 性 の就 業 継続 の環 境整 備 を 図 る と と も に 、女 性役員・管理職等への 登用促進に向けた 環境を整備す る。 さ らに 、 配偶 者等 から の 暴力 、ス ト ーカ ー 行為 、 セク シャ ル・ ハ ラス メ ン ト な ど 、 女性に対する暴力の根絶を図る。 7 3 . 活力ある地域・農山漁村をつくります。 活力あ る地域づくり を通じた新し い成長の実 現 地 方 が 安定的に財政運営を行うことができるよう、平成 26 年度の地方交付 税 等 の 一 般財源総額について、平成 25 年度地方財政計画の水準を下回らない よ う 実質 的 に同 水準 を確 保 する 。ま た 、東 日 本大 震 災の 復旧 ・復 興 事業 等 に つ い て も 、地方の所要の事業費及び財源を確実に確保する。 地 域 発の 成 長戦 略で あ る「 地域 の 元気 創造 プ ラン 」 に基 づき 、 地域 の資 源 と 地 域金 融 機関 の資 金を 活 用し て自 治 体が 核 とな っ て業 を起 こし 、 雇用 を 創 る 「 地域 経 済イ ノベ ーシ ョ ンサ イク ル 」の 全 国展 開 や、 分散 型エ ネ ルギ ー イ ン フ ラや 公 共ク ラウ ドな ど の民 間活 力 の土 台 とな る プ ロ ジェ クト を 推進 し 、 経 済 成 長 の成果を全国津々浦々まで行き渡らせる。 さ ら に、 圏 域の 様々 な 施設 ・機 能 の集 約と ネ ット ワ ーク 化の 考 え方 に基 づ く 「 定住 自 立圏 構想 」 の 推 進等 によ り 、自 立 的な 地 域経 営を 確立 す ると と も に 、 都市 と 農山 漁村 の教 育 交流 の制 度 化を 通 じた 推 進や 人材 育成 、 過疎 地 域 の 集 落等 にお け る地 域資 源を 活 用し た地場 産 業の 振興 や 日常 生活 機能 の 確保 、 地 域 コミ ュ ニテ ィの 再生 等 を支 援し 、 活力 あ る地 域 づく りを 通じ た 新し い 成 長 の 実 現 を目指す。 国民の 命を守る消防 防災行政の推 進 被 災 地に お ける 消防 防 災体 制の 充 実強 化を 推 進す る とと もに 、 コン ビナ ー ト 災 害等 に 対応 した 緊急 消 防援 助隊 の 機動 能 力の 強 化、 消防 団の 充 実強 化 な ど 地 域の 消 防防 災体 制の 充 実強 化、 I CT や G空 間 情報 を活 用し た 災害 対 応 力 の 強 化 や大規模 地震に備えた予防対策 、防災教育の充実 等を推進する。 国土・ 地域づくりの 推進 地 域 の再 生 を着 実に 実 行し てい く ため の国 土 ・地 域 づく りを 推 進す る。 具 体的には、高速ツアーバス事故等を踏まえた公共交通等の安全・安心の確保、 鉄 道 駅の 段 差解 消や ホー ム ドア の導 入 ・障 害 者に 配 慮し た車 両の 導 入等 の 公 共 交 通の バ リ ア フリ ー化 の 推進 、都 市 機能 の 集約 と 公共 交通 の充 実 支援 に よ る コ ンパ ク トシ ティ の推 進 、情 報提 供 の充 実 ・強 化 等に よる 中古 住 宅市 場 の 環 境 整備 や ヘル スケ アリ ー ト等 投資 対 象不 動 産の 多 様化 等に よる 住 宅・ 不 動 産 市 場の 活 性化 、災 害・ 豪 雪時 の緊 急 対応 や 社会 資 本の 維持 管理 等 の担 い 手 で あ る地 域 の建 設産 業へ の 支援 、離 島 活性 化 交付 金 の拡 充や 奄美 群 島の 自 立 8 的で持続可能な発展に向けた地域の取組を後押しする交付金の創設など離 島 ・ 奄 美 ・小笠原振興の取組強化等により地域の再生を推進する。 ま た 、ゼ ロ ・エ ネル ギ ー住 宅の 取 組 み や省 エ ネル ギ ー改 修に 対 する 支援 に よ る エコ ハ ウス 化の 加速 、 電気 自動 車 等の 導 入支 援 など 次世 代自 動 車の 普 及 促 進 等 の エネルギー・環境対策を推進する。 防災・ 減災対策の推 進 防 災 は国 家 の基 本的 か つ極 めて 重 要な 任務 で ある こ と を 認識 し 、 国 土強 靱 化 の 観 点 も踏まえ、防災対策全般のさら なる推進を図る。 南 海 トラ フ 巨大 地震 や 首都 直下 地 震に つい て 、被 害 想定 等を 踏 まえ た政 府 全 体 の行 動 計画 を策 定す る とと もに 、 日本 海 溝・ 千 島海 溝周 辺及 び 中部 圏 ・ 近 畿 圏の 各 地震 の被 害想 定 等の 大規 模 地震 対 策や 、 火山 防災 対策 、 大規 模 水 害 対 策 等 に取り組む。 また、防災を担う人材の育成、訓練の充実を図るとともに、国連防災 世 界 会議 の 開催 など 国際 防 災協 力の 推 進を 図 ると と もに 、大 規模 災 害時 に も 対 応 可 能 な中央防災無線網の整備、総合防災 情報システムの整備等を行う。 加 え て 、被災された方々に対する円滑かつ適切な支援を行う。 中小企 業・小規模事 業者 への支援 中 小 企業 ・ 小規 模事 業 者を 応援 し 、地 域の 活 力を 取 り戻 す。 具 体的 には 、 ま ず 、黒 字 企業 の倍 増に 向 け、 補正 予 算で 措 置し た もの づく り等 を 支援 す る 予 算 の 拡 充 を図 る。 特に 、 有望 な企 業 等の 研 究開 発 や事 業化 を支 援 する と と も に 、 農 商工連携や 1 万社の海外展開の実現、知財を活用した事業展開等に 取 り 組 む 。また、開業率 10%を実現するため、創業予備軍の発掘から創業後 の ア フタ ー ケア まで 一貫 し た支 援を 行 うと と もに 、 創業 に必 要な 資 金支 援 、 個 人 保証 に よら ない 融資 の 実現 、中 心 市街 地 活性 化 や商 店街 振興 の 成功 モ デ ル 作 り等 を 支援 する 。さ ら に、 小規 模 事業 者 につ い ては 、そ の振 興 のた め の 「 基 本法 」 の制 定も 見据 え 、小 規模 事 業者 に 焦点 を 当て た施 策を 強 化す る 。 具 体 的に は 、低 利融 資、 地 域資 源の 活 用、 小 規模 事 業者 から の相 談 にワ ン ス ト ッ プで 対 応す る体 制の 全 国的 な整 備 等に 取 り組 む 。あ わせ て、 経 営支 援 と 一 体 とな っ た資 金繰 り支 援 をよ り一 層 充実 さ せ、 中 小企 業・ 小規 模 事業 者 の 経 営 改 善 を全面的に支援する。 攻めの 農業の展開 「農業・農村所得倍増目標10カ年戦略」及び「強い林業づくりビジョン」 を 本 格的 に 展開 する ため 、 農林 水産 業 の足 腰 を強 く する ため の産 業 政策 と 多 9 面 的 機能 を 維持 ・発 揮す る ため の地 域 政策 の 2つ を 「車 の両 輪」 と しつ つ 、 活 力 に満 ち た地 域を 創造 す るた めに 必 要な 施 策を 実 施す るた めの 予 算を 確 保 する。 担 い 手 への農地集積・集約化を加速させるため、農地中間管理機構の整 備 ・ 活 用 を図 る とと もに 、農 地 の大 区画 化 等を 推 進す る 。ま た、 経営 所 得安 定 対 策 及 び米 政 策の 見直 しを 踏 まえ 、輸 入 飼料 に 替わ る 飼料 用米 など 需 要の 見 込 め る 作物 を 振興 する ため 、 水田 フル 活 用を 積 極的 に 推進 する 。さ ら に、 多 様 な 担 い手 の 育成 等と あわ せ て生 産基 盤 の整 備 や鳥 獣 被害 対策 を含 め た生 産 現 場 の 取 組 み を強化するなど、農業の構造改革を推進する。 6 次 産業 化 によ る農 産 物の 高付 加 価値 化や 地 産地 消 を推 進す る とと もに 、 強 み のあ る 農産 物等 の開 発 、輸 出の 促 進を 図 り、 国 内外 の需 要を 取 り込 む 。 ま た 、和 食 の世 界無 形文 化 遺産 への 登 録を 契 機に 、 米を 中心 とし た 日本 食 ・ 食 文 化 の 魅力を内外に発信する取組 みを一段と強化する。 畜 産 ・酪 農 、野 菜、 果 樹・ 茶、 甘 味資 源作 物 とい っ た各 品目 に つい て、 生 産 者 の経 営 の維 持・ 安定 を 図る ため 、 現場 の ニー ズ に対 応し た生 産 振興 対 策 を 積 極 的 に推進 し、 自給率・ 自給力の向上を図る。 農 業 ・農 村 の有 する 多 面的 機能 の 維持 ・発 揮 を図 る ため の新 た な交 付金 制 度を創設し、中山間直接支払等とあわせて、日本型直接支払を充実するなど、 美 し く活 力 ある 農山 村を 実 現す る。 ま た、 都 市と 農 山漁 村の 教育 交 流の 制 度 化等を進め、都市と農山漁村の共生・対流に厚みを増すとともに、食 の 安 全 ・ 消 費 者 の 信頼の確保についても推進する。 強い森 林・林業の実 現 日 本 の 美しい森 、水源地を守らなければならない。 強 い 森 林 ・ 林業 を実 現す る ため 、C L T( 直 交集 成 板) 等の 新た な 製品 ・ 技 術 や 木質 バ イオ マス の開 発 ・普 及に 努 める と とも に 、国 産材 の安 定 的・ 効 率 的 な 供 給 体制を構築する。 ま た 、山 村 地域 の活 性 化や 森林 の 有す る多 面 的機 能 の発 揮に 力 を入 れる と と も に、 人 材育 成や 高性 能 林業 機械 の 開発 に よる 持 続的 な森 林・ 林 業経 営 の 実 現 を 図 る。 さ ら に、 今 やわ が国 の 温暖 化対 策 の切 り札 と なり つ つあ る森 林 にお ける C O 2 吸 収 量を最大限確保するとともに、森林・林業を再生するため、間伐等の 森 林 施 業 、路網の整備を推進するほか、山地災害対策を推進する。 10 水産日 本の復活 水 産 業の 成 長産 業化 を 実現 し、 漁 業者 の所 得 ・経 営 力の 向上 を 図る ため 、 浜 ご と の 特性や課題を踏まえた対応策を漁業者自らが検討し、 「浜の活力再生 プ ラ ン」 を 策定 する 取組 み を支 援す る 。同 時 に、 漁 業収 入安 定対 策 や燃 油 ・ 配 合 飼料 価 格の 高騰 対策 、 外国 漁船 へ の対 策 を着 実 に展 開し 、漁 業 経営 の 安 定 を 図る 。 加え て、 資源 管 理、 資源 調 査・ 評 価 及 び 漁場 整備 を適 切 に実 施 す る 。 また 、 ウナ ギ資 源確 保 に向 けた 大 量生 産 シス テ ムの 実証 や陸 上 養殖 技 術 の 開 発 等 により、養殖業の生産体制を強化する。 国 産 水産 物 の消 費と 輸 出を 拡大 す るた め、 消 費者 ニ ーズ を捉 え た商 品開 発 等 を 通じ た 水産 物の 流通 の 川上 から 川 下ま で の目 詰 まり 解消 や漁 港 の衛 生 管 理 対 策 に 引き続き取り組む。 さ ら に、 漁 業や 漁村 の 持つ 多面 的 機能 の増 進 を図 る とと もに 、 離島 漁業 の 再 生 に向 け 取り 組む 漁業 集 落を 支援 す る。 漁 港施 設 の強 靱化 は喫 緊 の課 題 で あ り 、 防 災・減災対策及び長寿命化対策を推進する。 強く自 立した沖縄の 実現 沖 縄 は、 東 アジ アの 中 心に 位置 し 、出 生率 も 高く 、 多く の優 位 性や 可能 性 を 秘 めて い る。 この 沖縄 へ の投 資は 「 未来 へ の投 資 」で あり 、沖 縄 が日 本 の フ ロ ント ラ ンナ ーと して 2 1世 紀の 成 長モ デ ルと な り、 日本 経済 活 性化 の 牽 引 役 とな る よう 、那 覇 空 港 第二 滑走 路 事業 を 推進 し 、沖 縄科 学技 術 大学 院 大 学 に おけ る 国際 水準 の研 究 ・教 育を 推 進す る 。ま た 、一 括交 付金 を 始め と す る 沖 縄 振 興の所要額を確保する。 さ ら には 、 国際 物流 拠 点の 形成 を 図り つつ 、 もの づ くり 企業 や 物流 企業 等 の 集 積を 図 る。 駐留 軍用 地 跡地 利用 に つい て は、 沖 縄県 や各 市町 村 と連 携 し つ つ 、「跡地利用特措法 」 に基づき推進する。 11 4 . 安心で安全な暮らしをつくります。 将来の 安心を確保す る社会保障制 度の構築 消 費 税率 引 上げ によ る 増収 分は 、 全て 社会 保 障の 充 実・ 安定 化 に向 け、 基 礎 年 金国 庫 負担 割合 の2 分 の1 への 引 上げ を 恒久 化 する とと もに 、 社会 保 障 の 充 実を 図 る。 具体 的に は 、全 世代 型 の「 2 1世 紀 日本 モデ ル」 の 制度 へ の 改 革 を 目 指しつつ、 「待機児童解消加速化プラン」の推進などの子育て支援の 充実、病床の機能分化・連携や在宅医療の推進、地域医療を担う人材の確保、 国 民 健康 保 険等 の低 所得 者 保険 料軽 減 措置 の 拡充 や 低所 得者 に配 慮 した 高 額 療 養 費の 見 直し など 安定 的 な医 療保 険 制度 の 構築 、 難病 ・小 児慢 性 特定 疾 患 に 係 る 公 平 かつ 安定 的な 制 度の 確 立 な どに 取 り組 む 。 ま た、 消費 税 率引 上 げ に 伴 い 医 療機関等に実質的な負担が生じないように対応する。 「 全員 参 加の 社会 」の 実 現に 向け 、 すべ て の人 材 が能 力を 高め 、 その 能 力 を 存 分に 発 揮で きる よう 、 円滑 な労 働 移動 支 援や 社 会人 の学 び直 し 支援 、 多 様 な 正 社 員モデルの普及、最低賃金引上げのための環境整備等を進めるほか 、 仕 事 と育 児 の両 立支 援な ど の少 子化 対 策と 女 性の 活 躍の 推進 、次 代 を担 う 若 者 の 活躍 支 援、 生涯 現役 社 会の 実現 に 向け た 高齢 者 の就 業支 援、 障 害者 の 活 躍 の 機 会 の拡大、生活困窮者の自立・就労支援の拡充などを図る。 「 健康 長 寿社 会 」 の実 現 に向 け、 国 民の 健 康寿 命 の延 伸を 目指 し 、デ ー タ ヘ ル スの 推 進な どの 予防 サ ービ スを 充 実す る とと も に、 医療 分野 の 研究 開 発 体 制 ( 「 日 本版 NI H」 ) 創設 に伴 う 革新 的 な医 療 技術 の研 究開 発 促進 、 再 生 医 療や 革 新的 な医 療技 術 の実 用化 、 新た な 医薬 品 ・医 療機 器の 開 発促 進 や 審 査 ・安 全 対策 の充 実・ 強 化、 日本 の 強み を 活か し た医 療の 国際 展 開な ど 、 医 療 関連 イ ノベ ーシ ョン を 一体 的に 推 進す る 。ま た 、良 質な 医療 ・ 介護 へ の ア ク セス を 確保 する ため 、 診療 報酬 で の 対 応 を含 め 、救 急 ・ 小児 ・ 周産 期 医 療 体 制の 強 化、 有床 診療 所 の機 能強 化 、歯 科 保健 医 療や か か りつ け 薬局 の 機 能 強 化を 図 ると とも に、 認 知症 の方 々 への 総 合的 な 対策 の推 進を は じめ 、 高 齢 者 が住 み 慣れ た地 域で 安 心し て暮 ら すた め の地 域 包括 ケア シス テ ムの 構 築 な ど を 進 める。 さ らに 、 被災 地の 復興 と 防災 の強 化 に向 け て、 健 康・ 生活 面で の 支援 や 雇 用 確 保等 の 被災 者・ 被災 地 支援 を継 続 する と とも に 、水 道施 設の 耐 震化 ・ 老 朽 化 対 策 などを推進する。 12 災害に 強い安心・安 全な国づくり 事 前 防災 の 考え 方に よ る「 国土 強 靱化 」を ハ ード ・ ソフ ト両 面 にわ たり 計 画 的 に推 進 し、 災害 に強 い 国土 ・地 域 づく り を進 め る。 具体 的に は 、今 後 予 想 さ れる 首 都直 下地 震、 南 海ト ラフ 巨 大地 震 や、 頻 発 ・ 激甚 化す る 台風 、 集 中 豪 雨等 の 大規 模災 害に 備 えた 防災 ・ 減災 対 策、 渇 水対 策、 被災 時 の 代 替 性 確 保 のた め の広 域的 な基 幹 ネッ トワ ー クの 整 備 、 住 宅・ 建築 物や 公 共交 通 イ ン フ ラの 耐 震化 や帰 宅困 難 者対 策・ 地 下街 の 安心 避 難対 策・ 液状 化 対策 ・ コ ン ビ ナー ト 対策 等の 災害 に 強い まち づ くり 、 今後 急 速に 老朽 化す る イン フ ラ の 長 寿命 化 ・老 朽化 対策 、 通学 路の 安 全対 策 を含 め た地 域の 防災 ・ 減災 、 老 朽 化 対 策 の支援等を推進する。 ま た 、 領海警備の強化のため海上保安体制の充実・強化を推進する。 総合的 な環境行政の 推進 循 環 型社 会 形成 推進 交 付金 の確 保 等に よる 廃 棄物 処 理シ ステ ム の強 靱化 を 推進する。 低 炭 素社 会 を実 現す る とと もに 日 本の 優れ た 環境 技 術に より 成 長戦 略に 貢 献 す べく 、 ①未 来へ の投 資 を促 進す る 環境 フ ァイ ナ ンス と技 術イ ノ ベー シ ョ ン、②二国間クレジット制度( JCM)を活用した都市・地域のまるごと低炭素 化 等 によ る 「攻 めの 地球 温 暖化 外交 戦 略」 の 先導 と 地域 主導 の先 進 的な 低 炭 素 地 域づ く りの 支援 、③ 再 エネ を中 核 とし た 自立 ・ 分散 型エ ネル ギ ー社 会 の 創出と「減エネ」の推進に取り組む。また、気候変動に関する 2020 年以降の 新 た な国 際 枠組 みの 構築 に 向け た国 際 交渉 を 主導 す ると とも に、 地 球温 暖 化 の 影 響 へ の適応のための取組 みを進める。 国 民 の健 康 と良 好な 環 境を 確保 す べく 、汚 染 メカ ニ ズム の解 明 や越 境汚 染 対 策 等 の 微小粒子状物質( PM2.5)対策、子どもの健康と環境に関するエコチ ル 調 査や 水 銀等 の化 学物 質 対策 、水 俣 病等 の 公害 健 康被 害対 策、 国 内希 少 種 指 定 の大 幅 拡充 や鳥 獣被 害 対策 等の 人 と生 き 物と の 共生 施策 、環 境 教育 の 実 践 活 動 の 強化に取り組む。 原 子 力防 災 対策 のさ ら なる 充実 ・ 強化 のた め 、立 地 等自 治体 が 各地 域の 実 情 に 応じ た 原子 力防 災対 策 を講 じる た めに 必 要な 支 援を 行う 。ま た 、原 子 力 規 制 の一 層 の高 度化 を進 め ると とも に 、東 京 電力 福 島第 一原 発事 故 対応 と し て 、 陸域 ・ 海域 にお ける 放 射線 モニ タ リン グ の強 化 等に 取り 組む 。 さら に 、 原 子 力規 制 委員 会の 事務 局 機能 を担 う 原子 力 規制 庁 職員 の専 門能 力 を向 上 さ せ る よ う 、専門人材の育成に取り組む。 13 総合的 な治安対策を 強化するため の警察の体 制整備 わが国の治安は、刑法犯認知件数など数値については一定の改善を み て いる が 、国 民の 治安 に 対す る不 安 感は 根 強い 。 その 背景 とし て は、 ネ ッ ト バ ンキ ン グに おけ る不 正 アク セス ・ 不正 送 金事 案 等の 国民 生活 を 脅か す サ イバ ー 犯罪 が多 発し て いる ほか 、 国内 外 にお い て政 府機 関等 に 対す る サ イ バ ー 攻 撃が続発している ことがある 。 また、暴力団による対立抗争事件や事業者襲撃等事件が発生しているほか、 イ ス ラ ム 過 激派 によ るテ ロ の脅 威は 依 然と し て高 い 状況 にあ ると と もに 、 ス ト ー カ ー 事 案・ DV 事案 、 児童 ポル ノ 事犯 、 振り 込 め詐 欺事 件等 の 女性 ・ 子 供 ・ 高齢 者 が被 害者 とな る 犯罪 の被 害 が深 刻 にな っ てい る。 さら に は、 多 く の 尊 い 命 が犠牲となる交通事故が後を絶たない。 こ う した 厳 しい 状況 を 踏ま え、 良 好な 治安 の 確保 に 向け 、警 察 の体 制整 備 を 図 り 、 総合的な治安対策を強力に推進していく 。 「世界 一安全な国、 日本」を実現 するための 法務・司法の 充実 「 世 界 一安全な国、日本」の実現は、 2020 年オリンピック・パラリンピッ ク 東 京大 会 の成 功の 前提 で あり 、法 務 行政 を 担う 各 部門 の人 的・ 物 的体 制 の 強 化 が 不 可欠である。 具体的には、犯罪者の再犯防止のため、刑務所等における施設内処遇及び保護司 と保護観察官の協働による社会内処遇の各体制の強化や、職員の増員、施設基盤の 整備を図るとともに、治安確保に係る情報の収集等が喫緊の課題であることに鑑み、 国家安全保障会議の創設も踏まえ、公安調査体制の強化を図るなど、治安部門の体 制を充実強化する。 また、アベノミクスによる経済活動の活発化を着実なものとするため、観光立国 推進のため出入国審査体制を強化するとともに、登記所備付地図の整備を含む登記 事務処理体制の強化を図る。 さらに、いじめ等の人権問題への対応体制等を充実強化するとともに、国 民に身 近 で 頼り が いの ある 司法 の 実現 に向 け て、 日 本司 法 支援 セン ター の 適正 な 運 用 等 、 司 法制度改革の取組 みを推進する。 また、事件の適正迅速な処理を図るため、裁判所の人的機構の充実、裁判事務処 理態勢の充実、老朽、狭あいな裁判所施設の改善を図る。 適切な 消費者行政の 推進 健全で活気と厚みのある消費市場の構築を図るため、消費者の安全・ 安 心 を 確 保するための「消費者安心戦略」を積極的に推進する。 14 まず、「消費者安全・安心確保対策」として、地域における身近な消費生活 相 談 体 制 の 強化 等の ため の 地方 消費 者 行政 活 性化 基 金の 上積 み、 ト ラブ ル に 遭 う リス ク が高 い高 齢者 等 を守 る地 域 ネッ ト ワー ク の構 築、 消費 者 教育 の 充 実 、 消費 者 被害 回復 のた め の取 組 み の 充実 、 食品 表 示の 充実 、リ コ ール 情 報 の 周 知 強 化、悪質商法への厳正な 取締り等を図る。 ま た 、「 物 価 ・ 消 費 市 場 関 連 対 策 」 と し て 、 物 価 モ ニ タ ー 体 制 の 強 化 、 消費税転嫁対策特措法の普及啓発・執行、消費者と事業者との協働支援、 風 評 被 害 対策等を図る。 公正か つ自由な競争 による経済の 活性化 国 民 生活 に 影響 の大 き い価 格カ ル テル 等に 厳 正に 対 処す る。 ま た、 企業 結 合 事 案 を 迅速に審査し、あわ せて透明性・予見可能性を確保する。 活 力 ある 中 小企 業の 育成 ・ 強化 がわ が 国経 済 の再 生 にと って 重要 で ある と の 認 識 の下 に 、 中 小企 業に 不 当に 不利 益 を与 え る優 越 的地 位の 濫用 等 の行 為 及 び 下 請 法 違反行為に厳正・的確に対処する。 消 費 税の 転 嫁拒 否行 為 に迅 速・ 厳 正に 対処 す ると と もに 、悉 皆 的な 大規 模 書 面 調査 に よる 積極 的な 情 報収 集、 相 談対 応 など に より 、 消 費税 の 円滑 か つ 適 正 な 転 嫁を図る。 ま た 、独 占禁止法 が改正され、1 年 6 カ月以内に公正取引委員会の審判制度 が 廃 止さ れ るこ とと なっ た 。 今 後は 、 公正 取 引委 員 会の 行う 法的 措 置に 対 す る 不 服審 査 機能 が裁 判所 に 移さ れる こ とに よ り、 外 観上 の公 正さ が 確保 さ れ る と とも に 、よ り国 際的 に 整合 性の と れた 制 度と す るこ とを 通じ て 、企 業 の 内 外 活 動 を巡る競争環境の一層の整備を図る。 会計検 査機能の充実 強化 会 計 検査 機 能を 充実 強 化す るた め 、検 査体 制 、検 査 活動 及び 研 究・ 研修 体 制 の 充 実 強化を図る。 15 5 . 教育再生を実現します。 学力と 人間力を備え た人材の育成 教 育は 、 国の 根幹 を形 作 る重 要政 策 であ る 。 世 界 トッ プレ ベル の 学力 と 規 範 意 識、 歴 史や 文化 を尊 重 する 態度 を 育む 教 育 と す べく 、そ の 再 生 を実 現 す る。 こ の ため 、 教職 員等 指 導体 制の 整 備、 豊か な 情操 心 の 育 成や 道 徳教 育の 充 実 、 特別 支 援教 育の 充実 、 いじ め対 策 の推 進 、 キ ャ リア 教育 ・職 業 教育 の 充 実 、 情報 通 信技 術を 活用 し た学 びの 推 進を 図 る。 ま た、 土曜 日の 教 育活 動 の 推 進 、学 び を通 じた 地域 づ くり と学 校 ・家 庭 ・地 域 の連 携協 働、 専 修学 校 ・ 大 学 等に お ける 社会 人や 女 性の 学び 直 しの 機 会の 充 実、 食育 の推 進 を図 る 。 学 校 給食 に おい ても 、国 産 食材 の割 合 を8 0 %と す るこ とに 向け た 取組 み を 進める。 加 え て 、 グ ロー バル 人 材の 育成 、 国立 大学 改 革の 推 進、 多様 な 人材 育成 へ の 支 援な ど 私学 の振 興、 国 公私 立大 学 を通 じ た大 学 教育 改革 の支 援 、高 度 医 療 人 材の 養 成と 大学 病院 の 機能 強化 等 の推 進 によ り 、未 来へ の飛 躍 を実 現 す る 人 材 を 養成する。 さ ら に、 安 心し て教 育 を受 ける こ との でき る 学び の セー フテ ィ ネッ トを 構 築 す るた め 、幼 児教 育に 係 る保 護者 負 担の 軽 減、 高 校授 業料 の無 償 化の 見 直 し 、 大学 等 奨学 金事 業の 充 実、 国立 大 学・ 私 立大 学 の授 業料 減免 等 の充 実 、 学 校 施 設 の耐震化や老朽化対策、学校安全等を推進する。 「スポ ーツ・文化芸 術の振興」の 実現 心 を 豊か に し、 活力 あ る社 会の 構 築に 不可 欠 なス ポ ーツ ・文 化 の振 興を 国 家 戦 略と し て推 進す る。 2 02 0年 東 京オ リ ンピ ッ ク・ パラ リン ピ ック に 向 け て 、ス ポ ーツ の価 値を 高 める 国際 貢 献の た めの 「 スポ ーツ ・フ ォ ー・ ト ゥ モ ロ ー 」 の実現、国際競技力の向上などを推進する。 豊 か な文 化 芸術 の創 造 と人 材育 成 、文 化財 の 保存 ・ 活用 及び 継 承、 日本 文 化 の 発 信 ・交流、国立文化施設の機能強化を推進する。 16 6 . 確かな外交・防衛で国益を守ります。 「攻め 」の外交の戦 略的な展開 わ が 国を 取 り巻 く外 交 ・安 全保 障 環境 は一 層 厳し さ を増 し、 政 治、 安全 保 障 、 経済 と いっ た伝 統的 な 外交 分野 は 、海 洋 、宇 宙 、サ イバ ーと い った 新 し い 課 題を 次 々に 取り 込み 、 外交 のフ ロ ンテ ィ アそ の もの が拡 大、 中 長期 的 な 外 交 的 戦 略が求められている。 こ の よう な 状況 下、 日 米同 盟を 基 軸に 据え た 多角 的 な戦 略的 外 交、 すな わ ち 「 地球 儀 を俯 瞰す る外 交 」を 、首 脳 外交 を 含め 「 オー ルジ ャパ ン 」で 推 進 し 、 日本 の 正し い外 交方 針 を 国 内外 に しっ か りと 発 信し 、理 解を 得 てい く 必 要がある。 そ の ため に 人的 体制 及 び在 外公 館 等の 物的 基 盤の 整 備を 含め 、 総合 的外 交 力 を 強化 す る た めに 外交 実 施体 制を 強 化す る 。具 体 的に は、 欧米 主 要国 並 み の 外 交 実 施体制を 目標として 、 「スクラップ&ビルド」を原則としない 大使館 の 新 設を 実 現し 、外 交当 局 の司 令塔 機 能を 強 化す べ く、 外務 省定 員 を大 幅 に 増員する。 わ が 国の 領 土・ 領海 ・ 領空 に対 す る脅 威は 一 層増 大 して おり 、 引き 続き 領 土 保 全 に 万全を期す。さらに、 2013 年 1 月のアルジェリア事件を踏まえ、危 機 管 理体 制 を構 築・ 強化 し 、即 応体 制 、情 報 収集 の 強化 、官 民連 携 等、 総 合 的 な 対 応 により、海外の邦人および日系企業の安全を確保する。 2015 年( 10 月)の国連 安保理非常任理事国選挙に向けて来年度に集中的に選 挙 対 策 を 行う。 わ が 国の 積 極的 平和 主 義を 推し 進 め、 国際 貢 献を 目 に見 える 形 で国 際社 会 に 強 く訴 え てい くた め、 人 権、 女性 を めぐ る 外交 課 題へ の取 組 み 、 核軍 縮 の 推 進 、中 東 情勢 や地 球環 境 問題 等へ の 対応 等 、グ ロ ーバ ルな 利益 へ の貢 献 を 積 極 的 に 行う。 「 ア ベノ ミ クス 」の 成 長戦 略を 実 現す るた め 、イ ン フラ 輸出 、 資源 ・エ ネ ル ギ ーの 確 保、 日本 企業 の 海外 展開 支 援等 を 進め る とと もに 、 国 益 に資 す る 経 済 連携 交 渉( TP P、 東 アジ ア地 域 包括 的 経済 連 携: RC EP 、 日中 韓 F T A 、 日 EU・EPA等)を同 時並行で推進する。 O D Aに つ いて は、 ① 日本 にと っ て好 まし い 国際 環 境の 形成 、 ② 新 興国 ・ 途 上 国と と もに 成長 する 日 本、 ③人 間 の安 全 保障 の 推進 と日 本へ の 信頼 強 化 の 三 本柱 の 下、 イン フラ 輸 出、 医療 技 術・ サ ービ ス や中 小企 業・ 自 治体 の 国 際 展 開 支 援、国際標準の獲得等を中心に戦略的に展開する。 17 国民の 生命・財産、 領土・領海・ 領空を守り 抜く防衛態勢 の強化 平 成 2 6年度の防衛予算は、新たな 「防衛計画の大綱 」 及び「中期防衛力 整 備 計 画 」 の初年度として、わが国防衛態勢の充実強化のため、重要なもの と な る 。 加えて、北朝鮮による核・ミサイル開発の継続、中国公船によるわ が 国 領 海 への断続的な侵入や国際法を逸脱した一方的な「東シナ海防空識別 区 」 の 設 定等、わが国周辺の安全保障環境は一層厳しさを増している。 こ れ ら を踏まえ 、国民の生命・財産、領土・領海・領空を断固として守り 抜 く た め 、警戒監視能力、情報機能、輸送能力、指揮統制・情報通信能力 の 強 化 と と もに 、島嶼部に対する攻撃への対応、弾道ミサイル攻撃への対応、 サ イ バ ー 空間及び宇宙空間における対応、大規模災害等 への対応等の各種事 態 に お け る実効的な抑止及び対処に必要な防衛力の整備 を行う。 国際共同開 発 ・ 生 産 を 進める とともに 、デュアルユース技術の積極的な活用により防衛 装 備 品 等 の研究開発を進めていく。 ま た 、 ア ジ ア太 平洋 地 域や 国際 社 会と の協 力 によ る 安全 保障 の 積極 的な 推 進 の ため 、 二国 間・ 多国 間 の協 力関 係 の強 化 や、 国 際平 和協 力活 動 等の 活 動 能 力 の 強 化に取り組む。 さ ら に 、国内の防衛施設と周辺地域との調和を図るため、基地周辺対策を 着 実 に 実 施するとともに、在日米軍の駐留を円滑かつ効果的にするための施 策 を 推 し 進め る。 特に、在日米軍の 再編については着実に推進し、抑止力を 維 持 し つ つ地元 、 なかんずく沖縄の負担を軽減していく。 拉致問 題の早期解決 拉 致 問題 に 対し ては 、 全て の拉 致 被害 者の 一 刻も 早 い帰 国、 真 相究 明、 実 行 犯 の引 き 渡し を実 現す る ため 、情 報 収集 ・ 分析 体 制の 強化 、北 朝 鮮向 け 放 送 の 充 実 、国際連携 や内外世論の 啓発の強化など総合的な対策を推進する。 ま た、 帰 国さ れた 拉致 被 害者 等の 自 立を 促 進し 、 拉致 によ って 失 われ た 生 活 基 盤の 再 建等 に資 する た め、 経済 的 支援 を はじ め とし た総 合的 な 支援 策 を 推進する。 18
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