ケーブル破砕機の防音対策工事の実施例

昭 和 電 線 レ ビ ュ ー
78
工
事
紹
Vol. 58, No. 1 (2008)
介
ケーブル破砕機の防音対策工事の実施例
Example of execution construction of soundproofing measures of the cable crusher
1.概 要
近年,様々な環境問題が取り上げられる中,騒音改善に
対する施策も積極的に行われている。例えば工場では機械,
設備などが発生源となり,作業効率の低下や健康障害の原
因のひとつになっている。また,発生職場はもとより近隣
への低騒音化が強く求められている。その要求が強まるに
制振材
ショウダンプR1
防音室内部
防音室(破砕機本体用)
防音室(分離機用)
防音室内部
つれて,快適な環境に対する考え方が必要不可欠になって
きている。
昭和リサイクル株式会社殿は,廃電線等のマテリアルリ
サイクル処理を主な事業内容として限りある資源のリサイ
クルに取組み,相模原・仙台・愛知の 3 作業所にて展開し
ている。今回は,仙台及び相模原作業所内に設置されてい
るケーブル用ナゲット式電線解体装置(破砕機)を対象に
図 1 仙台作業所騒音対策実施例
制音化を実施した。
2.適応事例
今回の騒音源としては,
・廃電線が破砕機のローターにより破砕される際の衝撃音。
・破砕された廃電線が破砕機内部で内壁に衝突する際の衝
低周波吸音材
25F75
防音壁内部
防音壁(フルイ機用)
防音室(破砕機本体用)
防音壁(フルイ機用)
撃音。
・その衝撃による薄鋼板の振動による 2 次音。
・廃電線構成材料の分別回収する為のフルイ機及び分離機
の運転音等が考えられる。
その騒音対策として,
・破砕機外面への制振材ショウダンプ R1 の貼り付け。
・破 砕 機 , フ ル イ 機 及 び 分 離 機 外 周 へ の 低 周 波 吸 音 材
25F75 を使用した防音室(壁)の設置を実施した。
表 1 に騒音対策前後の騒音低減効果を示す。また,騒音
対策実施例を図 1 および図 2 に示す。
図 2 相模原作業所騒音対策実施例
3.騒音低減効果
破砕機,フルイ機および分離機の騒音対策により最大
表 1 騒音対策前後の騒音低減効果
約 15 dB(A)の騒音低減効果が得られた。現場の作業者の
単位: ALLPASS dB
(A)
No.
1
2
測定箇所
対策前
対策後
騒音低減効果
作業者 A
105.6
91.7
13.9
作業者 B
107.9
93.5
14.4
作業者 A
94.2
86.3
7.9
作業者 B
95.3
89.5
5.8
作業所
仙台
相模原
方々から「作業場での会話が容易にできるようになった」,
「工場内の浮遊粉塵が激減した」などと大変満足して頂き,
大幅に作業環境が改善された。
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昭和電線デバイステクノロジー㈱
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