円安で市場心理少し回復

平成28年10月7日
松井証券ストラテジスト 田村晋一
【株式相場レポート】
~円安で市場心理少し回復~
今週の総括
7日終値
前週末比
日経平均 (円)
16,860.09
+410.25
ドル (円)
103.92-94
+3.03
NYダウ (ドル)
18,268.50
-39.65
長期金利 (%)
-0.065
+0.019
NY原油 (ドル)
50.44
+2.20
※NYダウ・NY原油は6日終値、ドル・長期金利は7日15時現在
★円安を背景に市場心理が好転も、17,000円を超える勢いはなし
今週のプラス材料
今週のマイナス材料
・円安(米利上げ期待上昇、EU緩和縮小期待が背景)
・原油高(電力など一部業種に対して)
・ドイツ銀行への不安後退で欧米銀株価が回復
・東証売買代金低迷(2兆円割れが続く)
・好決算企業への株価プラス反応
今週の株価は、ドル円が1ヶ月ぶりに103円台の円安となったことで市場心理が回復。輸出関連株や金融株
を筆頭に上昇基調となった。ただし7日は前日米国株下落を受けて利益確定売りが優勢で反落で引けた。
まず米ISM景況指数が製造業・非製造業ともに改善、米利上げへの期待値が上昇して円安基調となった。さ
らには欧州ECBの緩和縮小に関する報道から、日欧の金融政策の方向性が変わることで日欧金利差も拡
がる可能性から対ユーロでも円安が進行した。原油高やドイツ銀行に対する不安後退により欧米銀行株価
が回復したことも市場心理回復に影響したとみられる。注目の長期金利はあまり動かずにスタート後、欧米
金利上昇を受けて上昇するも、若干の上げ幅に留まった。
業種別には、輸出関連、金融と海運が強い一方、原油消費の多い電力・ガス、資金調達が多く金利上昇が
マイナスに働きやすい不動産が弱かった。年初来堅調だった建設も夏以降は弱めの動きが続く。
来週以降の見通し
★週末に波乱なければ17,000円でこう着か
想定レンジ
16,800~17,100円
来週以降の注目材料
リスク要因
・米雇用統計(10/7)
・為替市場の乱高下
・米FRB年内利上げの可能性(次回FOMCは11/2)
・原油価格の乱高下
・2Q決算(小売:10月上旬、その他:10月下旬~11月)
・ドイツ銀行とイタリアの銀行経営不安問題の行方
この週末は、米雇用統計と大統領候補のTV討論会(第2回目)が控えている。まず雇用統計は前月比10~
20万人増であれば、今週高まった米利上げ期待が後退することはないだろう。10万人以下だと再び1ドル
100~101円、16,500円ゾーンに戻るリスクがある。一方のTV討論会も現状の「クリントン優位」が変わらなけ
れば株価材料とはならない。もしトランプが挽回した場合は、円高・株安となるリスクにつながりやすい。何も
サプライズが無いケースが株価には一番ポジティブと考えられる。
ただし、17,000円を超えるには材料不足。米FRBが実際に利上げに踏み切ったり、長期金利がプラス圏に浮
上したり、2Q決算で上振れ決算、上方修正、還元追加などが続出するなどのサプライズが必要とみる。
小売の2Q決算発表が本格化しているが、好決算銘柄が上昇するだけでなく、減益となったJフロントなどにも
「材料出尽くし」と捉えた買いが入るなど、市場心理が好転している印象がある。新規上場株や個別材料銘
柄の売買も以前よりは活発化しつつある印象。東証1部売買代金の2兆円割れが続いており、全体としてま
だ活況とは言えないかもしれないが、少しずつ前向きになりつつあるのではないだろうか。
平成27年8月26日
松井証券ストラテジスト 田村晋一
来週・再来週の主なイベントカレンダー
国内
海外
米雇用統計:9月
10/7(金)
独鉱工業生産:8月
英鉱工業生産指数:8月
8(土)
米大統領候補テレビ討論会:第2回
9(日)
10(月)
祝日(体育の日)
11(火)
経常収支・貿易収支:8月
決算:ユニー・ファミマ
12(水)
機械受注:8月
決算:ローソン
13(木)
都心オフィス空室率:9月
中国貿易収支:9月
日銀貸出・預金動向:9月
決算:ファーストリテイリング
米決算:JPモルガン、シティ
14(金)
15(土)
16(日)
17(月)
日銀支店長会議
日銀地域経済報告(さくらレポート):10月
18(火)
米住宅着工件数:9月
19(水)
中国GDP(7-9月)、鉱工業生産(9月)
20(木)
ECB金融政策/ドラギ総裁記者会見
21(金)
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