平成 27年度 横浜fカレッジ 自己評価報告 1.実施方法 学校評価については、平成 25 年 3 月に文部科学省により出された「専修学校における学校評価ガイドラ イン」に則り、実施。年 2 回実施している「授業アンケート」「学校満足度アンケート」の結果も踏まえている。 ※別紙:平成 26 年度 横浜fカレッジ 自己評価表 2.評価項目の達成及び取り組み状況 2-1.教育理念・目標 (1)教育理念・目標・職業教育への取り組み 本校は、学校法人岩崎学園の理念である「人財育成を通した地域社会への貢献」のもと、 ①感性の 向上 ②高度な技術力の習得 ③豊かな人間性の涵養 ④プレゼンテーション能力の育成の4つ を教育目標に掲げ、ファッション、美容、ブライダル、ジュエリー分野の人財育成に取り組んでいる。 平成 26 年の職業実践専門課程認定を機に、各学科とも産学連携授業やインターンシップを一層推進 し、より実務に即した授業を展開。結果、学生の就労意識の醸成にもつながっている。 また、卒業生の大多数は、地元神奈川を中心に関東圏の企業に就職し、各分野の専門職として、地 域経済の担い手となっている。 (2)教育目標の学生・保護者への周知 学生や保護者に対しては、入学前の学校説明会や、入学直後のガイダンスで教育理念、学科教育目 標(学科グランドデザイン)、学習スケジュール・科目の関連性(学科カリキュラムデザイン)を説明し、 周知を図っている。 (3)将来構想へ向けた体制 高大接続、大学入試改革、神奈川県の県立高校改革、実践的な職業教育を行う高等教育機関の制 度化等、教育行政の変革期を迎え、本学園では、平成 27 年度に事業企画部を設置。文部科学省、教 育委員会関連の情報を集約するとともに、7 つの専門学校の現状分析と横断的な将来構想に着手。 2-2.学校運営 (1)運営方針の策定・人事・給与 理事会での学校運営に関する根幹の決定に基づき、本校では年度当初に事業計画、運営方針、予算 の策定を行い、定期的に開催される運営会議(学園全体の管理職会議、本校の教職員会議・就職会 議等)や朝礼を通じて情報を共有し、進捗の確認を行っている。また、人事・給与に関する制度は、本 学園全体で総務部が規定を作成し管理している。 1 (2)行動指針 平成 27 年度時点で、本学園は 25 事業所、350 名の常勤教職員の組織となった。人材育成を通じて社 会、地域経済に貢献し、学校法人として成長し、発展していくための行動指針、「IWASAKI WAY」を策 定。「IWASAKI WAY」は、コアメッセージと 10 の行動指針(5 つのマインド、5 つのアクション)から構成さ れ、平成 28 年度から事業計画の中で具体的に取り組んでいく。 (3)教育活動の情報公開 教育活動については、学校案内パンフレットや本校ホームページ上で公開。特に職業実践専門課程 には、在籍者数、教員数、就職率、退学率のデータをはじめ産学連携の取り組みやカリキュラム詳細 等の教育活動の情報公開が求められており、文部科学省既定のフォーマットで公開している。 (4)情報のシステム化と業務の効率化 情報のシステム化に向けては、現況、教務・学生募集とも本校独自のシステムを運用しているが、より 効率的なデータ管理と可視化をめざし、学園統一のシステムへの移行に着手。平成 28 年度は、学生 募集システムが稼働予定。 2-3.教育活動 (1)教育課程の編成・実施方針 ①学校教育目標に基づき、「学科グランドデザイン」「カリキュラムグランドデザイン」「シラバス」を作成 し、教育内容の明確化と学科横断的な教育効果の向上を図っている。 ・学科グランドデザイン:学科理念、人財像、年度方針等をまとめたもの ・カリキュラムグランドデザイン:学科グランドデザインに基づき、学習スケジュールや科目の横断的なつ ながり、時期に応じた育成目標をまとめたもの ・シラバス:科目ごとの目標と学習計画をまとめたもの。評価方法や関連科目も明記。 ②年 2 回開催の本校教育分野関連の業界団体・企業の有識者による「教育課程編成委員会」や、産 学連携の取り組みを通して、上述の両グランドデザイン、シラバスの見直しを毎年行い、産業動向 や企業ニーズに合わせた教育を推進している。平成 27 年度は、教育課程編成委員の助言を反映し、 ビューティーコーディネート科が学生サロンを実施、ビューティースタイリストは現役ヘアスタイリスト、 アイリスト、ネイリストによる選択授業を導入。 (2)産学連携・インターンシップ ①各学科で産学連携授業を推進した結果、平成 27 年度は 87 件の連携を行った。(昨年度 54 件) 産学連携授業は、日常の学びの定着はもとより、企業や職種を知り、自己のキャリアを考える意 味でも重要な機会となっている。 ②インターンシップが定着し、年間スケジュールに落とし込めるように整備されてきた。平成 27 年度 は在籍生の 54%が参加。(昨年度 49%)ファッションデザイン科 3 年生、ファッションライフデザイン学 科 2 年生、ブライダル科 2 年生では、全学生がインターンシップに参加した。 ③平成 28 年度より、長期休暇のインターンシップの単位認定を行うべく制度設計を行った。 2 (3)授業評価 授業評価については、教員間の授業参観に加え、年間2回、「授業アンケート」を実施し、カリキュラム や教員配置の見直しにつなげている。平成 26 年度からは、「学校満足度アンケート」を実施し、学生サ ービス向上の参考としている。 授業アンケートスコア(5 段階評価) :4.2(昨年度 4.2) 学校満足度アンケートスコア(5 段階評価):3.8(昨年度 3.7) (4)成績評価 成績・評価については学則・シラバスに定め、入学後のオリエンテーションで周知。 外部関係者からの評価は、連携授業での課題、作品展やコンテストを通して実施。 (5)教員研修 ①岩崎学園全体でコーチング研修と、アクティブラーニングに向けたファシリテーション研修を、夏期と 冬期に実施。ファシリテーション研修受講者は、全員がアクティブラーニングの授業を実践し、 振り返りを行い、次の授業への手掛かりとした。 コーチング研修受講者 14 名、ファシリテーション研修受講者 20 名。 ②各学科の教員とも学科教育方針に沿って専門性を高める研修に随時参加している。美容ライト脱毛 機器や 3D デザインシステムの導入に伴い、機器メーカーが実施する新技術に対する研修に教員 4 名が参加した。また、ジェルネイルやまつ毛エクステの資格試験を学内で実施できるよう、担当教員 が認定講師となるための研修を受講し、資格を取得。 2-4.教育環境 (1)施設・設備 ①業界のIT化や新技術に対応するため、平成 27 年度は下記設備を導入し、新たな技術教育を開始。 ・ファッションライフデザイン学科 島精機 3D デザインシステム 8 台、ガーメントプリンター1 台を導入、実習室を整備。島精機の教 育カリキュラムとトレーナーによる技術習熟のための授業を実施。本学科は、全学生にノートパ ソコンが貸与され IT 活用力の高い学生が多いため、学生の習熟が早く、同システムで実務を行 っている企業のインターンシップに 3 名の学生が参加した。 ・ビューティーコーディネート科:美容ライト脱毛機器1台を導入。エステ業界では、脱毛メニューの需 要が高まっており、本校学生の関心も高い。機器メーカーとの連携による取扱い技術の授業を 行った。平成 27 年度卒業生から脱毛系エステ企業に 3 名が就職した。 ・ブライダル科 クラウド型婚礼業務支援システム「WEDO」を導入し、授業向けにシステムの改良を行った。 ②各学科とも、一通りの実習環境は整っているが、現況、校舎面積の全容積を使用しており、新たな 教育環境の見直しに課題が残る。 3 ③ファッションライフデザイン学科で先行導入したノートパソコン貸与が効果的であることから、平成 28 年度からは、ファッションビジネス科、ジュエリー&アクセサリー科入学生にも貸与を開始。 そのための授業内容の見直しと、機器の選定を行った。 ④商業施設や婚礼会場等と連携による校外での学生の活動が定着し、外部評価を得られる作品発表 や実践の場として学生の意欲的な取り組みにもつながっている。 (2)海外研修 ブライダル科のハワイ研修旅行は実施できたが、海外情勢の悪化によりビューティースタイリスト科の パリ研修、学科横断的に任意参加者で行うヨーロッパ研修を中止。グローバル化が進展する一方で、 研修旅行を中止せざるを得ない状況は残念である。ファッション・美容分野では、ヨーロッパ研修に匹 敵する芸術文化に触れる機会の提供が難しい状況にある。 2-5.学習成果 (1)岩崎学園教育成果発表会 平成 27 年度より、岩崎学園の 7 つの専門学校がそれぞれ産学連携・PBL 学習による成果発表を行う 「岩崎学園教育成果発表会」を、毎年開催することになった。本校からは、ブライダル科が代表となり 本物の婚礼プロデュースをはじめとする 2 年間の同科の学びと成長についてプレゼンテーションを行っ た。異なる分野の学校の産学連携に基づく取り組みを知ることは、学生の良い勉強の機会 になった。平成 28 年度は、ファッションライフデザイン学科が発表予定。 (2)就職実績 ①平成 27 年度は、採用スケジュールの変更があり就職活動の長期化が予測されたが、本校関連分 野の企業の動きはほぼ例年通りだった。インターンシップや産学連携の推進で学生の就業への意 欲が高く、特に前半は前年を上回るペースで内定を獲得できていた。 ②平成 27 年度の就職率は 97.9%(前年比+0.7pt)と微増。(就職希望者 235 名、就職者 230 名) 就職未定者 5 名(内 2 名は卒業後も活動を継続し就職)。 その他 17 名、(進学 1 名、専門業界アルバイト 4 名、起業準備 1 名 他)。 ③平成 26 年度卒業生の就職先企業および卒業生へのアンケートを実施。 (3)資格取得・コンテスト ①資格取得については、1 年次に取得する基本資格の受験料を教材費として徴収し、全員に受験させ る体制をとり、合格率の向上に努めている。学科主軸資格の取得率は 97.6%(昨年度 87.9%)、履歴 書記載可能な資格の取得率は 97.6%(昨年度 94.1%。)。 ②美容師国家試験については、実技課題の習熟計画の見直しと、スマートフォンによる筆記試験対策 を導入した結果、在籍生全員が受験し 100%の合格率を達成することができた。(昨年度 94.4%) ③ネイルコースでは、大手ネイルサロン就職時に求められる、ネイリスト技能検定 2 級とジェルネイル 検定中級の取得対策を強化し両資格とも全員が取得。両検定は、2 年連続で 100%の合格実績とな る。難関の 1 級も受験者、合格者ともに増加している。 4 ④在校生の社会的な評価を得る機会として、外部コンテストへの参加を促進。平成 27 年度は、全国理 美容学生技術大会で全国大会に 6 年連続で出場。繊維ファッション産学協議会主催の全国の服飾 系大学・専門学校が参加する「FORM PRESENTATION」に昨年に続き入選。(47 グループエントリー、 入選 8 点)。11 月開催のジャパンクリエーションで東レ提供の生地を使用した作品を展示した。 また、メイクアップ・エステで 6 件、ジュエリーで 3 件のコンテストに入選学生を輩出することができ た。 ⑤平成 27 年度は、在校生を対象にしたコンテストとして、これまでのファッション&ビューティーライブに 加え、日本の文化を学ぶ機会として地元横浜の呉服店と共催で、「振り袖デザインアワード」を開催。 振り袖柄デザイン部門、コーディネート部門の 2 部門で実施。振り袖柄デザイングランプリ作品は、き ものプリンセスブランドで商品化され、現在全国の取扱店で販売、レンタルされている。平成 28 年度 も継続開催する。 (4)退学者 昨年度は、校舎内での弁当の販売や昼休みの校内放送、新入生歓迎行事の充実等、学校が楽しくな る取り組みを強化。従来から行っている学生生活アンケートで要注意者の早期発見とフォローアップも 機能し、退学率が昨年度に比べ 5.1pt 減少し 6.1%となった。 退学理由:経済的・就職 27%、体調不良・精神疾患 27%、意欲低下 33%、進路変更 10%、対人関係 3% 2-6.学生支援 ①進路・就職に対する支援は、岩崎学園全体の就職情報を統括的に管理する就職指導部と学校とが 連携し、計画的に学内企業説明会、各種就職対策講座を実施しており、学生の就職実績に成果が表 れている。平成 27 年度は、学内セミナー・合同説明会に企業 54 社が来校し、来校企業に 86 名が内定。 (昨年度 47 社来校、81 名内定) ②学生相談については、状況ごとにクラス担任、学科リーダー、専門のカウンセラーと複数の人間で対応 をしている。 ③経済的な支援については、学園独自の奨学金制度のほか、日本学生支援機構の奨学金を利用した学 費分割納入制度を設け、自力進学がしやすい仕組みを設けている。本制度の利用者は、年々増加傾向 にあり、学生生活や就職面でのフォローが重要となってきている。また、学校独自の給付型の奨学金制 度のある職業実践専門課程在籍の経済的支援が必要な学生に対し、国による学費減免措置の研究が 始まり、3 名の学生が受給した。また、平成 28 年度には、岩崎智美学園長の遺志を継ぐ「一般財団法人 岩崎ともみ奨学財団」の設立が計画されている。 ④学生の健康管理については、毎年 4 月に健康診断を実施している。また、法人全体の健康支援を行う 専任の産業医への健康相談を行える体制が整っている。また、精神面の悩みに対しては、専門のカウ ンセラーへ保護者も含め相談できる体制をとっている。 ⑤保護者との連携については、入学時のガイダンスの開催、出席、成績状況や学校行事などをお知らせ する「お便り」を年 6 回発行の他、必要に応じ、保護者会や三者面談を行っている。 5 2-7.学生の受け入れ募集 平成 27 年度の入学生は 352 名で前年度より 11 名増加したが、ファッションライフデザイン学科、ジュエリ ー&アクセサリー科が入学目標数未達となった。選考方法の内訳は、指定校推薦 122 名、学校推薦 17 名、 AO142 名、特待生 44 名、自己推薦 5 名、家族推薦 6 名、一般 16 名。今後も、高等学校と連携し、仕事の まなび場、公開連携講座、出前授業等を通し職業や分野の啓蒙活動を行い、目的意識の高い高校生・既 卒生に選ばれる学校としての努力をしていく。 2-8.財務 現状財務基盤は安定しており、継続的な学校運営に問題ない状況である。 2-9.法令順守 ①学校の設置や運営に関する法令は遵守しており、神奈川県の認可を受けている。毎年、学則、カリキュ ラムの届出と学生数、教職員状況、卒業生状況等の報告を行っている。 ②個人情報保護については、本学園ホームページで公開している個人情報保護方針に則り行っている。 ③平成 25 年 3 月に文部科学省により出された「専修学校における学校評価ガイドライン」に則り、自己評価 を実施。ホームページ上で公開するとともに、学校関係者評価委員会を開催し、専門的かつ客観的な意 見を聴収した。また、議事録をホームページ上で公開した。 2-10.社会貢献・地域貢献 ①若者へのウエディングの啓蒙活動として始めた「高校生ウエディングコンテスト」は 7 回目の開催となり高 校生が自発的に参加するイベントとして定着しつつある。平成 28 年度は、神奈川県の「恋カナプロジェク ト」が窓口で県の後援を受ける。 ②山下公園で行われるイベント Y156、横浜開港祭親善大使のユニフォームデザイン、高校生ファッション フェスティバルでのヘアメイクボランティア等、地域の定例イベントに学生が積極的にかかわる機会が増 えている。対外的な活動の機会は、異年齢や異業種の方々との交流にもつながり、学生の社会性を育 てるまたとない機会となっている。 ③ボランティアについては、岩崎学園主催のチャリティバザーや神奈川県警の秋の交通安全運動への協 力として反射材ファッションショーを行実施。 ④公開講座として、高校生向け講座「仕事のまなび場」(5講座)、「総専協夏季公開講座」(2 講座)に加え、 独自の高校との連携講座で 183 名の高校生を受け入れた。 また、小中学生向け公開講座として「小中学生のためのチャレンジスクール」(2 講座)を実施した。 以 6 上
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