財団法人セゾン文化財団 2005年度 助成事業 概要 【55件 / 総額74,400千円】 ◆ 各プログラムの助成対象者一覧については別添資料を参照。 (注) 以下の情報は当財団の理事会・評議員会が開催された2005年3月16日現在の申請内容に基づくため、今後変更等の可能性あり。 Ⅰ.国内プログラム (1) 【36件/51,050千円】 現代演劇・舞踊助成 【33 件/46,850 千円】 〔現代演劇・舞踊助成〕 <A> 創造環境整備活動 −公募プログラム− 【22 件/13,450 千円】 演劇・舞踊界のシステムの改善、人材育成、ネットワークの構築など、芸術創造を支える環境の整備を目的としたワークショップ、 会議、シンポジウム、調査・研究、研修活動等に助成。 【演劇:ワークショップ】 A-T 創坊による 「ポストドラマ演劇の 実践ワークショップ」 演劇集団円などで演出家として活 動してきた阿部初美が主宰する A-T 創坊の「ポストドラマ演劇の実践ワー クショップ」を支援する。 同ワークショップでは、従来のリア リズムの表現に留まらず、「ドラマ演 劇」(文学としての演劇)の域を抜け 出す現代的な表現の可能性を追 求。そのために、これまで演劇の 背 景 だった映像、美術、音響、照明 などのスタッフや、ダンスなど他ジャ ンルのアーティストとの共同作業を 行い、実践結果の発表などを通して 日本の演劇界への提言を行う。 【演劇:情報交流】 京都芸術センター/ (財)京都市芸術文化協会によ る 「演劇計画 2005」 京都芸術センターが実施する、演 劇作品の上演の核となる「演出」に関 する議論を活発化させる活動に対し て助成が決定。 今回支援の対象となったのは、演 劇における演出の作業を評価する批 評が未成熟である、という問題意識 に基づいて、作品の「上演」と「検証」 (演出に着目するシンポジウムや、演 出の講評、演出家同士の情報交換、 作品制作の事例報告の機会を)同時 に進めるという同センターの事業。 【継続的な支援】 日本劇団協議会 クリティック・ライン・プロジェクト実行委員会 Dance and Media Japan 芸術分野海外研修サポートプロジェクト など 本「創造環境整備活動」のプログラムでは、複 数年に亘る継続的な支援を行っている。 2001 年度より 3 年間支援した日本劇団協議会 主催のルコック・メソッドを基盤とする「フィリップ・ ゴーリエ演劇ワークショップ」や、03 年度に支援 した演劇批評活動の活性化に複合的に取り組 むクリティック・ライン・プロジェクト実行委員会へ の助成再開が決定。また、メディアツールを使っ たパフォーマンスの創作・ワークショップ・レクチ ャーデモンストレーション等に取り組み、海外か ら講師を招聘する Dance and Media Japan と、 海外留学・交流をより円滑に進めるための仕組 み作りを目的に、文化庁の在外研修修了生が 04 年度より活動を実施している芸術分野海外研 修サポートプロジェクトに対しては2年連続して 助成する。 【舞踊:ショーケース事業】 吾妻橋ダンスクロッシング 実行委員会による 連続ショーケースプロジェクト 先駆的な表現活動を行う舞踊家を 応援し、新人の発掘・育成や観客層を 掘り起こすことによりコンテンポラリーダ ンスの振興を目指す吾妻橋ダンスクロ ッシング実行委員会のショーケース事 業に対して助成する。 同事業では、現代美術やファッション、 小劇場系演劇、ポップミュージック、イン ディペンデント洋画などのカルチャーを 嗜好する層に向けて、コンテンポラリーダ ンスが本来持ち得ているはずの「先鋭 性」を重視したプログラムを発信し、その 普及に努める。構成・演出は作曲家の桜 井圭介。 【留学・研修】 【アーツマネジメント留学・研修】 浅川いづみ (コロンビア大学大学院演劇学科) 演劇プロデューサーとして必要とされるマネジメントの知識と脚本 を読む力を身につけるために、現在ニューヨークのコロンビア大学 大学院演劇学科にてドラマツルギー専攻をしている浅川いづみへ の奨学金の支給が決定。 【サバティカル(休暇・充電)】 伊藤キム (振付家・ダンサー) 「サバティカル(休暇・充電)」は、海外の文化や様々な分野の芸 術、また自然に触れながら、これまでの活動を振り返り、さらに今後 の創作や活動のヒントを得たいと考えている、キャリアのある演出・振 付・劇作・批評・プロデュースの専門家のために 2005 年度にリニュ ーアルされたプログラム。 その最初の助成対象に選ばれたのは、2005 年後半に世界一周 バックパック旅行を計画している振付家・ダンサーの伊藤キム。 「サバティカル」とは?: (英 sabbatical) 欧米の大学などで取り入れられ ている、教員等のための休暇制度。通常は7年ごとに1回与えられ、ほ とんどの場合は有給休暇となる。期間は大体半年から1年ほどで、旅 行、休息・充電、あるいは普段取り組めないリサーチなどに充てられる。 7年に一度、畑を休ませる昔の習慣から生まれたと言われている。 1 〔現代演劇・舞踊助成〕 <B> 芸術創造活動 −公募プログラム− 【11 件/33,000 千円】 現代演劇・舞踊界での活躍が今後期待される若手(芸術創造活動Ⅰ:原則として3年間継続助成)、および次段階としてさらな る展開、活躍が期待される中堅(芸術創造活動Ⅱ: 原則として3年間継続助成)の芸術家/芸術団体の育成を目的に助成。 「芸術創造活動Ⅰ」 新規助成対象団体 − 【演劇】 地点 劇団、本谷有希子 【舞踊】 Co.山田うん 2005年度∼2007年度 (300 万円/年度[予定]): 代表: 三浦 基 代表: 本谷有希子 代表: 山田うん 地点 代表: 三浦 基 (みうら・もとい/1973年生まれ) 【団体の活動主旨と特徴】 「演出」を専業とする演出家・三浦基と、その独自の演出方法を共に追求していく俳 優・スタッフを構成メンバーとする芸術集団として 1997 年に設立。劇作家が演出を兼 任することが一般的な日本現代演劇界にあって、演出家が演出業に専念するというヨ ーロッパ的なスタイルを採用した芸術団体として、日本の現代演劇の新たな地平を拓 くことを目的とする。三浦基の演出は、台詞を音節レベルまで断片化し、音楽的に発 話することをその特徴としている。テキストの綿密な解釈と身体性の追求による独特の 作劇をもって、劇空間に新たな<リアル>を創造することを目指している。 【演劇】 [写真:『雌鳥の中のナイフ』2005 年 1 月アトリエ春風舎(東京)公演 撮影:青木司] 【代表者プロフィール】 演出家。1996 年、桐朋学園芸術短期大学演劇科・専攻科卒業。同年4月から、こまばアゴ ラ劇場常勤スタッフとして運営に関わる。97 年より青年団演出部において演出活動開始。地 点の演出を務めるかたわら、平田オリザ、フレデリック・フィスバックの演出助手などを務める。 99 年 10 月から 2001 年 9 月まで文化庁派遣芸術家在外研修員として渡仏。帰国後、地点 の活動を再開するとともに、京都でのクリエーションを年に 1∼2 本のペースで手がける。現 在、桜美林大学非常勤講師、こまばアゴラ劇場演劇フェスティバル「サミット」ディレクター。 劇団、本谷有希子 代表: 本谷有希子 (もとや・ゆきこ/1979年生まれ) 【団体の活動主旨と特徴】 http://www.motoyayukiko.com/ 2000 年、劇作家・演出家の本谷有希子を中心に旗揚げ。専属の役者を設け ないプロデュースユニットとして活動を開始。「人間の根本」をテーマに、家族、 恋人、友人などの関係性の中でヒトがさまざまな感情に葛藤する姿を、若い世 代の書き手らしい新しい世界観で捉える。執拗なまでに描かれる登場人物の内 面描写、展開が予想できない独自の物語性を特徴とする。 [写真:『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』2004 年 11 月青山円形劇場(東京)公演 撮影:尾形秀夫] 【代表者プロフィール】 1998 年、大人計画『ふくすけ』に出演。99 年遊園地再生事業団『alt』に出演。2002 年 4 月、「群像エクスタス」(講談社刊)に小説『江利子と絶対』を、また同 10 月に『群像』(講談 社刊)に小説『生垣の女』を発表。03 年講談社より単行本『本谷有希子文学大全集 江利 子と全体』刊行。同年、第7回公演『石川県伍参市』が第 48 回岸田國士戯曲賞最終候補に ノミネート。04 年、第1回公演『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』を再演、また同作品の小 説版を『群像』にて掲載。 [撮影: 尾形秀夫] 2 【演劇】 Co.山田うん 代表: 山田うん (やまだ・うん/1969年生まれ) 【舞踊】 【団体の活動主旨と特徴】 http://www1.ocn.ne.jp/~yaun これまでに小作品、実験的作品を中心に多くのソロ作品、コラボレーショ ン作品を創作してきた振付家・ダンサーの山田うんが、独自のダンス・振付 スタイルをさらに確立し、創造活動の幅を広げるため、2002 年に設立したダ ンスカンパニー。数人のコアメンバーを擁しつつ、新作創作においては、作 品固有の世界観を重視するため、出演者をオーディションで選定しているこ とが特徴のひとつ。これまでワークショップ活動も継続的に行い、ここ数年は 特に小学生向けの企画、障害者のためのプログラムなどを数多く実施。 [写真:『ワン◆ピース』2004 年 12 月スフィアメックス(東京)公演 撮影:塚田洋一] 【代表者プロフィール】 スポーツやダンスの経験を重ね、1996 年振付家として作品製作・発表を始め、ダンスを軸 とした独自の創作活動を開始。2000 年、ベルリン国際ダンスフェスティバルより招聘を受け 『乙女の祈り』を上演。同年、横浜ダンスコレクション「ソロ・デュオ・コンペティション」にて<在 日フランス大使館賞>受賞後、渡仏。パリでの新作ソロ発表においては前例のない2回上演 を認められ、好評を得る。01 年に帰国後、国内やアジア、ヨーロッパ各地にて公演やワーク ショップを実施。 [撮影:鹿島聖子] 「芸術創造活動」の2 0 0 5 年 度 継 続 助 成 対 象 者 セゾン文化財団では 2005 年度に上述の団体以外に、次の8団体に対する助成の継続が決定。 プログラム 芸術創造活動Ⅰ 芸術創造活動Ⅱ 団体名 BATIK うずめ劇場 珍しいキノコ舞踊団 劇団「指輪ホテル」 レニ・バッソ 桃園会 イデビアン・クルー Dance Theatre LUDENS 代表者名 黒田育世 ペーター・ゲスナー 伊藤千枝 羊屋白玉 布施龍一 深津篤史 井手茂太 岩淵多喜子 ジャンル 舞踊 演劇 舞踊 演劇 舞踊 演劇 舞踊 舞踊 助成対象期間 2004年度∼2006年度 2003年度∼2005年度 2003年度∼2005年度 2004年度∼2006年度 2004年度∼2006年度 2003年度∼2005年度 2003年度∼2005年度 2003年度∼2005年度 助成額/年度(千円) 3,000 3,000 3,000 3,000 3,000 3,000 3,000 3,000 助成プログラム <芸術創造活動 I>について 演劇界・舞踊界での活躍が期待される若手芸術家/芸術団体の育成を目的とした助成プログラム。 【対象者】 日本に活動の拠点を置き、申請時点で過去 3 回以上の公演実績があり、活動歴が 15 年未満、2004 年度 の支出予定額が 400 万円以上の個人/団体。プロデュース団体の場合は中心となる芸術家(演出家、脚 本家、振付家)が固定していることを条件とする。 【助成内容】 経常費を含む活動費全般を対象に、その一部に対して助成金を交付。および希望者には公演稽古、ワー クショップ開催の場として森下スタジオを審査のうえ提供。原則 3 年間にわたって助成を行うが、継続の可 否に関しては毎年見直す。 助成プログラム <芸術創造活動Ⅱ>について <芸術創造活動Ⅰ>の助成期間を終了した団体を申請対象者とする継続助成プログラム。 【助成内容】 経常費を含む団体の活動費全般を対象に、その一部に対して助成金を交付。および希望者には公演稽 古、ワークショップ開催の場として森下スタジオを審査のうえ提供。原則 3 年間にわたって助成を行うが、 継続の可否に関しては毎年見直す。なお、本プログラムは 2001 年度より<芸術創造活動Ⅰ>の助成を 受けた団体の申請をもって終了とする。 若手奨励助成 (今後の活動が注目される若手に対する奨励金) (2) 特別助成 ―非公募プログラム― 国内における現代演劇・舞踊以外の芸術・文化分野の活動を支援 【400 千円】 【3 件/4,200 千円】 現代詩の理論的指導者として知られる故・小野十三郎(1903 年∼1996 年)を記念して大阪文学協会が 1999 年 より実施している現代詩の表彰活動「小野十三郎賞」、また、オペラ『じょうるり』実行委員会が主催する、1985 年に 米・セントルイス・オペラ劇場で世界初演(英語上演)された作曲家・三木稔と演出家・脚本家コリン・グラハムによる 作品『じょうるり』を日本人キャストにより日本語で実施する日本初演、さらに(財)神奈川芸術文化財団が神奈川県 民ホール開館 30 周年を記念して行うオペラ『愛の白夜』の世界初演に対して助成が決定。 3 Ⅱ.国際交流プログラム (1) 【18件/23,350千円】 知的交流プログラム 【3 件/3,550 千円】 〔現代演劇・舞踊助成〕 <C-1> 知的交流活動 −公募プログラム− 【2 件/1,550 千円】 日本の舞台芸術の紹介および海外との相互理解を目的とした会議、シンポジウム、翻訳出版活動に対して助成。 国際舞台芸術交流センターによる 秋元松代作『七人みさき』の 多国語公演に向けた戯曲翻訳 日露演劇会議による ロシア国立オムスク大学での 第2回「日本文化講座」の実施 国際芸術カーニバル(PAC)を主催する国際舞台芸術 交流センターによる、上演を目的とした戯曲翻訳事業に 対して助成が決定。 同翻訳事業では、1970 年代の日本現代演劇における 代表作のひとつ『七人みさき』(秋元松代作)を英訳。その 後、インドのニーラム・マン・シン・チャウドゥリーの演出に よる PAC での上演と将来の出版、および海外公演に向 けて、日本語と英語のほか、参加予定のマレー、中国、イ ンドネシア、タガログ語の俳優が各国語に翻訳する予定。 昨年5月、ロシア国立オムスク大学からの要請受け て日露演劇会議が実施した、日本の現代演劇に関す る集中講座の2回目に対して2年続けて助成を行う。 前回、演劇評論家の村井健が行った講座が好評 だったため、今回より同大学と、ロシア国立オムスク教 育大学の2校の共催によって実施される。 本年5月に行われる第2回目の講座では、劇団昴演 劇研究所所員で演出家・戯曲翻訳家の松本永実子 が講師を務める。 翻訳出版助成 【1 件/2,000 千円】 ―非公募プログラム― 日本の文献を海外に対し継続的に紹介する活動および関連事業に対して助成。 現代日本社会に関する著書を継続的にドイツ語に翻訳出版する事業: IUDICIUM Verlag GmbH ミュンヘンの出版社 IUDICIUM Verlag GmbH(ユディチュウム出版)が 1999 年度から 2003 年度まで行ってき た翻訳出版事業の第2期。日本の精神文化に関する著書をドイツ語に翻訳出版するシリーズ第1期に対し、過去5 年間当財団が継続的に助成。これまでに大橋良介論文集と上山春平著『日本の思想』、加藤周一著『夕陽妄語』の アンソロジー、今西錦司著『生物の世界』、山崎正和著『柔らかい個人主義の誕生』、中村雄二郎著『共通感覚 論』、阿満利麿著『日本人はなぜ無宗教なのか』が出版された。また、井筒俊彦著『意味と本質』、辻井喬著『伝統の 創造力』が今年中に刊行される予定。 2004 年度より開始された第2期では、現代の日本社会に関する著書を複数年に亘って翻訳出版を行う。今後森 嶋通夫著『日本にできることは何か』、久保田展弘著『日本多神教の風土』などを翻訳出版する予定。 (2) 芸術交流プログラム 【13 件/18,800 千円】 〔現代演劇・舞踊助成〕 <C-2-Ⅰ>プロジェクト支援 −公募プログラム− 【5 件/森下スタジオ貸与】 国際交流を通した創造活動の活性化、および日本の舞台芸術の国際化を目的とした国際共同作業、公演に対して支援する。森下 スタジオ貸与のみ(資金助成なし)。 初のブラジル公演に臨む コンドルズ パパ・タラフマラ、Theatre of Yugen、 島崎麻美の各国際共同制作事業 ク・ナウカ シアターカンパニーとインド ネシアの劇団との創作ワークショップ 海外公演の分野では、本 年2月から3月にかけてアメ リカツアーを行ったコンドル ズ(代表:近藤良平)への2 年連続助成が決定。 今回は 2006 年初頭に実 施予定の初のブラジル公演 (同国内3都市巡演予定)に 向けて、創作活動とリハーサ ルのために森下スタジオを 提供する。 共同制作の分野では、パパ・タラフマラ(代表・ 小池博史)による、G.ガルシア=マルケス原作『百 年の孤独』をもとにした日本・アメリカ・ブラジルの アーティストや機関との共同プロジェクトや、サン フランシスコの Theatre of Yugen(代表:Libby Zilber)による米劇作家エリック・エン作品『Moon of the Scarlet Plums』の日米プロジェクト、また 1997 年から 2004 年までイスラエルのバットシェバ舞踊 団に在籍していたダンサー・島崎麻美による、イ スラエルやノルウェーなどのアーティストと行う創 作活動に対して森下スタジオを提供。 ク・ナウカ シアターカンパニー(代 表:宮城聰)がインドネシアの演出家、 ユディ・タジュディンと氏が率いるテアタ ーガラシ(1993 年創設)を迎える創作ワ ークショップに森下スタジオを貸与。 2006 年 3 月に実施予定の同ワーク ショップでは「アジアの現代演劇」を一 緒に探りあて、また数多くの言語・宗教 が共存する「複数性」を前提としたインド ネシアの芸術活動についても学び、そ の成果を日本の演劇界に還元する。 4 〔現代演劇・舞踊助成〕 <C-2-Ⅱ>継続プロジェクト支援 −公募プログラム− 【3 件/7,400 千円】 演劇・舞踊の国際交流において特に重要な意義を持つと思われる、2年以上の継続プロジェクトに対して助成 「継続プロジェクト支援」新規助成対象 −2005年度∼2006年度 (140 万円): 矢内原美邦による個人プロジェクト「ダンス・アンド・メディアアート・パフォーマンス」に決定 矢内原美邦 <新規> 国際交流ダンス・アンド・ メディアアート・パフォーマンス 劇団解体社 (代表:清水信臣) 『Dream Regime/夢の体制』 【演劇】 泯) 国際共同制作ダンス・プロジェクト 「気配の探求」シリーズ 【舞踊】 【舞踊】 振付家・ダンサー・ニブロール代 表の矢内原美邦による、「パブリッ クとアンパブリック」をテーマとする 個人プロジェクト。 2 年間に亘る共同創造事業の 初年度は、オーストラリアの振付 家・ダンサーのジョアンナ・ロイドと 同デザイナーのシオ・オオタニと の共同制作を経て、小スペースで の展示とパフォーマンスを日本・ オーストラリア・アメリカで実施予 定(2005 年 4 月 30 日∼7 月 30 日)。 2006 年度にはニューヨークで 活動する台湾人劇作家のフォー・ チュンとともに、演劇とダンスとの コラボレーションを行い、日本・台 湾・アメリカにて作品を発表。 舞踊資源研究所 (代表:田中 3 年間に亘る共同創造事業の 2 年目。暴力とグローバリゼーショ ンの波によって一つの世界観・歴 史観で世界を塗り替えようとする 動きに対し、舞台芸術が為し得る 可能性を考え、「忘れ去られようと している弱者の歴史の掘り起こし」 をテーマに、アジアやオーストラリ アなどの研究者、ドキュメンタリー映 像作家、パフォーマーらと共同作 業を重ねる。 2004 年度はウェールズやドイ ツ、東チモール、ヨルダンなどでの レジデンシーやワークショップを実 施。2 年度目にあたる 2005 年度 は、最終ワークショップを経て初演 を行う(2005 年 10 月 31 日∼12 月 4 日)。 3 年間に亘る共同創造事業の 2 年目。多国籍のダンサーと共 に、都市の劇場ではなく人類共 通の資源である「森」の中で、人 間の生命や気配の物語を紡ぎ 出すプロジェクト。現代の劇場制 度と都市中心文明の弊害を訴 え、21 世紀に取り戻すべき人間 と自然の関係、生命と生活の問 題に示唆と直観を与える。山梨 でのレジデンスでの国際的な共 同創作活動を経て、2005 年度に は昨年に続き東京都武蔵野市 井の頭公園にて『森の物語』を上 演予定(2005 年 7 月 20 日∼9 月 12 日)。 【2005年度からの新規プログラム】 〔現代演劇・舞踊助成〕 <C-2-F> 「フランス・ダンス・03」寄附プログラム new 日仏舞踊交流プログラム −公募プログラム− 【3 件/1,400 千円】 日本国内におけるフランス現代舞踊家の活動紹介を目的としたレクチャー、デモンストレーション、公演等に対して助成。 「フランス・ダンス・03」(2003 年 10 月 11 日から同 12 月 19 日まで開催された、フランスの現代舞踊を日本に 紹介するフェスティバル/主催:フランス・ダンス・03実行委員会)からの寄附によって設立された、2005 年度よ り 2007 年度までの期間限定プログラム。日本とフランスとの間の現代舞踊交流推進のため、来日するフランス現 代舞踊家の活動紹介事業を支援する。初年度は下記の3組に決定。 [協力:日欧文化交流協会(AJEEC)] K622 company (代表:Miè Coquempot) による SIMPLY if possible Monochrome Circus [モノクロームサーカス] (代表:坂本公成)による ディディエ・テロンの世界 財団法人山口市文化振興財団 (代表:合志栄一)による ジャン・バティスト新作滞在 制作公演 “Simply”と名付けられた3つ の作品から構成されるプロジェ クト。いずれもライブ音楽とダン スと映像を組み合わせたマルチ メディア作品。創作活動の場と して森下スタジオを提供する。 1995 年 以 来 Monochrome Circus との交流を続けている振 付家、ディディエ・テロンによる 『EN FORME/カフカ断章』、お よ び テ ロ ン が Monochrome Circus に振り付けた作品『借家 人』を京都と東京(森下スタジオ) で上演するプロジェクト。 「フランス・ダンス・03」で上演さ れたフィリップ・ドゥクフレの『IRIS』 に出演したパフォーマー、ジャン・ バティスト・アンドレのプロジェク ト。山口情報芸術センターに長期 滞在しながら、日本のアーティスト やスタッフとともに行う、映像とコン ピューターなどのメディアテクノロ ジーを用いた新作制作と公演。 5 芸術交流活動 −非公募プログラム− 【2 件/10,000 千円】 海外の非営利団体との継続的なパートナーシップに基づく芸術創造活動、日本文化紹介事業、フェローシップ事業等に対して 支援するプログラム。 Asian Cultural Council による 日米フェローシップ事業 Japan Society, Inc.による 日本の現代演劇を北米に紹介する事業 ニューヨークの Asian Cultural Council(アジアン・カ ルチュラル・カウンシル/ACC)が 2006 年中に行う日 米 芸 術 交 流 プ ロ グ ラ ム に 対 し て 助 成 。 Saison Foundation Fellow として当財団からの助成金によりこ れまでに訪米したアーティスト、専門家は次のとおり: 村上隆(美術/94 年度)、小沢剛(美術/96 年 度)、佐東範一(舞踊制作/同)、石井達彦(詩・評論 /97 年度)、伊藤恭子(舞踊評論/同)、西山美なコ (美術/同)、野口里佳(写真/同)、小山田徹(パフォ ーマンス/98 年度)、坂手洋二(演劇/同)、平石博 一(音楽/99 年度)、岡田裕子(美術/同)、常田景子 (戯曲翻訳/同)、岩淵多喜子(舞踊/00 年度)、羊屋 白玉(演劇/同)、鈴木貴彦(美術/01 年度)、矢内原 美邦(舞踊/同)、室伏鴻(舞踊/03 年度)、田中功起 (美術/同) 、田中泯(舞踊/04 年度)、天野由起子 (舞踊/同)、名和晃平(美術/同)など。 ニューヨークの Japan Society, Inc.(ジャパン・ソサエ ティー)の主催により 1998 年から5年間に亘って行われ た、日本の現代演劇の紹介事業「ジャパニーズ・シアタ ー・ナウ」の第2期の2年目。 初年度(2004 年度)の事業として行われた燐光群(代 表:坂手洋二)の『屋根裏』北米ツアー(2005 年 2 月に実 施)に続き、今回は平田オリザ率いる青年団による『ヤル タ会談』『忠臣蔵・OL 編』をアメリカとカナダで上演予定。 なお、第1期(1998 年度∼2002 年度)で紹介された劇 団と作品は次のとおり: 98 年度:燐光群 『神々の国の首都』 99 年度:新宿梁山泊 『少女都市からの呼び声』 00 年度:青年団 『東京ノート』 01 年度:劇団解体社 『バイバイ/未開へ』 02 年度:ク・ナウカ シアターカンパニー 『天守物語』 (3) 特別助成 ―非公募プログラム― 【2 件/1,000 千円】 現代演劇・舞踊以外の芸術・文化分野における国際交流事業を支援。 日独協会が<日本におけるドイツ年 2005/2006>の記念事業として行う、同協会の会報誌「架け橋」にてこれま で連載してきた、日独間の文化交流に貢献した人々を紹介するコラムを一冊の書籍として刊行する事業、また詩学 社が行う中国の新世代による現代詩を日本に紹介する翻訳出版事業を支援する。 財団法人セゾン文化財団 2005年度 共催事業( ) ・ 後援事業 1. 共催事業 ( ) The Necessary Stage(シンガポール)による『Asian Migrant Worker Project』 日程: 2005年6月1日∼2006年12月31日 開催地: シンガポール、バンコク、東京、マニラ 主催: The Necessary Stage 内容: シンガポールの劇団、The Necessary Stage(代表:Alvin Tan)によるアジアの出稼ぎ労働者をテーマとする多国籍プロジェクト。 日独共同創造演劇プロジェクト シアターXプロデュース公演 鶴屋南北『東海道四谷怪談』 日程: 2005年8月5日∼8月14日 会場: 東京・シアターX(カイ) 主催: 東京ドイツ文化センター、シアターX 内容: 「日本におけるドイツ2005/2006」参加作品。ドイツを代表する、現代演劇・オペラの演出家ヨッシー・ヴィラーと美術・衣裳の 渡邉和子を迎え、オーディションによって選ばれた日本人俳優と共に現代の『四谷怪談』を共同作業によって舞台化する試み。 2. 後援事業 三輪華子展 ―愛蓮― 会期: 2005年9月30日∼10月14日[予定] 会場: パリ日本文化会館[予定] 主催: 日欧文化交流協会(AJEEC)、財団法人セゾン現代美術館 内容: 萩焼の名門として知られる三輪窯の直系に生まれた新進気鋭の現代陶芸家、三輪華子によるパリでの展覧会。 6
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