多面的視点からの廃棄物処理経営

平成26年度 第11期産業廃棄物処理業経営塾
「産業廃棄物処理事業概論」資料
多面的視点からの廃棄物処理経営
平成26年6月6日
株式会社環境構想研究所
代表取締役 青山 俊介
青山の履歴(平成25年6月現在)
【学 歴】
1972年 3月
【職
東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻 修了
歴】
1982年11月~2006年11月
2006年11月~
2001年 4月~2006年3月
2002年 4月~2006年3月
2007年 1月~
㈱エックス都市研究所代表取締役
㈱エックス都市研究所取締役特別顧問
東京大学工学部非常勤講師「産業・生活と環境技術」
2005年日本国際博覧会 政府出展事業 環境担当ディレクター
㈱環境構想研究所代表取締役
【学会活動】
2000年 4月~2006年3月 廃棄物学会理事・企画委員長
2003年 4月~2005年3月 (社)土木学会 地球環境委員会 委員長
2005年 4月~2012年3月 (社)土木学会 地球環境委員会 顧問
【社会活動】
1994年10月~1997年6月
1995年 4月~2012年3月
2010年 7月~2013年6月
2006年 6月~2013年4月
1999年 2月~
2000年 8月~
(一社)日本廃棄物コンサルタント協会会長
(財)日本産業廃棄物処理振興センタ-理事
杉並区環境清掃審議会 会長
(一社)日本プロジェクト産業協議会(JAPIC) 環境委員会委員長
(一社)海外環境協力センター理事
(一社)日本有機資源協会 副会長・運営委員長
2
1,200,000
600,0000
400,000
0
1971
1972
1973
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2011
2012
2013
1,600,000
1971
1972
1973
1974
1975
1976
1977
1978
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1980
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1983
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2000
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2006
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2008
2009
2010
2011
2012
2013
売上高(千円)
㈱エックス都市研究所 売上高推移
1,400,000
売上高(千円)
1,600,000
1,000,000
1,400,000
800,000
1,200,000
600,000
1,000,000
400,000
200,000
800,000
200,000
3
-㈱エックス都市研究所 業務の全体像-
地域・都市づくり
都市のマスタープラン
コンパクトなまちづくり
中心市街地活性化・市街地整備
交通・物流計画
地域振興・農山村活性化
健康・福祉・コミュニティ
サステイナブルデザイン
持続可能な都市・地域
低炭素建物・街区づくり
エリアマネジメント
再生可能・省エネルギー
経済インセンティブの活用
分析ツールの活用
環境エンジニアリング
循環型社会形成推進
一般廃棄物処理・3R
産業廃棄物処理
PPP事業
バイオマス・リサイクル
東日本大震
災・福島原発
関連業務
食料・農業・環境・
エネルギー複合領域
新エネルギー
その他の複合領域
環境リスク管理
国際環境政策
国際環境条約
国際資源循環
環境配慮型都市(スマートシティー)
新エネルギー技術・システム
日本の公害対策経験の他国移転
化学物質管理
大気・土壌・水環境管理
放射能物質に関する環境管理
・循環型社会システム・循環産業推進
・廃棄物適正処理処分
・循環資材・再生製品の環境安全管理
・産業保安、産業事故未然防止
海外環境事業
環境・廃棄物分野国際協力
気候変動対策、CDM事業
廃棄物・3R・バイオマス事業
海外インフラPPPプロジェクト
4
経営塾講義における本講義の位置づけ
産業廃棄物処理事業概論
(副塾長/飯島・副塾長/青山)
産業界・排出事業者
産廃にかかる法制度・行政
・産廃処理資源化に関する法制度
(塚本/環境省)
・優良化推進事業とその周辺
(北村/上智大学)
・地方における廃棄物行政
(是永/長野県松本地方環境事務所)
コンプライアンス
・廃棄物処理法遵守の心得
(鈴木/橋本綜合法律事務所)
・リスクマネジメント
(佐藤/佐藤泉法律事務所)
・リスクマネジメント《グループ討議》
(長岡/BUN環境課題研修事務所
佐藤/佐藤泉法律事務所)
廃棄物技術
・産業廃棄物技術《概論》
(赤石/㈱タクマ)
・産業廃棄物技術《最終処分》
(樋口/福岡大学)
・産廃処理・資源化技術の新潮流
(藤吉/(一財)日本環境衛生センター)
施設計画・財務
・森林整備事業から発電事業までの事
業展開(斎藤/ ㈱ノーリン)
・施設計画(水越/㈱アクトリー)
・産業廃棄物処理事業の財務
(大城/公認会計士・税理士事務所)
秋季合宿研修
夏季合宿研修
・廃棄物処理経営におけるCSRの取組
(加山/(公社)全国産業廃棄物連合会
青年部協議会、吉田/㈱ミスター・エム)
・合宿研修~中長期ビジョンの策定と
経営戦略の立案 《グループ討議》
・塾長講義
(塾長/田中)
・グループ討議ガイダンス
(副塾長/青山)
卒塾レポート提出《必修》
卒塾面談(塾長・副塾長)
卒塾式
・産業界からみた産業廃棄物処理
(岩間/(社)日本経済団体連合会)
・リコーグループの廃棄物処理業者監査と安全・
安心のためのセルフチェック(稲田/㈱リコー)
・持続可能な社会を目指して
スーパーマーケットの3Rの取組(百瀬/ユニー㈱)
産廃処理業の経営
・協業化による資源循環業のありかた
(三本/㈱タケエイ)
・魅力あるリーダーとは
(加藤/加藤商事㈱)
・処理業界における経営拡大の取組
(鈴木/スズトクホールディングス㈱)
・わが社の取組…愛ある丁寧な仕事を極める
(二木/大谷清運㈱)
・リヴァックスグループの取組
(赤澤/リヴァックスグループ)
・アジアにおける廃棄物管理プロジェクトの推進
取組み~バングラデシュ国ダッカ市
(荒井/八千代エンジニヤリング㈱)
処理業経営者に期待すること
・廃棄物処理業における低炭素の取組最前線
(中西/カーボンフリーコンサルティング㈱)
・循環型社会の構築とわが社の事業展開
(石井/㈱市川環境エンジニアリング)
・ワークショップ 廃棄物処理業における環境戦略
(川添/㈱Green prop)
・低炭素・省エネ社会に向けた廃棄物処理事業
(柏木/東京工業大学)
5
今日お話ししたいこと
1.
2.
3.
4.
25年前に提案した廃棄物処理事業の展開像
25年前から何が変わったか
これから何が変わろうとしているか
処理業経営の芽は/いくつかの展開視点
6
1.
25年前に想定した
廃棄物処理業の展開像
7
25年前(1990年前後)の状況
【法制度】
①
②
③
④
⑤
1970年 廃棄物処理法
1981年 広域臨海環境整備センター法
1989年 廃棄物最終処分場指針解説
1991年 廃棄物処理法改正・資源有効利用促進法
1995年~個別リサイクル法の制定
【業界の動向】
①
②
③
④
⑤
1980年代 北九州響灘地区での廃棄物処理拠点整備の検討開始
1971年 ㈱市川環境エンジニアリング設立
1977年 ㈱タケエイ設立
1983年 同和クリーンテックス㈱設立
1987年 ㈱エムコ設立
【廃棄物処理をとりまく背景・動向】
・処分場の遮水構造の厳格化前
・悪貨が良貨を駆逐する時代
・廃棄物処理業が産業としての社会認知を得ていない時代
・大手資本がこの分野への進出を躊躇していた時代
8
1987年に提案した廃棄物処理事業の展開像
■新日鉄・鹿島・日商岩井・日本興業銀行への提案
事業化スケジュール
第1期(1988~1995)
第2期(1996~)
C-1 一般・産業廃棄物の最終処分事業(吉井から首都圏・全国)※
ラ
C-2 中継・広域移動を伴う処分事業※(鉄道・船舶輸送)
C-3 中間処理事業(焼却・エネルギー回収)※
対象・・建廃・廃プラ・事業系一般廃棄物
A-4 大型建物廃棄物収集事業(C-1・C-3)※
B-1 建設廃棄物の中間処理業(C-3)※
プ
ラ
イ
オ
ン
B-2 地方圏における産業廃棄物処理業のチェーン化事業
C-6 海外廃棄物処理事業(海外展開・国内処理事業の拡大・技術導
入)
A-3 地方都市一般廃棄物委託処理事業
(中間・最終処分を中心に徐々に大都市域にまで拡大)※
B-5 産業廃棄物の中間処理・再資源化事業※
ク
1
リ
テ
ィ
B-6 産業廃棄物の分析・技術開発・企業コンサルタント事業
A-2 特定地区・施設廃棄物の収集・処理事業(メッセ・リゾート・レジャー施設・駅・再開発地区・地下空間など)※
ラ
ン
ク
B-3 関西学園・筑波学園都市などでの廃棄物処理センター事業
B-4 小規模廃棄物処理技術の発掘・販売事業
C-5 公団などとの提携事業(住宅都市・地域・道路・空港・森林開発その他公団)
C-7 廃棄物処理処分施設に関わる保険事業
C-8 特殊廃棄物の処理処分事業(医療系廃棄物の処理事業など)
2
A : 一般廃棄物処理関連
B : 産業廃棄物処理関連
※ 廃棄物プロジェクトにとって不可欠な事業
C : 一般および産業廃棄物処理関連
9
現在実現している事業
㈱ジャパン・ウエイスト
(資本金1億円)
【1986年設立】
㈱エムコ
(資本金4億円)
【1987年設立】
鹿島環境エンジニアリング㈱
【2012年4月再編】
㈱都市環境エンジニアリング
(資本金0.5億円)
【1992年設立】
※2007年㈱バイオエナジーへ出資
㈱かずさクリーンシステム
(資本金10億円)
【1998年設立】
10
㈱都市環境エンジニアリング
受注ビルの
延床面積
約728万㎡
〔複合施設〕
恵比寿ガーデンプレイス、東京ミッドタウン、東京スカイツリータウン、ダ
イバーシティ東京、赤坂Bizタワー(赤坂サカス)、晴海アイランド・トリト
ンスクエア、品川シーサイドフォレスト、東京イースト21等
〔オフィスビル〕
現在の主な
受注物件
日本橋三井タワー、グラントウキョウ・ノースタワー、秋葉原UDX、丸の
内トラストタワー本館、東京汐留ビルディング、ゲートシティ大崎等
〔ホテル〕
帝国ホテル、マンダリンオリエンタル東京、ホテルイースト21東京等
〔商業施設〕
新宿高島屋、南砂町ショッピングセンター、フジテレビ湾岸スタジオ等
11
11
2.
この25年で何が変わったか
1) 廃棄物業の構造改革の進展
(良貨が評価される時代に)
2) 処理処分から3Rに
3) 省エネ・低炭素社会への対応要請
4) 自治体清掃から民業への流れ
5) 多くの新たな事業主体の現出
12
1) 廃棄物業の構造改革の進展
(良貨が評価される時代に)
排出事業者に対するPPPの徹底
(CSR思考・適正処理思考・環境経営リスク)
欠格条件の強化と該当企業廃業の義務化
マニフェストの普及
(電子マニフェスト化での更なる展開)
ダイオキシン類対策特別措置法(1999年)
アスベスト対策特別措置法
優良事業者認定制度
処分場の管理監視強化・ダイオキシン対策強化
(不適正ルートの縮小)
⇒違法ルートによる健全市場形成阻害の縮小
遵法のなかでの価格競争・付加的価値競争の時代に
13
3つの視点に基づく取組
(3)自社の取組状況の情報発信・情報共有
(1)廃棄物・リサイクルガバナンスの
構築、強化のための社内体制の確立
顧客・
消費者
地域社会
経営者
経営理念の提示
全社的取組の指示
投資家
廃棄物マネジメントの進捗状況報告
本社の廃棄物管理担当部門
リサイクル
最終処分
全社的ルールの伝達
日常的な作業報告
現場の廃棄物管理担当者
廃棄物等のリサ
イクルの確認
収集・運搬
(2)幅広い関係事業者を
含めた体制構築
原材料
調達
企業グループ全体での廃棄
物等に係るマネジメント
中間処理
廃棄物等の最終
処分までの確認
(コンプライアンス)
サプライチェーン上の廃棄
物等に係るマネジメント
自社
事業活動
流通・販売
(例 製造など)
関連
会社等
協力
会社等
14
2) 処理処分から3Rへ
資源有効利用促進法から1995年以降の個別リサイクル法の制定
循環型社会形成基本法・循環型社会形成基本計画
廃棄物・リサイクルガバナンスガイドライン(3Rへの志向)
処理処分の安価ルートの細り・最終処分場の逼迫
金属資源・化石エネルギー価格の乱高下
CSRや環境経営思考の拡がり(環境報告書)
3) 省エネ・低炭素化社会への対応要請
温暖化問題の深刻化と温室効果ガス削減施策の浮上
廃棄物処理に伴う温室効果ガス削減要請(全排出量の3.3%)
廃棄物の持つエネルギー源価値活用要請
ゼロカーボン原燃料としてのバイオマスの見直し
15
16
平成22年度の我が国における物質フローの模式図
出典:環境省資料より
17
最終処分量の推移
最終処分量を平成32年度において、1,700万トン(産業廃棄物は1,275万トン)と
することを目標とする。(平成12年度の約56百万トンから概ね7割減)
出典:環境省資料より
18
循環利用率の推移
循環利用率 =
循環利用量
循環利用量+天然資源 等投入量
出典:環境省資料より
19
産業廃棄物処理業の全体像
■事業者数
全国の許可業者数は11.2万社、うち3万社近くは産廃売り上げゼロ。
⇒事業遂行企業は約8万社。
⇒うち1万社ほどが中間処理・最終処分を行っている企業。
■産業廃棄物処理市場
産業廃棄物処理市場は約4兆3千億円。
⇒収集運搬のみの企業で2兆1千億円、中間処理・最終処分を行う企業でも
収集運搬費が約2割で、収集運搬市場が2兆5千億円。
⇒うち上位300社で約9千億円(30億円/社)
301~1000社で6千憶円(9億円弱/社)
★一般廃棄物は45百万トンで1兆75百億円、職員数は市町村6万人処理業24万人)
■最終処分の受託量
1300万トン/年で約2千億円
■従業員数は40万人強。うち9割強が収集運搬要員
■産業廃棄物の排出量は3.9億トンで、電気水道事業で25%、
農業林業で23%、建設業で19%、鉄鋼業で6%
受託量では建設業と製造業で8割近く、電気・下水道で3.7%、農業で1%
20
50万㎥以上の産廃処分場(民間)
凡例 産業廃棄物処分場
公共施設(残容量 100 万m3 以上)
凡例
産業廃棄物処分場
〃
(残容量 50 万m3 以上 100 万m3 未満)
公共施設(残容量
民間施設(残容量 100
100 万m3
万m3 以上)
以上)
〃
〃
(残容量
(残容量 50
50 万m3
万m3 以上
以上 100
100 万m3
万m3 未満)
未満)
民間施設(残容量 100 万m3 以上)
〃
(残容量 50 万m3 以上 100 万m3 未満)
21
50万㎥以上の産廃処分場(公共)
凡例
産業廃棄物処分場
公共施設(残容量 100 万m3 以上)
〃
(残容量 50 万m3 以上 100 万m3 未満)
民間施設(残容量 100 万m3 以上)
〃
(残容量 50 万m3 以上 100 万m3 未満)
22
4) 自治体清掃から民業への流れ
自治体財政の悪化・規制緩和
個別リサイクル法対象廃棄物の民業への移行
単なる熱処理・選別・最終処分工程に収まらない技術要請
ごみ処理料金の有料化・事業系ごみの値上げ
PFIや包括的業務委託による民間参入機会の芽
収集や処分の民間委託の拡大(一般廃棄物処理業許可・
包括業務委託の壁はまだ高い)
23
ごみ処理事業経費の推移(環境省 日本の廃棄物処理)
 平成24年度のごみ処理事業経費は約1兆8千万円。
 1人当たり約1万4千円。
ごみ処理事業経費総額
1人当たりごみ処理事業経費
25000
40000
35000
18,800
23,956
15,400
19,600
15,200
19,343
14,900
19,025
14,600
14,600
14,200
14,300
14,400
14,100
13,900
18,627
18,599
18,169
18,256
18,390
17,904
17,884
30000 ご
み
処
25000 理
事
業
経
20000 費
総
額
15000 億
円
/
10000 年
(
(
1 20000
人
当
た
り
ご
15000
み
処
理
事
業
経 10000
費
円
/
人
年 5000
)
)
5000
0
0
H14
H15
H16
H17
H18
H19
H20
H21
H22
H23
H24
データ出典:環境省「一般廃棄物の排出及び処理状況等について(平成25年3月現在) 」より
24
一般廃棄物の民間委託処理量推移
※「日本の廃棄物処理」(環境省)の各年度版の情報より、処理及び処分を民間業者に委託した量のみを整理したもの。
25
5) 多くの新たな事業主体の現出①
素材関連産業(鉄鋼・非鉄・窯業・製紙・化学)の参入
ドーワエコシステム・JFE環境・新日鉄・太平洋セメント・
共英製鋼等
その他関連産業(古鉄業・耐久消費財製造業・建設業・
金融商社・エンジニアリング企業など)の参入
オリックス環境・鈴徳・カムテックス・神鋼環境ソリューション
・アサヒプリテックス
食品残さ排出企業(スーパー・コンビニ・外食・食品製造業)に
よるリサイクルループ型事業の形成
都市清掃分野からの参入
テスコ㈱・日本管財環境サービス㈱・㈱協和エクシオ・北清・
東京エコサービス・市町村処理施設メーカーなど)
26
5) 多くの新たな事業主体の現出②
リサイクル法系での新事業
・ 建設系(タケエイ、高俊、大栄環境)
・ 食品リサイクル系
バイオエナジー(市川環境)、三重総合リサイクルセンター
(大栄環境)、城南島飼料化センター(アルフォ)
・ 木質系廃棄物のエネルギー利用系
川崎バイオマス発電㈱、市原グリーン電力株式会社
(チップ供給会社、タケエイ等11社)、㈱吾妻バイオパワー
(前橋市)、製紙工場はバイオマス発電施設導入
その他のビジネスモデルの現出
アミタ・ミダック・リサイクルワンなど
27
廃棄物処理企業の全体像
全国的展開を目指している企業
(例)JFE環境㈱、DOWAエコシステム
㈱、オリックス環境㈱ 等
大手企業
(例)㈱市川環境エンジニアリング、
㈱タケエイ、高俊興業㈱、三友プラントサービス
㈱、大栄環境ホールディングス、㈱エコ計画 等
素材・エネルギー関連企業
セメント、鉄鋼、化学、製紙、
非鉄金属業
(例)川崎バイオマス発電㈱、
市原グリーン電力㈱ 等
特異な切り口での企業
(例)アミタホールディングス㈱、
㈱ミダック、㈱リサイクルワン、
㈱クレハ、アサヒプリテック㈱ 等
地域に立脚した処理企業
産廃経営塾に参集している
大多数の企業
28
3. これからの10年で
何が変わるか
1) 第2次・第3次循環型社会形成基本計画から
見える政策動向
2) これからの10年で何が変わるか
29
これからの10年で何が変わるか
廃棄物処理産業の変化
自然共生社会を含む、持続可能な「日本」の基幹産業化
一般廃棄物・産業廃棄物の垣根は瓦解(制度より経済原則・実態面で)
中小事業者の場合は、大きなネットとの重層的連携と地域での横連携型事業を
最終処分受け入れ費は輸送を含めて2.5万円/トンが目安(輸送ネットが鍵)
今後10年の事業展開の
キ-ワ-ド
廃棄物産業をとりまく社会の変化
資源・エネルギー・食糧高騰・炭素市場形成などで3R構造への転換加速
「連携」「ビジネスモデル」
「誰と・どのような地域展開で」
「どのような連携か
(ビジネスモデル)」
素材産業・熱源ネット・エネルギー産業・農業などを受けて上流展開
新たな産業(情報・金融・保険など)参入/総合・複合産業に(農林業との連携も)
全国・国際循環サイクルと地産地消サイクル型事業とその重層型事業化
誰と組むか
その連携で何が担えるか
連携での新たな付加
価値創造
情報システムの変化
廃棄物情報システムと廃棄物・資源物流(ネット型事業)が事業の帰趨に大きく影響
資源・エネルギー・排出権取引・グリーン購入市場等のソフトネット
30
30
東日本大震災・
福島原発事故
○循環型社会、低炭素社会の統合的な取組の推進
廃棄物発電の導入等による熱回収の徹底
持続的な廃棄物発電のあり方の検討や産業工程から発生する中低温熱の業務施設等での利用促進
バイオマス系循環資源の有効活用
環境負荷の低い静脈物流システムの構築
○循環型社会、自然共生社会の統合的な取組の推進
枯渇性資源の使用量増大の抑制
住宅をはじめ長期間社会で使用することを推進することにより、自然界からの新たな資源採取を抑制
生物多様性の保全に配慮した、再生可能な資源の持続可能な利用の推進
環境保全型農林水産業の促進
○脱原発と再生可能エネルギー導入の加速
○長い年月での放射能汚染対応
出典:環境省資料より作成
31
出典:環境省資料より
32
33
4.
事業展開戦略のポイントは
1) 広域・全国展開と地域立脚モデルの重層的
競合時代への対応
2) 地域内競争の激化への対応
3) 一般廃棄物・産業廃棄物の壁の脆弱化への対応
4) バイオマス事業戦略
34
【視点】
・大手素材企業・エネルギー・商社系企業の本格展開
・家電電子機器・自動車・プレハブ・家具・自販機などの全国ネット
・PCB・アスベスト・石膏ボードなどの広域処理
・木質バイオマス発電などでの広域原燃料集荷
・国際資源循環市場の拡大などの動き
【戦略】
地域立脚事業商圏への広域事業切り口での展開
⇒広域事業モデルの集荷・調整での地域立脚事業基盤確保
⇒全国モデルでの信頼できる地域事業者としての評価確保
35
【視点】
・市場成熟化・国内での産業廃棄物市場は量的には縮小傾向
・遵法でのコスト・サービス競争時代に
【戦略】
地域での商圏拡大・オンリーワンを目指す
⇒商品力での勝負(専門分野・差別化・特別の切り口)
・環境経営(環境報告書-リマテック㈱・㈱リヴァックス)
・優良性評価制度・電子マニフェスト・カーボンオフセット
・再生製品価値・出口形成(制度支援を含め)戦略
⇒地域密着(地産地消・バイオマス・地元自治体との連携)
・バイオマスタウン・環境未来都市
・災害時撤去廃棄物協力・一般廃棄物処理シェア
⇒全国・広域事業との連携(1.の戦略視点と絡め)
・PCB・石膏ボード・自販機・リサイクルループ
・広域再生事業など
36
【視点】
・市町村処理施設での産業廃棄物、産廃処理施設での一般廃棄物の
受け入れ許容の方向(但し、市町村処理計画ベースで)
・一般廃棄物処理料金の原価主義・有料化の流れ
【戦略】
⇒食品廃棄物や分別ゴミなどの資源化事業への足掛かり
・焼却施設などエネルギー回収の組み込み
・地元自治体との協同(バイオマスタウン・環境モデル都市)
・災害時協力協定や環境経営の推進
・包括運営管理委託などの動きへの対応準備(共同企業体への参加)
・地域のオンリーワン事業者としての信頼・評価の確保
・自社施設の市民見学などの励行・情報開示
・新聞・ニュース媒体の活用・専門誌などへの発表
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戦略のポイントは
4.バイオマス事業戦略
【視点】
・一般廃棄物のなかで最も高い割合
・23年9月に再生エネルギー買取法(24年7月施行)
・バイオマスエネルギーは太陽光や風力に比較して安定電源
(炭化やガス化も)
・食品廃棄物や剪定材が市町村との協同へのひとつの糸口
・福島第二原発事故でのバイオマス循環の停滞
【戦略】
⇒バイオマスを介しての農林(森林再生)水産での循環事業の
促進の好機
⇒森林バイオマスが注目され、再生エネルギー買取制度の対象
⇒熱電利用と農林水産業の複合事業化の好機⇒一般廃棄物参入も
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再生可能エネルギー全量買取制度 買取価格・買取期間
経済産業省 資源エネルギー庁HPより
http://www.enecho.meti.go.jp/saiene/kaitori/kakaku.html
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日立セメント株式会社
バイオガス化施設
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グリーン・サーマル社の取組み
C材・D材を熱利用することにより、1本の木か
ら利用する部位を増やし、1本の木の経済価値を
高めることが目的です。
山林未利用材を燃料とした
バイオマス発電システム
(会津モデル)
設備概要
会社名
株式会社グリーン発電会津
送電出力
約5000kw
運転日数
340日
稼働時間
24時間
ボイラー
循環流動層
その他
燃料加工設備、乾燥設備、燃料搬送
設備蒸気タービン、発電機、他一式
使用燃料
山林未利用材(木質チップ)
6万トン/年(含水率40%)
41

グリーン発電会津写真
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木質バイオマス発電所 発電計画&既設ボイラー 全国MAP
木質バイオマス発電所 発電計画&既設ボイラーリスト
● 既
設 442,790kw
● 稼働予定 590,380kw
中間貯蔵施設のイメージ図
※本イメージ図は現時点で想定される施設・構造の例を示したものであり、
実際の施設・構造は変 わりうるものです。
出典:復興庁HP
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フクシマエコテッククリーンセンター(最終処分場)
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