第3学年 道徳学習指導案 平成19年 月 日( 学 級 3年○組 場 所 3年○組教室 指導者 1.主題名 資料名 『いじめを許さぬ心』 「わたしのいもうと」( 内容項目 松谷みよこ著 4-(4) 味戸ケイコ絵 偕成社 ) 第 限 ) 2.主題について (1)指導内容 中学生の時期は,学級や部活動などのさまざまな場でさまざまな仲間と協力し合い, 友情を育む時期である。しかし時にはぶつかり合い,自分との違いを受け入れられずに 相手を除外しようとしたり,自己中心的な発言や行動で相手を傷つけたりすることもあ る。相手がどれだけ傷ついているかに気付くことなく,いつの間にか「いじめ」の加害 者になっていることも少なくない。いかなる時代においても,人は相手を思いやる心を 忘れてはならない。違いを認め,相手の立場に立って物を考えることの大切さについて 考えさせていきたい。そして偏見,差別,いじめの愚かさを理解させ,その行為を憎み, 断固許さないという強い態度を育てていきたい。 (2)生徒の実態 全体的に静かで,積極的な発言は少ないクラスだが,物事を深く見つめ直し,自分の 考えをしっかりとまとめることができる生徒は多い。「いじめ」に関しては訴えはない ものの,男子の中では仲間のおかしな行動を笑ったりからかったりする姿が見られる。 女子においても複数のグループに分かれ,常に仲間に気をつかって行動している生徒も いるようだ。一学期に行われた生徒会の「いじめ」アンケートでは,「自分がされたら 嫌なこと」と「今までに自分がしたことがあること」の項目が一致している生徒が多か った。自分でも自覚のないままに相手を傷つけ,その反面,自分は相手から傷つけられ ることをとても恐れているように感じる。 今回の授業を通して,今一度自分の行動を振り返り,相手の痛みを自分の痛みとして 感じ取ることの大切さ,いじめや差別などの不正を許さない心を教えていきたい。 (3)資料について ①あらすじ わたしの妹は七年前,小学四年生の時にこの町に引っ越してきた。しかし言葉の違いな どのささいなっきかけから,転校先の学校でいじめが始まる。学校に行けなくなり,食 事もしなくなった妹は,家族の必死の看病のおかげで一命を取り留める。 いじめた同級生たちが妹を忘れ中学・高校と進学していく中,妹は心の傷が癒えない まま部屋に閉じこもり,誰とも口をきかないまま,ただ鶴を折り続ける。家族の祈りも 届かず,ある日妹はひっそりと死んでしまう。「わたしを いじめたひとたちは もう わたしを わすれてしまったでしょうね / あそびたかったのに べんきょうしたか ったのに」という手紙を残して。 ②いかし方 妹の立場に立って最後の手紙の内容を考えさせることで,いじめられた者の負った痛み に共感する体験を通し,自分も同級生たちのように気付かぬうちに誰かを傷つけてない か生活を振り返るきっかけとする。 3.本時の指導 (1)ねらい いじめの愚かさを知り,差別,偏見を憎み,不正な言動を断固として許さない態度を育 成する。 (2)準備 事前アンケートの結果,資料プリント絵本「わたしのいもうと」,黒板掲示用カード プリント資料「朝日新聞・いじめられている君へ,いじめている君へ」,感想用紙 (3)本時の展開 過 程 (配時) 導 入 学 習 活 動 1.事前にとった アンケートの結 果を紹介する。 ( 5 ) 予想される生徒の反応 「『自分がされたら嫌』なのに『誰か にしたことがある』ことにはどんなこ とがあるかな」 ・チョイ借り・変なあだ名で呼ぶこと ・誰かの悪口を言うこと ・誰かを無視したり仲間はずれにする こと 2.資料の前半 (①)を読む。 展 4.資料の後半 (②)を読む。 ○デリケートな質問な ので,指名発表はせ ず,静かに考えさせ たい。 ○この絵本は実話をも とに書かれたもので あることを伝える。 開 3.このあと妹と同 級生たちにどう なってほしいか 考える。 教師の指導○と評価 評価の観点(方法)☆ 【いもうと】 ・元気に学校に行ってほしい。 ・いじめのことは忘れてほしい。 【同級生たち】 ・いもうとに謝罪してほしい。 ・いもうとをいじめるのを止めてほし い。 妹が最後に残した手紙には何が書かれていたのだろう。 (30) 5.妹は最後にどん な手紙を残した のかを考える。 (資料の余白に自分 の考えをメモす る。) ・わたしをいじめた人を絶対許さな い。 (自分が苦しんでいるのに,楽しそ うに学校生活を起こっている加害 者を許せないから。) ・お母さん,お父さん,今までありが とう。ごめんなさい。 (必死に看病してくれたのに,立ち 直ることができなかったから。) ・もっと生きたかったのに。 (自分は何も悪くないのに,夢や希 望や生きる気力までも奪われて, 悔しいから) まとめ ( 15 ) 6.資料プリントを 読む。 (「いじめられてい る君へ,いじめてい る君へ」) ○この時期の生徒たち にとっては答えにく いデリケートな質問 であるので,あくま で「妹」の立場で考 えさせたい。 ○最後に正解を読み, いじめは人間が当た り前に生活する権利 を奪うという怖さ と,気付かないうち に自分も加害者にな っているかも知れな いという怖さに気付 かせる。 ○資料を読み,相手の 痛みに気付くことの 大切さを押さえる。 7.今日の学習を振 り返って感じたこ とを感想用紙に書 く。 ・今まで相手がどれだけ傷つくかまで 考えて行動していなかった。これか らは相手の気持ちを考えて行動した い。 ・いじめはその人の生きる力まで奪っ てしまう。絶対にしてはいけない。 など ☆自分の心と向き合 い,いじめの愚かさ についての自分の考 えを深めることがで きたか。 (ワークシート) (4)板書計画 わたしのいもうと 【 同級生 たち】 この あと「い もうと 」と「 同級生た ち」に どうな っ てほし いか。 【 いもう と】 妹 が最後 に残し た手紙に は何が 書かれ ていたの だろ う。 ●・ ・・・・ ・・・ ●・・ ・・・・ ・・ ● ・・・ ・・・・ ・ 【いも うとの 手紙】 わたしを いじ めたひと たちは も う わ たしを わす れてし まった でしょう ね あそび たかっ たのに べんき ょうした かった のに (5)事後指導 心のノートp.94~96を読む。今回の内容が一回きりで終わることがないよう,感 想用紙に記入した各自の感想をプリントで少しずつ紹介し,継続的に啓発していきたい。 また今回使用した「いじめられている君へ いじめている君へ」の中にも,心に響くメッ セージがいくつも掲載されているので,教室掲示等で紹介していきたい。
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