校長だより 7月懇談会号

考 動 南 中
岩手の事件を受け
なんぶっ子 3か条
● あいさつ
● 思いやり
● 自ら進んで
校長室だより懇談会号
「命の大切さ」
について 終業式で全校生徒に話をし
ました。
岩手県の中学校で大変痛ましい事件がありました。
亡くなった村松君のご冥福をお祈りするとともに、そ
こまで彼を追い込んだ “いじめ” にいきどおりを覚
えます。 南部中学校にもからかいや、いやなことを
言うなどのいじめはあります。 そして、それを理由
に教室に入りにくいと訴えている生徒がいることも
事実です。 誰に質問しても「いじめはいけない」と
答えるでしょう。 なのに、こうした事件が起きるの
は、「命の大切さ」が、本当には分かっていないから
だと思います。 ここに内田美智子さんという助産師
の方のお話があるので紹介します。
「目が覚めたら生きていた。朝起きたらご飯が出来て
いた。窓を開けたらおいしい空気があった。…こんな
事当たり前だと思ったら大間違いです。世の中に当
たり前のことはたった一つしかないのです。それは、
生まれてきた全ての命には必ず終わりがあると言う
ことです。 それ以外のことは全て奇跡なんですよ」
「私は毎日新しい命を取り上げてきました。その中に
は十代の少女もいました。分娩室で彼女は『痛い、
痛い!』と泣き叫びながら、やっとの事で 3000 グラ
ムを超える大きな赤ちゃんを産みました。生まれた
ばかりの赤ちゃんを抱きながら、少女は『ママよ、私
がママよ』 と何度も語りかけていました。しばらくし
て、ずっと寄り添っていた、40 歳くらいでしょうか、若
くしておばあちゃんになった母親に向かって少女が
言った。『ママ、私を産んでくれてありがとう』…と」
「長年お産の現場にいると、そこは “おめでた” ば
かりではありません。死産もあるのです。ある妊婦
は 10 ヶ月目に入って赤ちゃんが動いていないことに
気がつきました。診察の結果赤ちゃんはお腹の中で
亡くなっていたのです。でも、産まなくてはならない。
普通、お産の時、『頑張って、もうすぐ元気な赤ちゃ
んに会えるからね』と妊婦を励ますんだけど、死産
の時にはかける言葉がありません。赤ちゃんではな
く母親の泣く声が分娩室に響くんです。
その母親は私に『一晩だけこの子を抱いて寝たい』
と言った。 真夜中、看護師が病室を見回ると、母親
ベ
はベッドに座って子どもを抱いていた。『大丈夫です
か』と声をかけた看護師に、母親は『今、お乳をあげ
ていたの』と言った。 見ると、母親は自分の乳首から
にじみ出てくる乳を指につけて、赤ちゃんのクチビル
に移していた。」
「妊娠が分かってから女性は約10ヶ月の月日、我が
子をお腹に抱きながら少しずつ “母親になる” という
決意をしていく。それは自分の命をかけて産むという
決意だ…。」
「親御さんには『子育ては時間が取られるなんて思
わないで、育てられるだけで幸せなことなの』と伝
えたいし、子どもたちには『お母さんは命がけであ
なたたちを産んだの。 だからいじめないで、死なな
いで』と訴えたい。」
「命が大切なんじゃない。あなたが大切なの」
「アドラー心理学から見た教育」
~ 「 いじめ・不登校 」 問題を考える ~
アドラー心理学から「いじめ・不登校」の問題を考
えてみようと思います。アドラー心理学では、「自
立する」ことと「社会と調和して暮らす」ことを両
立するためには、自己受容(自分が好きで自信があ
ひ と
る)と、他者受容(他人は私の仲間である)の両方
が出来なければならないと提言しています。
ほとんどの人間関係のトラブルは、この 自己受容
他者受容 ができないところに起因しています。
ひ と
自己受容と他者受容は表と裏です。他人の良さを
認めることが出来てこそ、自分のよさにも気づき、認
められるようになっていくと言われています。
人との比較でしか自分をとらえることが出来ない
思春期を乗り越えて、早く「自分らしさ」に気づき、
ひ と
その結果、「自分と他人は違うけど、それぞれによさ
がある。」と認められるようになれば、いじめや不登
校の問題は解決すると思います。