新着図書 (平成28年5月)

ツバキ文具店
糸川
糸
雨宮家は代書を稼業とし、代々女性が継いできた。十一代目が私というわけ
である。ただ、昔とは違い、命名書や看板、社訓や為書きの類の文字を書く
のが主な業務内容だ。先代も、頼まれれば和食屋さんのお品書きなど、とに
かく書く仕事であればなんでもこなした。早い話、文字に関するヨロズ屋と
いうわけである。表向きは、町の文具屋にすぎない。
向田理髪店
奥田
英朗
過疎の町のから騒ぎ北海道。寂れてしまった炭坑町。通りにひと気はないけ
れど、中ではみんな、侃々諤々。心配性の理髪店主人が暮らす北の町は、案
外にぎやか。身に沁みて、心がほぐれる物語。
コーヒーが冷めないうちに
川口
俊和
お願いします、あの日に戻らせてください―。
「ここに来れば、過去に戻れるって、ほんとうですか?」
不思議なうわさのある喫茶店フニクラフニクラを尾と訪れた 4 人の女性たち
が紡ぐ、家族と、愛と、後悔の物語。
屋上の道化たち
島田
荘司
御手洗潔シリーズ 50 作目!
自殺するはずのない男女が、必ず飛びおりて死に至る―。行ってはいけない
屋上とは?強烈な謎と鮮烈な解決!これぞ本格ミステリー!
サブマリン
伊坂
幸太郎
陣内さん、出番ですよ。「チルドレン」から 12 年。家裁調査官・陣内が出会
う新たな「少年」たちと、罪と罰の物語。陣内さん、僕たち挽回できますか?
防諜捜査
今野
敏
ついに、作業班への配属を任命された倉島。そんな折、ロシアの美人ホステ
ス轢死事件が発生。警察は事故と自殺の両面で捜査を開始するが、事件はロ
シア人の殺し屋・オレグによる暗殺だという証言者が現れた。国益とプライ
ドをかけた防諜戦争の行方は……。そして倉橋は真のエースになれるか!?
終わった人
内館
牧子
大手銀行の出世コースから子会社に出向、転籍させられたそのまま定年を迎
えた田代壮介。仕事一筋だった彼は途方に暮れた。生き甲斐を求め、居場所
を探して、惑い、あがき続ける男に再生の時は訪れるのか?
暗幕のゲルニカ
原田
マハ
反戦のシンボルにして 20 世紀を代表する絵画、ピカソの<ゲルニカ>。国連
本部のロビーに飾られていたこの名画のタペストリーが、2003 年のある日、
忽然と姿を消した……。大戦前夜のパリと現代のNY、スペインが交錯する、
華麗でスリリングな美術小説。
バベル九朔
万城目
学
作家志望の「夢」を抱き、雑居ビル「バベル九朔」の管理人を務めている俺
の前に、ある日、全身黒ずくめの「カラス女」が現れ問うてきた……「扉は、
どこ?バベルは壊れかけている」。巨大ネズミの徘徊、空き巣事件発生、店子
の家賃滞納、小説新人賞への挑戦。
橋を渡る
吉田
修一
大切な人の不倫、不正、裏切り。正義によって裁くか、見ないふりをするか。
やさしさに流されてきた 3 人の男女が立ち止まるとき―。
スクープのたまご
大崎
入社 2 年目の私が週刊誌の記者に!?「無理!ぜったい無理」
感動&ミステリー 傑作お仕事小説。
梢
辛夷の花
葉室
麟
九州豊前、小竹藩の勘定奉行・澤井家の志桜里は近習の船曳栄之進に嫁いで
三年、子供が出来ず、実家に戻されていた。現藩主の小竹頼近と家老三家の
間に、藩政の主導権争いが続いていた。ある日、隣家に剣を紐で縛り“抜か
ずの半五郎”と呼ばれている藩士が越してきた。庭の辛夷の花に託した歌の
意味とは……。
まく子
西
加奈子
小さな温泉街に住む小学五年生の「ぼく」は、子どもと大人の狭間にいた。
ぼくは、猛スピードで「大人」になっていく女子たちが恐ろしかった。そし
て、否応なしに変わっていく自分の体に抗おうとしていた。そんなとき、コ
ズエがやってきた。コズエはとても変で、とてもきれいで、それから、彼女
には秘密があった。
ビューティーキャンプ
林
真理子
並河由希の転職先はミス・ユニバース日本事務局。ボスは、NYの本部から
送り込まれたエルザ・コーエン。ブロンドに 10 センチヒール、愛車ジャガー
で都内を飛び回り、美の伝道師としてメディアでひっぱりだこの美のカリス
マだ。彼女の元に選りすぐりの美女 12 名が集結し、いよいよキャンプ開始。
たった一人が選べれるまで、運命の 2 週間。
天才
石原
慎太郎
反田中の急先鋒だった石原が、今なぜ「田中角栄」に惹かれるか。家族とは
何か?成功するとはどういうことか?女は男にとってどんな存在なのか?
ザ・ロング・ワインディング・ロード
東京バンドワゴン
小路
幸也
人気の「東京バンドワゴン」シリーズ第 11 弾!
老舗古書店<東京バンドワゴン>を営む堀田家に、秘蔵されている貴重書を
取り返すべくやってきた客は、なんと英国秘密情報部!?
我々の恋愛
いとう
せいこう
2001 年、世界の恋愛学者が山梨に集まり、「二十世紀の恋愛を振り返る十五
ヵ国会議」が開催された。そこで「二十世紀最高の恋愛」に選ばれたのは、
日本の片隅に住む若い男女の、世にも奇妙で不器用な恋だった―。教唆委員
会のメンバーたちが報告する、奇想天外な恋の真相とは?会議に出席したト
ルコの老恋愛詩人の、半世紀越しの恋の行方は?時代の転換期に生まれた恋
愛を多層的に描く、魅惑にみちた長編小説。
軽薄
金原
ひとみ
十代の終わりに、ストーカーと化した元恋人に刺された過去を持つカナ。29
歳のいま、裕福な年上の夫と幼い息子、仕事での充足も手にし、満たされた
日々を送っていた。そこに、アメリカから姉一家が帰国。未成年の甥から、
烈しい思いを寄せられる。危うさを秘めた甥との破滅的な関係は、彼らと、
彼を取り巻く人々をどこに運ぶのか。
日本語を作った男
山口
謠司
明治維新を迎え「江戸」が「東京」となった後も、それを「とうきやう」と
か「とうけい」と様々に呼ぶ人がいた。明治にはまだ「日本語」はなかった
のである。
「日本語(標準語)」を作ることこそ国(国家という意識)を作ることで
ある―。近代言語学を初めて日本に導入すると同時に、標準語の制定や仮名
遣いの統一などを通じて「近代日本語」の成立にきわめて大きな役割を果た
した国語学者・上田万年とその時代を描く。
言ってはいけない
橘
玲
この社会にはきれいごとがあふれている。人間は平等で、努力は報われ、見
た目は大した問題ではない―。だが、それらは絵空事だ。往々にして、努力
は遺伝に勝てない。知能や学歴、年収、犯罪癖も例外でなく、美人とブスの
「美貌格差」は約 3600 万円だ。子育てや教育はほぼ徒労に終わる。進化論、
遺伝学、脳科学の最新知見から、人気作家が明かす「残酷すぎる真実」。読者
諸君、口に出せない、この不快な現実を直視せよ。