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Vol.6 No.3

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environment Update
−海外環境関連情報誌−
第 33 号
Vol.6 No.3 (2004.9)
CONTENTS
WEEE & RoHS 指令の最新動向
WEEE & RoHS 指令の実施を巡る最近の動き
<関連資料>
ギリシャ法(英語版)
2
7
講演録
EuP 指令案の最新動向について
経済産業省大臣官房 総務課 課長補佐
覚道 崇文
27
REACH
EU の新化学物質規制をめぐる動き
環境・安全グループ
33
モニタリング
欧州 ・連載 欧州環境規制動向
〜 在ブラッセル弁護士モニタリング情報 [34]
36
米国 ・連載 米国における環境関連動向
〜 在ワシントンコンサルタントによるモニタリング情報 [29]
53
中国〖15〗中国電子廃棄物リサイクルに関する立法化の動向
60
組合員のページ
エコシスコンセプトで、「自利利他」を追求する
京セラミタ株式会社 総務本部 環境安全部
部長 青木 崇
68
環境・安全グループニュース
新刊図書のご案内
72
環境・安全グループ担当委員会活動の状況
事務局便り
73
75
WEEE & RoHS 指令の実施を巡る最近の動き
―― 加盟国法制化状況と英仏案の概要 ――
環境・安全グループ
WEEE & RoHS 指令の法制化については、EU 加盟国は指令発効(2003 年 2 月 13 日)から
18 ヵ月以内に完了しなければならいが、その期限 2004 年 8 月 13 日が経過したところ加盟
各国の状況を報告する。
1.
これまでに法制化が完了した国は、加盟 25 ヵ国中ギリシャのみ(欧州委員会プレス発表)
とされたが、その後、当組合ブラッセル事務所にて確認したところ、キプロスとオラン
ダが法制化したことが判明した。他の国については、国により最終段階またはそれに近
い状態の国がある一方、本年中に法制化される可能性が少ないと見られている国もあり、
まだら模様の状況である。
こうした中、英国からは規則案及びガイダンス案が発表され、コンサルテーションにか
けられているが、フランスでは第 6 次案が提示されほぼ最終段階の検討が行われており、
ドイツでは法案が閣議決定され、議会審議の段階に入っている。
なお、法令の形態については、WEEE 法と RoHS 法を統合している国と別にしている国と
があり、また議会承認が必要な「法律」として制定するか行政府限りで決定する「政令」
や「規則」などとして制定するか国により異なっている。
2.
主要国の進捗状況は以下のとおり。
・英
国 : 規則案とガイダンス案発表(2004.7.30)
― コンサルテーション(コメント締め切り 10 月 29 日)
・ フ ラ ン ス : 政令案第 6 版(2004.7.7)
→ 第 7 版(最終案)は 9 月末までに出される予定
詳細は省令で定められる
・ド
イ
ツ : 閣議決定(2004.9.1) → 法案、議会審議へ
・ イ タ リ ア : 6 月策定の法案を審議中
・ ス ペ イ ン : 7 月策定の第 3 次王室令案を審議中
・ スウェーデン : 最終段階に近いとの観測もある。
3.
英仏案の内容については、ブラッセル事務所にて作成の一覧表をベースに整理のうえ後
掲したが、コンサルテーションにかけられている英国規則案の特徴は大筋以下のとおり。
・ 規則案のほか、より詳細・具体的な説明を盛り込んだガイダンス案も提示
・ 基本的に指令より現実的な傾向もみえる(中小企業も含めた企業への配慮や実施可能
性の重視が伺える)。
・ 生産者は登録義務(登録料を支払う。登録期間は、2005.1〜2005.8.12)
・ 生産者等による回収・リサイクル遵守スキームを重視(たとえばスキームの参加者は
保証金を払ったとみなす考え。)
JMC environment Update
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Vol.6 No.3 (2004. 9)
WEEE & RoHS 指令の実施を巡る最近の動き
―― 加盟国法制化状況と英仏案の概要 ――
・ 回収の際の機種分類は 4 分類(指令対象の 10 分類をグループ化)
・ RoHS の最大許容量(閾値)と関連定義について、TAC(技術適用委員会)での最終的
な案を公開)
4.
RoHS の閾値については、最終決定に至っていないが、英国コンサルテーション・ペーパ
ーで記された説明を以下に紹介する。なお、各項目の前の数字は同コンサルテーション
のガイダンス案における項目番号である。
[以下のパラグラフに示される値は、EC 環境理事会による批准を必要とする。この批准
は 2004 年 10 月に承認される可能性があり、RoHS 規制の最終版に反映される。]
26. RoHS 規則において、鉛、水銀、六価クロム、PBB および PBDE に関しては均質材料
の重量で 0.1%まで、カドミウムに関しては均質材料の重量で 0.01%までという最大
濃度値が新 EEE の製造で認められる。
[以下の 6 つのパラグラフに示される定義と解釈は、欧州委員会が作成し、TAC によって
合意された指針から取ったものである。その指針は、上述した最大濃度値を設定する委
員会の決定案の批准に左右される。]
27. 均質材料」とは、機械的に異なる材料に分解できない材料を意味する。
28. 「均質」という言葉は、「構成物全体が均一」として理解されるので、「均質材料」
の例として、プラスチック、セラミック、ガラス、金属、合金、紙、ボード、樹脂、
コーティングなどの各種が挙げられよう。
29. 「機械的に分離」という言葉は、原則として、ねじの取り外し、切断、粉砕、研削、
研磨の工程などの機械的行為によって材料が分離されることを意味する。
30. これらの解釈を用いると、(たとえば)プラスチックカバーは、他種材料でコーティ
ングされていないまたは他種材料が接着(または内側接着)されていない1種類だ
けの材料からなる場合に「均質材料」となろう。この場合、RoHS 規制の最大濃度値
がこのプラスチックに適用されよう。
31. 他方、非金属の絶縁材料で巻かれている金属ワイヤーからなる電気ケーブルは、「均
質材料」ではないものの一例である。なぜなら、機械的プロセスによって異なる材
料に分離され得るからである。この場合、RoHS 規制の最大濃度値は分離した材料そ
れぞれに別個に適用されよう。
32. (最後の例として)半導体パッケージには、プラスチック成形材料、リードフレー
ムに施される錫の電気メッキコーティング、リードフレーム合金および金ボンディ
ングワイヤなど多くの均質材料が含まれよう。
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Vol.6 No.3 (2004. 9)
WEEE & RoHS 指令の実施を巡る最近の動き
―― 加盟国法制化状況と英仏案の概要 ――
WEEE & RoHS 英・仏法制比較
法 の 形 態
フランス(6 次案)
イギリス(コンサルテーション案)
WEEE/RoHS 統合法(政令案)
(詳細は今後の省令で)
WEEE/RoHS 別法(各規則案)
(ガイダンス案も発表)
・ WEEE のⅠB リストは RoHS 規則案に
ス コ ー プ ・ WEEE/RoHS 一致
掲載―例示という解釈(G9)
・ 軍用は RoHS からも除外
・ 消耗品は RoHS でも対象外と思われ ・ RoHS 規則案では
軍用、消耗品、対象外機器用 EEE を明
る。
示的に対象外としていないが、ガイダ
(ポジリスト、ネガリストを省令で予
ンス案で除外している。
定)
・ WEEE、RoHS 共にガイダンスにⅠB リ
スト及びデシジョン・ヅリーを入れて
いる。両デシジョン・ツリーは異なっ
ているが、考え方は同じであり、両ス
コープは一致していると見てよい。
・他加盟国への輸入者のほか輸出者を
生 産 者 の ・ 他加盟国への輸出者は定義なし。
含む。
定
義 ・ 「導入者」を区別(国内への輸入者の
(「加盟国」とは、EEA 諸国 =
ほか導入者も含む。)
EU 25 ヵ国 + アイスランド、ノル
・ 非登録業者の EEE を扱う販売業者は
ウェー、リヒテンシュタイン)
生産者となる。
・ 「導入者」の規定なし
・ 非登録業者の EEE を扱う販売業者は
生産者となるという規定はない。
・ DCF(指定回収施設)は NCH に登録
(G167)
・ 分別は4グルーピング(G60)
1. 大型家電、自販機(カテゴリー1,
10)
2. IT・通信, AV 機器(3, 4)
3. 小型家電、電動工具、玩具、監視・
制御機器(2, 6, 7, 9)
4.照明装置(5)
家 庭 か ら の ・ 回収は市町村の義務
分 別 回 収
生 産 者 の 回 ・ 一般ゴミと WEEE の分別回収システム ・ DCF からの分別、運搬、処理
設置費用は生産者に負わせる。(廃棄 ・ NCH(National Clearing House)が生
収 義 務
物回収は自治体→分別に関する費用
産者に割当て
は生産者負担。)
・ コンテナ費用の負担は、NCH の割当方
式により異なるものと思われる。個別
コンテナ方式では流通業者
スキームに費用負担させる案も。
・店頭直接回収等も可
JMC environment Update
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Vol.6 No.3 (2004. 9)
WEEE & RoHS 指令の実施を巡る最近の動き
―― 加盟国法制化状況と英仏案の概要 ――
フランス(6 次案)
イギリス(コンサルテーション案)
・ WEEE の無料引取り義務(6)
流 通 業 者 の ・ WEEE の無料引取り義務
引 取 り 義 務 ・ 調整機関へ委託の選択肢も(分担金を ・ 店内引取り(G138)
払う)
・ 流通業者スキームへの参加(7)
・ スキームは当局に登録(毎年の登録手
数料)(8)
・ 流通業者は引取った WEEE を回収
¾ 施設に運ぶ。(G134)
・家庭に利用可能な引取り施設を知ら
せる義務(G164)
管 理 機 関 ・ 6 次案で「調整機関」のアイデア出さ ・ NCH(National Clearing House)
れる。企業が資金負担をする。
・ NCH に関する規定は規則案にはない。
・ 登録管理機関も考えられている。
ガイダンスで役割を説明。
生 産 者 の ・ 年度内販売量に比例して負担
費 用 負 担
( 家 庭 系
WEEE)
・費用負担については基本的に個別責
任ではなく、NCH による割当てをベー
スに考えているようである。
・ 回収、処理、再生等の費用を 2005.8.13
までに提供する義務。ただし、生産者
遵守スキームに参加の場合、免除(ス
キームが義務を履行)(16, 17)
生 産 者 ・ エコ・オーガニズム(回収施設以降の ・ 生産者遵守スキーム(回収施設以降の
回収、処理を実施)(G81)
回収、処理を実施)
ス キ ー ム
<「エコ・オーガニズム」の語は政令 ・ 当局による承認(35)
案にはなく、現地会議において仏当局 ・ 遵守スキーム・メンバーは独自に登録
等の義務を行う必要はなく、スキーム
から説明されたもの>
が代表して行う。(17)
ビ ジ ブ ル ・ フィー・レベルは製品カテゴリー毎又 規定はあるが、どのように決まるのかは
は数カテゴリーグループ毎
現状不明(25)政府は生産者、流通業
・ フ ィ ー
(ビジブル・フィーが自治体インフラ整
者の商業ベースの取決めによるとい
備、特に分別に使用される可能性も
う立場(G106)
指摘されている。)
ギャランテ ィ ・ 現状不明
(保証金)
・費用負担を割当てベースで考えてい
るので、生産者遵守スキームへの参加
でギャランティはカバーされるとい
う考えのようである。(G101)
事 業 系 ・ ヒ ス ト リ カ ル は 生 産 者 と の 取 決 め が ・ 2005.8.13 以降上市の製品は生産者負
ない限りユーザー負担
担(取決めにより費用負担変更は可)
W E E E の
(26)
費 用 負 担
・ ヒストリカルについては、同等製品買
換えの場合は新製品供給生産者負担、
その他の場合はユーザー負担(26)
分 離 処 理 ・ 指令にない蓄電池を含む。
・ 分離処理に関する規定は DEFRA が作
成する法に規定(G176)
処 理 施 設 へ ・ RoHS 6 物質の存在場所の提供
の情報提供
・ 機器の再使用・処理情報(33)
・ リサイクル施設が必要な限り、異なる
構成部品、危険物質・調剤の場所の提
供(33)
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Vol.6 No.3 (2004. 9)
WEEE & RoHS 指令の実施を巡る最近の動き
―― 加盟国法制化状況と英仏案の概要 ――
フランス(6 次案)
イギリス(コンサルテーション案)
消 費 者 へ の ・ 有害物質の環境、健康への影響
情 報 提 供
・ 2005.8.13 以降、シンボルマーク表示
(32)
・ 生産者の識別として商標、ブランド、
会社登録番号等の使用可(32)
データ提供
・ NCH への提供は法案にはないが、登録
が NCH となるので、登録情報にこれ
らが含まれるものと思われる。ガイダ
ンスには NCH へのデータ報告が言及
されている。
再生・リサイ ・ 省令で定められる。
ク ル 目 標
・ 生産者、遵守スキームの目標達成義務
(27)
・ 3 ヵ月毎の NCH への報告義務(29)
・事業系における取り決め者は取決め
者が義務(30)
・ 遵守証明を毎年当局に提出(31)
E コ マ ー ス ・ 特に規定はなし
・E コマース業者は購入者居住国で上市
のカテゴリー及びその量を登録(19,
20)
・当局の求めに応じ購入者居住国で費用
負担の義務を果たしていることを証
明しなければならない。(20)
登
録 ・ 生産者登録義務
生産者名、認可取得証明又は生産者遵
守スキーム加入証明
・ 生産者は登録簿管理機関に上市・回収
情報を通知
・ 流通業者も登録義務
流通業者名、販売する機器の数量とタ
イプ
・ 流通業者は生産者の登録確認義務
・ 生産者登録義務。第 1 回登録は
2005.1〜2005.8.12。毎年登録更新(18,
19, G6)
・ 2005.8.12 までに 2004 年度上市カテ
ゴリーと量の情報提供(19)
・ NCH に登録(G65)
・ ・生産者遵守スキームは NCH 経由で
環境庁に登録(登録料支払い)(G86)
WEEE 執行
・ 疑義ある場合、当局は遵守要求書を発
する(34)
RoHS 執行
・テスト購入(13)
・ 疑義ある場合、当局は遵守要求書を発
する(12)
・当局の要求による技術書類等の提出
(9)、技術書類等は 4 年保管(10)
・ 自己適合宣言の容認(G33)
・サ プ ラ イ ヤ ー 適 合 宣 言 、 4 年 保 管
(G35)
・ 生産者分析(適切な分析法の採用可)
(G37)
(注)英国案解説のカッコ内は規則案の項目番号、G はガイダンス案の項目番号
□
JMC environment Update
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Vol.6 No.3 (2004. 9)
<関連資料> ギリシャ法(英語版)
OFFICIAL JOURNAL
OF THE HELLENIC REPUBLIC
FIRST ISSUE
Sheet No: 82
5 March 2004
PRESIDENTIAL DECREE No 117
Measures, terms and programme for the alternative management of waste electrical and electronic equipment
in compliance with the provisions of the Council Directive 2002/95 “on the restriction of the use of certain
hazardous substances in electrical and electronic equipment” and Council Directive 2002/96 “on waste
electrical and electronic equipment” of 27 January 2003”.
THE PRESIDENT OF THE HELLENIC REPUBLIC
Taking into account:
1. The provisions of paragraphs 1, 2 and 3 of Article 1, Law 1338/1983 “Application of the Community
Law” (A 34) as paragraph 1 was amended by Article 6 of Law 1440/1984 “Participation of Greece in the
capital, stocks and provisions of the European Bank, etc.” (Α 70) of Article 3 of Law 1338/1983 as
replaced by Article 65 of Law 1892/1990 (Α 101), of Article 4 of this law, as replaced by Article 6 (par.
4) of Law 1440/1984 (Α 70) and amended by Articles 7 of Law 1775/1988 (A 101), 31 of Law
2076/1992 (Α 130), 19 of Law 2367/1995 (Α 261) and 22 of Law 2789/2000 (Α 21) and finally the
provisions of the second Article of Law 2077/1992 (A 136) as well as the provisions of par. 4 of Article 17
of Law 2939/2001 (Α 179).
2. The provisions of Articles 11, 12 (par. 2, 3 and 4), 28, 29 and 30 of Law 1650/1986 “on the protection of
the environment” (Α 160) as Article 30 was amended by Article 98 (par. 12) of Law 1892/1990 on
modernisation and development, etc. (A 101) and as par. 1 of this Article was amended by Article 4 of
Law 3010/2002 (Α 91).
3. The provisions of Law Ν. 3010/2002 “Harmonisation of Law 1650/1986 with Directives 97/11/EC... etc”
(Α 91).
4. The provisions of Law 2939/2001 “Packaging and alternative management of packaging and other
products – Establishment of the National Organisation for the Alternative Management of Packaging and
Other Products (ΕΟΕDSΑP) and other provisions” (A 179) and in particular Articles 15, 16, 17, 20, 21,
23 and 24 thereof.
5. The provisions of Law 2218/16.6.1994 (Α 90) “Establishment of Prefectural Administration, amendment
of provisions for first degree administration, and the Region and other provisions”, as supplemented with
the provisions of Law 2240/16.9.1994 “Supplementing the provisions for the Prefectural Administration
and other provisions” (Α 153).
6. The provisions of the Joint Ministerial Decision 50910/2727/2003 “Measures and terms for the
management of solid waste. National and Regional Management Planning” (Β 1909)
7. The provisions of the Joint Ministerial Decision 19396/1546/1997 “Measures and terms for the
management of hazardous waste” (Β 604).
8. The provisions of the Joint Ministerial Decision 15393/2332/5.8.2002 “Classification of public and private
projects pursuant to Article 3 of Law 1650/1996 as replaced by Article 1 of Law 3010/2002” (Β 1022).
9. The provisions of the Joint Ministerial Decision 11014/703/2003 “Procedure of Preliminary
Environmental Assessment and Evaluation (PPEA) and Approval of Environmental Conditions (EPO)
………..etc” (Β 332).
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Vol.6 No.3 (2004. 9)
<関連資料> ギリシャ法(英語版)
10. The provisions of the Joint Ministerial Decision 29407/3508/2002 “Measures and terms for the sanitary
landfill of waste” (Β 1572).
11. The provisions of the Joint Ministerial Decision 2487/455/1999 “Measures and terms for the prevention
and restriction of environmental pollution due to the incineration of hazardous waste” (Β 196).
12. The provisions of the Joint Ministerial Decision 59388/3363/198” Method, bodies and procedure for the
application and collection of administrative fines laid down in Article 30, Law 1650/1996” (Β 638).
13. The provisions of Article 29 of Law 1558/1985 “Government and governmental bodies” (Α 154), as
supplemented by Article 27 of Law 2081/1992 (Α 700) and replaced by par. 2a of Article 1 of Law
2469/1997 (Α 38) and Article 1 (par. 4) of Law 2469/1997.
14. The provisions of Law 1568/1985 “Hygiene and safety of workers” (Α 177).
15. The provisions of Article 9 of Law 2947/2001 (A 228).
16. The decisions of the Commission EC 2001/118/EC of 16 January 2001 and 2001/573/EC of 23 July 2001
on the amendment of the Decision 2000/532/EC.
17. The Decision 485/2001 of the Prime Minister and the Minister of Development “Assignment of
responsibilities to the deputy ministers of Development” (Β 1484).
18. The Joint Decision DIDK/F1/2/22875/31.10.2001 of the Prime Minister and the Minister of Internal
Affairs, Public Administration and Decentralisation “Assignment of responsibilities to the deputy ministers
of Internal Affairs, Public Administration and Decentralisation” (Β 1480).
19. The Joint Decision 3418/8.7.2002 of the Prime Minister and the Minister of Health and Welfare
“Assignment of responsibilities to the deputy ministers of Health and Welfare” (Β 861).
20. The fact that the provisions of this decree create expenses for the State Budget, the amount of which
cannot be determined and shall be covered by Public Investments through Programmes cofinanced by the
European Union for the period 2002-2006 under the credits provided for these actions by the respective
operational programmes.
21. The minutes dated 15/14-1-2003 of the Committee for the Monitoring of the Alternative Management
which approved the proposal of the Agency for the Alternative Management of Packaging/ Other Products
regarding this decree.
22. The opinion dated D6/09.01.2004 of the Council of State following the recommendation of the Ministers
of Economy and Finance, Environment, Planning and Public Works and the Deputy Ministers of Internal
Affairs, Public Administration and Decentralisation, Development and Health and Welfare, we decide the
following:
CHAPTER A
GENERAL PROVISIONS
Article 1
Purpose
The purpose of this Presidential Decree is the application of the provisions of Articles 12 and 13 of Law
1650/1986 and Articles 15, 16, 17, 18 and 24 of Law 2939/2001 and the simultaneous compliance with the
provisions of the Council Directive 2002/96 of 27 January 2003 “on waste electrical and electronic equipment”
and Council Directive of 27 January 2003 “on the restriction of the use of certain hazardous substances in
electrical and electronic equipment” published in the Greek language in the Official Journal of European
Communities (EE L 37/24/2003) and (EE L 37/19/2003) respectively, so that by preventing, as a first priority,
the creation of waste electrical and electronic equipment (WEEE), restricting the use of certain hazardous
substances in this equipment and reusing, recycling and recovering in other ways such waste the quantity and
the harmfulness of the disposed waste will be reduced, pursuant to the objectives and the general principles of
Law 2939/2001 (Articles 1 and 4) and the environmental performance of all operators involved in the life cycle
of electrical and electronic equipment will be improved, e.g. producers, distributors and consumers and in
particular those involved in the treatment of waste electrical and electronic equipment.
JMC environment Update
8
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<関連資料> ギリシャ法(英語版)
Article 2
Scope
1. This Presidential Decree shall apply to electrical and electronic equipment falling under the categories set
out in Annex IA provided that the equipment concerned is not part of another type of equipment that does
not fall within the scope of this decree as well as filament bulbs and luminaries in households. Annex IB
contains a list of products which fall under the categories set out in Annex IA.
2. This Presidential Decree shall apply without prejudice to Community legislation on safety and health
requirements.
3. Equipment which is connected with the protection of the interests of the security of the country, arms,
munitions and war material shall be excluded from this Decree. This does not, however, apply to products
which are not intended for specifically military purposes.
Article 3
Definitions
For the purposes of this decree the following definitions shall apply:
(1) “Electrical and electronic equipment” or “EEE”: equipment which is dependent on electric currents or
electro-magnetic fields in order to work properly and equipment for the generation, transfer and
measurement of such currents and fields falling under the categories set out in Annex IA and designed for
use with a voltage rating not exceeding 1000 Volt for alternating current and 1500 Volt for direct current.
(2) “Waste electrical and electronic equipment” or “WEEE”: electrical or electronic equipment which is waste
within the meaning of Article 2 (a) of the Joint Ministerial Decision 50910/2003 as well as par. 4 of Article
2 of Law 2939/2001, including all components, subassemblies and consumables which are part of the
product at the time of discarding.
(3) “Prevention”: Measures aimed at reducing the quantity of WEEE and materials and substances contained
therein as well as restricting their harmfulness to the environment.
(4) “Management of electrical and electronic equipment (EEE):
a)
Production and/or distribution of materials EEE is directly made of or/and components and spare parts
of this equipment (supply of primary and secondary materials as set out in par. 25 and 26 of Article 2 of
Law 2939/2001) hereinafter called “supply”.
b) Production of EEE including its components/accessories and parts, hereinafter called “manufacturing”
c) Distribution in the market (including imports) of EEE to be used or consumed by the public
(“distribution”). The distribution does not include transport.
(5) “Management of waste electrical and electronic equipment (WEEE)”: collection, transport, transhipment,
temporary storage, recovery and disposal of WEEE and its used spare parts, including the supervisions of
such operations and the restoration of WEEE storage, transhipment, recovery and disposal areas and its
used spare parts when they stop working.
(6) “Reuse”: any operation by which WEEE or components thereof are used for the same purpose for which
they were conceived, including the continued use of the equipment or components thereof which are
returned to collection points, distributors, recyclers or manufacturers.
(7) “Recycling”: the reprocessing in a production process of the waste materials for the original purpose or for
other purposes, but excluding energy recovery which means the use of combustible waste as a means of
generating energy through direct incineration with or without other waste but with recovery of the heat.
(8) “Recovery”: any of the operations provided for in Annex IV B of Article 17 of the Joint Ministerial
Decision 50910/2727/2003.
(9) “Disposal”: any of the operations provided for in Annex IV A of Article 17 of the Joint Ministerial
Decision 50910/2727/2003.
(10) “Treatment”: any activity after the WEEE has been handed over to a facility for depollution, disassembly,
shredding, recovery or preparation for disposal and any other operation carried out for the recovery and/or
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<関連資料> ギリシャ法(英語版)
the disposal of the WEEE.
(11) “Collection”: as defined in Article 2 (par. h) of the Joint Ministerial Decision 50910/2727/2003. The
collection operations begin as set out in par. 12 of this Article.
(12) “Collection point”: any approved area pursuant to the applicable provisions where WEEE is delivered to
the end user.
(13) “Alternative management”: collection, delivery, transport, temporary storage, reuse and recovery
operations of WEEE so that after being reused or treated it can return to the market.
(14) “Alternative management system”: the organization on individual or collective basis, in any legal form, of
the collection, delivery, transport, temporary storage, reuse and recovery works of WEEE.
(15) “Producer”: any person who, irrespective of the selling technique used, including by means of distance
communication in accordance with Directive 97/7/EC of the European Parliament and of the Council of
20 May 1997 (EE L 144, 4.6.1997, p. 19), “on the protection of consumers in respect of distance
contracts” which was incorporated into the national legislation with the Joint Ministerial Decision
496/2000 (B 545):
(i)
(ii)
manufactures and sells electrical and electronic equipment under his own brand,
resells under his own brand equipment produced by other suppliers, a reseller not being regarded as
the “producer” if the brand of the producer appears on the equipment, as provided for in subpoint (i),
or
(iii) imports or exports electrical and electronic equipment on a professional basis.
Whoever exclusively provides financing under or pursuant to any finance agreement shall not be deemed
a “producer” unless he also acts as a producer within the meaning of subpoints (i) to (iii).
(16) “Distributor”: any person who is involved in EEE trading used by the public.
(17) “WEEE from private households”: WEEE which comes from private households and from commercial,
industrial, institutional and other sources which, because of its nature and quantity, is similar to that from
private households.
(18) “Dangerous substances or preparations”: any substance or preparation which has to be considered
dangerous under the provisions of applicable legislation.
(19) “Finance agreement”: any loan, lease, hiring or deferred sale agreement or arrangement relating to any
equipment whether or not the terms of that agreement or arrangement or any collateral agreement or
arrangement provide or permit the transfer of ownership of that equipment.
(20) “Competent authority”: for the application of this Decree the competent authority shall be EOEDSAP, as
set out in paragraphs 1, 2 and 3 of Article 24 as well as par. 11 of this Article of Law 2939/2001 (Α 157).
(21) “Operators”: the bodies managing the EEE hereinafter called “managers” as well as all bodies involved in
the collection, recycling, treatment and in general the recovery of WEEE, the users of WEEE and the
Organisations of Local Administration (OTA) and other public or private organisations.
Article 4
Terms and conditions for the management of EEE
For the distribution in the market of the electrical and electronic equipment used by the consumers as well as
electrical and electronic equipment intended for professional and/or industrial use, the following terms and
conditions shall apply regarding the composition, manufacturing as well as their reuse and recovery:
1. Since 1 July 2006 the new electrical and electronic equipment which falls under the categories 1, 2, 3, 4, 5,
6, 7 and 10 of Annex ΙΑ, as well as filament bulbs and luminaries in households distributed in the
market shall not contain lead, mercury, cadmium, hexavalent chromium, polybrominated biphenyls (PBB)
or polybrominated diphenyl ethers (PBDE).
With the exemption of cases set out in Annex II under the terms specified in the Annex and pursuant the
revisions of the Commission of the European Communities.
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2. Paragraph (1) shall not apply to spare parts for the repair, or to the reuse, of electrical and electronic
equipment put on the market before 1 July 2006.
3. The producers of EEE:
a) during the design and manufacturing of the new electrical and electronic equipment shall take into
account and facilitate the repair, upgrade, reuse, disassembly, recovery, and especially the recycling of
WEEE, unless manufacturing processes and specific design features are used which present overriding
advantages, for example with regard to the protection of the environment and/or safety requirements
b) shall restrict the use of hazardous substances in electrical and electronic equipment and substitute these
substances by safe or safer materials in order to enhance the possibilities and economic profitability in
recycling WEEE, decrease the negative health impact on workers in recycling plants and avoid the need
to dispose hazardous waste
c) shall incorporate increased quantity of recycled materials in the new products in cooperation with the
manufacturers of materials and components so that the market for recycled materials will develop
d) shall give priority during the design and manufacturing of EEE to the reuse of the whole appliances as
well as their components, subassemblies and consumables.
4. With the joint decisions of the Ministers of Development and Environment, Planning and Public Works
following the recommendation of EOEDSAP a) additional hazardous substances may be prohibited and
substituted by alternative substances friendlier to the environment, b) maximum concentration values in
specific manufacturing materials and components shall be established and materials and components of
EEE are exempted from paragraph (1) of this Article, if their elimination or substitution via design changes
or materials and components which do not require any of the materials or substances referred to in
paragraph (1) is technically or scientifically impracticable, or if the negative environmental, health and/or
consumer safety impacts caused by substitution are likely to outweigh the environmental, health and/or
consumer safety benefits thereof c) i) criteria and methods for analysing the life cycle of EEE and ii)
methods for measuring and verifying the presence of heavy metals and other hazardous substances in EEE
and their release in the environment shall be established.
5. All electrical and electronic equipment put on the market after 13 August 2005 bear a mark as provided for
in Article 12 (par. 2) hereof.
6. The producers of EEE shall properly label with the symbol presented in Annex V of Article 18 all
electrical and electronic equipment put on the market after 13 August 2005. In special cases, if deemed
necessary due to the size or the functioning of the product, the symbol is printed on the packaging, the
instructions of use and the guarantee of the specific electrical and electronic equipment. The producers
shall be able to inform the purchasers when selling the new products about the collection, treatment and
disposal cost of WEEE for a transitional period of 8 years (10 years for category 1 of Annex IΑ) since the
entry into force of this Presidential Decree.
7. The distributors shall a) distribute in the market only EEE which belong to an approved alternative
management system, b) supply EEE from producers which are enrolled in the register provided for in
Article 15 (par. 1) of the present decree provided that this register has been drawn up.
8. Those who supply and manufacture/ produce EEE shall submit a report every year to EOEDSAP on the
implementation of this Article as well as its implementation planning for the next year.
CHAPTER Β
WEEE Alternative Management Programme
Article 5
General Guidelines of Alternative Management Programme
1. The programme of WEEE alterative management seeks to prevent or restrict the negative environmental
impact caused by the management of WEEE and to take the appropriate measures in line with the
objectives and the general guidelines of Law 2939/01 and the present Presidential Decree.
2. The alternative management programme refers to the provision of special measures and the identification
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of specific actions and procedures for the alternative management of WEEE including in particular:
a) Measures for organising the alternative management of WEEE.
b) Measures for decreasing the harmful impact of EEE and the quantity of WEEE in domestic waste.
c) Measures for promoting the reuse and encouraging the recovery – recycling of WEEE.
d) Measures for promoting the research and the development of new recovery, recycling and treatment
technologies as well as the development of electrical and electronic equipment which do not contain
heavy metals, PBOE and PBB or other hazardous substances and substituting them by alternative,
environmentally friendly substances which will ensure a significant reduction of risks to health and the
environment
e) Measures for informing and familiarising the consumers or end users with this issue
f) Guidelines and technical instructions for the separate collection, treatment and recovery of WEEE
g) Measures for achieving the target quantities pursuant to Article 11 of this Presidential Decree
3. The monitoring and the control of the implementation of alternative management programmes for such
waste as well as their revision are carried out by EOEDSAP pursuant to Article 15 of Law 2939/ 2001.
Article 6
Terms and conditions for the management of WEEE
Every WEEE management operation is carried out pursuant to the procedure, the terms and the conditions
provided for in the relevant provisions of the applicable legislation on the management of non-hazardous waste
or hazardous waste on a case to case basis.
Article 7
Terms and conditions for the alternative management of WEEE
Α. The alternative management of WEEE is governed by the general principles of alternative management
laid down in Article 4 of Law 2939/2001.
Β. The producers of WEEE shall organise or participate in WEEE alternative management systems relating to
their activity, pursuant to the application of Article 17 of Law 2939/01 as well as the specific terms
provided for in this Presidential Decree.
1. The producers of WEEE shall promote pursuant to the application of the programmes the most
appropriate method of alternative management by organising WEEE collection, temporary storage,
transport, reuse and treatment systems in compliance with the provisions of the applicable legislation
on the management of non-hazardous or hazardous waste on a case to case basis.
These systems aim in particular at:
a) the return or/and collection of WEEE from households by the consumer or other end user or by the
waste stream, so that it will by channelled to more sound alternatives for waste management.
b) the reuse or recovery including the recycling of the collected WEEE using clean technologies.
c) the possibility of using WEEE alternative management systems along with alternative management
systems for other products within the meaning of Article 2 (par. 4) of Law 2939/2001, such as with
alternative management systems for batteries and accumulators in order to facilitate the separate
collection of used materials/ spare parts of electrical and electronic equipment.
2. The above mentioned systems shall apply to the imported EEE as well under conditions that will not
create discriminations. In particular these systems:
a) are designed in a way which prevents the creation of barriers in trade or distortions in competition
pursuant to the national and community law and
b) take into account the requirements in issues such as:
- the protection of the environment, the health and the safety of the consumers
- the protection of the rights of industrial and trade secrecy.
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C. The organisation of alternative management systems is carried out by the producers of EEE:
a) individually, by the producers themselves or
b) collectively, by participating in approved alternative management systems of any legal form, such
as corporations (SA-Ltd etc), cooperatives, joint ventures, etc.
The approval of EOEDSAP is required for the organisation of every system of individual or collective
alternative management.
In particular:
1. Individual alternative management systems
a) For the approval of every individual alternative management systems of WEEE the following are
required:
a1. Submitting to EOEDSAP an envelope containing the design and/or information which:
・ Prove that the system has the necessary technical and economic infrastructure for its implementation
and complies with the terms of par. Β (subpoint 2)
・ Specify the targets and the methods of the alternative management. Special provisions for islands
and remote areas shall be made.
a2. Paying to EOEDSAP the relevant contribution fee, the amount of which is initially determined by
joint decision of the Ministers of Finance, Environment, Planning and Public Works
The amount of the contribution fee is readjusted by joint decision of the aforementioned
Ministers following the recommendation of EOEDSAP based on the extent of the alternative
management system.
b) The producers of EEE organising individual alternative management systems are responsible for
fulfilling their obligations as set out in the present Decree.
The general specifications for the approval of individual alternative management systems are set out in
annex VI (Α).
2. Collective alternative management systems
a) For the approval of every collective alternative management system the following are required:
a1. Submitting to EOEDSAP an envelope containing the design and/or information which:
・ Prove that the system has the necessary technical and economic infrastructure for its implementation
and complies with the terms of par. B
・ Specify the amount of the contribution which is paid to the system by the producers and importers
based mainly on the type of WEEE, the weight, the contamination of WEEE by hazardous
substances
・ Specify the targets and the methods of the alternative management. Special provisions for islands
and remote areas shall be made.
a2. Guaranteeing the participation in the system of the managers concerned who meet the terms and
the conditions of the system
a3. Defining the framework of accession contracts to the system. The general specifications for
approval of the individual alternative management systems are set out in annex VI (B).
a4. Paying to EOEDSAP the relevant contribution fee, the amount of which is initially determined by
joint decision of the Ministers of Finance, Environment, Planning and Public Works
The amount of the contribution fee is readjusted by joint decision of the aforementioned Ministers
following the recommendation of EOEDSAP based on the extent of the alternative management
system.
b) Terms for participating in the system:
The producers of EEE provided that they do not organise an individual alternative management system,
pursuant to the terms of paragraph 1 shall participate in collective alternative management systems under
the following conditions:
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b1. In the case of existing systems, such systems shall be approved by EOEDSAP as provided for in
this paragraph and the producers or importers who already participate in the system shall be legal
holders of the Certificate of Alternative Management (PED) pursuant to Article 8
b2. In the case of new systems to be approved, prior co-operation agreements of the producers of EEE
shall be drafted. Copies of these prior agreements shall be submitted to the competent authorities
for the approval of the above systems.
Participation in the collective alternative management systems shall:
i)
be accompanied by the payment to the system of the contribution on behalf of the producer concerned.
The amount of the contribution is determined by the contract for the accession of the producer to the
system,
ii)
release the contracting producers from the responsibility to fulfil the obligations set out in this
Presidential Decree.
iii) grant the right to the participating producer to mark the electrical and electronic equipment with the
symbol specified in the accession contract, as proof for his participation in the system.
D. The approval or renewal of every individual or collective alternative management system shall be granted
only if:
1. The establishments which constitute alternative management systems have not been the subject of
proceedings for the declaration of bankruptcy, have not been wound up, or have not suspended their
payments and the producers or importers participating in them have not been convicted of tax or
financial violations as well as violations of the provisions for competition or illicit gain which prevent
them from carrying out their business activities pursuant to the applicable law.
In the event that the system has the legal form of a public limited company (SA) the members of the
management, managing director and their chief executives must not have been convicted of the
aforementioned crimes.
2. EOEDSAP certifies that this system fulfils the terms of the foregoing paragraphs Α and Β of this
Article and of the alternative management programmes provided for in chapter B.
For the approval of an individual or collective alternative management system special terms may be
provided for its effective implementation.
The approval is valid for six (6) years and can be renewed by amending or revising the provided design
pursuant to the new applicable data pursuant to the application of this Decree. The procedure for the
renewal, suspension or withdrawal of the approvals as well as any necessary detail for the application of
this paragraph are determined by the regulations issued by the decisions of the Minister of Environment,
Planning and Public Works following the recommendation of EOEDSAP.
E. The cost of EEE alternative management is not indicated separately to the purchasers when selling such
products.
F. The producers of EEE shall prepare a detailed report on the implementation of the individual or collective
alternative management system and the method for fulfilling their obligations pursuant to the application of
this Article. Such report shall include the planning of the system for the next year. The report shall be
submitted to the competent authority on 11 January every year.
Article 8
Certificate of Alternative Management
1. Every three (3) years since the approval of the alternative management system (Article 7) EOEDSAP
carries out an inspection, following the application of the producer or the alternative management system
or by virtue of its office, in order to verify the implementation of the alternative management methods
during this period and the achievement of its objectives pursuant to the requirements of this decree.
If the inspection concludes that the alternative management methods have been implemented and its
objectives have been achieved pursuant to the above, EOEDSAP shall issue the Certificate of Alternative
Management (PED) which verifies that WEEE is subject to alternative management.
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2. PED is issued in the name of the system or/and the producer for the managed WEEE. PED releases other
jointly responsible producers from the obligation to issue this certificate.
3. PED is issued if the applicant producer:
a) proves based on the information requested by EOEDSAP that he has fulfilled alternative management
obligations during the last three years pursuant to the terms set out in the granted approval of alternative
management system (Article 7). In the event that the applicant producer participates in alternative
management systems he shall only submit to EOEDSAP the documentation for the participation in
these systems and the fulfilment of his obligations.
b) pays the contribution fee, the amount of which is determined by joint decision of the Ministers of
Finance, Environment, Planning and Public Works. This amount is readjusted by joint decision of the
aforementioned Ministers following the recommendation of EOEDSAP.
4. If EOEDSAP finds that the alternative management obligations are not fulfilled or the terms of the granted
approval are not met, it may set special terms for the issue of PED and a deadline for complying with these
terms or apply a fine pursuant to Article 20 of Law 2939/2001.
If the applicant does not fulfil or comply with the special terms twice EOEDSAP may:
a) in the case of an individual alternative management system make the applicant participate in an existing
collective alternative management system relating to his activities or co-operate in the establishment of
a new one, otherwise EOEDSAP shall revise the terms or revoke the approval of this system.
b) in the case of a collective alternative management system EOEDSAP may revise the terms or revoke
the approval of this system.
5. The applications and the relevant documentation for the issue of PED are submitted to EOEDSAP every
three (3) years, since the approval of the alternative management system from 1 January until 31 January.
Within six (6) years of the submission of all requested information PED shall be issued and included in a
list published by EOEDSAP pursuant to Articles 13 and 18 of Law 2939/2001.
CHAPTER C
SPECIAL PROVISIONS FOR WEEE MANAGEMENT
Article 9
Terms and conditions for the separate collection of WEEE
A. GENERAL
1. The collection, temporary storage and transport of WEEE along with domestic waste are prohibited.
The separate collection of WEEE from households is compulsory and must be carried out in special areas
(collection points) with special marking and in particular:
A. At municipal collection points determined by the Organisations of Local Administration (OTA) in
cooperation with alternative management systems.
B. At retails shops or specialised shops and Super markets distributing EEE.
2. The producers of EEE must organise, individually or collectively, collection/ return systems or participate
in collective return/ collection systems of EEE.
3. Alternative management systems must cooperate only with those who hold a management permit pursuant
to the applicable provisions and provided that they fulfil, inter alia, the requirements of separate collection,
as provided for in this Decree.
B. WEEE from private households
1. The producers of EEE for the operation of individual or/and collective return/ collection systems of WEEE
shall take into account in particular the population density as well as the designated collection points, so
that the final holders and distributors can return such waste free of charge.
2. When supplying a new product, distributors shall be responsible for ensuring that such waste can be
returned to the distributor free of charge on a one-to-one basis as long as the equipment is of equivalent
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type and has fulfilled the same functions as the supplied equipment.
3. At the collection points specific arrangements must be made for the return of WEEE that presents a health
and safety risk for the personnel because of pollution or contamination.
4. The consumers and distributors must separate WEEE from other domestic waste and return them to easily
accessible collection points.
5. The approved system during the return of WEEE from commercial, industrial, institutional and other
sources, apart from users in private households, shall issue a Certificate of Return in the name of the
Organisation
C. The collection of WEEE from users other than from private households is carried out by the producers
through an approved alternative management system from the facilities of the users with the possibility of
concluding financial agreements.
D. The collection and transport of separately collected WEEE is carried out in a way which a) optimises reuse
and recycling of components or whole appliances capable of being reused or recycled and b) prevents the
leakage of any hazardous substance.
E. Any person collecting WEEE from the collection points must:
・ Hold a collection permit pursuant to Article 6 hereof,
・ Keep records of the quantities of WEEE collected pursuant to Article 7 hereof,
・ Transport at regular intervals the collected WEEE to approved treatment facilities
F. All WEEE collected pursuant to foregoing paragraphs B, C, D, apart from the equipment reused as a whole,
are transported to approved treatment facilities for recovery, in the course of which a high level of recycling
should be achieved.
Article 10
Terms and conditions for the treatment of WEEE
1. Any establishment or undertaking for the treatment and recovery of WEEE must be approved with regard
to environmental conditions and hold a permit for the management of WEEE pursuant to the applicable
provisions for the management of non hazardous or hazardous waste on a case to case basis. The approval
of environmental conditions includes additional conditions for complying with the requirements of this
Article. These facilities must be contracting with approved alternative management systems pursuant to
Article 7 of this Decree.
2. Any establishment or undertaking carrying out treatment operations shall store and treat WEEE in
compliance with the technical requirements set out in Annex III of Article 17 of this Presidential Decree.
3. The treatment establishments of WEEE shall apply the best available treatment, recovery and recycling
techniques. The treatment of WEEE shall, as a minimum, include the removal of all fluids and the
selective treatment in accordance with Annex IV of Article 17 of this Presidential Decree without
prejudice to the specific provisions of the applicable legislation for health and the environment.
4. The establishments for the treatment and the recovery of WEEE shall keep records on the categories and
the mass of WEEE, its components, materials or substances when entering and leaving the treatment
facility and/or when entering the recovery or recycling facility.
5. The establishments for the treatment and the recovery of WEEE shall introduce certified environmental
management systems in accordance with Regulation (EC) 761/2001 of the European Parliament and of the
Council of 19 March 2001 allowing voluntary participation by organisations in a Community
eco-management and audit scheme (EMAS) (EE L 114 of 24.4.2001, p.1).
6. The treatment of WEEE may also be undertaken outside the country provided that the shipment of WEEE
is in compliance with Council Regulation (EEC) 259/93 of 1 February 1993 on the supervision and control
of shipments of waste within, into and out of the European Community (EE L 30 of 6.2.1993, p.1.
Regulation as last amended by Commission Regulation (EC) 2557/2001 (EE L 349, 31.12.2001, p.1).
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7. WEEE exported out of the European Community in line with Council Regulation (EEC) 259/93, Council
Regulation (EC) 1420/1999 of 29 April 1999 establishing common rules and procedures to apply to
shipments to certain non-OECD countries of certain types of waste (EE L 166, 1.7.1999, p.6. Regulation
as last amended by Commission Regulation (EC) 2243/2001 (EE L 303, 20.11.2001, p.11) and
Commission Regulation (EC) 1547/1999 of 12 July 1999 determining the control procedures under
Council Regulation (EEC) 259/93 to apply to shipments of certain types of waste to certain countries to
which OECD Decision C(92)39 final does not apply (EE L 185, 17.7.1999, p.1. Regulation as last
amended by Regulation (EC) 2243/2001), shall only count for the fulfilment of obligations and targets of
this Article, if the exporter can prove that the recovery, reuse and/or recycling operation took place under
conditions that are equivalent to the requirements of this Presidential Decree.
Article 11
Target quantities for the collection – recovery of WEEE
A. Separate collection of WEEE
1. By 31 December 2006 at the latest a separate collection of at least four kilograms on average per inhabitant
per year of WEEE from private households should be achieved.
2. By joint decision of the Ministers of Environment, Planning and Public Works and other competent
Ministers the target quantities set out in paragraph (1) may be modified in compliance with the decisions of
the Commission EC.
B. Recovery – treatment of WEEE
1. Regarding WEEE sent for treatment by 31 December 2006, producers shall meet the following targets:
(a) For WEEE falling under categories 1 and 10 of Annex IA,
— The rate of recovery shall be increased to a minimum of 80 % by an average weight per appliance,
and
— Component, material and substance reuse and recycling shall be increased to a minimum of 75 % by
an average weight per appliance;
(b) For WEEE falling under categories 3 and 4 of Annex IA,
— The rate of recovery shall be increased to a minimum of 75 % by an average weight per appliance,
and
— Component, material and substance reuse and recycling shall be increased to a minimum of 65 % by
an average weight per appliance;
(c) For WEEE falling under categories 2, 5, 6, 7 and 9 of Annex IA,
— The rate of recovery shall be increased to a minimum of 70 % by an average weight per appliance,
and
— Component, material and substance reuse and recycling shall be increased to a minimum of 50 % by
an average weight per appliance;
(d) For gas discharge lamps, the rate of component, material and substance reuse and recycling shall
reach a minimum of 80 % by weight of the lamps.
2. By joint decision of the Ministers of Environment, Planning and Public Works and other competent
Ministers the target quantities set out in paragraph (1) may be modified in compliance with the decisions of
the Commission EC pursuant to Article 7 (par. 4) of the Directive 96/2002.
Article 12
Information for treatment facilities
1. In order to facilitate the reuse and the correct and environmentally sound treatment of WEEE, including
maintenance, upgrade, refurbishment and recycling, the producers shall provide reuse and treatment
information for each type of new EEE put on the market within one year after the equipment is put on the
market. This information shall identify, as far as it is needed by reuse centres, treatment and recycling
facilities in order to comply with the provisions of this Presidential Decree, the different EEE components
and materials, as well as the location of dangerous substances and preparations in EEE. This information
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shall be made available to reuse centres, treatment and recycling facilities by producers of EEE in the form
of manuals or by means of electronic media (e.g. CD-ROM, online services).
2. Any producer of electrical or electronic appliances put on the market after 13 August 2005 is clearly
identifiable by a mark on the appliance, which specifies that the appliance was put on the market after 13
August 2005 in line with the European standard promoted by the European Commission.
CHAPTER D
FINAL PROVISIONS
Article 13
Information for users
The producers and the distributors shall ensure that the users of electrical and electronic equipment in private
households are given the necessary information through the instructions of use or the sale points about:
(a)
(b)
(c)
(d)
the requirement not to dispose of WEEE as municipal waste ;
the return and collection systems available to them;
their role in contributing to reuse, recycling and other forms of recovery of WEEE;
the potential effects on the environment and human health as a result of the presence of hazardous
substances in electrical and electronic equipment;
(e) the meaning of the symbol shown in Annex V.
Article 14
Information and reporting
1. The Ministry of Environment, Planning and Public Works shall draw up a register of producers and collect
information, including substantiated estimates, on the quantities and categories of electrical and electronic
equipment put on the market, collected through all routes, reused, recycled and recovered and on collected
waste exported, by weight or, if this is not possible, by numbers.
2. The Ministry of Environment, Planning and Public Works shall send a report on the implementation of this
Decree to the Commission on a two-yearly basis within 18 months after the end of the period covered. The
first report shall cover the years 2005 and 2006. The information shall be provided in a format which shall
be established within one year after the entry into force of the Directive on WEEE in accordance with the
procedure referred to in the Directive in Article 14, paragraph 2 with a view to establishing databases on
WEEE and its treatment.
3. The Ministry of Environment, Planning and Public Works shall send a report to the Commission on the
implementation of this Presidential Decree at three-year intervals. The report shall be drawn up on the
basis of a questionnaire or outline drafted by the Commission in accordance with the procedure laid down
in Article 6 of Council Directive 91/692/EEC of 23 December 1991. The questionnaire or outline shall be
sent to the Member States six months before the start of the period covered by the report. The report shall
be made available to the Commission within nine months of the end of the three-year period covered by it.
The first three-year report shall cover the period from 2004 to 2006.
Article 15
Controls
Ordinary and extraordinary controls shall be carried out to verify the observance of the provisions of this
decree:
a) for the observance of the terms of approval of the alternative management systems laid down in Law
2939/2001 pursuant to Article 24 (par. 3, subpoint h) and par. 11 of Article 24 of this Law.
b) for the observance of terms for WEEE management laid down in Article 7 of this Presidential Decree.
Article 16
Penalties
1. For any producer or other EEE manager involved in activities or operations resulting in breach of the
provisions of this decree and in particular of Articles 4, 6, 7, 8, 9, and 13 the penalties provided for in
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Article 20 of Law 2939/2001 shall apply. For any natural or legal person carrying out operations of WEEE
management in breach of Articles 9 and 10 of this decree, the penalties provided for in Articles 28, 29 and
30 of Law 1650/1986, as Article 30 was amended and currently in force, shall apply.
2. The aforementioned penalties shall apply regardless of the application of other penalties provided for in
other specific provisions of the applicable legislation.
Article 17
Annexes
The following annexes IA, IB, II, III, IV, V, VI and VIII are attached to this Decree and form an integral part
hereof.
These annexes shall be amended by the decision of the Minister of Environment, Planning and Public Works.
ANNEX IA
Categories of electrical and electronic equipment covered by this Presidential Decree
1. Large household appliances
2. Small household appliances
3. IT and telecommunications equipment
4. Consumer equipment
5. Lighting equipment
6. Electrical and electronic tools (with the exception of large-scale stationary industrial tools)
7. Toys, leisure and sports equipment
8. Medical devices (with the exception of all implanted and infected products)
9. Monitoring and control instruments
10. Automatic dispensers
ANNEX IB
List of products which shall be taken into account for the purpose of this Residential Decree
and which fall under the categories of Annex IA
1. Large household appliances
Large cooling appliances
Refrigerators
Freezers
Other large appliances used for refrigeration, conservation and storage of food:
Washing machines
Clothes dryers
Dish washing machines
Cooking
Electric stoves
Electric hot plates
Microwaves
Other large appliances used for cooking and other processing of food:
Electric heating appliances
Electric radiators
Other large appliances for heating rooms, beds, seating furniture
Electric fans
Air conditioner appliances
Other fanning, exhaust ventilation and conditioning equipment
2. Small household appliances
Vacuum cleaners
Carpet sweepers
Other appliances for cleaning
Appliances used for sewing, knitting, weaving and other processing for textiles
Irons and other appliances for ironing, mangling and other care of clothing
JMC environment Update
19
Vol.6 No.3 (2004. 9)
<関連資料> ギリシャ法(英語版)
Toasters
Fryers
Grinders, coffee machines and equipment for opening or sealing containers or packages
Electric knives
Appliances for hair-cutting, hair drying, tooth brushing, shaving, massage and other body care appliances
Clocks, watches and equipment for the purpose of measuring, indicating or registering time
Scales
3. IT and telecommunication equipment
Centralised data processing:
Mainframes
Minicomputers
Printer units
Personal computing:
Personal computers (CPU, mouse, screen and keyboard included)
Laptop computers (CPU, mouse, screen and keyboard included)
Notebook computers
Notepad computers
Printers
Copying equipment
Electrical and electronic typewriters
Pocket and desk calculators and other products and equipment for the collection, storage, processing,
presentation or communication of information by electronic means
User terminals and systems
Facsimile
Telex
Telephones
Pay telephones
Cordless telephones
Cellular telephones
Answering systems and other products or equipment of transmitting sound, images or other information by
telecommunications
4. Consumer equipment
Radio sets
Television sets
Videocameras
Video recorders
Hi-fi recorders
Audio amplifiers
Musical instruments
And other products or equipment for the purpose of recording or reproducing sound or images, including
signals or other technologies for the distribution of sound and image than by telecommunications
5. Lighting equipment
Luminaires for fluorescent lamps with the exception of luminaires in households
Straight fluorescent lamps
Compact fluorescent lamps
High intensity discharge lamps, including pressure sodium lamps and metal halide lamps
Low pressure sodium lamps
Other lighting or equipment for the purpose of spreading or controlling light with the exception of filament
bulbs
6. Electrical and electronic tools (with the exception of large-scale stationary industrial tools)
Drills
Saws
Sewing machines
JMC environment Update
20
Vol.6 No.3 (2004. 9)
<関連資料> ギリシャ法(英語版)
Equipment for turning, milling, sanding, grinding, sawing, cutting, shearing, drilling, making
holes, punching, folding, bending or similar processing of wood, metal and other materials
Tools for riveting, nailing or screwing or removing rivets, nails, screws or similar uses
Tools for welding, soldering or similar use
Equipment for spraying, spreading, dispersing or other treatment of liquid or gaseous substances by other
means
Tools for mowing or other gardening activities
7. Toys, leisure and sports equipment
Electric trains or car racing sets
Hand-held video game consoles
Video games
Computers for biking, diving, running, rowing, etc.
Sports equipment with electric or electronic components
Coin slot machines
8. Medical devices (with the exception of all implanted and infected products)
Radiotherapy equipment
Cardiology
Dialysis
Pulmonary ventilators
Nuclear medicine
Laboratory equipment for in-vitro diagnosis
Analysers
Freezers
Fertilization tests
Other appliances for detecting, preventing, monitoring, treating, alleviating illness, injury or disability
9. Monitoring and control instruments
Smoke detector
Heating regulators
Thermostats
Measuring, weighing or adjusting appliances for household or as laboratory equipment
Other monitoring and control instruments used in industrial installations (e.g. in control panels)
10. Automatic dispensers
Automatic dispensers for hot drinks
Automatic dispensers for hot or cold bottles or cans
Automatic dispensers for solid products
Automatic dispensers for money
All appliances which deliver automatically all kind of products
ANNEX II
Applications of lead, mercury, cadmium and hexavalent chromium, which are exempted
from the requirements of Article 4, paragraph (1)
1. Mercury in compact fluorescent lamps not exceeding 5 mg per lamp.
2. Mercury in straight fluorescent lamps for general purposes not exceeding:
- halophosphate: 10 mg
- triphosphate with normal lifetime: 5 mg
- triphosphate with long lifetime: 8 mg.
3. Mercury in straight fluorescent lamps for special purposes.
4. Mercury in other lamps not specifically mentioned in this Annex.
5. Lead in glass of cathode ray tubes, electronic components and fluorescent tubes.
6. Lead as an alloying element in steel containing up to 0.35 % lead by weight, aluminium containing up to
0.4 % lead by weight and as a copper alloy containing up to 4 % lead by weight.
7. Lead in high melting temperature type solders (i.e. tinlead solder alloys containing more than 85 % lead),
- lead in solders for servers, storage and storage array systems (exemption granted until 2010),
JMC environment Update
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Vol.6 No.3 (2004. 9)
<関連資料> ギリシャ法(英語版)
- lead in solders for network infrastructure equipment for switching, signalling, transmission as well as
network management for telecommunication,
- lead in electronic ceramic parts (e.g. piezoelectronic devices)
8. Cadmium plating except for applications banned under Directive 91/338/EEC (EE L 186, 12.7.1991, p.56)
amending Directive 76/769/EEC (EE L 262, 27.9.1976, p.201) relating to restrictions on the marketing and
use of certain dangerous substances and preparations.
9. Hexavalent chromium as an anticorrosion of the carbon steel cooling system in absorption refrigerators.
Within the procedure referred to in Article 7, par. 2 of the Directive 2002/EC relating to the restriction f the
use of certain hazardous substances in electrical and electronic equipment the Commission shall evaluate
the applications for:
- Deca-BDE,
- mercury in straight fluorescent lamps for special purposes,
- lead in solders for servers, storage and storage array systems, network infrastructure equipment for
switching, signalling, transmission as well as network management for telecommunications (with a view
to setting a specific time limit for this exemption), and
- light bulbs,
as a matter of priority in order to establish as soon as possible whether these items are to be amended
accordingly.
ANNEX III
Technical requirements in accordance with Article 10 (par. 2)
1. Sites for storage (including temporary storage) of WEEE prior to its treatment (without prejudice to the
requirements of Directive 1999/31/EC):
— impermeable surfaces for appropriate areas with the provision of spillage collection facilities and,
where appropriate, decanters and cleanser-degreasers,
— weatherproof covering for appropriate areas.
2. Sites for treatment of WEEE:
— balances to measure the weight of the treated waste,
— impermeable surfaces and waterproof covering for appropriate areas with the provision of spillage
collection facilities and, where appropriate, decanters and cleanser-degreasers,
— appropriate storage for disassembled spare parts,
— ppropriate containers for storage of batteries, PCBs/PCTs containing capacitors and other hazardous
waste such as radioactive waste,
— equipment for the treatment of water in compliance with health and environmental regulations.
ANNEX IV
Selective treatment for materials and components of waste electrical and electronic
equipment in accordance with Article 10 (par. 3)
1. As a minimum the following substances, preparations and components have to be removed from any
separately collected WEEE:
— polychlorinated biphenyls (PCB) containing capacitors in accordance with the Joint Ministerial
Decision 7589/731/2000 "on Measures and terms for the disposal of of polychlorinated biphenyls and
polychlorinated terphenyls (PCB/PCT) (B 514)
— mercury containing components, such as switches or backlighting lamps,
— batteries,
— printed circuit boards of mobile phones generally, and of other devices if the surface of the printed
circuit board is greater than 10 square centimetres,
— toner cartridges, liquid and pasty, as well as colour toner,
— plastic containing brominated flame retardants,
— asbestos waste and components which contain asbestos,
— cathode ray tubes,
— chlorofluorocarbons (CFC), hydrochlorofluorocarbons (HCFC) or hydrofluorocarbons (HFC),
hydrocarbons (HC),
— gas discharge lamps,
JMC environment Update
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Vol.6 No.3 (2004. 9)
<関連資料> ギリシャ法(英語版)
— liquid crystal displays (together with their casing where appropriate) of a surface greater than 100 square
centimetres and all those back-lighted with gas discharge lamps,
— external electric cables,
— components containing refractory ceramic fibres as described in Commission Directive 97/69/EC of 5
December 1997 adapting to technical progress Council Directive 67/548/EEC relating to the
classification, packaging and labelling of dangerous substances (EE L 343, 13.12.1997, p.19)
— components containing radioactive substances with the exception of components that are below the
exemption thresholds set in Article 3 of and Annex I to Council Directive 96/29/Euratom of 13 May
1996 laying down basic safety standards for the protection of the health of workers and the general
public against the dangers arising from ionising radiation (EE L 159, 29.6.1996, p.1)
— electrolyte capacitors containing substances of concern (height > 25 mm, diameter > 25 mm or
proportionately similar volume)
These substances, preparations and components shall be disposed of or recovered in compliance with the
applicable provisions on the management of non-hazardous or hazardous waste on a case to case basis.
2. The following components of WEEE that is separately collected have to be treated as indicated:
— cathode ray tubes: The fluorescent coating has to be removed,
Equipment containing gases that are ozone depleting or have a global warming potential (GWP) above 15,
such as those contained in foams and refrigeration circuits: the gases must be properly extracted and
properly treated. Ozone-depleting gases must be treated in accordance with Regulation (EC) No 2037/2000
of the European Parliament and of the Council of 29 June 2000 on substances that deplete the ozone layer
(EE L 224, 29.9.2000, p.1). Regulation as last amended by Regulation (EC) No 2039/200 (EE L 244,
29.9.200, p.26).
— gas discharge lamps: The mercury shall be removed.
3. Taking into account environmental considerations and the desirability of reuse and recycling, paragraphs 1
and 2 shall be applied in such a way that environmentally-sound reuse and recycling of components or
whole appliances is not hindered.
4. Within the procedure referred to in Article 14, par. 2, of Directive 2002/96/EC, the Commission shall
evaluate as a matter of priority whether the entries regarding:
— printed circuit boards for mobile phones, and
— liquid crystal displays are to be amended.
ANNEX V
Symbol for the marking of electrical and electronic equipment
The symbol indicating separate collection for electrical and electronic equipment consists of the crossed-out
wheeled bin, as shown below. The symbol must be printed visibly, legibly and indelibly.
ANNEX VI
A. Individual Alternative Management systems
1. Submission on behalf of the interested parties of envelopes containing the following information as a
minimum:
・ Application of the system with full details, including the Articles of Association of the legal person
organising the system and the shareholders’ composition
・ Information on the producer. In particular:
・ Type and annual quantities put on the market during the last three years
・ Previous experience in alternative management, if any
2. Purpose – targets of the individual system
The purpose and the target quantities of the system shall be mentioned as well as a brief description of the
methods to be used in order to achieve these targets. The achievement of the targets of the proposed system
shall be evaluated with regard to the contribution to the achievement of national targets.
JMC environment Update
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Vol.6 No.3 (2004. 9)
<関連資料> ギリシャ法(英語版)
3. System range
Information on the system’s field of application shall be provided. For example, the geographical range of the
system, the population to which it is addressed and the population density, etc., shall be mentioned as a
minimum, as well as the schedule for the extension of the system.
4. Selection/ description of alternative management methods
System methodology shall be described in detail as well as the selection of this or specific management
methods (collection, transport, temporary storage, treatment and recovery operations) shall be documented with
reliable financial, environmental, technological and social criteria. The technical specifications and the
operation mode shall be described in brief. The technical infrastructure shall be designed pursuant to:
a) the technical specifications as well as the terms and conditions provided for in the relevant provisions of
the applicable legislation on the management of non-hazardous or hazardous waste on a case-to case
basis.
b) the Joint Ministerial Decision 29407/3508/2002 (B 1572)
c) the national planning for waste management (non-hazardous and hazardous)
d) diachronic targets
5. Technical and economic study of the system which shall include as a minimum:
・ Purpose of the project (alternative management operations)
・ Expected results
・ Methodology to be used
・ Existing infrastructure for the needs of alternative management/ mechanical equipment
・ Required infrastructure for the needs of the system/ extension of the existing infrastructure – equipment
・ Existing/ required personnel for covering the needs of the system – new jobs
・ Environmental benefit deriving from the alternative management – problem solving, such as safe
disposal of treatment residues, estimation of impact on public hygiene, etc.
・ Description of guarantee system, if any
・ Economic data
6. Copies of prior agreements of the system with third parts (outside the system) participating in the
management operations (licensed treatment facilities, etc)
7. Copies of prior cooperation agreements of the participating producers of EEE in the system to be approved
8. Information – familiarisation programmes for the users – the public which are going to be organised by the
system.
B. Collective Alternative Management systems
1. Submission on behalf of the interested parties of envelopes containing the following information as a
minimum:
・Application of the system with full details, including the Articles of Association of the legal person
organising the system and the shareholders’ composition
・Information on the producers. In particular:
・Full details of the producers
・Type and annual quantities put on the market during the last three years
・ Previous experience in alternative management, if any
2. Purpose – targets of the individual system
The purpose and the target quantities of the system shall be mentioned as well as a brief description of the
methods to be used in order to achieve these targets. The achievement of the targets of the proposed system
shall be evaluated with regard to the contribution to the achievement of national targets.
3. System range
Information on the system’s field of application shall be provided. For example, the geographical range of the
system, the population to which it is addressed and the population density, etc., shall be mentioned as a
minimum, as well as the schedule for the extension of the system.
JMC environment Update
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Vol.6 No.3 (2004. 9)
<関連資料> ギリシャ法(英語版)
4. Selection/ description of alternative management methods
System methodology shall be described in detail as well as the selection of this or specific management
methods (collection, transport, temporary storage, treatment and recovery operations) shall be documented with
reliable financial, environmental, technological and social criteria. The technical specifications and the
operation mode shall be described in brief. The technical infrastructure shall be designed pursuant to:
a) the technical specifications as well as the terms and conditions provided for in the relevant provisions of
the applicable legislation on the management of non-hazardous or hazardous waste on a case-to case
basis.
b) the Joint Ministerial Decision 29407/3508/2002 (B 1572)
c) the national planning for waste management (non-hazardous and hazardous)
d) targets through time
5. Technical and economic study of the system which shall include as a minimum: Purpose of the project
(alternative management operations)
・Expected results
・Methodology to be used
・Existing infrastructure for the needs of alternative management/ mechanical equipment
・Required infrastructure for the needs of the system/ extension of the existing infrastructure – equipment
・Existing/ required personnel for covering the needs of the system – new jobs
・Environmental benefit deriving from alternative management – problem solving, such as safe disposal of
treatment residues, estimation of impact on public hygiene, etc.
・Description of guarantee system, if any
・ Economic data
6. Copies of prior agreements of the system with third parts (outside the system) participating in the
management operations (licensed treatment facilities, etc)
7. Copies of prior cooperation agreements of the participating producers of EEE in the system to be approved
8. Information – familiarisation programmes for the users – the public which are going to be organised by the
system.
ANNEX VII
The planning and the implementation of the Communication Policy shall be nation-wide and addressed to:
- the production classes as well as private and public bodies related to the procedures of alternative
management of WEEE and its components/ spare parts
- the wider public is divided for methodological purposes into subgroups-targets so that specialized
campaigns will be organised as far as message content and transmission method are concerned
The proposed content of the information will cover the following topics:
I. WEEE alternative management programmes
II. WEEE take-back/ return systems
III. Reuse/ recycling/ recovery systems
IV The role of users – consumers for achieving the targets set in the field of alternative management
V. Necessary information and data relating to the management of WEEE and its components/ spare parts
available to those interested
Proposed actions:
・Databank Development based on the Database which shall be accessible through a website on the
internet
・Creation and distribution of CD-ROM for the bodies and production classes involved
・Simplified information for informing and familiarising the wider public with this issue available through
teletext
・ Designing, printing and distributing printed materials in the following formats: a) posters, b) leaflets with
more complex and specific information for the bodies, production classes and Organisations of Local
Administration involved, and c) voluminous and/or small leaflets to be used for informing and
familiarising the wider public with this issue which shall be distributed: during special information
JMC environment Update
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Vol.6 No.3 (2004. 9)
<関連資料> ギリシャ法(英語版)
events, at selected information points where stands shall be placed and as inserts in large circulation
newspapers
・Advertising slogans for radio and television
・ Audiovisual material in videotapes and DVDs to be distributed selectively to those involved in the
information campaigns for the public, such as schools, associations, workplaces, professional groups.
Article 18
When this Decree enters into force any, partly or totally, provision contrary to the provisions hereof or relating
to issues regulated hereby shall be abolished.
Article 19
This Decree shall enter into force on the day of its publication in the Official Journal. We assign the publication
and the execution of this decree to the Minister of Environment, Planning and
Public Works.
Athens, 4 March 2004
THE PRESIDENT OF THE HELLENIC REPUBLIC
KONSTANTINOS STEFANOPOULOS
ECONOMY AND FINANCE
N. CHRISTODOULAKIS
THE MINISTERS
DEPUTY MINISTERS OF INTERNAL AFFAIRS,
PUBLIC ADMINISTRATION AND
DECENTRALISATION
L. PAPADIMAS
ENVIRONMENT, PLANNING AND
DEPUTY MINISTER OF DEVELOPMENT
PUBLIC WORKS
VASO PAPANDREOU
AL. KALAFATIS
DEPUTY MINISTER OF HEALTH AND WELFARE
E. NASIOKAS
Exact translation from the attached Greek document
Thessaloniki, 16.04.2004
THE OFFICIAL TRANSLATOR
JMC environment Update
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Vol.6 No.3 (2004. 9)
講 演
EuP 指令案の最新動向について
前 日本機械輸出組合ブラッセル事務所次長
現 経済産業省大臣官房総務課 課長補佐
覚道 崇文
当組合では、前日本機械輸出組合ブラッセル事務所次長(現経済産業省大臣官房 総務課 課長補佐)
の覚道氏が帰任したことから、去る 7 月 21 日に開催した「貿易と環境専門委員会および環境法規
専門委員会合同委員会」において、同氏による「EuP の最新動向」についての講演を行いました。
同氏の校閲を得て、その概要を以下に紹介します。尚、本誌 Vol.5 No.2(2003 年 7 月号)に掲載の
同氏の講演録と一部内容に重複する箇所がありますが、読者各位の便宜のため省略せずに掲載しま
した。
年の 6 月には環境理事会において EU 加盟 25 ヵ国
Ⅰ. はじめに
の共通のコンセンサスということで欧州委員会の
「EuP 指令案」の正式名称は、
「Proposal for a
提案に対する修正提案が政治的合意という形でな
DIRECTIVE OF THE EUROPEAN PARLIAMENT
AND
OF
framework
THE
for
CONCIL
the
on
setting
establishing
of
されているので、その内容も含め説明していきたい
a
と思います。
Eco-design
requirements for Energy Using Products and
amending Council Directive 92/42/EEC」であり、
Ⅱ. 経
緯
EuP 指令案は 2003 年 8 月に欧州委員会から提案
日本語で「エネルギー使用製品に対するエコデザ
されたのですが、それまでの経緯について若干触れ
イン要求事項の設定のための枠組みを設けること
たいと思います。
に関する欧州議会及び理事会指令提案」と言って
います。
もともとは電気電子機器のライフサイクル全体
での環境負荷を低減するための、いわばデザイン、
現在の審議状況は、欧州議会あるいは理事会へと
環境配慮設計に関する規制を導入しようというも
場を移しており、既に欧州議会と理事会の「第一読
のでした。最初は WEEE 指令(廃電気電子機器リサ
会」といわれる議論一巡目のステージはほぼ終わり
イクル指令)や RoHS 指令(特定物質の使用制限指
つつある状況です。
令)と基本的にパッケージで議論されていたもので
内容的には大枠に関する議論をしているところ
すが、色々な事情があって、
「WEEE 指令」と「RoHS
で、具体的にどういう製品に、どういうインパクト
指令」は欧州委員会 環境総局から先行する形で提
があるのかという部分については、まだ必ずしも明
案され、
「環境配慮設計」については引続き欧州委
確に評価できるような状況にはなっていません。
員会で指令を準備すべく検討が進められていまし
た。これが 2000 年、2001 年頃の動きです。特にデ
いずれにしても、電気電子あるいは機械産業に
ザインに関する部分については、欧州委員会の中で
色々な形で影響が及ぶ可能性が大きいということ
は環境総局と企業総局の 2 つの総局が関わってい
で、今後重要になってくる案件であります。
たのですが、どちらかというと企業総局の方が中心
になって検討を進めていました。企業総局は 2001
本日は、EuP 指令案の全体について、条文ごとに
年 2 月に電気電子機器の環境負荷の低減に関する
整理して、説明していきたいと思います。また、今
JMC environment Update
27
Vol.6 No.3 (2004. 9)
EuP 指令案の最新動向について
指令ということで、『電気電子機器(EEE)の環境
対するエコデザインの規制が導入されるというも
影 響 に 関 す る 指 令 草 案 ( Working paper for a
のではありません。この指令では、欧州委員会が将
DIRECTIVE on the impact on the environment of
electrical and electronic equipment(EEE)(通称
来的に具体的な規制を次々と採択していくための
「EEE 指令草案」
)
)を公表し検討を進めました。
個別機器に対する規制の雛型みたいなものを決め
様々なプロセスあるいは基本的な考え方、さらには
ているということです。
その後、欧州委員会 運輸・エネルギー総局から、
電気、ガス、石油等のエネルギーを使って機能する
EuP 指令案には「特定のエコデザイン要求」と「包
ような機器、つまりエネルギーを消費する機器のエ
括的エコデザイン要求」という 2 つの大きな要求要
ネルギー効率に焦点を絞った指令を別途検討した
素があります。「特定のエコデザイン要求」というの
方が良いのではないかとの話が持ち上がり、2002
は、エネルギー効率だとか水の使用効率とか、具体
年 4 月に『最終使用機器のエネルギー効率の規制に
的な数値を伴う定量的な要求事項で、
「包括的エコ
関 す る 枠 組 み 指 令 案 ( a draft proposal for a
デザイン要求」というのは、トリプル E(EEE)の
Framework Directive on Energy Efficiency
Requirements for End-use Equipment)
』を公表しま
頃からの議論の延長なのですが、ライフサイクル全
した。
の向上に関する定性的な要求事項のことです。EuP
体にわたるあらゆる環境側面を考慮した環境性能
指令案では、これらの設定手法について規定し、将
しかしながら、エネルギー効率はエコデザインの
来、製品毎にいずれかまたは双方を満たすことを
一要素でもあり、一方でエネルギーの規制があり、
EU 域内に上市する事業者に対して義務づけていま
もう一方でエコデザインの規制があるという並存
す。
するような状況は好ましくないということもあっ
て、結局、2002 年 11 月に現在の EuP 指令の原型
対象製品の選定や具体的な要求事項については、
である『最終使用機器のエコデザインに関する枠組
欧州委員会がコミトロジー・プロセスで決定するこ
み指令草案(Proposal for a Directive on establishing
ととなります。その他、マーキングとか適合性評価
a framework for the setting of Eco-design
requirements for End Use Equipment)
(通称「EUE
るいわゆる「ニューアプローチ」の考え方をそのま
のようなところは、従来から EU で広く使われてい
指令草案」)
』発表され、その後さらに色々な議論を
ま採用した形になっています。例えば CE マークを
経て、2003 年 8 月に EuP 指令案が正式提案されま
貼付するとか、あるいは原則自己適合宣言を中心に
した。
するということは、「ニューアプローチ」の応用みた
いなところがあります。
Ⅲ. 指令案の大枠
今回提案されている EuP 指令のイメージを下図に
EuP 指令案は「枠組み指令」であるため、たとえ採
示します。
択されたからといって、直ちに個別具体的な機器に
EuP指令のイメージ
•
枠組み指令(今回の提案)
実
施
対
策
指
令
整
合
規
格
JMC environment Update
整
合
規
格
実
施
対
策
指
令
整
合
規 ・・・
格
整
合
規 ・・・
格
•
・・・
•
•
•
•
理事会・議会の共同
決定により採択
横断的な事項のみ
を規定
欧州委員会が製品分野毎に順次
採択
対象製品分野は販売量、環境へ
の影響の程度等を考慮して決定
定性的・定量的なエコデザイン要
求事項(性能規定、規制数値等)
必要に応じ、欧州標準化機関が、性能規
定に対応する具体的な規格や、規制数
値に対応する測定方法に関する規格等
を策定
28
Vol.6 No.3 (2004. 9)
EuP 指令案の最新動向について
1. 枠組み指令
1. 対象製品(第 1、2 条)
今回提案されているのは枠組み指令ですから、
• エネルギー使用製品:エネルギー(電気、
一番上の部分になります。この部分は理事会ある
化石燃料(石油、ガス)
、再生可能燃料)の
いは議会の共同決定手続きにより採択され、他の
投入により機能するあらゆる製品
指令と同様に理事会および議会の指令ということ
• エネルギー使用製品に組み込まれる部品で、
になります。
それ自体でも上市され、単独で環境性能が
2. 実施対策指令
評価できるものは、
「エネルギー使用製品」
に含まれる
これに基づいて欧州委員会が個別の機器に対し
て「実施対策指令」(図の中段)を将来的に導入し
− 上記に該当しない部品は特に「コンポー
て行くことになります。この部分を「コミトロ
ネント及びサブアセンブリー」と呼ぶ
ジー・プロセス」と言い、欧州委員会が加盟国の代
• 輸送機器(陸上、海上、航空)は対象外
表等からなる専門委員会のようなものを設けて、
− 自動車は、既存の法令や自主規制で十分
事実上その場で内容を決定し、欧州委員会指令と
取り組みが進んでいるとの理由による
して採択するプロセスです。手続き的に議会や理
• 本指令・実施対象指令は、廃棄物、化学品、
事会の審議プロセスを経ないので非常にスピード
フロンガス関係の法令に影響を与えない
が速く、簡易な手続きになります。指令の内容は
技術的なものが中心になりますが、指令の一番肝
2. 実施対策指令(第 12 条)
心の部分(どういう機器が対象になるのか、規制
• 枠組み指令発効後、欧州委員会が、加盟国
値はどの位になるのか、その規制値はどういう測
および欧州委員会代表からなる委員会の
助けを得て(コミトロジー・プロセスによっ
て)
、下記を考慮しつつ製品分野毎に順次採
択
定方法によって出されたのか、等々)は、むしろ
このようなプロセスで決まってくるので、そうい
う意味でこのプロセスは将来非常に重要な論点に
なるだろうと思われます。
− 製品分野の選択については
3. 整合規格
・ 当該製品の域内での販売が相当量であ
「整合規格」(図の下段)は、むしろ「包括的エコ
ること(域内年間 200,000 ユニット)
デザイン要求」の方に関係してくるのですが、要求
・ 当該製品が、欧州レベルで、相当程度
事項が非常に定性的なものになり得るということ
の環境影響を有すること
で、例えば、ある機器が適合しているかどうかを
・ 当該製品が環境性能向上に関し相当程
判断するに際して、何らかの基準・規格といった
ものが別途必要になります。これは原則、任意の
度のポテンシャルを有すること(既存
欧州規格ということなのですけれども、それに合
法令の手当なし、市場の対応では不十
致すれば指令の要求を満たしていることになる訳
分、同性能の製品の環境性能に大きな
ですから半ば強制的な側面も持ちます。そういう
開きあり)
ものを一般的に EU では「整合規格」と言っており、
・ 環境行動計画など、EU レベルの政策プ
ライオリティを考慮すること
そういう規格も整備されてくるだろうと思われま
す。纏めると EuP 指令は、「枠組み指令」、「実施
・ 自主規制等の有無
対策指令」、「整合規格」の 3 階層になるであろうと
− 実施対策指令の策定にあたっては、
いうことです。
・ 当該製品のライフサイクル全体を考慮
すること
Ⅳ. EuP 指令案の内容
・ 関係者へのインパクトを考慮した分析
以下に EuP 指令案の内容について要点の整理を
の実施
しました。下線をつけた箇所は理事会の修正提案
・ 既存法令の考慮
で新たに加わった内容です。
JMC environment Update
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Vol.6 No.3 (2004. 9)
EuP 指令案の最新動向について
・ ステークホルダーとのコンサルテー
間製品の投入や排出物、廃棄物の発生
ション
を定量的に整理した「エコロジカル・
プロファイル」を作成
・ 実施対策指令案の説明メモの準備
・ 代替デザインを評価し、欧州委員会が
・ SME(中小企業)への影響等を踏まえ
実施対策指令中に示すベンチマークと
た実施日、移行措置の設定
比較
・ 当該製品の本来の機能に大きな支障を
・ 製品の設計において、複数の環境側面
与えないこと
やその他技術、安全、経済性、性能等
・ 健康・安全面でネガティブな影響が生
の諸要素を考慮し、合理的なバランス
じないこと
を達成
・ 消費者にネガティブな影響が生じない
− エコデザインパラメータ
こと(コスト面等)
・ 製造者の競争力にネガティブな影響が
・ ライフサイクルのステージ:原材料の
生じないこと
採取、製造、包装・輸送・流通、設置・
保守、使用、使用済み後
・ 特定の技術の押し付けにならないこと
・ 環境側面:資源・エネルギー・水等の
・ 過度な管理負担を課さないこと
使用量、大気・水系・土壌への排出物、
• 附属書 I 及び/あるいはⅡに基づくエコデ
騒音・振動・電磁界等、廃棄物の発生
ザイン要求を規定
量、リサイクル・リカバリー可能性
• 要求事項は、市場監視当局が適合性を確認
・ 環境側面の向上を評価するための指
できるような形で規定
標:製品の重量・容量、リサイクルか
• 関連スタディ等の公表
ら得られた材料の使用、エネルギー消
• 必要に応じてガイダンスを準備
費量、有害物質の使用、消耗品の量、
• 実施対策指令に盛り込まれるべき事項
リサイクルのしやすさ(部品点数、解
体所要時間等)、リユース部品の使用、
《付属書Ⅶ》
製品寿命の延長、有害廃棄物の発生量、
− 対象となる製品のタイプの詳細な定義
有害物質の大気・水系、土壌への放出
− エコデザイン要求、施行期日及び移行
− 情報提供
措置
・ 製品の取り扱い等に関する情報(製造
・ 包括的なエコデザイン要求の場合、
プロセスに関する指示(対製造者)
、環
関連する環境側面のアセスメントのた
境特性や性能に関する情報、環境影響
めのパラメータ(ベンチマーク)
を最小限に抑える方法や、当該製品を
・ 特定のエコデザイン要求の場合、具体
長く使えるようにするための情報、使
的な要求レベル
用後の回収方法に関する情報(対消費
者)
、分解、リサイクル、廃棄等に関す
3. 包括的なエコデザイン要求の設定手法
(付属書Ⅰ)
•
る情報(対処理事業者)
対象となる製品に応じて、以下の要求事項
4. 特定のエコデザイン要求の設定手法
(付属書Ⅱ)
を適宜、実施対策指令に含める
•
・ 製造者への要求事項
・ 製品の想定される使用条件を前提に、
ライフサイクル全体にわたる環境側面
のアセスメントを実施
・ ライフサイクルを通じての原材料、中
JMC environment Update
30
特定のエコデザイン要求(製品の使用段
階における水の消費量や製造段階におけ
る特定の材料の使用量の上限値、あるい
は製品中のリサイクル材料の最低使用量
等)のレベルを実施対策指令において設
定する方法
Vol.6 No.3 (2004. 9)
EuP 指令案の最新動向について
− 既に上市された対象分野の機器の環境
製品の環境性能向上に向けた方針を明
性能、経済的・技術的フィージビリティ
確化
を考慮し、最終使用者に対する製品寿命
・ 製品のエコロジカル・プロファイルの
期間中のコストを最小化する最小ライ
作成手法の確立、環境性能向上の目的
フ サ イ ク ル コ ス ト ( Life Cycle Cost
と指標の設定、目的達成のための計画
Minimum)の考え方に基づいて、要求レ
の策定
ベルを設定
・ これらを具体的に実施し、書類として
・ 購入価格および使用にかかる費用(電
整理
気代、水道代等)の合計および割引率
・ これらに関し監査手続きを策定し、定
を考慮してライフサイクルコストを計
期的に実施
算
・ 製品設計を含めて EMAS(EU の環境管
− 既存法令等(EU エコラベル、エネルギー
理監査システム)を取得している事業
ラベリング規則等)の下で、十分な根拠
者は、本要求事項を満足しているもの
付けが可能な場合、それに基づいて要求
と見なされる
レベルを設定することも可能
・ 製品設計を含めて ISO14001 を取得し
− デザイン変更サイクルを考慮して施行
ている事業者は、本要求事項のうち、カ
期日を決定すべき
バーされている部分に限り、対応する
要求事項を満足しているものと見なさ
5. 作業計画とコンサルテーションフォーラムの
設置(第 13、14 条)
•
れる
加盟国代表及び産業界、NGO 等幅広い関係
•
必要な場合、EU の評価手順のモジュール
から適宜指定(第三者認証機関が関与)
•
製造者は、以下の項目を含む適合宣言書を
者をメンバーとするコンサルテーション
フォーラムを設置
•
指令採択から 2 年以内に、欧州委員会は向
作成、CE マークを貼付
こう 3 年間に実施採択指令を策定する製品
− 製造者等の名前と住所
を列挙した作業計画を採択し公表
− 製品の型式に関する明確な記述
− 適用した整合規格及びその他の技術規
6. 適合と見なされるケース(第 7、4 条)
格・仕様(該当する場合)CE マークを添
• 製造者は実施対策指令で定められるエコデ
付するに当たって適用した他の EU 法令
ザイン要求に対して、実施対策指令に定め
(該当する場合)
られる手順にしたがって、適合性評価を
7. 適合と見なされるケース(第 8 条)
実施
• EU エコラベル(通称「フラワーマーク」
)
• 基本的に内部設計管理または(環境)管理
システムを選択(自己適合性評価)
を取得している製品については、対応する
− 内部設計管理
実施対策指令中の要求がエコラベルでカ
バーされている限りにおいて、適合してい
・ 環境アセスメントと実際の設計管理が
るものと見なされる
十分行われることの確保
− ブルーエンジェル(独)等 EU 各国によ
・ 製品に関する全般的な記述及びエコロ
るエコラベルも EU エコラベルと同等の
ジカル・プロファイル、環境側面のア
条件を満たす場合には、適合と見なして
セスメント結果、エコデザインに関す
もよい
る設計仕様等の情報を含む技術文書を
• 必 要 に 応 じ て 欧 州 標 準 化 機 関 ( CEN 、
作成
CENELEC 等)が作成する欧州規格(整合規
− 適合性評価のための管理システム
格)に適合している場合、当該規格に対応
・ 実施対策指令の要求事項をふまえて、
JMC environment Update
31
Vol.6 No.3 (2004. 9)
EuP 指令案の最新動向について
Ⅴ. 最近の動向・今後の見通し
する要求事項に適合していると見なされる
• 要求事項に適合していると見なされた製品
以上がだいたい EuP の現状の説明です。
最後に、
(CE マークが添付されたいる製品)につい
最近の動向と今後の見通しについて、非常に大雑
ては、原則、EU 域内の自由な流通が保証さ
把ですが以下にまとめました。
れる(第 5 条)
• 本年 4 月、議会の第一読会が終了。環境委
員会が主委員会で、ラポータは Thors 議員
8. コンポーネント及びサブアセンブリーに 関
する要求事項(第 10 条)
(フィンランド・リベラル)
。主な修正提案
は以下のとおり
• エネルギー使用製品に組み込まれるコン
− 加盟国による市場監視体制のあり方を
ポーネント及びサブアセンブリーの製造者
は、求めに応じ、それを使用する製造者がラ
新たに規定
イフサイクル全般の環境側面を評価するた
− 枠組み指令採択後 1 年以内に、暖房給湯
めに必要なあらゆる情報を提供しなければ
機器、照明、事務機、家電などについて、
ならない
実施対策指令を採択するように規定
− コンポーネント及びサブアセンブリー
− エコデザインボードの設置を規定(実施
の材料構成、エネルギー・資源の消費量、
対策指令の策定、業界自主規制の評価)
部品自体の環境側面のアセスメント結
等
果、使用後の管理に関する注意事項 等
• 理事会は運輸・通信・エネルギー理事会が
9. その他(第 13、18 条)
担当。事務局エネルギーWG が欧州委員会提
• 以下の既存法令は、それぞれ対象製品に関
案を検討
する実施対策指令と見なされる
• 理事会ではコモンポジションに向けた政治
− 液体・ガス燃料を燃焼する湯沸かし機器
的合意が得られており、コモンポジション
のエネルギー効率に関する指令
が採択
(92/42/EEC)
− 議会修正提案の多くを否定
− 家庭用冷凍・冷蔵庫のエネルギー効率に
− 加盟国代表及び産業界、NGO 等幅広い関
関する指令(96/57/EC)
係者をメンバーとするコンサルテー
− 蛍光照明用バラストのエネルギー効率
ションフォーラムを設置
に関する指令(2000/55/EC)
− 指令採択から 2 年以内に、欧州委員会は
• 加盟国による国内実施法制定期限は、2005
向こう 3 年間に実施採択指令を策定する
年末に設定されているが、議会・理事会で
製品を列挙した作業計画を採択し公表
の議論前の現段階では、この日付自体には
等
• 最終採択は来年(2005 年)前半との見方が
あまり意味は無い
一般的
□
JMC environment Update
32
Vol.6 No.3 (2004. 9)
REACH
EU の新化学物質規制をめぐる動き
環境・安全グループ
補佐 深澤 英秋
これら EU 法令の提案・制定に中心的にかかわ
はじめに
EU の 新 化 学 物 質 規 制 で あ る REACH ( the
る機関は、閣僚理事会(Council of the European
Registration, Evaluation Authorization and
Restrictions of Chemicals)規則案が、2003 年 10
Union)
、欧州委員会(European Commission)
、欧
州議会(European Parliament)の 3 つである。
月 29 日、欧州委員会から正式に提案され、現在
閣僚理事会とは、あらゆる EU の政策決定機関
は共同決定手続きに基づき欧州議会及び欧州理事
であり環境を含む多くの分野で欧州議会とともに
会で審議が進められている。2004 年 6 月の欧州議
共同決定機関となっている。欧州委員会とは、EU
会選挙と議会の夏期閉会により、第一読会といわ
の行政執行機関で、政策・法案の提案権限をほぼ
れる本格的な審議は秋以降に行われることとなり、
独占的に有している。欧州議会とは、EU の諮問・
現在のところ具体的な話は進んでいない状況であ
共同決定機関で、各加盟国から直接選挙で選ばれ
る。
る 732 人(任期 5 年)の欧州議員からなる。かつ
ては諮問機関的な役割がほとんどであったが、現
EU における法制化プロセス
在は多くの分野において理事会との共同決定権を
まず、REACH 規則案の動向を理解する上で不可
有しており、意思決定機関としての位置付けが高
欠な EU 法令とその制定プロセスについて簡単に
まっている。
説明する。EU の法令は主に、指令(Directive)
、
規 則 ( Regulation )、 決 定 ( Decision )、 勧 告
REACH 規則案でもそうであるが、環境を含む多
(Recommendation)の 4 つで、勧告を除く 3 つ
くの分野において、EU 法令は「共同決定手続き」
には拘束力がある。主に指令、規則の形で提案さ
という政策決定プロセスをとる。欧州委員会がま
れるのが一般的である。REACH は規則に該当する
ず起草し、それから欧州議会及び理事会に提案さ
が、規則とは EU で採択されたものが直接加盟国
れ、最終的に両機関によって合意されたものが法
に適用され、原則加盟国の裁量は認められていな
令として採択される(下図「共同決定手続き」を
い。
参照)
。
「共同決定手続き」の詳細な説明について
は、ここでは割愛する。
図 「共同決定手続き」
プレナリー
委員会
プレナリー
合意
検討
コモン
ポジション
無期限
6週間
非承認
最終採択
提案
欧州委員会
委員会
不合意
欧州理事会
事務局で
内部検討
JMC environment Update
(6週間)
第二読会
廃案
調停委員会
欧州議会
第一読会
承認
3ヶ月
33
3ヶ月
Vol.6 No.3 (2004. 9)
EU の新化学物質規制をめぐる動き
REACH 規則案の検討状況
はなく、環境省の代表者も参加しているところも
ある。いわば競争力理事会と環境理事会の合同審
REACH 規則案は現在、欧州議会・理事会による
議に近い状況ともいえるのである。
共同決定手続きに基づいて審議中であることは既
に述べたが、以下に議会・理事会の検討状況につ
2004 年 5 月 17 日、18 日に開催された競争力閣
いて整理した。
僚理事会では、イギリス政府から正式に「一物質
一登録」というアプローチが提案され、2004 年 7
《欧州議会》
月、正式に発表された。内容は以下 HP を参照い
REACH 規則案の審議を進める委員会は、環境問
ただきたい。
題を重視する立場の「環境委員会」と産業界寄り
の立場の「産業委員会」で主導権争いがあったが、
http://www.defra.gov.uk/environment/
chemicals/pdf/osor-proposal.pdf
結局「環境委員会」が主務委員会となり、
「産業委
員会」と「法務委員会」が協議委員会となった。
ただし、
通常と違って REACH 規則案の審議に当た
詳細な説明はしないが、例えば、この中では必
っては「Enhanced Cooperation Procedure」とい
ずコンソーシアムを組まなければいけない形にな
う手続きが取られることとなった。これは、簡単
っている。現在の規定ではデータはシェアしなけ
に言えば環境委員会が主務委員会となったものの、
ればいけないのだが、コンソーシアムを組んで皆
産業委員会や法務委員会での審議も相当程度重要
で登録するか否かは任意になっている。
となることを意味する。
ドイツ産業界からは「根本的な改正案」が出さ
「ラポータ」には環境委員会のメンバーでイタ
れるという動き(
「成形品の 6 条の条文は削除すべ
リア社民党のサコーニ(Sacconi)議員が選ばれた。
し」など)もあり、今後、議論を継続するとして
サコーニ氏は審議のたたき台となるドラフトレポ
も、そもそも論から議論をすることになる可能性
ートを作成したが、やはり規制強化を要求する方
がある。
向に大きく振れた内容になっている。例えば、成
欧州委員会の取組み状況
形品中の化学物質に関しても意図的云々というの
欧州委員会は、今後の議会や理事会の審議に際
は条件にせず、単に放出されるものは全て登録義
して REACH 規則案の提案者として出席すること
務となっている。このドラフトペーパーの本格的
はするのだが、基本的には規則案自体の審議は欧
な審議は、欧州議会の夏期閉会時期の明ける 9 月
州委員会の手を離れているので、当面は関連する
以降となる。
作業を進めることとしている。具体的には、産業
界や一部加盟国から強く求められている「インパ
《理事会》
理事会でも「環境理事会」と「競争力理事会」
クトアセスメント」の実施、REACH システムのパ
で駆引きがあったが、こちらは産業界サイドの「競
イロットプロジェクトである「戦略的パートナー
争力理事会」が担当理事会となった。
「競争力理事
シップ」の実施、REACH システムの実施に必要と
会」とは産業・研究開発・域内市場政策を担当す
なる各種ツールの整備等である。
る理事会である。この背景には EU が産業競争力
「インパクトアセスメント」については既に過
の強化に力を入れていることがあると見られる。
去一度行っており、その時は化学産業が登録のた
2000 年 3 月に開催された欧州理事会で EU 首脳が
めに将来実施することになる試験費用の試算を中
合意した所謂「リスボン戦略」と呼ばれるもので
心としたものであった(例えば、化学産業のコス
ある。ところが、産業界側はほっとしていられな
ト増は 11 年間で 23 億ユーロ、川下ユーザー産業
い。なぜなら実際に閣僚が参加する理事会という
のコスト増は 11〜15 年で 28〜36 億ユーロ)
。今
のは開催頻度も少なく、また細かな技術的な話を
回実施する内容は、①川下ユーザー産業への影響、
するわけでもないからである。実質的検討はアド
②イノベーションへの影響、③新規加盟国への影
ホックワーキングパーティーの中で行われる。こ
響、である。特に①については産業界の積極的な
のアドホックワーキングパーティーには国によっ
貢献が不可欠として、CEFIC(欧州化学工業会)
ては産業担当省の代表者だけが参加している訳で
JMC environment Update
34
Vol.6 No.3 (2004. 9)
EU の新化学物質規制をめぐる動き
と UNICE(欧州産業連盟)が中心になり主要な川
会や日 EU 規制改革対話の場などで REACH 規則
下ユーザー産業とともに協力体制を整えている。
案に対する懸念を表明したり、意見交換を行った
りしている。
電気電子産業を多く会員として持つ JBCE(在欧
終わりに
日系ビジネス協議会、事務局は当組合ブラッセル
事務所内)でも、米国の AEA(米国電子工業会)
、
以上、EU の REACH 規則案に関する最近の欧州
ヨーロッパの EICTA(欧州情報通信家電工業会)
議会及び理事会での検討状況と欧州委員会での取
などとともに本イニシアチブに参加する方向で検
組み状況を整理した。
討を進めている。この①について欧州委員会は施
今後の見通しについては、以前、欧州委員会の
行に伴うコスト増等で一部の物質が市場からなく
なることの影響を中心に検討したいとしているが、
川下ユーザー側は成形品中の物質の登録・通知と
環境総局長が 2005 年中に審議を終え 2006 年初め
の施行を目指す旨の発言があったが、欧州議会選
挙が 2004 年 6 月にあったことや議会の夏期閉会
それに伴うサプライチェーンのスクリーニングコ
により第一読会の開始が今秋以降にずれ込んだ上、
スト増などに力を入れるべきとして引続き調整中
欧州議会のフローレンツ新環境委員長が成立を急
である。
がない意向を示していることから、恐らく第一読
REACH の試行プログラムである「戦略的パート
会は 2005 年末頃までは続き、その後の審議過程
ナーシップ」は、将来実施していく上での課題を
を考えると早くとも REACH 規則の採択は 2006 年
抽出していこうとするもので、CEFIC など産業界
末〜2007 年初め頃というのが大方の見方となっ
が中心となり欧州委員会への提案を準備している。
ている。ただし、REACH 規則案は欧州の基幹産業
既にドイツのノルトラインヴェストファーレン州
である化学産業に大きな影響を与え、またその他
では、関係省庁、地元当局、化学業界、ユーザー
の産業界も広く巻き込む政策の大改正案だけに、
業界、労働団体、消費者団体、環境 NGO などが共
政治的関心も環境政策としては異例の高まりとな
同でパイロットプロジェクトを先行実施した。そ
っている。これが今後の議論の動向を見通しにく
の結果、REACH システムが適切に実施されるため
くしているのも事実である。
には数年のうちに人材を増やす必要があること、
いずれにしても、今年の秋から来年にかけて、
中小企業には大きな負担となるであろうこと、生
欧州議会・理事会での議論が本格化することに間
産量が少ない物質は市場からなくなる可能性があ
違いはなく、引き続き審議動向を注意深くモニタ
ること、などが結論として得られたとしている。
リングしていく必要があるし、更にそれを取り巻
更に欧州委員会への提言として、リスク評価の基
く関係者、特に欧州の化学業界、環境 NGO の動き
準となる曝露の分析を簡易なものにすること、登
も併せてフォローしていく必要があろう。
録時の既存データの受け入れに関する明確なルー
ルを作成すること、各種の明解なガイダンス書類
その上でまず日本政府は、引き続き APEC の場
を準備すること、を言っている。
などで欧州委員会との協議を継続することになろ
うが、もはや審議の場は欧州委員会の手を離れて
各種ツールの整備としては、前述のノルトライ
いるので効果は限定的とはならざるを得ないとみ
ンヴェストファーレン州のプロジェクトでの提言
られている。従って、今後欧州議会関係者への働
にあるガイダンス書類の準備やシステム運用のた
きかけはやはり産業界が主体になり、日本からば
めの IT ツールの整備、フィンランドに設置予定の
かりでなく、現地ヨーロッパにある組織(例えば
欧州化学品庁の設立準備、などを進めることとし
JBCE、各国商工会議所、ヨーロッパ産業団体など)
ている。
を通じて、欧州内から意見を出すことも必要であ
このほかにも、WTO の場や域外諸国との意見交
ると思われる。
換の場などにおいて、欧州委員会は EU の対外交
(本稿は、覚道 崇文 前ブラッセル事務所次長
の講演資料を基に取りまとめたものである。
)
渉機関として対応を行っている。実際、日本政府
も WTO/TBT(Technical Barriers to Trade)委員
JMC environment Update
□
35
Vol.6 No.3 (2004. 9)
連載
欧州環境規制動向
〜 在ブラッセル弁護士モニタリング情報 [34]
I. EU
1. 8 ヵ国の CO2 排出枠の国家配分計画に
青信号
で割当量全体の 40%以上に当たる合計 28 億
7,960 万トン分の排出量が配分されることに
なる。
2004 年 7 月 7 日、8 ヵ国の二酸化炭素(CO2)
排 出 枠 の 国 家 配 分 計 画 ( NAP: National
CO2 換算トンの割当量(括弧内は工場数)を
Allocation Plan)を承認した欧州委員会は、温
100 万トン単位で以下に示す。
室効果ガス(GHG)排出削減対策の一環とし
て EU 排出量取引制度設立に関する 2003 年の
指令に定めた欧州炭素市場設立へ向けて一歩
を踏み出した。やや遅れて上程された他の
7 ヵ国の計画に対する委員会の評価は、遅く
とも 2004 年 9 月までに公表されるはずであ
る。一方、委員会は、NAP が未提出のギリシャ
とイタリアの違反行為に対する法的手続きを
開始した。また、オーストリア、ドイツ、フ
オーストリア
−
デンマーク
−
ドイツ
−
アイルランド
−
オランダ
−
対して、2003 年 12 月 31 日を期限とする排
98.2
(205)
100.53
(62)
1497
(2,419)
67
(143)
285.9
(333)
スロヴェニア
26.3
(98)
−
スウェーデン
68.7
(499)
−
英国
736
合計
ランスおよびスウェーデンを除く全加盟国に
(1,078)
2,879.6 (5,137)
指令 2003/87/EC に基づき設立される EU 排出
出量取引指令の国内法への移行が十分でない
量取引制度の狙いは、経済の負担コストが最
と し て 、 理 由 を 付 し た 意 見 書 ( reasoned
小限となる方法で、エネルギーおよび工業部
opinions)を送付した。
門による GHG 排出量を削減すること、また
EU および加盟国が 1997 年京都議定書に定め
承認された 8 ヵ国の NAP のうち、5 ヵ国−−
る排出目標−−2012 年までに 1990 年排出水
デンマーク、アイルランド、オランダ、スロ
準と比較して 8%削減−−を達成できるよう
ヴェニア、スウェーデン−−の NAP は無条件
支援することである。同指令の規定により、
で承認された。その他 3 ヵ国−−オーストリ
NAP に基づき当該産業部門に排出枠を配分し
ア、ドイツ、英国−−の NAP は、技術的変更
なければならない。加盟 15 ヵ国は、遅くと
を条件として承認された。これらの計画は、
も 2004 年 3 月 31 日までに、また新加盟国は
委員会による再評価を経ることなく自動的に
2004 年 5 月 1 日までに、NAP の提出を義務
承認されることになる。
づけられていた。また、各国とも NAP の告示
に約 1 ヵ月の猶予期間が与えられている。一
つまり、この決定により、加盟 25 ヵ国にお
方、委員会には、3 ヵ月以内に意見を表明す
ける約 5,000 箇所の工場がすでに将来の欧州
る義務がある。NAP は、委員会発行の「指針
炭素取引所への参加を認められるということ
書」に定める 11 項目の基準に基づき評価さ
である。かかる施設を対象として、CO2 換算
JMC environment Update
−
れ、絶対的遵守が義務づけられている。最重
36
Vol.6 No.3 (2004. 9)
欧州環境規制動向 〜在ブラッセル弁護士モニタリング情報 [34]
要基準は、京都議定書に基づく加盟国の目標
自動的に、全企業に取引資格が生じる。
達成のための一般的国家戦略に NAP を統合
委員会によって、現時点の NAP が 2005
するという基準である。その他に、差別禁止、
〜2007 年の取引期間に閉鎖する工場の排
EU における競争、国家援助規則および技術的
出枠を再配分する計画であることが分か
留意点に関する基準などがある。NAP は委員
り、問題となった。これは事後的配分調
会によって全面的あるいは部分的に承認され
整となり、第 10 基準に矛盾する。
なければならない。NAP が無条件で承認され
− デンマーク:2004 年 6 月の修正後、NAP
た場合、加盟国は最終的な配分決定を策定す
は修正条件なしで承認された。全企業に
ることができる。
取引資格がある。
NAP には、加盟国が 2005〜2007 年の取引期
− ドイツ:NAP は技術的修正を必要条件と
間に配分を計画している CO2 排出枠と、各工
して承認された。全企業に自動的に取引
場に割り当てられる排出枠の量が示される。
資格が与えられるが、ドイツ政府は 2005
すでに評価済みの 8 ヵ国の NAP は、大半の基
年末までに関連法を修正すると公約して
準を満たしている。このような全体的に好意
いる(原則的に連邦参議院は 7 月 9 日に
的な評価結果は、委員会と加盟国との長期に
採決予定)。委員会は、同国の NAP にいく
亘る交渉の成果といえる。アイルランドのよ
つかの問題点を見出した。例えば、2005
うに、否定的見解を回避するために、最終段
〜2007 年の取引期間において、割当量の
階において躊躇することなく自国の計画を大
算出基準となった状況と、当該取引期間
幅に修正した国もある。委員会が一般的重要
の実際の状況との潜在的ズレを修正する
性の高い 2 種類のケースとして求めてきた内
ために、1 工場当たりの排出枠を調整する
容を以下に示す。
計画である。とりわけ、既存工場の年間
排出量が基準期間の 40%未満の場合、当
− 当該国が、2005〜2007 年の期間における
該取引期間における 1 工場当たりの割当
排出枠の総量では、京都議定書に定める
量を場合によって調整する意図がある。
第 1 期公約期間 2008〜2012 年における目
また、調整する可能性ありと考えるもう
標を達成できない場合。
一つの状況は、コージェネレーション
− いわゆる事後的(ex-post)な配分調整を
(CHP)ボーナス割当(CHP に対するボー
意図している加盟国がある場合、すなわ
ナス)の恩恵を受けている工場の発電量
ち 2005〜2007 年期間の参加企業の中で
が、CHP モードで、基準年を下回った場
排出枠の再配分を計画している加盟国が
合である。委員会は、かかる調整は事後
存在する場合。このような場合には取引
割当調整に相当し、第 10 基準に矛盾する
に不確実性が生じ、市場における排出権
と主張している。最後に、同国には、新
取引に支障が生じるであろう。このよう
規参入者に対する割当配分を調整する可
なやり方は、欧州委員会によってに拒否
能性とともに、算出方法を変更する意図
されてきた。
がある。委員会は、事後調整が EU 条約に
基づく差別禁止を義務づける第 5 基準に
欧州委員会の承認が修正を条件としている場
矛盾することになることから、当該指令
合、加盟国は、2004 年 9 月までに以下に示す
は事後調整を一切認めていないと主張し、
修正を行わなければならない。
このようなことは受け入れられないとし
− オーストリア:NAP は技術的変更を必要
ている。
条件として承認された。同国が 2004 年 9
月 30 日までに技術的変更を実施した場合、
JMC environment Update
37
Vol.6 No.3 (2004. 9)
欧州環境規制動向 〜在ブラッセル弁護士モニタリング情報 [34]
得られた1。
− アイルランド:NAP は、同国が 2004 年 6
月下旬から 7 月初旬に修正後、修正条件
なしで承認された。全企業に取引資格が
加盟国の一部の業界団体による報告書が経済
ある。
への影響を警告しているのとは対照的に、
「当
社の研究結果から、EU 排出取引制度(EU -
− オランダ:NAP は、同国が 2004 年 6 月下
ETS)は、欧州におけるほぼすべての業界の
旬に委員会と協議の上で合意に達した修
競争力を損なうものではないことが明らかに
正後、修正条件なしで承認された。全企
なった。実際のところ、同制度が導入された
業に取引資格がある。
場合、ほとんどの業界にとって、少なくとも
− スロヴェニア:NAP は、修正条件なしで
現在の収益水準の維持は困難ではないであろ
承認された。全企業に取引資格がある。
う。また、中には収益が伸びる業界もある。」
− スウェーデン:NAP は、同国による 2004
と、同社の政策担当ディレクター M. Grubb
年 6 月下旬の修正後、修正条件なしで承
氏は、2004 年 7 月 2 日付声明文の中で述べ
認された。全企業に取引資格がある。
ている。
− 英国:NAP は、2004 年 9 月 30 日までに
唯一の例外はアルミ業界かもしれない。同声
技術的修正を加えることを条件として承
明文では、排出枠の価格が予想を上回れば「欧
認された。全企業に自動的に取引資格が
州企業の市場からの撤退を招く可能性があ
与えられる。委員会は、同国の NAP を歓
る」と述べている。また、同研究結果による
迎し、今後の討議のたたき台としてふさ
と、英国の電力会社は、採算性を維持するた
わしいと見なしているものの、いくつか
めに卸電力価格を 5%引き上げなければなら
の問題点を特定した。まず、新規参入者
なくなるという。
による取引制度への参加を可能にする方
法について、十分な情報を提供していな
しかしながら、M. Grubb 氏は、EU - ETS を実
い。このことは、新規参入者に関する規
施するための加盟国の NAP には「相当な格
定の第 6 番基準に矛盾する。次に、同国
差」があるため、様々な問題が生じる可能性
の NAP には対象となる工場リストは含ま
があり、
「一部の国は、国内企業に余剰排出枠
れているが、当該リストにはジブラルタ
を与えている。そのことにより、一部の業界、
ルの工場が含まれていない。従って、第
特に鉄鋼業界では、加盟国間の競争に歪みが
10 基準に義務づけているリストとしては
生じる可能性がある」と指摘する。
不備がある。
さらに、同制度を実施するための NAP は「炭
2. 英国の研究、EU 排出量取引による産業界
競争力への影響なしと結論
素削減活動の飛躍的な推進力に乏し過ぎる。
つまり、同制度によって、企業がコスト効果
英国政府が支援するコンサルタント系のカー
の高い方法で炭素排出量を削減し、京都議定
ボントラスト社が実施した経済モデル研究に
書に定める EU および加盟国の公約を履行で
よると、2005 年 1 月に開始予定の EUCO2 排
きるよう支援するという目標は達成できない
出量取引制度は、EU 全域において一貫性を
ということである」と続ける。
もって実施される限り、同国および欧州産業
界の競争力を損なうものではないとの結論が
1
JMC environment Update
38
カーボントラスト社のプレスリリース「EU 排出量取引制
度:産業界の競争力に及ぼす影響」は以下のサイトを参
照のこと。
http://www.thecarbontrust.co.uk/carbontrust/about/
press_releases/20040630%20EU%20ETS%20
report%20FINAL.pdf
Vol.6 No.3 (2004. 9)
欧州環境規制動向 〜在ブラッセル弁護士モニタリング情報 [34]
EU – ETS は、気候変動対策のための京都議定
ないこと、またロシアが同案件に関する決定
書に基づく GHG 排出量削減に向けた EU 最大
を下していないことを念頭に置き、2008〜
の政策である。
2012 年期間に計画されている EU 政策を見直
す必要がある。改訂気候変動戦略の内容は、
加盟国は、2004 年初頭に、同制度に参加する
このような主要な経済地域が京都議定書を批
国内工場に対する CO2 排出枠の配分方法を示
准しない場合に、気候保護を推進しながらも、
す「NAP」を欧州委員会に提出することを義
EU 産業競争力に対する負の影響を回避する
務づけられた。
にはどうしたらよいかという問いに回答する
ものでなければならない」と声明文の中で述
英国は 2004 年 5 月に NAP を公表し、一般の
べている。
意見を求めた。さらに 2004 年 6 月 14 日には、
追加となる「工場リスト」を欧州委員会に提
さらに、「経済改革に関する 2005 年春のサ
出した。
ミットにおいて、真にグローバルな協力を確
立するための新たな国際体制の中身について
同社の研究では、NAP が同国の 5 つの産業セ
も同時に議論できるように、この戦略の改訂
クター−−電力、セメント、製紙(新聞用紙)、
を直ちに開始すべきである」と述べている。
鉄鋼およびアルミニウム(精錬)−−に及ぼ
UNICE 幹部筋によると、現在の EU の経済成
す影響が検証された。
長が米国に溝をあけられていることから、各
2004 年 6 月に発表された EU 全域調査による
国指導者は、EU が主要貿易相手国との差を埋
と、影響を受ける業界に属する欧州企業の
められないような未来の姿にようやく立ち向
40%が、同制度によって収益性が損なわれる
かい始めているという。
という懸念を示している。また、ほぼ半数が
十分な備えができていないと回答している。
さらに、
「現在、京都議定書を見直そうという
しかし、それにもかかわらず、大半の企業は
機運がかつてないほど高まってきていると思
同制度の実施を支持するとの結果が出ている。
う」と、匿名を条件に語ってくれた。
3. 業界、EU 気候変動政策の見直しを要求
今回の UNICE 宣言に対する委員会の公式見
加盟 25 ヵ国を代表する主要業界団体は、
解では、気候変動に関する EU の主導的役割
2004 年 6 月 15 日、各国指導者に、京都議定
を阻もうとする新たな、見当違いの試みにす
書に定める GHG 公約を撤回し、米国をはじめ
ぎないとして片づけられている。
とする諸外国との経済競争力が犠牲にならな
いような新たな気候変動対策を検討するよう
委員会スポークスウーマンの Ewa Hedlund 女
求めた。
史は、「EU の京都議定書に対する公約は、批
准されるかどうかにかかわらず変わらない。
EU レベルでロビー活動を展開する各国業界
私達は、GHG 削減と経済競争力維持が両立し
団体の連合組織である欧州産業経営者連盟
ないとは思わない。長期的に見ると、EU 公約
(UNICE)の今回の宣言は 2004 年 6 月 17−
は、環境上および経済上の配当をもたらすも
18 日に開催された EU サミットの前夜に発表
のである」と述べている。
された。同サミットでは、各国の指導者が初
の EU 憲法に関する憲章に合意した。
このように委員会が決然とした公式見解を表
明しているにも拘らず、デパラシオ運輸・エ
UNICE は、「米国が京都議定書を批准してい
JMC environment Update
ネルギー担当委員を筆頭に、特に京都議定書
39
Vol.6 No.3 (2004. 9)
欧州環境規制動向 〜在ブラッセル弁護士モニタリング情報 [34]
が発効しない場合、EU は同条約を見直すべき
EU は、電力会社およびエネルギー集約型企業
だと考える人々もいる。
に対して、2005 年 1 月以降、欧州全域レベル
の排出量取引を通じて、それぞれの目標を達
別のスポークスマン G. Gantelet 氏は、「EU
成するよう求めている。同制度を定める EU
の現状を考慮し、京都議定書に固執するのは
指令は、2008 年以降に、その他の業界および
現実的ではないというのがデパラシオ委員の
ガスが対象となることも見越している。
個人的意見である。」同委員はあらゆる機会に
そのような主張を繰り返しており、その考え
同委員は、今回委員会は、船舶・航空業界も
を変えていない」と述べている。
含めて、かかる新目標の検討を開始すべきで
あると、断言した。
また、今回の UNICE の要求は、EU 各国指導
者が 2004 年 10 月から 5 年の任期を務める委
また、
「私達はそのような検討や討議も開始し
員会の新委員長を選出するタイミングで出さ
ている」と、昨年の英国事業者との協議を示
れた。
唆した。さらに、
「この件に関しては概ね積極
的な姿勢が[伺える]」として、
UNICE の幹部は、「我々は、新たに発足する
「もちろん、航空と船舶を含む必要があるで
委員会が現委員会のプロディ委員長より、京
しょう。大幅に排出量削減をする[強く求め
都議定書の見直しに寛大であるよう期待す
る]つもりであれば」と主張した。これは政
る」と述べた。
治的目標でもあった。
プロディ委員長の政治的背景は中道左派であ
「私達には EU において先導役を担う覚悟が
るが、次期委員長は、経済競争力が現在の大
ある。」
きな懸案事項となっている欧州政界中道右派
また一方で、同委員は、2005 年は出発点に過
出身となる見込みである。
ぎないと警告した。
「このようなことは極めて
4. 2005 年までに気候変動に関わる新排出
目標設定の見込み
技術的な問題である。すなわち、加盟国の準
委員会が、2005 年までに、2012 年以降の気
進める必要がある」という。
備も多分に必要とする。私達は、慎重に事を
候変動を誘発する排出ガスの削減目標提案を
目指していることが明らかになった。航空お
しかしながら、だからといって、京都議定書
よび船舶に関する目標も同時に導入される可
に定めた期間以降、EU が単独で気候変動問題
能性がある。
を進めていくべきであるということではない。
同委員は、先頃、委員会が環境政策推進を目
ヴァルストレム委員は、ブラッセルで開催さ
的として毎年実施しているグリーン・ウィー
れた環境会議で、記者に次のように語った。
クの記者会見で次のように発言した。
「私達は、2005 年までに新目標の提案ができ
るよう望んでいる。」
「グローバルでない気候変動対策など存在し
ない。私達には、強力な多国間の枠組みが必
新目標は、2010〜2012 年に GHG を 1990 年
要なのである。」すなわち、大気中の GHG の
比で 8%削減するという気候変動に関する京
安定化を目的とする京都議定書および国連気
都議定書に定めた EU 公約を超えるものとな
候変動枠組み条約(UNFCCC)を基にした枠
る。
組みのことである。
JMC environment Update
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欧州環境規制動向 〜在ブラッセル弁護士モニタリング情報 [34]
地球を取り巻く大気は未曾有の速さで温暖化
回の新しい合意が取り決められた。化学業界
しており、その原因となる GHG 排出の大部分
は、REACH によって競争力が損なわれ、雇用
が人為的な原因によるものであると認める科
喪失に繋がると主張している。REACH が経済
学者が世界的に増えている。
的影響についてより詳しく理解するために、
委員会および化学業界は、他のステークホル
地球温室効果を阻止するための行動において
ダーと同様に、経済的影響について、個別に
「国際社会の中で主導的役割を担い続けるこ
調査を実施する。
ともまた、EU にとって重要なことである」と、
CEFIC の提案に基づく SPORT イニシアティ
ヴァルストレム環境委員は付言した。
ブは、加盟国が閣僚理事会で REACH に関す
5. 欧 州 委 員 会 お よ び 化 学 業 界 、 REACH
規則案の試験計画を開始
る交渉を開始するのとタイミングを同じくす
欧州委員会および欧州化学工業連盟(CEFIC)
REACH を優先事項の一つとして掲げている。
る。また、最近議長国になったオランダは、
は、2004 年 7 月 9 日、REACH として知られ
ている EU 化学物質規制案に関する潜在的問
Hansen 氏は「今までの理事会では実際のと
題を判断するために、暫定的追跡プログラム
ころ質疑応答しか行われていなかった。加盟
を開始することに合意した2。
国は委員会案に概ね賛成のようであるが、そ
れは今後数ヵ月先にならなければ明らかには
化学物質の登録・評価および認可を意味する
ならない。厳しい交渉が今まさに始まろうと
REACH の承認はまだかなり先のことで、法制
しているのである」と述べている。
化されるまでに大幅な修正が加えられる可能
性が高いが、この REACH 試験に関する戦略
新欧州議会は、2004 年 7 月 8 日に、初めて
的 パ ー ト ナ ー シ ッ プ ( SPORT: Strategic
の審議を開催したが、産業委員会と環境委員
Partnership for REACH Testing)では、各種化
会 が 新 た に 設 置 さ れ た 後 の 2004 年 秋 に
学物質を対象として委員会の REACH 案の第
REACH 案件を取り上げる予定である。
一段階を実施する。
委員会の職員である B. Hansen 氏は、
「暫定戦
6. 議 長 国 オ ラ ン ダ 、 気 候 変 動 問 題 お よ び
REACH 問題を優先課題として重視
略の目的は、REACH の実際の適用に向けて、
企業にとって環境が大切であることを証明し、
委員会、加盟国および産業界など、全関係者
将来の競争力を確実にすること。これは、
の準備態勢を整えることである。我々は、特
2004 年下半期に議長国を務めるオランダに
定化学物質を対象として事前登録および登録
とって最大の目標となる。リスボン戦略の環
手続きをシミュレーションすることにより、
境的側面を強化すること、具体的には、環境
REACH が施行された場合に備えた指針を得
効率の高い技術革新を進展させることに重点
るとともに、支援ツールも開発できると期待
が置かれる。この問題は、非公式理事会の中
している」と述べている。
心課題ともなる。この非公式理事会は、オラ
ンダを議長国として、2004 年 7 月 16〜18 日
化学業界が REACH 案に強く反対しているに
にマーストリヒトで環境問題への取組みを開
も拘らず、委員会と化学産業界との間で、今
始した。目的は、2005 年春の EU サミットに
向けて環境相理事会の準備作業を開始すると
2
ともに、欧州において議論を起こすことであ
REACH 試験に関する戦略的パートナーシップの詳細は
以下のサイトを参照のこと。
http://www.cefic.org/files/publications/SPORT_040702.
doc
JMC environment Update
る。
41
Vol.6 No.3 (2004. 9)
欧州環境規制動向 〜在ブラッセル弁護士モニタリング情報 [34]
オランダは、REACH 制度案に関する理事会の
第一読会について現実的な見方をしており、
マーストリヒトの非公式閣僚会議
2004 年末までの合意は期待していない。また、
閣僚らは、2004 年 7 月 16〜18 日の非公式会
できる限りの進展を目指しながらも、クリー
合のために集まる。経済機会としての環境に
ン化技術の開発による企業の競争力に重点を
ついて討議の一方で、洪水に関するリスクの
置くことにより、産業界の支持を得る計画で
防止および管理についても討議する。
ある。これこそ同国の考える将来を見据えた
10 月 14 日の環境閣僚理事会(ルクセンブルグ)
真の契約である。
本会議の暫定議題を以下に示す。
同国は、その他の重要な優先案件の中、また
− 経済機会としての環境:理事会としての
京都議定書の批准に対するロシアの消極的姿
結論の採択
勢に起因する膠着状況にも拘らず、この国際
− 採取産業の廃棄物管理に関する指令の提
的気候変動政策を推進していくために圧力を
案:政治的合意
強めていく計画である。従って、現実的な決
− 特定の F ガスに関する規則の提案:政治
定の採択と将来に対する見通しを提示するこ
的合意
とを目的として、ブエノスアイレスで 2004
− 持続可能な移動性:意見交換
年 12 月 6〜17 日開催予定の気候変動枠組条
− 気候変動: 1)COP10 に向けた準備−閣
約第 10 回締約国会議(COP10)に向けて準
僚理事会としての結論
備を進めていく。プロンク氏が議長国の環境
2)中長期戦略および目標:
相であることから、本案件が同国にとって最
意見交換、2004 年春の欧州理事会のフォ
も重要であることは明らかである。同相は、
ローアップ
2000 年 7 月のボン会議で議定書の進展およ
− 委員会の通達:「都市環境戦略に向けて」
びその実施規則の採択に手腕を発揮した。
−討議および理事会としての結論
− Natura 2000 の資金調達に関する委員会
また、同国は、
「静音、クリーンおよび経済性
の通達:意見交換
に優れた自動車を追求する」持続可能な移動
− 第 5 回汎欧州環境閣僚会議(キエフ+1)
性も重視していく。すなわち「微粒子の排出
のフォローアップ:意見交換
対策として炭素フィルター使用の奨励、CO2
− 洪水に関する委員会通達:討議および理
排出要件の強化および発生源を対象とする騒
事会としての結論
音公害対策」に力を入れる。さらに、鉱さい、
F ガス、都市環境戦略、水銀戦略およびオー
理事会は、
「その他の議題」として、有害廃棄
フス条約−−環境問題に関する情報へのアク
物の国境を越える移動及びその処分の規制に
セス、意思決定における市民参画、司法への
関するバーゼル条約の第 7 回締約国会議
アクセス−−に関する実施措置などの案件に
(2004 年 10 月 25〜29 日開催予定)および
ついて進展をもたらすことを望んでいる。ま
オゾン層を破壊する物質に関するモントリ
た、欧州共同体が同条約を完全に批准するこ
オール議定書の第 16 回締約国会議(2004 年
と、さらに 2005 年 5 月に開催される第 2 回
11 月 17〜26 日開催予定)に関する議長報告
締約国会議に正式メンバーとして参加するこ
について合意するはずである。
とを目指している。
12 月 20 日の理事会(ブラッセル)
同国は、実際のところ、以下に示すとおり、
今年最後の環境閣僚理事会の議題を以下に示
25 ヵ国の環境閣僚を 3 回召集する機会があ
す。
る。
JMC environment Update
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Vol.6 No.3 (2004. 9)
欧州環境規制動向 〜在ブラッセル弁護士モニタリング情報 [34]
− REACH 規制:政治的討議
を、また使用済み自動車(ELV)指令と廃電
− オーフス条約:政治的合意
気電子機器(WEEE)指令を基にプラスチッ
− 気候変動: 1)COP10 の成果、討議
クの目標を設定することが可能である」と発
2)中長期戦略と目標に関す
言した。
る閣僚理事会としての結論
− 環境に関する資金調達手段−「LIFE+」
また、決定事項は何もなく、このようなこと
プログラム:政治的討議
は案として検討されただけであることを強調
− 地下水汚染保護に関する指令の提案:政
し、かかる案は、取引可能な証書(tradable
certificates)のように、廃棄物の防止および
治的合意
− 電池および蓄電池に関する指令の提案:
リサイクルに関するテーマ別戦略の中でも検
政治的合意
討されていると述べた。さらに、
「取引可能な
− 水銀戦略:理事会としての結論
証書というコンセプトは中期的には興味深い
− 共同体およびグローバルな視点に基づく
が、この件について現段階で何かするのは時
諸側面
期尚早である」と付言した。
− 2005 年 2 月の国連環境計画(UNEP)管
理理事会に向けた準備:意見交換
また、かかる案は新しいものではなく、企業
総局や、製紙業界およびプラスチック業界の
「その他の議題」として、各国閣僚は以下の
支援も得ている。
案件について討議するはずである。
廃棄物の防止およびリサイクルに関するテー
− 野鳥指令の 25 年間(評価、討議)
マ別戦略については、委員会の通達が 1 年以
− エネルギーおよび持続可能な移動性に関
上も前に採択されたところである。同通達に
するハイレベル会議(成果)
よると、紙の包装廃棄物リサイクルに関する
− 環境および健康に関する行動計画:委員
法律はあるが、
「事務用紙や新聞用紙に関する
会報告と議長報告
類似要件がない」と指摘されている。
− 産業施設の規制における新アプローチを
探るプロジェクト(ENAP: Exploring new
approaches for the regulation
industrial installations):議長報告
包装廃棄物のような特定の使用済み製品に焦
of
点を当てるのではなく、かかる素材をリサイ
クルする方法は、経済的・環境的視点から適
− 欧州海洋戦略:委員会報告と議長報告
切な場合が多い。初期の戦略案では、特定廃
− 洪水に関するイニシアティブ:議長報告
棄物のリサイクルを推進するには「若干の」
追加指令が必要となる場合があると示してい
7. ブ ラ ッ セ ル 、 リ サ イ ク ル 規 制 の 起 草 を
検討
る。
欧州委員会環境総局の高官 O. Linher 氏は、
委員会がリサイクルに関する一般規制の可能
プラスチック包装と、ELV・WEEE から排出さ
性について討議していると明かした。
れるプラスチックに対するリサイクル目標は
あるが、農業関連のプラスチックあるいは建
と、同高官は、今夏、ブラッセルで開催され
設資材から排出されるプラスチックをリサイ
た、ベルギーの包装廃棄物リサイクル機関
クルする法的要件はない。
FOST Plus のリサイクル会議で、
「製品廃棄物
の流れから素材別目標への移行について議論
企業総局の F. Raffaelli 女史は、2004 年 3 月
されている。包装廃棄物指令を基に紙の目標
に開催された Agra Europe 誌主催の欧州包装
法会議で、廃棄物の流れに占める包装物の割
JMC environment Update
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欧州環境規制動向 〜在ブラッセル弁護士モニタリング情報 [34]
合は 5%に過ぎないと発言した。特定廃棄物
1998 年、各国指導者は、異なる閣僚理事会に
に関する措置を合理化すべきである。
対し、それぞれの政策分野に係わる環境統合
戦略を策定するよう求めた。現在までに、農
欧州製紙産業連合(CEPI: Confederation of
業、運輸、エネルギー、産業、域内市場、開
the European Paper Industries)は、テーマ別
発、漁業、経済・金融および外交に関する 9
戦略の採択直前に、同戦略に関するポジショ
分野の戦略が策定されている。
ン・ペーパーを発表し、その中で、特定の紙
製品だけではなくすべての紙を網羅する目標
今回の報告書によると、同戦略は環境問題を
にすべきであると主張している。
「 こうするこ
理事会の議題に盛り込むことに成功し、グ
とにより国家間の相違点や紙のグレードにも
リーン政策を一層推進させる事例も見られた
配慮できる。」
が、戦略の質および意欲については、環境統
合に対する政治的関与と同様に業界によって
8. EU、環境に配慮した政策立案に一層の
努力が必要
温度差があるという。
各加盟国指導者は 1998 年 6 月のカーディ
また、同戦略の効果を強化および現場でのよ
フ・サミット(欧州理事会)において環境問
り確実に実施するため、以下に示す 6 つの主
題を他の政策決定にも統合していくことを公
要な助言をしている。
約したが、EU はこの公約を履行するために、
取組みを強化しなければならないと、欧州委
− 異なる理事会は、既存の環境統合公約の
履行および各種統合政策の実施、監視お
員会発行の報告書に書かれている 3。
よび再検討の改善に一段と重点をおく必
要がある
2004 年 6 月 2 日に発表された同報告書は、
いわゆるカーディフ戦略の進捗状況を評価し、
− 同報告書では、理事会が 2003 年末と 2004
例えば農業および水産業において進展が見ら
年末に予定していた統合戦略レビューの
れるものの、未解決の問題が山積みになって
作成を進展させるよう求めている。また、
いると結論づけている。他の政策分野への環
同戦略を他の分野、特に観光、研究、結
境配慮の統合−カーディフ戦略の実績評価と
束政策および教育などにも拡大するよう
題する同報告書では、理事会は環境統合戦略
提案している。
を再活性化し、かつ現行戦略に基づいて成果
− 同戦略の組織的およびトップダウン的手
を出す必要があると述べている。
法を、別層の関係者の行動によって補完
および強化する必要がある。加盟国と委
カーディフ・サミットで、指導者は、気候変
員会双方にとって利益のある解決策およ
動、漁業資源減少および汚染物質排出などの
び最適事例に関する情報を特定および共
懸念される環境動向に取組み、持続可能な開
有すべきである。環境統合実現への最短
発に向かって前進していく唯一の方法は、環
ルートの一つは、物やサービスの環境コ
境に著しい影響をおよぼすセクターに関する
ストを反映した価格設定と、コスト効果
政策決定の中心に環境問題を据えていくこと
の高い方法で環境目標を達成するための
であると認識した。また、環境思考の統合の
市場ベースの手段の利用である。
失敗は、継続的なコスト負担を導くことを認
− この分野における EU の権限は限られて
めた。
3
いるので、これは主として加盟国の課題
となる。また、情報、意識向上およびあ
当該報告書は以下のサイトを参照のこと。
http://europa.eu.int/comm/environment/integration/
com2004394_en.pdf
JMC environment Update
らゆる層のステークホルダーの関与に重
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Vol.6 No.3 (2004. 9)
欧州環境規制動向 〜在ブラッセル弁護士モニタリング情報 [34]
点を置かなければならない。
ウェー産ロブスターに関して提案してい
るように、さらに多くの漁業資源を対象と
− 加盟国において EU 法と各種決定を実施
する回復計画の採択や、ステークホルダー
することが、環境改善を確実にする上で
が関与する機会を最大限に活用すること
必要不可欠である。この点に関して、同
や、地域の諮問委員会による統治の改善な
報告書は、加盟国がさらに対策を講じる
どである。
よう求めている。また、統合の成功事例
に関する情報交換を地域および加盟国間
− 理事会のグリーン外交イニシアティブ、す
で活発化させる必要性も指摘している。
なわち外務省内の環境専門家による非公
− 最後に、政治的関与の強化も必要である。
この点に関して、同報告書では、欧州理
式ネットワークの確立は、貿易・外交政策
への環境統合に向けた一歩である。この
ネットワークを利用して、非加盟諸国との
事会が主導的役割を担うべきであると示
間で、幅広い環境問題に関する対話を強化
唆している。
すべきである。その他の課題としては、
WTO 交渉、地域および二国間の貿易協定
同報告書は、今後理事会に送られ委員会の
における環境意識の向上、ならびに輸出ク
「2004 年環境政策レビュー」に反映されるこ
レジット決定における環境配慮の統合に
とになるが、以下の通り、統合を一段と進め
関する OECD 勧告実施のための加盟国と
られる分野あるいは新たな機会を提供してく
の協力などがある。
れる分野を指摘している。
− 輸送に関しては、自動車燃料技術におい
ヴァルストレム委員は、同報告書を発表した
て、排出削減など相当の進展があった。し
時の声明の中で、
「持続可能な開発を達成する
かしながら、乗客・貨物輸送の増加が車 1
ために環境統合を推進する必要があることを
台当たりのエネルギー効率の改善を相殺
示している報告書である」と述べ、
「今ここで
し、むしろ上回ってしまった。加盟 15 ヵ
環境思考の統合に失敗すれば、将来にわたり、
国の輸送による CO2 排出量は 1990 年から
私達自身と将来の世代に多大な負担を強いる
2001 年までに 20%増加し、最も GHG 排
持続不可能な潮流をもたらすことになるかも
出量が増加している分野となっている。地
しれない」と、警告している。
域レベルでは、渋滞、騒音および粒子状物
質排出などの健康に関わる問題が存在す
「昨年の猛暑を思い出してほしい。EU では 2
る。
万人が早すぎる死を遂げ、農作物の被害は
− 2002 年の共通漁業政策(CFP)の改革およ
100 億ユーロにも達した。気候変動の緩和を
び 2003 年に合意したタラおよび北方海域
成功させなければ頻繁に発生するようになる
のヘイクの資源回復計画は、さらに持続可
と専門家が予測する現象に符合する熱波で
能な漁業資源開発に向けた重要な一歩と
あった。」
いえる。しかしながら、2001 年に北東大
西 洋 で 国 際 海 洋 探 査 委 員 会 ( ICES:
同委員は、昨年の熱波は、異なる閣僚理事会
International Council for the Exploitation
of the Sea)が評価した 113 種類の資源の
が今後も環境統合への責任を実行していかな
うち、生物学的安全圏内にあるものは僅か
さらに、
「それと同時に、加盟国はかかる決定
18%であった。捕獲削減のための対策をさ
を全面的に実施していなかければならない」
らに講じる必要がある。具体的には、欧州
と述べている。
ければならない理由の一つに過ぎないという。
委員会がシタビラメ、南方のヘイク、ノル
JMC environment Update
45
Vol.6 No.3 (2004. 9)
欧州環境規制動向 〜在ブラッセル弁護士モニタリング情報 [34]
9. 産業界、WEEE 指令の実施を懸念
同法が成立することにより、特定の計画およ
プロディ委員長やヴァルストレム委員をはじ
びプログラムの環境におよぼす影響評価に関
めとする主要な委員会委員は、欧州家電工業
する EU 指令 2001/42/EC が実施されることに
会(CECED)から、厳しい警告を受け取った。
なる。加盟国は、2004 年 7 月までに、同法を
制定しなければならないことになっている。
CECED は 2004 年 7 月 5 日付け書簡で、「生
産者(producer)」の定義に欠陥があるため、
同省によると、同法案の規定には、計画の初
メーカーは WEEE 指令の実施に向けた準備を
期段階において環境配慮を機能させ、さらに
整えることができないと述べて、次の点を強
NGO や市民の発言権を高める意図があると
く指摘している。
「今この懸念事項に対処しな
いう。
ければ、企業は自社製品のマーク表示、強制
的保証金および生産者登録など、同指令が定
2. ドイツ、PCB の段階的禁止をほぼ完了
める義務を履行できない。さらに、同法に基
ドイツでは、ポリ塩化ビフェニール(PCB)
づく義務の結果として、会計上の準備金を用
の段階的使用禁止がほぼ完了した。従って、
意しなければならないのかどうか判断できな
同国は、目標年度である 2010 年よりかなり
い。」そこで、CECED は、困難な状況の説明
早い段階で、EU の PCB 指令 96/95/EC に定め
および共同の解決策模索のために、委員会の
る同国の義務を遵守することになる。
主要な委員および各国閣僚との緊急会合を要
求している。結局のところ、CECED は、解釈
連邦 5 州は既に処分完了の登録を済ませてい
の相違の結果、域内市場に「無秩序状態」が
る。2 州では、全部で 6 台の機器が適用除外
生じる事態は何としても回避したいと考えて
許可を得て依然使用されている。数台の PCB
いる。
含有機器と少量の PCB 含有液体の処分を残す
だけである。処理能力が残量を遥かに上回っ
ているので、このような残量が環境に優しく
処分されることは保証されている。10 年程前
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
には 30 万トン以上の PCB 含有機器および液
体の処分が必要であった。その 99%以上が既
Ⅱ. ドイツ
に処分されている。目標年度の 2010 年まで
1. ドイツ政府、EU が義務づける影響評価
法案を採択
に処分が必要なのは 2 台の変圧器だけである。
内閣は、2004 年 6 月 23 日、政府の主要な計
PCB は難分解性化合物である。食物連鎖を通
画および施策に関する環境影響評価(EIA)
じて蓄積し、著しい健康および環境問題を招
を義務づける法案を採択し、議会に送付した。
く可能性がある。優れた絶縁および冷却機能
を持ち、高燃焼性であることから、主として
環境省は、同法が成立すれば、高速道路建設、
採掘に使用する変圧器油や油圧作動油として
廃棄物処分施設、水管理および大気汚染ある
使用されていた。同国では、1983 年以降 PCB
いは騒音公害対策において EIA が義務づけら
は生産されていない。1996 年 9 月に採択され
れることになると述べている。
た PCB 指令により、加盟国は、遅くとも 2010
年までに、PCB 含有機器をできる限り早急に
また、同法案は、評価結果を公開して一般の
または処分する措置を講じる義務がある。ド
意見を求めること、さらに最終案の策定にあ
イツは、2000 年 6 月 26 日付 PCB 廃棄物に関
たり実際に意見を考慮するよう当局に求めて
する政令により、この義務を履行した。
いる。
JMC environment Update
46
Vol.6 No.3 (2004. 9)
欧州環境規制動向 〜在ブラッセル弁護士モニタリング情報 [34]
3. 再生可能エネルギー法の発効
2004 年 7 月 31 日、新再生可能エネルギー法
(EEG: Erneuerbare Energien Gesetz)が、連
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
邦官報に公表された。同法は、2004 年 8 月 1
日付けで施行される。トリッティン環境相は、
「新 EEG は、太陽エネルギー、風力エネル
Ⅲ. 英国
ギー、水力エネルギー、バイオエネルギーお
よび地熱エネルギーの投資に、信頼性の高い
1. 英国、供給者にエネルギー効率改善計画
の強化を強制
法的枠組みを規定するものである。今回の改
英国の電力およびガス会社は、先頃の政府提
正により再生可能エネルギーの順調な発展が
案により、国内におけるエネルギー効率の改
確実になる。ドイツでは既に 12 万人の雇用
善速度をほぼ 2 倍にしなければならなくなる。
と年間 100 億ユーロの収益が創出されている
業界である。従って、EEG は、世界で最も効
現行のエネルギー効率コミットメント(EEC:
果的な気候保護手段の一つといえる。技術革
Energy Efficiency Commitment)計画に基づ
新の推進力にもなっており、またドイツの技
き、国内の電力・ガス会社は、中空壁や屋根
術輸出の機会を増加させている」と述べてい
裏断熱およびエネルギー効率の高いボイラー、
る。補償額には今のところ差があるものの将
電化製品ならびに電球などの対策を導入する
来的には引き下げられ、再生可能エネルギー
などして、消費者の省エネ対策を奨励かつ支
のコスト効率は確実なものとなっていく。ま
援しなければならない。
た、同相は、
「それでも再生エネルギーの支援
には平均的世帯当たり 1 ヵ月に 1 ユーロ程度
協議文書に盛り込まれた一連の新提案は、
−ソフトクリーム 1 個ほどの費用はかかるで
2005 年 4 月からさらに 6 年間の EEC 延長を
目指している4。また、同提案として、供給者
あろう」と述べている。
は 2005〜2008 年の期間に約 130 テラワット
同法の目的は、総電力供給に占める再生可能
時(TWh)の「省エネ(energy benefits)」を
エネルギーによる電力の割合を 2010 年まで
達成しなければならないという目標も定めら
に少なくとも 12.5%、2020 年までには少な
れている。これは 2002〜2005 年の期間を対
くとも 20%に増加させることである。これを
象として 2001 年 12 月に課された効率義務令
達成するために、再生可能エネルギーによる
( Efficiency Obligations Order ) に 定 め る
電力を送電網に供給し、この電力を送配電す
62TWh という目標の 2 倍強の数字である。
るための枠組みとなる条件に大幅な改善が加
また、2008〜2011 年の期間については、2010
えられた。
年までに年間約 70 万トンの炭素削減を達成
次に示す数字は、気候保護手段としての EEG
するというさらに大きな目標の一環として、
の効果を如実に示している。2003 年には、
さらに厳しい一連の目標の設定が公約されて
EEG の成果として、約 2,300 万トンの CO2 が
いる(時期が迫ってから設定予定)。
削減され、また再生可能エネルギーをすべて
(電力、熱および燃料)利用した結果として、
同国では、中空壁および/あるいは屋根裏の
5,300 万トンが削減された。2010 年について
断熱により、1,200 万以上の世帯の燃料コス
は、EEG 単独で 4,000 万トン以上の CO2 排出
トが下がり、さらに快適度も増す可能性があ
を回避でき、また全体のうち約 8,000 万トン
4
が再生可能エネルギーの利用によるものと推
定されている。
JMC environment Update
47
協議文書は以下のサイトを参照のこと。
http://www.defra.gov.uk/corporate/consult/eec/
index.htm
Vol.6 No.3 (2004. 9)
欧州環境規制動向 〜在ブラッセル弁護士モニタリング情報 [34]
年 4 月 26 日に開始された英国エネルギー効
2. 英国政府および英国企業、EU 排出量取引
に関する警告を発表
率行動計画の主要な実施メカニズムの一つで
英国政府および英国企業は、2004 年 6 月初旬
ある。今回の一連の提案は、社会的・経済的
に発表した共同声明の中で、各加盟国と欧州
目標を定めており、供給者は、エネルギー効
委員会の全組織に対して、EU 排出量取引制度
率活動を強化するにあたり、燃料費が払えな
(EU – ETS)を全面的に支持するよう求めた。
ると推定されている。従って、同計画は、2004
い家庭を軽減するために、その活動の半分は
低所得者−−特に、特別所得関連給付および
人為的 GHG 排出が地球温暖化に関与すると
障害者手当の受給者−−を対象として展開し
いう「幅広い科学的合意」という言葉を引用
なければならない。
して、ベケット環境・食糧・農村地域相および
英国産業連盟(CBI)の D. Jones 会長は、
「気
環境保護派は、長年に亘り、国内エネルギー
候変動の重要性を過小評価することはできな
市場における需要サイドのエネルギー効率改
い」と述べている。
善対策の強化こそ低炭素経済の実現に向けた
進展を加速させるために重要であると主張し
排出削減対策を迅速に講じなければ、さらに
てきたので、今回の提案を概ね歓迎している。
頻繁に苛酷な気象現象が身近に発生するよう
同様に、2003 年に公表されたエネルギー効率
になり、
「水などの不足する一方の資源をめぐ
およびエネルギー性能に関する EU 指令案の
る紛争」の拡大や、地球上で気候変動の直接
規定に則り、この EEC を国内の住居だけでは
的影響を最も受ける地域における飢饉、干ば
なくすべての建物に拡大することを望む意見
つおよび大規模な人口の移動などが発生する
も多い。
と警告している。
消費者が負担することになるコストは、1 年
両氏は、
「コスト効果の高い気候変動対策には
間の燃料で消費者 1 人当たり約 5.00 ポンド
市場に基づく措置が含まれていなければなら
(7.53 ユーロ)ほど現在のコストを上回ると
ない」という従来の立場を繰り返した後、EU
推定されている。この数値は、2005〜2008
排出量取引に対する「一致団結した支援」を
年の 3 年間における現在の燃料費を約 1.5%
誓約している。その後、欧州の近隣諸国すべ
上回る数字に等しい。
てに、この CO2 排出量を実質的に削減する方
法に対して「同じような公約を示すよう」を
呼びかけている。
かかる英国提案の基本的メカニズムおよび目
標は EU 指令案のそれとほぼ一致する。しか
しながら、同国の制度に示されている目標は、
また、「GHG 排出削減対策が企業にとっての
2005〜2008 年の 3 年間に対して TWh で定義
努力目標であるという錯覚を抱いてはいけな
されているので、年間の比率で定義されてい
い」と示唆する一方、委員会も「法的権限を
る EU 案のそれとは比較できない。
使い、加盟国に一貫性のある姿勢を取らせな
ければならない」と警告した。それは、
「欧州
同協議文書は、2003 年 2 月付エネルギー白書
委員会の主要な部署−環境のみならず企業や
の公約内容を守り、2005 年から少なくとも
域内市場など他の部署−によって、EU 域内の
2008 年までの EEC の活動水準を現行のほぼ 2
あらゆる国家計画を組合せて整合性のとれた
倍に拡大するものである。
全体を確実に構成することが戦略的に必要不
可欠であるからである」という。
JMC environment Update
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Vol.6 No.3 (2004. 9)
欧州環境規制動向 〜在ブラッセル弁護士モニタリング情報 [34]
Information Regulations)改正案を提案した 5。
両氏は、現在の議論の核心に触れ、EU - ETS
が引き金となって、産業界の排出削減策およ
びエネルギー価格の上昇による複合的影響に、
新 EIR により現行規則が強化され、大気、水
EU 域内の企業が懸念を抱くようになったこ
および土壌から動植物、自然遺産、食糧、建
とを認めている。
築環境ならびに健康に至るまで幅広い環境情
報へのアクセスが国民に認められる。
しかしながら、両氏とも政府の従来の姿勢を
強調している。すなわち、
「企業は、炭素削減
修正規則の内容を以下に示す。
実現において相応の役割を担い続けなければ
− 公開よりも非公開の方が国民の利益が大
ならない」が、その一方で、
「政府は、英国の
きいことが明らかな場合に限り情報を非
競争力と、気候変動における EU レベルの指
公開とする
導力の発揮という政治的責任とのバランスを
− 情報担当委員に執行権を付与する
取る方法を見つけなければならない」という
− 申請に対する回答期限は 20 営業日と定め
ものである。
る
− 料金表を作成する
政府は、共同声明では「目標や、それを達成
− 公的機関に限らず、廃棄物処理業者など公
するための一連の措置について活発な議論が
的機関の管理下にある組織が所有する環
続く」と予測しながらも、2010 年までに 1990
境情報にも規定を適用する
年比で 20%の CO2 排出削減を達成するとい
う独自の国内目標に対する政府の公約は変わ
ベケット環境・食糧・農村地域相は、「英国の
らないと断言している。
持続可能な開発戦略の主要原則の一つは、す
べての人々に環境情報にアクセスする機会を
また、共同声明では、これ以上はないと思わ
提供し、人々が意思決定において積極的な役
れるほどの厳しい表現で、委員会は直ちに EU
割を担えるようにすることである」と述べて
域内の企業に公平な土俵を提供しなければな
いる。
らない、と述べている。
「京都議定書に定めた
目標を達成するために(英国と比べて)より
厳しい課題に直面している EU 諸国に、最低
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
限でも、各自の公約を達成できるような削減
計画を実施させなければならない。」
3. 当局に申請に基づく環境情報公開を義務
づける新規則の提案
政府は、2004 年 7 月 22 日、国民が公的機関
5
所有の環境情報へのアクセスを申請する権利
を認める環境情報規則(EIR: Environmental
JMC environment Update
49
2004 年環境情報規則(EIR)は 2005 年 1 月 1 日に施行
される。EIR は、環境情報にアクセスする一般的権利を
規定している。但し、一部の例外規定がある。例外規定
には、公開された場合、国際関係、国防、公安、公的機
関の手続きおよび裁判の進行、ならびに知的財産権ある
いは商業上の秘密などに悪影響をもたらすと思われる
情報が含まれる。また、自発的に提供された情報および
個人データであっても、公開された場合、データ保護法
に基づく個人の権利を侵害する可能性のある情報に関
する例外規定もある。環境情報規則に関する詳細は以下
のサイトを参照のこと。
http://www.sustainable-development.gov.uk/
what_is_sd/transparency.htm#key および
http://www.defra.gov.uk/environment/pubaccess/
Vol.6 No.3 (2004. 9)
欧州環境規制動向 〜在ブラッセル弁護士モニタリング情報 [34]
排出量を 1990 年水準に凍結する義務がある。
Ⅳ. フランス
1. フランス、新「国家配分計画」を公表
2. フ ラ ン ス 、「 環 境 と 健 康 に 関 す る 行 動
計画」を採択
フランスは、2004 年 7 月 6 日、2005 年 1 月
より開始予定の EU - ETS に参加するための
フランスは、2004 年 6 月 21 日、初の国家環
CO2 排出枠の配分方法を定める「NAP」を欧
境健康行動計画を公表した。同計画は、汚染
州委員会に提出した。
物質および化学物質への曝露を軽減する対策
の概要を示している。
同計画は、欧州委員会が EU 加盟国の配分計
画を検討する会合の前日に提出された。
同計画は、45 項目の「行動計画」を概説して
同国の NAP は 2004 年 7 月 8 日に発表された
いる。それには、きれいな大気と飲料水の確
が、2004 年 6 月 8 日に一般の意見を求める
保、環境曝露に関連する疾病の予防、一般市
ために発表された初期案より若干厳しい目標
民の環境・健康問題に関する情報へのアクセ
スの改善などを目的とする 12 項目の「重点
が含まれている。
計画」が含まれている。
また、EU - ETS の第一段階に相当する 2005
〜2007 年の期間について、国内の最大産業発
優先措置の中には次のような目標を掲げるも
生源のうち 700 ヵ所には CO2 排出目標が定め
のがある。移動発生源からの排出削減、産業
発生源からの特定有害物質の排出削減、建材
ている。
の健康および環境特性に関するラベル表示制
度の確立、化学物質および生物材料に関連す
同 NAP によると、年間 CO2 排出割当量は発電
所が 6,030 万トン、他の大規模産業発生源が
る健康リスク評価を改善するツールの開発な
5,550 万トン、すなわち対象セクター全体で 1
どである。
億 1,580 万トンに上限が設定されている。ま
ルペルティエ(S. Lepeltier)エコロジー・持
た、対象期間に追加される可能性のある新し
続可能開発大臣は、同計画は 2010 年までに
い排出源にも対応できるように 940 万トンの
輸送に起因する排出量の 30%削減を目標と
予備配分枠が留保されている。
しており、これを達成するために同国は規制
手段と財政手段の双方を活用すると、他の閣
全て足すと、同 NAP の CO2 排出上限は 1 億
2,520 万トンとなる。政府の予想では、
「従来
僚との共同発表という形で同計画を公表する
通りの活動」を続けた場合の排出量は、2005
際に述べた。
年において年間 1 億 2,860 万トンであるが、
例として、同国は、計画中の国家気候変動行
これを 2.6%下回る。
動計画の一環として公害税の内容を明らかに
6 月の草案では、同期間の年間排出量上限が
する準備を進めているという。これにはより
1 億 2,630 万トンとされていたが、この案は、
環境に優しくかつエネルギー効率の良い自動
京都議定書に基づく同国の気候変動公約の達
車の使用を奨励する狙いがあると、同大臣は
成に寄与する効果はほとんどないとして、環
述べている。
境団体に批判された。
また、エネルギー効率の悪い車に対する罰則
として、V8 エンジンには 3,000 ユーロ、V6
京都議定書を実施するための EU の共同負担
エンジンには 1,500 ユーロの課税を導入する
計画に基づき、同国は 2008〜2012 年の GHG
一方、より環境に優しい車に対する優遇措置
JMC environment Update
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Vol.6 No.3 (2004. 9)
欧州環境規制動向 〜在ブラッセル弁護士モニタリング情報 [34]
として、政府は購入価格に対する控除を認め
また、2005 年に室内空気の質に関する全国調
る可能性があると述べている。
査を実施し、2010 年までに市販の全建材の少
なくとも 50%に有害性ラベルを表示するよ
毎年国内で販売される 200 万台の自動車の半
う求めている。
数は、この「優遇・罰則(bonus-malus)」制
度の対象にはならない。同大臣は、この制度
さらに、職場における発ガン性物質への曝露
は基本的に所得には関係ないと述べている。
を軽減するために、労働安全衛生基準の強化
エネルギー効率の悪い車にかかる税金が効率
を求めている。
の良い車の優遇措置の財源になるという。
同制度はトラックには関係ないが、政府は、
3. 仏 上 院 、 憲 法 修 正 に 向 け て 環 境 憲 章 を
採択
トラックに粉塵フィルターを装備する企業に
2004 年 6 月 24 日、仏上院は、仏憲法に環境
対して税額控除を検討している。
憲章を追加することにより環境保護を強化す
ることを目的とする法案−− No.102(2003
行動計画は、ダイオキシン、カドミウム、鉛、
– 2004)、環境憲章関連憲法修正案、2004 年
塩化ビニルモノマーおよびベンゼンの排出削
6 月 24 日−−を承認した。
減目標も定めている。
今回上院が承認した法案は、2004 年 6 月 1
政府は、当該目標を達成する取組みの一環と
日に下院に相当する国民議会が成立させた法
して、2005 年に産業施設からの排出量を「正
律と同一である。
確に」調査する予定である。その後、企業に
対して、汚染削減計画の策定を奨励していく。
上院の承認が得られたので、憲法修正手続き
を最終段階に進めるかどうかは、シラク大統
領の判断による。
行動計画によると、環境省は国家監視制度を
実施するという。これには、立入り検査を強
化して得たデータを活用し、排出削減目標の
二つあった修正案のうち一つは、憲法の前文
遵守状況をモニターする目的がある。
を変更することにより、人権や労働者の権利
の尊重と同等の法的重要性を環境保護に与え
また、全飲料水の水源のモニタリングおよび
るという案である。もう一つは、新たに環境
保護など、水質に関して各種目標を定めてい
憲章を憲法に追加し、政府のあらゆる意思決
る。現在は 37%しか規制により保護されてい
定において環境配慮の優先順位を高めるとい
ない。
う案である。
ルペルティエ大臣は、2004 年度末までに集水
また、今回の憲法の修正により、環境に回復
地域保護法を策定し、議会に上程すると述べ
不能な害を与える可能性のある状況において
た。
は、
「予防原則」の適用が義務づけられること
になる。
同行動計画は、化学物質や有害物質による危
険を国民に認識してもらえるように、既存化
業界団体は、環境団体が不服とする政府決定
学物質に関する詳しい毒性調査を実施し、
に対する訴訟の法的根拠になりうるとして、
2005 年には調査結果の公表、2006 年には計
この規定に反対するロビー活動を展開してき
画の拡大を求めている。
た。
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Vol.6 No.3 (2004. 9)
欧州環境規制動向 〜在ブラッセル弁護士モニタリング情報 [34]
業界団体はまた、予防原則の厳格な適用は新
局によると、同国の製造業には同税の控除に
技術の研究開発を制限し、結果的に、仏産業
より「他の業界と比べて選択的優位」がある
界の競争力を損なう可能性があると主張して
という。
いる。
同国は、CO2 排出量削減と気候変動対策の取
組みの一環としてエネルギー税を課している
が、製造業者に控除を認めている。
しかしながら、抵抗はあるものの、シラク大
統領は環境憲章への支持を訴え続けている。
環境憲章は、再選を果たした 2002 年の大統
欧州委員会は、EU の国家援助規則に基づきエ
領選の選挙運動中に初めて提案された。
ネルギー税の軽減が認められるのは、
「多額の
納税あるいは拘束力を有する環境協定の締結
また、環境保護を 2 期目の主要課題として、
いずれかの方法によりエネルギー消費量をさ
より良い環境保護のための憲法修正は自分が
らに削減するインセンティブが企業にある場
残す歴史的遺産の一つになるという主張を繰
合」に限られるという。
り返している。
しかし、
「今回の場合、2002 年 1 月から 2004
上下両院が迅速に法案の一本化に合意したこ
年 6 月 30 日までの期間において、いずれの
とにより、議論の余地がある憲法修正問題の
条件も満たしていない」と述べている。さら
先行きは、再びシラク大統領の手に委ねられ
に、結果として、
「当該援助が適用された全期
ることになった。
間にわたり、国家援助規則に準拠していない」
と声明文の中で述べている。
同大統領は、環境憲章の是非を国民投票によ
り有権者に問うのか、希な例だが上下両院会
欧州委員会は、違法な国家援助の返済に関し
議を召集するのかどうか決定しなければなら
て、回収額は「一定限度」にすると述べてい
ない。後者の場合は、憲法修正の成立に 6 割
る。
の多数票が必要となる。
欧州委員会は、
「まず、回収額は新エネルギー
税指令が定める最低税負担に相当する額とす
る。次に、回収対象期間は 2003 年 8 月 9 日
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
から 2004 年 6 月 30 日までとする」と述べ、
控除額と、2004 年エネルギー税指令に基づき
Ⅴ. スウェーデン
発生したであろう税負担との差額だけを回収
1. 欧州委員会、スウェーデンのエネルギー
税を国家援助規則違反と裁定
するとの見解を示している。
欧州委員会は、2004 年 6 月 30 日、スウェー
「欧州委員会は、企業が最低税率の調和税を
デン政府が 2002 年より国内製造業に認めて
支払っている場合、当該エネルギー税控除が
いるエネルギー税免除は EU 単一市場規則に
国家援助規則に準拠することを考慮に入れた。
矛盾する違法な国家援助に相当するとの裁定
従って、エネルギー税指令が実際に施行され
を下した。
た 2004 年以前であっても、スウェーデンの
当該国税に対して同じ原則を適用することを
EU 執行部である欧州委員会の反トラスト当
認めた」と、欧州委員会は述べている。
<本モニタリング情報は、競輪の補助金を受けて実施したものです>
JMC environment Update
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Vol.6 No.3 (2004. 9)
連載 米国における環境関連動向
〜在ワシントンコンサルタントによるモニタリング情報 [29]
【今月号のまとめ】
2004 年 11 月の大統領選挙を控え、ブッシュ大統領とケリー民主党候補との選挙戦が加熱して
いる。今回の選挙は前回同様、接戦と言われているが、テロ対策・軍事政策などに加え、両候
補の環境政策によって票が大きく動くとも言われている。特にスウィング州(Swing State)と
呼ばれる「共和・民主どちらにころんでもおかしくない州」においては、石炭・エネルギー事
業者を含む親ビジネス派のブッシュ大統領か、環境保護派のケリー候補か、真っ二つに分かれ
た論争が行なわれている。
本報告書では、今回の大統領選挙における環境政策の重み、ブッシュ大統領およびケリー民主
党候補の環境政策の概要をまとめた。
Ⅰ. 大統領選における環境政策の重み
ブッシュ大統領・チェイニー副大統領率いる
有力環境保護団体は一斉に、両候補を公式推薦
共和党現政権は、米国最大の環境保護団体
する発表を行っている。一方、両候補に対する
Sierra Club から「米国史上最悪の反環境政権」
産業界の評価は低い。例えば、産業重視の候補
と呼ばれている。同政権は、石油産業、エネル
者を支持する目的でロビー活動を展開する産業
ギー事業者およびその他の産業団体の利益を保
団 体 「 Business Industry Political Action
護する強力な方針を打ち立てており、これら産
Committee(BIPAC)」は、両候補に対して「0
業の利益に反する環境政策をことごとく抑圧す
点」の評価を下している1。同評価は、エネルギ
る政策を一貫して取っている。そのため同政権
ー、税制、環境、医療政策などに関する産業界
に対する産業界からの支持は絶大なものであり、
の利益を表した「繁栄のアウトライン(Outline
2004 年 11 月の大統領選挙においては、共和党
of Prosperity)」に基づいて算出されている。
は産業界からの支援をさらに確実なものとする
BIPAC は、
「通常、大統領が産業支持でない場合、
ため、親ビジネスの方針を崩さないと見られて
副大統領に産業支持の人物を置くものだが、同
いる。
ケースは例外であり、我々は懸念を表明する」
としている。
これに反し、マサチューセッツ州選出上院議員
でもあるジョン・ケリー民主党大統領候補と、
今回の大統領選挙においては、共和党と民主党
ノースカロライナ州選出上院議員のジョン・エ
の間における環境政策に明らかな差があること
ドワーズ副大統領候補は、エネルギー政策およ
から、両党とも各々の政策スタンスをそれぞれ
び環境政策において環境保護重視の姿勢を掲げ
の有権者グループに対して最大限に訴えること
ている。両候補は、市民・環境団体からは絶大
で票獲得を目指している。今回の大統領戦は、
な支持を得ており、
Environment 2004 や League
of Conservation Voters、Sierra Club などの米国
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Oil Da ily, July 7, 2004
Vol.6 No.3 (2004. 9)
米国における環境関連動向 〜在ワシントンコンサルタントによるモニタリング情報 [29]
前回の選挙戦とは異なり、反テロと環境政策の
では、ブッシュ大統領とケリー候補が具体的に
内容が選挙の行方を決めるとする関係者もいる。
どのような環境政策を掲げているのか、主な違
クリントン政権で EPA(環境保護庁)長官を務
いを図表 1 にまとめ、以下レポートにその政策
め、現在ケリー候補のキャンペーン顧問である
内容を分析する。
キャロル・ブラウナー氏は「これまでの実績を
図表 1: ブッシュ大統領とケリー候補の
環境政策の主な違い
見ればブッシュ政権がいかに環境政策をないが
しろにしてきたか一目瞭然である。そのため、
ブッシュ大統領
これまで以上に環境保護派の有権者をケリー支
基本姿勢
持に誘導することが可能」と強気の発言を行っ
親ビジネス派
アラスカ野生 採掘の認可を提案
生物保護区で
の石油採掘
ている。
一方、ブッシュ陣営はケリー候補を「環境過激
ケリー候補
環境保護派
採掘反対
代替エネルギ 水素動力燃料電池 2020 年までに電力
ー
の開発
の 20%を石油代替
燃料で供給
論者(Environmental Extremist)
」と呼び、ケリ
ー候補の環境保護重視政策を逆手に取る戦略を
車両に対する 中小企業主への支 ハイブリッドカー
税控除
援 政 策 と し て 、 などの「Advanced
Hummer などの高 Technology
級 SUV 車の購入に Vehicle」開発を促進
対し、最大 10 万ド させるため、自動車
ルの税控除。一方、 産業に対し研究費
ハイブリッドカー 補助および税控除
などのガソリン低 などの形で 100 億
消費車に対しては ドルを投資する。ま
1,500 ドルと少額の た一般消費者に対
し 、 「 Advanced
税控除3
Technology
Vehicle」を購入した
際、4,000 ドルの税
額控除を行う。
取っている。ブッシュ政権は、同政権がこれま
で取ってきた環境政策こそが官民パートナーシ
ップに基づく、より現実的なアプローチである
と主張している。
これら環境政策が票の行方を左右すると見られ
ているのは、環境汚染が特に深刻となっている
北東部のニューイングランド地方、および
「Swing States=スイング州」
(揺れ動く州、つ
まり共和・民主どちらに転んでもおかしくない
州)と呼ばれるオハイオ州やミネソタ州、アイ
京都議定書
オワ州、ウィスコンシン州であると言われてい
離脱
改訂のうえ支持
出典:複数情報源を元にワシントンコアにて作成
る。例えば、オハイオ州においては石炭産業が
州の主要産業となっており、大気汚染の恐れか
ら石炭使用量の削減を図る政策を支持してきた
ケリー候補に対して「Ohio Coal Association(オ
ハイオ州石炭産業連合)
」
に代表される石炭産業
界は反ケリー・キャンペーンを積極的に展開し
3
ている。同連合は、
「オハイオ州に供給される電
力の 88%が石炭から来ており、ケリー候補の推
進する石炭削減政策によってオハイオ州におけ
る 3 万 7,000 人もの雇用が失われ、60 億ドルの
経済損失が計上される」としている2。同連合は、
ブッシュ政権の環境政策こそバランスが取れた
ものであり、オハイオ州の産業と雇用とを保護
するものだとしている。
2
PR N e w s w i re, A p r i l 2 7, 2 0 0 4
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元々これは中小企業オーナーに対し、業務用の車両を
購入した場合、これが税控除となるようにした中小企
業支援対策の一環であった。ブッシュ大統領の新施策
では、これまで業務用車両の価格の 50%が税控除対
象となっていたのに対し、価格の 100%が税控除の対
象となり、さらに控除の上限が 25,000 ドルから 10
万ドルへと引き上げられた。また業務用の対象となる
車両にはこれまで制限があったものの、これがなくな
ったことから、多くの中小企業主が高級 SUV などの
車両を購入している。フルサイズの高級 SUV の売り
上げが昨年比 51%増とする調査もある(USA Today
調べ)
。環境団体は、ガソリンを大量に消費する大型
車の販売を不必要に促進したと批判、ブッシュの新施
策を「Hummer Tax Loophole(Hummer を買わせるた
めの法律の抜け穴作り)
」として揶揄している。
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米国における環境関連動向 〜在ワシントンコンサルタントによるモニタリング情報 [29]
図表 2: ブッシュ政権による水銀規制と既存の
大気浄化法による水銀排出量の違い
Ⅱ. ブッシュ共和党政権の環境政策
以下に、ブッシュ共和党政権がこれまで取って
きた代表的な環境政策の概要をまとめる(ブッ
シュ政権の特色が強く出ている政策を選択)
。
1. 大気汚染政策
<クリア・スカイ・イニシアチブ>
2002 年 2 月、ブッシュ政権は「クリア・スカイ・
イニシアチブ(Clear Skies initiative)
」と呼ばれ
る大気汚染政策を発表した。
同イニシアチブは、
名前とは裏腹に、前クリントン政権が打ち立て
」を弱体
た現行の「大気浄化法4(Clean Air Act)
化させるものであり、電力産業による二酸化硫
、水銀(Hg)
黄(SO2)および窒素酸化物(Nox)
出典: http://www.uspirg.org/reports/fishingfortrouble/
fishingfortrouble_chart1.pdf
の排出量の制限を緩和することを目的としてい
<新規汚染発生源審査>
た(図表 2)
。EPA が推定したところによると、
米国においては、石炭利用型火力発電所が排出
同政策により、以下のような影響がもたらされ
する廃棄物によって多くの人々が健康被害を受
ると見られている。なおこれらの情報は、EPA
けているとした研究結果が多数発表されており、
が実施した調査を元に環境団体が作成した報告
常に懸念の対象となっていた。特に旧式の発電
5
書 の内容をまとめたものである。
所が排出する SO2、Nox、煤煙が健康被害のす
・ 石炭の使用量がこれから先 20 年間で 7,900
べての原因と目されている。しかし「大気浄化
万トン増加し、これにより発電所からの硫黄
法」は、これら旧式発電所およびその他の石油
の排出量が 50%増、
「大気浄化法」で定めら
精製工場、化学プラントが近い将来、段階的に
れた硫黄削減値への達成期限を 10 年先延ば
すべて閉鎖されることを前提として規制の枠か
しにしている。
ら除外していた。
・ スモッグを形成する Nox および Hg の発電所
ところが、これらの旧式発電所、工場の段階的
からの排出許容量が、
「大気浄化法」で定め
閉鎖が実現しなかったため、連邦議会は「大気
られた量の 1.5 倍に増加され、削減値への達
浄化法」に
成期限も 10 年間先延ばしにしている。
Source Review) と呼ばれる条件を追加し、こ
新規汚染発生源審査(NSR: New
れら旧式発電所・工場が修復および拡張される
・ 発電所は、米国における二酸化炭素(CO2)
場合には、廃棄規制を新たに課すことを義務化
排出量の 40%(世界における総 CO2 排出量
の 10%)を排出しているにも関わらず、地
した。
球温暖化の原因の一つと見なされている
しかし、これに対し電気事業者を含む産業界は
CO2 への規制は一切行われていない。
激しく抵抗し、2002 年 11 月、ブッシュ政権は
これら産業界のロビー活動を全面的に受け入れ
る形で NSR を弱体化させ、約 1 万 7,000 の石炭
4
1 9 5 5 年 に 制 定 、1 9 7 0 年 に 全 面 改 正 。そ の 後 、1 9 7 7
年 お よ び 1990 年 に 大 き な 改 正 が 行 わ れ て い る 。
5
T he
B u sh
E nv i ro n m en ta l
Re co rd
2003
P re sid en tia l Rep or t Card , Leag ue o f C on ser va tio n
Vo t e r s, 2 0 0 3 .
P u tti n g Pol l u t e r s F ir s t – T he
B u sh Ad m i nis t ra t io n’s E nv i ron me n ta l Re c ord ,
E nv i ro n m e n t2 0 0 4, J u n e 2 0 0 4
JMC environment Update
利用型火力発電所、石油精製所、化学プラント
に対し、
「汚染物質排出量の増加を測定する際、
最も大量に廃棄した年を基準として計算する」
という産業寄りの方策を採択した。また、州政
府の同問題に対する介入を抑制し、「大気浄化
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米国における環境関連動向 〜在ワシントンコンサルタントによるモニタリング情報 [29]
法」で定められていた 定期的メンテナンス
うと同時に、
「各州に配属された EPA の規制
の定義を緩和した。
担当官は、独自の判断では保護活動はできず、
必ず連邦 EPA 本庁から個別に承認を得なけ
これにより実質的に対象となった工場は、汚染
ればならない」という新しいガイドラインを
廃棄物規制が課されることなく工場の運営規模
設けた。これにより、約 2,000 万エーカーの
を拡大することが可能となった。これを受け、
湿地帯および米国全体で沼地・小川の 60%
ニューヨークを含む北東部の 15 州はブッシュ
が EPA による保護枠から外され、今後の開
政権に対し異議の申し立てを行うなど、連邦政
発対象になると EPA は予測している。
府と州政府との間の亀裂が深まった。
以上、
ブッシュ政権による大気汚染政策に対し、
・ 現ブッシュ大統領の父親である元ブッシュ
大統領が 1989 年に、
「米国における湿地帯
産業団体は諸手を挙げて賞賛の辞を送っている。
の純損失を避ける」としたガイドラインを発
米国における電気事業者の 70%を代表する産
表。開発業者が湿地帯を開発に利用した場合、
業団体のエジソン電気協会(EEI: Edison Electric
他の場所に同様の湿地帯を回復させること
Institute)は、
「我々はクリア・スカイ・イニシ
を義務付けた。しかし現ブッシュ政権は、
「湿
アチブを全面的に支持する。これは史上始まっ
地帯の純損失を避ける必要はなく、同様の生
て以来、最良の規制内容である」とした発表を
態的機能を果たす何らかの方策を講じれば
行っている6。
よい」という新方針を導入。しかし同方針に
これに対し、リチャード・ニクソンおよびジェ
は強制力がなく、会計検査院(GAO: General
ラルド・フォード共和党大統領の下で EPA 長官
Accounting Office)によると、失われた湿地
を務め、ホワイトハウスの環境問題委員会の初
に対し何の代替策も取られていないケース
代委員長でもあったルッセル・トレイン氏は、
が全体の 80%に上るという8。
ブッシュ政権の環境政策を疑問視し、民主党大
3. 有害廃棄物政策
統領候補のケリー上院議員への支持を表明し物
<飲料水>
議をかもしている。同氏は、
「ブッシュ政権のモ
ットーは環境保護ではなく、
汚染者保護である」
2001 年 3 月、ブッシュ政権下の初代 EPA 長官
と激しく批判している7。
であったクリスティ・ホイットマン(Whitman)
2. 水質汚染政策
有砒素の削減規制の導入時期を延期すると発表
<水域、湿地帯保護>
した。理由は、
「飲料水含有砒素に対する不必要
ブッシュ政権は 1948 年に制定され、1972 年に
に厳格な基準は、飲料水供給業者に不当な負担
全面改正された「水質浄化法(Clean Water Act)
」
をかけ、公共の利益にもならない」というもの
によって保護されている水域や湿地帯の範囲を
であった。しかし米国科学アカデミー(National
縮小する方針を取っている。
Academy of Sciences)は、
「わずかな量でも砒
氏は、前クリントン政権が制定した、飲料水含
素が飲料水に含有されることにより肺がん、膀
・ 2003 年 1 月、ブッシュ政権は、全米地域に
胱がんが引き起こされる可能性がある」
と発表、
おける湿地帯および沼地、小川などの隔離さ
市民団体が一斉にブッシュ政権の方針を批判し
れた水域で保護対象となる地域の縮小を行
た。結果として、一般市民の働きかけにより、
2001 年 10 月、ホイットマン長官は、クリント
6
ン政権の制定した砒素規制の基準を導入すると
T he Bush Environmenta l Record - 2003
Presid ential Rep ort Card , Lea g ue o f C on ser va ti o n
Vo ter s, 200 3
7
8
Rep ub l i ca n s B l as t P re s id e nt B u sh o n
E nv i ro n m e n t , A s so c ia t e d P re s s , J u ly 2 0 , 2 0 0 4
JMC environment Update
The Bush Environmenta l Record , Leag ue of
C o nser vation Vo ter s, 200 3
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米国における環境関連動向 〜在ワシントンコンサルタントによるモニタリング情報 [29]
発表した。
るものと推測されている9。
<スーパーファンド>
EPA によると、スーパーファンドが設立されて
1980 年、ジミー・カーター大統領は「スーパー
以来、EPA は浄化が必要なスーパーファンド対
ファンド(Superfund)
」と呼ばれる連邦環境汚
象の廃棄処理場 1,551 箇所をリストに掲載して
染浄化基金を設置する法案に署名し、有害廃棄
いる。これまでに 257 箇所が完全に浄化済み、
物処理にこれを充てることを決定した。同基金
552 箇所が現在浄化処理中となっている。クリ
は、
「汚染者(産業界)が処理費を支払う」とい
ントン政権下においては、年間平均 76 箇所の
う理念に基づいており、石油会社および化学会
スーパーファンド対象の廃棄処理場が浄化され
社などの汚染者と見なされている企業に課され
ていたが、ブッシュ政権下でスーパーファンド
た税金が基金の源となっていた。1986 年、ロナ
の縮小が進められる中、
2001 年は 47 箇所、
2002
ルド・レーガン大統領は同税金を拡大する法案
年では 42 箇所が浄化されており、この数は今
に署名、1990 年、ジョージ H.W.ブッシュ大統
後も減少すると EPA は見ている10。
領は同税金を継続する法案に署名した。ビル・
クリントン大統領は同税法の継続を提案したが、
連邦議会はこれを拒否した。しかし、当時は 20
スーパーファンドが設立されて以来、石油・化
学会社などを代表する産業団体は、連邦議会に
対して浄化基準の緩和および一般市民の処理費
億ドル以上のスーパーファンド基金が積立てら
負担を求め、積極的なロビー活動を展開してき
れていたため、特に問題が発生することはなか
た。特に石油・ガソリン・化学業界による政治
った。
活動委員会(PAC: Political Action Committee)
は、2000 年大統領戦時にブッシュ陣営に対し約
ブッシュ現大統領は、スーパーファンドの継続
運営を積極的に働きかけなかったため、税金と
250 万ドルの献金を行ったことで知られている
いう形での産業界からのスーパーファンドへの
11
資金源が失われる形となった。同政権になって
学業界の意向に沿うような方針を打ち立ててい
から、汚染者に対する罰金が急激に減少したこ
ることに疑問の余地はなく、同献金は、業界に
とと重なり、スーパーファンド基金は 1996 年
とって効果的に使用されたと見られている。
の 38 億ドルから、2003 年にはほとんど枯渇の
。このことからも、ブッシュ政権が石油・化
4. エネルギー政策
状況へと追いやられた。
ブッシュ大統領とチェイニー副大統領が石油関
このファンドの資金不足を補うため、ブッシュ
連会社の元重役を務めたことからも、ブッシュ
政権は、有害廃棄物処理に一般市民の税金を充
政権とエネルギー産業との友好関係は強固であ
てる方針を取っている。このため、ブッシュ大
り、常に同業界に有利な政策を推進していると
統領は、史上初めて、スーパーファンドの大前
いわれている。ブッシュ大統領は、政権発足直
提である「汚染者(産業界)が処理費を支払う」
後に 63 人のエネルギー政策諮問委員会を召集、
という方針を捨て、負担を一般市民へシフトし
メンバーのうち 62 人が石炭・石油・原子力い
たことで知られている。有害廃棄物処理に充て
ずれかのエネルギー企業に関連する人物という
られる一般市民の税金は、1996 年では全体の
偏った人選となっていた。また 1999 年から
18%であったのが、2003 年ではほぼ 50%とな
っている。2004 年の予算では、この数字は 79%
9
に上り、2005 年にはこれが 98%にまで増大す
10
11
JMC environment Update
The Bush Environmenta l Record , Leag ue of
C o nser vation Vo ter s, 200 3
57
同上
C omm unities a t R isk: How the B ush
Adm inistra tion is fa iling to p rotect p eop le’s
health at Superfund sites , Sierra Club, 2004
Vol.6 No.3 (2004. 9)
米国における環境関連動向 〜在ワシントンコンサルタントによるモニタリング情報 [29]
2000 年の間に、同メンバーのうち 58 人が合計
Most
800 万ドルの選挙資金を共和党候補に献金して
Environment)
」と呼ばれている。共和党側はこ
12
いることが明らかとなっている 。
Outspoken
Supporter
of
the
れを逆手に取り、同候補を「環境極左」
「環境過
激派」などと呼び、同候補の掲げる環境政策は
またチェイニー副大統領が設置したエネルギー
産業界の利益とのバランスが取れていない、現
政策タスクフォース(NEPD: National Energy
実不可能なものであると主張している。このよ
Policy Development Group)が 2001 年 5 月 17
うな批判にケリー候補がどのような対応・反撃
日に発表したエネルギー政策は、今後 20 年間
をするのか、また同候補の掲げる政策が実際に
で数百の新しい発電所建設、石炭の生産・使用
導入可能なのかについては、今後の選挙戦にお
の急増、国内の北極圏野生動物保護区における
けるひとつの争点となると見られている。
油田採掘などの極めて産業寄りの内容となって
いる。この米国連邦政府のエネルギー政策をま
しかしケリー候補は、ブッシュ政権によって経
とめたエネルギー政策タスクフォースについて
済が停滞したのと同時に、環境にも大きな損害
は、その活動内容が非公開となっている他、チ
が加えられたと主張している。同候補が掲げる
ェイニー副大統領とエネルギー卸売会社のエン
環境政策では、環境が今後の経済発展には不可
ロン社幹部とが、数回に渡って会合を行ったと
欠であるとの考えを示し、環境保護と経済促進
いう報道もなされている。よって新政策の内容
とが共存できる社会の実現を目指すとの公約を
は、エンロン側の要求内容がほぼ採択されたと
行っている。以下にケリーおよびエドワーズ民
いう見方も濃厚となっている。
主党候補の環境政策の概要をまとめた。
このような疑惑を受け、GAO は、
「政権の秘密
クリーン&グリーン・コミュニティー
主義は政府原則に反する」として、2002 年 2
・ ケリー候補は、スーパーファンド設立時から
月にチェイニー副大統領を告訴、エネルギー政
同プログラムの支持者であり、ブッシュ政権
策諮問委員会に出席した民間メンバーのリスト
の方針によって停滞した同プログラムを立
を公開するよう要求した。これは GAO が現職の
て直し、より強力なものにする。また
副大統領の公式文書公開を求めて告訴に踏み切
「Environmental Empowerment Zone」を設
る最初のケースとなった。しかし連邦判事は同
置して浄化を優先し、これ以上の汚染を許さ
訴訟を同年 12 月に却下、GAO は控訴すること
ない地域を選別する。
を断念している。
・ ブッシュ政権は、有害物質管理法(Toxic
Ⅲ. ケリー民主党大統領候補の環境政策
Substances Control Act)や食品品質保護法
このように産業優先環境政策を明らかに打ち出
(Food Quality Protection Act)
、飲料水安全
すブッシュ政権と対照的に、ジョン・ケリー候
法(Safe Drinking Water Act)の強化を行わ
補がこれまでにも上院議員として多くの環境保
ず、これら規制の準拠がおろそかになってい
護政策に力を入れてきたことから、Sierra Club
る。ケリーおよびエドワーズ候補は連邦 EPA
や League of Conservation Voters、Friends of the
に有害物質対策委員会(Toxics Task Force)
Earth Action、Defenders of Wildlife などほぼす
を設置し、人々の健康に被害をおよぼす恐れ
べての有力環境保護団体から公式支持を早くか
のある有害物質の認識、評価、流出防止を行
ら受けている。また連邦議会では「環境保護を
う。
最も声高に支持する上院議員(The Senate’s
12
1. 国立公園や自然を守る「自然保護の誓約」
・ ブッシュ政権は、アラスカ野生生物保護区に
The Bush Environmenta l Record , Leag ue of
おける石油採掘を実施しようとするなど、米
C o nser vation Vo ter s, 200 3
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米国における環境関連動向 〜在ワシントンコンサルタントによるモニタリング情報 [29]
国の貴重な自然資源の保護を軽視してきた。
票が大きく動くと分析する関係者もいる。
特に、
ケリー候補は、これまでにも「土地および水
共和・民主のどちらに転んでもおかしくない ス
の保全基金(Land and Water Conservation
ウィング州 と呼ばれるオハイオ、ミネソタ、
Fund)
」への資金投入のために活発な活動を
アイオワ、ウィスコンシンなどの州では、石炭
展開してきた。ブッシュ政権は同基金に資金
産業やエネルギー公益産業を手厚く支援する親
投入を行うという公約を破っており、ケリー
ビジネス派のブッシュ政権か、または環境保護
候補は、同基金の強化をはじめ、米国の自然
に力を入れると公約しているケリー候補か、有
資源の回復を行う。
権者は真っ二つに別れ議論を行っている。
2. 大気汚染政策
前回の選挙では、ブッシュ候補とゴア候補との
・ ブッシュ政権が産業界の利益を優先するた
間にはそれほど明確な環境政策の違いはなく
めに大幅に緩和した大気浄化法の各項目を
(ブッシュが大統領として親ビジネス路線を実
本来の条件に戻す。
行する前であったため)
、
選挙戦で環境政策が重
要視されることはなかった。しかし今回の選挙
・ ブッシュ政権が産業界の利益を優先するた
戦では、両候補者の間に環境政策の大きな隔た
めに大幅に緩和した NSR を本来の内容に戻
りがあると考えられており、両者とも、環境政
す。
策のスタンスを活かし、産業界および市民団体
・ 地球温暖化の問題解決に向け、国際コミュニ
とそれぞれの有権者グループに対して最大限に
ティーへの再加入を果たし、同問題への取り
その有効性を訴えることで票を獲得することを
組みを再開する。
狙っている。
3. 水質汚染政策
以上のように、ブッシュの親ビジネス路線、ケ
・ ブッシュ政権によって弱体化した水質浄化
リーの環境重視路線とも両刃の剣とも言える弱
法の回復を行うため、
「アメリカの水を取り
点を抱えている。産業界からの支持を頼みにし
戻す(Restore America’s Waters)
」キャンペ
ているブッシュ政権は、現時点で市民団体・環
ーンを実施する。州・地方政府と協力し、工
境団体から十分過ぎる批判を受けている。また
場および農業廃水による汚染水源の問題に
ケリー候補にしても、
「環境左派」と揶揄される
取り組む。
状態では産業界からの絶大な支持は受けにくい
と見る関係者もある。これらの批判をかわし、
Ⅳ. まとめ
スウィング州の支持を最終的に得るのはどちら
今回の米国大統領選挙は前回同様、接戦となる
の候補であるのか、今後の行方に米国民の注目
と見られており、両候補の環境政策によっても
が集まっている。
調査委託先:
ワシントンコア
Website: http://www.wcore.com
<本モニタリング情報は、競輪の補助金を受けて実施したものです>
JMC environment Update
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中国【15】中国電子廃棄物リサイクルに関する立法化の動向
1. 中国は電子廃棄物リサイクルのピークを迎える
中国は今や世界で電気電子製品の製造・消費大国の一つとなっている。1980 年代、1990 年代に
生産された各種電気製品は、現在廃棄時期のピークを迎えている。これら電子廃棄物の出先やそ
のリサイクル方法は、業界の最も注目する関心事項となっている。
業界関係者の推計によれば、中国で使用期限が切れる主な電気電子製品の台数を年間ベースでみ
ると、少なくともパソコンは約 2,000 万台、電気冷蔵庫は約 400 万台、洗濯機およびテレビはそ
れぞれ約 500 万台、自動車は約 200 万台に達している。家電製品のほかに、毎年大量の携帯電話
(現在中国では 1,000 万台を上回る携帯電話が、廃棄処分時期に入っていると言われる)、コピー
機、ファックス、プリンタなどの IT・OA 機器も廃棄される時期に来ている。電気電子製品の廃
棄は、新製品に対する更新・買換え需要に伴い、今後さらに加速化するとみられる。
2. 多くの電子廃棄物が未処理のまま
中国の現状では、使用済み、中古の電気電子製品は、個人回収業者に安く買い取られた後、都市
部から農村部、沿海部から内陸部に転売(中古品市場における販売、再使用など)されることが
多い。一部の都市では中古家電を取扱う専門商社があり、特に最近は、電子部品商社間で中古品
が売買されている。
使用不可能な電子製品については、現在、回収業者によって買い取られた後、個人経営の簡素な
工場に持ち込まれ、原始的方法により分解されることが多い。製品から貴金属やリサイクルでき
る部分だけ取り除かれ、残った部品、材料などは不法に投棄、処分される(焼却、埋立てが多い)。
使用期限が過ぎた家電製品が再度流通されれば、人の健康に危険をもたらす。また粗雑な廃棄物
処理方法により、深刻な公害問題をもたらすことになる。
現在までのところ、中国には廃電気電子製品のリサイクルに関する全国または地方の法律・法規
が存在していない。EU による WEEE 指令の発効以来、中国政府は電子廃棄物リサイクル問題の重
要性を認識するようになった。約 3 年前から、当時の国務院国家経済貿易委員会は、他の行政組
織と共同で『廃棄家電・電子製品回収処理管理条例』、『再生資源回収利用管理条例』などを制定
した。また 2004 年初め、国家発展改革委員会は浙江省、青島市(山東省)を廃棄家電回収リサイ
クルの実験地域として指定した。
3. 電子廃棄物リサイクルに関する立法化の基本方針浮上
2004 年 7 月末に開催された「中国―カナダ資源再生セミナー」のなかで、国家発展改革委員会の
関係者は、
「管理条例」をいつ公表するかはまだわからないが、その基本的構想を以下の通り述べ
た。
① 資源のリサイクル利用および環境保護を目的とし、廃棄家電回収リサイクル制度を確立し、
生産者責任を実施する。これにより家電メーカーは、廃棄家電の回収、リサイクルに対し
責任を持つ。
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中国【15】中国電子廃棄物リサイクルに関する立法化の動向
② リサイクル企業は市場原則に基づいて経営を行う。そのために回収の多元化、集中的リサ
イクルを推進する。国は政策面の奨励、支援を行う。
③ まず試験的に特定地域で実施し、この結果を総括後、事業化を推進する。
2004 年 7−8 月のマスコミ報道によれば、中国政府による『廃棄家電および電子製品回収処理管
理弁法』(以下『管理条例』とする)の「徴求意見稿」(広州市の現状意見を求める草案)が、す
でに完成したと伝えられた。しかし今のところ、これら法規の内容はまだ公開されていない。以
下は関連報道された『管理条例」の要点である。
1) 生産者責任の原則明確に
電子廃棄物の回収、リサイクルに関する責任については、従来「生産者責任」や「拡大生産者
責任」といった表現が多かった。「受益者責任」の見解に立てば、電子廃棄物の回収、リサイ
クルについて、メーカー、販売業者、消費者は個々に責任と義務がある。厳密にいえば、国も
受益者であるため、国も一定の資金援助をすべきとの指摘もあった。
2004 年 7 月、国家発展改革委員会のある責任者は、
『管理条例』では「生産者責任」の原則を
明確にしたと発言した。
この生産者責任原則の内容について、次のような説明がある。電子製品のメーカーは、その製
品廃棄後、必ず回収とリサイクルを行い、かつ相応の回収・リサイクル費用を負担する。生産
者責任制が採用されれば、家電メーカーにとって製品の設計段階から回収、分解、リサイクル
まで、製品ライフサイクルの全過程で環境保護を考慮せざるを得なくなる。
国家発展改革委員会の同責任者は、中国各地で家電保有量が大きく異なるため、『管理条例』
では原則のみを規定し、具体的な運用規則の制定については各省・市政府に委任する。またこ
の管理、監督については国家発展改革委員会が主導し、国務院各関連部門はそれぞれの責任範
囲内で管理するとコメントした。
2003 年末、中国信息産業部が公表した『電子情報製品汚染防止管理弁法』の草案によれば、
その第 16 条に、
「生産者はその製品廃棄後の回収、処理および再利用に関する責任を負わなけ
ればならない」と明確に規定している。
一般的な見方では、
「拡大生産者責任制度」は、
「汚染する者が費用を負担する」原則の具体化
かつ延長線上にある。「生産者は、製品構造の設計、技術、原材料使用などをよく理解してお
り、かつ相応の技術者を有していること。そのため政府は、メーカーが廃棄物の回収、分解、
リサイクルに積極的に参画することを希望する」と、青島市政府の関係者はコメントしている。
2) 回収・リサイクルの対象製品
『管理条例』が規定する回収の対象品目について、初期の段階ではテレビ、冷蔵庫、洗濯機、
エアコンおよびパソコンなどを、主要回収対象品目として明確に規定している。将来は回収製
品品目リストを公表する方式をとり、広範囲の電子廃棄物を回収リサイクルの対象品目に含め
ることとする。
3) リサイクル費用の負担
電子廃棄物リサイクルの費用負担方法は、立法化の鍵である。現在、中国の消費者は、廃棄家
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中国【15】中国電子廃棄物リサイクルに関する立法化の動向
電を回収業者に安く売れば若干の金銭を回収できる状況にある。リサイクル業者が、ただで消
費者から廃棄家電を回収したり、消費者にリサイクル費用を負担させたりすることは、現段階
では困難であるとみられる。
一方、リサイクル費用を全てメーカー側が負担する構想については、メーカー側の電気電子製
品からの利益率が現在低いため、リサイクル費用を全て負担する能力がないことが懸念される。
政府も環境保護の受益者の一人であるため、「政府側もリサイクル事業に対し、資金面の支援
を行うべきだ」との指摘がある。
中国政府は約 3 年前から、電子廃棄物に関する立法化を始めているが、その過程は順調なもの
ではなかった。報道によれば、メーカー、政府機関、消費者団体との間で意見の一致がみられ
ず、中国では電子廃棄物に関する立法化はスムーズに進んでいない。それゆえ個別の法規の誕
生が予定より遅れている。この問題について 2004 年 8 月、中国家用電器研究院のある責任者
は、次のようにコメントした。
① 政府が起草を進めている法規が対象とすべき範囲は広い。そのため政府、メーカー、消費
者との間で意見の一致をみることはかなり困難である。今のところ、電子廃棄物回収・リ
サイクル法の公表時期はまだ確定していない。
② 立法化の目的は、メーカーに電子廃棄物の回収やリサイクルに対し、責任をもたせること
にあるが、同時にメーカーはそれに伴うコスト増を懸念している。「生産者責任制度」の
下での回収・リサイクル費用は、メーカーが負担すると解釈できる。これは利益率の低い
国内電子業界にとって、かなりのプレッシャーになる。「利益率は 5〜6%しかない。この
ようなリサイクル費用は負担しづらい」と、ある地場系のパソコンメーカーの責任者はコ
メントした。「このコストを消費者に転嫁すれば、販売価格の引上げに繋がり、製品の販
売にも影響が出るかもしれない」との懸念が当然ある。
③ 一方、業界全体で製品の値上げをすれば、確かに各企業間の競争力に影響しない。また国
内の環境基準を厳格にすることは、長期的にみれば中国の環境保護に有益であり、中国製
品の国際競争力の増強にも繋がるというのが、多くの業界代表者の見方である。
④ 環境政策、環境基準の強化に伴い、企業経営上のコスト増は不可避であり、各企業はその
対応に時間がかかるというのが一般的な見方である。
このように各種難題が山積みしているため、電子廃棄物の立法化作業は当初予定のように順調
には進まなかった。しかし立法化を加速しなければ、中国におけるリサイクル事業の発展や電
子廃棄物による公害の防止に対処できなくなる。その結果、中国企業製品の環境適応・競争力
の強化にも不利となるとの指摘もある。
リサイクル費用負担は、電子廃棄物リサイクルにおける重要課題である。その決定方法は、
『管
理条例』実施の成功の可否を大きく左右するものである。現在、リサイクル費用の分担方法に
ついて、まだ明確な案は明示されていない。
中国の政府関係者は、今後、法律や規則が完成し、一般市民の環境意識の高揚に伴い、最終的
に中国においても消費者が廃棄物リサイクル費用を負担できるところまでくるとコメントし
た。さらに、リサイクル費用分担額については、リサイクル方法の実験・試験費用、その他関
連コストを計算して、これに基づいて決め、さらに徐々にではあるが完成に向かって近づいて
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中国【15】中国電子廃棄物リサイクルに関する立法化の動向
いくと付言した。
4. 廃棄電子製品リサイクルの地域実験に大きな進展みられず
浙江省と青島市は、中国政府から指定された「廃棄家電・電子製品回収リサイクルシステム建設」
の実験地域である。この 2 ヶ所を選択した理由について、浙江省は家電、パソコンの大消費地で
あり、また青島市は「海爾」、「海信」および「澳克瑪」など三大電子機器メーカーをはじめ、電
子産業が発展した都市であることが挙げられた。
政府構想によれば、これら 2 地域での実験を通じて、その成果を関連政策、法規、技術基準の制
定に生かし、中国におけるリサイクル事業の発展を促進する。国家発展改革委員会では、青島市
が海爾社などのような「メーカー自身がリサイクル工場を持つ」モデル、浙江省では「リサイク
ル専門工場を活用する」モデルなど、実践経験を通じて成果を期待していた。
しかし現在のところ、浙江省および青島市での実験状況は、あまり期待したほどではない。この
事情について、中国の某経済紙は次のように報道している。
2003 年 12 月の実験地域認定後、浙江省政府は杭州市(浙江省の省都)でリサイクルセンターを
建設し、省内 11 都市で回収基地からなる回収ネットワークを構築し、同省内で年間 80 万台(セ
ット)の廃棄家電・電子製品を回収、リサイクル、無害化リサイクルなどができるシステムを計
画した。しかし実験地域指定後、半年以上経過したが、これらの構想はまだ計画段階のままであ
る。計画の実施を担当する浙江省の某環境企業の責任者は、関連プロジェクトの具体案は依然検
討中であり、その具体化はまだできていないと釈明している。
青島市が実験都市に指定された後、現地の家電大手メーカーである海爾社は、年間 60 万台(セッ
ト)規模の廃棄家電リサイクルセンターを建設する計画を提出した。しかしこれも現在のところ
技術導入検討段階にあり、まだ実施・具体化の段階に入っていない。海爾社に投資決断を躊躇さ
せている背景は、同社が青島市周辺で十分な量の電子廃棄物を回収できず、仮にリサイクルのラ
インができたとしても、処理の対象となる数量が足りないことを懸念しているからだと言われる。
「多くの電子廃棄物は内陸部などに転売されている」と、青島市政府のある関係者はマスコミと
のインタビューで説明している。
半面、中国家電業界のリーダーとして海爾社は、電子廃棄物のリサイクルへの参画を前向きに検
討している。報道によれば、同社は中国の清華大学と提携し、共同で廃棄家電の資源化総合利用
技術の開発に注力している。
全国一律の法律、規則および政策面のサポートができていない現状では、浙江省と青島市が先陣
を切って、地方から先に政策を制定する動きはない。このような環境下で、廃棄家電回収やリサ
イクルの実験は、容易に進むとは期待し難い。
5. 中国政府を巡る環境立法化に対する外部圧力
欧州、日本、米国など先進国の環境立法化がかなり進んでいることから、中国政府は自国の当分
野における立ち遅れを痛感している。また先進国の電子製品に関する環境基準は、中国電子製品
にとって障壁となって立ちはだかっている。2004 年 8 月 13 日、EU の電子廃棄物に関する立法化
により、今後中国電子製品の EU 向け輸出は影響を被ることになろう。
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中国【15】中国電子廃棄物リサイクルに関する立法化の動向
さらに最近、中国は、外国製電子廃棄物の主要な輸出地域になっていることから、中国政府とし
ても関連立法を通じて、外国からの電子廃棄物の流入を阻止しようと躍起になっている。これら
の事情も、中国政府の電子廃棄物リサイクルに関する立法化にプレッシャーをかけている。これ
ら内外の事情から、当局は立法化を急がなければならない。
その一方で、中国は EU の WEEE 指令実施の動きをフォローしつつ、今後輸入電子製品の「リサ
イクル費用」を徴収する方向で、関連の法律制定を検討していると伝えられている。
6. 国家環境保護局は『廃棄電子設備汚染防止技術政策』を提出
2004 年 8 月、国家環境保護総局は北京で専門家による審議会を開催し、『廃棄電子電気設備汚染
防止技術政策』を承認した。同技術政策の概要は以下の通り。
▶ 同技術政策の基本原則:
① 電子廃棄物の減量化、資源化、無害化の「三化」指導原則を実施する。
② 製品のもたらす環境保護対策に関し、生産者責任制度を確立する。
▶ 政策目標:
① 国家は、製品への使用制限・禁止の有害物質リストを適宜公表することにより、環境配慮
製品の購入政策、市場参入政策を実施し、設計段階で製品への有毒・有害物質の使用を逐
次廃止する。
② 一貫した電子廃棄物の回収体系を確立し、電子廃棄物の回収率および資源化利用率を逐次
高める。
③ 電子廃棄物の総合利用を規範化させ、環境汚染を制限する。2006 年までに、電子廃棄物
資源化利用過程で発生する危険廃棄物を全国危険廃棄物処理体系に加え、かつその無害化
処理の実現を目標とする。
▶ 同技術政策に含まれる電子廃棄物による公害防止の技術的重点項目:
① 電子製品の環境配慮を目指す設計を通じて、設計段階から電子廃棄物の発生量を低減する。
② 電子廃棄物およびその部品・ユニットの再利用とリサイクルを通じて、電子廃棄物の資源
化利用率を高める。
③ 先進技術を含むリサイクル技術を活用して、電子廃棄物のリサイクル過程で発生する公害
を抑制する。
この技術政策制定の目的について、国家環境保護総局の関係者は、これは今後政府が法律、規
則の制定に当たって、および関連企業の努力を促すため、ガイドラインおよび技術指導を提言
しているものであるとコメントした。
7. 電子廃棄物リサイクル産業の展望
今後中国で処理すべき電子廃棄物の量は膨大である。この分野のリサイクル事業の見通しは明る
いとの見方が一般的であり、
「電子廃棄物には富が埋蔵されている」とまで言われている。内外の
業者は、この分野への投資に大いに関心がある。あるリサイクル企業の責任者は、廃棄された携
帯電話のリサイクルからの利益率は約 15%である。携帯電話産業の平均利益率である 10%より高
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中国【15】中国電子廃棄物リサイクルに関する立法化の動向
いとコメントしたことが、その典型例である。
半面、多くの関係者の意見によれば、現在中国では、電子廃棄物リサイクル産業に関する法規、
政策がまだできておらず、設備、技術への投入も多額である。したがって十分な電子廃棄物の回
収ができない場合、政府からの優遇策がなければ、リサイクル事業の経営はうまくいかないこと
を懸念しており、現在、この産業に足を踏み入れることは賢明ではないと、慎重な態度を示して
いる。
あるリサイクル関係者は、次のようにコメントしている。廃棄テレビ 1 台当たりの回収から得ら
れる利益は約 20 元、洗濯機 1 台当たりでは約 40 元、100 リッターの冷蔵庫 1 台当たりでは約 170
元である。これらの利益は、廃棄家電の回収、倉庫保管、輸送、分解などにかかるコストと比べ、
はるかに低い。政府による税制・財政面での支援措置がなければ、現段階ではリサイクル企業は
赤字状態に陥る可能性が大きい。
このような状況下でリサイクル産業に興味をもっている投資家は、この分野の法規、政策の発表
に期待を寄せている。関係者は今後制定される法規のなかで、以下のポイントを明確に規定すべ
きであると指摘している。
① 一定の回収ルートを定め、勝手な回収ルートの設定を禁止する
② 消費者は電子廃棄物を小売業者に渡す義務がある
③ 小売業者は消費者から電子廃棄物を回収し、それをメーカーに渡す義務がある
④ メーカーは製品廃棄物を回収、リサイクルする義務がある
⑤ 多くの企業は、自ら全国規模で自社製品の廃棄物を回収する能力がない。そのため、専門
機関がこの分野で責任履行できるよう支援する必要がある。
⑥ 法規実施前に製造、販売した企業が倒産し、回収責任を履行できなかった場合、政府は環
境保護の受益者の一つとして、このような特殊な状況におけるリサイクル費用の一部を負
担すべきである。
信息産業部のある責任者は、中国のリサイクル産業について、
「政府が投資してリサイクル企業を
設立し、企業は独立採算制で経営にあたる」方式が、現段階の中国事情に合う方式である、とコ
メントした。
このように中国では、電子廃棄物リサイクルに関する法規は現在調査、研究の段階にあり、これ
らは 2006 年頃に終了するという見方もある。
8. 中国におけるリサイクル産業事例
1) 2004 年 8 月、シンガポール系の「偉城環保工業(無錫)有限公司」
(Citiraya Environment Industry
(Wuxi) Co., Ltd.)は、中国初の電子廃棄物リサイクル工場建設に着手した。
この案件の投資額は 6,500 万米ドル、第 1 期の建築面積は 3.3 万平米、年間処理能力は 3 万ト
ンである。同工場は 2005 年 3 月に稼動を開始する予定で、上海を含む華東地域の電子廃棄物
を処理する。このプロジェクトの第 2 期工事が完成すれば、電子廃棄物の年間処理能力は 6 万
トンに引上げられる。
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中国【15】中国電子廃棄物リサイクルに関する立法化の動向
偉城社は世界 12 ヶ国に回収センター、うち 3 ヶ所にリサイクル工場を所有しており、主たる
取引先は Intel、Nokia、HP などである。2003 年、同社は中国市場に進出を開始した。当初、
上海、北京、天津および広州に事業拠点と回収センターを設置した。
偉城無錫社の誕生は、現地のマスコミから「今までわが国の電子製品産業が廃棄物処理に対し
善処できず、結果的に処理のため海外に持っていかざるを得なかった状況を一変させた」と高
く評価された。偉城無錫社が行う回収対象品目については、同社は当面 IT メーカーの生産過
程で発生した電子廃棄物とするものの、将来、条件が揃えば、電子廃棄物総量の 97%を占める
電子消費財廃棄物の回収やリサイクルにも参入するつもりであると説明している。
2) 2004 年 6 月 24 日、モトローラ社は北京で記者会見を行い、国内 151 都市で「グリーン中国、
グリーンサービス」計画の実施を発表した。中国国家環境保護総局、信息産業部、中国消費者
協会などから、関係者が記者会見に出席した。
この計画の主な内容は、全国各地にあるモトローラのサービス拠点に 250 の回収箱を設置し、
消費者が廃棄するあらゆるブランドの携帯電話、電池などの関連部品を回収する。収集した廃
棄物は、一括して某外資系のリサイクル工場で分解、処理される。辺境地域の回収については、
モトローラ社が 10 台の環境広報車を投入して各地で電子廃棄物の回収を行う。
当該外資系リサイクル工場の責任者は、使用済み携帯電話のリサイクル作業により、金、銀、
銅など 10 数種類の金属を採取でき、リサイクルコストを控除しても約 15%の利益が期待でき
ると説明している。中国の携帯電話製造業の平均利益率は現在 10%未満であるため、「携帯電
話を壊したほうが、つくるより利益が大きい」といった皮肉な表現もあるくらいである。
モトローラ社のこのようなキャンペーンは、生産者責任を自ら実行する表れである。また中国
消費者に対しては、消費者の義務として使用済み製品を指定した場所に届けさせる教育にも繋
がる。携帯電話の場合、輸送コストの問題はなく、消費者は別に費用を支払う必要もない。こ
の実験が今後中国における電子廃棄物回収にどこまで影響を与えるか、注目の的である。
3) 2003 年 6 月、HP 社は「HP 地球パートナーTM 回収再利用計画」を打ち出した。この計画の一
部として、HP 社は中国で使用済みトナー・ケース、プリンター用カートリッジ、HP ブランド
と他社ブランドのパソコンおよびパソコン付属部品を回収している。回収された廃棄物はリサ
イクルに回される。HP 社はすでに外国の大手リサイクル業者数社と提携し、中国での電子廃
棄物回収・リサイクル事業を進めている。HP 社の関係者は、中国においては、リサイクル産
業の促進が産業構造のスムーズな転換上必要であると述べ、将来中国で、現地のパートナーに
HP 社の製品を回収してもらうことを期待していると表明した。
4) 武漢鋼鉄集団、武漢冶金公司は、カナダの某企業と合弁企業を設立し、カナダから電子廃棄物
リサイクルシステム(設備)を導入する。このシステムは、年間 2 万トンの電子廃棄物をリサ
イクルできる。
5) 上海市は年間 50 万台のテレビ、パソコン専門のリサイクルに従事するリサイクル工場の建設
を計画している。
6) 広東省は、広州、仏山、深圳、珠海、湛江、清遠、汕頭で、廃電気電子製品リサイクルセンタ
ー、恵州で省レベルの危険廃棄物リサイクルセンター(ブラウン管などを処理)を建設する計
画である。これら 8 ヶ所のリサイクルセンターでは、広東省で毎年発生する電子廃棄物の約
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中国【15】中国電子廃棄物リサイクルに関する立法化の動向
90%まで処理可能である。
7) 2004 年 8 月、中国家用電器協会副理事長および関連政府機関、研究機関、企業代表者一行が
アメリカ、カナダを訪問した。この訪問の目的は、両国の電子廃棄物リサイクルの現状、制度
を視察することである。「この分野のパートナー探しも我々の視察目的の一つに入っている」
と、副理事長は表明した。
参考:
中国電子廃棄物リサイクルに関する立法の歩み
○『中華人民共和国固形廃棄物環境汚染防止法』
1996 年 4 月 1 日より施行、現在改訂中。
○『わが国家電および電子廃棄物回収処理体系の初歩的方案』
担当機関:国家発展改革委員会、信息産業部、国家環境保護総局ほか
2004 年、初歩的方案を提出。
方案の基本構想:
① 電子機器メーカーは、自社製品の廃棄物を回収する(「生産者責任制度」原則の確立)
② 回収・リサイクル企業は、市場経済に基づいた経営を行う
③ 実験都市で電子廃棄物のリサイクル事業を実験し、その結果に基づいて『廃棄家電および
電子製品回収利用管理条例』を制定する。
○『廃棄家電および電子製品回収利用管理条例』(いわゆる中国版 WEEE 指令)
担当機関:国家発展改革委員会
2001 年より制定作業開始、現在制定作業進行中。一般市民、関係者の意見を聴取した草案は
未公開。
○『電子情報製品汚染防止管理条例』(いわゆる中国版 RoHS 指令)
担当機関:信息産業部
2003 年 8 月に一般市民、関係者の意見を聴取し策定した草案を公表。2004 年中に立法化を終
了し、2005 年 7 月 1 日より施行予定。
☐
調査委託先:
Thrace Investments Limited(華南投資顧問有限公司)
HP: http://chinasouth.info/(日本語・English)
<本モニタリング情報は、競輪の補助金を受けて実施したものです>
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寄
稿
エコシスコンセプトで、「自利利他」を追求する
京セラミタ株式会社
総務本部 環境安全部
部長 青木 崇
お写真
はじめに
京セラミタは京セラグループにおいて情報機器事業を担当しており、プリンタ及び複写機事業
を展開しております。更に、京セラミタグループの活動基盤は、自分が利益を得るための行動は
他人も利するものでなければならないという「自利利他」の精神で、省資源(環境負荷低減)を
実現するエコシスコンセプトを基本とした物作りのメーカーとして、商品の開発、製造、販売お
よびサービスを行ってきております。
この「自利」
「利他」のサイクルの繰り返しにより、お客さまに喜ばれ、自らも発展し、省資源
を追求することが「京セラミタグループの環境保護活動」であると考えています。
本稿では、京セラミタグループの環境経営の考え方をエコシスコンセプトを通してご紹介させ
て頂きます。
1. エコシスコンセプトとは(図 1)
エコシスとは、エコロジー(環境性)
、エコノミー
(経済性)、システム(ネットワーク性)を追求した
ドキュメントソリューションコンセプトであり、私
達の商品であるプリンタや複写機・複合機は、すべ
てこのエコシスコンセプトで作られています。
ECOSYS
CONCEPT
Ecology
Economy
System
エコシスコンセプトの商品は、消耗品であるトナ
ー(トナーコンテナ)を交換するだけで、本体寿命
Long-Life
Network
まで殆
Technology
Solutions
リサイクル
どの部
技 術
図1:エコシスコンセプト
品の交
換が不要な長寿命商品であり、究極の「省資源(環
境負荷低減)商品」です。Ecology(環境性)、
Long-Life
Economy(経済性)は、Long-Life Technology(長
Technology
寿命技術)をベースに、リサイクル技術、省エネ技
術、化学物質管理によりささえられています。
(図 2)
省 エ ネ
技 術
化学物質
管 理
図2:長寿命技術
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エコシスコンセプトで、
「自利利他」を追求する
このエコシスコンセプトの商品を製造・販売し、企業として更なる発展の礎となる利益を得る
「自利」と共に、購入していただいたお客さまにとっては使用するトナー(トナーコンテナ)以
外は購入する必要が無い商品として、トータル的に費用が削減できるという「利他」をご提供し
ています。
2. 京セラミタグループの環境経営推進体制
京セラミタでは、環境経営は事業経
営と同軸であると考えています。事業
経営(売上最大、経費最小)に努める
ことが即ち環境保護となります。
京セラミタグループ
グリーン委員会
製品のライフサイクル
グリーン調達委員会
製品からの有害物質の排除
グリーン商品設計委員会
環境負荷低減商品の開発
環 境 ISO委員 会
その環境経営を統括する「京セラミ
タグループ グリーン委員会」(図 3)
は、トップマネジメントメンバーで構
成し、下部委員会として製品のライフ
サイクルにおける環境負荷を低減する
テーマに取り組むため、7 つの委員会
を設置しています。
事業所・向上の環境保全
グリーン商品販売委員会
環境負荷低減商品の販売
リサイクル委員会
製品の循環システムの運営
部品材料の購入
製品の設計
生 産
使 用
廃 棄
環境会計委員会
環境会計システムの運用
環境報告書委員会
環境経営
マネジメント
環境報告書による社会への
コミュニケーションの徹底
3. エコシスコンセプトを実現する
ためのグリーンテクノロジー
図3:京セラミタグループ グリーン委員会
◆ 長寿命設計
京セラミタグループでは、
「エコシス」シリーズにおいて、極めて耐久性に優れた「アモルファ
スシリコン感光体ドラム」
(図 4)を用いた商品を開発し、「オンリートナー方式」を世界で最初
に採用いたしました。これにより、ドラムカートリッジの交換が不要となり、これまでは消耗品
であった感光体ドラムを機械寿命に匹敵する長寿命パーツへと変え
ることを可能にし、廃棄物の削減を実現しています。また、アモル
ファスシリコン感光体ドラムは、オゾン発生がより少ない正帯電で
用いることができるという特長を有しています。
さらに、京セラミタでは一般的な有機感光体(OPC)と異なり、
アモルファスシリコン感光体ドラムと同様に、正帯電で用いること
ができる「単層 OPC ドラム:PSLP」を製品化しています。この PSLP
は、一般的な OPC に比べ、約 10 倍の寿命を有しており、廃棄物
図 4: アモルファスシリコン
感光体ドラム
の削減に貢献しています。またこのドラムは、他社 OPC に比べ
製造工程が極めて単純で、製造エネルギー1/3 の低減も併せて実現しています。加えて、新たな
製造技術の開発による生産効率の向上に取り組み、時間当たりの生産本数で 30%以上も向上さ
せ(2004 年 3 月現在。対 2003 年 3 月比)、生産工程における省資源化も実現しています。
◆ グリーン調達
環境に配慮した製品をお客様に提供するためには、製品を構成する部品・材料も環境に配慮さ
れた物であることが必要です。京セラミタグループの「グリーン調達」は購入品の調達に伴う環
境影響を抑制するため、製品含有化学物質の調査や仕入先の環境調査を行い、環境に配慮した購
入品を調達するよう努めています。このグリーン調達を社内システムとして、RoHS 指令をはじ
めとする世界各国の法規制や環境マーク基準に準拠するため「京セラミタ 化学物質管理基準」を
制定し、これにもとづき製品に使用される部品/材料とその製造工程の化学物質の把握と管理を実
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エコシスコンセプトで、
「自利利他」を追求する
施しています。私どもはこのグリーン調達システムを厳格に運用し、法規制等で禁止された化学
物質を含む製品は、製造・販売しない体制をとっています。
◆ グリーン設計(省エネ設計)
2003 年 9 月に発売した KM-1620 のエネルギー消費効率は 25 Wh/h を達成しました。これ
は、当社同世代の前モデル機のエネルギー消費効率 52 Wh/h の 52%ダウンとなり、日本の省エ
ネルギー法の 2006 年に達成すべき基準値 55 Wh/h を十分にクリアしています。これらは、定
着システムに、薄肉ローラ、及び、ダブルヒータの採用によって実現されました。
又、国際エネルギースタープログラムは、OA 機器の待機時消費電力に関する省エネルギー化
を推進する制度で経済産業省および米国環境保護庁(EPA)による相互認証の任意登録制度とし
て、1995 年 10 月より実施されており、一定の省エネルギー基準を満たした製品には、国際エ
ネルギースターロゴの表示が認められています。2003 年、2004 年度発売の京セラミタ製品は
全て国際エネルギースタープログラム基準に適合しています。
◆ グリーン設計(リサイクル対応設計)
リユースやリサイクルを効率よく進めるためには、使用済製品を効率良く容易に解体し、分別
できることが必要です。また、部品としては、リユースやリサイクルしやすい材料の選定や材料
の統一、および標準化が必要です。京セラミタ
では、これらの内容をまとめた環境配慮設計基
準書を作成し、設計者が自らチェックするアセ
スメントを実施しています。
尚、京セラミタの複写機・プリンタは次にあ
げる回収システムにより回収したPETから再
生されたプラスチックを定着システムに採用し
ています。今後ますます要求される省資源対応
として製品の外装プラスチックにも積極的に再
生材料を採用しています。
(図 5)
図 5:再資源化のため回収されたプラスチック部品
4. エコシスコンセプトを実現するためのリサイクルテクノロジー
お客様が使用された後に廃棄される製品のリサイクル体制の確立は、資源循環型社会の構築の
ため、現在の社会情勢において最も求められており、京セラミタグループでも最重要課題と位置
付け、取り組んでいます。
(図 6)
お 客 様
部品回収
清掃
京セラミタ
ジャパン
リサイクル
センター
技術情報
収集
リサイクル設計
小型化
長寿命化
リデュース
部品の
再利用
リユース
材料の
再利用
解体
分別
再生産機(RM)
トナーコンテナ
補修用部品
電線保護管
等 他製品
リサイクル
図6:3R(リデュース、リユース、リサイクル)推進の考え方
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エコシスコンセプトで、
「自利利他」を追求する
◆ 回収機のリサイクル
マテリアル
リサイクル
商品
販売店様
お 客 様
京セラミタ
ジャパン
再生機
サーマル
リサイクル
生産工場
洗浄・組立・検査
再利用部品
回 収
センター
リサイクル
センター
再資源化
業 者
部品回収
解体・分別
交 換
センター
同業他社回収
鉄、アルミ、銅、
プラスティック、
ガラス 等
図7:回収機のリサイクルフロー
回収機のリサイクルについては、製品の再利用を最優先とし、次に使用可能な部品を回収し補
修用部品として再利用します。部品として当社で再利用できない場合でも、新たな製品の材料と
して利用する方法などをリサイクルセンターと協力して進めています。既に樹脂部品が鉄道用の
信号ケーブル埋設保護管などとして利用されています。再利用できない部分は解体を行い、材料
毎にきめ細かく分別します。分別はできるだけ原材料への還元を優先して行います。原材料へ戻
せないものは溶鉱炉で熱エネルギーとして回収します。
◆ リマニュファクチャリングの試み
京セラミタではリマニュファクチャリングの開発を
進めています。リマニュファクチャリングとはお客様
で使用済みの複写機を回収し、京セラミタ独自の方法
で機械の使用状況、機械の状態など細かくチェックし、
再利用出来る機械かどうか判定します。そして合格し
た機械は、分解・洗浄を行い、改めて徹底的な検査を
行った後、通常の生産ラインに投入します。生産ライ
、厳し
ンでは、消耗した部品はすべて取り替え(図 8)
い品質基準で生産され新製品として生まれ変わります。
図 8:リマニュファクチャリングマシンの組立
5. おわりに
京セラミタは国内生産拠点(玉城工場、枚方工場)においてゼロエミッションを実現しており、
3R(リデュース、リユース、リサイクル)を推進する部門として、環境事業部を設立し、リサイ
クル事業に取り組んでおります。
また、単に製品の 3R の追求に止まらず、部品・材料の購入過程における有害物質の排除、生
産する工場や販売会社における環境保護活動、使用済み商品のリサイクル活動など課題は数多く
ありますが、京セラミタグループは、更に積極的に環境経営に取り組んでいく所存です。
□
[当組合 環境問題関西委員会 委員会社]
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新刊図書のご案内
環境・安全グループでは、先般次の書籍を刊行しました。
『EU における化学物質の毒性試験機関調査報告書 〜REACH、RoHS への対応〜』
最近、製品に含まれる化学物質の管理や使用について、企業に対し社会的要請が色々と出てきて
いる。特に欧・米・アジアなど国・地域を問わず化学物質に対する立法化が進んできており、企業
もその対応を余儀なくされている。
そこで当組合では、最近特に注目を浴びている二つの規制『REACH 規則案』と『RoHS 指令』
に対応するための参考資料とすべく、規制に対応可能な分析機関や特定有害物質の分析規格・方法
などについて調査を実施し、報告書として取りまとめた。
なお、本書は化学物質の専門家のための書ではなく、どちらかと言えば化学が苦手の方々にも活
用していただくことを目的に作成しているので、ぜひ多くの方々にご利用いただきたい。
体
裁 :
A4 判 185 頁
内
容 :
1. 調査内容
:
1.1 調査目的
1.2 調査項目・方法
2. 調査結果
2.1 REACH 規則暗に対応できる分析期間の抽出結果
2.2 RoHS 指令に対応するための分析規格・方法の抽出結果
調査結果Ⅰ
調査結果Ⅱ
調査結果Ⅲ
調査結果Ⅳ
毒性分析機関一覧
欧州の主な REACH 対応分析機関 個票
分析規格一覧(RoHS 指令対応)
分析方法概要(RoHS 指令対応)
[参考資料Ⅰ]REACH 規則案評価一覧
[参考資料Ⅱ]毒性用語集
: 一般価格 6,000 円 (組合員価格 2,000 円)
(消費税込み、送料別)
お申し込みは以下のサイトからお願いいたします。
http://www.jmcti.org/publication/select1.php3?item=5
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環境・安全グループ担当委員会の活動状況
1.貿易関連環境問題対策委員会
<平成 16 年度 第 3 回 通算第 81 回委員会(9/28:組合会議室)>
Œ 「EU の環境規制と日本企業の対応 〜ブラッセルの 4 年間を振り返って〜」
―― 藤井敏彦 前日機輸ブラッセル事務所次長(現経済産業省大臣官房企画課企画官(特
殊関税等調査担当))より、EU の環境規制と日本企業の対応について報告があり、そ
の後質疑応答・意見交換を行った。
Œ 「最近の関係工業会における環境関連事業活動」
―― ㈶家電製品協会、㈳日本冷凍空調工業会、㈳ビジネス機械・情報システム産業協会か
ら、最近の環境関連事業活動について報告があり、その後質疑応答・意見交換を行っ
た。
2.貿易と環境専門委員会
<平成 16 年度 第 5 回委員会(9/9:組合会議室)>
Œ 英国の WEEE & RoHS 指令国内法制化に係るコンサルテーション・ペーパーへの対応につい
て意見交換を行った。
Œ 最近の海外環境規制動向(REACH 関連、欧州委員会新体制情報、エナジースター関連 等)
について情報・意見交換を行った。
3.環境法規専門委員会
<平成 16 年度 第 5 回委員会(9/10:組合会議室)>
Œ 英国の WEEE & RoHS 指令国内法制化に係るコンサルテーション・ペーパーへの対応につい
て意見交換を行った。
Œ 欧州(仏 WEEE 法制化動向、REACH 関連、ノルウェーの化学物質規制 等)
、米国(メーン州
リサイクル法、カリフォルニア州リサイクル法 等)、中国(輸入エレクトロニクス ゴミ処
理税、清潔生産促進法審査強化弁法、エネルギー効率管理弁法 等)の環境関連情報交換を
行った。
4.環境問題関西委員会
<平成 16 年度 第 2 回委員会(7/16:大阪支部会議室)>
Œ 覚道崇文 前ブラッセル事務所次長より、
「最近の REACH、EuP の動向」について講演があ
り、その後質疑応答を行った。
Œ 欧州の RoHS 規制に関する最近の動き等について情報交換を行った。
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環境・安全グループ担当委員会の活動状況
<平成 16 年度 第 3 回委員会(9/15:大阪支部会議室)>
Œ 当組合環境・安全グループ 衣笠和郎グループリーダーより、「WEEE & RoHS 指令関連欧州
現地調査結果」について報告があり、その後質疑応答を行った。
Œ 海外の環境規制に関する最近の動き等について情報交換を行った。
<関係 3 団体環境関連委員会役員会(9/15:電子会館会議室)>
Œ ㈳電子情報技術産業協会 環境・安全部 部長 桑原 孝氏より「当業界の環境を巡る最近の
動き」について、日機輸 環境・安全グループ 衣笠グループリーダーより「RoHS 指令に関
する最近の動き」についてそれぞれ報告があり、その後質疑応答・意見交換を行った。
5.海外 PL 問題対策委員会
<平成 16 年度 第 2 回委員会(9/21:大阪支部会議室)>
Œ 光和総合法律事務所 池内 稚利弁護士より「中国の民事訴訟制度を取巻く環境と日本企業
の留意点」について講演があり、その後質疑応答を行った。
Œ 最近の海外 PL 関連動向について情報交換を行った。
□
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事務局便り
◇
好評の杉山氏による「ブリュッセル短信」は、同氏が帰任したことにより掲載終了の止む無きに至
りました。ご愛読いただいた読者の皆様には誠に申し訳ありませんが、事情ご賢察のうえご了承
下さるようお願い申し上げます。これまでご愛読いただいたことに改めて感謝申し上げるとともに、
事務局としても海外の最新動向の充実に向け一層の努力を傾ける決意ですので、引き続き本誌
をご愛読下さるようよろしくお願い申し上げます。
◇ WEEE & RoHS 指令関連動向としては、加盟国の法制化状況について概観しました。25 ヵ国中 3
ヵ国のみが立法化し、他の国はいまだ検討中という状態ですが、現地で関係当局との会議で意
見交換しているフランスの案及び比較的詳細な内容を示している英国の案について一覧表の形
で内容を取りまとめました。また、企業の重大関心事である「RoHS 最大許容値」については、英
国ガイダンス案において TAC で議論された最新案が明らかにされているので同情報も掲載しま
した。
◇ 欧州委員会のプレス発表で、期限内に法制化が完了したとされたギリシャ法の英語版を入手しま
したので掲載しました。各位の参考となれば幸いです。
◇ EuP 指令案については欧州議会第一読会が終了し、理事会でこれを修正した政治的合意が成
立しているところ、最近の動向と現時点の指令案の内容について、前ブラッセル事務所覚道次長
が本テーマで帰任報告を行いましたので、その内容とりまとめました。現状を把握する上でも役に
立つのではないかと思います。
◇ 当グループの深澤が当組合会報「JMC JOURNAL」9 月号に執筆した、『EU の新化学物質規制を
めぐる動き』についての記事を状況の整理という観点も考慮して本号に転載しました。
◇ モニタリング情報としては、欧州については排出量取引に関する国家配分計画や産業競争力へ
の影響、議長国オランダの優先課題等、米国についてはブッシュ、ケリー両大統領候補の環境
政策の比較、中国については電子廃棄物リサイクルに関する立法化の動向とリサイクル産業の展
望等について報告しております。
◇
組合員のページとしては、環境問題関西委員会委員会社の「京セラミタ」からご寄稿いただきまし
た。同グループとしてエコロジー(環境性)、エコノミー(経済性)、システム(ネットワーク性)を追求
した「エコシスコンセプト」を掲げ、自ら利益を得るためには他人も利するものでなければならない
という「自利他利」の精神のもと、製品作りやグリーンテクノロジーの開発を進めていることなど非
常に分かり易く紹介されております。
□
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