4年3組 体育科学習指導案 平成22年11月9日(火)5限 指導者 石尾雄介 研究主題 「主体的に考え、伝え合う子をめざして」 ―全員参加でよりよい考えをつくる伝え合い活動の充実― 1.単元名 走・跳の運動 ハードル走 2.目標 ・ハードル走の楽しさや喜びを求めて進んで取り組み、互いに協力して運動したり、安全に気を付けて 運動したりしようとする。 (関心・意欲・態度) ・ 自分の活動にあった場を選んだり、目標記録に挑戦したりして、練習の仕方を工夫している。 (思考・判断) ・グループ活動等で教え合い、助け合いながら練習ができる。 (思考・判断) ・ハードル走の特性に応じた技能を身に付け、競走したり、自己の記録を高めたりすることができる。 (運動の技能) 3.単元について (1)教材について 走・跳の運動は、他人と「速さ」や「距離」、「高さ」を競い合い、自分の記録の向上を目指すことで 楽しさや喜びを味わうことができる運動である。 「最後まで一生懸命がんばった」 「記録が伸びた」 「友達 に勝った」という結果は、児童にとって大きな喜びになり、もっと速く、もっと遠くへ、もっと高く跳 びたいといった意欲を高める。しかし、一人一人の体格差や運動能力の差によって記録に個人差が生じ、 主体的な学習が成り立たなくなる場合もある。 ハードル走は、連続してリズミカルに障害をまたぎ越すことに魅力がある。また、友達と競走をした り、自分の記録に挑戦したりすることが楽しい運動である。 学習活動を行う上で、ハードルを上手にまたぎ越すことも大切ではあるが、4年生としては、スター トからゴールまでの連続リズム走であるととらえ、いかにスピードを落とさずに、一定のリズムで走る ことができるかが大切である。 (2)指導について 本単元では以下のことをハードル走の授業を通して習得させていく。また、ハードル走の習熟過程を 考慮し、指導にあたりたい。 ア 基礎感覚(跳感覚、平衡感覚、リズム感覚) イ 基礎技能(川跳び、輪跳び、ジグザク・曲線走、跳び箱・ダンボール跳び等) ウ ハードル走 ①振り上げ足を真っ直ぐに上げている。(前から足の裏が見える) ②踏み切りの地点と着地点を決めて跳ぶ。(踏み切り地点は遠くから、着地点からは近く) ③3歩、5歩のリズムで跳ぶ。 ④自分にあったインターバルを発見して跳ぶ。 基礎感覚、基礎技能は毎時間の準備運動の中で学習させたい。また、最初から本物のハードルを使う と「ぶつかったら痛そう」「跳べずに転びそう」などの恐怖心をもつ児童が多くなると予想される。そ こで、導入の段階で跳び箱や段ボール、ミニハードルを使って安心して活動できるように工夫したい。 そして、自己の目標を明確にさせ、「膝が伸びているか」「足の裏が全部見えているか」「踏み切りと 着地の位置はよかったか」などを友達同士で相互評価し、学習活動を進めていく力を身につけさせたい。 ハードル走の基礎的な技能を習得できるように、グループで協力しながら3つの技術的ポイントと目 標記録に関するポイントで意欲的に学習に取り組めるように場の工夫をし、学習カードを有効に活用す る。 ・振り上げ足 ・踏み切りと着地の位置の関係 ◎・・・足の裏がほとんど全部見える。 ◎・・・踏み切り位置の方が遠い。 ○・・・足の裏が半分ぐらい見える。 ○・・・距離は同じ。 △・・・足の裏はあまり見えない。 △・・・着地の位置の方が遠い。 ・インターバルでのリズム ・40m 走とハードル走のタイム差 ◎・・・すべて3歩のリズムで走る 1秒未満 ・・・3点 ○・・・すべて5歩のリズムで走る 1秒~2秒未満・・・2点 △・・・リズムがばらばら 2秒以上 ・・・1点 自己の技術の向上を可視化するため、40m走のタイムを目標タイムとし、40mハードル走とのタ イム差を得点化し、競い合わせたい。ハードリングの指導では、デジタルビデオカメラを用い自分のハ ードリングと競技選手のハードリングとを比較し、大まかながらも空中姿勢の違いに気づき個人の課題 を持つ。そして、速くまたぎ越すためのハードル走の3つのポイントを学ばせたい。 研究に迫るために課題別のグループ学習を取り入れる。各班のリーダーを中心に技術の向上を目的と した話し合いの場、授業のまとめ、学習活動の自己評価・相互評価を通して伝え合い活動の充実をはか りたい。また、根拠をもとに考えを発表できるように学習カードを用意する。 学習カードには自分のハードリングのふり返りと友達からのアドバイスを書き込めるようにする。見 取る側の技術的ポイント、自己の技術の確認ができるようにする。それらをもとに自己の課題の確認と 伝え合い活動での根拠としたい。 本時では一台ずつハードルをまたぎ越しながら、しかもリズミカルに速く走り抜けるように、振り上 げ足、踏み切りと着地の位置にポイントを絞って学習を進めていきたい。また、学習カードをもとに自 分にはどのような練習が必要であり、どのように練習に取り組めばよいかをふり返らせたい。そして、 グループ内でお互いにポイントをチェックしながら教え合い、励まし合いながら課題を解決していく力 を身に付けさせたい。また、伝え合いの場では本時の学習でうまくいったこと、うまくいかなかったこ とを聞き、技能が向上した児童についての評価と今後の課題について話し合わせたい。 次 4.学習計画(総時数6時間) 目標 主な学習活動 教師の◎支援と★評価 オリエンテーション ・ハードル走の学習の進め方を知る。 ・安全に運動できるように器具の使い方の説明やマナーについて知る。 ・準備運動の仕方を知る。 ・40mのタイムをとる。 第一次 ② ハードル走に興 〈ハードル走のはじめの記録をとろう〉 味・関心をもち、 ・40m走と比べるとかなり遅かったよ。 自分の記録を知 ることができる。 ◎インターバルは5mで共 通して走る。 ・上手にまたぎ越すためにはどうやって走ればい ◎はじめの記録をビデオで いのかな。 同じ歩幅で走るとリズムよく走れるな。 最後までうまくまたぎ越せると楽しいな。 撮影する。 ★ハードル走に興味・関心を もち、記録の測定に意欲を示 し、運動しようとしている。 ・記録会ではどれだけタイムが縮むか楽しみだな。 (関・意・態) ◎インターバルごとの課題 別グループを作る。 〈スピードを落とさずにまたぎ越すためにはどう したらよいだろう〉 ・インターバルの長さが違うと走りやすさが全然 調子よく走るこ とができるコー 違うよ。 ・ハードルには3つのポイントがあるんだな。 スを探し、3つの ① 膝をまっすぐ伸ばして上げるよ。 ◎ハードル走の基礎的な技 能を習得できるように、3つ のポイントに絞って学習に 取り組めるように掲示する。 ◎インターバルは自分に合 ② 遠くから踏み切って近くに着地するよ。 を理解すること ③ 1,2,3、トンのリズムで走るよ。 ができる。 ○自分のハードルと選手のハードルを比べよう。 のハードリングと自分を比 ・すごく姿勢が低いな。 較する。 第二次 ③ 技術的ポイント ・ハードルぎりぎりを跳んでいるな。 ハードルには3つのポイントがあるんだな。 ①振り上げ足 ②踏み切りと着地 ③リズム 〈振り上げ足と踏み切り、着地をグループでチェックし 2つの技術的ポ ながら練習しよう〉 ったコースを選ばせる。 ◎ビデオをもとに競技選手 ★技能ポイントを学習資料 からつかみ理解している。 (思・判) ◎自分に合った課題をもち、 進んで取り組むことができ イントについて グループでハードリングを見てもらったらでき るように学習カードを用意 工夫して練習で ているところ、できていないところがわかった する。 きる。 よ。振り上げ足と踏み切り、着地を意識して練 本時 習すると前回より速くまたぎ越せたよ。 ★グループで協力して技能 の向上を目指して練習に取 り組んでいる。 (思・判) 〈グループで速くまたぎ越すためのポイントをチ 技能の向上を目 指して練習した り記録に挑戦し ェックしながら練習しよう〉 ◎3つのポイントをグルー ・踏み切りと着地がうまくいくとリズムよくまた プで確認し、助言させる。 ぎ越せたよ。 ★ハードルを遠くから踏み たりすることが 3つのポイントをみんなで確認しながら練習で できる。 きたよ。3つのポイントについて友達にアドバ イスできたよ。 〈記録に挑戦しよう〉 ・練習の成果が出せたよ 第三次 ① 役割を分担しな ・タイミングが合うとスイスイと気持ちよく走れ がら、記録会を行 たよ。 うことができる。 ・うまくまたぎ越せたら気持ちいいな。 切り、振り上げ足をまっす ぐに伸ばしてまたぎ越すこ とができる。(技) ◎タイム計測、スタート、ハ ードル直しにわかれて計測 する ★役割を分担して記録を計 り、ハードルをリズミカルに 3つのポイントについて練習してきたから最初 またぎ越し、記録を高めるこ に測ったときよりタイムが速くなったよ。 とできる。(技) 5.本時の学習(第二次中2時) (1)題目 ハードル走 (2)ねらい グループで協力して技能の向上を目指して教え合いながら練習に取り組むことができる。 (3)準備 ハードル16台 マット2枚 輪32個 ポイント4個 ダンボール4個 (4)展開 学習活動 時 1、準備運動を 7 する 2、本時の課題 3 をつかむ 児童の活動と思考の流れ ◎支援と★評価 ○フットワークメニュー(川跳び、輪跳び、ジグザク・ ◎安全に活動するため 曲線走、ダンボール跳び、振り上げ足等)をしよう。 の約束やマナー、器具 ・明るい声かけができたらいいね。 や補助具の使い方を ・1、2、3、トンのリズムで走っていけたよ。 確認する。 〈振り上げ足と踏み切り、着地をグループでチェックしなが ら練習しよう〉 ①振り上げ足を真っ直ぐに上げている。 ◎グループごとに練習を 行う。 ◎これまでの学習の流れ (前から足の裏が見える) を掲示し、めあてや技 ②踏み切りの地点と着地点を決めて跳ぶ。(踏み切 術的ポイントをふり返る り地点は遠くから、着地点からは近く横から確認) ◎自分に合った課題を 3、グループ練 習をする 10 ○グループでハードリングを確認しよう。 もち、進んで取り組む ・足の裏が前からよく見えるね。 ことができるように ・踏み切りがハードルに近いから遠くから踏み切ると 学習カードを用意す いいよ。 ・足が伸びていないから足を伸ばしてつま先を上に向 ける練習をしよう。 る。 ◎グループでハードリ ングを見合い学習カ 4、話し合いグ 10 ループ間の ○学習カードをもとに自分のハードリングをふりかえ ろう。 交流をする ードに書かせる。 ★グループで協力して ・振り上げ足は◎だけど踏み切りと着地が△だったよ。 技能の向上を目指し だから踏み切りと着地に気をつけて練習したらいい て教え合いながら練 よ。 習に取り組んでいる。 ・隣の班の練習を真似してみよう。 6、ためしのハ 10 ードルをしよ ○アドバイスを活かしてハードルをしよう ・足の裏が見えるように振り上げ足をあげることがで う きたよ。 よ。 返りをする 次時の学 習 を知る 5 A:友達に助言したり、 助言を参考にしたり しながら課題解決に ・遠くから踏み切ったらハードルの近くに着地できた 5、まとめとふり (思・判) つながる練習をする ことができる。 ○今日うまくいった事を発表しよう。 ・今までは足の裏が全部見えなかったけど、今日練習 して足の裏が見えるようになったよ。 ○ 今日うまくいかなかったことを発表しよう。 ・遠くから跳ぶのが怖くて踏み切りの位置がちかくな ってしまうよ。 B:友達に助言したり、助 言を参考にしたりし ながら練習すること ができる。 C:友達に助言したり、 助言を参考にしたり グループでハードリングを見てもらったらでき ているところ、できていないところがわかった よ。振り上げ足と踏み切り、着地を意識して練 習すると前回より速くまたぎ越せたよ。 しながら練習するこ とができない。 C 児童の手立て 踏み切り位置を確認さ せ、踏み切りが輪に入っ 次はリズムと40mとのタイム差を測ってみよう。 ているかいないかを助言 させる。 ☆ 視点 グループで関わり合いながら活動ができているか。 学習カードが効果的だったか。(技術向上 話し合い)
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