*グローバル投資環境 No.1373 * ご参考資料 髙木証券投資情報部 ニュージーランド準銀理事会 ~2会合続けて金利据え置き。追加利下げの必要性はいくぶん後退? 2016年6月9日作成 *ニュージーランド準備銀行は6月9日に理事会を開催、政策金 ▼政策金利(%)及びCPI(前年同期比,%) 利を2.25%で据え置いた。同準銀は昨年6月以降断続的に累 計で125ベーシスの利下げを実施しているが、直近の2会合は 続けて利下げを見送っている。 *理事会終了後に準銀のウェブサイトに掲載された声明文は国 内経済について、「強い移民の流入超、建設活動、旅行業及び 政策金利 2.25% 緩和的な金融政策によってサポートされているが、ブレークイー ブンを下回るレベルの乳製品分野の輸出価格は、ほとんどの農 CPI 業従事者に緩やかな影響を与えている」と述べており、4月28 1-3月+0.4% 日に開かれた前回理事会の声明文から大きく変わっていない。 *為替について声明文は、「我が国からの低い商品輸出価格に 照らせば為替レートは適正な水準よりも高く、海外での弱いイン ▼乳製品国際電子入札価格 フレと相俟って、輸入インフレを押し下げている。ニュージーラン (米ドル/メタリックトン) ドドル安が輸入インフレの上昇と、通商セクターをアシストするだ ろう」と述べており、引き続き通貨安を望む姿勢を示している。 *前回理事会の声明文は住宅価格について、「オークランドの 住宅価格が上向きそうないくつかの指標がみられる。住宅価格 はなお非常に高いレベルにあり、追加の住宅供給が必要だ。住 宅市場の圧力は、他のいくつかの地区で高まっている」と述べ、 ▼住宅不動産総合指数 住宅バブルに対する警戒感を示していたが、今回は「オークラ (前年同月比、%) ンドと他の地域での住宅価格インフレが金融の安定に対する懸 念を増している。オークランドの住宅価格はなお非常に高いレベ ルにあり、追加の住宅供給が必要だ」というより強いトーンに変 わっている。 *インフレについて声明文は、 「燃料価格と他の輸入物価が低 いことを背景にヘッドラインインフレはなお低位にあるが、長期の 期待インフレは2%で十分に固定されている」という前回同様の 見方を示す一方、短期の期待インフレについては前回の「本質 ▼為替(ニュージーランドドル) 対円(左軸)↓ 的に低下している」から「最近の低下の後、短期の予想は安定 したようにみえる」へ見方が変化した。さらにインフレの先行きに ついては、「緩和的な金融政策、燃料や他の商品価格の上昇、 期待されるニュージーランドドル安や能力面からの圧力のいくぶ んの高まりを反映して、徐々に強まることが見込まれる」と述べ 対米ドル(右軸)↑ ている。 *金融政策の先行きに関する声明文の表現は「将来の平均インフ レ率を目標レンジ(1~3%)の中央付近で確実に安定させるため には、さらなる政策の緩和(further policy easing)が必要になるかも知れない。我々は今後生起する 経済指標のフローを注視する」であり、前回から全く変わっていないが、先に述べたインフレに対する 見方の変化は、追加利下げの必要性がいくらか後退したことを示すとみられ、ニュージーランドドルの 押し上げ要因になる一方、通貨高に対する準銀の一貫した警戒感が上値を抑えるとみられ、米ドル に対してここ1年ほどの間の高値圏にあるニュージーランドドルは当面もみ合う可能性が高そうだ。 *なお、ニュージーランドでは今月16日に1-3月GDPの発表が予定されている。(文責:勇崎 聡) (ニュージーランド準備銀行、同統計局及びBloombergより髙木証券作成) 《ご注意いただきたいこと》当資料は投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資の最終決定はご自身でなさるようお願い いたします。当資料は信頼できると思われる各種データに基づいて作成されていますが、その正確性・完全性を保証するものではありませ ん。株式、債券、投資信託等は、価格の変動や発行者の信用状況の悪化等により投資元本を割り込むおそれがあります。また、当資料の いかなる部分も一切の権利は髙木証券に帰属しており、電子的または機械的な方法を問わず、いかなる目的であれ、無断で複製または転 送等を行わないようお願いいたします。 当社で取り扱う商品等へのご投資には、当該商品等の契約締結前交付書面、上場有価証券等書面、目論見書、お客様向け資料等をよく お読みください。 商号等:髙木証券株式会社 金融商品取引業者 近畿財務局長(金商)第20号 【広告審査済】 加入協会:日本証券業協会 髙木証券インターネットホームページ:http://www.takagi-sec.co.jp/ 1/1
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